河沼郡牛沢組阿久津村

陸奥国 河沼郡 牛沢組 阿久津(あくつ)
大日本地誌大系第33巻 146コマ目

この村旧悪津に作る。寛文中(1661年~1673年)今の字に改む。

府城の西に当り行程6里24町。
家数14軒、東西1町・南北1町48間。
東は山に倚り三方田圃(たんぼ)なり。

越後国に通る裏街道にて、村の西南に一里塚あり。

東30間・北30間、共に柳津村の界に至る。その村は北に当り1町10間余。
西6町20間余野老沢村の界ひ只見川を限りとす。
南8町54間郷戸村の界に至る。その村まで29間町。
また
未申(南西)の方8町56間出倉村の界に至る。その村まで15町0間余。

また村南3町20間に1区あり。龍藏庵という。
家数4軒、東西50間・南北7間。
出倉村に並ぶ。

山川

三千佛(さんせんふつ)

村南5町計にあり。
高70丈計。
昔堂宇ありて三千佛を安置せし故名なりとぞ。
時として古瓦石砮を得ることあり。

只見川

村西3町にあり。
出倉村の境内より来り、北に流れ東に転じ凡8町計流れて柳津村の方に注ぐ。

龍藏庵(りうさうあん)

村南3町余にあり。
長倉村の界より来り、西北に流るること13町只見川に注ぐ。
広2間計。

金谷(かなや)

村南4町にある渓流なり。
昔、山賊ここに出て往来をなやまし奪取し、金銀をこの水にて洗しゆえ金洗(かねあらひ)沢とも名くという。
長倉村の山中より出て西北に流るること5町余只見川に入る。

倉廩

米倉2屋

村中にあり。共に本組の米を納む。

神社

稲荷神社

祭神 稲荷神?
相殿 大天白神 地主神なり
   十二所權現
鎮座 不明
村の辰巳(南東)の方4町計山中にあり。
鳥居あり。出倉村舟木伊勢これを司る。

寺院

薬師堂

村南3町にあり。
3間四面、造立の時代知らず。
薬師、長2尺5寸。古物なり。
村民の持なり。


最終更新:2025年07月15日 18:54