大沼郡大石組多良布村

陸奥国 大沼郡 大石組 多良布(たらふ)村(太郎布)
大日本地誌大系第33巻 72コマ目

府城の西に当り行程11里22町。
家数24軒、東西1町30間・南北40間。南は山に倚り三方田圃(たんぼ)なり。

東12町沼沢村の界に至る。その村まで22町。
西13町河口村の界に至る。その村まで29町30間。
南22町玉梨村の山界に至る。その村は巳(南南東)に当り1里7町。
北12町大栗山村の界に至る。その村は亥(北北西)に当り32町。
また
未申(南西)の方14町小栗山村の界に至る。その村まで31町。

端村

上沼沢(かみぬまさは)

本村より辰(東南東)の方11町にあり。
家数4軒、東西30間・南北25間。西南は山に倚り東北は菜圃(さいほ)なり。

山川

白鳥山

村南1町にあり。
頂まで13町。雑木多し。
この山の奥に大高森という山あり。

袴腰(はかまこし)

村より4町丑(北北東)の方沼沢村の沼の南にあり。
高4町。
高山ならざれども数理の外より望めば蒼翠(そうすい)明媚(めいび)群峯(ぐんぽう)の上に(ひい)つ。因てこの邊地勢の高きこと知るべし。

清水

村より辰(東南東)の方1町、伊北郷より府下に通る路の傍にあり。
周1丈5尺。
水清冽なり。

原野

秣場

村北4町にあり。
5町四方。

水利

村より丑(北北東)の方1町にあり。
周300間。
この堤の下流を木冷(もくれい)沢という。亥(北北西)の方に流れて大栗山村の界に入る。

神社

諏訪神社

祭神 諏訪神?
相殿 山神
創建 不明
村西4町50間にあり。
鳥居拝殿あり。小栗山村栗田薩摩が司なり。


参考


外部リンク等


村名について

明治22年(1889年)、大志村・中川村・沼沢村・太郎布村・大栗山村・水沼村が合併し沼沢村が発足。
昭和30年(1955年)、沼沢村・川口村・本名村・横田村が合併して金山村が発足。
昭和33年(1958年)、金山村が町制施行して金山町となる。

上沼沢について

郡誌より)
大字太郎布には端村上の沢あり、上の沢は昔時上沼沢と云ひ…
との記載がある

神社

郡誌より)
社名 社格 祭神 祭日 所在地 備考
諏方神社 小社 建御名方命 九月二十七日 太郎布字宮平 境外末社稲荷神社あり

法人番号公表サイトで太郎布地区を調べると下記の登録がある
法人番号 商号又は名称 所在地
4380005008971 諏訪神社 福島県大沼郡金山町大字太郎布字宮平98番地
Google Mapには太郎布村の東側に稲荷神社が登録されているようだが法人登録はされていない様子。念の為宗教法人名簿も調べたが太郎布には諏方神社(認証番号1858)の登録しかない。
(そもそも登録名「鎮守稲荷神社大明神」もメチャクチャな気がします)
最終更新:2025年10月05日 19:39