努力値調整(ポケモン)

登録日: 2011/08/24(水) 00:21:58
更新日:2021/07/22 Thu 19:29:40
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概要

ポケモンのガチな対戦において種族値努力値個体値の通称「三大値」がとても重要なのは皆も知っての通りだろう。

その中でも努力値はプレーヤー側がある程度自由に弄くれる数値であり特にプレーヤーの個性が表れる部分である。

基本的に努力値の振り分けは252・252・6の構成*1が基本だが、中には何らかの理由のためにあえてこの基本を崩し努力値の微調整を行う事がある。
これを「努力値調整」と言う。

努力値調整を行う理由は様々だが、多くの場合「仮想敵に対するメタ」や 「対応範囲の増加」を目的としている。
他にも「極振りだと無駄が出る」という場合にも有効。

努力値を振った後のステータスの実数値を元に戦闘でどれだけの火力や耐久力を発揮できるかという「火力指数」「耐久指数」を求めることができる。
計算式は以下の通り。
火力指数=攻撃(特攻)の実数値×技の威力×タイプ一致補正×特性×持ち物×能力ランク×天候補正
耐久指数=HPの実数値×防御(特防)の実数値
ただし実際に攻撃した時に与えるダメージは0.85~1.00の16段階の乱数が火力指数に乗算されることで決定される。
攻撃側がレベル50の場合、
(火力指数×0.44)×0.85×タイプ相性補正≧仮想敵の耐久指数
であればその相手を確定1発で倒せるということになる。
また種族値によってHP・防御・特防にどのように努力値を振れば総合的な耐久力が最も高くなるのかも確認できる(後述)。

しかし耐久調整には非常に綿密なダメージ計算や努力値や種族値等に対する深く突っ込んだ知識が必須であるため初心者や数学が苦手な人にはとても敷居が高いのが難点。
また、基本的に調整はある程度理想の個体値も求められるため厳選難易度も高い。

とはいえ、最近はダメージ計算ツールなども充実してきたため、敷居は低くなってきている。
他にもググれば先人達に立証されたサンプルがちらほら出てくるのでそちらも参考にしてみよう。

上級者のポケモンは何かしら努力値調整が施してある場合も珍しくない。
上級者達は常に最適な調整例を模索しており、時には個体値厳選以上の労力を使う事も。
ある意味腕の見せどころである。

一方で、極振りがタブーなのかと聞かれれば、その答えはNoである。
火力や素早さを最大限求める場合など、こちらはこちらで有用な場面も多い。
どちらが強いと決めつけず、臨機応変に対応する事が上級者への第一歩といえる。

個体値に関しても理想個体より多少低くても誤差の範囲だと思えば気が楽。
レーティングバトル形式のガチ対戦でもシーズン最終日付近だと妥協個体を使ってでも新しい個体を試し、それで上位入賞する人もいる。
ただし素早さ、テメーは駄目だ。


主な調整

  • 火力調整
特定の相手を特定の技で確定or高乱数○発で落とせるように努力値を確保する調整。
拘り系等の火力アップアイテムを用いて必要な努力値を低めに抑える等のテクニックがある。

  • 耐久調整
特定の相手からの特定の技を確定or高乱数○発で耐えるように努力値を確保する調整。
しっかり調整しないとHPと防御・特防のバランスによって無駄が出る場合があり、火力アップ系と比べて耐久アップのアイテムは少な目なため火力調整と比べるとやや難しい。
というかポケモンによっては耐久調整の努力値を確保するために火力調整を行ってる節も。
逆に耐久をなるべく厚めに振るため、攻撃技を固定ダメージやイカサマなど、努力値振りの必要性が低い技中心にする場合もある。火力に努力値がいらないという面ではボディプレスもあり。

コストパフォーマンスの良い耐久調整のためには、以下のことを覚えておこう。
HPと防御に努力値を振る場合、同じ合計努力値では「HP=防御」に近いほど物理耐久指数が高い。HPと特防なら「HP=特防」に近いほど特殊耐久指数が高い。また、「HP=防御+特防」に近いほど物理耐久指数+特殊耐久指数が高い。まあとにかく、ハピナスなど防御・特防に比べてHPが高めのポケモンであれば、HP全振りより防御・特防にも努力値を振り分けた方が硬くなるのである。
もっとも、物理最硬振り・特殊最硬振りという片方の耐久に特化した振り方ではもう片方の耐久が落ちるため、ご利用は計画的に。それこそ耐久調整の出番だ。

  • HP調整
耐久調整の他にも、何らかの目的でHPの実数値を一定の値にするための調整も多い。
以下のように多種多様だが、特にメジャーなのは奇数調整、16n-1調整、4n+1~3調整。
ガブリアスが基本的にHPに努力値を振らない理由でもある。

2n-1(奇数)…「とびひざげり」「とびげり」の反動2回(最大HPの1/2)耐え、「ステルスロック」のダメージ(最大HP×1/8×への相性)が少なく済む。特に4倍「ステルスロック」を2回耐えできるのは大きく、岩4倍弱点の場合は必須レベル。
2n(偶数)…無傷から「はらだいこ」(最大HPの1/2減)をするか「いかりのまえば」を受けた時に「オボンのみ」(HPが1/2になると1/4回復)が発動。マリルリ等が使用。「じこさいせい」等回復技の回復量(最大HPの1/2)が最大。
3n…特性「さいせいりょく」による回復量(最大HPの1/3)が最大。ヤドランドヒドイデが使用。
4n…「みがわり」(最大HPの1/4減)2回で「オボンのみ」が、3回で「ヤタピのみ」「カムラのみ」(HP1/4以下で発動)が発動、「オボンのみ」による回復量が最大等。
4n+1~3…「みがわり」を張れる回数が1回多い。
4n-1…「のろい」によるダメージ(最大HPの1/4)が最小。
6n-1…「ゴツゴツメット」「まきびし(2回)」によるダメージ(最大HPの1/6)が最小。メガガルーラ等が使用。
8n…特性「ポイズンヒール」による回復量(最大HPの1/8)が最大。
10n-1…「いのちのたま」によるダメージ(HP/10)を軽減。努力値無振りでHP=10nなら個体値を下げることも。
16n…「たべのこし」や特性「アイスボディ」、グラスフィールドによる回復量(最大HPの1/16)が最大。
16n+11…「みがわり」が4回使用でき、ポイズンヒールによる回復量が最大に近く天候ダメージが最小に近い。キノガッサが使用。
16n-1…火傷すなあらし、あられ、「やどりぎのタネ」のダメージ(最大HPの1/8)が最小
16n-3…4n-1を満たしつつ、16n-1に近い効果を得る。
191…奇数・6n-1・8n-1・16n-1を満たす、定数ダメージに強い振り方。レベル1ココドラの「がむしゃら」+「すなあらし」耐え。
205以上…「みがわり」のHPが51以上となり、固定ダメージ技である「ちきゅうなげ」「ナイトヘッド」を耐える*2

  • 素早さ調整
特定のポケモンの素早さをギリギリ抜けるようにする調整。
素早さは1の差が大きい為、S調整は重要な要素の1つとされる。
しかしある程度素早さがあるポケモンは基本的に調整をするまでもなく素早さ努力値は全振りがデフォなため、基本的に素早さ調整は鈍足か中途半端な速さのポケモンが主となる。
具体的には素早さ種族値100族辺りから調整振りが多い。また直接素早さを抜く以外にも龍舞やスカーフ等の素早さアップ要素を含めた調整も含まれる。
どちらのパターンにしてもよく基準になるのが、実数値134だろうか。これは最速キノガッサ(素早さ種族値70)と同値で、かつ素早さ1.5倍*3で最速130族をちょうど抜ける。
なお、めざパの関係で素早さ個体値を30にせざるを得ない場合、調整振りをする場合はフォローが効く。
30の場合は31の場合よりも努力値を4増やせばおkである。
他の能力値にギリギリの調整振りをするため努力値振りの配分を少しも変えられない場合や、
最速を狙いたい場合、もちろんこの手は使えないので、素直にすごいとっくんを使いましょう。

  • ダウンロード対策調整
防御<特防になるようにする調整。
ポリゴン系統とゲノセクトの特性「ダウンロード」は、相手の防御と相手の特防を比較し、防御<特防ならば自分の攻撃を、防御≧特防ならば自分の特攻を、それぞれ1段階上げる。
種族値・習得技的に彼らは特殊アタッカー向きであるため、特攻アップが発動するとかなり厄介。ゆえに、防御<特防とすれば、特攻を上げられずにすむ。
ただ努力値調整の優先度としては低めで、「防御と特防の種族値が同じくらいのポケモンは、余った努力値を特防に優先して振る」くらいの認識でよい。ポリゴン2・ポリゴンZは他の特性を持っていることだってあるし。

  • ビーストブースト用調整
ウルトラビーストの特性「ビーストブースト」は、相手を倒すと自分の最も高い能力が1段階上がる(最も高い能力が複数ある場合の優先度は、こうげき>ぼうぎょ>とくこう>とくぼう>すばやさ)。
このため、特にウツロイドテッカグヤツンデツンデなどは任意の能力をブーストさせるために努力値を調整することがある。もっともテッカグヤ以外のUBは極端な努力値配分のものが多く、どう頑張ってもブーストできないor個体値や性格も含めてかなり強引な調整が必要なケースも多い。



有名な調整例

ちなみに多くの人達に実用性を認められ広く認知された調整は何らかの名称付きで呼ばれる事がある。

  • 201ガブ
HP:140 / 攻撃:108 / 防御:4 / 特防:4 / 素早:252 という努力値振りのガブリアス。
鉢巻持ち地震メタグロスギリギリ確1に まで火力を落とし、その分を耐久に振ってタイマン・繰り出し性能を大幅に上げたガブリアス。
名前の由来はHP実数値が201になる事から。サンダースめざパヘラクロスの鉢巻きインファイト等あらゆる攻撃を耐えるようになりかなり強力。
第4世代に開発された調整だが現在でも微調整を繰り返しながら使われている。

  • 205ガブ
HP:172 / 攻撃:76 / 防御:4 / 特防:4 / 素早:252 という努力値振りのガブリアス。
上と似ているがこちらは砂パ全盛期の第5世代に良く見られた調整。
持ち物に光の粉を持ち、技には身代わりと剣の舞の搭載、天候が砂嵐であることが必須。
特性とアイテムの効果、自身の耐久を合わせて身代わりが残るまで先手でみがわりを張り続け、みがわりが残ったらそれを盾に剣の舞を積んで全抜きする型。
この振り方だとみがわりのHPは51になり、定数ダメージ技として有力なナイトヘッド及び地球投げを身代わりが耐えるようになるので剣の舞が使いやすくなる。
また身代わりを張っているので鬼火も無効。一度積まれたらほぼ負けレベル。
運ゲー要素が強いとは言え第5世代は非常に砂パが強かったのでバンギラスカバルドンとセットで様々な所で見られたが第6世代で砂パの弱体化、みがわり貫通技の登場によりあまり見なくなった。

  • 桂馬ンダ
HP:4 / 攻撃:4 / 防御:108 / 特攻:204 / 素 早:188という努力値振りのボーマンダ。持ち物はスカーフ前提。
名前の由来は桂馬という人が開発した事から。
持ち物無しガブリアスの逆鱗と拘りヘラクロスのストーンエッジを威嚇込みで超高乱数耐えするように調整し、
ガブリアスとのタイマンとヘラクロスへの繰り出し性能引き上げたマンダ。
このマンダのおかげで一時期ガブリアスに流星群の搭載がデフォになる程の影響力を見せた。
最近はスカーフマンダ自体の減少によりあまり見なくなった。第7世代ではメガストーンHD振りが多い。


他にはトビゴン、机上論ハッサム、と呼ばれる調整ポケモンなどが有名。

しかし、第5世代に入ってから更に増した火力インフレや耐久インフレ、連続技の台頭、第6世代のフェアリータイプ登場に伴う相性の変化にメガシンカ、第7世代のZワザ、第8世代のダイマックスなど、環境の変化によってこれらの有名な調整も時代遅れとされ、新たな努力値調整が試行錯誤を重ねて日々開発されている。
時代は常に動いているのだ。

余談だが、一時期「沖縄振り」という努力値調整?が話題となったことがある。

追記・修正・調整お願いします。

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最終更新:2021年07月22日 19:29

*1 努力値を252振る事を「極振り」または「ぶっぱ」と呼ぶ。

*2 攻撃側のレベル分の固定ダメージなので、レベル50戦ではダメージ50となる

*3 こだわりスカーフ、自分の素早さ1段階アップ、相手の素早さ1段階ダウン