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*ゾイド2 ゼネバスの逆襲 【ぞいどつー ぜねばすのぎゃくしゅう】 |ジャンル|FPS/RPG|&amazon(B00005I25B)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |メディア|ROMカートリッジ|~| |発売元|東芝EMI|~| |開発元|マイクロニクス|~| |発売日|1989年1月27日|~| |定価|5,900円|~| |セーブデータ|3個(バッテリーバックアップ)|~| |>|>|CENTER:''[[ゾイドシリーズリンク>ゾイドシリーズ]]''| **概要 1980年代のゾイド第一期時代((「旧大戦シリーズ」とも呼ばれる))に、ファミコンで発売されたゲーム。前作『[[メカ生体ZOIDS 中央大陸の戦い>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/1592.html]]』の続編である。~ ジャンルは前作同様、戦闘がFPSになるRPGである。~ なお、本作のBGMは基本的に前作のアレンジ曲が使用されているのだが、新曲も多数追加された。~ 新曲も前作と同様に作曲を久石譲、データ打ち込みを開発会社・マイクロニクスのサウンド担当者が手がけている。 **ストーリー(一部、オープニングデモより引用) 地球から6万光年の彼方、ゾイド星。((現在は「惑星Zi」という名前だが、当時は「ゾイド星」という名である設定だった))~ この星の中央大陸では共和国と帝国が死闘を繰り返していた。~ 両国の支配者、ヘリック大統領とゼネバス皇帝は実の兄弟でありながら、~ 些細な誤解が元でこの戦争の指揮を執らねばならない悲劇に見舞われていた。~ ZAC2038年。共和国は帝国に対して総攻撃を開始。~ ゼネバスと帝国軍は中央大陸から完全に消え去った。~ そして、今ZAC2041年。~ 中央大陸のほぼ中央に位置する共和国の都市・ダリオス。~ ここに駐屯するヘリック共和国軍の二等兵である主人公は突如、ダリオス司令部に呼び出された。~ この大陸の北にある共和国領バレシアからSOSを受けた直後、発信源不明の妨害電波のために通信が不可能になったのだ。~ 原因調査のため、主人公には共和国の最新鋭中型ゾイド・アロザウラーが与えられた。~ 主人公はダリオスに住む恋人にしばしの別れを告げて調査任務へと出撃するのだが、~ それはあまりに苛烈な運命と、数奇な出来事の序章に過ぎなかった。~ **ストーリー補足 -前作は『ゾイドグラフィックス』に基づいたストーリーだった事はさておき''ゾイド本来の設定をほとんど無視した''童話的な世界観が展開されていた事がネタ扱い・または問題視されるという、ゾイドファン絶句間違いなしの世界観だった。 --本作は一部突っ込み所がありはするものの概ね本来のゾイドの設定・『ゾイドバトルストーリー』を尊重している。 ---それだけではなくさらに世界観を広げ、バトルストーリーの歴史を捻じ曲げるような事の無いファン納得の出来になっている。 -本作は『ゾイドバトルストーリー』の「ゼネバス帝国が撤退先の暗黒大陸から帰還した時期」のストーリーに基本的には忠実な筋書き。 --『ゾイドバトルストーリー』および前作を知っているだけでは予測不能であろう本作独自の展開も多い。 ---陰惨で残虐な描写がしばしばある為、苦手な人はある程度覚悟した方が良い。元々戦記モノであるとはいえ、ゾイドの関連メディアでそのような描写は珍しい。 --前作は「帝国軍に占領された幾多の都市を解放しつつゼネバス皇帝撃破を目指す」という以外特にストーリーが無いという非常に簡素な筋書きであったが、本作はヘリック大統領とゼネバス皇帝の兄弟としての姿やお互いへの思いについても触れられる。 ---ゼネバス皇帝の「ファンタジー作品の悪役」のような初期設定と「思慮深い国家元首」としての現在の設定との大きな差を補完しつつ、オープニングデモ通り「亡き父ヘリック1世や兄弟の絆と自ら率いる国家との間で揺れる心境」の描写は必見。 **基本システム -前述の通り、ジャンルは前作同様戦闘シーンがファーストパーソン・シューティングゲーム(FPS)のRPGとなっている。 --確固たるイベントがほとんど無かった前作とは異なり、各地で多数のイベントが用意されている。 ***戦闘システム -エンカウントは前作ではシンボルエンカウントであったが、本作ではボス戦を除き完全なランダムエンカウントに変更された。 -一連の流れは前作と変わらず、遭遇後はまず準備画面に移行する。 --ここでは敵ゾイドのデータが表示され、「せんとう」「にげる」「ITEM」「でーた」のコマンドを選択し、今後の行動を決定する。 --なお、「せんとう」選択後(または「にげる」失敗時)に移行する戦闘モード中はリアルタイムの射撃戦であるが、準備画面には制限時間などはない。 --また戦闘モード中にセレクトボタンを押すことで準備画面に戻る事が可能。ただし、準備画面中も時間は経過し敵が動いているので、タイミングが悪いと戦闘モードに移行した瞬間に被弾、ということもある。 ---これを利用して、「にげる」に失敗してもセレクトを連打して準備画面に戻り、もう一度「にげる」を選択し、失敗したらセレクト連打・・・で逃げまくることも可能((本作ではこの方法を利用することでボス以外からは必ず逃げられるようになっている。))。 -戦闘モードも基本的に前作と同じ構成であるが、ファミコンのスプライト表示能力の限界を考慮した調整が施された。 --前作はファミコンの「最大表示スプライト数の限界」や「メモリ容量の都合」、「処理落ちの防止」を考慮していない、マイクロニクスらしい無茶な作りをしていたのだが「1画面内に複数の敵ゾイドが同時に出現せず、1戦闘で同一種類のゾイドが最大2機まで登場する」「その分前作以上に敵ゾイドのグラフィックが大型化し、より迫力ある戦闘を堪能できる」といった差になって現れている。 ---敵機2機は自機を中心として必ず対角線上に配置されるため、戦闘画面に2機以上の敵機が同時に表示されることが無くなった。 ---前作のような多数の小型ゾイドや、小型機を引き連れる大型ゾイドといったさまざまな種類・機体の組み合わせは無い。 -以下、前作との比較ではなく本作自体の説明。 --敵は自機を取り囲むように配置され、プレイヤーがその場で旋回する事で画面が横スクロールして画面に表示されるシステムとなっており(自機の移動という概念はない)、画面上に表示されていない敵が攻撃してくることはない。 --自機が座標上は移動しないため、ゾイドの最高速は「画面の旋回速度」という形で反映されている。 --このスピードはレベルアップや「補助エンジン」などの補助動力を装備することによって上げることが出来る。 --敵の撃ってくる弾は視認可能で、画面中央の照準カーソル付近にのみ自機の当たり判定が存在する。 ---なお、敵味方ともに格闘攻撃は存在せず射撃攻撃のみ撃ち合う構成となっている。 --遭遇する敵ゾイドは、ボス戦と空中戦を除き、同じ種類の機体2機が登場する。 -本作でもプテラス又はサラマンダーといった飛行ゾイドを所有し、アロザウラー・コマンドウルフ・ゴジュラス・ウルトラザウルス・マッドサンダーに搭乗していれば偵察が可能。 --本作から偵察中にも敵機(シンカー・シュトルヒ・レドラーといった飛行ゾイド)と遭遇するようになった。なお、空中戦では敵は必ず1機で出現する。 ---しかし遭遇率はフィールド移動時に比べると格段に低く、偵察自体が必要とされる頻度が少ないため、意図的に偵察を繰り返さない限り空中戦はなかなか発生しない。 ---空中戦時は地上と同じく疑似3D空間での戦闘だが、敵機の表示方法の工夫(遠くから徐々に近づき、近くなると急激に拡大されて通り過ぎる)、自機の横スクロール時に地平線(水平線)が傾く演出などにより、スピード感のある空中戦となっている。 ---偵察専用のBGMと空中戦専用BGMも新規に追加されており、これらの曲の完成度や人気は高い。 -戦闘中に戦闘可能なゾイドが全滅した場合、およびダメージ床が原因で搭乗中ゾイドのライフが尽きた場合はゲームオーバーとなる。 --戦闘用ゾイドを複数所有している場合、撃破されたゾイドから別のゾイドに乗り換えて戦闘を続行することになる。ちなみに自分が所有できる戦闘用ゾイドは、最大4機まで(非戦闘ゾイドであるグスタフは別枠)。 --撃破されたゾイドは、グスタフを入手していればライフ0の状態で残るため街や補給所で修理することが出来る。グスタフが無い場合はロストしてしまい二度と使えなくなる。 --戦闘可能なゾイドが限定される海上・水中では、該当ゾイドが全滅した時点でゲームオーバーとなる。 ---なお、補給所も何もなく小島などの戦闘で海上を移動できるゾイドが全滅し、サラマンダーも「大型カーゴ」も使えず街にも戻れない、というような状態に陥ると自滅かリセットをするしかなくなる場合があるので注意。 **兵装・アイテム -兵装は攻撃兵器、防御兵器に分かれ、攻撃兵器はA兵器、B兵器に、防御兵器は補助装甲、補助動力に分かれる。 --A・B兵器はそれぞれコントローラーのA・Bボタンに対応している。 ---A兵器はキャノン砲といった、大威力だが基本的に単発で弾速が遅いといった武器となる。 ---B兵器は機関砲・バルカン砲といった小口径の機銃に相当。基本的にこちらが扱いやすく、メイン武装となる。 --防御兵装は装備していれば戦闘中に効果を発揮する。補助装甲はダメージを軽減し、補助動力は戦闘時のスピードを増幅する。 -ただし、マッドサンダーのマグネーザーや反荷電粒子シールドといった、ゾイド個別の専用兵装や格闘兵器というものは存在しない。 **街など -前作では登場キャラのほとんどがゾイドそのものであったが、本作では主人公が共和国軍の一パイロットとなったことを受けて、街では人間のキャラクターが生活するようになった。 --主人公は外見的には、味方である共和国軍人の色違いに過ぎない。 -街にある施設は補給所・攻撃兵器ショップ・防御兵器ショップ・ゾイドショップ・銀行・司令部などであるが、必ずしも全ての施設が揃っているわけではない。 -前作はパスワードコンティニューであったが本作ではバッテリーバックアップに変更され、データのセーブは司令部にいる司令官に話しかけて行う。 --ゲームオーバーになったらタイトル画面に戻されてしまうややシビアな仕様の為、こまめなセーブがポイントとなる。 -資金の調達については、一般的なRPGのように敵を倒して直接入手するのではなく、敵を倒すと給料として銀行の口座に振り込まれ、各地の銀行で引き出すというある意味現実的なシステムとなっている。 --ただし中には銀行の無い街もあるため、戦闘を繰り返してやっとの思いでたどり着いた街で銀行が無かったためお金がおろせない、といった事態もあり得る。 -前作では「ルーラ」や「キメラの翼」等に相当する「一度行った街に瞬時に移動できる手段」は皆無だったが、本作ではサラマンダーに搭乗して「大型カーゴ」というアイテムを使用すれば可能である。 ***登場ゾイド -主人公が使用できるゾイドは以下の通り。((エンディングではコマンドウルフMK2・ベアファイターMK2・ゴジュラスMK2が紹介されるが、実際には登場しない。なお、通常のシールドライガーは本作には存在しない。)) --小型ゾイド:アロザウラー・コマンドウルフ・ゴルヘックス・ベアファイター・プテラス・カノントータス・バリゲーター --大型ゾイド:ゴジュラス・サラマンダー・ディバイソン・シールドライガーMK2・ウルトラザウルス・マッドサンダー --非戦闘ゾイド:グスタフ ---なお、クリアに絶対必須の機体はバリゲーターのみである。バリゲーターは安価で購入可能なゾイドなので、入手不能になる事は無い。 --なお、ゴジュラス・ウルトラザウルス・マッドサンダーの3機はゾイドショップで売却できない。いずれも最強クラス、ないし最強のゾイドであるため売却や処分の必要はまず無いが。 ***その他 -一部のダンジョンは『[[がんばれゴエモン>がんばれゴエモンシリーズ]]』等のような3D迷路となっている。 -前作では階級がレベルの役割を果たしていたが本作ではレベルと階級は別々の扱いになり、イベントをこなすことで階級が、戦闘に勝利することで経験値を獲得しレベルが上がるようになった。 **評価点 -ファミコンとしては非常にレベルの高い、ゾイドのグラフィック。 --戦闘中の仕様の変更に伴い、敵である帝国ゾイドの戦闘中グラフィックの進歩が最も顕著であると言えるだろう。 -前作に引き続き、久石譲が手がけたBGMも旧曲アレンジ・新曲ともに評価が高い。 --曲データの打ち込みは開発会社・マイクロニクスのサウンドスタッフの手によるものなのだが、クソゲーメーカーとして揶揄されがちなマイクロニクスの水準を遥かに越えた完成度を誇る。 -シナリオも当時の『ゾイドバトルストーリー』に沿った流れでありつつも、ゾイドの世界観でありえるギリギリのラインの若干のファンタジー要素((具体的には霊の登場など。平成版アニメ「機獣新世紀ゾイド」にそういったエピソードが少数存在している。))を交えつつ、ドラマチックに二転三転するRPGらしい内容となっており非常に評価が高い。 --ゾイドのゲームとしての評価が高いだけではなく、当時のRPGのストーリーの中でも完成度が高い部類に入る。 ---ネタバレとなるため詳細は割愛するが、本作のエンディングは前作の童話的なものとは異なりハッピーエンドとは到底呼べない。ゾイドの世界の未来と、主人公の行く末について深く考えさせられる内容になった。 **難点 -謎解きの難度が高い。 --ヒントが少なく、特定のポイントを調べなければいけない箇所がいくつもあり、難易度は高い。 ---しかも''重要な情報の多くが酒場のサイコロを使ったギャンブルで勝たなければ得ることができない''のが難点。 ---[[詳細はこちら>http://way78.com/fc/zoids2/word02.html]]。 -自軍ゾイドの性能の差がライフの大きさ以外あまり感じられない。 --攻撃力・防御力が設定されているが、防御力に関しては同一種類の敵から攻撃を受けた際のダメージが数値上ほとんど変わらないため、防御力ではなく、単にライフの大きさの差しかない。 ---ただし、防御兵装(プロテクターや各種アーマー)を装備した場合は、実際にダメージが軽減される。 --攻撃力に関しては基本的に装備中の兵装の威力で決まり、元々の攻撃力は一切関係無いと思われる。 ---攻撃力の値は敵である帝国ゾイド側でのみ意味のあるパラメーターと思われる。 --さらに前述のように、''マッドサンダーのマグネーザーや反荷電粒子シールドといった固有の兵装や格闘兵装が存在しない。'' ---特にマッドサンダーは原作では対デスザウラー用として開発されたゾイドであり、本作でも非常に苦労して入手することになるのだがこれでは有り難味がほとんど無い((むしろウルトラザウルスの方が海上を移動できるだけ便利))。 -戦闘でのゲームバランスの悪さ --主人公は最初に小型ゾイドのアロザウラーに搭乗するのだが、序盤のボスとして登場するディメトロドンの弾を二発喰らっただけで撃破されるという脆弱ぶり((ちなみにディメトロドンは原作では偵察・電子戦用ゾイドであり、故に武装は貧弱で『バトルストーリー』では大型ゾイドにはまず勝てないとまで評されていた。))。 --序盤で入手できる他のゾイドもアロザウラーとどっこいどっこいで、絶対に弾を喰らわないようにしなければならないというプレイを強いられる。 --大型ゾイドを入手し、高級な防御兵装を装備していてもグレートサーベル・アイアンコング・デスザウラーといった敵大型ゾイドの攻撃を1発でも喰らうとライフをごっそり奪われてしまう。 ---従って、基本的に敵の攻撃に当たることは基本的には許されず、どんな敵でもノーダメージで勝つようにしなければならない。 --敵の弾は横にスクロールすると消えるので、敵の弾が向ってきたら横にスクロールし、消えたら再び敵の位置まで移動してこちらの弾を当てる…というのを繰り返すのが基本戦術。 ---前述のようにレベルが上がったり補助動力を装備するとスクロールスピードが早くなるので、この戦術が楽になる。 --また、中盤で安価に手に入る兵器である''「レーザーキャノン」と「4連ビーム砲」がゲームバランス崩壊級の超高性能を誇る''点と、値段の高いA兵器があまり強くなく性能上買う意味が無い点が問題視される。 ---ゾイドゲーに武器バランスの悪さはつき物、というジンクスもある。『共和国VS帝国』の高圧濃硫酸噴射砲、『ゾイドインフィニティ』のパルスレーザーガン等…。 -カタカナ文字が無い --メモリ容量の都合なのか、前作同様カタカナが存在しないため文章がやや読みづらい。 ---読みづらいだけではなく、字面的に迫力や真剣味に若干欠けてしまう場面がある。 **裏技 -小型ゾイドのカノントータスは、標準武装のキャノン砲を外してそれぞれを売却すると、買値よりも高く売れる。 --これを繰り返して大金を稼ぐことも可能。 --但しカノントータスが買えるゾイドショップは、とあるイベントが発生すると利用できなくなるのでこの裏技は序盤にしか出来ない。 **余談 ウィキペディアの本作の記事は異様に充実している。ファンなら1度見てみるといいだろう。
*ゾイド2 ゼネバスの逆襲 【ぞいどつー ぜねばすのぎゃくしゅう】 |ジャンル|FPS/RPG|&amazon(B00005I25B)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |メディア|ROMカートリッジ|~| |発売元|東芝EMI|~| |開発元|マイクロニクス|~| |発売日|1989年1月27日|~| |定価|5,900円|~| |セーブデータ|3個(バッテリーバックアップ)|~| |>|>|CENTER:''[[ゾイドシリーズリンク>ゾイドシリーズ]]''| **概要 1980年代のゾイド第一期時代((「旧大戦シリーズ」とも呼ばれる))に、ファミコンで発売されたゲーム。前作『[[メカ生体ZOIDS 中央大陸の戦い>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/1592.html]]』の続編である。~ ジャンルは前作同様、戦闘がFPSになるRPGである。~ なお、本作のBGMは基本的に前作のアレンジ曲が使用されているのだが、新曲も多数追加された。~ 新曲も前作と同様に作曲を久石譲、データ打ち込みを開発会社・マイクロニクスのサウンド担当者が手がけている。 **ストーリー(一部、オープニングデモより引用) 地球から6万光年の彼方、ゾイド星。((現在は「惑星Zi」という名前だが、当時は「ゾイド星」という名である設定だった))~ この星の中央大陸では共和国と帝国が死闘を繰り返していた。~ 両国の支配者、ヘリック大統領とゼネバス皇帝は実の兄弟でありながら、~ 些細な誤解が元でこの戦争の指揮を執らねばならない悲劇に見舞われていた。~ ZAC2038年。共和国は帝国に対して総攻撃を開始。~ ゼネバスと帝国軍は中央大陸から完全に消え去った。~ そして、今ZAC2041年。~ 中央大陸のほぼ中央に位置する共和国の都市・ダリオス。~ ここに駐屯するヘリック共和国軍の二等兵である主人公は突如、ダリオス司令部に呼び出された。~ この大陸の北にある共和国領バレシアからSOSを受けた直後、発信源不明の妨害電波のために通信が不可能になったのだ。~ 原因調査のため、主人公には共和国の最新鋭中型ゾイド・アロザウラーが与えられた。~ 主人公はダリオスに住む恋人にしばしの別れを告げて調査任務へと出撃するのだが、~ それはあまりに苛烈な運命と、数奇な出来事の序章に過ぎなかった。~ **ストーリー補足 -前作は『ゾイドグラフィックス』に基づいたストーリーだった事はさておき''ゾイド本来の設定をほとんど無視した''童話的な世界観が展開されていた事がネタ扱い・または問題視されるという、ゾイドファン絶句間違いなしの世界観だった。 --本作は一部突っ込み所がありはするものの概ね本来のゾイドの設定・『ゾイドバトルストーリー』を尊重している。 ---それだけではなくさらに世界観を広げ、バトルストーリーの歴史を捻じ曲げるような事の無いファン納得の出来になっている。 -本作は『ゾイドバトルストーリー』の「ゼネバス帝国が撤退先の暗黒大陸から帰還した時期」のストーリーに基本的には忠実な筋書き。 --『ゾイドバトルストーリー』および前作を知っているだけでは予測不能であろう本作独自の展開も多い。 ---陰惨で残虐な描写がしばしばある為、苦手な人はある程度覚悟した方が良い。元々戦記モノであるとはいえ、ゾイドの関連メディアでそのような描写は珍しい。 --前作は「帝国軍に占領された幾多の都市を解放しつつゼネバス皇帝撃破を目指す」という以外特にストーリーが無いという非常に簡素な筋書きであったが、本作はヘリック大統領とゼネバス皇帝の兄弟としての姿やお互いへの思いについても触れられる。 ---ゼネバス皇帝の「ファンタジー作品の悪役」のような初期設定と「思慮深い国家元首」としての現在の設定との大きな差を補完しつつ、オープニングデモ通り「亡き父ヘリック1世や兄弟の絆と自ら率いる国家との間で揺れる心境」の描写は必見。 **基本システム -前述の通り、ジャンルは前作同様戦闘シーンがファーストパーソン・シューティングゲーム(FPS)のRPGとなっている。 --確固たるイベントがほとんど無かった前作とは異なり、各地で多数のイベントが用意されている。 ***戦闘システム -エンカウントは前作ではシンボルエンカウントであったが、本作ではボス戦を除き完全なランダムエンカウントに変更された。 -一連の流れは前作と変わらず、遭遇後はまず準備画面に移行する。 --ここでは敵ゾイドのデータが表示され、「せんとう」「にげる」「ITEM」「でーた」のコマンドを選択し、今後の行動を決定する。 --なお、「せんとう」選択後(または「にげる」失敗時)に移行する戦闘モード中はリアルタイムの射撃戦であるが、準備画面には制限時間などはない。 --また戦闘モード中にセレクトボタンを押すことで準備画面に戻る事が可能。ただし、準備画面中も時間は経過し敵が動いているので、タイミングが悪いと戦闘モードに移行した瞬間に被弾、ということもある。 ---これを利用して、「にげる」に失敗してもセレクトを連打して準備画面に戻り、もう一度「にげる」を選択し、失敗したらセレクト連打・・・で逃げまくることも可能((本作ではこの方法を利用することでボス以外からは必ず逃げられるようになっている。))。 -戦闘モードも基本的に前作と同じ構成であるが、ファミコンのスプライト表示能力の限界を考慮した調整が施された。 --前作はファミコンの「最大表示スプライト数の限界」や「メモリ容量の都合」、「処理落ちの防止」を考慮していない、マイクロニクスらしい無茶な作りをしていたのだが「1画面内に複数の敵ゾイドが同時に出現せず、1戦闘で同一種類のゾイドが最大2機まで登場する」「その分前作以上に敵ゾイドのグラフィックが大型化し、より迫力ある戦闘を堪能できる」といった差になって現れている。 ---敵機2機は自機を中心として必ず対角線上に配置されるため、戦闘画面に2機以上の敵機が同時に表示されることが無くなった。 ---前作のような多数の小型ゾイドや、小型機を引き連れる大型ゾイドといったさまざまな種類・機体の組み合わせは無い。 -以下、前作との比較ではなく本作自体の説明。 --敵は自機を取り囲むように配置され、プレイヤーがその場で旋回する事で画面が横スクロールして画面に表示されるシステムとなっており(自機の移動という概念はない)、画面上に表示されていない敵が攻撃してくることはない。 --自機が座標上は移動しないため、ゾイドの最高速は「画面の旋回速度」という形で反映されている。 --このスピードはレベルアップや「補助エンジン」などの補助動力を装備することによって上げることが出来る。 --敵の撃ってくる弾は視認可能で、画面中央の照準カーソル付近にのみ自機の当たり判定が存在する。 ---なお、敵味方ともに格闘攻撃は存在せず射撃攻撃のみ撃ち合う構成となっている。 --遭遇する敵ゾイドは、ボス戦と空中戦を除き、同じ種類の機体2機が登場する。 -本作でもプテラス又はサラマンダーといった飛行ゾイドを所有し、アロザウラー・コマンドウルフ・ゴジュラス・ウルトラザウルス・マッドサンダーに搭乗していれば偵察が可能。 --本作から偵察中にも敵機(シンカー・シュトルヒ・レドラーといった飛行ゾイド)と遭遇するようになった。なお、空中戦では敵は必ず1機で出現する。 ---しかし遭遇率はフィールド移動時に比べると格段に低く、偵察自体が必要とされる頻度が少ないため、意図的に偵察を繰り返さない限り空中戦はなかなか発生しない。 ---空中戦時は地上と同じく疑似3D空間での戦闘だが、敵機の表示方法の工夫(遠くから徐々に近づき、近くなると急激に拡大されて通り過ぎる)、自機の横スクロール時に地平線(水平線)が傾く演出などにより、スピード感のある空中戦となっている。 ---偵察専用のBGMと空中戦専用BGMも新規に追加されており、これらの曲の完成度や人気は高い。 -戦闘中に戦闘可能なゾイドが全滅した場合、およびダメージ床が原因で搭乗中ゾイドのライフが尽きた場合はゲームオーバーとなる。 --戦闘用ゾイドを複数所有している場合、撃破されたゾイドから別のゾイドに乗り換えて戦闘を続行することになる。ちなみに自分が所有できる戦闘用ゾイドは、最大4機まで(非戦闘ゾイドであるグスタフは別枠)。 --撃破されたゾイドは、グスタフを入手していればライフ0の状態で残るため街や補給所で修理することが出来る。グスタフが無い場合はロストしてしまい二度と使えなくなる。 --戦闘可能なゾイドが限定される海上・水中では、該当ゾイドが全滅した時点でゲームオーバーとなる。 ---なお、補給所も何もなく小島などの戦闘で海上を移動できるゾイドが全滅し、サラマンダーも「大型カーゴ」も使えず街にも戻れない、というような状態に陥ると自滅かリセットをするしかなくなる場合があるので注意。 **兵装・アイテム -兵装は攻撃兵器、防御兵器に分かれ、攻撃兵器はA兵器、B兵器に、防御兵器は補助装甲、補助動力に分かれる。 --A・B兵器はそれぞれコントローラーのA・Bボタンに対応している。 ---A兵器はキャノン砲といった、大威力だが基本的に単発で弾速が遅いといった武器となる。 ---B兵器は機関砲・バルカン砲といった小口径の機銃に相当。基本的にこちらが扱いやすく、メイン武装となる。 --防御兵装は装備していれば戦闘中に効果を発揮する。補助装甲はダメージを軽減し、補助動力は戦闘時のスピードを増幅する。 -ただし、マッドサンダーのマグネーザーや反荷電粒子シールドといった、ゾイド個別の専用兵装や格闘兵器というものは存在しない。 **街など -前作では登場キャラのほとんどがゾイドそのものであったが、本作では主人公が共和国軍の一パイロットとなったことを受けて、街では人間のキャラクターが生活するようになった。 --主人公は外見的には、味方である共和国軍人の色違いに過ぎない。 -街にある施設は補給所・攻撃兵器ショップ・防御兵器ショップ・ゾイドショップ・銀行・司令部などであるが、必ずしも全ての施設が揃っているわけではない。 -前作はパスワードコンティニューであったが本作ではバッテリーバックアップに変更され、データのセーブは司令部にいる司令官に話しかけて行う。 --ゲームオーバーになったらタイトル画面に戻されてしまうややシビアな仕様の為、こまめなセーブがポイントとなる。 -資金の調達については、一般的なRPGのように敵を倒して直接入手するのではなく、敵を倒すと給料として銀行の口座に振り込まれ、各地の銀行で引き出すというある意味現実的なシステムとなっている。 --ただし中には銀行の無い街もあるため、戦闘を繰り返してやっとの思いでたどり着いた街で銀行が無かったためお金がおろせない、といった事態もあり得る。 -前作では「ルーラ」や「キメラの翼」等に相当する「一度行った街に瞬時に移動できる手段」は皆無だったが、本作ではサラマンダーに搭乗して「大型カーゴ」というアイテムを使用すれば可能である。 ***登場ゾイド -主人公が使用できるゾイドは以下の通り。((エンディングではコマンドウルフMK2・ベアファイターMK2・ゴジュラスMK2が紹介されるが、実際には登場しない。なお、通常のシールドライガーは本作には存在しない。)) --小型ゾイド:アロザウラー・コマンドウルフ・ゴルヘックス・ベアファイター・プテラス・カノントータス・バリゲーター --大型ゾイド:ゴジュラス・サラマンダー・ディバイソン・シールドライガーMK2・ウルトラザウルス・マッドサンダー --非戦闘ゾイド:グスタフ ---なお、クリアに絶対必須の機体はバリゲーターのみである。バリゲーターは安価で購入可能なゾイドなので、入手不能になる事は無い。 --なお、ゴジュラス・ウルトラザウルス・マッドサンダーの3機はゾイドショップで売却できない。いずれも最強クラス、ないし最強のゾイドであるため売却や処分の必要はまず無いが。 ***その他 -一部のダンジョンは『[[がんばれゴエモン>がんばれゴエモンシリーズ]]』等のような3D迷路となっている。 -前作では階級がレベルの役割を果たしていたが本作ではレベルと階級は別々の扱いになり、イベントをこなすことで階級が、戦闘に勝利することで経験値を獲得しレベルが上がるようになった。 **評価点 -ファミコンとしては非常にレベルの高い、ゾイドのグラフィック。 --戦闘中の仕様の変更に伴い、敵である帝国ゾイドの戦闘中グラフィックの進歩が最も顕著であると言えるだろう。 -前作に引き続き、久石譲が手がけたBGMも旧曲アレンジ・新曲ともに評価が高い。 --曲データの打ち込みは開発会社・マイクロニクスのサウンドスタッフの手によるものなのだが、クソゲーメーカーとして揶揄されがちなマイクロニクスの水準を遥かに越えた完成度を誇る。 -シナリオも当時の『ゾイドバトルストーリー』に沿った流れでありつつも、ゾイドの世界観でありえるギリギリのラインの若干のファンタジー要素((具体的には霊の登場など。平成版アニメ「機獣新世紀ゾイド」にそういったエピソードが少数存在している。))を交えつつ、ドラマチックに二転三転するRPGらしい内容となっており非常に評価が高い。 --ゾイドのゲームとしての評価が高いだけではなく、当時のRPGのストーリーの中でも完成度が高い部類に入る。 ---ネタバレとなるため詳細は割愛するが、本作のエンディングは前作の童話的なものとは異なりハッピーエンドとは到底呼べない。ゾイドの世界の未来と、主人公の行く末について深く考えさせられる内容になった。 **難点 -謎解きの難度が高い。 --ヒントが少なく、特定のポイントを調べなければいけない箇所がいくつもあり、難易度は高い。 ---しかも''重要な情報の多くが酒場のサイコロを使ったギャンブルで勝たなければ得ることができない''のが難点。 ---[[詳細はこちら>http://way78.com/fc/zoids2/word02.html]]。 -自軍ゾイドの性能の差がライフの大きさ以外あまり感じられない。 --攻撃力・防御力が設定されているが、防御力に関しては同一種類の敵から攻撃を受けた際のダメージが数値上ほとんど変わらないため、防御力ではなく、単にライフの大きさの差しかない。 ---ただし、防御兵装(プロテクターや各種アーマー)を装備した場合は、実際にダメージが軽減される。 --攻撃力に関しては基本的に装備中の兵装の威力で決まり、元々の攻撃力は一切関係無いと思われる。 ---攻撃力の値は敵である帝国ゾイド側でのみ意味のあるパラメーターと思われる。 --さらに前述のように、''マッドサンダーのマグネーザーや反荷電粒子シールドといった固有の兵装や格闘兵装が存在しない。'' ---特にマッドサンダーは原作では対デスザウラー用として開発されたゾイドであり、本作でも非常に苦労して入手することになるのだがこれでは有り難味がほとんど無い((むしろウルトラザウルスの方が海上を移動できるだけ便利))。 -戦闘でのゲームバランスの悪さ --主人公は最初に小型ゾイドのアロザウラーに搭乗するのだが、序盤のボスとして登場するディメトロドンの弾を二発喰らっただけで撃破されるという脆弱ぶり((ちなみにディメトロドンは原作では偵察・電子戦用ゾイドであり、故に武装は貧弱で『バトルストーリー』では大型ゾイドにはまず勝てないとまで評されていた。))。 --序盤で入手できる他のゾイドもアロザウラーとどっこいどっこいで、絶対に弾を喰らわないようにしなければならないというプレイを強いられる。 --大型ゾイドを入手し、高級な防御兵装を装備していてもグレートサーベル・アイアンコング・デスザウラーといった敵大型ゾイドの攻撃を1発でも喰らうとライフをごっそり奪われてしまう。 ---従って、基本的に敵の攻撃に当たることは基本的には許されず、どんな敵でもノーダメージで勝つようにしなければならない。 --敵の弾は横にスクロールすると消えるので、敵の弾が向ってきたら横にスクロールし、消えたら再び敵の位置まで移動してこちらの弾を当てる…というのを繰り返すのが基本戦術。 ---前述のようにレベルが上がったり補助動力を装備するとスクロールスピードが早くなるので、この戦術が楽になる。 --また、中盤で安価に手に入る兵器である''「レーザーキャノン」と「4連ビーム砲」がゲームバランス崩壊級の超高性能を誇る''点と、値段の高いA兵器があまり強くなく性能上買う意味が無い点が問題視される。 ---ゾイドゲーに武器バランスの悪さはつき物、というジンクスもある。『共和国VS帝国』の高圧濃硫酸噴射砲、『ゾイドインフィニティ』の2連装パルスレーザーガン等…。 -カタカナ文字が無い --メモリ容量の都合なのか、前作同様カタカナが存在しないため文章がやや読みづらい。 ---読みづらいだけではなく、字面的に迫力や真剣味に若干欠けてしまう場面がある。 **裏技 -小型ゾイドのカノントータスは、標準武装のキャノン砲を外してそれぞれを売却すると、買値よりも高く売れる。 --これを繰り返して大金を稼ぐことも可能。 --但しカノントータスが買えるゾイドショップは、とあるイベントが発生すると利用できなくなるのでこの裏技は序盤にしか出来ない。 **余談 ウィキペディアの本作の記事は異様に充実している。ファンなら1度見てみるといいだろう。

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