耶麻郡小荒井組下三宮村

陸奥国 耶麻郡 小荒井組 下三宮(しもさんのみや)
大日本地誌大系第32巻 97コマ目

昔は三宮村とて今の五目組上三宮村と1村なり。何の頃にか上下に分つという(上三宮村の条下と併せ見るべし)。

府城の西北に当り行程5里19町。
家数42軒、東西1町51間・南北1町39間。
東北に川原地あり西南は田圃(たんぼ)なり。

東6町3間大荒井新田村の界に至る。その村は辰(東南東)に当り6町10間余。
西3町44間慶徳組細谷村の界に至る。その村は酉戌(西~西北西の間)に当り7町30間余。
南4町30間慶徳組見頃村の界に至る。その村は午未(南~南南西の間)に当り9町20間余。
北5町7間上三宮村の界に至る。その村は丑寅(北東)に当り12町。
また
申(西南西)の方4町33間慶徳組岩沢村の界に至る。その村まで9町30間余。

端村

荒屋敷

本村より巳午(南南東~南の間)の方にあり。
家居1軒。
四方田圃なり。

山川

濁川

村東にあり。
上三宮村の方より来り、12町50間余南に流れて見頃村の境内を過ぎ小荒井村の界に入る。

原野

外手原(ほかてはら)

村東7町40間余にあり。
東西45間・南北3町30間。

関梁

村東にあり。
長6間・幅3尺、濁川に架す。
隣村の通路なり。

神社

山王神社

祭神 山王神?
相殿 伊勢宮
   稲荷神
鎮座 不明
村南1町20間余にあり。
鳥居拝殿あり。上三宮村高村能登が司なり。

寺院

慶長寺

村の未申(南西)の方にあり。
曹洞宗三宮山と號す。開基詳ならず。
昔は藠峯庵という。天正6年(1578年)熱塩村示現寺の14世明覺というものここに住し今の寺號に改む。因て明覺を開基とし今に示現寺の末山なり。
本尊地蔵客殿に安ず。

古蹟

浄教寺跡

村西にあり。
慶長6年(1601年)隆安という僧開基せり。
寶永元年(1704年)五目組黒川村に移す。
今は民家となる。





最終更新:2020年08月02日 10:01