会津郡小出組小出村

陸奥国 会津郡 小出組 小出(こいて)
大日本地誌大系第31巻 81コマ目

村西の山下にわづかの湧泉あり。小出の名これに始るという。

府城の南に当り行程6里。
家数29軒、東西1町30間・南北35間。
西北に小野嶽を負い、東南は鶴沼川に近く、四方少しく田圃(たんぼ)あり。

下野国宇都宮街道駅所にて、桑原村駅より13町52間ここに継ぎ、ここより2里9町38間弥五島組弥五島村駅に継ぐ。
村中に官より令せらるる掟条目の制札をかく。

東5町桑原村に界ひ鶴沼川を限りとす。その村まで13町50間余。
西1里10町楢原組大内村の山に界ふ。
南7町小野村の界に至る。その村は未(南南西)に当り18町。
北7町沼尾村の界に至る。その村まで15町。

(まき)という端村あり。
元禄中(1688年~1704年)本村に移す。

村南に一里塚あり。

山川

小野嶽(おのかたけ)

村西2町計にあり。
(本郡の条下に詳なり。下同)

鶴沼川(つるぬまかわ)

(俗に大川という。下同)
村東5町にあり。
小野村の方より来り、東北の方に流れ西に転じ、また北の方に流るること33町、沼尾村の界に入る。
広32間。

関梁

船渡場

村東5町。
宇都宮街道、鶴沼川と渡す。
本村と桑原村と、上15日・下15日を分けて水主(かこ)を出す

神社

熊野宮

祭神 熊野宮?
相殿 稲荷神
勧請 不明
村の戌亥(北西)の方にあり。
鳥居あり。

神職 五十嵐越後

その先を越後長儀という。
何の頃にか越後国より来て当社の神職となる。
今の越後吉住は17世の孫なりとぞ。

御霊神社

祭神
鎮座 不明
村より丑寅(北東)の方1町にあり。
鳥居あり。五十嵐越後が司なり。

寺院

西福寺

村中にあり。
浄土真宗京師西本願寺の末山なり。
文禄3年(1594年)了順という僧開くという。
本尊弥陀客殿に安ず。



最終更新:2020年08月18日 21:58