耶麻郡川東組壺下村

陸奥国 耶麻郡 川東組 壺下(つほおろし)
大日本地誌大系第31巻 166コマ目

府城の東北に当り行程7里5町余。
家数35軒、東西2町50間・南北40間。
山中に住し西は湖水に傍ふ。

東27町計二本松領安積郡安子島村に界ひ倉手山の頂を限りとす。
西5町湖水を限りとす。
南13町余山潟村に界ひ小坂峠を限りとす。その村は巳(南南東)に当り33町余。
北は関脇村に隣り界域分明ならず。その村まで2町50間余。

この村は二本松街道駅所にて、村中に官より令せらるる掟条目の制札あり。
楊枝村駅より26町50間ここに継ぎ、ここより2里1町10間猪苗代城下に継ぐ。
駅役の事により蒲生氏の時都沢村と争論せしときの文書2通農民の家に蔵む。その時は村名を坪下に作れり。その文如左(※略)

山川

倉手山(くらてやま)

村東27町にあり。
登ること5町余。
東は地形卑ければ郡山・須賀川の方より望むに空に挿める峻嶺なり。
頂に石楠花・五葉松多し。
東は安子島村と峯を界ふ。

魔神嶽(まのかみたけ)

村より寅(東北東)の方20町、楊枝村にゆく路の左にあり。
倉手山よりややひきし。
頂より望めば安達郡の諸村眼下にあり。

楊枝峠(やうしとおげ)

楊枝村の東より登ること5町40間余頂に至る。
ここより中山駅に至り二本松に達す。
二本松領安達郡中山村と峯を界ふ。

小坂峠(おさかとおげ)

村南13町余にあり。
頂まで7町20間余。
ここを越えて山潟村にゆく。
東西に続ける峯を壺下・山潟村の界とす。

鳶岩(とひいわ)

村の戌亥(北西)の方3町、岩舘山の続きにあり。
高20丈。8分目に自然に鳶の形あり。

小沢川(おさはかわ)

村南1町にあり。
倉手山より源を発し、東より西に流るること28町湖水に入る。
広2間半。

原野

板屋原(いたやはら)

村より寅(東北東)の方15町計にあり。
東西7町・南北4町30間。
この村の秣場なり。

牧場

村より寅(東北東)の方8町にあり。
東西3町・南北4町。

関梁

壺下口

村の北端、二本松街道にあり。
ここより楊枝峠をこえて安達郡に達す。
木戸門あり。
左右の山を切て道とし、西は湖水を要害とす。
番戍を置き往来を察せしむ。

神社

諏訪神社

祭神 諏訪神?
相殿 伊勢宮 2座
   熊野宮
   山神
   羽黒神
   愛宕神
鎮座 不明
村より辰巳(南東)の方6町にあり。
鳥居あり。関脇村土屋出羽が司なり。

寺院

地蔵堂

村北にあり。
草創の年代詳ならず。
村民の持なり。




余談。
この辺りも旧月輪村の一部です。
Goo地図で見ると、この辺りに薬師堂とか諏訪前/諏訪入という地名はあるものの付近に建築物が見当たりません。残念です。