府城の西に当り行程14里17町。
家数13軒、東西1町15間・南北1町15間。
山中に住す。四方に田圃あり。
東11町40間
粟瀬村の界に至る。その村まで23町40間。
西4町24間
芹田村の界に至る。その村は戌亥(北西)に当り16町余。
南16町計
漆沢村の山にかいふ。
北1町20間
太田村の界に至る。その村まで13町20間。
山川
片田沢
村より未申(南西)の方1町計にあり。
水源は本村と
安用村との山中より出、境内を経ること20町計北に流れ
太田村の界に入り室谷川に注ぐ。
広2間計。
神社
若宮八幡宮
村より丑寅(北東)の方2町計、山上にあり。
村民の持なり。
月山神社
村東10町計、山上にあり。
昔いつの頃にか江川駿河某という者、越中国立山神を信仰し年ごとに参詣す。年積て33年に及ぶ。1夜の夢に神人告て曰く「我、汝が子孫を擁護すべし」と。駿河これを奇とし、社を建て祭りしとぞ。
鳥居あり。村民の持なり。
余談。
越中国の立山神とは、現在の富山県中新川郡立山町にある雄山神社が奉る立山大権現の事でしょう。御神体は山そのもので、祭神は
伊邪那岐神(立山権現雄山神)・
天手力雄神(刀尾天神剱岳神)の2柱です。
創立は大宝元年(701年)とのことで、昔から信仰続く霊山なのですね。
参照:
雄山神社(公式)
蛇足。
とすると(月山の山頂にあるので社名はともかくとして、)ここの月山神社の祭神は月読尊ではなく立山権現になるのでしょうか?
…神仏習合によれば月山神も立山雄山神も本地仏は阿弥陀如来だそうで、同じ神と考えてしまっても良いのかもしれません。調べてみると矛盾する所が無きにしも非ずですが。なお天照大神の本地仏は大日如来です。
最終更新:2020年10月20日 20:37