金色のガッシュ!!2

登録日:2022/05/22 Sun 15:52:00
更新日:2025/04/23 Wed 11:24:47
所要時間:約 3 分で読めます





『金色のガッシュ!!2』は、かつて週刊少年サンデーにて連載されていた漫画『金色のガッシュ!!』の続編漫画。
作者は同じく雷句誠。

2022年2月26日に作者自身のTwitterで突如発表され、3月14日より第1話が電子書籍で無料公開。以降は有料で毎月1話ずつ配信される形を取っている。
2022年9月16日に単行本第1巻が発売。

名作漫画の続編ということもあり、AmazonKindleのマンガランキングでは見事1位に輝いた。



【概要】

さて、その続編の内容であるが…なんと「絶滅寸前の魔界の子供が、一縷の望みをかけて人間界に助けを求める」という退廃的な展開から始まる。
魔界は既に滅んでいて、敵味方からも「王様が死んだ」と公言されるなど、前作に思い入れがある人ほど初っ端からショッキングな内容が目白押しとなっている。
また、前作では魔物も人も死ぬことはなかったが、今作では魔物も普通に「死」が描かれる等、作者が以前に描いていた「どうぶつの国」に近いシビアな死生観が特徴。

今作では魔本に代わり、の力をためられる「瓶」が新たに登場。
回数制限はあるが、魔本と同じで呪文を唱えるだけで別の魔物でも術が使えるようになっている。
人間にも使えるかは不明だが、魔物側や敵側双方が使う描写が存在するので、戦闘になればこの「瓶」が戦いのキーアイテムになる可能性が高い。
また、この「瓶」の存在が魔物の術そのものを取り込み封じ込める機能も果たしている模様。

ちなみに、ガッシュカフェのダウワンと魔本との会話にて
  • 外界勢力との戦争で魔物側は力を奪われ、そのせいで魔界は滅びかけた。
  • 絶体絶命の時に魔本の力でかつてのパートナー(人間たち)が助けに来てくれた。
…という話が語られていたため、今回はそれに関連している可能性がある。

【あらすじ】

100名の魔物の子が戦い合う魔界の王を決める戦いが終わったその後…。
魔界の王が決まり、魔界では平和な日々が訪れていた…ハズだった!!
現在の魔界について、衝撃の事実が明かされる。その絶望の淵で、3名の魔物の子供は「最後の賭け」に出る。



【登場キャラクター】

魔物

  • ゼリィ
魔界の数少ない生き残りの少女。見た目は幼稚園児ぐらいで、前作のガッシュぐらいの背丈。
元はテッドチェリッシュの営む「キッドハウス」で暮らしていた。レインとも面識がある。
ジギーより「絶望から希望を生む男」こと清麿に助けを求めて最後の望みを託される。
そして弟のオルモ、犬型のミッピと共に人間界のエジプトへ逃れてきた。
「ベリル」という掌から放つ術を使えるはずだが、現在その力は「瓶」に奪い取られて使用できない模様。
魔物とはいえ、腕を折られたりその手でジギーを埋葬したり、人間界に来てもギャングに売られたりと不憫な目にしか遭っていない子。
「王が死んだ」と聞かされ、実際その力を垣間見せるワイグ達に怯え切っている。
それでもいざとなれば家族を守るために、立ち向かう心の強さも持ち合わせている。

  • オルモ
ゼリィの弟。まだ言葉もしゃべれない幼子であり、第1話ではゼリィに抱きかかえられていた。
顔の半分が腐っているようで、人間界に来た時はこれが原因で周りから疎まれていた。
しかし体力が回復して以降は、普通に立ったり名前を呼べるくらいには喋れるようにはなった。


  • ミッピ
ウマゴンのように4足歩行で熊耳をした魔物。
こちらも人間の言葉は喋れない。ワイグから「犬」と呼ばれている。
ワイグの攻撃により清麿が窮地に陥った際は、その身を引きずって彼を助け出した。
過去回想でガッシュと共に行動する描写があったり、ガッシュと目配せで何かしらのやり取りをしていた。
そのためガッシュとは何らかの関りがあると思われる。


  • ジギー
顔の右側に仮面がついた中性的な容姿をした魔物。見た感じは小学校高学年ぐらいの背丈で右だけ白目。
ゼリィ達と共にワイグから逃げまどっていた。チェリッシュの「ガンズ・コファル」を持っていたが、自身の術は不明。
追い詰められワイグから攻撃を受け身体をバラバラにされるも、最後の力を振り絞り自身諸共ゼリィ達を人間界へ転送。
その際に手紙で清麿を探すよう言い残し、そのまま力尽きた。遺体はゼリィの手によって辿り着いたエジプトの地に埋葬されている。
ガッシュに自身の死の後の事を託されていた事から、元々はミッピ同様何か関りがあったと思われる。

前作の主人公の一人。「王を決める戦い」の勝者であり、現魔界の王様。
ゼリィからもワイグからも「死んだ」と言われており、実際彼の住む居城は巨大な孔が開いて惨憺たる様相を呈している。


前作で「王を決める戦い」に参加した魔物の子たち。魔界で孤児院を運営していた。
ゼリィの回想で、術の力を奪われてワイグに倒される姿が描かれた。とある人物によれば動けない状態だが命は繋いだらしい。
詳細は各項目を参照。


前作で「王を決める戦い」に参加し、最後までガッシュの仲間の1人として活躍した魔物の子。
家族に侵略者から奪った自分の術がこめられた瓶と弟のコンソメを託され、真っ先に戦いから離脱して人間界へと落ち延びていた。
逃げた先でレビー達に追われたため、コンソメがフォルゴレと合流するように仕向けて追手を一身に引き受ける。
そのまま遠くへ逃げる事で、2人が今後侵略者から追われないように立ち回るが……?
前作より背が伸びているが顔はほぼ幼少期のまま。ちなみに持っている術は追手が持っている物と違い、精製される前の物。


ティオさん事情があったとはいえ、王を殴れる男よりも先に王を殴った女。
尋常ではなく鍛え上げられた肉体により、術が使えないにもかかわらず巨大で重厚な大楯を素手で振り回してカードの追手と戦った。
この大楯は武器としても使え、仲間を助ける為に攻撃を中止しなければそのまま勝っていた可能性すらある。
ガッシュやキャンチョメ同様、術の応用力がアップしており、マ・セシルドを前方に出現させるだけではなく、敵の攻撃に合わせて自在に操れる。


伝説の朱色(ヒヒイロ)の鱗を持って生まれた竜族の神童の一人。
「王を決める戦い」ではラスボスクリアと渡り合い、ガッシュに魔界の魔物たちの未来を託して脱落した。
侵略者達との戦いで生き残っており、前作の時点でとてつもなく巨大だったが、今作では怪獣と見間違えるほど更に巨大化している。
最後の砦である竜族の聖地『龍の要塞(ドラゴン・フォート)』にて、自らの心臓を暴走させることで山全体にウロコを生やさせて魔物たちを保護している。
そのため山と一体化しており動くことはできず、今の状態のままでは1年生きていられるかもわからない状態になっている。

前作の「王を決める戦い」でクリアに加担していた黒い穴を開けて空間を操る力を持つ魔物。
空間を操る力は術ではなく彼自身の能力である為、侵略者達に奪われずに済んだ。
今作ではあるところに隠れながら空間移動する力を魔物の民を救助するために利用しており、彼自身の意匠が施された乗り物が登場した。
ただし魔物が元々持っていた力もいずれ消えてしまうかもしれないとティオが示唆している。
言葉を話せるようになったのか不明。

魔界の王を決める戦いに参加した100人の魔物の子の1人にして1度ガッシュたちを追い詰めた猛者。前作とフォルムは変わっておらず傷跡や折れた角も健在。ただし体格と身長が大きくなっている。
回想の中での登場だが侵略者との戦いで生きており、術抜きで侵略者のコンビを返り討ちにし、ベリエルやカードの情報を聞き出した。
その後はエリオス城塞にてピンチのモモンへの助っ人として登場。得意の弱所突きでモーセスの腹をぶち抜いた。
さらに術の吸収とモーセスの改造でパワーアップしたリブラを一蹴し、盾の術を全身に展開すればまるごと持ち上げブン投げるという荒業で一蹴した。術なしで。
本人はウマゴンとサンビームが再会した姿を見て自分もグスタフとの再会に期待を高めているようだが、本当に再会したら文字通りの蹂躙になっていたと思われる。

前作の魔界の王を決める戦いに参加した100人の魔物の子の1人にして、最後まで生き残った優勝格の一人。
時にはガッシュに立ち塞がるライバルとして、時には協力な助っ人として共闘し、最後にガッシュとの一騎打ちで敗れた。
その強さは健在のようで、なんとカード達に目をつけられ、徒党を組まれて戦いを挑まれ、殺されてしまった。
しかし、ガッシュペアやアポロ、シェリーの尽力で黒いミイラの棺から復活。3メートルは越える筋骨隆々な逞しい身体つきに。
シェリーを庇いながらリオウの禁呪で強化されたジモダの右腕を、シェリーが術を唱える前に片手で粉砕。
唖然とするシェリーに「……シェリー、どうした?」と呪文を使って欲しいあまり天然ぎみにツッコミながら
グラビレイで身動きを封じた後、ワンパンでジモダの首を文字通りぶっ飛ばした。相変わらずブラゴ節は健在。
清磨「呪文いらね―――」
またグラビレイを使ってシェリーの骨折した手足を応急処置したりと、術の使い方の応用力を見せている。
豪鬼を彷彿とさせる巨躯から放たれる鉄拳の威力は凄まじく、呪文無しで合力状態の相手の肉体すら粉砕する。
術の威力も更に強力になっており、ギガノ・レイスで合力状態の肉体すら削り取る。

魔界の王を決める戦いに参加した100人の魔物の子の1人にして、初の前作で仲間にならなかった魔物の子。
ロボット型の魔物で無茶苦茶な変形で清磨をムカつかせ、露骨にメタ的なガッシュ対策術を習得し苦しめた。
前作のオモチャみたいなサイズから大型冷蔵庫サイズまで大きくなっているが、中身は全く成長していない。
清磨「ああ…回路が単純で助かった」
ロボルクで変形した際に背中に小っちゃい羽根がついてカッコ良くなった。でも飛べるわけではない
勇ましく巨大ロボに変形したものの、ブルーの鱗粉とヘムの触手でフルボッコにされ泣き叫ぶ*2
だが清磨の指示で撃ったロボルガでバタフライ・ニードルの弱所を突き相殺、ビーザム・ロボルガでヘムにすら大打撃を与える。
更には多段ミサイルであるビーザム・ロボルガの特性を清磨の発想でいかんなく発揮し、勝利への道を繋いだ。

前作の魔界の王を決める戦いに参加した100人の魔物の子の1人にして、『ファウード編』にてガッシュ達と供に戦った仲間。
今作では持ち前の魔力探知能力を活かして斥候となっており、敵に奪われた『術』のありかや情報を得るために単身でカード達がはびこっているエリオス城塞に乗り込み、地図を描いている。
前作でも清麿という希望の鐘を届けるために奮闘したように今作でもピンクのスーツで敵の情報を探り、『希望の地図』を描く姿はまさしく成長を感じさせる漢。
…なのだが20代でありながらとんでもない老け顔であり、読者の度肝を抜いた。他の魔物からも突っ込まれている。

エリオス城塞にて追い詰められたモモンの前に、ガッシュ達が連れて来る形で参戦。
サンビームとの念願の再会を果たし、重傷を負ったモモンを治療のために運ぶべく奔走する。
短い邂逅だったがガッシュとの絆も健在で、アイコンタクトで合図を交わしあった。
体格は現実の馬のように立派な姿になっている一方、未だに「メルメルメ~」としか鳴いていないと思ったら流石に普通の喋れるようになった。ただし語尾にメルがつく。



人間

前作の主人公の一人で、現魔界の王ガッシュ・ベルのかつてのパートナー。
中学卒業と共にガッシュとの別れから十数年後、若手ながら名うての考古学者になった。
現在はエジプトにて貧しい村々の人を養いながら、遺跡発掘に尽力している。
地頭の良さも当然ながら、「困っている人間や魔物を放っておけない」熱い性格も健在。戦闘能力も普通に高い。
助手のザハラからは「教授」と呼ばれ、現地の生徒たちからも学校の先生として親しまれている。
…とはいえ、ザハラの反応を見るに相変わらず無茶ばかりしている模様。

前作であれだけの死闘を経験していたためか修羅場慣れしており、ワイグの攻撃を紙一重で避けながら的確な動きで時間稼ぎをしていた。
「ガッシュが死んだ」と聞かされ、そして敵が放つ「ガッシュのザケルガ」を見て一時動揺してしまう。
だが、今まで培ってきた彼との友情を信じ、ゼリィ達と共に新たな脅威に立ち向かっていく。
前作猛威を振るったチート能力『アンサートーカー』の力が使えるのかは不明*4

  • ザハラ
金髪褐色にホットパンツというラフな格好をしたお姉ちゃん。今作初登場で、かなりサバけた性格。
清麿の助手として、同じく遺跡発掘と村人たちの世話をしている。ゼリィが最初に会った人間の一人。
ただ、この時は子供をこれ以上預かれないという理由で彼女たちを邪険に扱っている。
しかし最終的にはワイグに追い詰められたゼリィに、清麿を連れて一緒に救助に駆け付けてきた。

当然だが魔物という存在には初めて触れるため、ゼリィ達の回復能力には驚いていた。魔物については半信半疑。
ワイグ達を撃退して清麿が旅に出る事になり、遺跡の責任者を任された事で、名誉職の高給取りになれると喜んだ。
しかし「化け物との戦いはゴメン」という彼女の部屋にいつの間にか見覚えのある本が…?


ご存知イタリアの大英雄。かつてのキャンチョメのパートナー。
前作から約12年が経過したと推定される現在においても人気は衰えず、大スターとしてステージに立ち続けているようだ。
相変わらずのハッタリと強がりで無敵っぷりを見せつける漢。
ゴーザの攻撃を片手で凌いだり、バックドロップでぶん投げたりとカバさんぶりも健在。


ご存知日本が誇るスーパーアイドル。
現在でもドームライブを敢行し、その空席をファンで埋められる程の人気を未だに保っている。
ティオの元パートナーである為、その存在を驚異に感じたカード達から命を狙われる。
こちらも歴戦の経験に加えテレビ業界の洗礼を受けており、炎の渦に飛び込む程度は平気でやってのける。


清磨が遺跡の後始末に悩んで電話を掛けた相手で、かつてのロップスのパートナー。
名前そのものはワイグたちとの戦い後に出て来たものの、フランスでシェリーに遺跡から運び出した巨大な棺をヘリで輸送する際に登場。
年齢はおそらく前作から約12年経過しているので40歳前後のはず。清磨が魔物の元パートナーを捜索するのに手を貸している。


かつてのブラゴのパートナー。何と結婚しており3人の子供をもうけている。
縦ロールはそのままで髪をセミロングにしており、王を決める戦いで得た経験を子供たちに説いている良き母。
だが肝心の夫が浮気をしており、それを友人から知らされて苦い顔を浮かべる場面も。
カード達との襲撃では、『王を決める戦い』時代を思わせるフィジカルな部分や威圧さが戻り、子供たちを逃がすために複数のカード達と単身渡り合う。
だが、彼らが奪った術の中にブラゴのものが入っており…。

かつてのキッドのパートナー。既に80歳という高齢で入院中だが、現在も清麿と交流を持っている。
本名が「ハワード・フリーマン」である事が判明、そちらの名義でネバダ州で一番大きな医療法人の代表を務める有名な名士。
前作のラストで引き取ったヴィノーとは現在も同居しており、敵勢力によりヴィノーのついでで見つかった事で刺客を送り込まれる事となった。
容姿は当時と比べて頭髪が後退しており足もあまり自由には見えないが、敵の襲撃を受けてなお不敵な様子を見せており衰えは見えない。
なお先んじて清麿に窮地を知らせており、カードたちの襲撃も察知して、ヴィノーに命じて先手を打たせていた。

ナゾナゾ博士が清麿たちに送った動画に登場。何故かジェスチャーで博士のピンチを伝えた。
案の定容姿もノリも全く変わっていないが、ジェスチャーの慌てっぷりはこれまで見た事がないほど動揺していた。
ちなみに他のマジョスティック12メンバーも健在。

  • ヴィノー
かつてのクリアのパートナー。クリアが誘拐した赤ん坊であり親を探したが見つからず、あれからナゾナゾ博士の元で育った。
そのおかげでヒャッハーな性格から好少年に成長。やはり女の子じゃなかった*5
ナゾナゾ博士のピンチに、車椅子にミイラを棺ごと載せて運んで駆け付ける。石像部だけで200kgはありそうなんだが
今では博士の優秀なサポーターであり、魔界の王の戦いについても把握はしてる模様。

  • グラブ
ナゾナゾ博士が見つけ、ヴィノーが連れてきた元IQ190の大天才でコーラルQのパートナー。
身長が180cm近くまで伸びており、非常に快活ではつらつとした好青年となっている。
清磨との即興且つ短時間のやり取りだけで有効な連携プレイを見せた。

  • ルーパー
前作においてパピプリオのパートナーだった黒人の女性。前作と比べてふくよかな体型になっている。
ナゾナゾ博士の呼びかけに応じた本の持ち主の一人であり、パピプリオに会いたがっていた。
ガッシュからパピプリオの死を伝えられた際は卒倒していたが、すぐに立ち直ってパピプリオの写真は持ってないかせがんだ。

  • ジード
前作においてテッドのパートナーだった男。前作と比べて老け込んでいる。
ルーパー同様ナゾナゾ博士の呼びかけに応じた本の持ち主の一人であり、復活したガッシュの姿を見てテッドの無事に安堵した。

  • ファーン
ルーパーやジードと共に病院に駆け付けた少女。
前作には登場していないが、「大きくなったな」という発言から清麿は幼い頃から彼女を知っているようだ。

この他にもまだ詳細は明らかになっていないが、パートナーとして駆け付けた男性が二名いる。

  • エル・シーバス
前作においてモモンのパートナーだったシスターの女性。清麿達に連れられモモンを助けに現れた。
ただし現在ではシスター姿ではなく、よく見ると左手の薬指に指輪をつけており、
更にはサンビームを「カフカさん」と呼んでいる。彼も同じデザインの指輪を左手の薬指につけている……と、どうやらサンビームと結婚した可能性が高い

ご存知グルービーなウマゴンのパートナー。
モモンを助けるべく救援に参戦。ウマゴンとの再会を涙ながらに果たした。
その後すぐに重傷を負ったモモンを助けるべく、ウマゴン達と共にモモンを抱え病院へ向かう。





◆カード

清麿曰く「魔界の魔物とはまた違った雰囲気」を纏った者たちで、今作に登場する謎の刺客。
魔物たちから術の力を奪って瓶に封じ込めた後、敵勢力に対抗する術を失った魔界を蹂躙した。
魔物とは根本的に全く違う生物と感じるらしい。人間っぽいタイプと化け物の姿を持つタイプがいる。
化物型も人型の姿を持ち、意匠には共通して身体のどこかに軸のある球状の物体が浮かぶカプセル状の部位が存在している。
魔本についても知っているようだが、魔界の王を決める戦いに関しては一部の者のみが知っている様子。
基本的に最低二人一組で行動し、4本の術の瓶を所持、直接戦闘要員の他に魔導師(ソーサラー)という役割の者が必ずいる。

どんな目的でもって魔界を侵略したかは現在も不明だが、ワイグ曰く「魔物殲滅が俺達の仕事」とのこと。
当初は魔物の術が目当てかに思われたが、だとしたら術を奪った後も虐殺を続けることに説明が付かず、だからと言って魔界を領土にするような気配もないとのこと。
また、念入りに殺して回っていたはずの魔物を何故か奴隷としても捕らえ始めている模様。
魔本の干渉を受けて「前回」は失敗した、と語る事から本作のような魔界への侵略行為は初ではないらしく、魔界についても詳しい者もいる。
ギル曰く、“以前”は魔本に辛酸を舐めさせられたとの事で、魔界にあった魔本を全て「復活のできない業火」で二度と蘇らないよう焼き尽くした。
一方、人間界に渡る手段を持ちながら何故かそちらには侵略の手を伸ばしていない。
むしろパートナーや一部の反抗する人間以外は無闇に傷付けないように配慮している節すらあるが理由は不明。
ちなみにこの不可侵は絶対ではなく、任務の邪魔となれば殺傷しても構わないらしい。
読者からその正体についてはガッシュカフェでダウワンの口から語られた「魔界の外の侵略者」であると推察されている。
実際にダウワンが彼らの正体を理解した上でガッシュに忠告を渡したことから、事実上この推測は正しいものであることが確定的となっている。
テレパシーのような交信手段を持っており、ベリエルからの命令を受けている。
刺客達は本人の意志とは無関係に強制的にテレポートさせられる他、ベリエルたちを裏切るような言動を取れば即座に抹殺されてしまう。
一方で初の襲撃者であるワイグとギルを初めとしてマイペースで個性的な人物が非常に多く、ただの冷酷な侵略者ではない複雑なキャラクター性を持つ。
ガッシュカフェではそこの部分を大きく掘り下げられている。そして大体みんな人間界をエンジョイしている。
+ その正体(ネタバレ注意!)
かつて死んだ様々な種族や生物たちの魂が、ベリエルとの契約を結ぶことで肉体を持って蘇り、使役される存在。
ダウワン曰く「本来成仏せねばならない魂たちが閉じ込められ戦わされている」とのこと。
生前に不遇な人生を送るなどして己の生に満足していない者が多く、中には「自分たちがしている事も、そもそもこうして与えられている命自体も真っ当なものでは無いことはわかっているが、それでも死にたくない、生にしがみつきたい」という動機で戦う者もいる。
人間・非人間問わずほぼ生前の姿で行動しているが、カプセル状の部位が存在しており、これを破壊されると肉体が崩れ去って死んでしまう。
またべリエルから現在の肉体を授かる前は十字が刻まれた球の核の姿で意識だけあるなど、この球が魂の役割をしていると思われる。
レビーの描写やアギレラ国の戦士貴族の言葉から、人間界だけでなく魔界以外の他の世界の住人もカードにしている可能性がある。


  • べリエル
顔の上半分を7本の金属片が伸びたようなマスクで隠し、頭からローブを被った屈強な怪しい謎の人物。
ギルと比較しても非常に大きく、ゆうに3mはあろうかという巨躯を誇る。
魔界の北の大地にあるジエラドに建物を建造し、魔物から奪った術やカードを管理している。
カード達の生殺与奪の権を握っており、遠隔操作でいつでも殺す事が可能。さらに「目」で行動も監視している
そのためカード達からも人望は無いに等しく、中には裏切ったり反逆を試みる者も存在する。
バオウ・ザケルガをそのままの姿で閉じ込めており、今回の侵略の首謀者と思われる言動を取る。
また、ワイグ達を「元々死んでいたもの」とも称している。「本」に対して敵対心を見せているが…?
人間界を覗き見ており、人間が死んだかどうかもサーモグラフィのように目で判断できるらしい。

  • ワイグ
好戦的でギルからも「筋肉バカ」と詰られる刺客の一人。魔界の情報が書かれた黒い手帳を持っている。
人間形態は黒スーツもどきの格好をしてるが、正体は巨大な一つ目と5本の腕に凶悪そうな武器や刃物をとりつけた異形な怪物。
人間形態時のカプセル状の部位は胸部全体で、軸のある球状の物体(以下、物体)が二つ浮かんでおり、腹部は内臓っぽい物が透けて見える。
すぐに頭に血が上るようで、あの手この手で清麿から妨害を受けた際は、完全に標的のゼリィ達を無視して清磨を殺しにかかった。
実際当人も考えることは苦手らしく、「魔界は俺たち以外皆狩れば良いから楽だった」と呟くほど。
邪魔する者、抵抗する者には容赦しないが、「仕事」とは無関係に人に襲い掛かるほど野蛮というわけではない模様。
また強者や勇者には相応の敬意を見せるなど、単に邪悪なだけの存在では無いことをうかがわせる。
ただし「ガキをかばう奴を一方的に打ちのめすのは楽しかった」とも言っており、その真意は不明。歯向かってくる骨のある奴は大好きとのこと。

鉄パイプで殴られる、拳銃やマシンガンで撃たれる程度では意にも介さないほど頑強な肉体を誇る*6
ただし仮面で隠された人間でいう口(から下顎にかけて)のある部分に「核」のようなものが存在しており、そこが弱点らしい。
後にこの核のような球体はカードの魂のようなものと判明、恐らく全員が持っていると思われる。
主な攻撃方法は5本の腕に取り付けた武器で、その中でも金属製の棘棍棒のような武器『ワイグメイス』が切り札。
他にも黒いアタッシュケースから「奪い取った術が入った瓶」を使って術を行使する。
その中には、ガッシュの象徴である「雷の力」も含まれている。他の瓶のアイコンは「植物」「炎」「氷」。

最初の敵ながら実力は非常に高く、術を奪われていたとはいえテッド、チェリッシュ、レインを3人がかりで相手して打ち倒す程の戦闘力を誇る。
ガッシュ復活後はガッシュと清麿のコンビネーションに翻弄されるが、合力を発動してからはその大火力とフィジカルで彼らを追い詰めて見せている。

劇中で使った術は主にガッシュの呪文。

●ラシルド:
相手の攻撃を電撃を纏わせてはね返すガッシュの術。
●ザケルガ:
貫通力のある電撃ビームを放つガッシュの術。


  • ギル
フルネームは『ギルバート・オサムサン』でアイルランド人と日本人のハーフ(自称)。
眼鏡に短パン、シャツという、人間の少年にかなり近い体躯をした刺客の一人。ワイグのパートナー的存在。
頭脳担当らしく、ジギーが使った転送装置にも直ぐさま「何の道具かを聞き出して」人間界に侵入してきた。
冷静沈着な皮肉屋で、魔界の王を決める戦いについても詳しい。
清麿がワイグの怒りを的確に煽っていることにも気付いていたが、当人の実力はまだ未知数。
戦闘経験もないザハラでさえ「近づいたら死ぬ」と本能で感じとり動けなかった。
その正体は元人間との事で、昔は魔導師(ソーサラー)とも呼ばれていたと明かす。
「リーファ」と唱える事で灯りをつけたり、印を結んだりするだけで不思議な能力を発揮したりできる。
追跡中なのに人間のバス観光を楽しんでいたり、お土産を買い漁って明らかにエジプトをエンジョイしていたりと、結構マイペースな一面も見せる。
人間と魔物の臭いの違いを頼りに、ゼリィ達を追跡している。少なくともバイクで崖から落ちても平気らしい。

  • レビー・ジンク
髪を全て編み込んだ少女の姿をした侵略者。
人間形態時のカプセル状の部位は心臓を中心とした楕円形で、物体は土星の環のような特徴を持つものが一つ浮いている。
自身の髪に住まわせた獣型の怪物「コーザ」や「ハイロス」を使役したり、一体化して攻撃する能力を持つ。
自称「獣王」で口癖は「チーチーチー」。持っている術についてはあまり熟知していない。
フォルゴレのパフォーマンスを面白がっているうちにキャンチョメ達を取り逃すなど、パートナーの鼻毛ブー共々割と天然。
獣の王であって人の王ではないと語り、人間が傷付くことにはまるで関心が無い素振りを見せるが……?
彼女の回想では大量の異形の獣の骸に彼らと共に暮らしていたであろう成人女性、そしてそんな獣と女性に槍を向ける謎の男達が描かれている。
獣の群れで暮らす人間、という作者の過去作「どうぶつの国」とも通じるこの回想が意味するものとは果たして……


  • ゴーザ
レビーの髪に住まう獣。マッシブなクロヒョウのような姿をしている。
基本的にはレビーと一体化して戦うが、彼女から離れて行動することも可能。
ただ、離れた状態だとドルクを使ってなおフォルゴレに押し返される程度には弱体化する。フォルゴレが強すぎるだけというのは禁句
一般人を平気で襲うなど、主と同様に冷酷な性格。


  • ハイロス
レビーの髪に住まう獣。羽根が4枚ある始祖鳥のような姿をしている。
レビーと一体化している状態であれば、クチバシでコンクリートの壁をも貫く。
尾翼の羽根をドルセンで岩石弾にして放つこともできる。


  • 你好剛毛(にーはおごうもう)鼻毛(はなげ)ブー
レビーと行動を共にする魔導師(ソーサラー)で、ハットを被った成人男性の姿の侵略者。
体格は190cmのフォルゴレと同じぐらいで、後頭部に鋭角な襟足、顔にはヒゲなんだかモミアゲなんだか分からない黒い部位が多い。
そして名前が酷い(まあウンコティンティンという前例もあるんだけど)…ちなみにその名に反して鼻毛は生えてない
フォルゴレからも爆笑されて「鼻毛ブーがフォルゴレにかなうわけが」とバカにされてしまった。
しかし実際には非常に強く、やはり「元人間」と言っていたギルと同様に人間とは違うらしい。
160tもの路面電車(鉄塊)に時速40kmではねられても死なないどころか、瞬時に自分のダメージを冷静に分析。
サイフォジオの回復があるまで立ち上がれなかったものの、その状態で複数の術を唱えるサポートを行っている。
魔物の術が入った瓶は彼が持ち運んでおり、少なくとも下記の術が現状使用可能。他にも爆発のようなマークの瓶も確認されている。

●ビライツ:
光線を発射するロブノスの術。威力は低め。
●サイフォジオ:
傷を治すティオの術。こちらの回復力も弱め。レビーも鼻毛ブーの回復の為に使った。
ちなみにこの術の瓶から復活したティオの術の中にセウシルとマ・セシルドが出ている。
このことから、この二つの術も使用できた可能性がある。
●ドルク:
身体を岩のように硬化させるゴフレの術。主にレビーのゴーザを強化するのに使う。
●ドルセン:
鋭い岩石を複数発射するゴフレの術。レビーと合体したハイロスが使ったが、ベンチで凌げる程度の威力。

サイフォジオが唱えた者には効かない事を忘れていたレビーから回復して貰えないまま死にかけるなど中々に酷い扱いを受ける。
また、フォルゴレのパフォーマンスを面白がって彼らを取り逃す等レビー共々天然気味。攻撃に耐えるフォルゴレに感心していた。
一般人を攻撃するレビー(ゴーザ)を諌めるなど、彼女たちに比べれば幾分かは理性的な人物。
だが、レビーの過去を知っているのかそれ以上は彼女を咎めず、むしろ攻撃に協力する姿勢を見せた。
你好剛毛流(にーはおごうもうりゅう)という魔導と体術を駆使する流派を習得しており、カバさん状態のフォルゴレを圧倒するほど単独の戦闘力も高い。
ただし頑丈さはともかく成人男性複数人のタックルで押し倒されるなど、身体能力自体は見た目相応らしい。
尚、你好剛毛・鼻毛ブーとは本名ではない。「ブー」とは最高師範を意味する称号らしく、「鼻毛」は分家名。
すなわち「你好剛毛流、魔導老師、鼻毛家の最高師範」という事になる。ちなみに他に耳毛家やスネ毛家もある。


  • ベスミラテオ
レビーと鼻毛ブーの会話で名前のみ登場。術を奪った者らしいが詳しい事は不明。


  • ブレルダ
頭部が培養液に浸かった脳みそのような形をしている人型の怪物。脳には目が三つついている。
常に両腕を組んでおり、また肩からは機械のような腕が生えてこちらが本来の腕の仕事をしている。
此度の侵略を「面白いゲーム」と評価し、術を奪われた力ない魔物たちが嬲られる様を楽しんでいる残忍な性格。
また、ワイグ達を指して「あなた(ベリエル)自慢のカード」と呼んでおり、彼らとは一線を画す存在である可能性が示唆されている。
べリエルの腹心のような存在なのか、彼のサポートをしテン・サバイバーのパートナーを捜索・報告している。
ちなみに魔女曰く「人間探しは難しい」と漏らしていた模様。


  • ポーラ
金髪の美少年。ファンタジーに登場するエルフや魔族のように尖った耳が特徴。
「王子」を自称しており、パートナーの魔女からもそう呼ばれている。その自称の通り、プライドも高い。
一方で魔女に対して素直に褒めたり語らったり、べリエルに対しても飄々とした態度を貫くなど気安い面も見せる。
人間形態時のカプセル状の部位は心臓(鳩尾)で、サイズもリンゴぐらいと比較的小さい。
また、怪物?形態になっても右手が剣になり鎧を着込む程度であまり変異しないなど、他のカードとの違いが多い。
恵を消す為に魔女と共に人間界へ訪れ、恵のライブコンサート会場でガッシュと交戦した。
ガッシュと互角に立ち回る体術に加え、恵と魔本が合流しないように策を巡らせる頭の回転の速さを併せ持つ。
ガッシュを「手遅れの王」と煽り、動揺させる等悪辣な人物である一方、清麿に対して自ら達を
(野蛮で危険だった)ワイグと同類
話の通じない、魔物を狩ることだけを考えている狂人
…と評した上で手加減しないよう忠告するなど、腹の読めない人物。

戦闘時には禍々しい鎧を纏い、巨大なチャクラムと剣を振るう等、近接戦を得意としている模様。
実力はかなり高く、構えただけでガッシュと清麿に強いプレッシャーを与えた。

  • 魔女
ポーラの魔導師(ソーサラー)で、外見からして"いかにも"な魔女。ポーラ同様、耳が尖っており、更に鼻も尖っている。
水星の魔女じゃないからババアと自己紹介した。
ポーラと共に恵を消すために人間界へ現れ、ガッシュと交戦した。

ライブの警備スタッフに(魔女っぽく)恵の所在を訪ねてぐぅのねも出ない正論で淡々と追い返されて凹む
宿泊したホテルでポーラが寝ている横でテレビにかじりつく(恐らくこの時水星の魔女を一気見したと思われる)。
ライブ会場に向かうもチケットが完売していた為入場できず追い返され、謎のポエムを書き記す
記念すべき(?)本作初のツッコミ用ザケルの被害者となる、といった奇行で読者の腹筋を破壊したコメディリリーフ。
しかし大ボスを自称しているのは伊達ではなくその実力は本物であり、奪った術の力を「合力」を経由する事なくポーラ自身の力として運用させる技術を持つ。
ポーラ共々、彼らが初登場した時点までで登場していたカード達とは明らかに一線を画しており、今後もガッシュ達の前に強敵として立ち塞がることが推察される。
確認できている瓶は火炎のガデュウ系、アースのソルド系。他に岩のようなアイコンと蝙蝠のような翼のアイコンの瓶がある。
術の瓶とアタッシュケースを持っているのは彼女であり、劇中は下記の術を使用している。

●ガデュウガ:
魔女が描いた魔法陣に沿って薄く弱い炎の膜を張る。
何気に本作初登場の術だが、名前からしてファンゴが使用したガデュウ系の術の一つであると思われる。
●ウルソルト:
アースが使用していた術。ポーラの速度を上げてガッシュに斬りかかった。
●リゴウ・ソルド:
ポーラの巨大チャクラムと剣による波状攻撃。元はアースの術の可能性が高いが詳細は不明。
●ジャン・ジ・ソルド:
ウルソルト同様アースが使用していた術。
魔女が何かしらの補助を加えたことで術が変質し、ガッシュのラシルドを砕くほどに強化された。


  • ガンサー
生き残りの魔物討伐を命じられたカード。
ポーラはこの人物が魔物狩りを命じられ、自身がパートナー狩りを命じられた事に対して不満をもらしていた。
ティオ達が隠れている修道院を襲撃したカードの内の誰かがそうであると思われるが、劇中で明言されていない現時点では一応不明。
下半身が球状になって浮遊している人物が鎖や鞭を用いて、鎧の兵隊や頭部のない異形の怪物の小隊を指揮している。
他にもチラリとだが人型のドラゴンのような巨躯の兵士も1人おり、逃走経路を塞いでいた。
頭部のない異形の怪物は術の瓶を体内に内蔵しており、これによって自身の武装を強化する事ができる。
もちろん瓶をそのまま手にする事で術も使え、指揮官らしき者自身が術を放ったりもしている。カプセル状の部位は不明。
確認できている瓶は爆発のラドム系、歯車のゼガル系、卵型の何か*9と不明が一つ。
複数の術の瓶を使い呪文を混ぜ合わせる事ができるらしく、唱える術はかなり特殊な形態をしている。
最終的に生死不明だが描写からして敗北し消滅したと思われるが今のところ不明。

●ドリアム・ゼガロン:
腕から首回り、背中に掛けてレールが出現し、棘鉄塊を腕から射出して強力な打撃を打ち込む術。
●ギガノ・ラ・バ・デラドム:
腕に巨大な三連砲台を出現させ、そこから大爆発を起こす砲弾を発射する強力な術。
●ロンド・ラドム:
触れると爆発する鞭状のエネルギーで攻撃するゾフィスの術。指揮官が直接瓶を持って放った。
●ギラドム・バスカード:
右腕に巨大な棘鉄塊を出現、更に高速回転とジェット噴射させて敵を粉砕する。
●オルラガス・バスカード:
両腕を金属のような刺々しい六つの触手状に変え、多方向から連続攻撃を行う。

  • アギレラ国の戦士貴族
バリーに戦いを挑んで返り討ちに遭ったカード。人間形態時のカプセル状の部位は腹で、物体の数は三つ。
ポーラ達同様尖った耳に、白目と黒目が反転した眼球、更に肩から角のような尖った部位が存在する。
ベリエルの事を快く思っておらず自らの出身やカードの詳細を明かしたため、遠隔でカプセルを破壊され粛清された。
これにより「カプセル部位が破壊されると崩れ落ちるように消滅して死ぬ」「遠隔でいつでも殺せる」という事が明らかとなった。
ちなみに人間態のカプセル部位=核の位置ではない(ワイグの核は顎にあった)という事でもある。
尚、アギレラとはスペイン語圏の姓で「鷲の巣」を意味する。


  • ゼブリット・ブラザーズ
ベルモンド家を襲撃した4人組のカード。
巨大な顔面の異形は「ジモダ」、リーダー格である長髪の男性は「ジリオン」、山羊のような角が生えた大男は「ガム」、紅一点の仮面女「リーザ」。
ジリオンがアタッシュケースを持ち、ブラゴのグラビレイとギガノ・レイスを放っている。魔導師(ソーサラー)のような役割はリーザが務める。
全員化物のような姿だが、ジリオンの通常(人間?)形態時のカプセル状の部位は額にある。内部の物体の数は一つ。
それぞれ異常なまでに生命力が高く、ジリオンはバラバラになって首だけでも身体を操っており、「合力」で再結合した。
ガムもザケルガで腹に大穴を開けられながらもガッシュを力尽くで抑え込んでおり、リーザも顔面にギガノ・レイスが直撃したのに軽傷だった。
ジモダ曰く「国中に恐れられた黒炎の心臓の兄弟」らしく、リーザの呪文から7人兄弟で、他に「エガラヴィッツ」「オーム」「アモン」がいると思われる。
確認できている瓶はブラゴの重力系、白球に十字架柄のボギル系、黒球に無数の棘が生えたドルク系*10、獅子の鬣のような毛玉に牙が付いたリオウの術。

●グラビレイ:
重圧を与え動きを止めるブラゴの術。威力は低めで範囲も狭い。
●ギガノ・レイス:
ブラゴの術で重力弾を放つ。威力は控えめとはいえギガノ級なので、屋敷の壁ぐらいは軽く吹き飛ばす威力。
●ボギル、ボギルガ、ボギジルド:
千年前の魔物の子のモブ、バビルの術…なのだが、ジモダはこの術の瓶を捕食し、肉体を爆ぜさせ真っ黒な体液を流しながら溶解。
物体を飲み込む「黒い沼」と化し清磨達の助太刀を妨害した。能力を解除すると元の姿に戻り、沼に飲み込んだ物を吐き出す。
尚、ボギル系は描写が少なすぎて術の性質や傾向が不明だが、少なくともジモダのような異質な術ではなく単純なエネルギー弾系の術である。
また、飲み込んだ術の瓶は戻ってこない模様。
●ガドルク:
恐らくバランシャの装甲型肉体強化術。ガムの手を強化し、なんとザケルガの直撃を防いでいる。
●ギルファドム・バルスルク:
リオウの禁呪。肉体を超強化&巨大化するが理性もぶっ飛んでしまい見境なく暴れ回る。

兄弟というだけあって互いの絆は強いらしく、ジモダはジリオンを「兄貴」と慕い、清磨がブラゴとの戦いを邪魔しないようガムと一緒に抑え込んだ。
一方で戦いで死ぬ事については本望であり、仲間の死を前にしても誰も後悔をしていない様子であった。
ちなみに4巻のガッシュカフェでジリオンのフルネームが「ジリオン・ゼブリット」である事が判明した。



  • ボビー
半裸でヒゲを生やしトゲ棍棒を担いだ大男。頭に溶接面のような物を被っている。前作での馬場杏杏並の巨体*11を誇る。
あからさまに怪しい風貌でナゾナゾ博士が運営する病院に現れ、普通にセキュリティゲートに案内され通ろうとする。
しかし巨体が通れずゲートを壊してしまい、警備員に止められて無数のテーザーガンを撃ち込まれた*12が、棍棒の一撃で警備隊を倒す。
棍棒は見た目と裏腹に機械的な構造で、内部に瓶をセットしており、ブルーが扱う芋虫型手甲も内蔵されている。
戦闘時は剥き出しにした瓶から放つ呪文を、呪文に合わせて変形する棍棒に纏わせて使用する。
粗野な外見に反して温厚な男であり、タッグを組むブルーを気遣う優しい人物。どちらが先にナゾナゾ博士を見つけ出せるか勝負していた。
ブルーがナゾナゾ博士に死の呪いを与えた事を知り、自分とブルーのどちらもペナルティを受けずに済むと安堵している。
またブルーが策にハマり不意打ちでザケルガの直撃を受けた際は、吹っ飛ばされるブルーを庇って途中から身代わりになった。
一方で今までの刹那的だったカードと違い訳があって命が惜しいらしく、真っ当な命ではないと理解しながらも死ぬのは嫌がっている。
確認できている瓶は黒い棘鉄球のガロン系(恐らくマルス)、及びキューブ型のロボル系。残り2本はブルー用で合計4本の瓶を持つ。

●エイジャス・リ・ガロン:
2本の地面に潜る鎖付き鉄球で地中から攻撃する、エイジャス・ガロンの強化呪文。
●ロボルガ:
変形させた棍棒から直線的なビームを放つロボル系基本呪文。
何気に発動後に術者の任意で放ったビームを着弾する前に全て消す事が可能となっている。
●ギガノ・ガロム:
回転する棘付きの鉄塊で攻撃する呪文。何気にガロン系2つ目のギガノ級呪文。
だがガッシュと清麿には容易く攻撃のシルエットを読み切られ、術無しで避け切られた。
●ガランズ・シルド:
棘付きの鉄盾を呼び出す防御呪文。ザケルガを防ぎ切るほどの防御力はない模様。
●ヘビィ・ガランズ:
ギガノ・ガランズを上回るほどの重厚な刺々しい鉄の塊で攻撃する呪文。
何らかの力で威力を上げる事が可能らしく、心の力を込めたラシルドと完全に相殺する程の高い威力を持つ。


  • ブルー
ナゾナゾ博士の元へ歌いながら直接現れた、オレンジ・緑・赤・黒の四色*13の蝶を従えた少女。
不思議な蝶に魅入られその特殊能力を行使する。しかし、前世ではその蝶の影響で12歳までしか生きられなかった。
蝶の能力で病院に混乱を齎しつつ、ナゾナゾ博士に死の呪いを与える「ブラック・バタフライ」を埋め込み彼の命を奪おうとした。
「蝶に魅入られたブルー」の異名を持つが内面は幼く純朴な少女であり、ナゾナゾ博士の嘘に容易く騙される程ピュア。
ベリエルに命を握られてる立場故にやむを得ず従っているらしく、魔物狩りやそのパートナーの暗殺を本心から望んでいるわけではない。
むしろ殺人に対して「心が暗くなる」「好きでこんなことしてると思う?」と語るなど忌避感すら見せている。
ナゾナゾ博士とは暗殺者とターゲットいう関係で、かつ短い時間での交流であるにもかかわらず孫と祖父のような温かい絆を結んだ。
博士は自身の命が危ないにもかかわらずガッシュと清麿に彼女の命は助けるよう懇願し、彼女も彼女でユーモアで優しい博士に懐く素振りを見せる。
ガッシュとの戦いでは「ガッシュを倒してノルマを達成する事でナゾナゾ博士を死なせない」事をモチベーションとするようになっていった。
人間形態時のカプセル状の部位は左肩でかなり小さく、また中の物体も勾玉が二つ上下逆に重なったような変わった形をしている。

戦闘時はボビーから術の瓶をセットされた芋虫のようなものを受け取り、腕にマウントする形で装着する。
確認できている瓶は花のアイコンのロズル系*14、及び竜巻のウイガル系。
またべリエルからガッシュ達が来た時の為の強力な術を持たせてくれたと言っている*15
ちなみに4巻のガッシュカフェでフルネームが「ブルー・スカアラット」である事が判明した。

●ウルク:
元は瞬間移動と見紛う程の超高速移動をするフェインの術。
が、やはり心の力バフがないためか普通に目で追われた。移動距離も効果時間も短い。
●ガベルジュア:
恐らく千年前の魔物の子のモブ、カルーラの術。バラの茎で出来た無数の触手で対象を襲う。
しかし対象が視認出来ない程の茎で覆われる為、逆にブルーの視界を塞ぎピンチを招く羽目となった。
●ロザリア・ギドルク:
肉食の口がついた巨大なバラを背中から生やし、バラの茎の触手と共に襲う術。
術名に肉体強化呪文を意味する「ルク」が使われてる事から、恐らく肉体とバラは一体化してるものと思われる。
バラは術者の意志で瞬時に再生、また自在に操ることが可能。
●ブルーム・ロザリア:
敵の四方八方を囲むようにバラの壁を呼び出す。相手の目くらましに使える呪文。
ポッケリオのジュルクみたいなもの?
●トルネルド・ウイガル:
激しくうねる竜巻で攻撃する呪文。清麿が心の力を振り絞らなければザケルガで打ち破れないほどの威力を持つ。
●ピンプルキヨマホアバべべブー:
ブルーがナゾナゾ博士から教えられて覚えた呪文。
この術で清麿は口から暴れウンピョウを吐き出して死ぬ
清麿云々ではなくそれを見るのを目的に唱えられるが、
もちろんナゾナゾ博士の嘘。てめーらそんなに娯楽がないのかバカヤロー!!!
●ギガ…(?):
外に逃げたガッシュ達を追い掛けて放とうとした呪文。
竜巻の瓶を発動させているが、不意打ちのザケルガを受けて撃てなかった。ギガノ・ウイガル?

また、術とは別で下記蝶の能力を行使できる。
●ブラック・バタフライ:
対象の肉体に入り込み、黒い染みが段々広がり2時間でその対象を呪い殺す死神の蝶。
●グリーン・バタフライ
混乱を与えて思考能力を奪う蝶。この蝶で容易くナゾナゾ博士のもとに辿り着いた。
●オレンジ・バタフライ
詳細不明。ボビーを自身の元へ案内する為に使われた。ヴィノーをこれを使っても見つけられなかったと言う口振りと口ずさんでいた歌から探査能力だと思われる。
●レッド・バタフライ
赤い蝶の羽を持つ肉体に自身を強化する。ブルーに死のリスクがある程の危険な力の模様。
「合力」のシーケンスを行っている劇中の描写から、恐らく彼女の『合力』がこの名前で呼ばれてるものと思われる。
ちなみに使われたのは花アイコンの瓶。


  • ローリング・ウイッチ

ローリング・ウイッチーーー!!!

ズッタンズッタン♬ズンタカタンタンタンッ♪

夢見てローリン・サンダー♬マキマキローリン・サンダー♬

あなたのお顔がグルグルーーー♬パワフルローリン・サンダーーーーッ♪

魔力ーーー!!!ワンパツーーー!!!ローリン・ウイッチ!!!

上記歌を歌いながら登場したブルーの魔導師。ボビー曰く『ハイクラスの魔導師』との事。
マッスルかつグラマラスな体を競技用体操着で覆い、渦巻癖毛の長髪で目にはグラサンを掛け、特徴的な変な顎をした女性。
空中で固定された棒を使って常に背面車輪をしながら過ごしており、そのままハイテンションで喋り倒す
そのエキセントリックなキャラクター性から、登場と同時に読者とナゾナゾ博士の腹筋を破壊した。
なお、「魔力ワンパツ」のリズムとイントネーションは「ファイト一発!オロナミンCリポビタンD*16」のCMと同じとの事。ザケルガにより中断されたが、2回目は思いっきりリポビタンDと叫ぼうとしていた。
尚、ワンパツのワンは一発の一の意味。このようにふざけた外見と言動を見せるが、実力は本物。
消し去るつもりで撃ったザケルガを一身に浴びても悲鳴をあげるだけで、大したダメージを受けていない。
膨大な魔力を持つ為か合力(レッド・バタフライ)の状態を2分も維持できるなど、かなり強力なカードである事をうかがわせる。
長髪に隠れた背中の肩甲骨の間にカプセル状の部位がある。物体はトゲが三又のものが一つ。


  • ヘム
ボビーよりもさらに巨躯を誇り、悪魔を想起させる禍々しい外見をしている怪物。
ヤギのような角、剥き出しの歯茎、常に見開かれた眼、無数の触手を生やす肉塊のような腕を持ち、骨のような鎧を纏う。
触手にはそれぞれに眼、棘の生えた口、爪などが備えられており、触手の口を手のように使う。
ブルー、ボビーとの戦いに現れ、彼らの言動からかなり高位のカードである事をうかがわせる。
べリエルの目を借りてブルーの行動を観察しており、わざわざレッド・バタフライを使うよう強要し、彼女の術の瓶を奪った。
ブルーが死んだ時に自分に出番があると言い放ち、したくもない戦いと殺人を強要され苦しむブルーの表情に愉悦を見せる外道。
その言動にはガッシュと清麿も静かに怒りを滾らせた。当然実力も非常に高く、不意打ち気味のザケルガを触手一本で防いでいる。

本編では残忍な姿しか見せていないが、ガッシュカフェではリブラやモーセスと仲良く踊るなどコミカルな姿を見せている。

  • モーセス
エリオス城塞でモモンと敵対する魔導師。魔物の生物学者でもある。細身でエルフ耳の青年といった風貌をしている。
他の兵士たちに命令・指示を下せることからこちらも高位のカードであることが伺える。
モモンと名乗りあった際「『モ』の部分が一緒」という感想を述べたり、傷を塞ぐための絆創膏の柄がゾウさんだったりややコミカルな部分があるが、モモンの肉体に興味を持ち、研究・解剖をしようとしていたため残虐な一面もある。
魔法で感覚を鋭くすることも出来るためモモンの気配も探知することが出来た。
手術用の丸鋸や薬品、注射器といった医療道具を携行しており、リブラの肉体を強化したり自分自身の手術・治療を行うなど医療技術の腕前の高さを持つ。

  • リブラ
食虫植物や怪獣を思わせる巨大な怪物。これまで登場したカードの中でも明らかに人離れした外見をしている。
他のカードたちを粛清・瓶の捕食を行う存在であり、作中では11個もの術を捕食した。
モーセスが手術を行うことで下半身に生えている触手を分離・独立化させて敵を追尾させる事ができる。
明らかに人語を解するような見た目ではないがしっかり受け答えができる。ガッシュカフェではローリング・ウィッチの素顔にビビリまくるカワイイ姿を見せた。

術の瓶

透明なカプセルのようなビンの中央に、を表したアイコンのようなものが浮かんでいる。
刺客は魔物達から奪った術を瓶の形に精製して、アタッシュケースなどに入れて持ち歩いている。
この瓶さえ持っていれば、術の持ち主でなくても術を発動させられる。人間が使えるかどうかは不明。
劇中では山よりも遥かに巨大な異形の龍のような化け物が、大口を開いて魔物達から術の力を奪ったらしい描写がある。

瓶に入った術は何度も使えるようだが、回数制限があるのかはまだ不明。
ギルの台詞から心の力を使わないらしく、本来の心の力を使った術よりも効果が低い描写が多い。
ただし奪ったばかりで精製前の物は数回使うと消えてしまい、使う際には瓶の蓋を開ける必要もある。
この回数制限により消えてしまった術がどうなるのかは、今のところ不明。
更に精製前の物だからか術者本人だからかは不明だが、キャンチョメのポルクは非常に精度の高い能力を発揮していた。
また「奪われた術」は瓶からアイコンを取り出して、術の持ち主の魔本に触れさせる事で取り返す事ができる。
瓶に入っている術はその魔物の全ての術ではなく、ザケルガ、ラシルドなど術単位で封入されている。
一つの瓶につき複数の術が封印されているものもあるが、バオウ・ザケルガのような強力な術は瓶詰めできないらしい。
一方でリオウの禁呪などは瓶に入るらしく、条件などは未だ不明な点が多い。*17
ただし瓶を複数用いて術の合成をして発動したり、詠唱者によっては術の力を対象者本来の力に変える事もできる。
魔物がすでに全ての術が奪われていたとしても、魔本を通じて新たな術を獲得した場合はその術を使う事が可能。
尚、ゴームの空間ワープなどの魔物自身が元々持っている術以外の固有能力は奪われていない。*18

また刺客達は合力という方法で術の力と合体・一体化する事で大幅にパワーアップできる。
合力を使用する際は魔導師(ソーサラー)と呼ばれる役割の者が該当の術の瓶を割って、中の術をかなり長い特殊な呪文詠唱で仲間と融合させる。
融合してしまった術は失われるが、こちらがどうなるのかもまだ今のところ不明のまま。
更に本来の術とは別種の能力が得られるが、そちらは魔物達の術とは全く違うやや長めの呪文詠唱で発動する。
尚、合力に使われる呪文は魔導師(ソーサラー)によって全く異なる。地球の言語っぽいものもあるが、詳細は不明。
力との同調が強まっていくと詠唱せずとも同行者が印を結ぶだけで術を発動させられるようにもなる。

ただし、合力を使ってしまうとほんのわずかな時間(約1分)で死んでしまうという甚大なリスクがある。
タイムリミットが近づくにつれて徐々に身体が崩壊しはじめ、最終的には肉体が暴走し術に喰われるという。
このリスクはとある工程を挟むことで、融合した者ではなく術を唱えた者(魔導師(ソーサラー))が請け負う事も可能。
どちらにせよ融合した本人か詠唱した魔導師(ソーサラー)のどちらかが犠牲にならなければならない。
力の代償に捧げられた肉体は空間ごと集束するように消滅する*19
尚、ギルが残りの瓶で合力を行おうとしていたので、魔導師(ソーサラー)自身が自らを合力の対象にもできる模様。

魔本

前作でも登場した、魔物の術を操る為に必要な本。
エジプトのとある遺跡内に隠された石のモニュメントだったが、「命を封じた一枚」に共鳴する事で従来の魔本と同じものに変化した。
その後は清麿の手によって最初に復活した魔本のページを一枚破り、それを一体化させて次の魔本を復活。
全て赤い本でやってしまうとページが無くなってしまうので、同じことを復活した本で順番に繰り返して27冊もの本を復活させる事に成功した。
復活した魔本は本の色もページも真っ白で、復活させた後は人間界に来ている魔物=持ち主を探してか飛び去っていった。
上述の瓶の説明にもある通り、奪われた術は瓶の中身を対応した魔本に近付ければ自動的に取り返せる。
また、まだ色のついていない白い魔本に瓶の中身を近づけることで、その術の持ち主の魔本に変化したりもする。
尚、本自体にある程度意思疎通ができる何かがあるのか、持ち主やそのパートナーの危険を知らせ助けを呼ぶような動きも見せる。

10名の生き残り(テン・サバイバー)

前作の『魔界の王を決める戦い』にて生き残った10体の魔物とパートナーの事。
カード達が返り討ちにあったことから、ベリエルは彼らを抹殺するために刺客をそれぞれの世界に送った。
なお前作において残り10人になった時の内訳は以下の通り。(★印は生存が確認されている者、●は死亡した後復活した者、×は死亡が確認されている者)

ここにリストアップされてないせいで前作の強者であるバリーに敵が返り討ちに遭ったり、
また人間の中でも特に侵略者たちにとって厄介な能力や立場を持つデュフォーやアポロなどが現状狙われておらず、割とガバい基準なのでは?と読者に突っ込まれている。
一方でヴィノーのついでに発見したナゾナゾ博士に刺客を送り込むなど、見つかりさえすれば警戒はしているようだ。

命の欠片

今作における重要な要素の一つ。言葉通りのもの。ドッジボールのような溝の入った球状の見た目をしている。
ガッシュが王家に伝わる秘術で自らの命を使うことで侵略の際に死んだ一千万近い魔物の民を復活させた。その際に肉体から抜け出し、現在安全な場所へ秘匿している。
またガッシュ自身の命の欠片も適性のあったゼリィとオルモに自らの力を託し、魔本の1ページと供に多くのミイラが埋葬された遺跡を見つけた清麿に渡ることで復活を果たした。
命の欠片があるだけでは肉体を持って復活できず、少なくとも
  • その魔物に対応するパートナー
  • その魔物が使っていた術(瓶や呪文の書かれたページ)
  • エジプトの遺跡で清麿が見つけたミイラ
この4つも揃っていなければ復活できないようだ。また肉体も仮のものであるとガッシュが言及している。
似たような例としてカードも球状の魂らしきものからベリエルの手で肉体が錬成されている。

作品の評価

本作の発表当時、当然期待の声が非常に大きかった一方で、名作の続編という扱いひとつ間違えれば蛇足感を生み地雷となりやすい難しいジャンルであった事、作者の前作『VECTOR BALL』が極めて賛否の分かれるものであった事*20から、不安を覚えるファンも少なからず存在した。
しかしながらいざ蓋を開けると

  • 前作の次世代の王を決める戦いからスケールアップし、外界から現れた侵略者と命がけの戦いに臨むという極めて緊張感のある切り込み
  • それ故に前作では各キャラが意図したか否かを問わず最終的に完全不殺で終わったのに対し、今作では敵も味方も容赦なく命を落とすシビアな世界観
  • 前作で登場した協力な術の数々を敵に奪われているという形で不必要なインフレを抑制し、大味なバトルではなくアクション一つ一つに駆け引きと緊張感のあるバトルが展開される
  • 細かな描写一つ一つに前作キャラの成長を感じさせる所作が組み込まれ、術を失ったにもかかわらずキャラ達の格を落とすどころかむしろ大きく上げる
  • 本作のメインヴィランとなる侵略者"カード"達に編み込まれた魅力的なバックボーン
  • ストーリーのシリアスさや緊張感を前作より高めつつも抜くところはしっかり抜く前作からいい意味で変わらないノリや、衰え知らずの勢い重視な雷句イズム溢れるギャグ描写

と非常に丁寧に作り込まれており、前作を読み切って本作へ臨んだファンを大いに満足させ高い評価を獲得する事となった。
特に前作では少年少女だった魔物達やそのパートナーの心身共に成長しスケールアップした姿に、感動を覚える読者も多く「続編モノのお手本」「唯一の欠点は月刊なので続きを待つ時間が長く感じる事」という声も大きい。
いずれにせよ往年のガッシュファンの心はガッチリと掴む事に成功したのは間違いなく、大人になったかつての彼らの中で二次的なガッシュブームを作り出してみせるのであった。
この勢いでアニメもファウード編辺りから完結までリメイクできませんかね



追記・修正は絶望に抗いながらお願いします。


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最終更新:2025年04月23日 11:24

*1 ラシルドは従来ガッシュの目の前にしか出せなかったが、今では任意の場所に遠隔で出す事ができ、更に攻撃の反射角度まで操作できる。

*2 ただしガッシュが魔法のマントを使っても防ぎ切れずに酷いケガを負った鱗粉攻撃+ヘムの爪触手による滅多打ちを散々受けながらも、ズタボロにはなったがロボルクを解除に追い込まれる程度で戦闘不能どころか清磨の共闘の誘いを拒めるほど余裕があるという、地味にとんでもない頑強さを見せている。

*3 ワイグとギルが「これが何の装置か聞き出せ」「吐かせるけどな」と話しており、彼の術も奪われジリオンが使っている。

*4 ただしワイグ戦の見切り、素の状態での反応速度、エジプトの地下に魔界と関係する遺跡をピンポイントに発見するなど、使えないと説明がつかない部分も多い。描写的にはアンサートーカー使用時の特徴的なグルグル目は今のところ見られないし、把握できない事態も多い。

*5 なお完全版のガッシュカフェではウェイター服を着ており、先んじてそちらで性別が確定していた

*6 ちなみにこの肉体強度は後に続くカードの中でも一際秀でている

*7 詠唱の内容からすると恐らくこちらの姿が抑圧された力を解き放った本来の姿と思われる。

*8 ちなみにレビーの尾は崩壊時に根本で千切れて無くなっている。

*9 使った術がバスカード系なので恐らくは鎧の魔物ギャロンのもの

*10 ゴフレのドルクとは別物。金属属性の「ガ(ロン)」+「ドルク」の『ガドルク系(バランシャ)』の可能性が考えられる。

*11 同じコマの手前の警備員達と比較すると軽く倍以上、最低でも3.5mはある。

*12 ちなみに人間の鎮圧用程度の電撃で結構痛がっていたのだが、後にブルーが受けたザケルガを途中で庇い吹っ飛ばされるも、ブルーが大ダメージを受けているのに対しほとんどダメージ描写もなく普通に最大呪文を放っているなど、異常なまでにタフ。

*13 これはトリアージの色別でもあり、ナゾナゾ博士に止まった蝶の黒は「生存の見込みが非常に低いまたはない患者」。「リーパー(=死神) ブラックバタフライ」とも歌っている事から殺意を込めたメッセージである事が分かる。

*14 ロズル系の術は前作で千年前の魔物の1人、カルーラが使用していたものだと思われるが、ブルーが使用するのは本作初登場の術のみとなっている。

*15 この台詞のコマで竜巻アイコンの瓶がアップになっているので、恐らくトルネルド・ウイガルの事だと思われる。

*16 登場回の掲載初期はファイト一発オロナミンCと記載されており、読者からはそういうギャグかと受け入れられていたが、どうやら作者がガチで勘違いしていたらしく後に修正された

*17 もっともリオウの禁呪は厳密には「強い術」ではなく「大きなリスクを負う代わりに発動できる強化術」なので、術の強弱とはまた違うとは思われる。

*18 ただしそれもいずれ使えなくなるだろうと魔界の学者からは予見されている。

*19 消滅する際に肉体の一部が残っているように見える描写もある

*20 人の容姿を馬鹿にするような品の良くないギャグが多用された事や、何より打ち切りの危機に対して挙げられたテコ入れ案を作者が受け入れず半ば投げ捨てる形で物語を強制終了させた事が問題点として挙げられる