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//「[[修正依頼]]」に修正依頼が出ています。加筆できる方は修正をお願いします。 //---- *機動戦士ガンダム 一年戦争 【きどうせんしがんだむ いちねんせんそう】 |ジャンル|3Dアクションゲーム&br()※メーカー公称:一年戦争体感アクション|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/51EJ43P6CVL.jpg,http://www.amazon.co.jp/dp/B00065G7PQ,height=160)| |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|ナムコ|~| |発売日|2005年4月7日 |~| |定価|6,800円(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|82KB以上|~| |レーティング|CERO:全年齢対象|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|&color(blue){''2005年クソゲーオブザイヤー次点''}&br()大規模な広報活動の割に今までと代わり映えのしない内容&br()値段に見合わない内容の薄さ&br()好みの別れる操作性|~| |>|>|CENTER:''[[クソゲーオブザイヤー関連作品一覧>KOTYゲーム一覧]]''| |>|>|CENTER:''[[ガンダムゲームリンク>ガンダムシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ガンダムシリーズの版権を持つバンダイが商品開発力に定評があるとされるナムコと手を組み、売上100万本以上のミリオンヒット((本作の発表会を締めた「ミリオン!ミリオン!ミリオン!」という掛け声は結果的に悪い意味で語り草となる。))を目指して立ち上げた商品開発プロジェクト、「プロジェクトペガサス」の最初にして最後の作品。~ テレビアニメ『機動戦士ガンダム』の第1話から最終話までを1本のタイトルで追体験出来るのが特徴であった。~ 本作品はプロジェクト立ち上げの由来が由来であったために販売元のバンダイも宣伝に非常に力を入れており、また過去の実績としてPS2向けに発売されていたガンダムゲームの売上が50万本を軒並み超えていたこともあり、ユーザーだけでなく、小売店サイドもまたこの作品に期待を寄せていたのだが…。 **特徴・システム -操作システム --所謂TPS((Third Person shooter、3人称視点シューティングの略。))等で多く採用されている操作性を採用しており、本作において×ボタンはカメラリセットに、△ボタンは一部機体でのみ使用されるが、○ボタンと□ボタンはプレイ中一切使用しない。~ #region(本作における基本操作一覧) |CENTER:L1ボタン|CENTER:ダッシュ| |CENTER:L2ボタン|CENTER:ジャンプ| |CENTER:R1ボタン|CENTER:射撃攻撃| |CENTER:R2ボタン|CENTER:近接攻撃| |CENTER:×ボタン|CENTER:視点戻し| |CENTER:△ボタン|CENTER:第三武装攻撃| |CENTER:アナログスティック押し込み|CENTER:バルカン| |CENTER:左スティック|CENTER:移動| |CENTER:右スティック|CENTER:視点・照準移動| #endregion ---- **評価点 -美麗なグラフィック --各機体の3Dグラフィックは、足の裏のバーニアや各部のモールド等、細部に至るまで作り込まれている。後の[[クライマックスUC>機動戦士ガンダム クライマックスU.C.]]に決して劣るものではなく、「PS2のガンダム作品の中では最高レベル」と評される事もある。 --ミッション中に特定条件を満たす事で発生する「メモリアルアクション((端的に言えば原作シーンを再現できるシステム。))」もこのグラフィックが後押しして好意的に見ている意見もある。 -レアな隠し機体 --高難易度クリアやメモリアルアクション収集の特典として、追加機体がいくつか用意されている。ガンダム(ロールアウトVer)、フルアーマーガンダム、ガンキャノン重装型、ジム・スナイパーカスタム、ジム・ライトアーマーなどとMSV世代をピンポイントで狙ったものになっており、直撃世代からの評価は非常に高い。 --これらの機体のモデリングも、ガンダム同様にリデザインされている。 --今でこそ多数の機体を使用できるガンダムゲームは[[ガンダムオンライン>機動戦士ガンダムオンライン]]など複数存在するが、当時のCS作品という括りでは本作ぐらいしか存在しなかった。 -TV版をクローズアップ --それまで1stガンダム作品は、[[劇場版>機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙]]をベースにしているか、世界観だけを使った[[外伝作品>機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles]]が殆どであった。 --本作はTV版を題材にした数少ない作品であり、やや荒削り・中途半端ではあるものの、TV版を大きくクローズアップした事自体には高い評価を得ている。 --従来作では取り上げられなかった白兵戦や、ホワイトベースの機銃を用いた銃撃戦がある点も、内容こそ不十分だったがアイデアは秀逸であった。 -演出 --原作の追体験をコンセプトにしているだけあり、演出面はかなり高いクオリティを誇っている。~ 特にララァ・スン関連のシーンは相当な気合が入っており、発売から10年以上が経過した現在でも評価が高い。 --無線会話の充実。司令部からの命令や、味方の呟きや雄たけびなど、戦場を賑やかに彩ってくれる。おまけに敵の無線まで聞こえてくる演出は、ナムコ社の[[エースコンバットシリーズ]]を髣髴とさせる。 --ジャブローで流れる「哀・戦士」等は、「TV版の再現」というコンセプトからは外れる((「哀・戦士」は劇場版で追加された楽曲で、TV版では使われていない。))ものの、劇場版で評価の高いBGMが流れる点は演出面で非常に好評。 --ソロモン戦で出現するアナベル・ガトーや高難度で出現するア・バオア・クーでシャアが乗るパーフェクトジオング等も、このゲームならではの嬉しい演出。こちらも無線会話が凝っている。 ---- **賛否両論点 -独特な操作性 --本作の基本的な操作は、概ねL1~L3・R1~R3ボタンに集約されており、所謂TPS/FPSに多い操作性である。 ---これは当時の3Dアクションの主流とは大きく異なり、また当時は「TPS/FPSが少しずつ浸透してきた」という時代であったため、既存のガンダムゲームに慣れたプレイヤーからは操作し辛いという意見が多く出た。 ---逆にTPS/FPSに馴染みのあるプレイヤーからは、特にこれといった不満意見は出ていない他、本作で初めてこの操作に触れたプレイヤーからも、慣れればむしろ良好な操作性であるという評価がされている。本作の操作性自体は決して悪い訳ではない。 --ちなみに説明書には「操作性は独特だけれども、慣れてください(意訳)」と記述されている。 ---- **問題点 -ボリューム不足 --本作は多くのガンダムゲームと違ってアムロ・レイ視点でしかプレイできない他、ジオン側や他キャラクターでのプレイモードも用意されていない。 //それだけがそうなわけではないので、あえて「めぐり合い宇宙」を引き合いに出す必要性を感じない。 --ステージ数自体は全28ステージとそれなりに多いが、各ステージのボリュームには長い短い((例として、ギャロップ特攻阻止のようなミッション終了後の後処理程度の戦闘に1ステージ割いている等。))のばらつきがあり、ハードモードまで含めた通しプレイでも総プレイ時間はそう長くない(10時間かかれば長い方)。ある程度アクションやシューティングに慣れた人なら半日ほどでクリアできる、という声も。 --カイやハヤト、あるいは敵対するシャアなどの視点で見たストーリーも収録してくれれば良かったのだが、上記の通りボリューム不足感は否めない。 -歴代作品と比較して代わり映えのない内容・中途半端な原作再現 --本作に限らずキャラゲーにありがちな事だが、一応アニメ本編をなぞってはいるものの、所々端折られていたりするため中途半端。 ---主要な戦闘はほぼ収録されているが、ストーリーはやや端折り気味。原作視聴者なら脳内で補完も可能だが、未視聴者にとっては唐突な展開に感じる。 --白兵戦や銃撃戦もアイデアこそ評価されたが、やはり中途半端だったため、より作り込むか他の要素を入れるかして欲しかったところ。 --ソロモンでの階段登りや飛来するメガ粒子砲を回避する場面等は、原作とは全く関係ないうえ難易度が高くテンポが悪い。ここで手詰まりを起こしかけたプレイヤーも少なからずいる。 -ロックオンの仕様 --右スティックで敵を索敵してレティクルに敵が収まればロックオン…という仕様だが、少しずれただけで解除されてしまう。 ---旋回速度の遅さも相まって「出来が悪く、(ロックオンが)ない方がむしろやりやすい」とまで言われてしまうことになった。 --なお、移動はロックオンに左右されず自由に可能で、またオプションでロックオン機能そのものをオフにする事もできる。 --よって、3Dアクションの「ロックオン」というよりは、一般的なTPS/FPSに備わっている「エイムアシスト」に限りなく近い。 -格闘攻撃の仕様 --格闘攻撃を当てても敵があまり怯まない他、一定数ヒットさせると高確率で反撃してくるため使い勝手がいまいち悪い。 --それに加えて格闘攻撃には誘導性が無いため、TPSというジャンル上どうしても操作しにくく慣れが必要となる。 //--ちなみにこの仕様は現在でも安定しておらず、[[アサルトサヴァイブ>ガンダムアサルトサヴァイブ]]に誘導性は無く、[[SEED BATTLE DESTINY>機動戦士ガンダムSEED BATTLE DESTINY]]にはある・・・とバラバラである。 //↑同じシリーズでもなければ開発元すら違うバトルシリーズと比較するのは適切ではないし紛らわしいのでは? -シールドが機能していない --グラフィック上ではシールドを持っているが、「盾を構えて敵機の攻撃を防ぐ」といったシステムが無い。 --TPS/FPSを知っている者からすればそれが当然((TPS/FPSは基本的に「移動や障害物で攻撃を回避する」であり、「自身で攻撃を防ぐ」という概念が導入されているTPS/FPSは、当時は勿論現在でもそう多くない。))だと割り切れても、そういうゲームとしてアピールも売り出しもしていなかった以上、それらを知らないプレイヤーに押しつけるのは非難されて然りである。 ---アニメでは何度もシールドで攻撃を防いでいるのはもはや言うまでもない。 --最低限、シールドを持っている方向や正面から来た攻撃位は何らかの方法で防げるようにするくらいの配慮は必要であっただろう。 //-バーニアの仕様 //--ゲージが一気に振り切れすぐにオーバーヒートを起こす。「他の対戦ガンダムゲーも同様の仕様なので問題ない」という意見もあるがそもそも本作は対戦アクションではない。 //---さらに前述の階段上りの存在を考えると明らかに間違った仕様である。 //↑他のゲームは関係ない。本来ガンダムは空戦兵器ではないというのは原作でも言及されており、アムロがガンダムの脚力とバーニアを組み合わせて大ジャンプ→攻撃→自由落下を繰り返しただけで「空中戦をしている」と驚かれた程である。バーニアを使って長時間の飛行ができる方が原作的にはおかしいのであり、原作を体験するという本作のコンセプトを考えれば「間違った仕様」だとは言えないだろう。 -メモリアルアクション --原作の都合上仕方がないことではあるのだが、条件が「ビームサーベルで敵を倒す」で占められているので物足りなさがある。~ 原作の名場面を自分で見つけ出すコンセプトと合っているとは言い難く、もう少しメリハリが欲しかったところ。 ---- **総評 //企業問題に近い事が大量に書かれた総評になっているので、ゲーム内容だけに沿って短く大幅カット 平たく言えば「評価点も多々あるが、全体的にボリューム不足で細部が甘い」という、良くも悪くもありふれたキャラゲーである。~ 演出・グラフィック以外の面が荒削りだった事に加えて、当時はメジャーとは言い難かったTPSの操作性を採用した点も、本作のちぐはぐ感を強調する結果となった。~ 一方で演出やグラフィックに関しては極めて良質で、操作性も好みこそ別れはしたが決して悪いものではなく、ポジティブな一面も持ち合わせている。~ しかし本作を好意的に捉えたプレイヤーでさえ、ボリューム不足については擁護しておらず、価格に見合った内容とは言い難い。~ 先述の通り「評価点も多々あるが全体的にボリューム不足で細部が甘い、典型的なキャラゲー」という評価が相応しかろう。 ---- **余談 -高売上を狙ったメーカー側が過剰に出荷した事も相まって、市場では発売してすぐに値崩れを起こす結果となってしまった。最終的な売上は33万本と目標の3分の1になってしまっている。 --このため、KOTY2005の総評では「大量出荷と値崩れにより小売の数件を閉店させた(意訳)」と評されたが、大量出荷と値崩れは事実であれど、本作が原因での閉店が確認されたわけではない。当時のKOTYは厳密な議論・検証もなく安易にクソゲー判定を付けていた事もあり、本作のあまりの値崩れと不評を端的に表現したネタの1つ程度として受け止めておくのが良いだろう。 -上記の通り「プロジェクトペガサス」に連なる作品は本作のみとなり、同プロジェクトはその後続報もなく自然消滅する事となった。 -操作システムについて --公式ページのコラムには「過去作のユーザーの反応からこのシステムを採用した」と書かれていた。~ しかしその「過去作」が一体何なのかは不明で、何を指針に本作を開発したのかは未だはっきりとしていない。 --とは言え、先述したように本作の操作性は諸手を挙げての歓迎こそされなかったものの、一定の評価自体は得ており、重く重量感を意識した操作性の作品がその後いくつかリリースされた他、白兵戦も後の作品に継承されている。 -本作を[[きっかけ>http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0505/02/news047.html]]として、バンダイとナムコは本格的な業務提携を結び、後に「株式会社バンダイナムコホールディングス」が設立される事となった。 -ゲーム内容と直接の関係は無いが、ガンプラの一大ブランド「マスターグレード(MG)」にて本作のガンダムが立体商品化された。商品名は「MG 1/100 ガンダム Ver.One Year War 0079」。 --後述のジオン系MSとは異なり新規造形((脛フレームのみ流用))となった。ゲーム中のモデリングと比較しても再現度は高い。~ 1/100モデルでは定番であったコアブロック収納をオミットして腹部に可動軸が追加、股関節のスライド機構など可動を重視した設計でアクションモデル的性格が強い。組立説明書も一般的なモノクロではなくカラーが多く使われており見やすくなっているなどガンプラとしての完成度も当時としては非常に高く好評を得ている。 --後に成形色をTVアニメ版に変えたバージョンも発売された。 --当時既に発売済みだったジオン系MSのマスターグレード商品(ザクII、グフ、ドム、シャア専用ゲルググ)でも、成形色と一部内容物を変更した本ゲームカラーバージョンが発売された。 ----
現在この記事は、[[判定変更議論スレ9>https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/51440/1572598167/l50]]で「良作」への判定変更が提案されています。~ 議論開始日:2020/03/22 初回〆日:2020/03/28 ---- *機動戦士ガンダム 一年戦争 【きどうせんしがんだむ いちねんせんそう】 |ジャンル|3Dアクションゲーム&br()※メーカー公称:一年戦争体感アクション|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/51EJ43P6CVL.jpg,http://www.amazon.co.jp/dp/B00065G7PQ,height=160)| |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|ナムコ|~| |発売日|2005年4月7日 |~| |定価|6,800円(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|82KB以上|~| |レーティング|CERO:全年齢対象|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|&color(blue){''2005年クソゲーオブザイヤー次点''}&br()大規模な広報活動の割に今までと代わり映えのしない内容&br()値段に見合わない内容の薄さ&br()好みの別れる操作性|~| |>|>|CENTER:''[[クソゲーオブザイヤー関連作品一覧>KOTYゲーム一覧]]''| |>|>|CENTER:''[[ガンダムゲームリンク>ガンダムシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ガンダムシリーズの版権を持つバンダイが商品開発力に定評があるとされるナムコと手を組み、売上100万本以上のミリオンヒット((本作の発表会を締めた「ミリオン!ミリオン!ミリオン!」という掛け声は結果的に悪い意味で語り草となる。))を目指して立ち上げた商品開発プロジェクト、「プロジェクトペガサス」の最初にして最後の作品。~ テレビアニメ『機動戦士ガンダム』の第1話から最終話までを1本のタイトルで追体験出来るのが特徴であった。~ 本作品はプロジェクト立ち上げの由来が由来であったために販売元のバンダイも宣伝に非常に力を入れており、また過去の実績としてPS2向けに発売されていたガンダムゲームの売上が50万本を軒並み超えていたこともあり、ユーザーだけでなく、小売店サイドもまたこの作品に期待を寄せていたのだが…。 **特徴・システム -操作システム --所謂TPS((Third Person shooter、3人称視点シューティングの略。))等で多く採用されている操作性を採用しており、本作において×ボタンはカメラリセットに、△ボタンは一部機体でのみ使用されるが、○ボタンと□ボタンはプレイ中一切使用しない。~ #region(本作における基本操作一覧) |CENTER:L1ボタン|CENTER:ダッシュ| |CENTER:L2ボタン|CENTER:ジャンプ| |CENTER:R1ボタン|CENTER:射撃攻撃| |CENTER:R2ボタン|CENTER:近接攻撃| |CENTER:×ボタン|CENTER:視点戻し| |CENTER:△ボタン|CENTER:第三武装攻撃| |CENTER:アナログスティック押し込み|CENTER:バルカン| |CENTER:左スティック|CENTER:移動| |CENTER:右スティック|CENTER:視点・照準移動| #endregion ---- **評価点 -美麗なグラフィック --各機体の3Dグラフィックは、足の裏のバーニアや各部のモールド等、細部に至るまで作り込まれている。後の[[クライマックスUC>機動戦士ガンダム クライマックスU.C.]]に決して劣るものではなく、「PS2のガンダム作品の中では最高レベル」と評される事もある。 --ミッション中に特定条件を満たす事で発生する「メモリアルアクション((端的に言えば原作シーンを再現できるシステム。))」もこのグラフィックが後押しして好意的に見ている意見もある。 -レアな隠し機体 --高難易度クリアやメモリアルアクション収集の特典として、追加機体がいくつか用意されている。ガンダム(ロールアウトVer)、フルアーマーガンダム、ガンキャノン重装型、ジム・スナイパーカスタム、ジム・ライトアーマーなどとMSV世代をピンポイントで狙ったものになっており、直撃世代からの評価は非常に高い。 --これらの機体のモデリングも、ガンダム同様にリデザインされている。 --今でこそ多数の機体を使用できるガンダムゲームは[[ガンダムオンライン>機動戦士ガンダムオンライン]]など複数存在するが、当時のCS作品という括りでは本作ぐらいしか存在しなかった。 -TV版をクローズアップ --それまで1stガンダム作品は、[[劇場版>機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙]]をベースにしているか、世界観だけを使った[[外伝作品>機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles]]が殆どであった。 --本作はTV版を題材にした数少ない作品であり、やや荒削り・中途半端ではあるものの、TV版を大きくクローズアップした事自体には高い評価を得ている。 --従来作では取り上げられなかった白兵戦や、ホワイトベースの機銃を用いた銃撃戦がある点も、内容こそ不十分だったがアイデアは秀逸であった。 -演出 --原作の追体験をコンセプトにしているだけあり、演出面はかなり高いクオリティを誇っている。~ 特にララァ・スン関連のシーンは相当な気合が入っており、発売から10年以上が経過した現在でも評価が高い。 --無線会話の充実。司令部からの命令や、味方の呟きや雄たけびなど、戦場を賑やかに彩ってくれる。おまけに敵の無線まで聞こえてくる演出は、ナムコ社の[[エースコンバットシリーズ]]を髣髴とさせる。 --ジャブローで流れる「哀・戦士」等は、「TV版の再現」というコンセプトからは外れる((「哀・戦士」は劇場版で追加された楽曲で、TV版では使われていない。))ものの、劇場版で評価の高いBGMが流れる点は演出面で非常に好評。 --ソロモン戦で出現するアナベル・ガトーや高難度で出現するア・バオア・クーでシャアが乗るパーフェクトジオング等も、このゲームならではの嬉しい演出。こちらも無線会話が凝っている。 ---- **賛否両論点 -独特な操作性 --本作の基本的な操作は、概ねL1~L3・R1~R3ボタンに集約されており、所謂TPS/FPSに多い操作性である。 ---これは当時の3Dアクションの主流とは大きく異なり、また当時は「TPS/FPSが少しずつ浸透してきた」という時代であったため、既存のガンダムゲームに慣れたプレイヤーからは操作し辛いという意見が多く出た。 ---逆にTPS/FPSに馴染みのあるプレイヤーからは、特にこれといった不満意見は出ていない他、本作で初めてこの操作に触れたプレイヤーからも、慣れればむしろ良好な操作性であるという評価がされている。本作の操作性自体は決して悪い訳ではない。 --ちなみに説明書には「操作性は独特だけれども、慣れてください(意訳)」と記述されている。 ---- **問題点 -ボリューム不足 --本作は多くのガンダムゲームと違ってアムロ・レイ視点でしかプレイできない他、ジオン側や他キャラクターでのプレイモードも用意されていない。 //それだけがそうなわけではないので、あえて「めぐり合い宇宙」を引き合いに出す必要性を感じない。 --ステージ数自体は全28ステージとそれなりに多いが、各ステージのボリュームには長い短い((例として、ギャロップ特攻阻止のようなミッション終了後の後処理程度の戦闘に1ステージ割いている等。))のばらつきがあり、ハードモードまで含めた通しプレイでも総プレイ時間はそう長くない(10時間かかれば長い方)。ある程度アクションやシューティングに慣れた人なら半日ほどでクリアできる、という声も。 --カイやハヤト、あるいは敵対するシャアなどの視点で見たストーリーも収録してくれれば良かったのだが、上記の通りボリューム不足感は否めない。 -歴代作品と比較して代わり映えのない内容・中途半端な原作再現 --本作に限らずキャラゲーにありがちな事だが、一応アニメ本編をなぞってはいるものの、所々端折られていたりするため中途半端。 ---主要な戦闘はほぼ収録されているが、ストーリーはやや端折り気味。原作視聴者なら脳内で補完も可能だが、未視聴者にとっては唐突な展開に感じる。 --白兵戦や銃撃戦もアイデアこそ評価されたが、やはり中途半端だったため、より作り込むか他の要素を入れるかして欲しかったところ。 --ソロモンでの階段登りや飛来するメガ粒子砲を回避する場面等は、原作とは全く関係ないうえ難易度が高くテンポが悪い。ここで手詰まりを起こしかけたプレイヤーも少なからずいる。 -ロックオンの仕様 --右スティックで敵を索敵してレティクルに敵が収まればロックオン…という仕様だが、少しずれただけで解除されてしまう。 ---旋回速度の遅さも相まって「出来が悪く、(ロックオンが)ない方がむしろやりやすい」とまで言われてしまうことになった。 --なお、移動はロックオンに左右されず自由に可能で、またオプションでロックオン機能そのものをオフにする事もできる。 --よって、3Dアクションの「ロックオン」というよりは、一般的なTPS/FPSに備わっている「エイムアシスト」に限りなく近い。 -格闘攻撃の仕様 --格闘攻撃を当てても敵があまり怯まない他、一定数ヒットさせると高確率で反撃してくるため使い勝手がいまいち悪い。 --それに加えて格闘攻撃には誘導性が無いため、TPSというジャンル上どうしても操作しにくく慣れが必要となる。 //--ちなみにこの仕様は現在でも安定しておらず、[[アサルトサヴァイブ>ガンダムアサルトサヴァイブ]]に誘導性は無く、[[SEED BATTLE DESTINY>機動戦士ガンダムSEED BATTLE DESTINY]]にはある・・・とバラバラである。 //↑同じシリーズでもなければ開発元すら違うバトルシリーズと比較するのは適切ではないし紛らわしいのでは? -シールドが機能していない --グラフィック上ではシールドを持っているが、「盾を構えて敵機の攻撃を防ぐ」といったシステムが無い。 --TPS/FPSを知っている者からすればそれが当然((TPS/FPSは基本的に「移動や障害物で攻撃を回避する」であり、「自身で攻撃を防ぐ」という概念が導入されているTPS/FPSは、当時は勿論現在でもそう多くない。))だと割り切れても、そういうゲームとしてアピールも売り出しもしていなかった以上、それらを知らないプレイヤーに押しつけるのは非難されて然りである。 ---アニメでは何度もシールドで攻撃を防いでいるのはもはや言うまでもない。 --最低限、シールドを持っている方向や正面から来た攻撃位は何らかの方法で防げるようにするくらいの配慮は必要であっただろう。 //-バーニアの仕様 //--ゲージが一気に振り切れすぐにオーバーヒートを起こす。「他の対戦ガンダムゲーも同様の仕様なので問題ない」という意見もあるがそもそも本作は対戦アクションではない。 //---さらに前述の階段上りの存在を考えると明らかに間違った仕様である。 //↑他のゲームは関係ない。本来ガンダムは空戦兵器ではないというのは原作でも言及されており、アムロがガンダムの脚力とバーニアを組み合わせて大ジャンプ→攻撃→自由落下を繰り返しただけで「空中戦をしている」と驚かれた程である。バーニアを使って長時間の飛行ができる方が原作的にはおかしいのであり、原作を体験するという本作のコンセプトを考えれば「間違った仕様」だとは言えないだろう。 -メモリアルアクション --原作の都合上仕方がないことではあるのだが、条件が「ビームサーベルで敵を倒す」で占められているので物足りなさがある。~ 原作の名場面を自分で見つけ出すコンセプトと合っているとは言い難く、もう少しメリハリが欲しかったところ。 ---- **総評 //企業問題に近い事が大量に書かれた総評になっているので、ゲーム内容だけに沿って短く大幅カット 平たく言えば「評価点も多々あるが、全体的にボリューム不足で細部が甘い」という、良くも悪くもありふれたキャラゲーである。~ 演出・グラフィック以外の面が荒削りだった事に加えて、当時はメジャーとは言い難かったTPSの操作性を採用した点も、本作のちぐはぐ感を強調する結果となった。~ 一方で演出やグラフィックに関しては極めて良質で、操作性も好みこそ別れはしたが決して悪いものではなく、ポジティブな一面も持ち合わせている。~ しかし本作を好意的に捉えたプレイヤーでさえ、ボリューム不足については擁護しておらず、価格に見合った内容とは言い難い。~ 先述の通り「評価点も多々あるが全体的にボリューム不足で細部が甘い、典型的なキャラゲー」という評価が相応しかろう。 ---- **余談 -高売上を狙ったメーカー側が過剰に出荷した事も相まって、市場では発売してすぐに値崩れを起こす結果となってしまった。最終的な売上は33万本と目標の3分の1になってしまっている。 --このため、KOTY2005の総評では「大量出荷と値崩れにより小売の数件を閉店させた(意訳)」と評されたが、大量出荷と値崩れは事実であれど、本作が原因での閉店が確認されたわけではない。当時のKOTYは厳密な議論・検証もなく安易にクソゲー判定を付けていた事もあり、本作のあまりの値崩れと不評を端的に表現したネタの1つ程度として受け止めておくのが良いだろう。 -上記の通り「プロジェクトペガサス」に連なる作品は本作のみとなり、同プロジェクトはその後続報もなく自然消滅する事となった。 -操作システムについて --公式ページのコラムには「過去作のユーザーの反応からこのシステムを採用した」と書かれていた。~ しかしその「過去作」が一体何なのかは不明で、何を指針に本作を開発したのかは未だはっきりとしていない。 --とは言え、先述したように本作の操作性は諸手を挙げての歓迎こそされなかったものの、一定の評価自体は得ており、重く重量感を意識した操作性の作品がその後いくつかリリースされた他、白兵戦も後の作品に継承されている。 -本作を[[きっかけ>http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0505/02/news047.html]]として、バンダイとナムコは本格的な業務提携を結び、後に「株式会社バンダイナムコホールディングス」が設立される事となった。 -ゲーム内容と直接の関係は無いが、ガンプラの一大ブランド「マスターグレード(MG)」にて本作のガンダムが立体商品化された。商品名は「MG 1/100 ガンダム Ver.One Year War 0079」。 --後述のジオン系MSとは異なり新規造形((脛フレームのみ流用))となった。ゲーム中のモデリングと比較しても再現度は高い。~ 1/100モデルでは定番であったコアブロック収納をオミットして腹部に可動軸が追加、股関節のスライド機構など可動を重視した設計でアクションモデル的性格が強い。組立説明書も一般的なモノクロではなくカラーが多く使われており見やすくなっているなどガンプラとしての完成度も当時としては非常に高く好評を得ている。 --後に成形色をTVアニメ版に変えたバージョンも発売された。 --当時既に発売済みだったジオン系MSのマスターグレード商品(ザクII、グフ、ドム、シャア専用ゲルググ)でも、成形色と一部内容物を変更した本ゲームカラーバージョンが発売された。 ----

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