アットウィキロゴ

努力値調整(ポケモン)

登録日:2011/08/24 Wed 00:21:58
更新日:2026/08/19 Wed 10:42:50
所要時間:約 6 分で読めます




努力値調整とは、『ポケットモンスター』シリーズにおいて努力値と呼ばれる数値の特殊な振り分け方に関する用語である。

+ 目次

概要

ポケモンの対戦においての努力値はある程度自由に振り分けられるため、人による個性や違いが出やすい部分である。
なお、当項目は「努力値」の仕様を理解していることが前提となっている。

第2世代まではこのような調整をする必要は無く、全ての努力値に振ることができた。だが、全振りが可能だった分、どのポケモンも現在より耐久力が高かった。ケンタロスカビゴンが当時のトップメタと化したのも無理はなかったりする。
このため、論理よろしく技威力120以上の技を使わないとやってられなかった時代だったのだが、当時は気軽に撃てる威力120以上の技が少なかった*1のも耐久全盛期に拍車をかける事となった。
まぁはかいのいでんしなんかは耐久全盛期だった当時だからこそ出せた道具だったりもしたのだが。
また、あるポケモンバトルではあまりの長丁場に司会が激怒し、途中で帰ってしまった。という逸話すらあるほど。
それらの状況を改善するためかは不明だが第3世代で努力値の全振りが不可能になり、現在の振り分け方式となった。

基本的に努力値の振り分けは最も伸ばしたい能力にそれぞれ252を2回振り、最後に余った6を耐久に振り分ける構成、つまり極振り*2が基本だが、中には何らかの理由のためにあえてこの基本を崩し努力値の微調整を行う事がある。これを「努力値調整」と言う。
努力値調整を行う理由は様々だが、多くの場合「仮想敵に対するメタ」や 「対応範囲の増加」を目的としている。
他にも「極振りだと無駄が出る」という場合にも有効。

努力値を振った後のステータスの実数値を元に戦闘でどれだけの火力や耐久力を発揮できるかという「火力指数」「耐久指数」を求めることができる。
計算式は以下の通り。
  • 火力指数=攻撃(特攻)の実数値×技の威力×タイプ一致補正×特性×持ち物×能力ランク×天候補正
  • 耐久指数=HPの実数値×防御(特防)の実数値
ただし実際に攻撃した時に与えるダメージは0.85~1.00の16段階の乱数が火力指数に乗算されることで決定される。
攻撃側がレベル50の場合、(火力指数×0.44)×0.85×タイプ相性補正≧仮想敵の耐久指数*3であればその相手を確定1発、つまり一撃で倒せるということになる。
また種族値によってHP・防御・特防にどのように努力値を振れば総合的な耐久力が最も高くなるのかも確認できる(後述)。

しかし耐久調整には非常に綿密なダメージ計算や努力値や種族値等に対する深く突っ込んだ知識が必須であるため、初心者や数学が苦手な人にはとてもハードルが高いのが難点。
また、基本的に調整はある程度理想の個体値も求められるため、王冠のない6世代までは厳選難易度も高かった。

とは言え、最近はダメージ計算ツールなども充実してきたため、ハードルは低くなってきている。
他にもインターネットで調べれば先人達に立証されたサンプルがちらほら出てくるのでそちらも参考にしてみよう。
ただし、先人のサンプルを参考にする場合は、その調整にどんな意味があるのか、今の環境に合っているのかということを考えてから参考にしないと意味が無い。

よくある勘違いとして、「極振りは初心者がやることで全てのポケモンは努力値調整が必須」というものがある。
だが、極振りがタブーなのかと聞かれれば、その答えはNOである。
火力や素早さを最大限求める場合など、極振りが有用な場面も多い。
どちらが強いと決めつけず、臨機応変に対応する事が上級者への第一歩といえる。


主な調整

火力調整

特定の相手を特定の技で確定or高乱数で倒せるように努力値を確保する調整。
拘り系等の火力アップアイテムを用いて必要な努力値を低めに抑える等のテクニックがある。

耐久調整

特定の相手からの特定の技を確定or高乱数で耐えるように努力値を確保する調整。
しっかり調整しないとHPと防御・特防のバランスによって無駄が出る場合があり、火力アップ系と比べて耐久アップのアイテムは少な目なため火力調整と比べるとやや難しい。
逆に耐久をなるべく厚めに振るため、攻撃技を固定ダメージやイカサマ、ボディプレスといった火力に努力値を振る必要性が低い技を中心にする場合もある。

コストパフォーマンスの良い耐久調整のためには、以下のことを覚えておこう。
HPと防御に努力値を振る場合、同じ合計努力値では「HP=防御」に近いほど物理耐久指数が高い。HPと特防なら「HP=特防」に近いほど特殊耐久指数が高い。
また、「HP=防御+特防」に近いほど物理耐久指数+特殊耐久指数が高い。まあとにかく、ハピナスなど防御・特防に比べてHPが高めのポケモンであれば、HP全振りより防御・特防にも努力値を振り分けた方が硬くなるのである。

当然だが、物理最硬振り・特殊最硬振りという片方の耐久に特化した振り方ではもう片方の耐久が落ちるため、ご利用は計画的に。それこそ耐久調整の出番だ。

HP調整

耐久調整の他にも、何らかの目的でHPの実数値を一定の値にするための調整も多い。
以下のように多種多様だが、特にメジャーなのは奇数調整、16n-1調整、4n+1~3調整。
パターンさえ覚えてしまえば、どんなポケモンにも使用できる*4為、初心者でも比較的やりやすい。
簡単な割に恩恵も大きいため、優先度は高め。まずはこれから覚えるべきだろう。
当然複数の項目を満たす組み合わせもならそれらの恩恵を受けられるが、HP種族値によっては負担が大きい・達成できない物もある。例えば2の倍数-1は16n-1で全て満たせるが、6n-1や10n-1は2以外の素数が含まれるため満たす値は限られてくる。

+ 主なHP調整パターン
  • 2n-1 or 2n+1(奇数)
「とびひざげり」「とびげり」の反動2回(最大HPの1/2)耐え、場に出たときに「ステルスロック」で受けるダメージ(最大HP×1/8×への相性)が少なく済む。
特に抜群の「ステルスロック」の確定数を増やせるのは大きく、岩が弱点の場合は必須レベル
必要努力値も少なく、後述の理由が無い場合は、とりあえず奇数にしておけば良いとまで言われる。

  • 2n(偶数)
無傷から「はらだいこ」(最大HPの1/2減)をするか「いかりのまえば」、超抜群「ステルスロック」を受けた時に「オボンのみ」(HPが1/2になると1/4回復)が発動。マリルリ、岩4倍ポケモン(あつぞこブーツを持たせられない場合)が使用。
「じこさいせい」等回復技の回復量(最大HPの1/2)が最大。

  • 3n
特性「さいせいりょく」による回復量(最大HPの1/3)が最大。
ヤドランドヒドイデなどが使用。

  • 4n
みがわり」(最大HPの1/4減)2回で「オボンのみ」が、3回で「ヤタピのみ」「カムラのみ」(HP1/4以下で発動)が発動、「オボンのみ」による回復量が最大等。

  • 4n+1~3
「みがわり」を張れる回数が1回多い。

  • 4n-1
のろい」によるダメージ(最大HPの1/4)が最小。

  • 6n-1
「ゴツゴツメット」「まきびし(2回)」によるダメージ(最大HPの1/6)が最小。メガガルーラなどが使用。

  • 8n
特性「ポイズンヒール」による回復量(最大HPの1/8)が最大。

  • 10n-1
「いのちのたま」によるダメージ(HP/10)を軽減。
努力値無振りでHP=10nなら個体値を下げることも。

  • 16n
「たべのこし」や特性「アイスボディ」、グラスフィールドによる回復量(最大HPの1/16)が最大。

  • 16n+11
「みがわり」が4回使用でき、ポイズンヒールによる回復量が最大に近く天候ダメージが最小に近い。キノガッサが使用。

  • 16n-1
火傷すなあらし、あられ、「やどりぎのタネ」のダメージ(最大HPの1/8)が最小。

  • 16n-3
4n-1を満たしつつ、16n-1に近い効果を得る。

  • 183
奇数、4n-1、8n-1を満たす数値。HP無振りのガブリアスのHP実数値がこの値になるため「ガブリアス数」と言われることも。

  • 191
奇数、6n-1、8n-1、16n-1を満たす、定数ダメージに強い振り方(48n-1)の中で多くのポケモンで達成しやすい数値。
レベル1ココドラの「がむしゃら」+「すなあらし」耐え。

  • 205以上
「みがわり」のHPが51以上となり、固定ダメージ技である「ちきゅうなげ」「ナイトヘッド」を耐える*5

素早さ調整

特定のポケモンの素早さをギリギリ抜けるようにする調整。
素早さは1の差が大きい為、S調整は最も重要な要素の1つとされる。
しかしある程度素早さがあるポケモンは基本的に調整をするまでもなく素早さに極振りされる事が多い、基本的に素早さ調整は鈍足か中途半端な速さ、あるいは速すぎるポケモンが主となる*6
具体的には素早さ種族値100族辺りから調整振りが多い。また直接素早さを抜く以外にも龍舞やスカーフ等の素早さアップ要素を含めた調整も含まれる。

どちらのパターンにしてもよく基準になるのが、実数値134だろうか。これは素早さ種族値70の最速キノガッサと同値で、かつ素早さ1.5倍*7で最速130族をちょうど抜ける。
また、同一のポケモンと対面するミラーマッチとなった場合、素早さが同じだとどちらが先に行動できるか分からなくなってしまう。使用率の高いポケモンを使用する場合は留意しておく必要がある。

ダウンロード対策調整

「防御<特防」になるようにする調整。
ポリゴン系統とゲノセクトの特性「ダウンロード」は、相手の防御と相手の特防を比較し、防御<特防ならば自分の攻撃を、防御≧特防ならば自分の特攻を、それぞれ1段階上げる。
種族値・習得技的に彼らは特殊アタッカー向きであるため、特攻アップが発動するとかなり厄介。ゆえに、防御さ<特防とすれば、特攻を上げられずに済む。

ただ努力値調整の優先度としては低めで、これのために貴重な努力値のほとんどが割かれることはあまりない。
基本的に「ルカリオなど防御と特防の種族値が同じくらいのポケモンは、余った努力値を特防に優先して振る」くらいの認識で良い。ポリゴン2・ポリゴンZは他の特性を持っていることだってあるし。

ブースト系特性用調整

ウルトラビーストの特性「ビーストブースト」とメガシビルドンの特性「うなぎのぼり」は、相手を倒すと自分の最も高い能力が1段階上がる*8
このため、特にウツロイドテッカグヤツンデツンデなどは任意の能力をブーストさせるために努力値を調整することがある。
最もテッカグヤ以外のUBは極端な種族値配分のものが多く、かなり強引な調整が必要なケースも多い。

他にも、パラドックスポケモンの特性「こだいかっせい」「クォークチャージ」は特定の場の状態*9で発生するか専用アイテム「ブーストエナジー」を消費することで、ランク補正を考慮した上で自分の最も高い能力を1.3倍、素早さの場合は1.5倍に高められる。こちらも、努力値調整でブーストする能力を選ぶことができる。


有名な調整例

多くの人達に実用性を認められ広く認知された調整は、何らかの名称付きで呼ばれる。

  • 201ガブ
HP:140 / 攻撃:108 / 防御:4 / 特防:4 / 素早:252 という努力値振りのガブリアス。
鉢巻持ち地震メタグロスギリギリ確1に まで火力を落とし、その分を耐久に振ってタイマン・繰り出し性能を大幅に上げたガブリアス。
名前の由来はHP実数値が201になる事から。サンダースめざパヘラクロスの鉢巻きインファイト等あらゆる攻撃を耐えるようになりかなり強力。
第4世代に開発された調整だが現在でも微調整を繰り返しながら使われている。

  • 205ガブ
HP:172 / 攻撃:76 / 防御:4 / 特防:4 / 素早:252 という努力値振りのガブリアス。
上と似ているがこちらは砂パ全盛期の第5世代に良く見られた調整。
持ち物に光の粉を持ち、技には身代わりと剣の舞の搭載、天候が砂嵐であることが必須。
特性とアイテムの効果、自身の耐久を合わせて身代わりが残るまで先手でみがわりを張り続け、みがわりが残ったらそれを盾に剣の舞を積んで全抜きする型。
この振り方だとみがわりのHPは51になり、定数ダメージ技として有力なナイトヘッド及び地球投げを身代わりが耐えるようになるので剣の舞が使いやすくなる。
また身代わりを張っているので鬼火も無効。一度積まれたらほぼ負けレベル。
運ゲー要素が強いとはいえ第5世代は非常に砂パが強かったのでバンギラスカバルドンとセットで様々な所で見られたが第6世代で砂パの弱体化、みがわり貫通技の登場によりあまり見なくなった。

  • 桂馬ンダ
HP:4 / 攻撃:4 / 防御:108 / 特攻:204 / 素早:188という努力値振りのボーマンダ。持ち物はスカーフ前提。
名前の由来は「桂馬」というハンドルネームのプレイヤーが開発した事から。
持ち物無しガブリアスの逆鱗と拘りヘラクロスのストーンエッジを威嚇込みで超高乱数耐えするように調整し、ガブリアスとのタイマンとヘラクロスへの繰り出し性能を引き上げたボーマンダ。
この型の誕生により、一時期ガブリアスに流星群の搭載がデフォになる程の影響力を見せた。
最近はスカーフマンダ自体の減少によりあまり見なくなった。第7世代ではメガストーンHD振りが多い。


他にはトビゴン、机上論ハッサム、203ガルーラと呼ばれる調整ポケモンなどが有名。

しかし、第5世代に入ってから更に増した火力インフレや耐久インフレ、連続技の台頭、第6世代のフェアリータイプ登場に伴う相性の変化にメガシンカ、第7世代のZワザ、第8世代のダイマックス、第9世代のテラスタルなど、環境の変化によってこれらの有名な調整も時代遅れとされ、新たな努力値調整が試行錯誤を重ねて日々開発されている。時代は常に動いているのだ。





余談

一時期「沖縄振り」という努力値調整が話題となったことがある。

やり方は簡単。5か所に努力値を100振るだけ。つまりドーピングアイテムを50個買えばできるので、十分なお金さえあれば難しくない。
でも、ここまで沢山の調整例を見た中で、こんな適当に見える育成で勝てるのか?と思う人もいるだろう。
しかし…ワールドチャンピオンシップス2010の沖縄予選にて、何とこの努力値振りのプレイヤーが準優勝を果たしている。
他にも、個体値は全体的に中の上程度、物理一本のアタッカーなのに攻撃ダウンの性格だったりと、決勝進出者とは思えない育成のポケモンばかりだったためにある意味で話題となった。

裏を返せば、ポケモンはステータス実数値だけではない。パーティの構成、使う技のラインナップ、環境、選出や行動などの立ち回り、運など、様々な要素が絡み合って勝敗が決まる。そんなメッセージを感じた人もいたかもしれない。





追記・修正・調整お願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2026年08月19日 10:42

*1 専用技を除くと「すてみタックル」、「メガトンキック」、「だいもんじ」、「ハイドロポンプ」、「かみなり」、「ふぶき」くらいで他は自爆技だったり反動技だったり溜め技だったりで気軽には撃てなかった。第三世代以降は気軽に撃てる技威力120以上の技も着実に増えている。

*2 努力値を252振る事を「極振り」または「ぶっぱ」と呼ぶ。

*3 「0.44」は「攻撃側レベル/125 + 0.04」で算出される値。

*4 191や205など、特定の実数値に出来ないという場合はある。

*5 攻撃側のレベル分の固定ダメージなので、レベル50戦ではダメージ50となる。

*6 速すぎるポケモンは、素早さに極振りすると無駄が出やすいため。

*7 こだわりスカーフ、自分の素早さ1段階アップ、相手の素早さ1段階ダウン、こだいかっせい、クォークチャージ。

*8 最も高い能力が複数ある場合の優先度は、こうげき>ぼうぎょ>とくこう>とくぼう>すばやさの順。

*9 前者は、にほんばれ、後者はエレキフィールド。