このページでは、オリジナル版のPS『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』について解説しています。
後の3DS移植版については、リンク先参照。
【どらごんくえすとせぶん えでんのせんしたち】
ジャンル | RPG | 高解像度で見る 裏を見る |
対応機種 | プレイステーション | |
メディア | CD-ROM 2枚組 | |
発売元 | エニックス | |
開発元 |
ハートビート アルテピアッツァ |
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発売日 | 2000年8月26日 | |
定価 | 8,190円(税込) | |
プレイ人数 | 1人 | |
セーブデータ | 1ブロック使用 / 最大15ファイル保存可 | |
レーティング | CERO:全年齢対象(*1) | |
廉価版 | PS one Books: 2005年2月3日/3,675円 | |
アルティメットヒッツ: 2006年7月20日/2,625円 | ||
備考 |
初期出荷版はフリーズ頻発につき購入時要注意 後期出荷版への交換対応は行われていない |
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判定 | 賛否両論 | |
ポイント |
フリーズに怯えながらのプレイを強いられる初期版 魅力だが重い展開や鬱イベ、石版集めなど賛否両論 職業間と呪文・特技間のバランス問題 あまりにも出来が悪過ぎて怖いムービー ロード時間や戦闘バランス等光る点もあり |
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ドラゴンクエストシリーズ |
国民的RPG『ドラゴンクエスト』シリーズの第7作。
5年ぶりの新作で、雑誌等で大々的に告知されたり発売延期を重ねるなどして発売前から話題を集め続けていた。
その分ファンの期待も大きく、PSソフトの国内販売本数1位の、ゲーム史に残る作品となっている。
シリーズ内の販売本数で『III』が持つ記録を以来12年ぶりに塗り替えている。
新聞やテレビでも発売が報じられたほか、発売日に買えなかった高校生が同級生を恐喝し奪おうとする事件も報道されるなど、社会での扱いも『III』以来の大々的なものとなった。
「世界を広げていく」物語
仲間との会話
グラフィックの向上
転職システム
移民の町
モンスター図鑑
モンスターパーク
世界ランキング協会
その他
不便さを感じさせないシステムや演出面、操作性
個々のエピソードのテンポの良さと作り込み
メインシナリオの戦闘バランス自体は良好で、職業選択の自由度も高い
個性的なボスキャラ達
+ | ネタバレ注意 |
会話システムの導入によるメインキャラクターの人物像演出
個性豊かなNPC
カジノの爽快感
終盤のやり込み育成のやりやすさ
音楽
文字通り「100時間遊べるRPG」
時代またぐおつかいイベントの繰り返し
全体的にストーリーが陰鬱として重く、過去世界の雰囲気が暗い
以下、暗いエピソードをいくつか挙げる。
+ | ネタバレ注意 |
+ | レブレサックのイベント概要(ネタバレ注意) |
ただし、本作の「暗くて陰鬱なエピソードばかり」という評価はネット上ではやや誇張して語られがちであるということは留意しておきたい。
最序盤のイベントの長さ
前半の山場・ダーマ神殿の難易度、転職可能になるまでの遅さ
終盤の盛り上がり不足
復活させた大地のスケールの小ささ
強弱の激しすぎるボス難易度
+ | 強いボスの例(ネタバレ注意) |
+ | 弱いボスの例(ネタバレ注意) |
膨大なやり込み要素
取得ゴールドと装備のバランス
メインキャラクターのビジュアル面
「石版集め」の大変さ
キャラクターの入れ替わりに関する諸問題
+ | プレイヤーキャラの離脱・加入に関する詳細(ネタバレ注意) |
一部のムービー映像の質が低い
+ | 参考動画 |
調整不足が見られる雑魚戦のバランス
職業育成のバランスにおける新たな問題
前作で指摘された呪文・特技のバランスの悪さが未解消
前作『VI』でも同様の問題を指摘されており、根本的解消に至っていない。
この全体像についてはSFC版『VI』の記載内容とほぼ同様のため、そちらを参照されたい。
以下、今作での問題点を記述する。
+ | 強力な特技の例 |
+ | 攻撃呪文の不遇さ |
収集要素が面倒
隠しダンジョンへの石版の取得に収集・寄り道要素が必須
あるアイテムの入手方法が奇想天外な方法に設定されている
※これらのバグは後期出荷版ではあまり発生しません。
シナリオ全体としては世界を解放して広げていくという冒険感溢れるストーリー展開となっており、そこで語られる「必ずしもハッピーエンドで終わらない」個々のシナリオも、重さと暗さを多分に含んだ内容に賛否はあれど、印象深いものや評価の高いものは多い。
一方で、石版集めに苦労させられたり必須イベントがあまりにも多すぎたりしたことから、作業量の多さに音を上げてしまったプレイヤーが多かった。
また、やり込み要素がたくさんある反面、それがストーリーの攻略に少なからず必要な局面があることもプレイヤーを挫折に追い込む一因となった。
大ボリュームや重い展開からハマる人は非常にハマる一方で、保守的路線・王道路線を貫いているドラクエシリーズの中においては極めて異端・異質ともいえる作風に加え、莫大な手間と時間を必要とするゲームデザインから大きく賛否の分かれる作品である。
+ | 前述のプレイヤーキャラの離脱に関する余談(ネタバレ注意) |
発売延期にまつわる諸事情
*1 廉価版で付与されたレーティングを記載。
*2 後に『ポケモンコロシアム』を作ったジニアス・ソノリティと社長が同じ
*3 PS2版『V』や『オプーナ』を作る
*4 背景のみ3Dになっており、技や呪文の演出に応じてカメラが動く仕掛けがある。
*5 DS版ではソフト側での自動削除が復活しており、セーブ枠が1つしかない『IX』のみ、データ破損後の起動時に復旧を試みてくれる(100%復活の保証はもちろん無い上に、失敗すると例の演出が久々に入ってくるが)。
*6 3DS版は全階層で各曲調のメドレー形式の曲が流れる。
*7 実際、本作のコミカライズ版『エデンの戦士たち』ではその欠点を解消しようと努めている節がある。
*8 新しい町の装備品が欲しくて周辺でお金を稼いでいる最中、MPが減ってきたからと宿屋で休んだらそのお店が消滅してしまう等
*9 人間の国に嫁いだホビットの姫が早世した事による関係悪化。ホビットの長老自身も逆恨みのようなもんだと認めているが、感情的に仕方ないものでもある。
*10 その中でものうのうと「私はあの魔物が神父様だって気づいてたよ!」などとのたまう輩もいる。ついでにこの人物、終始あまりに傲慢かつ自分勝手な発言が多く、レブレサックに理解を示すプレイヤーからも擁護されないケースがほとんど。
*11 ストーリーの進行上、不自然な地点に教会が存在して、中に居るNPCが「ここから先に進むのならば冒険の書に記録(セーブ)した方がいいぞ」と話すので勘のいい人やちゃんと会話を拾う人ならば「この先に重大なイベントがあるから冒険の書を残しておいた方がいい」と推測出来るのだが、救済措置として機能したかは怪しい。
*12 前作のグラコスの行動パターンは1ターンに1回行動となっていた。
*13 本作のベホイミは敵が使っても回復量が同じであるため、4桁のHPを持つ敵がたった2桁の回復をしたところで無意味に等しい。
*14 『V』のゴンズやラマダ等
*15 『VI』のズイカク・ショウカク等
*16 公式サイトのキャラクター紹介ページ(※3DS版)を参照。
*17 年齢設定は16歳のため実は「少年」という程ではない。他作品の主人公達とあまり変わらない歳である。
*18 厳密に言えば、キーファはユバール編開始して早々にパーティから離脱するため、キーファ離脱直後はユバール編であるのだが、ユバール編はボス戦も無く難易度が低いためすぐに終わり、パーティから離脱してもシナリオにはガッツリ関わってくるためユバール編で離脱しているという印象が薄く、キーファ離脱直後にダーマ編という印象になりやすい。
*19 この件について「同じく呪文を持たないDQ6のハッサンはMPが上がる」と引き合いに出される事があるが、実の所ハッサンも「レベル10まではMPが上がらない」。キーファに関しても「今はMPが上がらないが、転職が近づく頃には上がるのだろう」と考えてしまう事もできる。
*20 キーファ離脱後にマリベルの父親に話しかけると「キーファのようにマリベルが戻ってこなかったら…」と不安を吐露しており、心労を重ねている。キーファの離脱が病の遠因であると言えなくもない。そしてマリベルが看病するとみるみる元気を取り戻していく。
*21 ラストダンジョンに突入可能な段階になってフィールドと海にも数体登場するようになるが、そちらは出歩く必要が無い。
*22 景品交換所ではなく前述の新ゲーム「ラッキーパネル」の景品で入手できる。ドロップを待つよりははるかに楽なのだが、出現率はやはり低く、この方法では手に入らない種類の心も多い。
*23 サンダーラットとダンビラムーチョ
*24 シリーズ最強の攻撃呪文「マダンテ」を覚えるのはローズバトラー職限定。他の魔法系職業や、『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』で習得できたにじくじゃくでもない。なぜこんな設定にしたのかと首を傾げる人は多い。
*25 ただし一部モンスター職にはマスターすると以前より耐性が低下するものがある。
*26 しかも1ページめくる度に1秒弱も要する。
*27 とは言え、特別な宝箱に関する情報はとある人物から得ることができ、全ての人物に話しかけ探索して回るプレイヤーなら、気付くのはさほど難しくはない。
*28 ちなみにチートで取ると実際の中身は空っぽらしい。
*29 初版以外ではガボ(正しいメンバー)に差し替えられている。
*30 これ以外にもかなりいい加減な内容が書かれている。メルビンが質問に答える「導きの館」のコーナーで、多くのプレイヤーを悩ませたティラノスの行方に関する質問に関して「事件に巻き込まれた」など。
*31 能力値を永続的に増強する消費アイテム。
*32 『ファミ通.com』2018年12月8日付記事。
*33 例えば、本編に全く関係ないオリジナルストーリーが連載期間で1年以上続くなど。
*34 64DDソフトのメディア(磁気ディスク)の総容量は64MBとPSのCD-ROMに比べて1割程度だが書き換えできる部分が38MB(全体の約60%)にも及び、これはPSのメモリーカード(128kB)の3000倍近くにもなる。
*35 64本体のシェアが伸びなかった影響で延期を繰り返し1999年末にやっと「本体はレンタル扱い」で当初の想定とは違った形のネットワークサービスの形で供給開始。ただ結果的にはわずか1年3ヶ月の短期間でサービス打ち切りとなり、その代償として本体の返却は不要となった。
*36 このため「PS2初のキラータイトルはマトリックスのDVD」と揶揄された。またソフト売上自体は前身機のPS1よりも下落傾向にあった。
*37 当初のPS2は販売価格が1万数千円ほど原価割れしていた。