異世界/異次元(ポケモン)

登録日:2018/04/28 Sat 23:45:35
更新日:2024/03/01 Fri 11:16:27
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ここではポケットモンスター本編シリーズにおける異世界・異次元の話をする。




■概要

初代「赤・緑」の時点から、ポケモンの世界ではモブの台詞などで「異世界、異次元」への言及がたびたび成されてきた。
ゲーム外においても、かつてのゲームフリーク公式サイトでは、それぞれ別のバージョンが違った世界であるという説明がなされていた。

Q:ポケモンのゲームのみどりはニャースが出るけど赤はニャースが出てきません。どうしてですか。おしえてください。
(しょうたトレーナー・8さい)
Q:ニャースは、どこにいるんですか。
(yasuokaトレーナー)

A:『赤』と『緑』、そして『青』はパラレルワールドのようなもの。
おなじようにみえてびみょうに違った世界なのだ。
ニャースは『緑』『青』の世界が好きなのかもしれんなあ。
『緑』『青』ならヤマブキシティのまわりでよく見かけるニャ。
引用先https://web.archive.org/web/20010819210758/http://www.gamefreak.co.jp/POKEMON/Q&A/Q&A_3/QA_3.HTM#QA2
(Web Archiveによれば、1997年10月ごろから2001年8月ごろにかけて存在していたページらしい。)

その他、雑誌「SWITCH」2016年1月号のインタビューなどでも、「プレイヤーごとに、それぞれ”ポケモンの世界”がある」といった趣旨の発言がされていたらしい。
(雑誌を所有している方、さらなる情報提供をお願いします。)

本格的にストーリーに絡み始めたのはDPt以降。
本項ではバージョン毎に異世界を示唆する情報、登場した異世界を解説する。

DPt

DPでは、ギンガ団アカギが時間/空間を司るポケモンの力で新世界を作ろうとしていたが、
これは既存の世界を塗り替えるようなものらしく、異世界と呼べるかは微妙。

Ptでもアカギの目的自体は変わらないが、ギラティナがストーリーに絡み「やぶれたせかい」と呼ばれる異世界が登場した。

また同バージョンからポリゴンZやドータクンなど、図鑑解説で異次元について触れられたポケモンも登場し始めた。

  • やぶれたせかい
この世の裏側にあると言われる世界。
ギラティナの住処であり、大抵のユーザーはポケモンで異次元と言ったら真っ先にこれを思い浮かべるだろう。
時間と空間の概念がなく、重力の向きも場所によって様々な異空間。
アカギの推測によれば、遺伝子の二重螺旋のように現実世界と結び付き互いに補完し合っているとされている。
この世界が乱れると、現世に時空の裂け目が生じると神話に語られる。


BW

メインストーリーには絡まないが「ドリームワールド」や「ゆめのはざま」など、連動ソフトの舞台が異世界となっている。

ハイルツリーと呼ばれる人々の想いを繋ぐ植物が生えた空間。
ハイリンクの森は「ドリームワールド」と繋がり、眼を覚ましたポケモン達の夢が現実となって現れる。
また、ミッションを通じて他のプレイヤー達の世界を訪れることができる。

文字通り夢の世界。
ゲームシンクによって現実と繋がっている。

  • ゆめのはざま
ARサーチャーの舞台となる、文字通りドリームワールドと現実世界の狭間の世界。


ORAS

ヒガナやトクサネ宇宙センターの職員によって異世界の存在が示唆されている。
ヒガナによるとメガシンカの際に時空の歪みが発生し、それを通して流星の民は古来から異世界を観測していたとのことで「メガシンカのない世界」の存在が示唆されている。
トクサネ宇宙センターでは、人工的にメガシンカを再現し通信ケーブルで制御することでワープホールを開こうとしており、メガシンカにより異次元と繋がるのは確かな現象のようだ。

またシナリオを特定の段階まで進めてある条件を満たせば各地に謎のワープホールを擁する「マボロシじま」が出現し、ホウエン地方には存在しないはずの伝説のポケモンと戦えるようになる。
このときの戦闘背景は周りとは全く違う靄がかかったサイケな空間であり、異次元と見て間違いないだろう。


SMUSUM

歴代で最も異次元・異世界についてスポットが当てられた作品。
舞台となるアローラでは、太古から「ウルトラホール」と呼ばれる時空の歪みが観測されており、そこから通じる「ウルトラスペース」と呼ばれる世界が観測されていた。
そのため異空間の研究も熱心に行われており、ウルトラスペースについて研究している空間研究所、エーテル財団がある。空間や異世界の研究家としてバーネット博士とモーン博士が登場する。
そして異次元に住む謎の生命体「ウルトラビースト(UB)」がストーリーの根幹に大きく関わってくる。

ゲーム外でも、 公式動画 にて、サンとムーンの違いを「異なる2つの世界」と表現している。
これは、前述の初代「赤・緑」におけるバージョン違いについての見方を踏襲しているといえるだろう。
USUMでは、レインボーロケット団として歴代悪の組織のボス達が登場しており、作中での発言や開発者インタビューによると、それぞれ異なる世界の人物とのこと。
また、アクロマは波長を合わせることで異次元人を元の世界に送り返す装置を開発している。

  • ウルトラホール
数多の異世界に通じる空間及び、そこに通じる穴。アローラ地方では極稀に上空に開く。
リラなど偶発的に迷い込んだ人間も存在するが、
自由に行き来するには、伝説のポケモンであるソルガレオ/ルナアーラの力を用いる必要がある。

  • ウルトラスペース
ウルトラホールから通じる異世界。それぞれの世界に特有のポケモンが存在している。
USUMでこの設定が掘り下げられ、ウルトラビーストごとに故郷が異なること、世界によっては人が住んでいることが判明している。主人公はソルガレオ/ルナアーラの力を用いてウルトラスペースを探検できるようになるが、この2匹=コスモッグの故郷がどこなのかは明示されていない。
以下、ウルトラスペースを介して訪れた世界内では、ピカチュウなど進化先だけがリージョンフォームになるポケモンを進化させると過去作産の姿になるという地味な裏技がある。

  • ウルトラスペースゼロ
作中で舞台となる世界でも普通に見られるポケモンや伝説のポケモンが、単体で棲息しているウルトラスペース。
名称が同じ別世界群なのか、同じ世界の別の場所なのかは不明。

  • ウルトラディープシー
ウツロイドが本来棲息している、海底のように幻想的な洞窟。SMではウルトラスペースの名称で登場。
設定資料集によると全てが硝子質で出来ており、僅かな光を反射し煌めいているとのこと。

  • ウルトラデザート
フェローチェが本来棲息する、広大な白い砂漠。
エメラルドなどの宝石の原石が大量に転がっている。

  • ウルトラフォレスト
カミツルギが本来棲息する、松のような植物で出来た森。
この世界には「かみつかい」と呼ばれる奇妙な人間も存在しており、カミツルギを使役している。
資料集によると、木々と岩により害敵の巨大生物が侵入できず、枝葉が雨も弾くカミツルギにとって住みやすい空間とのこと。

  • ウルトラプラント
大小様々なデンジュモクの森が広がる雷が降り続ける世界。
主人公の降り立った岩場にも超巨大デンジュモクの足が巻き付いており、かみなりのいしが散逸している。
資料集によると水ではなく電流が流れる川が存在しているらしい。

  • ウルトラバレー
テッカグヤが本来棲息する世界。
テッカグヤが鉱物を摂取し続けたことで地殻が薄くなり、マグマが地面すれすれまで上昇し、地下茎を通じて火山ガスも地上に噴出している危険な世界。
テッカグヤの発射後のクレーターがあちこちに散見している。

  • ウルトラジャングル
マッシブーンの本来棲息する、ポージングを決めているかのような形状の巨大樹が乱立し、火山が噴火する森。

  • ウルトラビルディング
アクジキングが本来棲息している世界? 崩壊した文明。
人間も存在していたが、何らかの理由により水や空気が汚染されたことでアクジキングと数名を残して宇宙へと逃亡している。
どこかで見たような物品が彼方此方に散見しているが……。
開発者インタビューでは、一つの可能性の世界とのこと。

  • ウルトラメガロポリス
高度な文明が存在する世界。
かつては光を与える神が存在し、その恩恵を数多の異世界にも与えていたが、
神の力をコントロールしようとした人間の失態により、神は光を奪い狂う存在となり闇に閉ざされている。
ほぼ全ての電力を神を封印するタワーに使用しており、街灯や看板にはブラックライトと蛍光塗料を使用している。
ポケモンも存在しパートナーとする文化もあるが、戦わせはしないらしい。

  • 昼夜が反転した世界
第七世代で登場した異世界、というか本物のパラレルワールド。
ソルガレオ/ルナアーラを日輪/月輪の祭壇へ連れていけば、そこから移動することが可能だが、違うのは昼夜が反転していることと、一部のモブのセリフ(USUMはウルトラ調査隊の有無)くらいで、他の人々はみんな同じ。……記憶や経験、主人公が及ぼした影響まで同じなのは冷静に考えると怖い。


剣盾

DLC「冠の雪原」にてウルトラホールが確認されている。
マックスダイ巣穴ではソルガレオ/ルナアーラの出現を契機に伝説のポケモンやUBが現れ、雪原ではコスモッグが見つかったのと同時期に、それまで棲息していなかったポケモンが大量に姿を見せるようになっており異世界から流入したと思われる。


LEGENDS アルセウス

テンガン山の上空に時空の裂け目が開いている。
また、アルセウスを始めとしたシンオウ神話に伝わるポケモンが掘り下げられた。

  • アルセウスの宇宙
時間と空間を超えた遥か先に存在するアルセウスが座す世界。

  • 時空の裂け目
時間と空間を超え幾つもの異なる時空と繋がっている亀裂。アルセウスがいる所もその遥か向こうにあるという。
主人公は「異なる時空*1」からアルセウスがいる空間を通してヒスイ地方に送られている。
また裂け目の影響で発生した時空の歪みには、この時代には作られていない筈のポリゴン化石ポケモンが出現する。

他にもノボリが時空の裂け目とは別の事情でヒスイ地方に飛ばされているため、上述のリラのような事象もあるようだ。


SV

DLC「藍の円盤」にて、テラパゴスによって別の可能性の時空のオーリム博士/フトゥー博士がてらす池に飛ばされている。
てらす池には以前から幽霊の目撃情報があり、テラパゴス無しでも起こり得る現象のようだ。



■アニメでの異世界

  • 反転世界
氷空の花束シェイミ」で登場した世界。
やぶれたせかいのアニメ版というべき場所だが、おくりのいずみを通してしか繋がりのなかったあちらと異なり、現実との接続が強く、鏡や水面といった「映るもの」を通してギラティナはここと現実世界を行き来している。各所に現実の景色を映した泡が浮かんでおり、それに干渉するとその地点に同様の干渉が加えられる。
二つの世界を自在に行き来できるのはギラティナのみだが、シェイミの開く「フレアホール」も現実世界への一方通行が可能。
作中では『ディアルガvsパルキアvsダークライ』における戦いによる時空の乱れが原因で反転世界も瘴気が漂うようになった為にギラティナはディアルガとパルキアを憎んでおり、ディアルガを一度は反転世界に引き摺り込むことに成功するも、反撃を受けたことで反転世界から出られなくなるという憂き目に遭っている。それにより、「フレアホール」を開くことができるシェイミを狙っていたのだが…
次回作の『アルセウス 超克の時空へ』でも未だにディアルガを追っていたあたり、棲家ということを考えてもギラティナにとっては大切な場所であるようだ。

  • クレッフィの鍵の世界
「ピカチュウ、これ何のカギ?」で登場した世界。
クレッフィの持っている鍵で行くことのできる別世界群で、幻のポケモンなどが生息している。

  • 鏡の国
XY編36話にて、「うつしみのどうくつ」に開いたワームホールからサトシ達が迷い込んだ異世界。
人々の性格が反転した、いわばあべこべ世界である。

アニメ版第一話から分岐した世界の話。

  • ポケモンのいない世界
劇場版「キミにきめた!」において、マーシャドーがサトシに見せつけてきた夢の世界。
ポケモンが存在しない現実に限りなく近い世界で、登場人物は全員ポケモンとは関わりのない生活を送っている。
また、全てが灰色の白黒映画のような色合いで描かれているのが印象的。
最後はサトシがピカチュウとの記憶を思い出す中で世界自体が崩壊していき、サトシも目が覚めた。

  • ディアの住む平行世界
SM編100・101話でカプ・コケコとの戦闘によって開いた空間の亀裂からサトシが迷い込んだ世界。
この世界のアローラ地方は開発により自然が失われ、Zパワーも消失している。
更にウルトラホールから現れたアクジキングが暴れまわった結果、都市は廃墟と化している。

新無印89・90話で、ゲートと呼ばれる空間の穴でサトシ達の世界と繋がったよく似た並行世界。お嬢様口調のヒカリやシリアスなロケット団など性格の違うそっくりさんが暮らしている。


■異世界・異次元に関連するポケモンなど

異世界から雨を呼んだ伝承が伝わっており、SMではパルキアやギラティナと同列に語られている。何故かディアルガはハブられた。

異次元での活動を想定して調整されたポリゴン2の進化系。
試みは失敗した模様。

ポケモン・オブ・異次元。やぶれたせかいに住んでいる。
暴れ者だったためにアルセウスによって世界を追い出されたらしい。

世界を創ったとシンオウ神話で語られるポケモン。どこにでもいるがどこにもいない、全ての宇宙で人とポケモンを見守っている存在とされている。

メガシンカによって異次元に潜る能力を獲得し、額には異次元世界を覗く第三の目が開いた。

空間を歪める腕輪であらゆるものをテレポートさせる。
ORASで出現する伝説のポケモンはどうやらフーパによって召喚されている模様。

SMから登場する異世界に棲息するものの中でも特に危険なポケモンの総称。

ウルトラメガロポリスに鎮座した光を与える神「かがやきさま」が変化した、光を奪い暴れ狂うウルトラビーストかもしれない存在。
かつては生物や自然に影響を与える光をメガロポリスの人々や、ウルトラホールから通じる数多の異世界にも与えており、
アローラ地方にも、ぬしポケモンやZワザなど、多くの影響が見られる。

2万年前に隕石から現れたとされる謎のポケモン。ムゲンダイマックスと呼ばれる形態では時空を歪めるほどのエネルギーを放出する。

前述の通り、SVのイベントで時空を歪めている。
テラスタル自体に時空を歪める力がある可能性があり、パラドックスポケモンも並行世界の過去と未来のポケモンなのかもしれない。


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最終更新:2024年03月01日 11:16

*1 スマートフォンがある時代の出らしいが、出身地についての設定はない。「ポケモンのことを知らない」という会話の選択肢もあり、ポケモンが存在しない世界から来た可能性もあれば、現代を知る現実世界のプレイヤーがゲームを通してヒスイ地方にやってきたという表現とも取れる。