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*ビーストバスターズ セカンドナイトメア 【びーすとばすたーず せかんどないとめあ】 |ジャンル|ガンシューティング|~| |対応機種|アーケード(ハイパーネオジオ64)|~| |販売元|SNK|~| |開発元|ADK|~| |稼動開始日|1998年9月|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|ガンシューティング屈指の難しさ&br()ある意味デス様より酷い(?)|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -SNKのガンシューティングで、1989年に発売された『ビーストバスターズ』の続編。前作から実に約9年ぶりの続編となった。使用基板は「ハイパーネオジオ64」。 --ただしこちらの開発は前作と異なり、ADKである((旧SNKと共にネオジオの共同開発をしたメーカーであり、ネオジオ発売以前から販売元を旧SNKに委託するなど旧SNKとは親密な関係にあったメーカー。2003年に業務停止するも、版権は旧SNKの譲渡先でもあったSNKプレイモア(現在の二代目SNK)に譲渡、後にADK作品の移植作やそれだけでなく続編に発展作も幾つか発売されている。))。ちなみにハイパーネオジオ64基板で唯一ハードメーカーのSNK以外が開発を手がけたゲームでもある。 --前作は現代でも珍しい最大3人同時プレイが可能なゲームだったが、今作は他のガンシューティングとほぼ同じ最大2人同時プレイが可能なゲームとなっている。 --セカンドナイトメアというタイトルとは裏腹に、本作のストーリーは独自のものであり前作とは繋がっていない((前作のストーリーは『[[キング・オブ・ザ・モンスターズ2]]』とリンクしている))。 -操作は筐体に固定されたマシンガンで行う(所謂「'''固定型ガンコントローラー'''」を採用)。弾はトリガー引きっぱなしで自動で連射される。//同時期にセガのオーシャンハンターやLAマシンガンズ、タイトーのオペレーションタイガーなどもあったりと固定型のガンコンはこの時代に限定しても別に珍しい存在ではない。 --銃口の手前の下のポンプを引くと弾がリロードされる。このポンプアクション式のリロードとは裏腹に前述のガンコントローラーの形状でも記したように、ゲーム内で用いるのはショットガンでもライフルでもなくマシンガンである。 -強力な副装備として''ボム''が存在し、ガンコントローラーのポンプ機構の上に搭載されているボタンを押すとボムが使える(レベル1〜3が存在。レベルが上がるほど強くなる)。ゲーム開始時、コンティニュー時はレベル1を3つ所持。所持出来るボムは最大5個。 -ライフはゲージシステム式を採用しており、敵の攻撃を受けるたびにゲージが減っていき、全て無くなるとゲームオーバー。 **ストーリー >2009年。~ 海上都市「新東京ポートタウン」にある国際特殊研究病院(ISPH)で人々がモンスターに変わる病気が発生。~ 病気は瞬く間に病院中に広まり、職員と患者は全滅してしまう。~ 問題解決のため特殊海兵隊が「死の病院」に送り込まれた。 -主人公については特殊海兵隊だということがOPで語られるのみで、それ以外の詳細は不明。ゲーム中でも顔のひとつすら映っていない。 -登場する敵はどう見てもゾンビだが、ゲーム中は「ビースト」と表記される。なおワームや三葉虫、カマドウマなどゾンビ以外の敵も登場する。 -当時のゲーム雑誌には病気の発生につながる出来事が攻略記事とともに書かれていた。 --それによると「派閥争いがエスカレートした末に病気の発生源が外部に漏れたため」とのこと。 ---ゾンビの中にどう見ても患者でも病院関係者でもない連中がいるが、そいつらが発生源の外部漏洩を起こした直接の原因である。 **アイテム ステージにある障害物(植え込み、照明、壁や柱など)を壊すとアイテムが出てくることがある。出現したアイテムを更に撃てば手に入れられる。 -「ボム」…画面内の敵全てにダメージを与える。最大レベル3まであり、レベルが上がるほど強くなるのは勿論、演出やボムの種類もそれぞれで異なる。 --レベル1では手榴弾。 --レベル2では携帯用レールガン(むしろ重機関銃に近い)2丁を乱射。 --そしてレベル3では&bold(){人工衛星のカットインが出てそこから病院めがけてサテライトレーザー発射。} ---…''病院自体吹っ飛ばしそうな気がするが、一応は病院、プレイヤーともに無傷である。'' ---と言うよりサテライトレーザーを使わないとほぼ確実にダメージを食らう場面も。そのため、敵排除用ではなく危機回避用のイメージ。なにこれ。 -「薬莢」…弾丸ストックが一定時間2倍になる。 --効果中は、画面下の残弾メーター横に弾倉マークが表示され、これが緑だと2倍満タン、灰色だと半分(通常の満タン)になる。 -「ライフ」…体力が回復する。 -「メダル」スコアアイテム。金、銀、銅の3種類あり、それぞれ得点は違う。 -「ぬいぐるみ」…レベル1、2、3、合計3つのボムが手に入る。ステージ2のみ登場。 **ボーナス -一般ゾンビは、頭を打ち抜くと1発で倒せる上にボーナスが入る。 --最初は1000点、2000点…と加算され最高10000点まで増える。以降、ピンショット成功毎に10000点入るが、途中1度でも失敗すると1000点に戻る。 ---失敗とはピンショットできるはずのゾンビを、ボムで倒したり普通に撃って倒してしまうこと。 --対象となるゾンビは患者ゾンビ、ドクターゾンビ、ナースゾンビなど。 --非対象は上半身だけのゾンビ、斧・ナイフを投げるゾンビ(場合によってはボーナスが入る)、ライフルを持っているゾンビ。 **問題点 -当時あまり評判のよくなかったハイパーネオジオ64を基板にしているため、まるでひと昔前のゲームかと思うくらいグラフィックが粗い。 --敵の顔が荒々しく、コウモリにいたってはペラペラな紙のようにみえる。 --舞台の関係上仕方ないが暗い風景が多く、どこに壊せる障害物があるかわかりづらい。 -上述された粗いグラフィックを考えても行き過ぎたグロ描写。その凄惨さはアドバタイズデモ中に「'''このゲームには残虐なシーンが含まれています'''」という警告文も完備するほどである。''グロ表現の苦手な方や青少年プレイヤーの方は要注意''。 --今作の約1年半前に稼働し、欠損描写が問題とされた初代HODと比べると&bold(){ゾンビ達の体の部位の破損が派手であり、頭や上半身を吹き飛ばすと血が噴き出す。} --また血の色は店側の設定で赤か緑にできる。ただでさえぶっ飛んでいるのに、赤にするとさらに過激さアップ。血の色は初代HODでも問題にされたのにこれは大丈夫だったのだろうか? --他にも、上から落ちてくるゾンビは四肢頭がバラバラになったり、飛び道具を投げ終わると自分で腕をもいで投げてくるなど、残虐さは国内ガンシューの中だと結構高め。 --近距離にいるゾンビを倒すと血飛沫が画面に飛ぶ演出がある。全クリア後のエンディングを経た場合も含めて、ゲームオーバーの画面も画面中央に「GAME OVER」という文字が血飛沫と共に映し出されるというもの。 -後半の極悪な難易度 -1面は中盤のゾンビ犬と終盤の銃持ちゾンビにさえ注意すれば初プレイでも簡単にクリア出来、2面もステージ自体が短いのに加え上記したぬいぐるみでボムを一気に3つ手に入れられるのでこれを駆使すれば確実にクリア可能。だが、3面以降、異常なほど難易度が上がる。 --こうなってしまった理由を列記すると、ダメージ後の無敵時間がほぼ存在しない事と3面以降は複数の敵が同時に出現する場面が非常に多い事、出現から攻撃までが総じて短い事が挙げられる。 --このゲームでは銃を持つ敵が(一部を除いて)倒さない限り銃撃を行ってくるため、撃たれる前に倒すか弾を打ち落としながら素早く倒す必要がある。さらに質の悪い事にこの銃持ちゾンビは1度に2,3体同時に現れる場面があるので…。~ こんな有様なので、銃持ちが複数出現する場面では満タンからすぐに半分以下にされるケースが頻発。 --また銃持ち以外でも、「画面から突然現れての攻撃」「ダッシュで体当たりしてくる仰け反らないゾンビ」「攻撃判定の出が理不尽に早く出現場所を覚えていても無傷で倒すことが難しいゾンビ犬」といった初見殺しが満載。しかもこれらは1面から出てくる。 --3面からゾンビが投げてくるナイフはスピードが早いうえに的が小さく打ち落としにくい。そのくせ斧やライフル弾よりダメージをくらう。粗いグラフィックのせいで飛んでくる様が非常に分かりづらいこともある。 #region(そして4面以降は…) -4面はこれらを乗り越えたプレイヤーの心を全力でバスターすべく牙を剥く。 --30秒もしないうちに1コイン消費すると言われる地獄のステージ。いきなりバイクに乗ったゾンビの突進を受け、4体も降ってくる(!)銃持ち、不規則な動きで襲ってくる蜂に視点変更直後に攻撃してくる敵と、いきなり理不尽のオンパレード。 --ここを乗り切っても中盤の地下下水道が立ちはだかる。 ---出現から間をおいてマシンガンでは倒しきれないほどの寄生虫をばら撒くため対処法がボムしかない((マシンガンで倒した場合でも寄生虫ばらまきは行われる上に、見てから撃ち落とすのは不可能な近距離に現れるため))といっても過言ではない宙吊りゾンビ、こちらの攻撃が当たりづらい遠距離から銃を正確に撃ってくるゾンビ、突如水中から現れ噛みついてくる魚の群れ。これらがラッシュをかけてくる。その苛烈さたるや、2人プレイでボムを駆使しても初見では厳しいほど。 --このステージのボスが強さがかなり極端。 ---筐体設定で「easy」以下だと体力が減りやすいので攻撃する前に倒せてしまう。しかし「hard」以上だと体力が減りづらく、分身を放ってきてラスボスくらい強くなるという明らかに調整ミスと言うような仕様がある。 -この地獄を越えて迎える最後のステージは・・・といっても最終ボスとの戦いだけなのだが、舞台の病院位の大きさがあるであろう巨大ボスと崩壊した病院の上空で戦うことになる。 --この敵は明らかにボムを使わないと回避不能なほど隕石を放ってくる。また同時に3つ出てくるサイトをすべて破壊しないとライフ半ゲージを奪われる攻撃を放ってくる。幸いなのは攻撃がこの2種類のみということだろうか。 --第2形態は&bold(){色が青に変わりさらに大きくなる。そして背景が世紀末な感じに。} ---この第2形態は短時間に7つものサイトが出現し、全て2秒以内に一定数撃ち込まないと口から巨大レーザーを放ち、これまたライフ半ゲージを奪われる。 ---当然これをボム無しで攻略できる人などほとんどいない。 --そして最終ボスを倒すと・・・(↓ネタバレ注意・読みたい人は反転) ---&color(white){巨大な隕石が最終ボスに直撃し、都市は大爆発とともに崩壊するという絶望的なエンディング。そしてエンディング前の筋書きには「悪夢は一都市の壊滅と引き換えに幕を閉じた。この出来事は後に「セカンドナイトメア」と呼ばれ、各方面でさまざまな疑問を残すが、政府によって事件に関する全てのデータが闇に葬られる。事件はもとの静けさを取り戻したかに見えた・・・。」要するに今まで頑張ってきたことが全て何もなかったことにされ、バッドエンドのような終わり方となってしまう。} -そこはかとなく続編を思わせるエンディングであるが、10年以上たった今でも続編は出ていないどころか2001年にSNKは倒産してしまった。また2003年には開発元のADKも業務停止している。その後両社は元SNK社員が立ち上げた、かつてはSNKの系列会社であったSNKプレイモアに権利を譲渡、2016年11月まで「SNKプレイモア」として活動、現在は社名を再び「SNK」(通称「二代目SNK」)に変更して現在に至っている。 #endregion **評価点 -良好な音楽面 --難易度や描写から見逃されがちだが、各種BGMやSEはよく作られており、ゲームへの没入感を深めている。 --主武装であるマシンガンの「ガガガガガガ!」という連射音は本当に撃っているかのようなリアル感を出し、ボムにもレベルごとに演出が異なることに加えて個別にSEが用意されている。 --当然の事と言われればそれまでだが、散々指摘されてきた問題点が非常に目立つこのゲームにおいてはあまり取り上げられないことが多い。 --しかし、ガンシューティングの根幹的要素である「撃つ爽快感を演出する」事が損なわれていないのは評価されるべきだろう。 --加えて音楽や音響面の演出に関してはこれまでも好評価を多く得ていたSNKとADKならではの完成度とも言える納得の出来栄えである。 -高い残虐描写だが、やはり撃った部位が吹き飛ぶのはカタルシスを感じるとの見方もある。 --グラフィックがアレなせいで、余計にそう見えるのかもしれない。…最もまだ残虐描写に対する規制が弱かった時期((それでもHOD1の時のように存在自体はしていた))だったという理由もあるので、この残虐描写を現代の機種でリメイクさせた場合、日本の市場に出せなくなる可能性も十分考えられるが((海外はこのような残虐描写に対しては比較的寛容な為))。 **総評 本作はそんな鬼畜な難易度などから多くのガンシューターを絶望させ、客を離れさせてしまった。 しかも本作は発売された時期も悪かった。というのはガンシューティングという同ジャンルにおいて話題沸騰のライバル作が本作の発売前後にそれぞれ登場した時期であり、まず本作の数ヶ月前にはナムコの『[[タイムクライシス2]]』が稼動開始したばかりであった。さらに同じ年の本作発売後の数ヶ月後にはセガの『[[THE HOUSE OF THE DEAD 2]]』も稼動開始。そしてその前後双方のライバル作の大ヒットにより、本作はあまり話題にされないまま消え去るハメになった。 -しかし当時ゲーメストでは、''この異常な高難易度のゲームをなんと早くもノーコンティニュー(ワンコイン)でクリアし、161万点(全国トップ)を出したプロがいる''。そして時を超えこのゲームを攻略している人が増えつつある。このことから絶対1コインクリアは無理というわけではなさそうだが… -ちなみに前作も難易度が高く、そちらは絶対に1コインクリアは不可能とされていた。 **余談 -そんな悲劇の作品ではあるが、極一部では[[ファンサイト>http://sikato.sakura.ne.jp/plura/beast2/index.html]]があったり、移植を望むファンもいる。しかしハイパーネオジオ64自体普及しなかったことや残虐度が高いせいか、いまだ移植はされていない。~ (余談だが、後にSNKの後を継いだSNKプレイモアより発売された『[[サムライスピリッツ零SPECIAL]]』に関しても同様の理由で(家庭用ネオジオ以外のハードでの)家庭用ゲーム機への移植が2017年のPS4/PSV版まで長い間行われなかったという事実も背景にある) --SNK倒産とADK業務停止当時、SNKプレイモア(当時はプレイモア。現在の二代目SNK)が両社のほぼ全ての知的財産権を買い取って引き継ぎ、ハイパーネオジオ64基板やそれで発売された作品の版権も引き継がれたのだが((携帯ゲーム機・ネオジオポケットやそれ関連の権利は対象外となっており、譲渡どころか入札すらされなかった。))、(不確定ではあるものの)本作はもしかしたらその対象外だった、という話も出ており、いずれにせよ移植のハードルは高いと言えるだろう。 //ハイパーネオジオ64自体や、『武力 〜BURIKI ONE〜』など、それの一部作品の権利も現在の二代目SNK、かつてのSNKプレイモアが受け継いでますよ。そうでないと『THE KING OF FIGHTERS XI』や『ネオジオバトルコロシアム』において、『武力 〜BURIKI ONE〜』や『SAMURAI SPIRITS 2 アスラ斬魔伝』で初登場したオリジナルキャラクターは登場できなかったはずです。 -アーケードでのシリーズ展開は残念ながら本作で終了してしまったが、上述の通り根強いファンが居たせいか家庭用ハードでは2本の作品(ネオジオポケット『ビーストバスターズ~闇の生体兵器~』、iOS『ビーストバスターズ FEATURING KOF DX』)が発売された他、iOS版と世界観を共有するパチスロ版も発売された。ちなみにパチスロ版発売後にSNKプレイモアはスロット事業から撤退しており、従って本作のパチスロがSNK最後のスロット作品となった。 --だが後続作品は『セカンドナイトメア』と世界観を共有しておらずiOS版は言わばリブート作品なので、真の意味での『セカンドナイトメアの続編』の制作を願うファンもいる。~ しかし2015年にSNKプレイモアは中国のオンラインゲーム企業「37Games(三七互娱)」に買収され、中国でも人気の高い対戦格闘などの有力IPを活用して中国のモバイル市場拡大を目指していくと明言されている((パチスロ撤退も37Gamesの方針))。その後実に5年ぶりにKOFの新作が発売されてはいるが、お世辞にも人気が高いとは言い難い本シリーズに目を向けてもらえるかは現状難しそうである。本シリーズを開発してくれる気概のあるスタッフが現れるのを祈るばかりである。 #region(参考プレイ動画(グロ注意)) &nicovideo2(sm14359523) &nicovideo2(sm14443470) この動画でプレイされているLUI氏とTOE氏はどちらも、他の幾つかのガンシューティングゲームのスコアアタックで全国1位(全一)になったこともある凄腕のスコアラーのうち二人である。その御二方ですら苦戦する難易度となっていることが解る。 #endregion
*ビーストバスターズ セカンドナイトメア 【びーすとばすたーず せかんどないとめあ】 |ジャンル|ガンシューティング|~| |対応機種|アーケード(ハイパーネオジオ64)|~| |販売元|SNK|~| |開発元|ADK|~| |稼動開始日|1998年9月|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|ガンシューティング屈指の難しさ&br()ある意味デス様より酷い(?)|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -SNKのガンシューティングで、1989年に発売された『ビーストバスターズ』の続編。前作から実に約9年ぶりの続編となった。使用基板は「ハイパーネオジオ64」。 --ただしこちらの開発は前作と異なり、ADKである((旧SNKと共にネオジオの共同開発をしたメーカーであり、ネオジオ発売以前から販売元を旧SNKに委託するなど旧SNKとは親密な関係にあったメーカー。2003年に業務停止するも、版権は旧SNKの譲渡先でもあったSNKプレイモア(現在の二代目SNK)に譲渡、後にADK作品の移植作やそれだけでなく続編に発展作も幾つか発売されている。))。ちなみにハイパーネオジオ64基板で唯一ハードメーカーのSNK以外が開発を手がけたゲームでもある。 --前作は現代でも珍しい最大3人同時プレイが可能なゲームだったが、今作は他のガンシューティングとほぼ同じ最大2人同時プレイが可能なゲームとなっている。 --セカンドナイトメアというタイトルとは裏腹に、本作のストーリーは独自のものであり前作とは繋がっていない((前作のストーリーは『[[キング・オブ・ザ・モンスターズ2]]』とリンクしている))。 -操作は筐体に固定されたマシンガンで行う(所謂「'''固定型ガンコントローラー'''」を採用)。弾はトリガー引きっぱなしで自動で連射される。 //同時期にセガのオーシャンハンターやLAマシンガンズ、タイトーのオペレーションタイガーなどもあったりと固定型のガンコンはこの時代に限定しても別に珍しい存在ではない。 --銃口の手前の下のポンプを引くと弾がリロードされる。このポンプアクション式のリロードとは裏腹に前述のガンコントローラーの形状でも記したように、ゲーム内で用いるのはショットガンでもライフルでもなくマシンガンである。 -強力な副装備として''ボム''が存在し、ガンコントローラーのポンプ機構の上に搭載されているボタンを押すとボムが使える(レベル1〜3が存在。レベルが上がるほど強くなる)。ゲーム開始時、コンティニュー時はレベル1を3つ所持。所持出来るボムは最大5個。 -ライフはゲージシステム式を採用しており、敵の攻撃を受けるたびにゲージが減っていき、全て無くなるとゲームオーバー。 **ストーリー >2009年。~ 海上都市「新東京ポートタウン」にある国際特殊研究病院(ISPH)で人々がモンスターに変わる病気が発生。~ 病気は瞬く間に病院中に広まり、職員と患者は全滅してしまう。~ 問題解決のため特殊海兵隊が「死の病院」に送り込まれた。 -主人公については特殊海兵隊だということがOPで語られるのみで、それ以外の詳細は不明。ゲーム中でも顔のひとつすら映っていない。 -登場する敵はどう見てもゾンビだが、ゲーム中は「ビースト」と表記される。なおワームや三葉虫、カマドウマなどゾンビ以外の敵も登場する。 -当時のゲーム雑誌には病気の発生につながる出来事が攻略記事とともに書かれていた。 --それによると「派閥争いがエスカレートした末に病気の発生源が外部に漏れたため」とのこと。 ---ゾンビの中にどう見ても患者でも病院関係者でもない連中がいるが、そいつらが発生源の外部漏洩を起こした直接の原因である。 **アイテム ステージにある障害物(植え込み、照明、壁や柱など)を壊すとアイテムが出てくることがある。出現したアイテムを更に撃てば手に入れられる。 -「ボム」…画面内の敵全てにダメージを与える。最大レベル3まであり、レベルが上がるほど強くなるのは勿論、演出やボムの種類もそれぞれで異なる。 --レベル1では手榴弾。 --レベル2では携帯用レールガン(むしろ重機関銃に近い)2丁を乱射。 --そしてレベル3では&bold(){人工衛星のカットインが出てそこから病院めがけてサテライトレーザー発射。} ---…''病院自体吹っ飛ばしそうな気がするが、一応は病院、プレイヤーともに無傷である。'' ---と言うよりサテライトレーザーを使わないとほぼ確実にダメージを食らう場面も。そのため、敵排除用ではなく危機回避用のイメージ。なにこれ。 -「薬莢」…弾丸ストックが一定時間2倍になる。 --効果中は、画面下の残弾メーター横に弾倉マークが表示され、これが緑だと2倍満タン、灰色だと半分(通常の満タン)になる。 -「ライフ」…体力が回復する。 -「メダル」スコアアイテム。金、銀、銅の3種類あり、それぞれ得点は違う。 -「ぬいぐるみ」…レベル1、2、3、合計3つのボムが手に入る。ステージ2のみ登場。 **ボーナス -一般ゾンビは、頭を打ち抜くと1発で倒せる上にボーナスが入る。 --最初は1000点、2000点…と加算され最高10000点まで増える。以降、ピンショット成功毎に10000点入るが、途中1度でも失敗すると1000点に戻る。 ---失敗とはピンショットできるはずのゾンビを、ボムで倒したり普通に撃って倒してしまうこと。 --対象となるゾンビは患者ゾンビ、ドクターゾンビ、ナースゾンビなど。 --非対象は上半身だけのゾンビ、斧・ナイフを投げるゾンビ(場合によってはボーナスが入る)、ライフルを持っているゾンビ。 **問題点 -当時あまり評判のよくなかったハイパーネオジオ64を基板にしているため、まるでひと昔前のゲームかと思うくらいグラフィックが粗い。 --敵の顔が荒々しく、コウモリにいたってはペラペラな紙のようにみえる。 --舞台の関係上仕方ないが暗い風景が多く、どこに壊せる障害物があるかわかりづらい。 -上述された粗いグラフィックを考えても行き過ぎたグロ描写。その凄惨さはアドバタイズデモ中に「'''このゲームには残虐なシーンが含まれています'''」という警告文も完備するほどである。''グロ表現の苦手な方や青少年プレイヤーの方は要注意''。 --今作の約1年半前に稼働し、欠損描写が問題とされた初代HODと比べると&bold(){ゾンビ達の体の部位の破損が派手であり、頭や上半身を吹き飛ばすと血が噴き出す。} --また血の色は店側の設定で赤か緑にできる。ただでさえぶっ飛んでいるのに、赤にするとさらに過激さアップ。血の色は初代HODでも問題にされたのにこれは大丈夫だったのだろうか? --他にも、上から落ちてくるゾンビは四肢頭がバラバラになったり、飛び道具を投げ終わると自分で腕をもいで投げてくるなど、残虐さは国内ガンシューの中だと結構高め。 --近距離にいるゾンビを倒すと血飛沫が画面に飛ぶ演出がある。全クリア後のエンディングを経た場合も含めて、ゲームオーバーの画面も画面中央に「GAME OVER」という文字が血飛沫と共に映し出されるというもの。 -後半の極悪な難易度 -1面は中盤のゾンビ犬と終盤の銃持ちゾンビにさえ注意すれば初プレイでも簡単にクリア出来、2面もステージ自体が短いのに加え上記したぬいぐるみでボムを一気に3つ手に入れられるのでこれを駆使すれば確実にクリア可能。だが、3面以降、異常なほど難易度が上がる。 --こうなってしまった理由を列記すると、ダメージ後の無敵時間がほぼ存在しない事と3面以降は複数の敵が同時に出現する場面が非常に多い事、出現から攻撃までが総じて短い事が挙げられる。 --このゲームでは銃を持つ敵が(一部を除いて)倒さない限り銃撃を行ってくるため、撃たれる前に倒すか弾を打ち落としながら素早く倒す必要がある。さらに質の悪い事にこの銃持ちゾンビは1度に2,3体同時に現れる場面があるので…。~ こんな有様なので、銃持ちが複数出現する場面では満タンからすぐに半分以下にされるケースが頻発。 --また銃持ち以外でも、「画面から突然現れての攻撃」「ダッシュで体当たりしてくる仰け反らないゾンビ」「攻撃判定の出が理不尽に早く出現場所を覚えていても無傷で倒すことが難しいゾンビ犬」といった初見殺しが満載。しかもこれらは1面から出てくる。 --3面からゾンビが投げてくるナイフはスピードが早いうえに的が小さく打ち落としにくい。そのくせ斧やライフル弾よりダメージをくらう。粗いグラフィックのせいで飛んでくる様が非常に分かりづらいこともある。 #region(そして4面以降は…) -4面はこれらを乗り越えたプレイヤーの心を全力でバスターすべく牙を剥く。 --30秒もしないうちに1コイン消費すると言われる地獄のステージ。いきなりバイクに乗ったゾンビの突進を受け、4体も降ってくる(!)銃持ち、不規則な動きで襲ってくる蜂に視点変更直後に攻撃してくる敵と、いきなり理不尽のオンパレード。 --ここを乗り切っても中盤の地下下水道が立ちはだかる。 ---出現から間をおいてマシンガンでは倒しきれないほどの寄生虫をばら撒くため対処法がボムしかない((マシンガンで倒した場合でも寄生虫ばらまきは行われる上に、見てから撃ち落とすのは不可能な近距離に現れるため))といっても過言ではない宙吊りゾンビ、こちらの攻撃が当たりづらい遠距離から銃を正確に撃ってくるゾンビ、突如水中から現れ噛みついてくる魚の群れ。これらがラッシュをかけてくる。その苛烈さたるや、2人プレイでボムを駆使しても初見では厳しいほど。 --このステージのボスが強さがかなり極端。 ---筐体設定で「easy」以下だと体力が減りやすいので攻撃する前に倒せてしまう。しかし「hard」以上だと体力が減りづらく、分身を放ってきてラスボスくらい強くなるという明らかに調整ミスと言うような仕様がある。 -この地獄を越えて迎える最後のステージは・・・といっても最終ボスとの戦いだけなのだが、舞台の病院位の大きさがあるであろう巨大ボスと崩壊した病院の上空で戦うことになる。 --この敵は明らかにボムを使わないと回避不能なほど隕石を放ってくる。また同時に3つ出てくるサイトをすべて破壊しないとライフ半ゲージを奪われる攻撃を放ってくる。幸いなのは攻撃がこの2種類のみということだろうか。 --第2形態は&bold(){色が青に変わりさらに大きくなる。そして背景が世紀末な感じに。} ---この第2形態は短時間に7つものサイトが出現し、全て2秒以内に一定数撃ち込まないと口から巨大レーザーを放ち、これまたライフ半ゲージを奪われる。 ---当然これをボム無しで攻略できる人などほとんどいない。 --そして最終ボスを倒すと・・・(↓ネタバレ注意・読みたい人は反転) ---&color(white){巨大な隕石が最終ボスに直撃し、都市は大爆発とともに崩壊するという絶望的なエンディング。そしてエンディング前の筋書きには「悪夢は一都市の壊滅と引き換えに幕を閉じた。この出来事は後に「セカンドナイトメア」と呼ばれ、各方面でさまざまな疑問を残すが、政府によって事件に関する全てのデータが闇に葬られる。事件はもとの静けさを取り戻したかに見えた・・・。」要するに今まで頑張ってきたことが全て何もなかったことにされ、バッドエンドのような終わり方となってしまう。} -そこはかとなく続編を思わせるエンディングであるが、10年以上たった今でも続編は出ていないどころか2001年にSNKは倒産してしまった。また2003年には開発元のADKも業務停止している。その後両社は元SNK社員が立ち上げた、かつてはSNKの系列会社であったSNKプレイモアに権利を譲渡、2016年11月まで「SNKプレイモア」として活動、現在は社名を再び「SNK」(通称「二代目SNK」)に変更して現在に至っている。 #endregion **評価点 -良好な音楽面 --難易度や描写から見逃されがちだが、各種BGMやSEはよく作られており、ゲームへの没入感を深めている。 --主武装であるマシンガンの「ガガガガガガ!」という連射音は本当に撃っているかのようなリアル感を出し、ボムにもレベルごとに演出が異なることに加えて個別にSEが用意されている。 --当然の事と言われればそれまでだが、散々指摘されてきた問題点が非常に目立つこのゲームにおいてはあまり取り上げられないことが多い。 --しかし、ガンシューティングの根幹的要素である「撃つ爽快感を演出する」事が損なわれていないのは評価されるべきだろう。 --加えて音楽や音響面の演出に関してはこれまでも好評価を多く得ていたSNKとADKならではの完成度とも言える納得の出来栄えである。 -高い残虐描写だが、やはり撃った部位が吹き飛ぶのはカタルシスを感じるとの見方もある。 --グラフィックがアレなせいで、余計にそう見えるのかもしれない。…最もまだ残虐描写に対する規制が弱かった時期((それでもHOD1の時のように存在自体はしていた))だったという理由もあるので、この残虐描写を現代の機種でリメイクさせた場合、日本の市場に出せなくなる可能性も十分考えられるが((海外はこのような残虐描写に対しては比較的寛容な為))。 **総評 本作はそんな鬼畜な難易度などから多くのガンシューターを絶望させ、客を離れさせてしまった。 しかも本作は発売された時期も悪かった。というのはガンシューティングという同ジャンルにおいて話題沸騰のライバル作が本作の発売前後にそれぞれ登場した時期であり、まず本作の数ヶ月前にはナムコの『[[タイムクライシス2]]』が稼動開始したばかりであった。さらに同じ年の本作発売後の数ヶ月後にはセガの『[[THE HOUSE OF THE DEAD 2]]』も稼動開始。そしてその前後双方のライバル作の大ヒットにより、本作はあまり話題にされないまま消え去るハメになった。 -しかし当時ゲーメストでは、''この異常な高難易度のゲームをなんと早くもノーコンティニュー(ワンコイン)でクリアし、161万点(全国トップ)を出したプロがいる''。そして時を超えこのゲームを攻略している人が増えつつある。このことから絶対1コインクリアは無理というわけではなさそうだが… -ちなみに前作も難易度が高く、そちらは絶対に1コインクリアは不可能とされていた。 **余談 -そんな悲劇の作品ではあるが、極一部では[[ファンサイト>http://sikato.sakura.ne.jp/plura/beast2/index.html]]があったり、移植を望むファンもいる。しかしハイパーネオジオ64自体普及しなかったことや残虐度が高いせいか、いまだ移植はされていない。~ (余談だが、後にSNKの後を継いだSNKプレイモアより発売された『[[サムライスピリッツ零SPECIAL]]』に関しても同様の理由で(家庭用ネオジオ以外のハードでの)家庭用ゲーム機への移植が2017年のPS4/PSV版まで長い間行われなかったという事実も背景にある) --SNK倒産とADK業務停止当時、SNKプレイモア(当時はプレイモア。現在の二代目SNK)が両社のほぼ全ての知的財産権を買い取って引き継ぎ、ハイパーネオジオ64基板やそれで発売された作品の版権も引き継がれたのだが((携帯ゲーム機・ネオジオポケットやそれ関連の権利は対象外となっており、譲渡どころか入札すらされなかった。))、(不確定ではあるものの)本作はもしかしたらその対象外だった、という話も出ており、いずれにせよ移植のハードルは高いと言えるだろう。 //ハイパーネオジオ64自体や、『武力 〜BURIKI ONE〜』など、それの一部作品の権利も現在の二代目SNK、かつてのSNKプレイモアが受け継いでますよ。そうでないと『THE KING OF FIGHTERS XI』や『ネオジオバトルコロシアム』において、『武力 〜BURIKI ONE〜』や『SAMURAI SPIRITS 2 アスラ斬魔伝』で初登場したオリジナルキャラクターは登場できなかったはずです。 -アーケードでのシリーズ展開は残念ながら本作で終了してしまったが、上述の通り根強いファンが居たせいか家庭用ハードでは2本の作品(ネオジオポケット『ビーストバスターズ~闇の生体兵器~』、iOS『ビーストバスターズ FEATURING KOF DX』)が発売された他、iOS版と世界観を共有するパチスロ版も発売された。ちなみにパチスロ版発売後にSNKプレイモアはスロット事業から撤退しており、従って本作のパチスロがSNK最後のスロット作品となった。 --だが後続作品は『セカンドナイトメア』と世界観を共有しておらずiOS版は言わばリブート作品なので、真の意味での『セカンドナイトメアの続編』の制作を願うファンもいる。~ しかし2015年にSNKプレイモアは中国のオンラインゲーム企業「37Games(三七互娱)」に買収され、中国でも人気の高い対戦格闘などの有力IPを活用して中国のモバイル市場拡大を目指していくと明言されている((パチスロ撤退も37Gamesの方針))。その後実に5年ぶりにKOFの新作が発売されてはいるが、お世辞にも人気が高いとは言い難い本シリーズに目を向けてもらえるかは現状難しそうである。本シリーズを開発してくれる気概のあるスタッフが現れるのを祈るばかりである。 #region(参考プレイ動画(グロ注意)) &nicovideo2(sm14359523) &nicovideo2(sm14443470) この動画でプレイされているLUI氏とTOE氏はどちらも、他の幾つかのガンシューティングゲームのスコアアタックで全国1位(全一)になったこともある凄腕のスコアラーのうち二人である。その御二方ですら苦戦する難易度となっていることが解る。 #endregion

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