会津郡南青木組河渓村

陸奥国 会津郡 南青木組 河渓(かはたに)
大日本地誌大系第31巻 69コマ目

府城の東南に当り行程2里5町余。
家数13軒、東西24間・南北2町57間。
両山の間にはざまり黒川に()ふ。村名もこれによるという。

東32町原組西田面村の山に界ふ。
西8町40間御山村の山界に至る。その村まで1里。
南14町49間大巣子村の界に至る。その村まで24町50間余。
北22町湯本村の界に至る。その村まは亥(北北西)に当り1里8町。

(もと)は村西の山を越え御山村を経て府下に出つ(いづ)。山径けわしく牛馬の往来難儀なりしに、寛政12年(1800年)ここより湯本村までの間、嶮を平け道を広めしに因り、府下の往来便よく村民これを利とす。

山川

高森山(たかもりやま)

村より辰(東南東)の方30町にあり。
峯相(そばだ)つ。大高森・小高盛という。
東は西田面村の山に連なり、南は一戸渡村に界ふ。

屏風岩(ひやうふいわ)

村より亥(北北西)の方15町湯本村にゆく路の右にあり。
石壁数10丈、屏風をたためるが如く。
その間に数株の老松高くそびえ、(すこぶ)る奇観なり。

黒川

村北にあり。
大巣子村の境内より来り、西北に流るること1里10町湯本村の界に入る。
広5間余。

猿滝(さるたき)

村より辰(東南東)の方12町余、黒川にあり。
高2丈余・広7間。

関梁

橋2

一は村東20間にあり。長7間・幅1間。大巣子村にゆく道なり。
一派村北20間にあり。長5間・幅1間。湯本村にゆく道なり。
共に黒川に架す。

神社

山神社

祭神 山神?
鎮座 不明
村より辰巳(南東)の方にあり。
鳥居あり。村民の持なり。


この村は東山ダム建設により廃村
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猿滝について

ネット上で細い3mや落差10mと書かれた記事は誤り
猿滝は幅10mのなだらかな滝

山王神社

神社へ向かう道が通行止めとなっているため状態を確認できず
2022年時点では現存する様子

古地図

東山ダムができる前の地図
現存する村東の大巣子方面への橋の記載がある
※地理院地図(大正2年測図/昭和6年修正測図)
最終更新:2024年12月15日 17:30
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