ボンバーマン

【ぼんばーまん】

ジャンル アクション
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 ハドソン
開発元 ラクジン
発売日 2005年5月19日
定価 4,800円
プレイ人数 1~8人
レーティング CERO:A (全年齢対象)
判定 なし
ボンバーマンシリーズ


概要

ボンバーマンシリーズにおける初のニンテンドーDS用ソフト。
DSの機能を活かした新要素が多数用意されているのが特徴。

なお本作を開発したラクジンはボンバーマンランドシリーズを制作した会社である*1
そのためか本作のボンバーマンはボンバーマンランドシリーズに近いデザインとなっている。


ゲームシステム

  • ノーマルゲームは全10ワールド、1ワールドにつき10面の全100面。各面の敵を全て倒しブロックの中に隠されている出口を見つけて入るというおなじみのルール。
    • 出口に爆風を当てたり制限時間がなくなると敵が出現するというシリーズ初期のシステムが復活している。
    • 各ワールドの5面クリア後にはボーナスステージが登場。下画面で無敵状態のボンバーマンを動かして敵を全滅させると上画面への通路が開き、そこで大量のアイテムを獲得できる。ただし時間制限あり。
    • 各ワールドの10面はボス戦となっている。
    • 5面クリアごとに自動でセーブされる。それとは別にステージ開始前に中断セーブも出来る。再開すると中断セーブは削除される。
  • 今作の最大の特徴がアイテムストック。取ったアイテムはいったんストックされ、それを使用する事で効果を発揮する。
    • ストックされたアイテムは下画面に表示され、使いたいアイテムをタッチする事で使える。
    • ステージ開始前でもステージ攻略中でも使用可能。ステージ開始前ならキャンセルすることも可能。
      • ボーナス面は突入前後全て、ボス面は突入後は使用不可。いずれも上下両方の画面をフルに使ったフィールドになるため、その影響もある。
    • 火力アップ、ボム数アップ、スピードアップの基本能力のアイテムは死ぬまで有効。ボムキック、リモコンなどの強力なアイテムは使ったステージのみ有効、とボンバーボーイに近いシステムになっている。
      • 壁抜けや無敵スーツなど特に強力なアイテムは時間制限つきになっている。制限時間は各アイテムのゲージで確認できる。
  • バトルゲームではなんと8人対戦が可能に。上画面と下画面に4人ずつに分かれる(例外あり)。
    • バトルルールは主に以下の3つ。
    • ノーマル。ボムで攻撃しあい、最後まで生き残った者の勝利といういつものルール。
    • クラウン。全員が下画面からスタートし、上画面にある王冠を最初に手に取った者の勝利。
    • パネル。爆風で床の色を変える事が出来る。制限時間終了時に最も多く塗り替えた者の勝利。
  • 新たにスロットというシステムが登場。バトル開始前にスロットがまわり、出た絵柄によって最初からいくつかのアイテムを持った状態でスタートする。
  • 新要素というわけではないが、ドクロで病気になったプレイヤーは本作では他のプレイヤーにわからなくなった。そのため病気持ちとわからずに他のプレイヤーに接触して病気をうつされるという事が起こりうる。個人で画面が独立している携帯機ならではの要素である。
  • いくつか新アイテムもある。
    • デンジャラスボム。爆風が四角形に広がる。過去作ではキックしたボム同士をぶつける事で作れたが今作では正式にアイテムになった。
    • シールド。Yボタンで盾を構える。構えている間は真正面からの爆風を防げる。
    • メガネ。使用するとブロックの中に隠されているアイテムや出口が見える。
    • 時計。使用すると制限時間が1分増える。
    • ?(はてな)。取るとランダムで何かのアイテムの効果が出る。パワーダウンアイテムやドクロも含まれるのでパワーアップするとは限らない。これしか出てこないバトルステージもある。

評価点

  • アイテムストックのおかげでアイテムの価値が上がった。
    • 過去作ではある程度アイテムが揃うとアイテムの価値が下がっていったが、本作では一度死ぬと使用中のアイテムは全て失われるのでそのための予備として確保しておくためにも、アイテムは出来るだけ取った方がいい。
    • 溜めていたアイテムを使用できることから、ソフトブロックが大量に敷き詰めているステージでは貫通ボムを使う、といったステージに応じたアイテムの使用が可能になった。
    • アイテムを使用した時にはボイスが流れる。
  • ノーマルゲームは全100面なのでなかなかのボリューム。
  • 登場するボスのほとんどはPCエンジン版やSFC版からの再登場。経験者なら懐かしい顔ぶれである。
    • ラスボスはなんと『スーパーボンバーマン4』の1面ボスだったドグーン。今作はラスボスという事で別物レベルで強化されてはいるが、かつての初期ボスがまさかの大出世である。
    • ザコ敵にも過去作で登場した敵が多い。
  • 携帯機で8人対戦を実現した事。
    • 過去作でこれと同等かそれ以上の人数での対戦を実現したのは『サターンボンバーマン』と『ネットでボンバーマン』のみ。他は大抵4人、多くても5人だった事を考えれば本作の8人対戦実現はなかなかとんでもない。

問題点

  • ノーマルゲームが地味すぎる。
    • ギミックやトラップの類が全くない。せいぜいハードブロックが変則的に並べられていたり、ソフトブロックが大量に設置されていたりとその程度。
    • ストーリーもほぼあってないようなもので、ラスボスも事件の黒幕とか悪の大ボスとかではなく本当にそれまでのボスと変わらない存在感。
    • 後に発売された『ボンバーマンポータブル』では改善されている。
  • ポーズ中はアイテムが使用できない。
    • そのためハートや無敵で緊急回避、というやり方が使いにくい。
    • これも『ポータブル』では改善されている。
  • ミスすると、ファイアーアップやボムアップなどの全てのアイテムが剥奪されるため、ミスしても継続だった旧作と比べるとややこしい点がある。
  • 後半のボスは前半のボスの強化版なので新鮮味が薄れてしまう。
  • パンチやパワーグローブでボムを飛ばせる距離がわずか2マス分と短く使いにくい。
  • クリア後のセーブは存在しないため、セーブファイルに表示されるクリア率は95%が最大と中途半端になる。
  • 今作のみそボンは画面下からボムを飛ばす形式に変更されているのだが、飛ばすのにタッチを使用する。そのため狙った場所に飛ばすのは難しい。
  • サウンド○○という名前のバトルステージはDSのマイク機能を使用するため慣れるまでは扱いが難しい。
    • 声でリモコンボムを爆破する「サウンドリモコン」、声でボムを置く「サウンドボム」、声でシールドを構える「サウンドシールド」、どれも通常ならボタン1つで出来る事をマイクでやるため非常に癖が強い。

総評

携帯機で8人対戦を実現したのは見事という他ない。
他にも意欲的な新要素が色々用意されている。全てが上手くいったとは言い難いが…
一方でノーマルゲームは普通に遊べる出来ではあるものの、いかんせん地味すぎるという大きな欠点を抱えてしまい、手放しに良作と呼ぶにはいささか苦しい内容となってしまっている。


最終更新:2024年05月29日 06:05

*1 ハドソン絡みでは過去に『天外魔境 真伝』(AC/NG)の開発も手掛けている。

*2 火力が一気に最大レベルまで上がる

*3 ソフトブロックをボムの炎が貫通する。フルファイヤーと合わせると大変な事に…