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メジャーリーグのチーム一覧(ナショナル・リーグ)

登録日:2026/03/15(日) 17:37:52
更新日:2026/08/10 Mon 00:58:20
所要時間:約 50 分で読めます




アメリカ合衆国およびカナダに所在するチームで構成された、世界最高峰の野球リーグであるメジャーリーグベースボール(MLB)
かつては縁遠い存在だったが、1995年に当時大阪近鉄バファローズに所属していた野茂英雄のドジャースへの入団を皮切りに日本人選手が相次いで加入していったことにより、今や本邦の野球ファンにも広く認知されるようになった。
本項ではそのMLBのうち、「ナショナル・リーグ」に所属する全15チーム(各地区5チーム)と選手たちを紹介する。
アメリカン・リーグについては当該項目を参照のこと。

※()は在籍経験のある日本人選手と年度(メジャーで出場した選手のみ、太字は現所属)。
「☆」は現役選手。
「○」はOB。
また、非NPB出身の選手に関しては、MLBでの成績が芳しくなくても「NPB選手としての知名度が高い」方については掲載しているため、OB紹介に名前があるからと言って当該球団でも活躍していたわけではない点には留意。


【チーム一覧】

東地区

1969年の球団拡張によって創設。ナ・リーグでは唯一所属する全球団が世界一の経験がある地区でもある。

アトランタ・ブレーブス

川上憲伸:2009~2011、斎藤隆:2010)
略称は「ATL」。本拠地球場はカンバーランドにあるトゥルーイスト・パーク。1994年より西地区から移籍。
1871年に「ボストン・レッドストッキングス」として創設された、MLB最古参のチームの1つ。創設時に初代「シンシナティ・レッドストッキングス」の選手を多く引き入れており、そこから数えると文字通り最古のチームになる。
長らくボストンを拠点としていたが、同じ街のレッドソックスの人気に押され、ミルウォーキーを経て1966年にアトランタへ移転した。エンゼルスとともに都市名に本拠地がないチームだが、アトランタとカンバーランドは市域が隣接していることからあちらほど離れてはいない。歴史的経緯からライバルチームはレッドソックスとされている。
1990年代には強力な投手陣で5度のリーグ優勝を達成しており、そこから2005年まで1994年のストライキを挟んで地区14連覇を達成。
一時期フィリーズに押されかけた時期もあったが2010年代後半から復活し、2021年には主要打者を相次いで故障で欠きながらもトレードでの穴埋めに成功し、アストロズを下して26年ぶりの世界一を達成。2023年にはナ・リーグ初のシーズン300本塁打を達成し、ツインズに並ぶタイ記録となるシーズン307本塁打と30球団最多の104勝を挙げてポストシーズンに乗り込んだが、フィリーズに1勝3敗で地区シリーズ敗退を喫した。


マイアミ・マーリンズ

イチロー:2015~2017、田澤純一:2017~2018)
略称は「MIA」。本拠地球場はローンデポ・パーク。MLB最南端に位置するチームでもある。チーム名はマカジキを由来とし、「勇猛果敢なファイターであり、勇気を試す敵」という意味が込められているとされる。
1993年の球団拡張によって「フロリダ・マーリンズ」として誕生した新興チームで、1997年には当時最速となる球団設立から5年目での世界一を達成。
創設以来地区優勝の経験がなく、2003年も含めて2度の世界一はどちらもワイルドカードから達成している。
財政面の厳しさからスター選手を大放出する「ファイヤー・セール」が有名で、過去に4度が行われており、1997年には懲罰として2000年のオールスターの開催権を剥奪されてしまった。
そのような事情もあって観客動員はMLBの中でも例年のように最低クラスに伸び悩んでおり、300万人以上を記録したのは創設1年目の1993年のみで、200万人すら2回のみと苦戦が続いているが、2025年はヤンキース相手に球団史上初のスイープを達成するなど優勝戦線をかき乱す活躍も光った。

本拠地のローンデポ・パークは中南米にも身近な場所に立地しているためか、WBCでは2013年の第3回大会から1・2次ラウンドの球場として使用されている。
特に日本中を狂喜乱舞の渦に巻き込んだ2023年の第5回大会からはメイン会場として位置付けられており、準決勝・決勝では歴史に残る名勝負が繰り広げられて侍ジャパンが14年ぶりの王座奪還を果たした。
続く2024年には大谷翔平がMLB史上初となる50-50を達成したこともあり、日本での知名度も上昇しつつある。


ニューヨーク・メッツ

(柏田貴史:1997、吉井理人:1998~1999、野茂英雄:1998、新庄剛志:2001, 2003、小宮山悟:2002、松井稼頭央:2004~2006、石井一久・高津臣吾:2005、高橋建:2009、高橋尚成:2010、五十嵐亮太:2010~2011、松坂大輔:2013~2014、青木宣親:2017、千賀滉大:2023~)
略称は「NYM」。本拠地球場はシティ・フィールド。チーム名は都会っ子を意味する「Metropolitans」を短縮したもので、かつて存在した「ニューヨーク・メトロポリタンズ」に由来する。
1962年の球団拡張によってアストロズとともに誕生した、アメリカ最大の都市ニューヨークのもう1つのチーム。地元では本拠地の立地から「クイーンズ」として親しまれており、同じ街にある「ブロンクス」ことヤンキースとの対戦は「サブウェイ・シリーズ」と呼ばれるMLB屈指の人気カードで、実際に選手が地下鉄で球場に訪れるのも名物になっている。
1958年にドジャースとジャイアンツが西部へ移転し、ニューヨークからのナ・リーグ球団消滅を機に球団を取り戻す機運が高まったことをきっかけに創設され、チームカラーの青とオレンジはニューヨーク市旗および元ニューヨークの両球団に由来するものである。
名門たるヤンキースとは対照的に結成以来お荷物球団扱いだったが、1969年に創設8年目で球団史上初の世界一を達成するなど一気に躍進を遂げて「ミラクルメッツ」と呼ばれ、1986年にも2勝3敗・あと1球で敗退という絶体絶命の窮地から連勝して世界一を達成した。
その後は振るわない時期が続き、15年ぶりに進出した2015年のワールドシリーズでも自滅同然の試合が続いて敗退。
2020年には大資産家のスティーブ・コーエンが球団の95%を買収してからは一転して金満球団になっており、積極補強の姿勢に転じている。
在籍経験のある日本人選手は30球団最多の14人。

本拠地のシティ・フィールドではメッツの選手が本塁打を放った際にバックスクリーンから出てくる「ホームラン・アップル」が名物。元々は旧本拠地のシェイ・スタジアムから恒例になっており、移転に際して4倍の大きさになった2代目に新調された。
初代も球場の外に展示されており、待ち合わせスポットとして利用されている。


フィラデルフィア・フィリーズ

(井口資仁:2007~2008、田口壮:2008)
略称は「PHI」。本拠地球場はシチズンズ・バンク・パーク。「フィリー」は地元の略称かつフィラデルフィア市民の通称。
1883年から存在する、スティーブ・カールトン、マイク・シュミット、ピート・ローズなどのスターを出した独立宣言の地・フィラデルフィアの名門。「阪神ファンを濃くしたような」ファンの熱狂度は30球団トップクラスで、敵味方関係なくヤジも強烈とされる。
マスコットキャラクターの「フィリー・ファナティック」はまさにそんな熱狂的フィリーズファンという意味を持つ名前で、デザイン会社が同じことから日本の広島のマスコット「スラィリー」にそっくり。
かつて日本のヤクルト・近鉄で活躍したチャーリー・マニエル監督の下で2007年~2011年まで地区5連覇を達成し、2008年・2009年のリーグ連覇に2008年の世界一など、強豪の名を欲しいままにしている。
その後はしばらくの再建期を経て、2021年にブライス・ハーパーが球団14年ぶりのMVPを獲得。2022年途中にロブ・トムソン監督が就任してからは4年連続ポストシーズン進出や地区連覇を達成するなど上昇傾向に入ってきている。


ワシントン・ナショナルズ

(伊良部秀輝:2000~2001、吉井理人:2001~2002、大家友和:2001~2005、小笠原慎之介:2025)
略称は「WSH」。本拠地球場はナショナルズ・パーク。「Nats(ナッツ)」と略されることもある。同名のチームは過去に複数存在し、そのうちの1つはワシントン時代のツインズがセネタースとともにナショナルズの呼称を用いていた。
現在のチームは1969年の球団拡張によってロイヤルズ・パイロッツとともに誕生し、史上初の国外チームとしてカナダ第2の都市モントリオールに本拠地があった「モントリオール・エクスポズ*1が首都ワシントンD.C.に移転して2005年に誕生した7代目。
エクスポズ時代は人気低迷に悩まされて年間観客動員数が100万人を割る年もあり、歴代オーナーの不手際もあってチームの人気と知名度はますます低下の一途をたどっていく。晩年には深刻な財政難にも陥り、マイナーをも下回る年間観客動員数を記録した上に2002年にはオーナー自ら球団を手放すという異常事態にまで発展した。
紆余曲折を経て2005年にワシントンに移転してからも下位が定位置だったが、エクスポズ時代にはあり得なかった250万人を超える観客動員数を記録するなど人気そのものは大幅に上昇。成績もスティーブン・ストラスバーグやハーパーといった逸材を全体1位で指名するなど着実な戦力補強が芽を結び、2012年にナショナルズとして初の地区優勝を達成。
その後の2019年にハーパーを放出したものの、ストラスバーグ、マックス・シャーザー、パトリック・コービンの3本柱を軸にワイルドカードから悲願のワールドシリーズ進出を果たすと、アストロズとの史上初の「外弁慶シリーズ」を制して球団史上初の世界一を達成した。
しかし、2021年以降は再び不振になり、主力のソト、シュワーバー、ターナー、シャーザーを放出し、再建モードに突入中。

なお、エクスポズ時代には4人が永久欠番に指定されていたが、ワシントンに移転してからは1から始めるという意味で2005年をもって失効し、現在はあくまで「エクスポズの永久欠番」という位置付けで使用が可能になっている。
ナショナルズとしての最初の永久欠番は2022年のライアン・ジマーマン(背番号「11」)である。


中地区

1994年の3地区制導入によって新設。2013年にアストロズがア・リーグ西地区に移籍するまでは全地区中最多の6チームで構成された地区だった。

シカゴ・カブス

(福留孝介:2008~2011、田口壮:2009、高橋尚成:2013、藤川球児:2013~2014、和田毅:2014~2015、川﨑宗則:2016、上原浩治:2017、ダルビッシュ有:2018~2020、鈴木誠也:2022~、今永昇太:2024~)
略称は「CHC」。本拠地球場はリグレー・フィールド。チーム名は子熊に由来している。
1870年に「シカゴ・ホワイトストッキングス」として創設された、ブレーブスと並ぶMLB最古参の老舗チーム。1994年より東地区から移転。
本拠地のリグレー・フィールドもフェンウェイ・パークに並ぶ長い歴史を持つ球場で、あちらと違って構造自体は比較的標準的だが、フェンスがツタに覆われていることが特徴。打球が中に入るとエンタイトル二塁打になる。こちらも中央のスコアボードは手動式。
歴史的経緯によりナイター設備の設置が非常に遅かったことでも知られ、現在でもその影響からかデーゲーム開催が多い。
同じ街のホワイトソックスとの対戦は「クロスタウン・クラシック」と呼ばれ、勝者にはトロフィーが授与されるなど大きな盛り上がりを見せる人気カードになっている。
メジャー屈指の人気チームでもあり、人気面ではホワイトソックスを凌駕する。ホワイトソックスが市南部で人気があるのに対し、カブスは市北部での人気が高い。
1906年には2001年のマリナーズに並ぶMLBタイ記録であるシーズン116勝を達成したが、「ビリー・ゴートの呪い」*3なる有名なジンクスや2003年の「スティーブ・バートマン事件」*4もあり、リーグ優勝は1945年、世界一に至っては1908年を最後に達成できていなかったが、長い雌伏の時を経て2016年には悲願のリーグ優勝。ワールドシリーズでもインディアンスを下し、108年ぶりというとんでもないブランクの末に世界一を達成した。


シンシナティ・レッズ

(秋山翔吾:2020~2021)
略称は「CIN」。本拠地球場はグレート・アメリカン・ボール・パーク。1994年より西地区から移籍。
プロ野球最古のチームである初代「シンシナティ・レッドストッキングス」の創設地をホームに、1881年に同名のチームとして創設された歴史を持つ。かつてはこれに敬意を表して、レッズは全球団に先駆けて必ず本拠地で開幕戦を行っていた。
赤地に白色の「C」のロゴマークが広島東洋カープ・中央大学・智弁学園和歌山高校に似ているとよくネタにされる。
1970年代にピート・ローズらを擁した「ビッグレッドマシン」と言われた黄金時代を築いた。
長らく日本人選手が入団していなかったが、2020年に秋山翔吾が入団したことにより、MLB全球団に日本人選手が所属したことになった。


ミルウォーキー・ブルワーズ

(野茂英雄:1999、マック鈴木:2001、野村貴仁:2002、大家友和:2005~2006、斎藤隆:2011、青木宣親:2012~2013)
略称は「MIL」。本拠地球場はアメリカンファミリー・フィールド。「ブリュワーズ」と表記されることもある。チーム名は名産であるビールの醸造職人を意味する。
同名のチームが複数あり、その1つが現在のオリオールズである。現行のチームは1969年の球団拡張によってロイヤルズとともに結成された「シアトル・パイロッツ」を前身とし、財政難から翌年にミルウォーキーに移転してきた4代目。
当初はア・リーグ西地区だったが、東地区・中地区を経て1998年よりナ・リーグへ移籍。移籍後のリーグ優勝経験がなく、通算でもレイズやマリナーズとともに世界一の経験がないチームの1つ。レイズやマーリンズと同様に低予算の地方球団としても知られ、主力の放出も多いが、2011年の移籍後初の地区優勝を皮切りに地区優勝を5回達成するなど地道な育成でコンスタントに結果を残している。2020年にはアストロズとともに勝率5割未満からポストシーズン進出をナ・リーグで初めて達成。
日本では何度も打率3割を記録していた青木宣親がメジャーでは2年連続で失敗したこともあり、この球団を通してメジャーリーグの厳しさを知った人も多いかもしれない。

本拠地のアメリカンファミリー・フィールドではその立地もあってホットドッグよりソーセージの販売が多く、ブルワーズの選手が本塁打を放った際に左中間にある滑り台を球団マスコットのバーニー・ブルワーが滑り降りるのが名物。6回表終了後にはソーセージの着ぐるみたちが競走を行う「ソーセージ・レース」も行われており、1999年には当時在籍していた野茂も参加している。
このようなイニング間の着ぐるみによるレースは日米のさまざまな球団でも広く行われるようになった。


ピッツバーグ・パイレーツ

(桑田真澄:2007、岩村明憲:2010、高橋尚成:2012、筒香嘉智:2021~2022)
略称は「PIT」。本拠地球場はPNCパーク。チーム名は1890年のプレイヤーズ・リーグの創設と解散の混乱に乗じて他球団の選手をこっそり引き抜いた際、「盗人行為」との批判を自ら海賊と開き直ったことに由来するという。1994年より東地区から移籍。
1882年創設の古豪だが、1992年の地区3連覇後はアメリカプロスポーツでも最悪となる20年連続負け越しを喫していた。
しかし2012年はA.J.バーネットの復活や走攻守揃ったアンドルー・マカッチェンを軸に戦力が整い、途中で首位を奪うなど善戦。続く2013年にはダルビッシュから82勝目を挙げて勝ち越しを確定させ、不名誉な記録にようやく終止符が打たれた。
惜しくも地区シリーズではカージナルス相手に敗退したものの、それでもチームの大きな躍進に地元ピッツバーグには歓喜が湧き起こり、これをきっかけに2015年まで3年連続でポストシーズンに進出。その後は再び低迷しており、再度の巻き返しを狙う。
本拠地のPNCパークはアレゲニー川沿いにあり、外野席から望める鮮やかな黄色のロベルト・クレメンテ橋と高層ビル群が1つになった光景は屈指の美しさと評判。この景観を生かすためにスコアボードは左翼に設置し、照明灯も右翼側には設置されていない。右翼方向はフェンスが高い分狭くなっており、アレゲニー川に直接飛び込むこともある。


セントルイス・カージナルス

(田口壮:2002~2007、ラーズ・ヌートバー:2021~2026)
略称は「STL」。本拠地球場はブッシュ・スタジアム。「カーディナルス」と表記されることもある。チーム名はカトリック教会の高位聖職者の称号である枢機卿、およびその衣に似た色合いを持つ地元の州鳥ショウジョウコウカンチョウを意味する。1994年よりパイレーツとともに東地区から移籍。
1882年から存在する、リーグ優勝19回・世界一11回の実績を誇る名門球団。カブスとはライバル関係にある。
2019年には前年途中にプロ未経験ながらスカウト・コーチを経て就任したマイク・シルト監督の元で地区優勝およびリーグ優勝決定シリーズ進出を果たし、最優秀監督賞を受賞。
安定して上位に食い込み続ける名門球団だが、近年はヤディアー・モリーナ、アダム・ウェインライトの引退など戦力入れ替えの時期が続き、やや成績が落ち込んでいる。


西地区

1969年の球団拡張によって創設。

アリゾナ・ダイヤモンドバックス

(斎藤隆:2011、平野佳寿:2018~2019、ラーズ・ヌートバー:2026~)
略称は「ARI(AZ)」。本拠地球場はチェイス・フィールド。チーム目は地元に生息するダイヤガラガラヘビに由来するが球団のマスコットキャラクターはオオヤマネコのバクスター・ザ・ボブキャットである
名前の長さから「Dバックス」と表記されることもあり、ユニフォームでも「Diamondbacks」が全て表記されたのは初代ののみで、これ以降の胸文字は「Arizona」または「D-Backs」と表記されている。
1998年の球団拡張によってデビルレイズとともに誕生した球団。2001年にマリアーノ・リベラへポストシーズン唯一の黒星をつける逆転サヨナラ勝利でヤンキースの4連覇を阻止し、マーリンズの記録を更新する創設4年目で世界一という史上最速の偉業を達成している。
2010年オフにはダルビッシュの獲得に名乗りを挙げ、最大総額65億円を用意するとの報道があったが実現せず、2011年オフに斎藤隆を獲得したことで初の日本人選手になったが、怪我で成績が振るわなかった。
なお、2017年から就任したトーリ・ロブロ監督は2000年に日本のヤクルトでプレーしており、その縁から2023年の春季キャンプで古田敦也が臨時コーチをしている。

本拠地のチェイス・フィールドはアリゾナという年間を通して温かい地域にあることや海抜332mという高所に位置することから打球が飛びやすく、打者有利の球場として知られる。中堅が深くフェンスが高いために本塁打は出にくいものの、複雑な形状の外野フェンスから長打が出やすい。
さらに右中間の外野席にはプールがあり、直接打球が飛び込む「プール・ショット」が発生することもある。


コロラド・ロッキーズ

(吉井理人:2000、マック鈴木:2001、松井稼頭央:2006~2007、菅野智之:2026~)
略称は「COL」。本拠地球場はクアーズ・フィールド。
1993年の球団拡張でマーリンズとともに誕生した、ロッキー山脈のただ中にあるデンバーを本拠地とするチーム。キリスト教信仰を重視しており、日曜日には礼拝も行われている。
2007年にワイルドカードから球団史上初のリーグ優勝を達成したが、ワールドシリーズではレッドソックスに4連敗のスイープで敗退しており、通算でもレイズ・マリナーズ・ブルワーズとともに世界一の経験がないチームの1つ。マーリンズと同様に地区優勝の経験もない。
2025年は開幕から前年のホワイトソックスすら凌駕するほどの異次元の負けっぷりを披露。40試合を終えた時点で2度の8連敗を含めた7勝33敗と最下位を独走し、6月1日には59試合で50敗という近代MLB最速記録を樹立。
最終成績は43勝119敗で、辛うじて前年のホワイトソックスよりは勝てたものの、4位のダイヤモンドバックスにすら37ゲーム差をつけられただけでなく、得失点も597得点に対して1021失点と4桁を記録。その差はマイナス424点で、これは1932年のレッドソックスが記録したマイナス349点をも上回るMLBワースト記録を樹立した。

本拠地のクアーズ・フィールドは標高1600mの高地にあり、「マイル・ハイ」と呼ばれる。空気抵抗の少なさと低気圧から打球が非常に飛びやすく、変化球が曲がりにくくなるなど恐ろしいまでの打者有利の環境であることから「投手の墓場」とさえ呼ばれる。
フィールド自体はかなり広いが、その立地ゆえに当初は広い球場を嘲笑うかのように打球が飛び交い、多数の長打が量産される狂った打者天国であった。それゆえに伝統的に強打者が揃っており、極めて投低打高が顕著なチーム。
このような地獄の環境で1996年9月17日、ドジャースの野茂英雄が開場以来初にして現在でも唯一のノーヒットノーランを達成。その投球は完全試合に匹敵する偉業と讃えられている。
現在ではこの球場で試合をする場合に限りボールを湿らせることが例外として認められ、フィールドの広さもあって本塁打数は抑えられるようになった。これは野茂のノーヒットノーランが雨の日に達成されたことをヒントに発案されたものだという。
この球場で1-0のスコアで終わった試合は1995年4月26日の開場から10年後の2005年7月9日までなく、かつこれまで11回しか起きていない。


ロサンゼルス・ドジャース

(野茂英雄:1995~1998, 2002~2004、石井一久:2002~2004、木田優夫:2003~2004、中村紀洋:2005、斎藤隆:2006~2008、黒田博樹:2008~2011、前田健太:2016~2019、ダルビッシュ有:2017、筒香嘉智:2021、大谷翔平山本由伸:2024~、佐々木朗希:2025~)
略称は「LAD」。本拠地球場はドジャー・スタジアム。
1884年にニューヨークはブルックリンで創設された名門球団であり、このチーム名は地元民が頻繁に運転されていた路面電車を「避ける人たち」と呼ばれていたことに由来する。1958年にロサンゼルスへ移転してからは人気・実力ともに同じ街のエンゼルスを凌駕しており、リーグ優勝24回・世界一9回はいずれもリーグトップクラス。
ナ・リーグの雄としてヤンキースとはワールドシリーズで12回対戦しており、これはポストシーズン全体でも最多の対戦カードになっている。州間高速道路5号線でつながっているエンゼルスとの対戦は「フリーウェイ・シリーズ」と呼ばれる。
野球の試合作りをマニュアル化した『ドジャースの戦法』という書籍を世に出し、巨人の「V9」の基礎になったり、ユニフォームのデザインがほぼそのまま星野仙一監督時代の中日に採用されたりと、日本の野球にも多大な影響を与えたことでも知られる。
1995年に野茂が入団したことで一気に日本での知名度が上がり、日本では終わった選手とされていた斎藤隆が大活躍するなど日本人選手の獲得にも積極的。
1988年を最後にリーグ優勝から遠ざかったが、2012年からオーナーがグッゲンハイム・グループに代わったことで積極補強に転じ、2020年には32年ぶりの世界一を達成。
大谷に山本由伸という日本人スター2人を合計約10億ドルで獲得した2024年は43年ぶりの対戦になったヤンキースを下すと、佐々木朗希などを加えた2025年はブルージェイズとの死闘の末に球団史上初の連覇を達成した。

本拠地のドジャー・スタジアムは現在のMLBの球場では非常に珍しい左右対称構造の「普通の」球場で、フェンスが低く本塁打が出やすいことを除けば投打中立の球場。その特性上オリンピックやWBCの会場にもよく使われ、2009年の第2回WBCでは侍ジャパンが連覇を達成したのもこの球場である。
チームの人気もあり、当球場で販売される「ドジャー・ドッグ」は世界で最も有名なホットドッグとも言われている。
地元の温暖な気候もあり、2000年4月17日から2019年10月3日まで1471試合連続雨天中止なしのMLB記録を作っている。
2026年からはユニクロとのパートナーシップ契約で球場内に「ユニクロフィールド・アット・ドジャー・スタジアム」の名称が掲出されたが地元を含めて大不評との話


サンディエゴ・パドレス

(大塚晶文:2004~2005、井口資仁:2008、牧田和久:2018、ダルビッシュ有:2021~、松井裕樹:2024~)
略称は「SD」。本拠地球場はペトコ・パークで、2006年の第1回WBCでは侍ジャパンがこの球場で優勝した。「パドレス」はスペイン語で神父を意味し、地元の歴史にちなむものである。
1969年の球団拡張によってロイヤルズ・パイロッツ・エクスポズとともに誕生した、西海岸のサンディエゴに本拠地を構えるチーム。その立地からメキシコに関わりの深い選手を獲得することも多く、メキシコの野球ファンに向けたアピールも行っている。
創設から6年連続最下位という厳しい幕開けになったが、1984年に球団史上初の地区およびリーグ優勝を達成。1998年にも14年ぶりの地区およびリーグ優勝を達成したもののワールドシリーズではヤンキースに4連敗で敗退し、2005年・2006年と地区連覇して以降は2020年までポストシーズン進出を逃すなど、レイズ・マリナーズ・ブルワーズ・ロッキーズとともに世界一の経験がないチームの1つ。
本拠地のペトコ・パークは外野が広く、形状が複雑で海風も強いために打者不利の球場として知られており、そのために伝統的に高い投手力を誇るのがチームカラー。
かつては資金力が枯渇していたが、2010年代後半からはTDLで毎年のように超大型トレードを成立させるなど派手な動きを見せることで有名になった。この際大量の若手選手を放出しているため、元パドレス傘下のメジャーリーガーも球界に数多く在籍している。
そうした積極的な補強策が実り、2020年以降はポストシーズン進出が増加するなど上昇傾向に入ってきている。



サンフランシスコ・ジャイアンツ

(村上雅則:1964~1965、新庄剛志:2002、藪恵壹:2008、田中賢介:2013、青木宣親:2015)
略称は「SF」。本拠地球場はオラクル・パークで、2013年の第3回WBCではドミニカ共和国がこの球場で優勝した。
1883年にニューヨークで誕生した古豪で、日本の読売ジャイアンツのデザインモデルになり、NFLにはかつての球団名である「ニューヨーク・ジャイアンツ」をそのまま冠したチームがあるなど大きな影響を及ぼした名門。
ドジャースとはニューヨーク時代からのライバル関係で、1958年にはヤンキースの圧倒的な人気に押されて揃って西海岸に移転し、MLB最西端の球団になっている。本拠地のドジャース戦では「BEAT LA」の大合唱が起こり、近年ではダイヤモンドバックスやパドレスも行っている様子が見られる。
サンフランシスコ移転後は世界一とは縁が途切れていたが、2010年にレンジャーズを下して半世紀ぶりの世界一に輝くと、2012年は三冠王カブレラを擁する強力打線のタイガースをスイープ、2014年もワイルドカードから這い上がってロイヤルズを下すなど3度の世界一を達成した。

本拠地のオラクル・パークの右翼外には海が広がり、そこにノーバウンドで着弾する場外本塁打は「スプラッシュ・ヒット」と称され、ボンズの打ち込むホームランボールを目当てにボートで待ち構えるファンも多かった。公式にはジャイアンツの選手のみをカウントするが、メディアではチームの区別なく「スプラッシュ・ヒット」として総称されている。
日本人では2025年7月12日に大谷が初めて記録*9。右打者の達成は2024年9月15日のエリオット・ラモスが初めてである。
なお、構造自体はかなりの打者不利の球場であり、右翼は狭い分フェンスが高く、右中間は約128mもあることから特に左打者には非常に不利になっている。



追記・修正はメジャーリーグで活躍した人がお願いします

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最終更新:2026年08月10日 00:58

*1 略称は「MON」。名前の由来は1967年にモントリオールで万国博覧会「Expo 1967」が開催されたことから。

*2 名称が変更されたのは2018年に反弾圧デモの鎮圧のための狙撃拠点として球場が使用され、多数の死傷者を出したことなどで彼がダニエル・オルテガ政権を批判する発言を繰り返していたことに対する報復とされるが、真相は定かではない。

*3 1945年のワールドシリーズ第4戦、地元で居酒屋を営んでいたビリー・サイアニスという人物がヤギを連れての観戦を拒否され、「リグレー・フィールドにヤギの入場が許されるまで、カブスは2度とワールドシリーズに勝てない」と発言。これ以降チームはワールドシリーズどころかリーグ優勝すらも遠ざかってしまうという呪い。没後には甥のサムも数回に渡ってヤギを連れて球場へ観戦しに行っており、呪いの打破のために入場が許可されたこともあったが、いずれもリーグ優勝には届かなかった。

*4 2003年のマーリンズとのリーグ優勝決定シリーズ第6戦にて、カブスがリーグ優勝まであとアウト5つに迫っていた8回表にスティーブ・バートマンというカブスファンの青年がファウルフライの捕球を妨害した事件。この後カブスは一挙8失点で痛恨の逆転負けを喫し、そのまま翌日の第7戦も敗れて58年ぶりのワールドシリーズ進出を逃した。

*5 0未満はリプレイスメント(代替可能選手)、すなわち3Aから普通に代わりを引っ張って来られる水準である。ましてや年俸が上がったベテラン選手ともなればもはや「リストラ最有力候補」「シーズン中だろうと即座にDFAされてもおかしくない」に等しい数値である。

*6 アメリカで常時服用していた薬がアンチドーピングの関係で日本では飲めなかったと指摘する声もある。

*7 野球において「監督は他競技のようにスーツではなく、わざわざユニフォームを着用する」という文化が存在する理由としては、野球の創成期に選手の中からチームのまとめ役(選手兼任監督)が選ばれていた名残り説、あるいは野球は監督が交代などを告げるに際してプレイフィールドに入ることが許可される競技である説がある。今日でも、公認野球規則上は監督にユニフォームの着用を義務付ける規定はない。

*8 阪急との区別という名残りから阪神は現在でも「神」の略称を用いているため、報道において「バース(神)」と表記されたことも一因ではある。

*9 「日本人初の達成者は2010年8月10日の福留孝介」と言われることもあるが、彼の場合は打球が着水前にスタンドの旗に当たっているために条件を満たしていない。

*10 ボールに唾やワセリンなどの異物を塗りつけて投げること。これにより回転が不規則になるのでボールが変化しやすい。