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*がんばれゴエモン ~もののけ道中 飛び出せ鍋奉行!~ 【がんばれごえもん もののけどうちゅう とびだせなべぶぎょう!】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム|&image(http://ec2.images-amazon.com/images/I/51K5hHm4TjL.SL160.jpg)| |対応機種|ゲームボーイカラー(全GB共通)|~| |発売元|コナミ|~| |開発元|コナミコンピュータエンタテインメント神戸|~| |発売日|1999年12月16日|~| |定価|4,725円(税込)|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|高いもののけの育成自由度&br;ソフト1本で収集要素コンプリートが可能&br;但しコンプリートにはパスワードが必須&br;ファンアイテムとしてはこれ以上無い出来栄え|~| |>|>|CENTER:''[[がんばれゴエモンシリーズ・関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/639.html]]''| **概要 携帯機版『がんばれゴエモン』シリーズの第三作。『天狗党の逆襲』に続くRPG作品で、ゴエモンRPG作品の最終作。 **基本システム -ゴエモン達は一人一体ずつもののけを連れて戦うことができる。 -もののけを戦闘中にひょうたんに封じ込めた場合、各地にある「ほろほろ寺」でゴエモン達に憑依させる形で連れ歩くことが可能になる。 --戦闘ではAIによって勝手に行動するが「体力が少なくなると回復技を使う」などそれなりに賢い状況判断は可能。 -ゴエモン達の特技も今までのシリーズを意識しているものが多い。 --例えばエビス丸の特技「ちびエビスン」は攻撃の回避率がかなり上がるが、与えるダメージが少なくなる…といった具合。 -もののけは自由に技・特殊能力を覚えさせることができる。 --一部制限が存在してはいるものの、育成の自由度は同様の育成要素があるRPGと比較しても結構高い。 --またキャラ毎に設定された特定のもののけを連れていれば、合体技を放つこともできる。 -エンカウントはシンボルエンカウント方式だが、シンボルの形状で出現するもののけをある程度絞り込める。 --特定のもののけを狙っている場合、不要なエンカウントを避けるのに便利。 -ダンジョン以外ならいつでも、セーブやフィールドの脱出が自由にできる。 --セーブ時には物知りじいさんやおみっちゃんが登場する。セーブができないタイミングであった場合は専用のセリフが表示される。 --ダンジョン内では地蔵を利用することでセーブ・ダンジョンの脱出の他、体力回復も可能。地蔵の利用にはお金を消費する必要があるので注意。 **評価点 -''もののけの多彩なバリエーションと育成要素'' --もののけの種類は全部で200種類存在する。それぞれに特技などの明確な個性付けがなされている為、どれを使うか悩んでしまう。 ---融合などで他のもののけの技を継承するといった具合に、育成の自由度も高い。 --この手のRPGで採用されがちな所謂「[[バージョン商法>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/2962.html]]」は採用されておらず、一つのカセットでもののけが全て手に入るように設計されている。 --本編クリア後はボス級のもののけを仲間にすることも可能。 -''良好なキャラクターデザイン・演出'' --もののけを始めとするオリジナルキャラクターのデザインは、世界観に違和感無く溶け込んでおり好評。 --フィールド画面のアイコンや、戦闘中表示される2種類のフェイス画像が(もののけを含む)全キャラクターに用意されていたり、合体技使用時には凝った一枚絵が表示されるなど、演出面にもしっかりとしたこだわりを見せている。 --操作中のキャラによって会話の内容が異なったり、ヤエ以外で海に入ろうとした時に専用のメッセージが表示されるなど、台詞も細かい。 -''過去作からのBGMのアレンジが多い'' --戦闘BGMの殆どは各種インパクト戦のアレンジや、『でろでろ道中』のステージ曲だった「うなれ!疾風のわらじ」といった人気曲。種類も多く、エリア毎に流れる戦闘BGMも異なる。 ---ボス級の戦闘BGMはいずれも『ネオ桃山』のインパクト戦のもの。マイナーなところでは、3のパニックステージ前の会話シーンやきらきら道中の朝刊屋の中なども戦闘BGMになっている。 ---本作オリジナルの戦闘曲はなんとラスボス戦BGMのみ((厳密にはもう一種類あるが、こちらはイベントでも聞けるBGMである))。目新しさに欠けるという側面もあるが、ファンサービスとしては十分過ぎる程。 --戦闘BGM以外でもシリーズをプレイしてきた人ならばどこかで聞いたことのあるBGMが多い。ゴエモンシリーズの歴史に思いを馳せるのもまた一興か。 -''通信要素もしっかり搭載'' --[[この手のゲームのお約束>ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ]]として、通信による対戦・もののけ交換などの要素もある。 ---それでいてセーブデータは1個のソフトに2つ分まで保存可能。頑張れば他ソフトともののけを交換せずともコンプリート可能であるが故の大胆な仕様と評すべきか。 --もののけを交換した場合、送られてきたもののけの「ほうりき((もののけの捕獲率に影響する))」の値次第では連れ歩きできないという制約がある点には注意が必要。 **問題点 -''もののけ図鑑を完成させるにはパスワードが必要'' --実は本作には「とあるアイテム」を購入したのちに、特定のパスワードを入れることで出現するもののけが存在している。 ---更に「特定のもののけ同士を合体させる」事でしか入手できない特殊なもののけの中には、一匹だけ「パスワードによる解禁でしか出現しないもののけ」が材料として必要になる個体がいる。 --本作は後に発売された『[[ゴエモン もののけ双六]]』と連動しており、パスワードは『もののけ双六』側を攻略することで入手可能。 ---パスワードの入力成功時に一体だけほろほろ寺に送られるので、わざわざもののけを探さなくても済むのがせめてもの救いか。 ---%%邪道を厭わないのであれば、現在ではネットの海を探せば簡単に全種類のパスワードを見つけられる。%% -''育成に関する問題点・ゴエモン達編'' --ゴエモン達がレベルアップした時に各能力のボーナスを上昇させる「○○のもと」という特技があるのだが、この特技は特定のもののけしか覚えていない。 ---更に厄介なことに、この特技は本作における数少ない習得制限に引っかかっている特技の一つであり、別のもののけに覚えさせる事はできない。 ---限界まで能力を上げたい場合は、各種「○○のもと」を覚えているもののけを連れた状態でレベル99まで上げなければならない。 ---幸い、最序盤で「こうげきのもと」を所持している「ひとだま」が出現する。上記のこともあり、レベル99になるまで「ひとだま」をずっと連れていたプレイヤーも多いのではなかろうか。 --もののけとは異なり、能力を底上げできるアイテムは存在しない。 -''育成に関する問題点・もののけ編'' --もののけの融合を行えるのは、はぐれ町にあるほろほろ寺の総本山のみ。他の町にある末寺は融合を行えず、その存在意義は少々怪しい。 ---ダンジョン以外ではワンボタンでマップ画面に移動できるため、この問題が浮き彫りになっている。 --もののけの能力を底上げするアイテムは、本編一周に付き各能力値分1個ずつしか手に入らない。 ---ステータスを最大まで強化したいのであれば、同じストーリーを何度もやり直してアイテムを集める、所謂「マラソン」を行う必要がある。 --本編クリア後に仲間にできるボス級のもののけは名前を付けることができず、更に原則として1データに付き1匹しか手に入らない。 --強い技などがある程度決まっており、最終的にはそればかり付けてしまうという、所謂「最適解」状態に陥りがち。 ---例としてはかなりの確率で攻撃を回避する「ざんぞう」、攻撃を受けたときに一定確率で反撃する「カウンター」など。 ---HPを大幅に回復できる「だいかいふく」という技もあるが、それ1つだけで全体の3/4のスロット枠を消費してしまう。 --もののけ自身の属性とは異なる属性の技が使えるようになるというアイテムもあるのだが、入手は困難。 ---更に手間隙かけて異なる属性の技を習得させても戦力的には使いづらい事が多く、まさに「[[泣きっ面に蜂>がんばれゴエモン3 ~獅子重禄兵衛のからくり卍固め~]]」である。 -''一部不親切なイベント'' --ストーリーの進行上攻略が必要な種子島のとあるイベントは、ゲーム中では一切ノーヒント。こればかりは不親切と断じられても仕方ない。 -''ゲームオーバー時の痛すぎるペナルティ'' --何とゲームオーバーになった場合、所持金とアイテムが全て没収されてしまう((唯一の例外は戦闘中にインパクトを呼べる「けいたいでんわ」のみ))。 ---能力アップの護符など貴重品を持っていた場合でも容赦無く没収されてしまう。勿論再入手不可。素直にリセットして最終セーブ地点からやり直すべし。 ---序盤に「船の汽笛が三回鳴るまでにボスを倒す必要がある」エリア((汽笛が三回鳴るとその時点で強制的にゲームオーバーになる))があるのだが、その場所にも%%まるで嫌がらせのように%%能力アップの護符が存在している。 ---各地に存在する「預け屋((要は他ゲーで言う「預かり所」や「倉庫」のような役割。))」に預けているお金やアイテムはゲームオーバーになっても無くならないが、預けられる上限はお金が999999両、アイテムが80個。勿論上述した序盤エリアでのケースのように預け屋を利用できない時期の入手アイテムについては何らフォローになっていない。 -''その他、細かい問題点'' --キャラクターともののけの合体技については基本的にノーヒント。 ---該当するもののけは「がったい」の技を取得している為判別可能だが、どのキャラと組ませれば合体技を発動できるかは戦闘するまでわからない。 --メニュー画面からキャラを選んで変更する機能があるが、フィールド画面でも順繰りで変更できる為存在意義はあまりない。精々周りにもののけがいる状態でキャラを変更する際に多少便利な程度。 ---メニュー画面からの交代時には専用のセリフが表示されるが、これだけを以てフォローとするのは若干苦しいものがある。 --ある場所に存在するお店では交渉によって買値を下げることが可能なのだが、最安価になるまで買わずに何度も交渉できてしまう。値下げの確率を上昇させるアイテムの価値が殆どない。 ---尚、交渉の結果最安値になった場合はきちんと商品を購入するように。万が一最安値になっても商品を買わなかった場合、その後のセーブは厳禁。取り返しのつかないことになってしまう。 --とある場所で入手可能な「○○な本」(○にはハートマークが入る)なる何とも如何わしい名前のアイテムを特定の人物に渡すと入手できる装備品があるが、アイテムを渡す事のできる人物は二人おり、どちらに渡したかで入手できる装備品が異なってくる。当然「○○な本」は一つしか手に入らないので、装備品はどちらか片方しか入手できない。 ---貰える装備品は「本編中で手に入るものとしてはトップクラス、クリア後入手品含めた全装備中でも3位の攻撃力を持つが、毎ターンHPが減少する上時折コマンド操作を受け付けず勝手に戦うようになる」ものか「攻撃力は今一つだが、攻撃を当てると敵もののけの攻撃力と捕獲率を上昇させることがある」もの。代替となりうる装備は、前者はクリア後に相当やりこまなければ手に入らないし、後者はそもそも代替品が存在しない。 ---渡す事のできる二人の人物のうち、片方はシリーズ経験者なら誰なのか簡単に想像がつく筈。その人物に「○○な本」を譲らなかった場合「あいつにだけは譲るな」という形でもう一人が誰なのかを教えてもらえる。 //--終盤やクリア後のボスは攻撃が激しいため、攻撃をしては回復を繰り返すことが多くなりがち。 //--倒す必要はないのだが、クリア後に再登場するラスボスや裏ボスは普通に戦うと苦戦しがち。 //---特に再戦時のラスボスは「はないき((HPが少なくなるとステータスが強化される))」という技を取得しており、HPが少なくなると素早くなる上に高火力の攻撃が飛んでくるため、回復が間に合わず倒されるケースが多くなる。 //…これ、問題点として挙げなきゃならんほどの内容か? RPGでは良くあることだと思うんだが **総評 今までのゴエモンシリーズの雰囲気を残しつつ、自由度の高い育成要素を導入した本作。~ 単体のRPGとしても、ゴエモンシリーズ作品としてもかなり楽しめる内容の作品として仕上がっている。~ 同じ携帯機におけるゴエモンシリーズ作品でありながら、あまりの低クオリティに(悪い意味で)話題となった『天狗党の逆襲((1ヶ月前に発売された『綾繁一家』の陰に隠れがちだが、こちらも十分ブランドに致命傷を与えうる出来栄えである))』の悪評を見事払拭してみせた快作である。 **余談 -今作からヤエちゃんの衣装デザインが変更された。 --帯ひろ志氏作の漫画版におけるオリジナル衣装を意識したと思われるデザインになっており、肩から腕までの部分と脚部の露出度が上がった。 ---また、現時点でのゴエモンシリーズ最終作『[[大江戸天狗り返し>がんばれゴエモン ~東海道中 大江戸天狗り返しの巻~]]』(と、パチスロ版がんばれゴエモン)では上着の袖がなくなって更に露出度が上がっている。 --後期の作品では新衣装で統一されるようになったが、露出度の上昇に喜ぶファンや「これはこれで良デザイン」と前向きに評価するファンもいる一方、従来の典型的な忍び装束でなくなった事に落胆するファンもごく一部で見られたとか。 -サブタイトルの「鍋奉行」の意味はストーリー終盤に明らかになる。 --それに関連して、本作ラスボスが鍋料理についての豆知識を語ってくれるというシーンも存在している。 -本作では戦闘中に「けいたいでんわ」を使うことでインパクトを助っ人として呼ぶことができる。%%法螺貝じゃないの?%% --全員の体力に応じたダメージ値で敵全体を攻撃してくれる。一回使うと大江戸城にいる物知りじいさんに話しかけ充電するまで再使用不可能なので、切り札としてここぞという時に使うべし。 --本編中で「とあるアイテム」を手に入れると一度の充電で2回まで呼ぶことができる。 -ほとんど言う事を聞かない、ハズレ扱いのもののけが一体存在する。 --しかも技スロットも一種類で埋まっており変更不可能、全く使えないもののけとして一応の個性は成立している…が、それでいいのか? -もののけを200種類全て集めるとファイルセレクト画面のメッセージが特定の物に変わる。本作を遊べる環境にあるなら是非とも挑戦してみてほしい。 -これだけの名作にも拘らず、未だに本作のVC配信はなされていない。現在プレイするには実物のソフトを探し求めるしかない。 --更に言うと、1995年の『からくり卍固め』以降に発売された据え置き・携帯機両方のゴエモンシリーズは、『[[黒船党>がんばれゴエモン ~黒船党の謎~]]』を除き未だに配信されていない。なぜ低評価はなはだしいそちらが配信され良作の誉れ高い作品群がことごとく未配信なのか、全く持って解せないところである。 //--%%当wikiでも散々な評価を受けている『[[黒船党>がんばれゴエモン ~黒船党の謎~]]』よりも、こちらを配信した方が良かったのではなかろうか…?%%
*がんばれゴエモン ~もののけ道中 飛び出せ鍋奉行!~ 【がんばれごえもん もののけどうちゅう とびだせなべぶぎょう!】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム|&image(http://ec2.images-amazon.com/images/I/51K5hHm4TjL.SL160.jpg)| |対応機種|ゲームボーイカラー(全GB共通)|~| |発売元|コナミ|~| |開発元|コナミコンピュータエンタテインメント神戸|~| |発売日|1999年12月16日|~| |定価|4,725円(税込)|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|高いもののけの育成自由度&br;ソフト1本で収集要素コンプリートが可能&br;但しコンプリートにはパスワードが必須&br;ファンアイテムとしてはこれ以上無い出来栄え|~| |>|>|CENTER:''[[がんばれゴエモンシリーズ・関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/639.html]]''| **概要 携帯機版『がんばれゴエモン』シリーズの第三作。『天狗党の逆襲』に続くRPG作品で、ゴエモンRPG作品の最終作。 **基本システム -ゴエモン達は一人一体ずつもののけを連れて戦うことができる。 -もののけを戦闘中にひょうたんに封じ込めた場合、各地にある「ほろほろ寺」でゴエモン達に憑依させる形で連れ歩くことが可能になる。 --戦闘ではAIによって勝手に行動するが「体力が少なくなると回復技を使う」などそれなりに賢い状況判断は可能。 -ゴエモン達の特技も今までのシリーズを意識しているものが多い。 --例えばエビス丸の特技「ちびエビスン」は攻撃の回避率がかなり上がるが、与えるダメージが少なくなる…といった具合。 -もののけは自由に技・特殊能力を覚えさせることができる。 --一部制限が存在してはいるものの、育成の自由度は同様の育成要素があるRPGと比較しても結構高い。 --またキャラ毎に設定された特定のもののけを連れていれば、合体技を放つこともできる。 -エンカウントはシンボルエンカウント方式だが、シンボルの形状で出現するもののけをある程度絞り込める。 --特定のもののけを狙っている場合、不要なエンカウントを避けるのに便利。 -ダンジョン以外ならいつでも、セーブやフィールドの脱出が自由にできる。 --セーブ時には物知りじいさんやおみっちゃんが登場する。セーブができないタイミングであった場合は専用のセリフが表示される。 --ダンジョン内では地蔵を利用することでセーブ・ダンジョンの脱出の他、体力回復も可能。地蔵の利用にはお金を消費する必要があるので注意。 **評価点 -''もののけの多彩なバリエーションと育成要素'' --もののけの種類は全部で200種類存在する。それぞれに特技などの明確な個性付けがなされている為、どれを使うか悩んでしまう。 ---融合などで他のもののけの技を継承するといった具合に、育成の自由度も高い。 --この手のRPGで採用されがちな所謂「[[バージョン商法>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/2962.html]]」は採用されておらず、一つのカセットでもののけが全て手に入るように設計されている。 --本編クリア後はボス級のもののけを仲間にすることも可能。 -''良好なキャラクターデザイン・演出'' --もののけを始めとするオリジナルキャラクターのデザインは、世界観に違和感無く溶け込んでおり好評。 --フィールド画面のアイコンや、戦闘中表示される2種類のフェイス画像が(もののけを含む)全キャラクターに用意されていたり、合体技使用時には凝った一枚絵が表示されるなど、演出面にもしっかりとしたこだわりを見せている。 --操作中のキャラによって会話の内容が異なったり、ヤエ以外で海に入ろうとした時に専用のメッセージが表示されるなど、台詞も細かい。 -''過去作からのBGMのアレンジが多い'' --戦闘BGMの殆どは各種インパクト戦のアレンジや、『でろでろ道中』のステージ曲だった「うなれ!疾風のわらじ」といった人気曲。種類も多く、エリア毎に流れる戦闘BGMも異なる。 ---ボス級の戦闘BGMはいずれも『ネオ桃山』のインパクト戦のもの。マイナーなところでは、3のパニックステージ前の会話シーンやきらきら道中の朝刊屋の中なども戦闘BGMになっている。 ---本作オリジナルの戦闘曲はなんとラスボス戦BGMのみ((厳密にはもう一種類あるが、こちらはイベントでも聞けるBGMである))。目新しさに欠けるという側面もあるが、ファンサービスとしては十分過ぎる程。 --戦闘BGM以外でもシリーズをプレイしてきた人ならばどこかで聞いたことのあるBGMが多い。ゴエモンシリーズの歴史に思いを馳せるのもまた一興か。 -''通信要素もしっかり搭載'' --[[この手のゲームのお約束>ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ]]として、通信による対戦・もののけ交換などの要素もある。 ---それでいてセーブデータは1個のソフトに2つ分まで保存可能。頑張れば他ソフトともののけを交換せずともコンプリート可能であるが故の大胆な仕様と評すべきか。 --もののけを交換した場合、送られてきたもののけの「ほうりき((もののけの捕獲率に影響する))」の値次第では連れ歩きできないという制約がある点には注意が必要。 **問題点 -''もののけ図鑑を完成させるにはパスワードが必要'' --実は本作には「とあるアイテム」を購入したのちに、特定のパスワードを入れることで出現するもののけが存在している。 ---更に「特定のもののけ同士を合体させる」事でしか入手できない特殊なもののけの中には、一匹だけ「パスワードによる解禁でしか出現しないもののけ」が材料として必要になる個体がいる。 --本作は後に発売された『[[ゴエモン もののけ双六]]』と連動しており、パスワードは『もののけ双六』側を攻略することで入手可能。 ---パスワードの入力成功時に一体だけほろほろ寺に送られるので、わざわざもののけを探さなくても済むのがせめてもの救いか。 ---%%邪道を厭わないのであれば、現在ではネットの海を探せば簡単に全種類のパスワードを見つけられる。%% -''育成に関する問題点・ゴエモン達編'' --ゴエモン達がレベルアップした時に各能力のボーナスを上昇させる「○○のもと」という特技があるのだが、この特技は特定のもののけしか覚えていない。 ---更に厄介なことに、この特技は本作における数少ない習得制限に引っかかっている特技の一つであり、別のもののけに覚えさせる事はできない。 ---限界まで能力を上げたい場合は、各種「○○のもと」を覚えているもののけを連れた状態でレベル99まで上げなければならない。 ---幸い、最序盤で「こうげきのもと」を所持している「ひとだま」が出現する。上記のこともあり、レベル99になるまで「ひとだま」をずっと連れていたプレイヤーも多いのではなかろうか。 --もののけとは異なり、能力を底上げできるアイテムは存在しない。 -''育成に関する問題点・もののけ編'' --もののけの融合を行えるのは、はぐれ町にあるほろほろ寺の総本山のみ。他の町にある末寺は融合を行えず、その存在意義は少々怪しい。 ---ダンジョン以外ではワンボタンでマップ画面に移動できるため、この問題が浮き彫りになっている。 --もののけの能力を底上げするアイテムは、本編一周に付き各能力値分1個ずつしか手に入らない。 ---ステータスを最大まで強化したいのであれば、同じストーリーを何度もやり直してアイテムを集める、所謂「マラソン」を行う必要がある。 --本編クリア後に仲間にできるボス級のもののけは名前を付けることができず、更に原則として1データに付き1匹しか手に入らない。 --強い技などがある程度決まっており、最終的にはそればかり付けてしまうという、所謂「最適解」状態に陥りがち。 ---例としてはかなりの確率で攻撃を回避する「ざんぞう」、攻撃を受けたときに一定確率で反撃する「カウンター」など。 ---HPを大幅に回復できる「だいかいふく」という技もあるが、それ1つだけで全体の3/4のスロット枠を消費してしまう。 --もののけ自身の属性とは異なる属性の技が使えるようになるというアイテムもあるのだが、入手は困難。 ---更に手間隙かけて異なる属性の技を習得させても戦力的には使いづらい事が多く、まさに「[[泣きっ面に蜂>がんばれゴエモン3 ~獅子重禄兵衛のからくり卍固め~]]」である。 -''一部不親切なイベント'' --ストーリーの進行上攻略が必要な種子島のとあるイベントは、ゲーム中では一切ノーヒント。こればかりは不親切と断じられても仕方ない。 -''ゲームオーバー時の痛すぎるペナルティ'' --何とゲームオーバーになった場合、所持金とアイテムが全て没収されてしまう((唯一の例外は戦闘中にインパクトを呼べる「けいたいでんわ」のみ))。 ---能力アップの護符など貴重品を持っていた場合でも容赦無く没収されてしまう。勿論再入手不可。素直にリセットして最終セーブ地点からやり直すべし。 ---序盤に「船の汽笛が三回鳴るまでにボスを倒す必要がある」エリア((汽笛が三回鳴るとその時点で強制的にゲームオーバーになる))があるのだが、その場所にも%%まるで嫌がらせのように%%能力アップの護符が存在している。 ---各地に存在する「預け屋((要は他ゲーで言う「預かり所」や「倉庫」のような役割。))」に預けているお金やアイテムはゲームオーバーになっても無くならないが、預けられる上限はお金が999999両、アイテムが80個。勿論上述した序盤エリアでのケースのように預け屋を利用できない時期の入手アイテムについては何らフォローになっていない。 -''その他、細かい問題点'' --キャラクターともののけの合体技については基本的にノーヒント。 ---該当するもののけは「がったい」の技を取得している為判別可能だが、どのキャラと組ませれば合体技を発動できるかは戦闘するまでわからない。 --メニュー画面からキャラを選んで変更する機能があるが、フィールド画面でも順繰りで変更できる為存在意義はあまりない。精々周りにもののけがいる状態でキャラを変更する際に多少便利な程度。 ---メニュー画面からの交代時には専用のセリフが表示されるが、これだけを以てフォローとするのは若干苦しいものがある。 --ある場所に存在するお店では交渉によって買値を下げることが可能なのだが、最安価になるまで買わずに何度も交渉できてしまう。値下げの確率を上昇させるアイテムの価値が殆どない。 ---尚、交渉の結果最安値になった場合はきちんと商品を購入するように。万が一最安値になっても商品を買わなかった場合、その後のセーブは厳禁。取り返しのつかないことになってしまう。 //--とある場所で入手可能な「○○な本」(○にはハートマークが入る)なる何とも如何わしい名前のアイテムを特定の人物に渡すと入手できる装備品があるが、アイテムを渡す事のできる人物は二人おり、どちらに渡したかで入手できる装備品が異なってくる。当然「○○な本」は一つしか手に入らないので、装備品はどちらか片方しか入手できない。 //---貰える装備品は「本編中で手に入るものとしてはトップクラス、クリア後入手品含めた全装備中でも3位の攻撃力を持つが、毎ターンHPが減少する上時折コマンド操作を受け付けず勝手に戦うようになる」ものか「攻撃力は今一つだが、攻撃を当てると敵もののけの攻撃力と捕獲率を上昇させることがある」もの。代替となりうる装備は、前者はクリア後に相当やりこまなければ手に入らないし、後者はそもそも代替品が存在しない。 //---渡す事のできる二人の人物のうち、片方はシリーズ経験者なら誰なのか簡単に想像がつく筈。その人物に「○○な本」を譲らなかった場合「あいつにだけは譲るな」という形でもう一人が誰なのかを教えてもらえる。 //--終盤やクリア後のボスは攻撃が激しいため、攻撃をしては回復を繰り返すことが多くなりがち。 //--倒す必要はないのだが、クリア後に再登場するラスボスや裏ボスは普通に戦うと苦戦しがち。 //---特に再戦時のラスボスは「はないき((HPが少なくなるとステータスが強化される))」という技を取得しており、HPが少なくなると素早くなる上に高火力の攻撃が飛んでくるため、回復が間に合わず倒されるケースが多くなる。 //…COした部分は問題として挙げなきゃならんほどの内容か? RPGでは良くあることだと思うんだが **総評 今までのゴエモンシリーズの雰囲気を残しつつ、自由度の高い育成要素を導入した本作。~ 単体のRPGとしても、ゴエモンシリーズ作品としてもかなり楽しめる内容の作品として仕上がっている。~ 同じ携帯機におけるゴエモンシリーズ作品でありながら、あまりの低クオリティに(悪い意味で)話題となった『天狗党の逆襲((1ヶ月前に発売された『綾繁一家』の陰に隠れがちだが、こちらも十分ブランドに致命傷を与えうる出来栄えである))』の悪評を見事払拭してみせた快作である。 **余談 -今作からヤエちゃんの衣装デザインが変更された。 --帯ひろ志氏作の漫画版におけるオリジナル衣装を意識したと思われるデザインになっており、肩から腕までの部分と脚部の露出度が上がった。 ---また、現時点でのゴエモンシリーズ最終作『[[大江戸天狗り返し>がんばれゴエモン ~東海道中 大江戸天狗り返しの巻~]]』(と、パチスロ版がんばれゴエモン)では上着の袖がなくなって更に露出度が上がっている。 --後期の作品では新衣装で統一されるようになったが、露出度の上昇に喜ぶファンや「これはこれで良デザイン」と前向きに評価するファンもいる一方、従来の典型的な忍び装束でなくなった事に落胆するファンもごく一部で見られたとか。 -サブタイトルの「鍋奉行」の意味はストーリー終盤に明らかになる。 --それに関連して、本作ラスボスが鍋料理についての豆知識を語ってくれるというシーンも存在している。 -本作では戦闘中に「けいたいでんわ」を使うことでインパクトを助っ人として呼ぶことができる。%%法螺貝じゃないの?%% --全員の体力に応じたダメージ値で敵全体を攻撃してくれる。一回使うと大江戸城にいる物知りじいさんに話しかけ充電するまで再使用不可能なので、切り札としてここぞという時に使うべし。 --本編中で「とあるアイテム」を手に入れると一度の充電で2回まで呼ぶことができる。 -ほとんど言う事を聞かない、ハズレ扱いのもののけが一体存在する。 --しかも技スロットも一種類で埋まっており変更不可能、全く使えないもののけとして一応の個性は成立している…が、それでいいのか? -もののけを200種類全て集めるとファイルセレクト画面のメッセージが特定の物に変わる。本作を遊べる環境にあるなら是非とも挑戦してみてほしい。 -これだけの名作にも拘らず、未だに本作のVC配信はなされていない。現在プレイするには実物のソフトを探し求めるしかない。 --更に言うと、1995年の『からくり卍固め』以降に発売された据え置き・携帯機両方のゴエモンシリーズは、『[[黒船党>がんばれゴエモン ~黒船党の謎~]]』を除き未だに配信されていない。なぜ低評価はなはだしいそちらが配信され良作の誉れ高い作品群がことごとく未配信なのか、全く持って解せないところである。 //--%%当wikiでも散々な評価を受けている『[[黒船党>がんばれゴエモン ~黒船党の謎~]]』よりも、こちらを配信した方が良かったのではなかろうか…?%%

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