悪の組織(ポケモン)

登録日:2021/06/18 Fri 01:15:01
更新日:2024/12/11 Wed 07:29:50
所要時間:約 9 分で読めます




ポケモンシリーズ』では基本的に、主人公らの冒険を組織的に妨害する集団が存在しており、悪の組織と総称される。
彼らは自分たちの目的を達成するために組織として活動しており、主人公とは利害の対立によって幾度となく戦っていくことになる。
対立するキッカケは様々だが、基本的に下っ端の悪事を目撃した主人公がその行為を阻止して、そこからマークされるようになるというパターンが多い。
メタ的に言うと主人公の冒険が脱線する要因を意図的に作り、物語を盛り上げるための存在という位置付けである。

彼らの目的は組織によって様々で、ストーリー終盤に起こる大事件でボスの正体とその目的が明らかにされる。
ボスが伝説のポケモンを使って世界を大きく揺るがす悪事を働くというのが第三世代以降のお約束だったが、
第七世代からはスカル団やエール団など予め公開されていた悪の組織がミスリードであり、本当の悪は別の場所にいたというパターンも登場している。まぁその「本当の悪」であるエーテル財団やマクロコスモス社もあくまで上層部が何かしらのきっかけで暴走しただけであって下っ端構成員は上からの命令に従っているだけなど根っからの悪と言える人物は少ないのだが。
また近年では、「BW」で犯してしまった罪を償う活動を続けている「BW2」のプラズマ団N/ロット派や当時危険と言われていたポケモンの生態調査を行う「アルセウス」の旧ギンガ団、もともといじめられていた子供たちが団結のために組織したスター団など「悪ではないどころか客観的に見てもむしろ正義に近い」な組織の登場も少なくない。
第三世代以降は全体的にあくタイプを使う傾向が強かったが、第七世代あたりからその法則性が崩れてきている。
第四世代以前はどの組織もズバット系をよく使っていたが第五世代以降はその限りではない。
一方であくタイプと同じくのイメージがあるゴーストタイプを使うことは殆ど無い。頭数が少ないからだろうか。




◇本編に登場する悪の組織

ロケット団

ボスはサカキ。サカキが失踪した3年後は男性幹部(『金銀クリスタル』は名無しの幹部、『HGSS』ではアポロ)が司令官だがボスはあくまでサカキという体。

アニメでもお馴染み、『ポケモン』シリーズの悪の組織の代表格であり、闇の原点ともいうべき存在。
明確な思想を掲げてはいないが、世界征服を目的として暗躍している。

初出の『赤緑』及びそのリメイク作の『ファイアレッド・リーフグリーン』では、ゲームコーナーの運営を始めとする非合法的な経済活動*1によって利益を上げ、勢力拡大を図っている。
作中でも最初こそコソ泥のようなことをしていたが、その後は民家の壁をぶち破って窃盗行為を行う、ホネが高く売れるという理由でガラガラ 捕まえて殺す 、都市を丸ごと占拠して大企業の乗っ取りを画策するなど本来の活動内容は大胆かつ過激。
悪の組織の中でも、比較的リアリティのある活動を行っており、立ち位置的には反社会的勢力(マフィア、ヤクザ)*2といえる。
主人公に野望を阻止されたサカキは最終的に部下に示しがつかないとして解散を宣言し、姿を消す。

リメイクの『FRLG』ではナナシマでも暗躍。場所が場所ゆえ解散宣言は知らなかった。後述の『金銀クリスタル』の伏線的な活動をしていたようである。

ピカチュウ』版及びそのリメイク作の『ピカブイ』ではラブリーチャーミーな2人組の団員がアニメから逆輸入されており、随所で登場する。

カントー編から3年後を舞台とした『金銀クリスタル』およびそのリメイク作『ハートゴールド・ソウルシルバー』では、残った幹部をトップとして残党が組織を再結成。乱獲活動で資金を確保しつつ、怪電波によって世界中のポケモンを操ろうとしていた。
ボス代理を務める幹部の名前はオリジナルの『金銀クリスタル』だと名無しだが、リメイクで他の幹部共々名前が付けられ、リーダーはアポロという名前になった。
テロ活動は前回よりもスケールアップ。都市を丸ごと占拠して放送局の機能まで乗っ取り、全チャンネルでジョウト地方全土に向けてロケット団のメッセージを放送した。
ラジオ放送を乗っ取った目的はボスであるサカキの帰還。
しかし、サカキの帰還が叶う前に主人公らによってラジオ塔を解放されてしまい失敗に終わった。
実はこの裏でサカキは部下たちの呼びかけに反応をしようとしていたのだが、とある事情から応じることなく再び行方をくらませた。

『USUM』ではパラレルワールドのサカキがレインボーロケット団を作り上げているほか、『Pokémon GO』ではリアルワールドに出現するGOロケット団として暗躍している。いずれも詳細は後述。


マグマ団・アクア団

ボスはマグマ団がマツブサ、アクア団がアオギリ

ルビー・サファイア・エメラルド及びそのリメイク作であるオメガルビー・アルファサファイアに登場する悪の組織。
ルビー系列ではマグマ団が悪の組織、サファイア系列ではアクア団が悪の組織として描かれ、もう片方がそれを止めようとして活動する様子が描かれる。
エメラルドでは双方が悪の組織として描かれ、主人公は双方と戦うことになる。
マグマ団はグラードンの力を使った陸地の拡大、アクア団はカイオーガの力を使った海の拡大を目的としており、対立関係にある。
オメガルビー・アルファサファイアではマグマ団はやや人類寄り、アクア団はポケモン寄りの思想になっている。
組織としての性質は反社会的勢力と言うよりも過激な思想団体に近く、実際エメラルド以外の作品では敵対しない方の組織は終始味方サイドの組織として登場する
敵対した時にやってる事はまったく同じだが……。 *3
それぞれ男女1人ずつ計2名の幹部がいる。
殿堂入り後は更生を果たし、各バージョンで戦ったボスをバトルハウスのパートナーに誘えるようになる。


ギンガ団

ボスはアカギ

ダイヤモンド・パール・プラチナおよびリメイク作のブリリアントダイヤモンド・シャイニングパールに登場する悪の組織。
したっぱはオカッパ頭に宇宙服を意識したような制服という出で立ちで、NPCから「ステキファッション」と言われるほど独特な格好をしている。
表向きは宇宙エネルギーを扱う組織として活動しているが、その目的は伝説のポケモンの力を使って今ある世界を滅ぼし、新しい世界を作ることである。
世界を滅ぼすという目的の一環で、各地で建造物を破壊しようとするなど手の込んだ破壊活動を行なっている。
ロストタワーにいるスキンヘッズが「ギンガ団にポケモンを殺された」と言ったり、湖を爆破して干上がせるなど物騒な行いが目立つ。
DP・BDSPではボスのアカギが頂点に立つ世界、プラチナでは感情のない世界を作るという形で目的が若干異なっている。
特にプラチナでの感情のない世界を作るという目的はアカギが密かに抱いていたもので、彼自身も「自分のためだけに新世界を望む」と発言しており、他の幹部やしたっぱには知らされていなかった。
幹部はDP・BDSPでは3人(マーズ・ジュピター・サターン)、プラチナではプルートが加わって4人。*4
アカギのカリスマ性で成り立っているところがあり、メンバーの大半は彼の狂信者。
アカギが行方不明になり、マーズとジュピター、プラチナではプルートもいなくなったあとはサターンが主導して建前として掲げていたエネルギー研究を始めているとのこと。
BDSPではアカギと幹部らがバトルタワーに入り浸るようになり、組織自体も存続しており、どういうわけか更生を果たした。


プラズマ団

ボスはBWではNBW2ではアクロマ
そして彼らを操る黒幕がゲーチス

ブラック・ホワイト系列に登場する悪の組織。
「人がポケモンを扱う事」を疑問視し「人類からのポケモンの解放」を謳って活動している。
思想自体は一定の理がありその為に各地で演説活動をしているなどで表面上一般人からはそこまで悪く思われてはいなく、
実際ポケモンの保護を目指すという彼らなりの本心で善意で行動してる者も多い。
一方でカルト教団のような性質を持っているところがあり、善意といってもポケモンを無理やり強奪し引きはがすなど、
互いに絆を持ったポケモンとトレーナーの関係性を壊すような行為は独善と言えるだろう。

BWでは人々が自らポケモンを手放させるため、N自身が神話に登場する伝説のポケモンを手に入れることで「英雄」になり
脅迫ではなく自主的にポケモンを手放させる事を最終的に目指していた。
しかし作中ではムシャーナに暴行を加えたりゲノセクトを産み出したりとポケモンに対して非道な行為を行ってる者も一部存在し、本当にポケモンの為を想い解放を目指してるのか疑わしい点も多く見受けられ、プラズマ団の城もポケモンの強制労働で成り立つなどどこか後ろ暗いところがあった。
実際のところ黒幕であるゲーチスの真の目的は、ポケモンの解放を名目に人々とポケモンの絆を絶ち、自らのみがポケモンを使える世界を創り上げる、いわば世界征服であった。
パソコンにも介入できる技術力やチャンピオンであるアデクすら退け、王手一歩手前まできたことから秘密結社タイプの悪の組織では随一の実行力である。
最終的に神話のポケモンを従えNと並ぶ英雄となった主人公にゲーチスが敗北したことでその野望は打ち砕かれ、ゲーチスは失踪、Nは何処へと旅に出る。

2年後のBW2ではカリスマ的存在であったNが去ったことで分裂・弱体化。
ゲーチス率いる派閥は新たな王であるアクロマを擁立し、コスチュームを一新して建前抜きで純粋に破壊活動や犯罪行為を行うなどの世界征服を目指す完全な悪の組織として暗躍。
一方で元のプラズマ団も分裂したのちにN派として存続しており、こちらはBW主人公の活躍により自らの悪行を反省し
完全に慈善団体としてプラズマ団が奪ったポケモンを元の持ち主に返すなどボランティア活動を行いながらNの帰還を待ちわびている。
新たな拠点としてプラズマフリゲートという巨大な艦船を有し、第3の伝説のポケモンを捕獲しイッシュの武力制圧を企むも、BW2の主人公によりまたも計画を阻止される。
度重なる敗北によりゲーチスは精神破綻をきたして廃人同然となり、今度こそ悪の組織としてのプラズマ団は壊滅した。


フレア団

ボスはフラダリ

XYに登場する悪の組織。
従来の悪の組織と違って団員の服装は赤いスーツにサングラスであり、色は派手だがデザイン自体はオシャレである。したっぱの髪型はちょっと変だが……。
一部の下っ端が「泣く子も黙るオシャレチーム」を名乗っているほか、入団を希望するNPCも複数見受けられる。

目的は「自分たちがハッピーになれる世界を作ること」であるとされていたが、歴代屈指の凶悪な手段によりその目的を達成しようと考えていた。
彼らの真の目的は「増え過ぎた人類を減らすことで争いをなくしてフレア団に入った皆が幸福になれる世界を築くこと」。
そしてその手段とは「伝説のポケモンの力を使って起動した古代の王の兵器でフレア団以外の人間を世界から消し去ること」、早い話が人類の大量虐殺である。
500万円でフレア団に入ることでその災厄から助かることができるということでメンバーは集まっている。
しかしスーツが入らないデブはお金があっても入れないという、地味だが厄介な体格要件がある。
名目上は上から順番にボス、幹部、5人の科学者、下っ端という組織構造だが、実際は科学者のほうが幹部よりも立場が上である。
そしてこの組織のボス格のナンバー2に位置する人物はまさかの……(ネタバレ注意!)。

余談だが、フラダリが本編に初めて登場するのはストーリーの序盤、プラターヌ博士の研究所に初めて来訪した時であり、フレア団の下っ端に出会うよりも早い。
初登場時から真面目な顔をして物騒なことを言っているし、インパクトのあるビジュアルなので、悪党の親玉であることは初見で察しが付くだろう。
最後は更生することもなく、逃げ延びるわけでもなく、生死不明という形で退場し、フレア団自体も活動停止、弱体化を強いられることになる。
その後ホロキャスターの情報がフレア団側に筒抜けになっていた…早い話カロス中の情報全てを掌握しているに等しい状態だった。

アニメでは作中最強クラスのトレーナーであるアランがある理由でこの組織に協力している。あくまで協力者であるため赤スーツ&サングラスではない
ポケスペでは極限まで振りきれているレベルでロクでもない上に支配力と言う意味では間違いなくこの項目の全組織で最強の組織であり、こちらもこちらで印象に残りやすい。
一方、ポケモンマスターズEXでは、同作のロケット団に注意をそらさせるために利用される形になり、醜態をさらすものの、団員を一般トレーナーとして紛れ込ませており、諜報・情報力の面で随一なところはブレていない。

スカル団

ボスはグズマ

SMUSUMに登場する悪の組織。
各地で非行に走る不良集団で、廃墟と化した町を丸ごと拠点にしている。
これまでの悪の組織とは異なり、町の人たちからは恐れられているというよりは迷惑がられている風でまさにチンピラといった感じ。
主人公のライバルであるグラジオ用心棒として所属している。
ボスであるグズマと下っ端の結束こそ非常に強いが、彼らは島巡りの試練を達成できなかったいわば落ちこぼれの集まりであり、共通の思想を持ち合わせていない。
にもかかわらずリーリエが連れているコスモッグを執拗に狙う場面があり、なかなか目的が見えない集団なのだが……。

+ (ネタバレ注意)
実はスカル団のバックにはエーテル財団代表でリーリエとグラジオの母でもあるルザミーネが付いており、真の黒幕は彼女であると言える。
エーテル財団自体はまっとうなポケモンの保護団体だが、ルザミーネやその息の掛かった一部の職員は、コスモッグの力を強引に引き出すことでウルトラホールを開く実験を行っていた。利用されるコスモッグを案じて連れ出したのがリーリエ、危険な異世界のポケモンであるウルトラビーストの対策のために生み出されたポケモン・タイプ:ヌルを連れ出したのがグラジオである。
SMでは結果的にウルトラビーストに傾倒したルザミーネの私欲を満たすことが目的らしい目的となっていた。
USUMではウルトラ調査隊も傘下にいれて、コスモッグの力でウルトラホールを開き、ネクロズマの討伐を目的にしている。
いずれにせよ、スカル団によるコスモッグ強奪はそんなルザミーネから汚れ仕事を請け負っていたためである。
一連の事件が収束した後はSM・USUMいずれもグズマの意向で解散し、展開は異なるがいずれも再出発を図るという方向で落ち着いている。

ちなみにルザミーネの息が掛かった職員は悪の組織の下っ端さながらの戦闘演出がされており、戦闘開始時のカットインでエーテル財団のロゴが出るほか、トレーナー名も「エーテルざいだんのしょくいん」で統一されている。
まっとうな職員と同じ身なりをしているが、男女とも非常に目つきが悪いその他に宇宙人もいる
(まっとうな職員は殿堂入り後にバトルツリーの対戦相手として登場。名前は「エーテルしょくいんの○○」と一般トレーナーの命名法則に従っている。)
また、元が善良な組織だけに財団そのものは存続し保護活動を続けている。


レインボーロケット団

USUMの殿堂入り後イベントに登場する悪の組織。
別次元のサカキがロケット団員の下っ端に加え、ウルトラホールを使って過去作に登場した悪の組織のボスを別次元の世界から引き連れてくることで結成した。
ボスはそれぞれ伝説のポケモンを手中に収め、目的を達成したパラレルワールドから呼び出されている。
内通したザオボーの手引きでエーテルパラダイスの中にあるルザミーネ邸と研究設備を乗っ取り、特殊な装置で屋敷内に異次元空間を展開している。
歴代屈指の戦力規模を持つ組織となっているが、各組織のボスは利害の一致からその場のみ手を貸している状態である。


エール団

やや特殊な立ち位置にあり、この組織の活動を指揮するボスや幹部はいない。

剣盾にて、マリィの応援を目的として、各地でジムチャレンジャーの妨害活動を行なっている組織。
マリィがバトルを始めるとどこからともなく数名現れてはマリィを全力で応援する。
使用ポケモンはあくタイプで統一されている。

凄まじい頻度で行く手を妨害してくる一方、物語が進んでも大規模な悪事を働くわけでなく、一貫してジムチャレンジャーの妨害を続けているのだが……。

+ (ネタバレ注意)
彼らはスパイクタウンのジムトレーナーで、地元出身のマリィをチャンピオンにすべく、そしてそれによって町を盛り上げるべく過激な方法で応援しているに過ぎない。
あくタイプを使っていた理由も悪の組織だからではなく、正真正銘のあくタイプのエキスパートだからである。
エール団はいわばガラル地方のフーリガン的存在であり、作中でも迷惑がられているが、 実態としては悪の組織と言えるほど大層な集団ではない
リーダーと言える存在はスパイクタウンジムリーダーネズだが、ネズ自身は常識人であり、エール団の迷惑行為には一切加担していない。
つまり、エール団の妨害活動は各メンバーが勝手に動いて行なっている行き過ぎた応援に過ぎないのだ。
マリィも事実上エール団の二番手と言える立ち位置にあるとはいえ、彼女自身もやはり真剣勝負を好む性格で、他に迷惑をかけるほどの活動を鬱陶しく思っている。
と言うか明確な意図を持って主人公らのジムチャレンジを妨害している事に気付いた際はガチでキレてエール団の説教に入った
終盤では逆にネズの号令ひとつで主人公をサポートする側に回るなど、リーダーに対する信頼と組織の結束力は強い。

本当の巨悪と言うべき立ち位置にいるのはリーグ委員長も務めるローズと彼が経営する企業グループ・マクロコスモスであり、ムゲンダイナを復活させてガラル地方の将来的なエネルギー枯渇問題をどうにかしようと考えている。
とはいえこれもガラルのために尽くしたい気持ちから暴走したものであり、早まった行動で大事件を引き起こした「悪い大人の行動」ではあるが悪人ではない。

マクロコスモスも前作同様マトモな組織の中に悪の組織的な人間が紛れ込んでいるパターンで、今回はポケモンリーグスタッフの一部がマクロコスモス関係者となっている。
マクロコスモス関係者は「マクロコスモス」の肩書きと黒いサングラス、普通のリーグスタッフは「リーグスタッフ」の肩書きとオレンジ色に反射するサングラスで区別されている。
とはいえ彼らマクロコスモスのリーグスタッフもまっとうな社会人であり、会社のボスの意向に従って活動しているだけである。
このため負けると自分の所属先をアピールして退場する人物さえいる。


スター団

主人公の通うアカデミー内のやんちゃな生徒で結成された悪の組織…というより不良グループ。
一般生徒への執拗な団の勧誘や学園内での迷惑行為を繰り返し、アカデミーの風紀を乱している。
中でも著しく出席率が悪いのが特徴で、幹部クラスになると1年以上出席していないらしく、
アカデミー校長であるクラベルも、その点を非常に気にしているという。

使用するタイプの違う5つの組に分かれており、それぞれの組にはボスと呼ばれる生徒がいる。
さらに5人のボスを集めて団を創設した「マジボス」と呼ばれる黒幕がいるが、その正体は不明。
活動規模は歴代でも最小規模であり、街中や普通のエリア(いわゆる道路)ではまずしたっぱすら遭遇せず
スター作戦』というとある目的の為だけに全員動いている。その為したっぱと戦える回数は非常に少ない。
代わりに組のボス(=歴代シリーズでいう幹部的立ち位置の構成員)は5人もおり、これはフレア団の科学者と並び歴代最多。
またしたっぱと戦おうとすると、団員でもないのにスター団を庇って逃がす学生が現れたりするなど、これまでにない展開も見せる。

代わりに、悪の組織としては歴代でも最強ランクの強さを誇り、
各組のボスですら、下手なジムリーダーより数段レベルが高い。
また上下関係も非常に友好であり、上も下も絶対の信頼を置いているようである。

これらの関係や前述の現象には何か理由があるようだが…?

+ (ネタバレ注意)
スター団の真の目的(=スター作戦)はアカデミー内のいじめの根絶。実は結成当初の構成員は全ていじめられっ子の生徒達。
主人公が通うアカデミーは元々はとてつもなく治安が悪く毎年のように強烈ないじめが発生し、
教員達もそれ知りながら全く対応せず、そのおかげでいじめはさらに増えていくという悪循環を繰り返す環境になっていた。
そこでいじめられっ子達が相手を見返し、自分達や他のいじめられっ子達が安心して学校生活を送る為に結成されたのがこの団である。

不良の様な威圧的な服装をしていたのは、いじめっ子達を怖がらせる為。
実はシナリオの開始前に一度スター作戦に成功し*5、いじめの大幅な削減を成し遂げているが、いじめっ子が怖気づいて一斉に退学という想定外の事態に発展(スター団の側としては、あくまでいじめをやめてくれればそれで良くいじめっ子たちを学校から追い出すつもりはなかった)事により『スター団がいじめを行っている』という
事実とは真逆のデマが学園内に広まった挙句、前任の教頭がスター団に関する情報を消去する*6という隠蔽工作を行ったことと(発覚して当時の校長により処分を受けた)、事態がここまで悪化するのを止められなかった責任をとって前校長以下全教職員が辞任してしまったため、クラベル校長など現任の教員には噂通りの問題児集団として目を付けられ、ますます出席しづらい環境になってしまった。
また主人公が転校してきた際には気弱そうな生徒に目をつけて勧誘しようとしたり、同じ団員にも「態度が悪い」と言われるような単なる不良が入団していたりと、当初の理念はほとんど忘れられていた。
その為に学校に行きたくはないがスター団の活動にもうんざりした者たちもおり、彼らは薄暗い森の中でテントを作ってひっそりと過ごしている。

つまり悪どころか、むしろ大人の管理によって生まれた被害者の立場の存在。
スター作戦が行われる前の環境はとてつもなく荒んでいたらしく、作中では『スター団がいなかったら学校に通えてなかった』と感謝する生徒すらおり、今でなおスター団は一部の生徒には支持をされている。
何せ作中のスター団団員に「ボスの1人のいじめを主導して学校から追い出したらその次の瞬間自分が次のターゲットになってた為追い出され、そこを主導していじめていたボスに救われた」と言う経歴の団員までいる程である。
実際、実情を知った当時の校長イヌガヤにも思う所が無かったわけではなく、
予想に反する結果を重く見たマジボスの「自分が代表して処分を受ける」という意思を汲む形で、いじめによる精神的ダメージの治療の為の帰省も兼ねて1年以上の留学を言い渡した後、隠蔽工作を行った教頭を処罰、更にこの状況を招いたのは教員一同の責任として校長自身を含む全教師の一斉解雇を行っている。

また、本来であればマジボス自身がその時点でスター団の解散を宣言していたが、彼らの絆が深過ぎたからこそ、マジボスの帰還を信じて勝手に活動を継続し、団を維持し続けていた。
学園に戻って早々その事実を知ったマジボスは、団の掟に従い実力で叩き潰さなければスター団は止まらないと悟り「カシオペア」を名乗って主人公と接触、「スターダスト作戦」と称したスター団の壊滅という体裁の解散運動を展開した。

最終的には主人公の助けを借りて、スター団の調査に潜り込んだクラベル校長自らがスター団の苦しみと真意を知り、
団の解散命令は撤回、犯してしまっていた数々の校則違反*7もボランティア活動を行う事で放免されるという軽めの処分で済み、メンバー達は再び学校に普通通り通えるようになった。

エリアの占拠やバリケードの設置、ブロロロームなどポケモンの改造など悪行は重ねていたものの、
スター団が現れてからいじめは激減したらしく(クラベル校長の就任以降は殆ど報告が上がって無かったとの事)、
弱者を助けるダークヒーロー的な要素を持ち合わせる異色の組織と言えるかもしれない。

では本作の黒幕・本当の巨悪はというと、これもまた特にいないという珍しい展開となる。
本作のラスボスとしての立場を明らかにする人物は、歴代悪の組織と異なり社会を裏で動かすような意図は持っていない。
パルデア地方に影響を与えかねない部分はあったが、結果的にそうなっただけである。



◇本編以外で登場する悪の組織

GR(グレートロケット)

ボスはビルリッチ。

ポケモンカードGB2に登場する悪の組織。
「カードを使うことこそがカードを愛すること」「カードを集めるばかりで使われないカードがあることはカードを愛していない」という思想の元に主人公たちが住むはじまりの島を襲撃、島中のカードを次々と奪い取り、グランドマスターとクラブマスターをさらっていった。

団員たちは主に「わるいポケモン」をメインとしたデッキを使用してくる。


スナッチ団

ボスはヘルゴンザ。

ポケモンコロシアムXDに登場する悪の組織。
元はただの窃盗団だったがシャドーと手を組み、人攫いやポケモンの窃盗を行う。
しかし、元団員である主人公の離反がきっかけに壊滅的被害を受ける。

XDではシャドーに一方的に縁を切られたようで、スナッチ団の存在自体も人々にはすでに過去のものになってしまい、それ以来ダークポケモンを根こそぎ強奪してシャドーを妨害すると決意する。
そして、主人公に負けてからは「シャドーを倒す」という共通の目的のため共闘するのであった。
…まぁ、共闘の理由は「シャドーが壊滅すれば俺達スナッチ団の天下がやってくる」といったものなのだが。

シャドー

ボスはコロシアムではワルダック、XDではデスゴルド

ポケモンをダークポケモン*8に改造する技術を持っており、それを用いて世界征服を企む。
変装が得意だったり、コロシアムではポケモンの窃盗はスナッチ団に任せているなど隠密して暗躍する方針。
XDではダーク・ルギアを使って客船を襲撃するなど派手なことも行う。
オーレ地方の各地に研究所を始めとする大規模な拠点な置く、ダークポケモンを作り上げる、島に近づけないよう渦潮を発生させるなど技術力は非常に高い。
そしてコロシアムとXDで構成員がまるで違うなど人材も豊富。


ゴーゴー団

ボスはラゴウ。

ポケモンレンジャーに登場する悪の組織。
幹部であるゴーゴー4兄弟はラゴウの子供たち。
下っ端は70年代風、あるいはお笑い芸人のようなファッションをしている。
ボスのラゴウはレンジャー界の最高顧問であるシンバラ教授を敵視しており、教授が作ったスタイラーとそれを使うレンジャーの地位を自分たちゴーゴー団が乗っ取ろうとしている。
そのために奪ったキャプチャ・スタイラーやそれをアレンジして独自に作ったスライラーでポケモンを操りレンジャーの妨害をしている。

組織壊滅後、ゴーゴー4兄弟は大人気バンドとして大成することとなり、レンジャーユニオンの中にもファンが一定数いる模様。


ヤミヤミ団

ボスはブラック・ホール。(本当の名は「ホワイト・ホール」)

ポケモンレンジャー バトナージに登場。
表向きは「アンヘル・コーポレーション」という大企業として石油を始めとしたエネルギー関係の仕事をしているが、その実態は、ある日掘り出した闇の結晶をエネルギーとした「ドカリモ」という装置でポケモンを操り世界征服をすること。
ドカリモは物凄く重いため持ち運びには不便だったが、後に改良型のモバリモを作り、必要な時に必要なポケモンだけ操れるようにしてレンジャーを妨害する。
結晶のエネルギーで作り上げた「ありえないマシン」はドカリモ800万台分のパワーがあるようだが、エネルギーの受け子である黒いドカリモはそのエネルギーに耐えきれず全て大破している。
女下っ端のエロさに定評がある。


ポケモンナッパーズ

所謂ポケモンハンターであり、ボスらしいボスはいないがレッドアイ・ブルーアイ・パープルアイの3人がリーダーを務めており、事実上の首領はパープルアイ。

ポケモンレンジャー 光の軌跡に登場。
ダダフライと呼ばれる小型UFOで移動し、謎の籠手で洗脳したポケモンをけしかける。


ティーパーティー

ポケモンナッパーズの黒幕であり、エドワード・アックス・ドレス・マジックの4人からなる怪盗団。
古代の遺物・ヨロイカブトという、後のスタイラーやモンスターボールに近い技術(ナッパーズの使う籠手はこれの籠手)を悪用して不老不死と世界征服を目論んだ。
ヨロイカブトの中でも極めて強力な黄金のヨロイカブトを用いてミュウツーを操るものの、裏切ったパープルアイに奪われてしまった。


GOロケット団

ボスはやはりというかサカキ。

Pokémon GOに登場する悪の組織。
目的は世界征服で、その下準備としてポケストップを占拠して道具や卵を盗んだりする。
前述のダークポケモンとは少し違ったシャドウポケモン*9なるものを繰り出す。
バトルに勝つとポケモンを1匹捨てて行くため、プレイヤーはこれを捕まえることができる。
GOロケット団オリジナルの幹部として「アルロ」「シエラ」「クリフ」の三人が登場する。
詳しいストーリーは明されていないが、Pokemon GOに登場するチームリーダーたちとは因縁があるようでたびたび関係を匂わせている。
ロケット団の別働隊か、レインボーロケット団同様並行世界のロケット団だと予想されるが位置付けは不明。
アニメとのコラボでムサシコジロウコンビが登場した際も幹部たちのことを知らない様子だった。


ブレイク団

ボスも幹部存在しないという珍しい組織。
その実態はライヤー、そしてその一族への恨みを持った者たちの集い。

ポケモンマスターズに登場する悪の組織。
マスクがトレードマーク。というかマスクを付けた一般トレーナーが使い回され団員として活動している。
ポケモンを奪うなどの悪事を行い、WPMを潰そうとしている。
評判はもちろん悪い。悪の組織のボスであるアカギやフラダリからも嫌悪感を持たれており、サカキに至ってはボス就任の依願を断った。
団員たちは基本的に悪人だが中にはコメディなやつらも。
そして中にはマスクに洗脳されているものもいる。
今のところはただのお邪魔キャラだが、ストーリーが進む度に厄介さが増していく。よくあること



道を踏み外さないアニヲタのみなさんによる追記・修正をお願いします。

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最終更新:2024年12月11日 07:29

*1 「スロットの売り上げを元手にポケモンを大量に仕入れて出荷している」と下っ端が発言している。

*2 作中でも「ポケモンマフィア」というセリフが堂々と出てくる。

*3 現にオメガルビー・アルファサファイアでは敵対しない方の組織は主人公と戦うことはないが、あくまでも独自の思惑で行動しているだけで、味方ではなく第三勢力と言うべき立場であり、どちらのバージョンでも組織のボスは「邪魔をするなら主人公に対しても容赦しない」と発言しており、ダイゴも「マグマ団とアクア団を止めて欲しい」と言われている。

*4 ただしBDSPではロトムのフォルムチェンジの研究レポートの執筆者としてプルートの存在が示唆されている

*5 ポケモン勝負をして脅かせるつもりが、勢力を見て逃げ出し不戦勝だったの事。

*6 学園の図書館に不自然に直近年度のページが破り取られた生徒名簿がある

*7 1年半に及ぶ無断欠席、制服改造、アカデミー備品(バリケードやアジトの材料として使っていた机やテント、搬入用のカゴ車など)の無断持ち出し、モトトカゲやブロロロームの改造及び暴走行為

*8 心を無理矢理閉ざし、戦闘マシンとして改造されたポケモン。ダークわざと呼ばれる、ダークポケモン以外のあらゆるポケモンに対して効果ばつぐんとなる技を覚えているほか、育成することができない、ハイパー状態orリバース状態という暴走状態に陥るといった特徴がある

*9 技自体は普通だが防御ダウンと引き換えに攻撃にブーストが掛かっている。育成して強化できる代わりに強化コストが通常より高い、メガシンカを使うことができないといった特徴を持つ。英語名ではどちらも「Shadow Pokemon」なので厳密には区別されていないのかもしれない。