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*THE KING OF FIGHTERS '99 【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず ないんてぃないん】 |ジャンル|対戦格闘|~| |対応機種|アーケード(MVS)|~| |発売・開発元|SNK|~| |稼動開始日|1999年7月22日|~| |判定|なし|~| |ポイント|意欲作だが地味な印象を拭えず&br()主人公交代&br()演出・BGMは好評|~| |配信|バーチャルコンソール&br【Wii】2012年12月18日/900Wiiポイント|~| |>|>|CENTER:''[[KOFシリーズ関連作品リンク>THE KING OF FIGHTERSシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -『餓狼伝説』や『龍虎の拳』といった、SNKの人気タイトルのキャラクターがプレイヤーキャラクターとして参戦するドリームマッチ対戦格闘ゲームKOFシリーズの第六作目。 -オロチ編完結後の新たなストーリーを描く、ネスツ編第一章。これに伴い、作中を取り巻く雰囲気も全体的に大きく転換した。 --主人公は草薙京の炎を操る能力を移植された青年・K'(ケイダッシュ)に変更。前作までの主人公である草薙京や八神庵は本作では隠しキャラクターである。 ---なお、京は本作から学ラン風の衣装を卒業し、スタイリッシュな私服姿に変わっている。((設定では「拉致されてたネスツの研究所から逃げるときに拝借してきた」とのことらしいが、妙に着こなしているともっぱらの噂。)) --背景に待ちキャラがいたが今回から削除された(援護攻撃も廃止された)が、次のキャラクターが画面外から登場するのは変わらなかった。 --本作は彩京の『[[堕落天使 -The Fallen Angels-]]』の影響が設定などに見られる所もある。 **ストーリー >キング・オブ・ファイターズを開催する~ 対戦形式は3対3。ただし今大会は"ストライカーマッチ"を採用する… 世界各地の格闘家たちへ届けられる、キング・オブ・ファイターズへの招待状。~ だが今回はいつもとは様子が違っていた。招待者の周りで、前大会のような世界規模の盛り上がりを見せる気配が一向にないのだ。~ 不審に思う格闘家たちに、さらに輪をかけて、対戦形式にも新しいルール規定"ストライカーマッチ"が…。~ 聞き慣れない対戦形式に、格闘家たちはとまどいを隠せずにいた。 ---- 大会にキナ臭いものを感じたハイデルンは、ラルフたちを送り込み、大会開催の真相究明に乗り出す。 一方、二階堂紅丸も招待選手で結成されたスペシャルチームの一員として、KOFに招かれる。 あらかじめ記されたチームメイトの名前にはK′(ケイ・ダッシュ)とマキシマという名前のみ。 格闘界では見たこともない名前に紅丸は困惑し、釈然としないまま開催地へ向かう。 やはり今度の大会には何か裏があるのか? 様々な謎をはらみつつ…今年もまた、キング・オブ・ファイターズが幕を開ける。 -『'97』のラストで行方不明になった京はネスツという組織に捕獲されており、そこで草薙の炎の解析を受けクローンを作られてしまう。新主人公のK'はその際、京の炎を移植された別人のネスツ工作員であった…というあらすじ。 -日本神話がモチーフとなった神秘的な前シリーズとはうって変わり、SFサイバー系の物語となったが、この方針転換は前作よりもスケールダウンを感じさせるようになった…というのが大方の評価である。 **特徴・システムなど -3on3の勝ち抜き戦方式(ラウンド制)で試合を行う。1人倒したら次のラウンド前に残り時間に比例し若干体力が回復する。相手チームを全員倒したら勝利。ここまでは同じ。 -4人目に選択するキャラクター「ストライカー」 --マヴカプのようなアシスト、もしくは援護攻撃を発展させたような新システム。画面下のストライカーボムがある限り使用可能。使用時には画面が一時暗転する。 ---また、本作から2001までの間は最大4人構成のチームとなっている。 -緊急回避動作(前転・後転)は「かわし移動」に変更された。 --「前かわし」は前転に近いが、動作中にボタン入力で「かわし攻撃」を出すことが可能。キャンセルはカウンターモード時のみ可能。アーマーモード時は削り能力が付加される。 --「後かわし」はバックステップしてすぐに元の位置に戻る動作。はっきりいって使いにくい。 --ガードキャンセル緊急回避動作はこれまで同様前転・後転。投げられ判定は無くなった。 --ガードキャンセルふっとばしは前作で止めに使うという露骨なプレイが横行したためか、ダメージゼロになった。ちなみにアンディとクラークのみは必殺技でキャンセル可能。 -パワーMAX状態に変わって追加された新モード「カウンターモード・アーマーモード」 -カウンターモード --ゲージMAX時(ゲージ3本)に、ABC同時で発動。 --攻撃力が上がり、かわし移動攻撃がキャンセル可能に。 --効果時間中は超必殺技連発可能。一部の超必殺技は発生スピードが変化(速くなる物も有れば、逆に遅くなる物もある) ---さらに必殺技を超必殺技で連繋するスーパーキャンセル(必殺≫超必殺)が可能 --ヒットバックが大きくなってガードキャンセル不能になる。 -アーマーモード --ゲージMAX時にBCD同時で発動 --一定時間打撃に仰け反らないスーパーアーマー効果を得るが、かわし移動攻撃でのみ吹っ飛ばせる ---同時に防御力も上がり、必殺技では削りダメージも受けなくなるが、反対にかわし移動攻撃にはガード削りも発生してしまう。 --超必殺技は出せなくなる。 --ヒットバックが大きくなってガードキャンセル不能になる点は同じ。 -超必殺技の変更点 --カウンターモード・アーマーモードの追加でパワーMAX状態は廃止。超必殺技・MAX超必殺技の分岐が完全に体力に依存するようになった。 --また、本作はストックしたパワーゲージを次のキャラクターに引き継ぐことは一切出来ない(必ずゲージがリセットされてしまう)。 -前述の通り、背景に待ちキャラが登場しなくなったため、気絶時やつかみ技を喰らっている時の援護攻撃も無くなった。 --つかみ技(ジョー東の膝地獄など)が投げ技はずしされない点は変更は無い。なのでつかみ技はコマンド投げ感覚で使えるようになった。 -CPU戦の得点もこれまでの一般的なものではなく、「バトルアビリティー」と呼ばれる試合内容を評価してポイントを増減する、『餓狼伝説シリーズ』に似た独特のものとなり、続編の『[[2000>THE KING OF FIGHTERS 2000]]』まで使用された。 --なお、このバトルアビリティーが隠しボスの草薙京または八神庵と対戦するための条件となっている(デフォルトチームでプレイした場合のみ)。 **キャラクター -前述の通りシリーズ初の主人公変更が行われ、また4人チームになったことからチーム編成にも大幅な変更が行われた。 --主人公チームは新主人公K'とそのパートナーのマキシマ、二階堂紅丸と矢吹真吾。 --餓狼チームは前作のメンバーに不知火舞、龍虎チームはタクマ・サカザキを加えた4人。 --怒チーム、サイコソルジャーチーム、キムチームは前作のメンバーにそれぞれの新キャラ(ウィップ、包、ジョン・フーン)が加わった。 --女性格闘家チームは一番メンバーの変更が大きく、キングに「'97スペシャルチーム」のブルー・マリー、『'96』以来の復活となる藤堂香澄、『リアルバウト餓狼伝説2』から新規参戦の李香緋の4人。 --エディット専用キャラクターは草薙京のクローンである「草薙京-1」「草薙京-2」。前者が『'95』ベース、後者が『'98』ベースと差別化されていた。 --前主人公の草薙京とライバルの八神庵は隠しキャラクター扱いで、MVSの設定と隠しコマンドによってプレイヤーも使用可能となった(タイトル画面の下部に「K・I」という文字が表示されてると使用可能。ネオジオ版では最初から隠しコマンド無しで使用できる)。 ---実はこの2人は本作では「KOF新章」という意味合いから、当初は作中に全く登場させない予定だったらしい。 ---だが2人共KOFの顔とも言うべきキャラクターで、ファンからの相当な人気もあり反発を招きかねないという理由から、商業的な判断から結局出さざるを得なくなったのだそうな((カプコンの『ストリートファイターIII』でも、当初は『ストII』のキャラは登場させない予定だったが「リュウとケンがいなければストリートファイターじゃない」ことからこの2人が登場することとなった。))。 --ラストボスはネスツ幹部のクリザリッド。PS・DC版ではプレイヤーも使用可能だが、お手軽に永久が出来る等はっきりいって厨性能。CPUが使ってこないのが救いか。 **評価点 -BGMの出来の良さ。 --殆どのチームBGMの出来は歴代でもトップレベルである。中でも主人公チームの「KD-0079」、草薙京の「tears」は非常に評判が高い。後のKOFでも、たくさんのアレンジバージョンを生み出し採用され続けた。 -背景のドット絵も非常に凝っている。CPU戦の演出も非常に良好。 --これだけは本当に非の打ち所がないと無いと言っても過言では無い。新しいKOFの世界を描き切るための第一作としては文句なしのクオリティ。DC版のそれはより非常に凝っている。 --特筆すべきはステージ5の用水路ステージ。ROUND3に入ると、途中でエレベーターが作動し降下しだすという従来には見られなかった演出は今でも色あせない。 **賛否両論点 -作風の方向転換 --神秘的要素も強かったオロチ編からSF要素の強いネスツ編への変更や、それに伴う主人公の変更にはやはりファンの間でも評価が分かれた。 ---マンネリ気味だった事もあり、心機一転したことを評価する声もある一方、KOFらしさがなくなったという声も多かった。 **問題点 -ストライカーの使いにくさ --召喚時にいちいち止まってテンポが悪くなるが、[[続編>THE KING OF FIGHTERS 2000]]ではそれが悪い意味で進化してしまっている…。 ---香緋に至っては攻撃を全くせず、直接的な攻めや守りには全く使えない。~ 相手を挑発した時間に応じてパワーゲージを減少させるもので、最後まで挑発させると3本分のパワーゲージをゼロにまで下げるという一風変わった効果を持つが…。 -システムの複雑化 --上にあげたカウンターモードやアーマーモードなど正直使える時があまり無い為、正直言うと蛇足になるかもしれない(一部のキャラクターは凄い恩恵を受けるのだが。) -お手軽すぎる永久。 --椎拳崇の龍連打が強すぎる。 ---龍連打>龍連打 が連続ガードになるためガードキャンセルをしない限り抜け出す方法が無く、一生削り続けられる。 ---龍連打>立ちCor立ちD>龍連打も連続ガードになり、これだとガードゲージまで削られるので、ガーキャン用のパワーゲージを待たずにガードクラッシュを起こしてしまう。 --浮かせた相手に強穿弓腿の2段目だけを当てると追撃可能なまま落ちてくるので、もう一度穿弓腿の2段目だけを当てるとそれだけで永久連続技が完成する。画面端限定という条件はあるのだが、拳崇には龍連打と言う前進して相手を押し込みながら相手のガードを割ってくれる超技があるので・・・。 -一部の技が強すぎる。 --前述の拳崇以外にも強力すぎる技を持つキャラクターが結構居た。 --代表的なのがチョイ・ボンゲの特殊技の骸突き((その名の通り、モーションが『幕末浪漫第二幕 月華の剣士』のキャラクター「骸」が使う技に酷似している。))。ガードすると強制的にガードクラッシュを誘発し、キャンセル鳳凰脚(MAX版除く)が確定する。しかも通常技をキャンセルして骸突きに繋ぐことができるため、しゃがみ強Pから出されると前段階でガードキャンセルしない限り回避できない。 --レオナのイヤリング爆弾2・ハートアタックもヒットさせると相手がレオナの技をガード出来なくなる。さらなる追撃で大ダメージが取れる上、この技自体がキャンセルで連続技に組み込めるため強力すぎる技だった。 --ウィップのジャンプ強Pは打点を極端に低くすると「中段判定+下段判定」という扱いになり、事実上ガード不能になる。 -大幅なキャラクターのリストラ --ストーリー上仕方ないとはいえ、オロチ系のキャラクターが大幅に減ってしまったことは少なからず批判の対象となった。 --ただし大門五郎はスタッフ曰く、どう調整しても強キャラになってしまったため最終手段としてリストラしたとのことである。 ---だが大門に加えシェルミー、バイス、乾いた大地の社と名だたる投げキャラがリストラされてしまったため、本作で純粋な投げキャラと呼べるのはクラーク一人だけになってしまった。 -細部に見られる作りこみの甘さ --K'、ウィップの二人は前かわしの無敵時間が他キャラよりも異常に短く、飛び道具すらまともに抜けられない。 --ジョン・フーンのみ、何故かガードクラッシュののけぞりが全身無敵になっている。前述の骸突きキャンセル鳳凰脚も入らない。 --李香緋はダウン回避に無敵時間が存在しないため、ダウン回避に技を重ねられると無条件で喰らってしまい、連続ヒット扱いになってしまう。 --クラークの超必殺技ランニングスリーとストライカーマリーを同時にヒットさせると、バグったような動きになりダメージが激増するという謎現象が起こる。 **総評 BGMや背景のドットは至高のレベルであり、上に挙げた龍連打や穿弓腿、骸突きを封印すれば特にバランスも悪いわけではないのだが…~ 偉大すぎた前作や前シリーズとの落差が強く感じられてしまった作品である。 ---- **家庭用移植 オムニバスソフトはSNKプレイモア、それ以前のソフトはWindows版を除けばSNKが発売元である。 -ネオジオROM版(1999年9月23日発売) --MVS版と同等。 -ネオジオCD版(1999年12月2日発売) --歴代のNCDソフトの中でも最悪クラスのロードの長さが大問題とされる、およそロードに30秒以上かかりテンポは最悪。NCD最後のリリースソフトでもある。 -プレイステーション版(2000年3月23日発売) --流石に同時期の他機種に比べると移植度の面では劣るとされる。キャラクターのカラーエディットが可能。SNKが手がけたPS版最後のKOF移植でもある。 -ドリームキャスト版(2000年3月30日発売) --ゲームタイトルは『THE KING OF FIGHTERS '99 EVOLUTION』となっている。厳密にいえばアレンジ移植の類で、新規ストライカーの追加や背景を3D化したものになっている。問題点の修正、ボスキャラクターのクリザリッドにしゃがみ系モーションが追加されているなどの変更点もある。また続編『KOF2000』に先駆けてヴァネッサとセスがエキストラストライカーとして参戦している。 --セスとヴァネッサを除く新規ストライカーはNGP『ザ・キング・オブ・ファイターズ バトルDEパラダイス』との連動で育成することが出来た。 ---これと連動させないと登場しないストライカーキャラクターが存在していたのだが、後にオンラインにて無料配信された。現在はSNK倒産に伴い配信終了。 -Window98版(2000年12月22日発売) --DC版と同タイトルの『~EVOLUTION』で、こちらもアレンジ移植である。発売元はサイバーフロント。 -オムニバスソフト --ネオジオ オンラインコレクション ザ・キング・オブ・ファイターズ -ネスツ編-(プレイステーション2、2007年4月19日発売) ---『2000』『2001』と共に収録されている。また、3作共にAC基準版とDC版の2バージョンの収録(実質6バージョン収録)となっている。DC版の本作は前述の新規ストライカーが最初から全て使用可能となっている。 -この他にも本作の背景を使用した作品『[[THE KING OF FIGHTERS EX NEO BLOOD]]』があるのだが…。 **余談 -韓国チームの新キャラクターであるジョン・フーンのモデルは[[SNKが過去に関わったゲームのとあるキャラクター>ファイトフィーバー]]だったりする。 --必殺技の名前もそのゲームの「必勝技」に由来したものばかり。 --他にも舞の特殊技やタクマの垂直ジャンプ強キックなど、そのゲームの通常技によく似たモーションが多いのも特徴。 -ロバート・ガルシアの必殺技が何故か全部溜め技に変更された。これは『2000』まで続くこととなり、そこでは龍虎外伝のサマーに加え龍撃拳の形が某ソニックそっくりに変更されて、まるで''某超有名格ゲーの軍人''を彷彿とさせる構成となっている。 -餓狼チームとサイコソルジャーチームのみ、特定の条件を満たすことで隠しエンディングを見ることが出来る。 ---- //ザ・キング・オブ・ファイターズ ザキングオブファイターズ キングオブファイターズ(検索用、消さないこと)
*THE KING OF FIGHTERS '99 【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず ないんてぃないん】 |ジャンル|対戦格闘|~| |対応機種|アーケード(MVS)|~| |発売・開発元|SNK|~| |稼動開始日|1999年7月22日|~| |判定|なし|~| |ポイント|意欲作だが地味な印象を拭えず&br()主人公交代&br()演出・BGMは好評|~| |配信|バーチャルコンソール&br【Wii】2012年12月18日/900Wiiポイント|~| |>|>|CENTER:''[[KOFシリーズ関連作品リンク>THE KING OF FIGHTERSシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -『餓狼伝説』や『龍虎の拳』といった、SNKの人気タイトルのキャラクターがプレイヤーキャラクターとして参戦するドリームマッチ対戦格闘ゲームKOFシリーズの第六作目。 -オロチ編完結後の新たなストーリーを描く、ネスツ編第一章。これに伴い、作中を取り巻く雰囲気も全体的に大きく転換した。 --主人公は草薙京の炎を操る能力を移植された青年・K'(ケイダッシュ)に変更。前作までの主人公である草薙京や八神庵は本作では隠しキャラクターである。 ---なお、京は本作から学ラン風の衣装を卒業し、スタイリッシュな私服姿に変わっている。((設定では「拉致されてたネスツの研究所から逃げるときに拝借してきた」とのことらしいが、妙に着こなしているともっぱらの噂。)) --背景に待ちキャラがいたが今回から削除された(援護攻撃も廃止された)。ただし次のキャラクターが画面外から登場するのは変わらなかった。 --本作の設定などに、彩京の『[[堕落天使 -The Fallen Angels-]]』の影響が伺える箇所がある。 **ストーリー >キング・オブ・ファイターズを開催する~ 対戦形式は3対3。ただし今大会は"ストライカーマッチ"を採用する… 世界各地の格闘家たちへ届けられる、キング・オブ・ファイターズへの招待状。~ だが今回はいつもとは様子が違っていた。招待者の周りで、前大会のような世界規模の盛り上がりを見せる気配が一向にないのだ。~ 不審に思う格闘家たちに、さらに輪をかけて、対戦形式にも新しいルール規定"ストライカーマッチ"が…。~ 聞き慣れない対戦形式に、格闘家たちはとまどいを隠せずにいた。 ---- 大会にキナ臭いものを感じたハイデルンは、ラルフたちを送り込み、大会開催の真相究明に乗り出す。 一方、二階堂紅丸も招待選手で結成されたスペシャルチームの一員として、KOFに招かれる。~ あらかじめ記されたチームメイトの名前にはK′(ケイ・ダッシュ)とマキシマという名前のみ。~ 格闘界では見たこともない名前に紅丸は困惑し、釈然としないまま開催地へ向かう。 やはり今度の大会には何か裏があるのか? 様々な謎をはらみつつ…今年もまた、キング・オブ・ファイターズが幕を開ける。 -『'97』のラストで行方不明になった京はネスツという組織に捕獲されており、そこで草薙の炎の解析を受けクローンを作られてしまう。新主人公のK'はその際、京の炎を移植された別人のネスツ工作員であった…というあらすじ。 -日本神話がモチーフとなった神秘的な前シリーズとはうって変わり、SFサイバー系の物語となったが、この方針転換は前作よりもスケールダウンを感じさせるようになった…というのが大方の評価である。 **特徴・システムなど -3on3の勝ち抜き戦方式(ラウンド制)で試合を行う。1人倒したら次のラウンド前に残り時間に比例し若干体力が回復する。相手チームを全員倒したら勝利。ここまでは同じ。 -4人目に選択するキャラクター「ストライカー」 --マヴカプのようなアシスト、もしくは援護攻撃を発展させたような新システム。画面下のストライカーボムがある限り使用可能。使用時には画面が一時暗転する。 ---また、本作から2001までの間は最大4人構成のチームとなっている。 -緊急回避動作(前転・後転)は「かわし移動」に変更された。 --「前かわし」は前転に近いが、動作中にボタン入力で「かわし攻撃」を出すことが可能。キャンセルはカウンターモード時のみ可能。アーマーモード時は削り能力が付加される。 --「後かわし」はバックステップしてすぐに元の位置に戻る動作。はっきりいって使いにくい。 --ガードキャンセル緊急回避動作はこれまで同様前転・後転。投げられ判定は無くなった。 --ガードキャンセルふっとばしは前作で止めに使うという露骨なプレイが横行したためか、ダメージゼロになった。ちなみにアンディとクラークのみは必殺技でキャンセル可能。 -パワーMAX状態に変わって追加された新モード「カウンターモード・アーマーモード」 -カウンターモード --ゲージMAX時(ゲージ3本)に、ABC同時で発動。 --攻撃力が上がり、かわし移動攻撃がキャンセル可能に。 --効果時間中は超必殺技連発可能。一部の超必殺技は発生スピードが変化(速くなる物も有れば、逆に遅くなる物もある) ---さらに必殺技を超必殺技で連繋するスーパーキャンセル(必殺≫超必殺)が可能。 --ヒットバックが大きくなってガードキャンセル不能になる。 -アーマーモード --ゲージMAX時にBCD同時で発動 --一定時間打撃に仰け反らないスーパーアーマー効果を得るが、かわし移動攻撃でのみ吹っ飛ばせる ---同時に防御力も上がり、必殺技では削りダメージも受けなくなるが、反対にかわし移動攻撃にはガード削りも発生してしまう。 --超必殺技は出せなくなる。 --ヒットバックが大きくなってガードキャンセル不能になる点は同じ。 -超必殺技の変更点 --カウンターモード・アーマーモードの追加でパワーMAX状態が廃止されたことで。超必殺技・MAX超必殺技の分岐が完全に体力に依存するようになった。 --また、本作はストックしたパワーゲージを次のキャラクターに引き継ぐことは一切出来ない(必ずゲージがリセットされてしまう)。 -前述の通り、背景に待ちキャラが登場しなくなったため、気絶時やつかみ技を喰らっている時の援護攻撃も無くなった。 --つかみ技(ジョー東の膝地獄など)が投げ技はずしされない点は変更は無い。なのでつかみ技はコマンド投げ感覚で使えるようになった。 -CPU戦の得点もこれまでの一般的なものではなく、「バトルアビリティー」と呼ばれる試合内容を評価してポイントを増減する、『餓狼伝説シリーズ』に似た独特のものとなり、続編の『[[2000>THE KING OF FIGHTERS 2000]]』まで使用された。 --なお、このバトルアビリティーが隠しボスの草薙京または八神庵と対戦するための条件となっている(デフォルトチームでプレイした場合のみ)。 **キャラクター -前述の通りシリーズ初の主人公変更が行われ、また4人チームになったことからチーム編成にも大幅な変更が行われた。 --主人公チームは新主人公K'とそのパートナーのマキシマ、二階堂紅丸と矢吹真吾。 --餓狼チームは前作のメンバーに不知火舞、龍虎チームはタクマ・サカザキを加えた4人。 --怒チーム、サイコソルジャーチーム、キムチームは前作のメンバーにそれぞれの新キャラ(ウィップ、包、ジョン・フーン)が加わった。 --女性格闘家チームは一番メンバーの変更が大きく、キングに「'97スペシャルチーム」のブルー・マリー、『'96』以来の復活となる藤堂香澄、『リアルバウト餓狼伝説2』から新規参戦の李香緋の4人。 --エディット専用キャラクターは草薙京のクローンである「草薙京-1」「草薙京-2」。前者が『'95』ベース、後者が『'98』ベースと差別化されていた。 --前主人公の草薙京とライバルの八神庵は隠しキャラクター扱いで、MVSの設定と隠しコマンドによってプレイヤーも使用可能となった(タイトル画面の下部に「K・I」という文字が表示されてると使用可能。ネオジオ版では最初から隠しコマンド無しで使用できる)。 ---実はこの2人は本作では「KOF新章」という意味合いから、当初は作中に全く登場させない予定だったらしい。 ---だが2人共KOFの顔とも言うべきキャラクターで、ファンからの相当な人気もあり反発を招きかねないという理由から、商業的な判断から結局出さざるを得なくなったのだそうな((カプコンの『ストリートファイターIII』でも、当初は『ストII』のキャラは登場させない予定だったが「リュウとケンがいなければストリートファイターじゃない」ことからこの2人が登場することとなった。))。 --ラストボスはネスツ幹部のクリザリッド。PS・DC版ではプレイヤーも使用可能だが、お手軽に永久が出来る等はっきりいって厨性能。CPUが使ってこないのが救いか。 **評価点 -BGMの出来の良さ。 --殆どのチームBGMの出来は歴代でもトップレベルである。中でも主人公チームの「KD-0079」、草薙京の「tears」は非常に評判が高い。後のKOFでも、たくさんのアレンジバージョンを生み出し採用され続けた。 -背景のドット絵も非常に凝っている。CPU戦の演出も非常に良好。 --これだけは本当に非の打ち所がないと無いと言っても過言では無い。新しいKOFの世界を描き切るための第一作としては文句なしのクオリティ。DC版のそれはより非常に凝っている。 --特筆すべきはステージ5の用水路ステージ。ROUND3に入ると、途中でエレベーターが作動し降下しだすという従来には見られなかった演出は今でも色あせない。 **賛否両論点 -作風の方向転換 --神秘的要素も強かったオロチ編からSF要素の強いネスツ編への変更や、それに伴う主人公の変更にはやはりファンの間でも評価が分かれた。 ---マンネリ気味だった事もあり、心機一転したことを評価する声もある一方、KOFらしさがなくなったという声も多かった。 **問題点 -ストライカーの使いにくさ --召喚時にいちいち止まってテンポが悪くなるが、[[続編>THE KING OF FIGHTERS 2000]]ではそれが悪い意味で進化してしまっている…。 ---香緋に至っては攻撃を全くせず、直接的な攻めや守りには全く使えない。~ 相手を挑発した時間に応じてパワーゲージを減少させるもので、最後まで挑発させると3本分のパワーゲージをゼロにまで下げるという一風変わった効果を持つが…。 -システムの複雑化 --上にあげたカウンターモードやアーマーモードは使いドコロの見極めが困難。蛇足という印象を拭えなかった(一部のキャラクターは凄い恩恵を受けるのだが) -お手軽すぎる永久。 --椎拳崇の龍連打が強すぎる。 ---龍連打>龍連打 が連続ガードになるためガードキャンセルをしない限り抜け出す方法が無く、一生削り続けられる。 ---龍連打>立ちCor立ちD>龍連打も連続ガードになり、これだとガードゲージまで削られるので、ガーキャン用のパワーゲージを待たずにガードクラッシュを起こしてしまう。 --浮かせた相手に強穿弓腿の2段目だけを当てると追撃可能なまま落ちてくるので、もう一度穿弓腿の2段目だけを当てるとそれだけで永久連続技が完成する。画面端限定という条件はあるのだが、拳崇には龍連打と言う前進して相手を押し込みながら相手のガードを割ってくれる超技があるので・・・。 -一部の技が強すぎる。 --前述の拳崇以外にも強力すぎる技を持つキャラクターが結構居た。 --代表的なのがチョイ・ボンゲの特殊技の骸突き((その名の通り、モーションが『幕末浪漫第二幕 月華の剣士』のキャラクター「骸」が使う技に酷似している。))。ガードすると強制的にガードクラッシュを誘発し、キャンセル鳳凰脚(MAX版除く)が確定する。しかも通常技をキャンセルして骸突きに繋ぐことができるため、しゃがみ強Pから出されると前段階でガードキャンセルしない限り回避できない。 --レオナのイヤリング爆弾2・ハートアタックもヒットさせると相手がレオナの技をガード出来なくなる。さらなる追撃で大ダメージが取れる上、この技自体がキャンセルで連続技に組み込めるため強力すぎる技だった。 --ウィップのジャンプ強Pは打点を極端に低くすると「中段判定+下段判定」という扱いになり、事実上ガード不能になる。 -大幅なキャラクターのリストラ --ストーリー上仕方ないとはいえ、オロチ系のキャラクターが大幅に減ってしまったことは少なからず批判の対象となった。 --ただし大門五郎はスタッフ曰く、どう調整しても強キャラになってしまったため最終手段としてリストラしたとのことである。 ---だが大門に加えシェルミー、バイス、乾いた大地の社と名だたる投げキャラがリストラされてしまったため、本作で純粋な投げキャラと呼べるのはクラーク一人だけになってしまった。 -細部に見られる作りこみの甘さ --K'、ウィップの二人は前かわしの無敵時間が他キャラよりも異常に短く、飛び道具すらまともに抜けられない。 --ジョン・フーンのみ、何故かガードクラッシュののけぞりが全身無敵になっている。前述の骸突きキャンセル鳳凰脚も入らない。 --李香緋はダウン回避に無敵時間が存在しないため、ダウン回避に技を重ねられると無条件で喰らってしまい、連続ヒット扱いになってしまう。 --クラークの超必殺技ランニングスリーとストライカーマリーを同時にヒットさせると、バグったような動きになりダメージが激増するという謎現象が起こる。 **総評 BGMや背景のドットは相変わらず至高のレベルであり、上に挙げた龍連打や穿弓腿、骸突きを封印すれば特にバランスも悪いわけではないのだが…~ 偉大すぎた前作や前シリーズとの落差が強く感じられてしまった作品である。 ---- **家庭用移植 オムニバスソフトはSNKプレイモア、それ以前のソフトはWindows版を除けばSNKが発売元である。 -ネオジオROM版(1999年9月23日発売) --MVS版と同等。 -ネオジオCD版(1999年12月2日発売) --歴代のNCDソフトの中でも最悪クラスのロードの長さが大問題とされる、およそロードに30秒以上かかりテンポは最悪。NCD最後のリリースソフトでもある。 -プレイステーション版(2000年3月23日発売) --流石に同時期の他機種に比べると移植度の面では劣るとされる。キャラクターのカラーエディットが可能。SNKが手がけたPS版最後のKOF移植でもある。 -ドリームキャスト版(2000年3月30日発売) --ゲームタイトルは『THE KING OF FIGHTERS '99 EVOLUTION』となっている。厳密にいえばアレンジ移植の類で、新規ストライカーの追加や背景を3D化したものになっている。問題点の修正、ボスキャラクターのクリザリッドにしゃがみ系モーションが追加されているなどの変更点もある。また続編『KOF2000』に先駆けてヴァネッサとセスがエキストラストライカーとして参戦している。 --セスとヴァネッサを除く新規ストライカーはNGP『ザ・キング・オブ・ファイターズ バトルDEパラダイス』との連動で育成することが出来た。 ---これと連動させないと登場しないストライカーキャラクターが存在していたのだが、後にオンラインにて無料配信された。現在はSNK倒産に伴い配信終了。 -Window98版(2000年12月22日発売) --DC版と同タイトルの『~EVOLUTION』で、こちらもアレンジ移植である。発売元はサイバーフロント。 -オムニバスソフト --ネオジオ オンラインコレクション ザ・キング・オブ・ファイターズ -ネスツ編-(プレイステーション2、2007年4月19日発売) ---『2000』『2001』と共に収録されている。また、3作共にAC基準版とDC版の2バージョンの収録(実質6バージョン収録)となっている。DC版の本作は前述の新規ストライカーが最初から全て使用可能となっている。 -この他にも本作の背景を使用した作品『[[THE KING OF FIGHTERS EX NEO BLOOD]]』があるのだが…。 **余談 -韓国チームの新キャラクターであるジョン・フーンのモデルは[[SNKが過去に関わったゲームのとあるキャラクター>ファイトフィーバー]]だったりする。 --必殺技の名前もそのゲームの「必勝技」に由来したものばかり。 --他にも舞の特殊技やタクマの垂直ジャンプ強キックなど、そのゲームの通常技によく似たモーションが多いのも特徴。 -ロバート・ガルシアの必殺技が何故か全部溜め技に変更された。これは『2000』まで続くこととなり、そこでは龍虎外伝のサマーに加え龍撃拳の形が某ソニックそっくりに変更されて、まるで''某超有名格ゲーの軍人''を彷彿とさせる構成となっている。 -餓狼チームとサイコソルジャーチームのみ、特定の条件を満たすことで隠しエンディングを見ることが出来る。 ---- //ザ・キング・オブ・ファイターズ ザキングオブファイターズ キングオブファイターズ(検索用、消さないこと)

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