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//「[[修正依頼]]」に修正依頼が出ています。加筆できる方は修正をお願いします。 #contents //情報欄が長いので上に移動 ---- *FINAL FANTASY TACTICS 【ふぁいなるふぁんたじーたくてぃくす】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B00006LJQV,image)[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3840&file=FFTA.jpg]] [[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3840&file=FFTB.jpg]]| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売・開発元|スクウェア|~| |発売日|1997年6月20日|~| |定価|7,140円|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)&br()※アルティメットヒッツ版で付与されたレーティングを記載|~| |廉価版|スクウェアミレニアムコレクション:2000年6月29日/3,990円&br()PS one Books:2001年12月20日/2,625円&br()アルティメットヒッツ:2006年7月20日/1,575円|~| |配信|ゲームアーカイブス:2009年5月13日/1,000円&br()(表示定価は全て税込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク>ファイナルファンタジーシリーズ]]''| //鬱ゲー判定(2015/01/29 無断編集対策の目印用。判定欄への明記は不可) ---- #expand(700){{{ #center(){{ &font(i,120%){戦士は剣を手に取り胸に一つの石を抱く}~ &font(i,120%){消え行く記憶をその剣に刻み}~ &font(i,120%){鍛えた技をその石に託す}~ &font(i,120%){物語は剣より語られ石に継がれる}~ &font(i,120%){今、その物語を語ろう…}~ }} }}} ---- **概要 『ファイナルファンタジー』シリーズ初の本格シミュレーションRPG。~ ファイナルファンタジーの名を冠してはいるがあくまで外伝扱いであり、中世ファンタジー的要素は従来通りながら、世界観・シナリオ共に徹底してダークな雰囲気でまとめられた異色作。~ 勧善懲悪的で王道ファンタジー色の強い従来のシリーズとは一線を画し、イヴァリースという異世界で起こった戦乱を背景に、名門貴族出身の主人公と平民出身の親友を軸とする群像劇が繰り広げられる。~ 現実の中世ヨーロッパ同様の徹底した階級主義社会が背景となっており、身分差別と覇権争い、戦乱に乗じてかつての権勢を取り戻そうとする宗教の醜さ、さらに彼らの思惑を利用して裏で暗躍する集団の存在など、中世ヨーロッパ暗黒時代を髣髴とさせるダークな世界設定を特徴としている。 それまでのシリーズ作品と毛色が大きくが異なりつつも、ゲーム性・シナリオ面が高く評価され、シミュレーションRPGとしては驚異的な130万本を超えるセールスを記録。~ 以前はマイナーな一ジャンルにすぎなかったSRPGをメジャージャンルに押し上げる功績を挙げた。 また、本作は[[タクティクスオウガ]]の開発・企画・シナリオを務めた松野泰己氏が本作のシナリオ・ゲームデザインを担当しており、同作から様々な要素が継承されている。 ---- **ストーリー イヴァリースとオルダリーアの二大国が争った「五十年戦争」は、イヴァリースの事実上の敗北という形で和平が結ばれた。~ 長い戦乱で疲弊したイヴァリースでは、十分な恩賞を得られずに困窮する一部の貴族や騎士階級が野盗と化し、治安は悪化の一途をたどっていた。~ イヴァリースの名門貴族であるベオルブ家の末弟ラムザ・ベオルブと、その親友でありべオルブ家の庇護の下にある平民出身の青年ディリータ・ハイラルは、~ 士官候補生として治安維持のために各地を転戦していく過程で、貴族と平民の間にある埋め難い溝を思い知らされる。~ そんな中、彼らの人生を決定的に変える、ある事件が起こる。 やがて、王家に仕える有力諸侯が支持するゴルターナ公と、没落した貴族や騎士・平民層が支持するラーグ公、~ ともに獅子を紋章に掲げるイヴァリース二大将軍家の権力闘争の末に、後に「獅子戦争」と呼ばれることになる大規模な内乱が勃発。~ 戦火と混乱の裏で暗躍する者たちの影を察知したラムザは、孤独な闘いに身を投じてゆくこととなる。 **主要キャラクター #region() いずれも初期状態のブレイブストーリーより。一部キャラクター以外は抜粋。 -''ラムザ・ベオルブ'' --王立ガリランド士官アカデミーに通う騎士見習い。イグーロス出身。 --ベオルブ家は古くから続く武門の棟梁として名高く、畏国の四大騎士団のひとつ・北天騎士団の将軍を代々輩出してきた。~ 彼はベオルブ四兄妹の末弟だが、出来の良い兄たちとは腹違いに当たるため、多少の引け目を感じている。 -''ディリータ・ハイラル'' --王立ガリランド士官アカデミーの騎士見習い。ラムザの幼なじみ。 --ベオルブ家の領地に暮らす農家の息子。両親が黒死病で死亡してからは妹のティータと共にベオルブ家に引き取られていた。~ 貴族の子弟しか入学できないアカデミーに通えるのは、亡きバルバネス(ラムザの父)の厚意によるもの。 -''アグリアス・オークス'' --アトカーシャ王家直属の近衛騎士団に所属する騎士。~ 王家に対する忠誠心はとても高く、また正義感が強い。 -''オヴェリア・アトカーシャ'' --国王オムドリアIII世が二番目の王子を亡くしたときに養女として王家に迎えられたが、~ すぐに王妃に三人目の王子・オリナスが誕生したため、ラーグ公に預けられることになった。 -''ダイスダーグ・ベオルブ'' --ラムザの長兄でガリオンヌの領主ラーグ公に仕える軍師の一人。軍師でありながら魔道にも精通した魔法剣士でもあるらしい。 -''ザルバッグ・ベオルブ'' --ラムザの次兄で北天騎士団団長にして“聖騎士”の称号を持つ騎士。~ 常勝無敗の武人だが、反面敬虔(けいけん)なグレバドス教信者でもある。 -''アルマ・ベオルブ'' --ベオルブ四兄妹の末っ子でラムザの妹。イグーロス貴族学院に通う。~ 長兄・次兄より歳の近いラムザの方と仲がよいらしい。 -''ティータ・ハイラル'' --ディリータの実妹。ベオルブ家の領地に暮らす農家の娘。~ 両親を黒死病で亡くしてからは兄のディリータと共にベオルブ家に引き取られていた。 -''バルバネス・ベオルブ'' --元北天騎士団団長にして、騎士としては最高位の称号、“天騎士”を持つ騎士。~ 五十年戦争では他騎士団が連敗している中、幾多の戦いで勝利を収め、その都度、畏国の劣勢を覆してきた。戦争末期に病死。 -''ベストラルダ・ラーグ'' --ガリオンヌの領主にして、国王オムドリア3世の王妃ルーヴェリアの実兄。~ --五十年戦争でも将軍の一人として活躍した。畏国で最も強いと云われる北天騎士団はラーグ公の配下である。 -''ダクスマルダ・ゴルターナ'' --ゼルテニアの領主。王家の紋章である双頭の獅子の片方・黒獅子を家紋とすることから“黒獅子公”とも呼ばれる。~ 五十年戦争では将軍の一人として活躍し、北天騎士団と双璧をなす南天騎士団を従えている。 -''シドルファス・オルランドゥ'' --通称“雷神シド”。南天騎士団団長にして、先の五十年戦争ではバルバネスやザルバッグらと共に敵に恐れられた無敗の将軍。~ ゴルターナ公とは二十年来の仲であり、公が戦えるのもオルランドゥ家の信用と実力があってのものである。 -''アルガス・サダルファス'' --ランベリーのルオフォンデス出身。ランベリーの領主・エルムドア侯爵配下の近衛騎士団所属の騎士見習い。~ 没落した自分の家の再興のため騎士として名を成そうとしている。しかし自分勝手な男といわれることが多い。 -''ムスタディオ・ブナンザ'' --機工都市ゴーグの鉱山で働く若者。機械仕掛けの兵器造りで名高い機工師ベスロディオの息子。~ 火薬を銃身に詰め金属の弾丸を放つ機械仕掛けの兵器『銃』を使いこなすことができる。 -''オーラン・デュライ'' --南天騎士団所属の魔道士。“雷神シド”ことオルランドゥ伯の義理の息子。~ 現在はシドの片腕として活躍している。 #endregion ---- **特徴・評価点 ''暗く陰鬱かつ重厚なストーリー'' --「後世の歴史学者アラズラム・J・Dとともに、禁断の書物『デュライ白書』に記された真実の歴史と、知られざる英雄ラムザ・ベオルブの生涯を紐解いていく」という体裁で進行する。 ---つまり、本作で展開されるゲームシナリオは全て、過去の歴史上の出来事である。 //アラズラムのフルネームはエンディングのネタバレになるのでイニシャルで。 //---ただしあくまで「形式上は」そうなっているだけで、実質的にはプレイヤーが主人公であるラムザを操作することになる。 -世間知らずだった名門貴族出身のラムザと、彼の親友で平民出身のディリータを厳しい現実が次々に襲う。 --ディリータは当初はラムザの理解者であったが、ある重大な事件をきっかけに彼も「利用できるものは(例え親友でも)全て利用する」という野心と共に立ち回り、やがて英雄王へとのし上がっていく。 --一方で自分の信じる「正義」を貫くことを選んだラムザはディリータや肉親と道を別ち、戦争の裏側で糸を引く者たちを追う。~ 名門貴族の名を捨て、孤独な戦いを続けるラムザが彼の淡い信頼・希望に対する冷酷・残忍な裏切りを乗り越え、「もう一人の英雄」として大きく成長していく様子が描かれる。 -敵味方を問わず魅力的なキャラクター --特に序盤から加入する騎士道精神に満ちた女騎士アグリアスと、彼女らと対立しながらも現実主義者としてラムザの反面教師となるガフガリオン、実力と精神を兼ね備えるも時代の波に翻弄されるラムザの次兄ザルバッグの人気は高い。~ 敵役にも''「家畜に神はいないッ!!」''という強烈なセリフとともにストーリーの大きな転換点を作るアルガス、理想を追い求めるあまり自ら破滅へと突き進んでいくウィーグラフ、謀略渦巻く権力社会の象徴としてとことん汚く描かれるラムザの長兄ダイスダーグなど、作中世界にどっぷりと浸ることができるだろう。 ''戦闘・育成'' -タクティクスオウガの「ウェイトターンシステム」に、FFシリーズの「アクティブタイムバトル(ATB)」を融合させた戦闘システムが特徴。 --「味方のターン→敵のターン」ではなく、敵味方を問わず''「チャージタイム(CT)」''という行動力が100になったユニットから順に''「アクティブターン(AT)」''となる。 ---ATとなったユニットは移動・行動を1回ずつ可能。両方を行うとCTは0になるが、片方だけなら20、何もせずに待機すると40溜まった状態で次のターンに備えることができる。無駄だと思ったら行動しないのも一つの手。 ---CTはパラメータの一つ「SPEED」の値が高いほど早く溜まり、相対的により多くの行動が可能となる。~ このため、一時的にSPEEDを調整する「ヘイスト」や「スロウ」が従来のFF以上に重要。特に「スロウ」はほぼ全てのボスにすら通用する優秀な魔法である。 --ここまではウェイトターンシステムとほぼ同じだが、本作では''魔法や一部の必殺技にもSPEEDとチャージタイムの概念がある''。~ 技が発動するまでの間は「チャージ状態(詠唱状態)」となり、敵の攻撃に対して無防備になってしまう。原則的に強力な技ほどSPEEDが低く、発動するまでに時間がかかる。 ---これらの技は目標キャラをロックオンする「ユニット」、もしくは場所を指定する「パネル」のどちらかをターゲットとして選択する。どちらも一長一短なため、行動順や効果範囲などの状況に応じた使い分けが必要。 ---ただし全てがそうではなく、チャージタイム無しで即時発動が可能なもの、パネル指定しかできないものなどが混在する。 --全てのユニットのATと技の発動順はいつでも一覧形式で参照できるため、ちまちました計算などは全く必要なし。~ ラムザの台詞''「アクティブターンを常に確認しよう。それが勝利への近道!」''はまさに本作の戦闘を示した名言である。 -戦闘は高さや向きの概念がある3Dマップ上で繰り広げられる。 --マップがポリゴンになったため、回転や視点の微調整が可能。操作性やマップの見易さが格段に上がった。~ キャラクターはドットで描かれており、本作でも細かな動作に極まった職人芸を見ることができる。ポリゴンマップや美麗なエフェクトとのバランスが取れた戦闘画面は非常に見栄えが良い。 --タクティクスオウガで強力だった飛び道具については、弓はジョブ「弓使い」しか使えず((正確には弓には「弓」と「自動弓」の二種類があり、うち「弓」が「弓使い」専用となっている。「自動弓」はアビリティで装備可能に出来る他、一部の専用ジョブでも装備可能となっている。))、固有のアビリティ「チャージ」にはチャージタイムがあるため運用に工夫が必要。逆に弱かった近接攻撃は「リアクションアビリティ」が無い限り反撃は受けない。 ---タクティクスオウガの反省を生かしたということでこの辺りにもきっちり調整が入っている(上記の冷遇など別の問題も浮上したが)。 --屋外のマップではその日の天候によって移動力が変動したり、属性魔法の威力が変化する要素も組み込まれている。 -育成・編成のポイントは『[[ファイナルファンタジーV]]』を更に発展させたジョブ&アビリティシステム。 --シリーズおなじみのジョブを中心に、アイテム士・陰陽士・風水士・話術士といった本作特有のものまで、計20種類(男性・女性専用ジョブ含む)の汎用ジョブが用意されている。~ ネームドキャラクターはこれら以外に、より強力・個性的なアビリティを備えた専用ジョブを持つ。 --アビリティの中には敵を勧誘できるものもある。これにより、一部ボスを除き敵味方の死者を出さずにクリアすることも可能。 --各ユニットにセットされるアビリティは5種類。~ 行動の軸になる「アクション」(ジョブ固定枠+自由枠の2つ)、他のユニットの行動に反応して発動する「リアクション」、常に効果を発揮する「サポート」、移動時に発動する「ムーブ」で構成される。 ---覚えたアビリティはどのジョブに就いていてもセット可能。~ 「アイテム」を付けて自給自足ができるナイト、「銃装備可能」で援護射撃ができる白魔道師、「二刀流」+「戦技」で相手の装備を破壊しまくるシーフなど、無数の組み合わせによる自由度の高さが魅力である。~ バランス良くアビリティを覚えて弱点をカバーするも、各ユニットが得意分野を伸ばしてチームワークで勝負するも、全てはプレイヤー次第。 --立体的なマップ上で戦闘が繰り広げられるため、移動力を決定する「Move」と「Jump」も重要。~ 高所を取ることで射程が伸びる「弓」、遮蔽物を無視して範囲攻撃ができる「魔法」、地形によって様々な効果を発揮する「風水術」など、中・遠距離系のアビリティは位置関係次第で力を発揮できることが多い。特に序盤~中盤戦では単純な火力や耐久力だけでなく、地の利を生かせる編成を心がけることも必要である。 -装備品は右手・左手・胴・頭・アクセサリの5つ。本作には防御力の概念がなく、防具は主にHPを上げる手段である。 --単に攻撃力・HPを大きく上げるだけのものが優秀という訳ではなく、ガード確率・回避率を上げるもの、状態異常を付加or防止するもの、追加効果のあるものが重要な場面もある。 --特殊パラメータとして、リアクションアビリティの発動確率を表す「Brave」、魔法の威力や耐性に影響する「Faith」、他人との相性を決定する「星座」が存在。~ 基本的には固定パラメータだが、BraveとFaithは特定のアビリティを使用することで増減が可能。戦闘中にBraveが下がりすぎると「チキン」状態となって逃げ回る以外の行動が不能になる。''見た目も鶏になる''。 ---Faithに関しては数値が高いほど魔法の与ダメージ、被ダメージ、補助魔法の被成功率などが上がり、低い場合は逆になるのでFaithは一長一短と言える。~ また、戦闘終了時にFaithが高すぎるキャラがいるとパーティから離脱してしまうので注意が必要である。もっとも普通にプレイしてる限りはそうそう離脱することはないが。 -ユニットが戦闘不能になるとカウントダウン「3」が点灯し、これが0になると死亡・消滅して宝箱かクリスタルのどちらかに変化する。逆に言えば3カウント中は蘇生猶予がある。 --危なっかしいのですぐに蘇生したいところだが、戦況打開を優先してぎりぎりまで放置する、あるいはいったん蘇生してカウントをリセットするといった駆け引きも可能。そのためかこのゲームをやると0カウント中ギリギリに蘇生が間に合った!という場面に良く出くわす。戦闘不能状態のままクリアしても死亡しないので、蘇生させず完全放置で速攻をかけても問題ない。 ---また単純に戦闘不能≠死なので、ユニットをおとりにする戦略を気軽にとれ、戦略の幅が広まる。蘇生が間に合わないと死んでしまうので、キャラロストのないSRPGとも違い緊張感は保たれる。~ ほかにも高火力の技を乱発するボスユニットやモンスターが多くても、主人公を前線に出しやすい・耐久力の低いジョブに就かせ易いなどのメリットがある。 --カウントダウンは戦闘不能になったキャラにターンが回るたびに行われるので「SPEED」が上がりすぎたキャラが倒れるとあっという間に死んでしまうというデメリットがある。 --宝箱には装備品や消費アイテムが入っており、クリスタルは「HP&MP全回復」か「アビリティ継承」を選択できる。~ 特にクリスタルによる継承は便利で、ハイコストなアビリティを上手く拾っていくことで効率的にキャラを成長させられる。~ 表示されているアビリティ全てを継承できるが、継承の際にアビリティ一覧にカーソルが表示され、選択することで継承が行われるため、1つしか継承できないと勘違いされやすい((バグではなく仕様だと思われる。カーソルが表示されるのは、各アビリティの効果を後述のヘルプメッセージで確認できるようにするためであろう。))。 ---ただし表示されるアビリティはランダムで、狙ったものが出なかったり何も表示されないこともある。また固有ジョブ(アンデッドユニット含む)やモンスターの専用アビリティは継承できない。 ---当然''味方を謀殺してアビリティを継承させる''ことも可能。 --いかなる戦闘においても主人公のラムザがロストした場合は問答無用でゲームオーバー。 ---「フェニックスの尾」以外による復活手段は星座相性((本作の各キャラには各々の誕生日により、現実世界の十二星座に準えた星座が割り当てられており、それぞれの星座に相性のいい星座・悪い星座が設定されている。相性の良い星座には魔法成功率が高く・魔法効果が大きくなる。逆に相性の悪い星座には魔法成功率が低く、魔法効果は小さくなる))や能力によっては''失敗''する事がある。特に白魔道士の「レイズ」やモンクの「蘇生」など、最序盤ではパラメーターの低さ故に蘇生成功率が一桁%になってしまう事もありうる。 --敵がロストした場合は「殺害数」が、味方((ランダムエンカウントの時のゲストキャラも含まれる為、たまに混ざるゲストに気付かずに戦死され、いつの間にか戦死者数がカウントされているという事も起こる。))がロストした場合は「戦死者」のカウントが増加する。これらは「ブレイブストーリー」を開いたときに確認可能。(あくまでロストをカウントしているのでストーリー上、倒して戦死した敵キャラは殺害数に入らない) ---無血クリアといったやり込みもみられる。 ''「儲け話」による収集要素。'' -各拠点の酒場で請け負いユニットを選んで派遣し、一定日数が経過すると仕事を終えて戻ってくる。上手くいくと「財宝」や「秘境」を発見できる。 --純粋なコレクション要素だがグラフィックや説明文が凝っており、よりイヴァリースの世界観を広げてくれる。~ FFファンならニヤリとする懐かしの財宝(「エクスカリパー」等)や秘境(「クリスタルタワー」等)も多数用意されている。 --財宝の一種として出る小説4冊はミニゲームのサウンドノベルとして遊ぶことができる。このシナリオやシステムにも深いこだわりが見られ、特にとある女性暗殺者の日々を描いた「ウイユヴェール」は人気が高い。 ''レアアイテム収集'' -本作の楽しみのひとつ。アイテム士の「アイテム発見移動」やシーフの「盗む」「キャッチ」「密猟」を活用することで様々なレアアイテムを入手できる。 --「密猟」は止めを刺したモンスターを特定の拠点に存在する「毛皮骨肉店」に送り、そこで加工された様々なアイテムを購入できるというもの。レアモンスターほどレアアイテムになりやすい。~ 普通にプレイしていてもレアモンスターに遭遇する確率が低いためアイテムコンプは困難だが、その下位種を仲間にして隊内で繁殖させ、稀に産まれる目当てのモンスターを狩る''(同士討ち)''「養殖」と呼ばれる手段も存在する。~ 特にレアアイテムの宝庫である「うりぼう」系は見た目的にも''ただの豚''なため、ラムザ隊は''ヤミの養豚業者と化す''。 ---ちなみに密猟したユニットは殺害にも戦死にもカウントされないので、戦歴に傷が付くことはない。 ---もっとも、これらの収集欲をそそるシステムは後述の「源氏シリーズの悲劇」を起こすことにもなったのだが。 ''隠しマップ「ディープダンジョン」'' -ブイベントを消化することでB10Fまであるダンジョンを探索できるようになる。 --難しいが、ここでしか入手できないアイテム・隠しキャラ・隠し召喚魔法があるためやり甲斐がある。 --ちなみに「ディープダンジョン」の元ネタは同名のFCのRPGである。しかし開発元が違う上、4に至っては販売元まで違うため、当時旧スクウェアのゲームとしてこの名前を出していいのか不安がられた。 ''良質なBGM'' -場面によりうまく使い分けられており、シナリオ演出効果を高めている。 --ニューゲームを選択し、主人公の名前を「BGMききたい」にするとサウンドテストモードに入れる裏技がある。~ このBGM選択画面にもヘルプメッセージが用意されており、曲ごとに作曲者のコメントが収録されている。遊び心がたっぷりと詰め込まれた曲名やコメントは必見。~ 特に崎元・岩田両氏のものが面白く、「当初は主人公になる予定だった」らしいクマさんの物語が(勝手に)進行したり、ふざけていはいるがイメージにピッタリハマった曲名など、どこまでが本気でどこからが冗談か分からない秀逸なオマケ要素となっている。~ サウンドトラックではマトモな曲名に変更されたため、あくまでジョークだったようだ。 ''最強育成のやり込みにおける懐の広さ'' -密漁、盗む、キャッチなど、レア装備品の入手手段は様々で、入手できる装備品も強力な物が多く、コレクションだけでなく最強育成の面においてもやり甲斐がある。 -レベル下げ&レベル上げの繰り返しによるドーピングも可能。~ 成長率の低いジョブ(吟遊詩人・踊り子・アイテム士)でレベルダウン→成長率の高いジョブでのレベルアップを繰り返し、パラメータを強化する育成。 --相当な時間はかかるが、アイテム・可能時期等の制約がほぼ無いため''時間の許す限り育成可能''。~ ただし、それだけのやり込みに見合う敵キャラがラスボスを含めいないのは残念な点である。 -星座相性の最適化。 --パーティ内の各キャラの星座相性をできるかぎり良い組み合わせにすることで、適当に星座を決めたパーティとは段違いのサポート効果を得ることができる。 --前述の通り、本作の魔法はFaithや星座相性により効果量が天と地ほどにも変動するため、この厳選は多少の装備強化やドーピングより効果が目に見えて現れる。そのため、頭を悩ますだけの価値はある。 --各々の星座には相性の良い・悪い星座が必ず存在するため、全てのキャラ同士が最良という組み合わせは無い。また、固有キャラの星座は変更不可&相性の悪い固有キャラの組み合わせもあるため、パーティとしての最適解は用意されていない。それを自分で探すのも育成の醍醐味のひとつ。 ''その他'' -SELECTボタンで出るカーソルからヘルプメッセージを見ることができる。 --その情報量がハンパではなく、画面上に表示されているあらゆる表示を参照可能。地形やコマンド・アビリティの概要からジョブの由来や設定、武器の説明まで細かく記されている。 --また、編成画面でユニットの名前を指定すると、一言コメントをしてくれる。固有ユニットはもちろん、汎用ユニットに至るまで全員分の固有の会話が用意されている。 ---「水深2の場所では『行動』が出来ないから注意してね。」といった攻略のヒントや、「今日の口紅は、何色にしよーかなあ…。」と本来没個性である汎用ユニットの個性を感じさせるもの、「私は双子の兄です/弟です。」と汎用ユニット同士の関係を示唆したものなど実に様々。 ---女騎士アグリアスの「人の夢と書いて儚(はかない)… 何か物悲しいわね…。」 は特に印象深い。 ---ただし、機工士ムスタディオの「狙って撃てばいいだけさ 銃のチャージは無意味だぜ!」など嘘もある((実際は銃でもチャージ分のダメージはしっかり増えている。))。 -特定のアクションアビリティ発動時に一定確率で詠唱セリフが表示される演出もタクティクスオウガから引き継がれている。 --これもやたらと凝っており、対応技が大幅に増加。魔法や剣技をはじめ、普通にプレイしていてもほとんどお目にかかれないマニアックな敵専用アビリティにまできっちり設定されており、世界観作りに一役買っている。 -本編とは関係ないサブイベントを進めることで、『[[ファイナルファンタジーVII]]』のクラウド・ストライフを加入させることができる。ジョブは固有の「ソルジャー」、専用アビリティは「リミット」。 --本編にてライフストリームに飲み込まれた際に召喚されたと思われ、記憶が混濁している様子。イベントではエアリス(によく似た少女)も登場。 --加入するのが終盤なのに初期レベルが1、リミット技のチャージタイムが全体的に長いなど、ユニットとしての使い勝手は微妙だが、チャージ時間を短縮する「ショートチャージ」などを覚えさせて地道に育てれば一線級の活躍ができる。~ あくまで他作品からのゲストキャラなので、「育成は面倒だが愛を注げば使える」という出しゃばり過ぎない調整は双方のファンにとっても納得いくものだろう。 ---- **問題点 -メンバー登録数が16人分しかない。 --ネームドキャラは隠しキャラを含めて最大12名なので、無計画に汎用キャラやモンスターをメンバーに入れていると16人枠はすぐにパンク状態になる。~ 手塩にかけて育てたキャラを除名orクリスタル化させなければならないのは辛い。除名時のセリフがよりいっそう悲しさを煽る。 --しかも儲け話はネームドキャラは参加できず、汎用キャラを使う必要があるが、上記のとおりパンク状態になる為人員のやり繰りが非常に不自由。~ そのため使い勝手が悪いアビリティを持つネームドキャラも汎用キャラ枠を確保するために除名の対象になりやすい。 ---- **賛否両論点 -弱アビリティ(弱ジョブ)の不遇 --特に目立つのは「真言」・「裏真言」・「剛剣」の3つ。いずれも固有ジョブの専用アビリティにも拘らず非常に使い勝手が悪い。 :「真言」「裏真言」(天道士/天冥士)|遠距離・範囲攻撃が可能な魔法系アビリティだが、真言はFaithを無視、裏真言はFaithが低いほど威力が上がるという特殊な性質を持つ。問題は''5マスある効果範囲のどこか''に''ランダム回数''(1~6回)攻撃する運任せ。運が良ければ大ダメージだが、現実は一発でも当たれば御の字というレベル。理詰めで戦略を立てるゲームにあって、この不安定さは致命的な欠点である(設定上は暗殺術なのに…)。~ さらにチャージタイムが長い割に基礎攻撃力も微妙。移動力などジョブ固有の基礎能力も低いため汎用ジョブの「見習い戦士」よりも扱いにくいという惨状で、主力で使うのは厳しい。天道士/天冥士は真っ先に除名候補に挙がってしまう((しっかりお膳立てしてやれば十分強力だが、他の強力なアビリティを使った方が早いし楽なため、結局あまり使われない。))。 --専用アビリティでは「剛剣」「リミット」がいまいち ---ディバインナイトの「剛剣」は、ダメージを与えると同時に、装備品を破壊する必中攻撃を中距離からチャージ無しで即発動する強力な技。しかし、敵が装備品をつけていないとダメージを与えられない。つまり、''装備品を装着できないモンスターに全くの無力''という欠点がある。装備品の破壊判定よりもダメージ判定の方が先なので、防具を破壊しても減少分の最大HPは威力に加算されない。~ もっとも、人間ユニットが相手なら武器を破壊して一瞬で確実に無力化できる上に本編の敵は人間ユニットが多めであり、ジョブのパラメータも高めなため、「真言」「裏真言」に比べればまだ使える部類だが、加入時期にはすでに「剛剣」も使える「全剣技」の使い手がいるので慣れていないプレイヤーには微妙扱いされやすい。~ また、槍を装備できるという利点がありパラメータは「竜騎士」のほぼ上位互換であるため、「剛剣」の使用を諦めて「ジャンプ」要員にするという運用もある。 //テンプルナイトは使えるだろ… //剣聖と比べるとほぼ全てのユニットが微妙になるうえ、デフォルトで高攻撃力・高機動力・騎士剣と盾装備可能なメリアドールが微妙扱いは言い過ぎ。後述のリミットの方が遥かに使いにくい //威力も聖剣技と1~2割しか変わらないのに「それほど高くない」という表現も微妙。ジョブの能力を考えば数字は同等か逆転する ←人間キャラを普通に一撃で倒せるかどうかが評価の分かれ目なんじゃないかと思う。 ---クラウドの「リミット」も、使うのに特定の武器が必要、パネル指定しかできない点で使い勝手は微妙。上位の技は高威力・広範囲な代わりにチャージタイムが長すぎるため使い物にならず、ほぼ演出を見るためだけに存在する技。~ ただし下位の技は普通に有用で、育てる手間をかければ戦力にすることは十分に可能。 ---ディバインナイトやソルジャーに限った話では無いが、これらのキャラが加入する頃には圧倒的な攻撃力を誇り永久ヘイストの効果を持つ武器を装備している剣聖が真っ先に敵を攻撃して即死或いは瀕死にしてしまうため他のキャラは剣聖の攻撃を辛うじて生き延びた敵にトドメを刺して回るのが主な役割となる。そのため、装備を壊す、ステータスを下げる、ステータス異常を与えるといった能力は不要となるため、それらの能力を得意とするジョブは不遇となり、広い射程と効果範囲を持ち即時発動且つ必中の「聖剣技」を使える「ホーリーナイト」、スピードを始めとして圧倒的な能力値を誇る「ドラグナー」に軍配が上がる。 -汎用ジョブではものまね士の使いにくさが目立つ。''相手との距離や向き、地形まで考慮する必要がある''ため、マトモに機能させるにはものまね中心の戦略が必要(「踊る」「詩う」など、距離も向きも関係ないアビリティなら単純に2倍の効果が得られるオプションとして機能する)。~ また、アイテムの装備ができずアビリティもセットできない。ものまね士自体はパラメータ成長率の高さを活かしたドーピングには使えるが、ジョブチェンジまでの道のりが長い割に戦力として微妙。 --弓使いの「チャージ」も使い辛い。その名の通り、チャージタイムをかけて力を溜めた後に威力を高めた矢を射る技だが、チャージが長い割にさほどのダメージアップは見込めず、ユニット指定もできないので使いどころが微妙。スピードを上げようが「ショートチャージ」をセットしようがチャージが早くならないのも痛い。~ 弓使い自体は序盤戦で非常に頼りになる存在なのだが。 ---開発中は8、10、12、15、20、30、40、50、99であったらしいが、製品版では1、2、3、4、5、7、10、20と大幅に弱体化されてしまった(デジキューブガイドブックP14より。一部推測)。 //算術は元の使用者のExpやCTが変動し、ものまね士のCTもものまね発動時に一時的に100になるため、実はものまねとの相性が悪いです。 -当時のゲームではよくある事だが、女性専用装備に強力なものが多い。特に、全てのステータス異常を無効化する「リボン」、永久ヘイストを付加する「セッティエムソン」、永久リレイズを付加する「シャンタージュ」は非常に強力。 --ただし、これらは入手手段が限られているため、ゲームバランスに影響を与える事はほとんど無い。 --また、''2周目以降やり込む前提であれば話は別''。~ 一見、性能を重視するなら汎用ユニットはほぼ女性一択のように見えるが、男性ユニットの方が先述の''ドーピングにおいて、女性ユニットより成長力が優れている''という利点がある。そのため、性別格差はそれほど顕著ではない。 -序盤~中盤における難しさ。 --戦闘システムが従来のFFに比べて複雑なことに加え、不親切な部分も見受けられる。 --本来チュートリアルの延長であるはずの、ゲーム開始から2戦目の魔法都市ガリランド戦の難易度が高い。&footnote(チュートリアルバトルにありがちな、味方に有利なハンディキャップがほとんど存在しない上、このバトルまでレベル上げや自由な味方の強化が一切できないため)~ 最悪の場合、''ゲームを開始することができない''事態に陥ってしまう。 --最も有名なのは中盤のリオファネス城3連戦。一度入ると出られない代わりに途中でセーブできるが、問題は第2戦手前のセーブポイント。~ この後に待ち構えているボス戦は本作屈指の強さ(さらに変身する上に厄介な仲間まで呼ぶ)であり、半端な戦力で上書きセーブしてしまうと一旦退いて戦力を整えることも進むこともできず、ゲームを最初からやり直すしかなくなってしまう。前後の戦闘と比較しても極端に強いため、前知識なし・ストーリー優先で普通にプレイしているとほぼ間違いなく詰む。~ このことを警告するようなメッセージもなく、発売直後にここで立ち往生したプレイヤーは数知れず。 ---続く第3戦にもかなりの強敵が待ち構えているが、こちらは敵の行動の運要素が強く、第2戦を切り抜けられる戦力があれば最悪リロードを繰り返せば何とかなる。 --ドーターのスラム街でのイベント戦、赤チョコボを筆頭とするチョコボ系や3色ドラゴンも難敵・難所である。 --しかし終盤に差し掛かる頃には強力な味方とアビリティを使用できるため、特別やり込んでいなくてもイベント戦闘は極端に簡単になる(詳しくは後述)。むしろ通常のエンカウント戦闘の方が厄介なことが多くなる。~ ラスボスも迫力(そして&bold(){セクシーさ})を持ってはいるが、非常に弱い。攻撃力はラスボスを張れるだけはあるが、HPやSPEEDが低すぎるのと、思考ルーチンが賢くない(敗北条件に無関係なNPCキャラを優先して狙う)ため楽に勝てる。 -ゲームバランスぶち壊しの強アビリティの存在と、大味なダメージバランス --「算術」「全剣技」や一部のリアクションアビリティがこれに当てはまる。 :「算術」(算術士)|任意の条件に当てはまった対象全てに対して、任意の魔法を''射程無視・チャージタイム無し・MP消費無しで発動させる''というもの。問題は''容易にほとんどのキャラを対象に入れられる''ことで(有効なものでは「CT5ホーリー」の組み合わせが有名)、誇張ではなく''使用した瞬間マップクリア''可能な壊れ性能。説明書にもその使用方法が書かれている。ジョブチェンジの条件が厳しく、ジョブ自体の性能も低く、更にはプレイヤーにある程度の検算能力、管理能力が求められる。ただしそれらを差し引いても強く、その上ジョブチェンジすればさらに強い。 :「全剣技」(剣聖)|''長射程・必中・ノーコスト・即発動''、技によってはさらに''範囲攻撃・状態異常付加・回復''という強力な固有アビリティ「聖剣技」「暗黒剣」を''全て使える''というもの。剣技そのものは強力ながらそれ単体でバランスを崩すほどではない(事実、聖剣技を使用できるキャラが早い段階で仲間になるが、それでもなお厳しい戦いが続く)。問題は「全剣技」を''加入直後から即死レベルの威力''で繰り出せる上に装備も基礎能力も強いチートキャラ「雷神シド」が''必ず''仲間になること&footnote(同じくバランスブレイカーのレーゼは、サブイベントを完遂しないと加入しないため、労力に釣り合った性能と言える)。バランスブレイカーの代名詞であり、彼の加入は難易度の激減を意味する。 :リアクションアビリティ|発生確率がBrave%と設定されているものが多いが、このゲームではBraveをアビリティで上げることが可能なため、発生率は最大で''97%''となる。その発生率が物理攻撃の大半を完全回避する「白刃取り」、「MP回復移動」と併用すると1ターンに1回あらゆるダメージを無力化する「MPすり替え」などと合わさることにより、最早別ゲーと言わんばかりに守りが鉄壁になる。やりすぎるともの凄く簡単になるため、ご利用は計画的に。 //ただの素手攻撃ですら、能力の2乗にBrave%をかけるため、Braveが高いと終盤はかなりの威力と化す。 --これ以外にもやり方次第で絶大な威力を発揮するアビリティが多数存在し、ゲーム中盤~終盤ともなると容易く即死級のダメージを与えられるようになってしまう。 --こういった強アビリティ・強キャラは初心者への救済措置とも取れるが、前述のように序盤~中盤の難易度は救済措置を必要とするようなプレイヤーにとっては難しすぎ、難関を乗り越えてプレイヤーのスキルが上がったところで極端に難易度が下がるため、物語が佳境を迎える終盤戦の歯応えがなさすぎる。どうにもチグハグな感は否めない。 -終盤のストーリー展開に関する賛否。 #region(ネタバレ注意) --本作はFF系列の作品としては異質と言えるほどファンタジー要素が低く抑えられており、「人間によるリアリティ溢れる群像劇」という趣向が強い。~ ゆえに単純な勧善懲悪の枠に収まらないストーリーの深みを持っており、これが本作の大きな魅力のひとつとなっているのは前述の通りである。 --しかしストーリーが進むにつれて存在が明らかとなる「ルカヴィ」および「聖アジョラ」は大雑把に言ってしまえば「人外」で、最終的には彼らがラムザとその仲間の運命に重大な影響を与えることとなる。~ この点に対して「結局はよくあるファンタジーのモンスター退治の域を出ない」とする意見も見られる。~ あくまで彼らを使役するのは「人間の意志」であり、エンディングの最後にはさらなるドンデン返しが待っているため一概にそうとも言えないのだが、やや賛否が分かれる点である。 --ただし「人外の力が戦争に作用する展開」は、ライターの松野氏の得意とするところでもあり、氏を知るファンにとってはあまり問題でもなかったりする。~ また、ストーリーは一本道でネームドキャラの生死やエンディング分岐はせず、エンディングはキャラの生死をプレイヤーの想像に委ねるものであり、鬱ゲーとまではいかないが後味のいいものではない(ゲーム中のプレイ=過去に起こった戦乱の「真実の記録」となっているため、結末はすでに規定事項で変えようがないという、演出上は正しい処置だが)。 ---なお、現在は松野氏のtwitterや、ソーシャルゲーム「ロードオブヴァ―ミリオン3」にて、主人公らのその後の展開が語られている。興味のある人は閲覧するといいだろう。 --一部のシナリオの粗 ---壊滅した騎士団の生き残りと身分を偽造したキャラが、公爵への謁見時に証拠もなく大臣に裏切り者と言いがかりをつけていきなり斬り殺し、そのまま言い分が100%信用されて公爵が全軍を動かす展開。 ---主人公たちの一団は教会から異端者として追われる身になるが、「人外」勢力に誘拐された主人公の妹と引き換えと言われて教会に対抗できる外交カードを確約も安否確認もないままあっさり渡して、案の定騙し取られるだけという展開。 ---補足しておくと、前者に関しては「彼」の背後に教会及び神殿騎士団の権力が存在するため、そこから何らかの工作や圧力がかかっていたと考察することができる。元々の構想では詳しく描写するルートが存在したとのこと。また、この場面に限らずその公爵は無能として描かれているため、ある意味この流れも自然とも言える。 --また、ストーリー性の高さの反面、序盤での問題提起、重要人物のことが終盤の展開では投げっぱなしどころか結局は忘れ去られているという点も批判の対象になりやすい。 #endregion ---- **総評 用語やジョブシステムなど、戦闘ではFFシリーズの要素を色濃く残しながら、基本システムはもちろんストーリーでも既存シリーズとは大きく方向性を変えている。~ 階級社会や戦争と平和、騎士道精神、宗教観などの要素を物語に取り入れた、FFシリーズとしてはまさに異質なストーリーも高く評価された。~ グラフィックの関係もあって、全体的には『ファイナルファンタジー』よりもむしろ『タクティクスオウガ』の性質のほうが強く感じられるだろう。~ バランス面でしばしば欠点が指摘されるのがやや残念だが、ゲーム性を大きく損なうほどではない。~ 今までと異なるスタッフ、今までと異なる描き方で本シリーズに影響を与えることなく裾野を広げた、なかなか理想的な外伝作品と言えるだろう。~ ---- **移植版 -『[[ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争]]』(PSP) --上記に挙げた問題点の多くは改善されているが、新たな問題点が生まれた。 --詳細はリンク先参照 ---- **余談 -海外版ではなぜか日本語の「ファイナルファンタジータクティクス」が消されておらずタイトル画面がほぼ一緒。~ よく見れば違う点があるのだが細かい部分であるためタイトル画面だけだと国内版のものと間違えやすい。 --ちなみに海外版のパッケージではちゃんと日本語は消されている。 -シナリオ・ゲームデザインを担当した松野泰己氏の巧みなストーリーテリングや台詞回し(いわゆる「松野節」)が遺憾なく発揮されている。 --本作の壮大かつ緻密な世界観は『[[ベイグラントストーリー]]』や『[[ファイナルファンタジーXII]]』に継承され、後に「''イヴァリース・アライアンス''」と銘打たれる展開が行われるに至る。 --なお、作風が『タクティクスオウガ』(開発:クエスト)と酷似していた為にパクリ疑惑があったが、松野泰己氏を初めとした元クエスト所属のスタッフが、スクウェアに移籍し本作を手がけたのが真相である。~ パクリ疑惑は無くなったものの、今度は同社による「強引なスタッフ引き抜き」疑惑が浮上した。なお、電子掲示板でこの件について尋ねられた松野泰己氏はクエスト退社は自らの意志であると否定している。~ サウンドチームも崎元仁・岩田匡治の黄金コンビが引き継いでおり、本作を象徴するブ厚いBGMは彼らの名を一躍世に知らしめた。 -イヴァリースとオルダリーアはそれぞれイングランド王国とフランス王国、五十年戦争と獅子戦争はそれぞれ百年戦争と薔薇戦争をモデルとしている。戦乱の経過も大筋では史実通り。 -後にFFTと同じイヴァリースを舞台とした『ファイナルファンタジータクティクスアドバンス』『ファイナルファンタジーXII』などのゲームが製作された。FF12までは松野氏が関与していたが、それ以降の作品は関与していない。 #region(源氏シリーズの悲劇) 本作品では、[[FFシリーズおなじみの防具「源氏シリーズ」に身を固めた「エルムドア」と戦うシーンがある。~ この作品に源氏シリーズが登場するのは後にも先にもこの場面だけであるため、収集欲のあるプレイヤーはなんとしても''装備を盗もうとした''。~ しかし、盗もうとしたときに成功確率が''00%''と表示されるため、さすがに諦めざるを得なかった。 そんな折、プレイヤーに希望の光が舞い降りる。~ 一部の攻略本や雑誌に~ ''「[[このゲームでは小数点以下を切り捨てているため、実際は小数点以下の確率で盗める。''(中略)''何度も何度も挑戦すれば盗むことが可能>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3840&file=Genji.JPG]]」''~ と書かれていた。この情報に狂喜し、何度も何度も「盗む」を実行し続けたプレイヤーは少なくない。 結論を言うと、ステータス画面には表示されない''絶対に盗まれないジョブ特性「メンテナンス」''が付いているため、盗める確率は''正真正銘の00%''だった。~ また問題の部分が書かれているページに''「盾を壊すことができれば回避率が下がるため、盗める確率が多少上がる。」''と書いているが''「メンテナンス」には絶対に壊されない特性''(剛剣すら効かない)も付いているため、これもガセである。 かくして源氏シリーズに夢を馳せたプレイヤーは、この誤情報によって延々と無駄な作業をした。~ また、その本の別部分に「盗めない」と書いている。~ この情報を発信した通称「[[黒本>http://www.amazon.co.jp/dp/4757702221]]」は他にも異常に誤植・誤情報・首を捻りたくなる攻略記事が多く、たとえ有名どころの攻略本であっても100%信用できるとは限らないことを人々に強烈に認識させた、伝説的書物である。~ さらに、件の源氏情報は『電撃プレイステーション』誌の嘘記事を丸写ししたと言われており、執筆姿勢そのものに問題があったと言える。~ そしてこの本はアスキー発行、ファミ通の攻略本。''大丈夫、ファミ通の攻略本だよ!''は&color(white){大丈夫?ファミ通の攻略本だよ?}と揶揄されることになった。~ 詳細は[[ニコニコ大百科>http://dic.nicovideo.jp/a/%E9%BB%92%E6%9C%AC%28fft%29]]、[[真珠星>http://www.geocities.jp/pearlstar_os/study/fft/books/daizen_v1-v3.html]]、[[ICE DROP>http://nisky.age.jp/fftgenji.html]]を参照。 //クソゲーまとめ用語集にもFFT大全の単独項があり、現在ゲームカタログ用語集/全般「攻略本」項で参考リンクとして載せています。ゲーム記事統合後のクソゲーまとめがwikiとしての立ち位置を確定させたら、参照関係を見直しても良いと思います。 ''第2版以降で[[問題の部分>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3840&file=Genji.JPG]]が修正されたと言う噂があるが嘘である。他にもある数々の間違いもほとんど直っていない。''~ ''それどころが、正しい内容が間違いの内容になった箇所まである。'' 余談だが、[[海外では源氏シリーズを盗める。>http://www.youtube.com/watch?v=WGmtxdW-uTc]](ただしPSP版では国内版と同じ仕様になっている。)~ ただし、海外版には海外向けのバランス調整・汎用キャラのセリフが「…」のみである・サウンドテストモードが削除されている、などの劣化点もある。 最近では自虐ネタとしてガンガン系列誌に連載している漫画『ドラゴンクスト10 4コママンガ劇場』に源氏ネタが拾われた程。やはり会社としても思うところがあったのだろうか? #endregion --そしてあの悲劇から約10年後、ファミ通はリメイク版の攻略本を出したが、内容は改善されるどころがさらに酷くなっている。詳しくは[[こちら>http://fftwiki.com/%B9%B6%CE%AC%CB%DC%BE%F0%CA%F3.html#td5b3614]]。 -当初は2周目アイテム引継ぎと勘違いされてたバグがある。初期化して最初からプレイすると毛皮骨肉店の情報がそのまま残るというもの。 --チュートリアル中に初期化すると、なんとあらゆる装備が最初から毛皮骨肉店で売っている。 -チョコボの不思議なデータディスク(『[[チョコボの不思議なダンジョン]]』付属)にFFTの特殊なセーブデータが収録された。6種類あり、全装備が揃ったデータや、アルケオデーモン・アルテマデーモン・サーペンタリウスといった敵専用ユニットが加入しているデータなど豪華。 - #region(内容) -全て最初の魔法都市ガリランド戦を終え、セーブ可能となった直後のデータとなっている。 |データ名|内容| |アイテム アビリティー これだけあればだいじょうぶ|ラムザ、ディリータ、汎用キャラ6人が全ジョブをマスター+全アビリティ習得。&br()流石に就けないジョブのアクションアビリティは習得していないが、それ以外のアビリティ(男性であればJump+3)は習得している。&br()アイテムは全種50個所持。毛皮骨肉店の在庫も50個ある。| |アイテムがたくさん!!|上記のデータからジョブ・アビリティを除いたもの。アイテム全種50個所持し、ジョブやアビリティは初期状態となる。| |アビリティはかんぺき!!|アイテムとは異なり、全ジョブマスター・全アビリティを習得している。&br()アイテムは初期状態であるが、毛皮骨肉店には大丈夫と同様にガッツリ揃っている。| |モンスターのなかまたち|汎用キャラと入れ替わりで、希少価値の高いティアマット・ワイルドボー、敵専用のアルケオデーモン・アルテマデーモン・アパンダ・サーペンタリウスがPTに。| |クラウドといっしょ!!|モンスターと同様に、汎用キャラがCh.4のサブイベントで加入する労働八号・ベイオウーフ・レーゼ(人間と竜の両方)・クラウド・ビブロスに。&br()ソルジャーのアビリティに必要なマテリアブレイドも所持。&br()問題点として、このメンバーが加入するイベントが消化済みとなっているため、関連イベントで発生する戦闘で得られるアイテムが一切入手出来ないことである((この中に最高性能の盾が含まれている。それ以外は別の手段で入手可能。))。| |サウンドノベル発見!!|「儲け話」で入手出来る「財宝」のエナビア記・ウイユヴェール・ナナイ人生真書・空想魔学小説を所持している。&br()キャラの能力などは初期状態。| #endregion ----
#contents ---- *FINAL FANTASY TACTICS 【ふぁいなるふぁんたじーたくてぃくす】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B00006LJQV,image)[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3840&file=FFTA.jpg]] [[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3840&file=FFTB.jpg]]| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売・開発元|スクウェア|~| |発売日|1997年6月20日|~| |定価|7,140円|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)&br()※アルティメットヒッツ版で付与されたレーティングを記載|~| |廉価版|スクウェアミレニアムコレクション:2000年6月29日/3,990円&br()PS one Books:2001年12月20日/2,625円&br()アルティメットヒッツ:2006年7月20日/1,575円|~| |配信|ゲームアーカイブス:2009年5月13日/1,000円&br()(表示定価は全て税込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク>ファイナルファンタジーシリーズ]]''| //鬱ゲー判定(2015/01/29 無断編集対策の目印用。判定欄への明記は不可) ---- #expand(700){{{ #center(){{ &font(i,120%){戦士は剣を手に取り胸に一つの石を抱く}~ &font(i,120%){消え行く記憶をその剣に刻み}~ &font(i,120%){鍛えた技をその石に託す}~ &font(i,120%){物語は剣より語られ石に継がれる}~ &font(i,120%){今、その物語を語ろう…}~ }} }}} ---- **概要 『ファイナルファンタジー』シリーズ初の本格シミュレーションRPG。~ ファイナルファンタジーの名を冠してはいるがあくまで外伝扱いであり、中世ファンタジー的要素は従来通りながら、世界観・シナリオ共に徹底してダークな雰囲気でまとめられた異色作。~ 勧善懲悪的で王道ファンタジー色の強い従来のシリーズとは一線を画し、イヴァリースという異世界で起こった戦乱を背景に、名門貴族出身の主人公と平民出身の親友を軸とする群像劇が繰り広げられる。~ 現実の中世ヨーロッパ同様の徹底した階級主義社会が背景となっており、身分差別と覇権争い、戦乱に乗じてかつての権勢を取り戻そうとする宗教の醜さ、さらに彼らの思惑を利用して裏で暗躍する集団の存在など、中世ヨーロッパ暗黒時代を髣髴とさせるダークな世界設定を特徴としている。 それまでのシリーズ作品と毛色が大きくが異なりつつも、ゲーム性・シナリオ面が高く評価され、シミュレーションRPGとしては驚異的な130万本を超えるセールスを記録。~ 以前はマイナーな一ジャンルにすぎなかったSRPGをメジャージャンルに押し上げる功績を挙げた。 また、本作は[[タクティクスオウガ]]の開発・企画・シナリオを務めた松野泰己氏が本作のシナリオ・ゲームデザインを担当しており、同作から様々な要素が継承されている。 ---- **ストーリー イヴァリースとオルダリーアの二大国が争った「五十年戦争」は、イヴァリースの事実上の敗北という形で和平が結ばれた。~ 長い戦乱で疲弊したイヴァリースでは、十分な恩賞を得られずに困窮する一部の貴族や騎士階級が野盗と化し、治安は悪化の一途をたどっていた。~ イヴァリースの名門貴族であるベオルブ家の末弟ラムザ・ベオルブと、その親友でありべオルブ家の庇護の下にある平民出身の青年ディリータ・ハイラルは、~ 士官候補生として治安維持のために各地を転戦していく過程で、貴族と平民の間にある埋め難い溝を思い知らされる。~ そんな中、彼らの人生を決定的に変える、ある事件が起こる。 やがて、王家に仕える有力諸侯が支持するゴルターナ公と、没落した貴族や騎士・平民層が支持するラーグ公、~ ともに獅子を紋章に掲げるイヴァリース二大将軍家の権力闘争の末に、後に「獅子戦争」と呼ばれることになる大規模な内乱が勃発。~ 戦火と混乱の裏で暗躍する者たちの影を察知したラムザは、孤独な闘いに身を投じてゆくこととなる。 **主要キャラクター #region() いずれも初期状態のブレイブストーリーより。一部キャラクター以外は抜粋。 -''ラムザ・ベオルブ'' --王立ガリランド士官アカデミーに通う騎士見習い。イグーロス出身。 --ベオルブ家は古くから続く武門の棟梁として名高く、畏国の四大騎士団のひとつ・北天騎士団の将軍を代々輩出してきた。~ 彼はベオルブ四兄妹の末弟だが、出来の良い兄たちとは腹違いに当たるため、多少の引け目を感じている。 -''ディリータ・ハイラル'' --王立ガリランド士官アカデミーの騎士見習い。ラムザの幼なじみ。 --ベオルブ家の領地に暮らす農家の息子。両親が黒死病で死亡してからは妹のティータと共にベオルブ家に引き取られていた。~ 貴族の子弟しか入学できないアカデミーに通えるのは、亡きバルバネス(ラムザの父)の厚意によるもの。 -''アグリアス・オークス'' --アトカーシャ王家直属の近衛騎士団に所属する騎士。~ 王家に対する忠誠心はとても高く、また正義感が強い。 -''オヴェリア・アトカーシャ'' --国王オムドリアIII世が二番目の王子を亡くしたときに養女として王家に迎えられたが、~ すぐに王妃に三人目の王子・オリナスが誕生したため、ラーグ公に預けられることになった。 -''ダイスダーグ・ベオルブ'' --ラムザの長兄でガリオンヌの領主ラーグ公に仕える軍師の一人。軍師でありながら魔道にも精通した魔法剣士でもあるらしい。 -''ザルバッグ・ベオルブ'' --ラムザの次兄で北天騎士団団長にして“聖騎士”の称号を持つ騎士。~ 常勝無敗の武人だが、反面敬虔(けいけん)なグレバドス教信者でもある。 -''アルマ・ベオルブ'' --ベオルブ四兄妹の末っ子でラムザの妹。イグーロス貴族学院に通う。~ 長兄・次兄より歳の近いラムザの方と仲がよいらしい。 -''ティータ・ハイラル'' --ディリータの実妹。ベオルブ家の領地に暮らす農家の娘。~ 両親を黒死病で亡くしてからは兄のディリータと共にベオルブ家に引き取られていた。 -''バルバネス・ベオルブ'' --元北天騎士団団長にして、騎士としては最高位の称号、“天騎士”を持つ騎士。~ 五十年戦争では他騎士団が連敗している中、幾多の戦いで勝利を収め、その都度、畏国の劣勢を覆してきた。戦争末期に病死。 -''ベストラルダ・ラーグ'' --ガリオンヌの領主にして、国王オムドリア3世の王妃ルーヴェリアの実兄。~ --五十年戦争でも将軍の一人として活躍した。畏国で最も強いと云われる北天騎士団はラーグ公の配下である。 -''ダクスマルダ・ゴルターナ'' --ゼルテニアの領主。王家の紋章である双頭の獅子の片方・黒獅子を家紋とすることから“黒獅子公”とも呼ばれる。~ 五十年戦争では将軍の一人として活躍し、北天騎士団と双璧をなす南天騎士団を従えている。 -''シドルファス・オルランドゥ'' --通称“雷神シド”。南天騎士団団長にして、先の五十年戦争ではバルバネスやザルバッグらと共に敵に恐れられた無敗の将軍。~ ゴルターナ公とは二十年来の仲であり、公が戦えるのもオルランドゥ家の信用と実力があってのものである。 -''アルガス・サダルファス'' --ランベリーのルオフォンデス出身。ランベリーの領主・エルムドア侯爵配下の近衛騎士団所属の騎士見習い。~ 没落した自分の家の再興のため騎士として名を成そうとしている。しかし自分勝手な男といわれることが多い。 -''ムスタディオ・ブナンザ'' --機工都市ゴーグの鉱山で働く若者。機械仕掛けの兵器造りで名高い機工師ベスロディオの息子。~ 火薬を銃身に詰め金属の弾丸を放つ機械仕掛けの兵器『銃』を使いこなすことができる。 -''オーラン・デュライ'' --南天騎士団所属の魔道士。“雷神シド”ことオルランドゥ伯の義理の息子。~ 現在はシドの片腕として活躍している。 #endregion ---- **特徴・評価点 ''暗く陰鬱かつ重厚なストーリー'' --「後世の歴史学者アラズラム・J・Dとともに、禁断の書物『デュライ白書』に記された真実の歴史と、知られざる英雄ラムザ・ベオルブの生涯を紐解いていく」という体裁で進行する。 ---つまり、本作で展開されるゲームシナリオは全て、過去の歴史上の出来事である。 //アラズラムのフルネームはエンディングのネタバレになるのでイニシャルで。 //---ただしあくまで「形式上は」そうなっているだけで、実質的にはプレイヤーが主人公であるラムザを操作することになる。 -世間知らずだった名門貴族出身のラムザと、彼の親友で平民出身のディリータを厳しい現実が次々に襲う。 --ディリータは当初はラムザの理解者であったが、ある重大な事件をきっかけに彼も「利用できるものは(例え親友でも)全て利用する」という野心と共に立ち回り、やがて英雄王へとのし上がっていく。 --一方で自分の信じる「正義」を貫くことを選んだラムザはディリータや肉親と道を別ち、戦争の裏側で糸を引く者たちを追う。~ 名門貴族の名を捨て、孤独な戦いを続けるラムザが彼の淡い信頼・希望に対する冷酷・残忍な裏切りを乗り越え、「もう一人の英雄」として大きく成長していく様子が描かれる。 -敵味方を問わず魅力的なキャラクター --特に序盤から加入する騎士道精神に満ちた女騎士アグリアスと、彼女らと対立しながらも現実主義者としてラムザの反面教師となるガフガリオン、実力と精神を兼ね備えるも時代の波に翻弄されるラムザの次兄ザルバッグの人気は高い。~ 敵役にも''「家畜に神はいないッ!!」''という強烈なセリフとともにストーリーの大きな転換点を作るアルガス、理想を追い求めるあまり自ら破滅へと突き進んでいくウィーグラフ、謀略渦巻く権力社会の象徴としてとことん汚く描かれるラムザの長兄ダイスダーグなど、作中世界にどっぷりと浸ることができるだろう。 ''戦闘・育成'' -タクティクスオウガの「ウェイトターンシステム」に、FFシリーズの「アクティブタイムバトル(ATB)」を融合させた戦闘システムが特徴。 --「味方のターン→敵のターン」ではなく、敵味方を問わず''「チャージタイム(CT)」''という行動力が100になったユニットから順に''「アクティブターン(AT)」''となる。 ---ATとなったユニットは移動・行動を1回ずつ可能。両方を行うとCTは0になるが、片方だけなら20、何もせずに待機すると40溜まった状態で次のターンに備えることができる。無駄だと思ったら行動しないのも一つの手。 ---CTはパラメータの一つ「SPEED」の値が高いほど早く溜まり、相対的により多くの行動が可能となる。~ このため、一時的にSPEEDを調整する「ヘイスト」や「スロウ」が従来のFF以上に重要。特に「スロウ」はほぼ全てのボスにすら通用する優秀な魔法である。 --ここまではウェイトターンシステムとほぼ同じだが、本作では''魔法や一部の必殺技にもSPEEDとチャージタイムの概念がある''。~ 技が発動するまでの間は「チャージ状態(詠唱状態)」となり、敵の攻撃に対して無防備になってしまう。原則的に強力な技ほどSPEEDが低く、発動するまでに時間がかかる。 ---これらの技は目標キャラをロックオンする「ユニット」、もしくは場所を指定する「パネル」のどちらかをターゲットとして選択する。どちらも一長一短なため、行動順や効果範囲などの状況に応じた使い分けが必要。 ---ただし全てがそうではなく、チャージタイム無しで即時発動が可能なもの、パネル指定しかできないものなどが混在する。 --全てのユニットのATと技の発動順はいつでも一覧形式で参照できるため、ちまちました計算などは全く必要なし。~ ラムザの台詞''「アクティブターンを常に確認しよう。それが勝利への近道!」''はまさに本作の戦闘を示した名言である。 -戦闘は高さや向きの概念がある3Dマップ上で繰り広げられる。 --マップがポリゴンになったため、回転や視点の微調整が可能。操作性やマップの見易さが格段に上がった。~ キャラクターはドットで描かれており、本作でも細かな動作に極まった職人芸を見ることができる。ポリゴンマップや美麗なエフェクトとのバランスが取れた戦闘画面は非常に見栄えが良い。 --タクティクスオウガで強力だった飛び道具については、弓はジョブ「弓使い」しか使えず((正確には弓には「弓」と「自動弓」の二種類があり、うち「弓」が「弓使い」専用となっている。「自動弓」はアビリティで装備可能に出来る他、一部の専用ジョブでも装備可能となっている。))、固有のアビリティ「チャージ」にはチャージタイムがあるため運用に工夫が必要。逆に弱かった近接攻撃は「リアクションアビリティ」が無い限り反撃は受けない。 ---タクティクスオウガの反省を生かしたということでこの辺りにもきっちり調整が入っている(上記の冷遇など別の問題も浮上したが)。 --屋外のマップではその日の天候によって移動力が変動したり、属性魔法の威力が変化する要素も組み込まれている。 -育成・編成のポイントは『[[ファイナルファンタジーV]]』を更に発展させたジョブ&アビリティシステム。 --シリーズおなじみのジョブを中心に、アイテム士・陰陽士・風水士・話術士といった本作特有のものまで、計20種類(男性・女性専用ジョブ含む)の汎用ジョブが用意されている。~ ネームドキャラクターはこれら以外に、より強力・個性的なアビリティを備えた専用ジョブを持つ。 --アビリティの中には敵を勧誘できるものもある。これにより、一部ボスを除き敵味方の死者を出さずにクリアすることも可能。 --各ユニットにセットされるアビリティは5種類。~ 行動の軸になる「アクション」(ジョブ固定枠+自由枠の2つ)、他のユニットの行動に反応して発動する「リアクション」、常に効果を発揮する「サポート」、移動時に発動する「ムーブ」で構成される。 ---覚えたアビリティはどのジョブに就いていてもセット可能。~ 「アイテム」を付けて自給自足ができるナイト、「銃装備可能」で援護射撃ができる白魔道師、「二刀流」+「戦技」で相手の装備を破壊しまくるシーフなど、無数の組み合わせによる自由度の高さが魅力である。~ バランス良くアビリティを覚えて弱点をカバーするも、各ユニットが得意分野を伸ばしてチームワークで勝負するも、全てはプレイヤー次第。 --立体的なマップ上で戦闘が繰り広げられるため、移動力を決定する「Move」と「Jump」も重要。~ 高所を取ることで射程が伸びる「弓」、遮蔽物を無視して範囲攻撃ができる「魔法」、地形によって様々な効果を発揮する「風水術」など、中・遠距離系のアビリティは位置関係次第で力を発揮できることが多い。特に序盤~中盤戦では単純な火力や耐久力だけでなく、地の利を生かせる編成を心がけることも必要である。 -装備品は右手・左手・胴・頭・アクセサリの5つ。本作には防御力の概念がなく、防具は主にHPを上げる手段である。 --単に攻撃力・HPを大きく上げるだけのものが優秀という訳ではなく、ガード確率・回避率を上げるもの、状態異常を付加or防止するもの、追加効果のあるものが重要な場面もある。 --特殊パラメータとして、リアクションアビリティの発動確率を表す「Brave」、魔法の威力や耐性に影響する「Faith」、他人との相性を決定する「星座」が存在。~ 基本的には固定パラメータだが、BraveとFaithは特定のアビリティを使用することで増減が可能。戦闘中にBraveが下がりすぎると「チキン」状態となって逃げ回る以外の行動が不能になる。''見た目も鶏になる''。 ---Faithに関しては数値が高いほど魔法の与ダメージ、被ダメージ、補助魔法の被成功率などが上がり、低い場合は逆になるのでFaithは一長一短と言える。~ また、戦闘終了時にFaithが高すぎるキャラがいるとパーティから離脱してしまうので注意が必要である。もっとも普通にプレイしてる限りはそうそう離脱することはないが。 -ユニットが戦闘不能になるとカウントダウン「3」が点灯し、これが0になると死亡・消滅して宝箱かクリスタルのどちらかに変化する。逆に言えば3カウント中は蘇生猶予がある。 --危なっかしいのですぐに蘇生したいところだが、戦況打開を優先してぎりぎりまで放置する、あるいはいったん蘇生してカウントをリセットするといった駆け引きも可能。そのためかこのゲームをやると0カウント中ギリギリに蘇生が間に合った!という場面に良く出くわす。戦闘不能状態のままクリアしても死亡しないので、蘇生させず完全放置で速攻をかけても問題ない。 ---また単純に戦闘不能≠死なので、ユニットをおとりにする戦略を気軽にとれ、戦略の幅が広まる。蘇生が間に合わないと死んでしまうので、キャラロストのないSRPGとも違い緊張感は保たれる。~ ほかにも高火力の技を乱発するボスユニットやモンスターが多くても、主人公を前線に出しやすい・耐久力の低いジョブに就かせ易いなどのメリットがある。 --カウントダウンは戦闘不能になったキャラにターンが回るたびに行われるので「SPEED」が上がりすぎたキャラが倒れるとあっという間に死んでしまうというデメリットがある。 --宝箱には装備品や消費アイテムが入っており、クリスタルは「HP&MP全回復」か「アビリティ継承」を選択できる。~ 特にクリスタルによる継承は便利で、ハイコストなアビリティを上手く拾っていくことで効率的にキャラを成長させられる。~ 表示されているアビリティ全てを継承できるが、継承の際にアビリティ一覧にカーソルが表示され、選択することで継承が行われるため、1つしか継承できないと勘違いされやすい((バグではなく仕様だと思われる。カーソルが表示されるのは、各アビリティの効果を後述のヘルプメッセージで確認できるようにするためであろう。))。 ---ただし表示されるアビリティはランダムで、狙ったものが出なかったり何も表示されないこともある。また固有ジョブ(アンデッドユニット含む)やモンスターの専用アビリティは継承できない。 ---当然''味方を謀殺してアビリティを継承させる''ことも可能。 --いかなる戦闘においても主人公のラムザがロストした場合は問答無用でゲームオーバー。 ---「フェニックスの尾」以外による復活手段は星座相性((本作の各キャラには各々の誕生日により、現実世界の十二星座に準えた星座が割り当てられており、それぞれの星座に相性のいい星座・悪い星座が設定されている。相性の良い星座には魔法成功率が高く・魔法効果が大きくなる。逆に相性の悪い星座には魔法成功率が低く、魔法効果は小さくなる))や能力によっては''失敗''する事がある。特に白魔道士の「レイズ」やモンクの「蘇生」など、最序盤ではパラメーターの低さ故に蘇生成功率が一桁%になってしまう事もありうる。 --敵がロストした場合は「殺害数」が、味方((ランダムエンカウントの時のゲストキャラも含まれる為、たまに混ざるゲストに気付かずに戦死され、いつの間にか戦死者数がカウントされているという事も起こる。))がロストした場合は「戦死者」のカウントが増加する。これらは「ブレイブストーリー」を開いたときに確認可能。(あくまでロストをカウントしているのでストーリー上、倒して戦死した敵キャラは殺害数に入らない) ---無血クリアといったやり込みもみられる。 ''「儲け話」による収集要素。'' -各拠点の酒場で請け負いユニットを選んで派遣し、一定日数が経過すると仕事を終えて戻ってくる。上手くいくと「財宝」や「秘境」を発見できる。 --純粋なコレクション要素だがグラフィックや説明文が凝っており、よりイヴァリースの世界観を広げてくれる。~ FFファンならニヤリとする懐かしの財宝(「エクスカリパー」等)や秘境(「クリスタルタワー」等)も多数用意されている。 --財宝の一種として出る小説4冊はミニゲームのサウンドノベルとして遊ぶことができる。このシナリオやシステムにも深いこだわりが見られ、特にとある女性暗殺者の日々を描いた「ウイユヴェール」は人気が高い。 ''レアアイテム収集'' -本作の楽しみのひとつ。アイテム士の「アイテム発見移動」やシーフの「盗む」「キャッチ」「密猟」を活用することで様々なレアアイテムを入手できる。 --「密猟」は止めを刺したモンスターを特定の拠点に存在する「毛皮骨肉店」に送り、そこで加工された様々なアイテムを購入できるというもの。レアモンスターほどレアアイテムになりやすい。~ 普通にプレイしていてもレアモンスターに遭遇する確率が低いためアイテムコンプは困難だが、その下位種を仲間にして隊内で繁殖させ、稀に産まれる目当てのモンスターを狩る''(同士討ち)''「養殖」と呼ばれる手段も存在する。~ 特にレアアイテムの宝庫である「うりぼう」系は見た目的にも''ただの豚''なため、ラムザ隊は''ヤミの養豚業者と化す''。 ---ちなみに密猟したユニットは殺害にも戦死にもカウントされないので、戦歴に傷が付くことはない。 ---もっとも、これらの収集欲をそそるシステムは後述の「源氏シリーズの悲劇」を起こすことにもなったのだが。 ''隠しマップ「ディープダンジョン」'' -ブイベントを消化することでB10Fまであるダンジョンを探索できるようになる。 --難しいが、ここでしか入手できないアイテム・隠しキャラ・隠し召喚魔法があるためやり甲斐がある。 --ちなみに「ディープダンジョン」の元ネタは同名のFCのRPGである。しかし開発元が違う上、4に至っては販売元まで違うため、当時旧スクウェアのゲームとしてこの名前を出していいのか不安がられた。 ''良質なBGM'' -場面によりうまく使い分けられており、シナリオ演出効果を高めている。 --ニューゲームを選択し、主人公の名前を「BGMききたい」にするとサウンドテストモードに入れる裏技がある。~ このBGM選択画面にもヘルプメッセージが用意されており、曲ごとに作曲者のコメントが収録されている。遊び心がたっぷりと詰め込まれた曲名やコメントは必見。~ 特に崎元・岩田両氏のものが面白く、「当初は主人公になる予定だった」らしいクマさんの物語が(勝手に)進行したり、ふざけていはいるがイメージにピッタリハマった曲名など、どこまでが本気でどこからが冗談か分からない秀逸なオマケ要素となっている。~ サウンドトラックではマトモな曲名に変更されたため、あくまでジョークだったようだ。 ''最強育成のやり込みにおける懐の広さ'' -密漁、盗む、キャッチなど、レア装備品の入手手段は様々で、入手できる装備品も強力な物が多く、コレクションだけでなく最強育成の面においてもやり甲斐がある。 -レベル下げ&レベル上げの繰り返しによるドーピングも可能。~ 成長率の低いジョブ(吟遊詩人・踊り子・アイテム士)でレベルダウン→成長率の高いジョブでのレベルアップを繰り返し、パラメータを強化する育成。 --相当な時間はかかるが、アイテム・可能時期等の制約がほぼ無いため''時間の許す限り育成可能''。~ ただし、それだけのやり込みに見合う敵キャラがラスボスを含めいないのは残念な点である。 -星座相性の最適化。 --パーティ内の各キャラの星座相性をできるかぎり良い組み合わせにすることで、適当に星座を決めたパーティとは段違いのサポート効果を得ることができる。 --前述の通り、本作の魔法はFaithや星座相性により効果量が天と地ほどにも変動するため、この厳選は多少の装備強化やドーピングより効果が目に見えて現れる。そのため、頭を悩ますだけの価値はある。 --各々の星座には相性の良い・悪い星座が必ず存在するため、全てのキャラ同士が最良という組み合わせは無い。また、固有キャラの星座は変更不可&相性の悪い固有キャラの組み合わせもあるため、パーティとしての最適解は用意されていない。それを自分で探すのも育成の醍醐味のひとつ。 ''その他'' -SELECTボタンで出るカーソルからヘルプメッセージを見ることができる。 --その情報量がハンパではなく、画面上に表示されているあらゆる表示を参照可能。地形やコマンド・アビリティの概要からジョブの由来や設定、武器の説明まで細かく記されている。 --また、編成画面でユニットの名前を指定すると、一言コメントをしてくれる。固有ユニットはもちろん、汎用ユニットに至るまで全員分の固有の会話が用意されている。 ---「水深2の場所では『行動』が出来ないから注意してね。」といった攻略のヒントや、「今日の口紅は、何色にしよーかなあ…。」と本来没個性である汎用ユニットの個性を感じさせるもの、「私は双子の兄です/弟です。」と汎用ユニット同士の関係を示唆したものなど実に様々。 ---女騎士アグリアスの「人の夢と書いて儚(はかない)… 何か物悲しいわね…。」 は特に印象深い。 ---ただし、機工士ムスタディオの「狙って撃てばいいだけさ 銃のチャージは無意味だぜ!」など嘘もある((実際は銃でもチャージ分のダメージはしっかり増えている。))。 -特定のアクションアビリティ発動時に一定確率で詠唱セリフが表示される演出もタクティクスオウガから引き継がれている。 --これもやたらと凝っており、対応技が大幅に増加。魔法や剣技をはじめ、普通にプレイしていてもほとんどお目にかかれないマニアックな敵専用アビリティにまできっちり設定されており、世界観作りに一役買っている。 -本編とは関係ないサブイベントを進めることで、『[[ファイナルファンタジーVII]]』のクラウド・ストライフを加入させることができる。ジョブは固有の「ソルジャー」、専用アビリティは「リミット」。 --本編にてライフストリームに飲み込まれた際に召喚されたと思われ、記憶が混濁している様子。イベントではエアリス(によく似た少女)も登場。 --加入するのが終盤なのに初期レベルが1、リミット技のチャージタイムが全体的に長いなど、ユニットとしての使い勝手は微妙だが、チャージ時間を短縮する「ショートチャージ」などを覚えさせて地道に育てれば一線級の活躍ができる。~ あくまで他作品からのゲストキャラなので、「育成は面倒だが愛を注げば使える」という出しゃばり過ぎない調整は双方のファンにとっても納得いくものだろう。 ---- **問題点 -メンバー登録数が16人分しかない。 --ネームドキャラは隠しキャラを含めて最大12名なので、無計画に汎用キャラやモンスターをメンバーに入れていると16人枠はすぐにパンク状態になる。~ 手塩にかけて育てたキャラを除名orクリスタル化させなければならないのは辛い。除名時のセリフがよりいっそう悲しさを煽る。 --しかも儲け話はネームドキャラは参加できず、汎用キャラを使う必要があるが、上記のとおりパンク状態になる為人員のやり繰りが非常に不自由。~ そのため使い勝手が悪いアビリティを持つネームドキャラも汎用キャラ枠を確保するために除名の対象になりやすい。 ---- **賛否両論点 -弱アビリティ(弱ジョブ)の不遇 --特に目立つのは「真言」・「裏真言」・「剛剣」の3つ。いずれも固有ジョブの専用アビリティにも拘らず非常に使い勝手が悪い。 :「真言」「裏真言」(天道士/天冥士)|遠距離・範囲攻撃が可能な魔法系アビリティだが、真言はFaithを無視、裏真言はFaithが低いほど威力が上がるという特殊な性質を持つ。問題は''5マスある効果範囲のどこか''に''ランダム回数''(1~6回)攻撃する運任せ。運が良ければ大ダメージだが、現実は一発でも当たれば御の字というレベル。理詰めで戦略を立てるゲームにあって、この不安定さは致命的な欠点である(設定上は暗殺術なのに…)。~ さらにチャージタイムが長い割に基礎攻撃力も微妙。移動力などジョブ固有の基礎能力も低いため汎用ジョブの「見習い戦士」よりも扱いにくいという惨状で、主力で使うのは厳しい。天道士/天冥士は真っ先に除名候補に挙がってしまう((しっかりお膳立てしてやれば十分強力だが、他の強力なアビリティを使った方が早いし楽なため、結局あまり使われない。))。 --専用アビリティでは「剛剣」「リミット」がいまいち ---ディバインナイトの「剛剣」は、ダメージを与えると同時に、装備品を破壊する必中攻撃を中距離からチャージ無しで即発動する強力な技。しかし、敵が装備品をつけていないとダメージを与えられない。つまり、''装備品を装着できないモンスターに全くの無力''という欠点がある。装備品の破壊判定よりもダメージ判定の方が先なので、防具を破壊しても減少分の最大HPは威力に加算されない。~ もっとも、人間ユニットが相手なら武器を破壊して一瞬で確実に無力化できる上に本編の敵は人間ユニットが多めであり、ジョブのパラメータも高めなため、「真言」「裏真言」に比べればまだ使える部類だが、加入時期にはすでに「剛剣」も使える「全剣技」の使い手がいるので慣れていないプレイヤーには微妙扱いされやすい。~ また、槍を装備できるという利点がありパラメータは「竜騎士」のほぼ上位互換であるため、「剛剣」の使用を諦めて「ジャンプ」要員にするという運用もある。 //テンプルナイトは使えるだろ… //剣聖と比べるとほぼ全てのユニットが微妙になるうえ、デフォルトで高攻撃力・高機動力・騎士剣と盾装備可能なメリアドールが微妙扱いは言い過ぎ。後述のリミットの方が遥かに使いにくい //威力も聖剣技と1~2割しか変わらないのに「それほど高くない」という表現も微妙。ジョブの能力を考えば数字は同等か逆転する ←人間キャラを普通に一撃で倒せるかどうかが評価の分かれ目なんじゃないかと思う。 ---クラウドの「リミット」も、使うのに特定の武器が必要、パネル指定しかできない点で使い勝手は微妙。上位の技は高威力・広範囲な代わりにチャージタイムが長すぎるため使い物にならず、ほぼ演出を見るためだけに存在する技。~ ただし下位の技は普通に有用で、育てる手間をかければ戦力にすることは十分に可能。 ---ディバインナイトやソルジャーに限った話では無いが、これらのキャラが加入する頃には圧倒的な攻撃力を誇り永久ヘイストの効果を持つ武器を装備している剣聖が真っ先に敵を攻撃して即死或いは瀕死にしてしまうため他のキャラは剣聖の攻撃を辛うじて生き延びた敵にトドメを刺して回るのが主な役割となる。そのため、装備を壊す、ステータスを下げる、ステータス異常を与えるといった能力は不要となるため、それらの能力を得意とするジョブは不遇となり、広い射程と効果範囲を持ち即時発動且つ必中の「聖剣技」を使える「ホーリーナイト」、スピードを始めとして圧倒的な能力値を誇る「ドラグナー」に軍配が上がる。 -汎用ジョブではものまね士の使いにくさが目立つ。''相手との距離や向き、地形まで考慮する必要がある''ため、マトモに機能させるにはものまね中心の戦略が必要(「踊る」「詩う」など、距離も向きも関係ないアビリティなら単純に2倍の効果が得られるオプションとして機能する)。~ また、アイテムの装備ができずアビリティもセットできない。ものまね士自体はパラメータ成長率の高さを活かしたドーピングには使えるが、ジョブチェンジまでの道のりが長い割に戦力として微妙。 --弓使いの「チャージ」も使い辛い。その名の通り、チャージタイムをかけて力を溜めた後に威力を高めた矢を射る技だが、チャージが長い割にさほどのダメージアップは見込めず、ユニット指定もできないので使いどころが微妙。スピードを上げようが「ショートチャージ」をセットしようがチャージが早くならないのも痛い。~ 弓使い自体は序盤戦で非常に頼りになる存在なのだが。 ---開発中は8、10、12、15、20、30、40、50、99であったらしいが、製品版では1、2、3、4、5、7、10、20と大幅に弱体化されてしまった(デジキューブガイドブックP14より。一部推測)。 //算術は元の使用者のExpやCTが変動し、ものまね士のCTもものまね発動時に一時的に100になるため、実はものまねとの相性が悪いです。 -当時のゲームではよくある事だが、女性専用装備に強力なものが多い。特に、全てのステータス異常を無効化する「リボン」、永久ヘイストを付加する「セッティエムソン」、永久リレイズを付加する「シャンタージュ」は非常に強力。 --ただし、これらは入手手段が限られているため、ゲームバランスに影響を与える事はほとんど無い。 --また、''2周目以降やり込む前提であれば話は別''。~ 一見、性能を重視するなら汎用ユニットはほぼ女性一択のように見えるが、男性ユニットの方が先述の''ドーピングにおいて、女性ユニットより成長力が優れている''という利点がある。そのため、性別格差はそれほど顕著ではない。 -序盤~中盤における難しさ。 --戦闘システムが従来のFFに比べて複雑なことに加え、不親切な部分も見受けられる。 --本来チュートリアルの延長であるはずの、ゲーム開始から2戦目の魔法都市ガリランド戦の難易度が高い。&footnote(チュートリアルバトルにありがちな、味方に有利なハンディキャップがほとんど存在しない上、このバトルまでレベル上げや自由な味方の強化が一切できないため)~ 最悪の場合、''ゲームを開始することができない''事態に陥ってしまう。 --最も有名なのは中盤のリオファネス城3連戦。一度入ると出られない代わりに途中でセーブできるが、問題は第2戦手前のセーブポイント。~ この後に待ち構えているボス戦は本作屈指の強さ(さらに変身する上に厄介な仲間まで呼ぶ)であり、半端な戦力で上書きセーブしてしまうと一旦退いて戦力を整えることも進むこともできず、ゲームを最初からやり直すしかなくなってしまう。前後の戦闘と比較しても極端に強いため、前知識なし・ストーリー優先で普通にプレイしているとほぼ間違いなく詰む。~ このことを警告するようなメッセージもなく、発売直後にここで立ち往生したプレイヤーは数知れず。 ---続く第3戦にもかなりの強敵が待ち構えているが、こちらは敵の行動の運要素が強く、第2戦を切り抜けられる戦力があれば最悪リロードを繰り返せば何とかなる。 --ドーターのスラム街でのイベント戦、赤チョコボを筆頭とするチョコボ系や3色ドラゴンも難敵・難所である。 --しかし終盤に差し掛かる頃には強力な味方とアビリティを使用できるため、特別やり込んでいなくてもイベント戦闘は極端に簡単になる(詳しくは後述)。むしろ通常のエンカウント戦闘の方が厄介なことが多くなる。~ ラスボスも迫力(そして&bold(){セクシーさ})を持ってはいるが、非常に弱い。攻撃力はラスボスを張れるだけはあるが、HPやSPEEDが低すぎるのと、思考ルーチンが賢くない(敗北条件に無関係なNPCキャラを優先して狙う)ため楽に勝てる。 -ゲームバランスぶち壊しの強アビリティの存在と、大味なダメージバランス --「算術」「全剣技」や一部のリアクションアビリティがこれに当てはまる。 :「算術」(算術士)|任意の条件に当てはまった対象全てに対して、任意の魔法を''射程無視・チャージタイム無し・MP消費無しで発動させる''というもの。問題は''容易にほとんどのキャラを対象に入れられる''ことで(有効なものでは「CT5ホーリー」の組み合わせが有名)、誇張ではなく''使用した瞬間マップクリア''可能な壊れ性能。説明書にもその使用方法が書かれている。ジョブチェンジの条件が厳しく、ジョブ自体の性能も低く、更にはプレイヤーにある程度の検算能力、管理能力が求められる。ただしそれらを差し引いても強く、その上ジョブチェンジすればさらに強い。 :「全剣技」(剣聖)|''長射程・必中・ノーコスト・即発動''、技によってはさらに''範囲攻撃・状態異常付加・回復''という強力な固有アビリティ「聖剣技」「暗黒剣」を''全て使える''というもの。剣技そのものは強力ながらそれ単体でバランスを崩すほどではない(事実、聖剣技を使用できるキャラが早い段階で仲間になるが、それでもなお厳しい戦いが続く)。問題は「全剣技」を''加入直後から即死レベルの威力''で繰り出せる上に装備も基礎能力も強いチートキャラ「雷神シド」が''必ず''仲間になること&footnote(同じくバランスブレイカーのレーゼは、サブイベントを完遂しないと加入しないため、労力に釣り合った性能と言える)。バランスブレイカーの代名詞であり、彼の加入は難易度の激減を意味する。 :リアクションアビリティ|発生確率がBrave%と設定されているものが多いが、このゲームではBraveをアビリティで上げることが可能なため、発生率は最大で''97%''となる。その発生率が物理攻撃の大半を完全回避する「白刃取り」、「MP回復移動」と併用すると1ターンに1回あらゆるダメージを無力化する「MPすり替え」などと合わさることにより、最早別ゲーと言わんばかりに守りが鉄壁になる。やりすぎるともの凄く簡単になるため、ご利用は計画的に。 //ただの素手攻撃ですら、能力の2乗にBrave%をかけるため、Braveが高いと終盤はかなりの威力と化す。 --これ以外にもやり方次第で絶大な威力を発揮するアビリティが多数存在し、ゲーム中盤~終盤ともなると容易く即死級のダメージを与えられるようになってしまう。 --こういった強アビリティ・強キャラは初心者への救済措置とも取れるが、前述のように序盤~中盤の難易度は救済措置を必要とするようなプレイヤーにとっては難しすぎ、難関を乗り越えてプレイヤーのスキルが上がったところで極端に難易度が下がるため、物語が佳境を迎える終盤戦の歯応えがなさすぎる。どうにもチグハグな感は否めない。 -終盤のストーリー展開に関する賛否。 #region(ネタバレ注意) --本作はFF系列の作品としては異質と言えるほどファンタジー要素が低く抑えられており、「人間によるリアリティ溢れる群像劇」という趣向が強い。~ ゆえに単純な勧善懲悪の枠に収まらないストーリーの深みを持っており、これが本作の大きな魅力のひとつとなっているのは前述の通りである。 --しかしストーリーが進むにつれて存在が明らかとなる「ルカヴィ」および「聖アジョラ」は大雑把に言ってしまえば「人外」で、最終的には彼らがラムザとその仲間の運命に重大な影響を与えることとなる。~ この点に対して「結局はよくあるファンタジーのモンスター退治の域を出ない」とする意見も見られる。~ あくまで彼らを使役するのは「人間の意志」であり、エンディングの最後にはさらなるドンデン返しが待っているため一概にそうとも言えないのだが、やや賛否が分かれる点である。 --ただし「人外の力が戦争に作用する展開」は、ライターの松野氏の得意とするところでもあり、氏を知るファンにとってはあまり問題でもなかったりする。~ また、ストーリーは一本道でネームドキャラの生死やエンディング分岐はせず、エンディングはキャラの生死をプレイヤーの想像に委ねるものであり、鬱ゲーとまではいかないが後味のいいものではない(ゲーム中のプレイ=過去に起こった戦乱の「真実の記録」となっているため、結末はすでに規定事項で変えようがないという、演出上は正しい処置だが)。 ---なお、現在は松野氏のtwitterや、ソーシャルゲーム「ロードオブヴァ―ミリオン3」にて、主人公らのその後の展開が語られている。興味のある人は閲覧するといいだろう。 --一部のシナリオの粗 ---壊滅した騎士団の生き残りと身分を偽造したキャラが、公爵への謁見時に証拠もなく大臣に裏切り者と言いがかりをつけていきなり斬り殺し、そのまま言い分が100%信用されて公爵が全軍を動かす展開。 ---主人公たちの一団は教会から異端者として追われる身になるが、「人外」勢力に誘拐された主人公の妹と引き換えと言われて教会に対抗できる外交カードを確約も安否確認もないままあっさり渡して、案の定騙し取られるだけという展開。 ---補足しておくと、前者に関しては「彼」の背後に教会及び神殿騎士団の権力が存在するため、そこから何らかの工作や圧力がかかっていたと考察することができる。元々の構想では詳しく描写するルートが存在したとのこと。また、この場面に限らずその公爵は無能として描かれているため、ある意味この流れも自然とも言える。 --また、ストーリー性の高さの反面、序盤での問題提起、重要人物のことが終盤の展開では投げっぱなしどころか結局は忘れ去られているという点も批判の対象になりやすい。 #endregion ---- **総評 用語やジョブシステムなど、戦闘ではFFシリーズの要素を色濃く残しながら、基本システムはもちろんストーリーでも既存シリーズとは大きく方向性を変えている。~ 階級社会や戦争と平和、騎士道精神、宗教観などの要素を物語に取り入れた、FFシリーズとしてはまさに異質なストーリーも高く評価された。~ グラフィックの関係もあって、全体的には『ファイナルファンタジー』よりもむしろ『タクティクスオウガ』の性質のほうが強く感じられるだろう。~ バランス面でしばしば欠点が指摘されるのがやや残念だが、ゲーム性を大きく損なうほどではない。~ 今までと異なるスタッフ、今までと異なる描き方で本シリーズに影響を与えることなく裾野を広げた、なかなか理想的な外伝作品と言えるだろう。~ ---- **移植版 -『[[ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争]]』(PSP) --上記に挙げた問題点の多くは改善されているが、新たな問題点が生まれた。 --詳細はリンク先参照 ---- **余談 -海外版ではなぜか日本語の「ファイナルファンタジータクティクス」が消されておらずタイトル画面がほぼ一緒。~ よく見れば違う点があるのだが細かい部分であるためタイトル画面だけだと国内版のものと間違えやすい。 --ちなみに海外版のパッケージではちゃんと日本語は消されている。 -シナリオ・ゲームデザインを担当した松野泰己氏の巧みなストーリーテリングや台詞回し(いわゆる「松野節」)が遺憾なく発揮されている。 --本作の壮大かつ緻密な世界観は『[[ベイグラントストーリー]]』や『[[ファイナルファンタジーXII]]』に継承され、後に「''イヴァリース・アライアンス''」と銘打たれる展開が行われるに至る。 --なお、作風が『タクティクスオウガ』(開発:クエスト)と酷似していた為にパクリ疑惑があったが、松野泰己氏を初めとした元クエスト所属のスタッフが、スクウェアに移籍し本作を手がけたのが真相である。~ パクリ疑惑は無くなったものの、今度は同社による「強引なスタッフ引き抜き」疑惑が浮上した。なお、電子掲示板でこの件について尋ねられた松野泰己氏はクエスト退社は自らの意志であると否定している。~ サウンドチームも崎元仁・岩田匡治の黄金コンビが引き継いでおり、本作を象徴するブ厚いBGMは彼らの名を一躍世に知らしめた。 -イヴァリースとオルダリーアはそれぞれイングランド王国とフランス王国、五十年戦争と獅子戦争はそれぞれ百年戦争と薔薇戦争をモデルとしている。戦乱の経過も大筋では史実通り。 -後にFFTと同じイヴァリースを舞台とした『[[ファイナルファンタジータクティクス アドバンス]]』『[[ファイナルファンタジーXII]]』などのゲームが製作された。FF12までは松野氏が関与していたが、それ以降の作品は関与していない。 #region(源氏シリーズの悲劇) 本作品では、[[FFシリーズおなじみの防具「源氏シリーズ」に身を固めた「エルムドア」と戦うシーンがある。~ この作品に源氏シリーズが登場するのは後にも先にもこの場面だけであるため、収集欲のあるプレイヤーはなんとしても''装備を盗もうとした''。~ しかし、盗もうとしたときに成功確率が''00%''と表示されるため、さすがに諦めざるを得なかった。 そんな折、プレイヤーに希望の光が舞い降りる。~ 一部の攻略本や雑誌に~ ''「[[このゲームでは小数点以下を切り捨てているため、実際は小数点以下の確率で盗める。''(中略)''何度も何度も挑戦すれば盗むことが可能>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3840&file=Genji.JPG]]」''~ と書かれていた。この情報に狂喜し、何度も何度も「盗む」を実行し続けたプレイヤーは少なくない。 結論を言うと、ステータス画面には表示されない''絶対に盗まれないジョブ特性「メンテナンス」''が付いているため、盗める確率は''正真正銘の00%''だった。~ また問題の部分が書かれているページに''「盾を壊すことができれば回避率が下がるため、盗める確率が多少上がる。」''と書いているが''「メンテナンス」には絶対に壊されない特性''(剛剣すら効かない)も付いているため、これもガセである。 かくして源氏シリーズに夢を馳せたプレイヤーは、この誤情報によって延々と無駄な作業をした。~ また、その本の別部分に「盗めない」と書いている。~ この情報を発信した通称「[[黒本>http://www.amazon.co.jp/dp/4757702221]]」は他にも異常に誤植・誤情報・首を捻りたくなる攻略記事が多く、たとえ有名どころの攻略本であっても100%信用できるとは限らないことを人々に強烈に認識させた、伝説的書物である。~ さらに、件の源氏情報は『電撃プレイステーション』誌の嘘記事を丸写ししたと言われており、執筆姿勢そのものに問題があったと言える。~ そしてこの本はアスキー発行、ファミ通の攻略本。''大丈夫、ファミ通の攻略本だよ!''は&color(white){大丈夫?ファミ通の攻略本だよ?}と揶揄されることになった。~ 詳細は[[ニコニコ大百科>http://dic.nicovideo.jp/a/%E9%BB%92%E6%9C%AC%28fft%29]]、[[真珠星>http://www.geocities.jp/pearlstar_os/study/fft/books/daizen_v1-v3.html]]、[[ICE DROP>http://nisky.age.jp/fftgenji.html]]を参照。 //クソゲーまとめ用語集にもFFT大全の単独項があり、現在ゲームカタログ用語集/全般「攻略本」項で参考リンクとして載せています。ゲーム記事統合後のクソゲーまとめがwikiとしての立ち位置を確定させたら、参照関係を見直しても良いと思います。 ''第2版以降で[[問題の部分>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3840&file=Genji.JPG]]が修正されたと言う噂があるが嘘である。他にもある数々の間違いもほとんど直っていない。''~ ''それどころが、正しい内容が間違いの内容になった箇所まである。'' 余談だが、[[海外では源氏シリーズを盗める。>http://www.youtube.com/watch?v=WGmtxdW-uTc]](ただしPSP版では国内版と同じ仕様になっている。)~ ただし、海外版には海外向けのバランス調整・汎用キャラのセリフが「…」のみである・サウンドテストモードが削除されている、などの劣化点もある。 最近では自虐ネタとしてガンガン系列誌に連載している漫画『ドラゴンクスト10 4コママンガ劇場』に源氏ネタが拾われた程。やはり会社としても思うところがあったのだろうか? #endregion --そしてあの悲劇から約10年後、ファミ通はリメイク版の攻略本を出したが、内容は改善されるどころがさらに酷くなっている。詳しくは[[こちら>http://fftwiki.com/%B9%B6%CE%AC%CB%DC%BE%F0%CA%F3.html#td5b3614]]。 -当初は2周目アイテム引継ぎと勘違いされてたバグがある。初期化して最初からプレイすると毛皮骨肉店の情報がそのまま残るというもの。 --チュートリアル中に初期化すると、なんとあらゆる装備が最初から毛皮骨肉店で売っている。 -チョコボの不思議なデータディスク(『[[チョコボの不思議なダンジョン]]』付属)にFFTの特殊なセーブデータが収録された。6種類あり、全装備が揃ったデータや、アルケオデーモン・アルテマデーモン・サーペンタリウスといった敵専用ユニットが加入しているデータなど豪華。 - #region(内容) -全て最初の魔法都市ガリランド戦を終え、セーブ可能となった直後のデータとなっている。 |データ名|内容| |アイテム アビリティー これだけあればだいじょうぶ|ラムザ、ディリータ、汎用キャラ6人が全ジョブをマスター+全アビリティ習得。&br()流石に就けないジョブのアクションアビリティは習得していないが、それ以外のアビリティ(男性であればJump+3)は習得している。&br()アイテムは全種50個所持。毛皮骨肉店の在庫も50個ある。| |アイテムがたくさん!!|上記のデータからジョブ・アビリティを除いたもの。アイテム全種50個所持し、ジョブやアビリティは初期状態となる。| |アビリティはかんぺき!!|アイテムとは異なり、全ジョブマスター・全アビリティを習得している。&br()アイテムは初期状態であるが、毛皮骨肉店には大丈夫と同様にガッツリ揃っている。| |モンスターのなかまたち|汎用キャラと入れ替わりで、希少価値の高いティアマット・ワイルドボー、敵専用のアルケオデーモン・アルテマデーモン・アパンダ・サーペンタリウスがPTに。| |クラウドといっしょ!!|モンスターと同様に、汎用キャラがCh.4のサブイベントで加入する労働八号・ベイオウーフ・レーゼ(人間と竜の両方)・クラウド・ビブロスに。&br()ソルジャーのアビリティに必要なマテリアブレイドも所持。&br()問題点として、このメンバーが加入するイベントが消化済みとなっているため、関連イベントで発生する戦闘で得られるアイテムが一切入手出来ないことである((この中に最高性能の盾が含まれている。それ以外は別の手段で入手可能。))。| |サウンドノベル発見!!|「儲け話」で入手出来る「財宝」のエナビア記・ウイユヴェール・ナナイ人生真書・空想魔学小説を所持している。&br()キャラの能力などは初期状態。| #endregion ----

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