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*ポップンミュージック ポータブル 【ぽっぷんみゅーじっく ぽーたぶる】 |ジャンル|音楽シミュレーション|&amazon(B002XQ2HR8)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|コナミデジタルエンタテインメント|~| |開発元|ハドソン|~| |発売日|2010年2月4日|~| |定価|4,800円(税込)|~| |廉価版|ベストセレクション:2010年7月15日/1,980円(税込)| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|まさかのCS復活&br;実質『CS15』だが一部未収録曲あり&br;キャラ要素の充実&br;キー配置は覚え直しが必要|~| |>|>|CENTER:''[[ポップンミュージックシリーズリンク>ポップンミュージックシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 アーケード(AC)版『ポップンミュージック15 ADVENTURE』をベースに、PSP向けへアレンジした作品。~ 携帯ゲーム機向けかつナンバリングこそ廃止されているが、事実上の家庭用(CS)シリーズ本編新作に相当する作品であり、~ 2007年にPS2版『[[ポップンミュージック14 FEVER!]]』が発売されて以来およそ3年ぶりの事実上の続編となる。~ 本作が出るまでの間、KONAMIは15以降のCS移植版を開発する代わりに、Windows用マウス型接続ゲーム『ポップンミュージック Be-Mouse』、海外向けを意識したがどことなくズレていたXbox360版『[[Beat'n Groovy]]』、リモコン操作で内容が大幅にかけ離れたWii版『[[ポップンミュージック>ポップンミュージック (Wii)]]』といった誰得な外伝作品を乱発してきた為、「15以降のCS版は絶望的」等と言われていた。~ しかし、そんな絶望視されていたCSの正式な続編が、PSPにプラットフォームを移し発売された。~ それが本作『ポップンミュージックポータブル』である。~ ゲーム内容は主にAC15をベースとしているものの、デザインはポータブル独自のものになり、中身も大きくアレンジされている。 ---- **主なモード ''フリープレイモード -好きなキャラで好きな曲をプレイできる、CSではお馴染みのモード。 --使いたいキャラは、モードセレクトで△ボタンを押すことでキャラクター選択画面に行き、選ぶことができる。 --初期状態では全ての曲をプレイできず、隠し曲は後述のアドベンチャーモードで集める必要がある。 ''チュートリアル''~ -遊び方を練習できるモード。PSP版の操作をミミニャミが一から優しく丁寧に教えてくれる。 --本作のミミニャミはAC15同様の声優が起用されていて、フルボイスのミミニャミが聴けるのはある意味では貴重。 ''アドベンチャーモード''~ -ミミかニャミを操作し、ポップンランドに隠された曲やアイテムを探しに行くモード。''本作のメインとなるストーリー付きのモード。'' -因みにこのモードは、『ポップンミュージック 15アドベンチャー』で行われた隠し曲解禁イベント『わくわくミミニャミ探検隊』が元になっているが、ポップンキャラとの会話やバトル等を加えて大幅にアレンジされている。 -マップ上には様々なトラップやアイテム、レコードやワープホールが配置されている。 -マップ上にはポップンキャラ達が立ちふさがっており、ポップンバトルを挑んでくる。バトルにはキャラ毎に得点ノルマやオジャマなども掛かっており、ノルマをこなして勝利すると先に進めるようになる。 --一度倒したキャラとは何度でも再戦可能。倒すとレベルアップに必要なポイントを稼ぐことが出来る。 -レコードのあるマスに止まって○ボタンを押すと、ポップンバトルに突入。 --プレイヤーが勝つと、隠し曲とその担当キャラが解禁され、何時でも選択できる様になる。 -マップ中央のMZDのブースでポイントを消費してポッパーズテストを受けて合格するとレベルが上がり、対応したレベルの障害物を乗り越えて先に進むことができる。 --レベルを上げないと進めない箇所があったり取れないレコードもあるため、ある程度のレベル上げ(とそれに伴うポイント稼ぎ)が必須。 ''バトルモード''~ -「ネット対戦モード」に相当するモード。CPUと対戦したり、アドホックモードを利用して、最大四人までで通信対戦が行える。 -加えて、アーケードにおける「バトルモード」に相当する1台のPSPを2人で使用する「2Pバトル」も収録。 --「2Pバトル」ではオジャマこそカットされているものの、スコアが多い程演奏画面が広くなり、逆にスコアが少ない程演奏画面が小さくなっていくという仕様で、IIDXやDDRで言う所の「SUDDEN+」が疑似的に再現されている。~ ちなみに「SUDDEN+」自体は後に通算22作目のラピストリアでアーケード版に実装されているが、ある意味ではACに先駆けて同機能を堪能出来たとも言える。 ''ETCモード''~ -今回登場したキャラクターの各アクションを鑑賞できる『キャラクターディクショナリー』や収録された曲を視聴できる『ミュージックプレイヤー』が収録されている。 --この2つのモードはどちらも前作『14 FEVER!』で実装されていた物を引き継いだ物だが、前者に関しては新たに登場キャラのプロフィールを見る事が出来る機能が追加されている。 ''オプション''~ -ボタンの設定などが変更できる。 ---- **評価点 ''収録曲''~ -人気曲「撫子ロック/凛として咲く花の如く」をはじめ、AC15の主要楽曲を収録。 -AC16以降の作品からも、少数ながら版権含む新曲を先行収録。~ 16からは「創世のアクエリオン」、17からは「ブルーバード」「ツインヒーロー/明日への誓い」「ハイパーファンタジア/Fantasia」「暗黒サイケデリック」、そして当時稼働中だった18からは「嘘」が先行収録され、ファンを喜ばせた。 -また、AC14以前の旧曲に関しても、「ユーロビート/♥Love² シュガ→♥」「禅ジャズ/明鏡止水」「[[ゴエモン/がんばれゴエモンメドレー>がんばれゴエモンシリーズ]]」「ニューミュージック/僕の飛行機」「メガネロック/ポップミュージック論」等、比較的人気が高い曲が再録されており、ベスト盤のような体裁である。 -CSでは毎度お馴染みとなっていた家庭用オリジナルの新曲も5曲収録。 --「グリーニング/Greening」はCS12に入っていたミニゲーム「イマ様の緑化運動」にて使用されていたBGMその物であり、それがプレイアブル化したもの。 --CS10で完結とされたシンパシーシリーズの新曲「シンパシー4/Cloudy Skies」の収録も意外なところである((「4」で完結というわけでもないようで、ラピストリアでは実質「シンパシー5」にあたる「Perverse Heart ~あまのじゃく~」が収録された。))。 --さらに家庭用オリジナルの版権曲として「カルマ」「風吹けば恋」の2曲も新規収録されている他、ギタドラシリーズの人気曲「ドリームゲイザー/Little prayer」も本作でポップンに移植される事になった。 ---うち「カルマ」は[[まさかの他社発売の人気ゲームの主題歌>テイルズ オブ ジ アビス]]のポップン収録という事もあってか、発売当時は話題性が非常に強かった模様(ただし本作ではギタドラ版と同様のカバー収録)。 -アーケード版では本来AC17 THE MOVIEから搭載された、選曲画面のジャンル名表示を曲名表示へと切り替える機能が先行搭載。 --他BEMANI機種に収録されている曲については曲名の方が親しみがあるというプレイヤーもいるため、任意に切り替えられるのは便利。 --なお、本作では曲名についても全て同じフォントに統一されている(アーケードではAC20まで曲名に個別のフォントを使っていたが、Sunny Park以降であちらも統一された)。 ''譜面種類の増加''~ -アーケード版では通常の譜面が5ボタンノーマル・9ボタンノーマル・9ボタンハイパー+9ボタンEXのみだったが、新たに5ボタンにハイパーが追加。さらに完全新規となる「7ボタン譜面(ノーマル・ハイパー)」が設定され、プレイの幅が広がった。 --後述するキー配置の問題により9ボタンの敷居が上がってしまったため、少ないボタンでもやり応えのある譜面をプレイできるのは良要素。 -上記に加え、3ボタンのバトルモード専用譜面もノーマル・ハイパー共に収録されている。 ''キャラ関連の要素の充実''~ -アドベンチャーモードにはストーリー的な要素が組み込まれており、MZDに頼まれたミミニャミが冒険するというストーリーデモや、マップ上で様々なポップンキャラと会話し対戦していく要素がキャラクターファンには嬉しい。 --それまでポップンキャラがゲーム中で会話するという要素はほとんど無かったため((9のギャンブラーZのボス戦、11のポップンツーリストの手紙等、少ないながら一応は存在していた。))、内容的には軽いもののストーリー的な要素が搭載されたのは当時新鮮だった。 -公式サイトや関連書籍などでしか確認できなかった各登場キャラの設定をゲーム内で確認できるようになったディクショナリーの搭載も良要素。元々キャラの設定は数行程度の簡潔なものではあったが、気になったキャラをゲーム内からすぐ調べられる。 -メインキャラのミミやニャミも、AC15版とはまた別の本作独自の描き下ろしで、アニメも可愛いと好評。元々の15バージョンも隠しで登場する。 --ポータブル版ミミニャミは後にアーケードへも逆輸入された。 ''スキンチェンジ機能の収録''~ -AC15で好評を得ていたが1作限りで終了してしまったスキンチェンジ機能が、本作ではしっかりと収録されている。 -デフォルトではポータブル仕様の新規スキンなのだが、アドベンチャーモードでスキンアイテムを入手することで変更可能。AC15に存在した各種スキンをPSP用にアレンジして全て収録している。 --PSPの画面サイズの関係上、レイアウトが多少異なってはいるが、AC15デフォルトのスキンも含め雰囲気をほぼ再現している。 ''楽曲解禁難易度の低下''~ -AC15における個別楽曲解禁イベント『わくわくミミニャミ探検隊』はサクサクと楽曲を解禁する事ができた反面、プレイヤーの実力が解禁速度に直結する仕様だった。~ 具体的には「手に入れた隠し曲の全譜面にクリアマークを付ける」というプロセスだが、その仕様上、終盤の解禁難易度が非常に高まってしまい、「超上級レベルの高難度譜面を軽々クリアできるほどの腕がなければ、ラスボス曲の解禁はおろか、最終エリアにすらたどりつけない」という重大な欠点が存在した。このため期間中に「HELL 15コース」を含む全解禁まで辿り着いた者はランカークラスのわずかな人数のプレイヤーのみであった。 --本作の『アドベンチャーモード』では、譜面の難易度は基本的に初心者レベルまでに抑えられているとはいえ、家庭用への移植に伴い時間を掛ければ誰でもラスボス及びエンディングまでたどり着けるゲームバランスに調整されており、はるかに遊びやすくなっている。 ---楽曲解禁の難度が大幅に落とされた事によって、家庭用でようやくシリーズにおける解禁イベントのポリシーであった「誰でも手軽に最後の楽曲まで進める」点を実現させる事が出来たと言えるだろう。 ---- **問題点 ''ロード時間が長い''~ -キャラ選択時は勿論、曲の演奏開始まで数秒かかる事もある。 --メディアインストールが出来ればまだ違ったのだろうが、本作では残念ながら対応していない。 ''PS・PS2版と異なる操作性''~ -本作はPSP専用ソフトなので、当然ながらPS・PS2の専用コントローラは使用できない。~ 仕方ないとはいえ、これまで専用コントローラを使用していたプレイヤーは例外なくボタン配置の覚え直しを強要されることになった。 --また、GB版『pop'n music』ではレーン下のボタンのマーカーにプレイに使うボタンのマークを入れてわかり易いように配慮していたが本作ではこの措置がない。 ---ただでさえ覚え直しを余儀なくされているのにこれでは不親切さが否めないだろう。 -アナログコントローラーの使用経験があるユーザーにとっても難がある --PSPにはL2・R2ボタンが無いため、9ボタンモードにおけるデフォルトのキー配置がPS・PS2版と大きく異なっている((PS・PS2版ではL2・R2が白で←と○が緑だったものが、PSP版では←と○が白、↓と×が緑になっている。これはDC版ポップンの配置に近い、))。キーコンフィグは使用ボタン数別にそれぞれ設定可能なのだが、必要なキーが少ない5ボタンや7ボタンならともかく、9ボタンでPS・PS2版のキー配置を再現するのはデフォルト・自己流ともに不可能。特にPS・PS2のキー操作に慣れた中~上級者に対しては、専コンプレイヤー以上の混乱を招いた((逆にPS・PS2版の方をキーコンフィグでPSP版と同様の配置にして馴れることは可能だが、そちらでは後述の同時押しの問題により物理的に押せない配置が一部出てきてしまう。))。 --9ボタンではデフォルトだと左側の青緑同時押しが十字キーの上下に割り当てられているせいで押せなくなっているため、一部の譜面はAC版から変更・調整が加えられている((同時押しの配置変更の他、一部の譜面は同時押しそのものが減少している))。 //--素直に据置機であるPS3で発売すれば良かったと思われるが、専用コントローラーの問題がある((もしPS3以降の据置機で発売する場合、新たな専用コントローラーを開発・販売する必要がある。これが『BEMANIシリーズ』の据置機版が発売されなくなった原因だと思われる。))のでそういうわけにはいかなかった。 -一応、チュートリアルでミミニャミから丁寧に操作を教わることができ、どのキーがどのボタンに対応しているかを画面表示する機能も引き続き実装されているので、キー配置を覚え直すだけの環境は整っている。 -操作方法の違いだけでなく、PSP版独自の画面レイアウトによりプレイ画面の上下が狭くなっているため、相対的にポップ君の流れる体感速度が早くなり、HI-SPEEDオプションの適正速度の設定もこれまでとは大きく異なってくる。 ''アドベンチャーモードの作業感''~ -全曲プレイする為にはアドベンチャーモードを進行させないといけないが、ポッパーズレベルが低いと先に進めない、隠し曲のレコード集めが苦行等といった意見もある。 --初回対戦時は''必ず5ボタン譜面''というのもダレる原因。さらにそのほとんどがノーマル譜面を使用するため、途中で物足りなくなってしまいやすい。 ---一応、既に倒したキャラとの再戦時には7ボタンや9ボタンへ難易度を上げることもでき、それに応じて獲得ポイントも上がるのだが、最初から選べても良かったのではという意見が多い。(『2』では改善されている)。 --しかも途中では、4曲続けてのプレイとなるエキスパートコースをプレイさせられる場合もあり、面倒さに拍車をかけている。 -ストーリー上仕方ないとはいえ、せっかく多数のキャラクターが存在するのに、解禁のために長時間プレイせざるを得ないアドベンチャーモードでのプレイヤーキャラがミミ・ニャミのうち最初に選んだどちらかで固定(しかも選び直し不可)というのも、キャラゲー的な面で見るとややマイナス気味。 --一応フリーモードやバトルモード等ではこれまで同様にプレイヤーキャラを自由に選べるのだが、隠し曲を集めるためにはアドベンチャーモードでのレコード回収が必須。 ''収録曲に関して''~ -本作では、全部で82曲収録されているが、そのうち50曲近くが隠しになっており、バランスが悪い。 --しかもその中には、ACではデフォルト曲だったはずの「ケンドーロック/ギターケンドー」「フューチャーフュージョン/∞space」「エンシャントユーロ/In The Ruins」「パーカッシヴ2/西麻布清掃曲」等が入っている。 --過去の家庭用では隠しコマンドで一時的に隠し曲を出現させられる救済措置もあったが、本作ではそれすらも無いため、上記ACデフォルト曲も含めアドベンチャーモードでのレコード集めを強制される。 --ディスク容量の関係もあるが、毎作100曲前後収録されていたPS2版のナンバリングシリーズと比べると収録曲数でやや劣っている。 - AC15に登場した隠し曲のうち、以下の曲が収録されていない(以下ジャンル名のみで記載)。 --「ラテンREMIX」「ネジロック」「ラブポップ」「ウォートラントルーパーズ」「キュアー」「なまらジャズ」「オービタリックテクノ」「ガムラントランス」等。主に他機種からの移植楽曲が多く省かれている。 ---このうち、ウォートラントルーパーズに関しては、「実力派シンガーを起用しているので難しかった」「担当キャラ・ハーネマンのBADアクション(頭にナイフが刺さる)がCEROに引っ掛かる」等の諸説あり。 --上記の他、AC15から通常解禁されたee'MALL2ndの楽曲も、たった3曲しか収録されていない。同様にee'MALL1stが解禁されたCS14では、ほぼ全てのee'MALL1st楽曲が収録されたのだが…。 -また、「AC15に登場した隠しエキスパートコースに入っていた旧曲((例えば「ニンジャ卍ヒロイン」「ロープレバトル」等。))も入れて欲しかった」という意見もあった。 //-もっとも本作はあくまで「ポータブル」と銘打っているため、AC15の要素が強いだけのオリジナル作品と見ることもできる。 ---- **総評 収録曲や隠し曲解禁作業、読み込み等の問題もあるが、先に出た外伝三作よりかはマトモな出来である。~ 特に15以降、CSへの移植は途絶えていた為、15の新曲を待ちわびていたファンからは喜ばれた。 ---- **余談 -パッケージ裏には「はじめての、ケータイできるポップン」と書かれているが、以前にもGBCの『ポップンミュージックGB』シリーズやビーマニポケットシリーズのポップン版が発売されているため、この文章は正確ではない。~ PSPで初、ということなら一応間違ってはいないが。 -本作と同月にニンテンドーDSで外伝作『[[うたっち]]』が発売されている。しかしそちらは本家と大きく異なる内容やシビアな判定等であまり評価は良くなく、本作『ポータブル』とは対象的に同時期のその他の微妙な外伝作の1つといった扱い止まりである。 -本作『ポータブル』の成功を受けてか、翌年に続編として『16 PARTY♪』をベースにした『[[ポップンミュージック ポータブル2]]』も制作された。
*ポップンミュージック ポータブル 【ぽっぷんみゅーじっく ぽーたぶる】 |ジャンル|音楽シミュレーション|&amazon(B002XQ2HR8)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|コナミデジタルエンタテインメント|~| |開発元|ハドソン|~| |発売日|2010年2月4日|~| |定価|4,800円(税込)|~| |廉価版|ベストセレクション:2010年7月15日/1,980円(税込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|まさかのCS復活&br;実質『CS15』だが一部未収録曲あり&br;キャラ要素の充実&br;キー配置は覚え直しが必要|~| |>|>|CENTER:''[[ポップンミュージックシリーズリンク>ポップンミュージックシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 アーケード(AC)版『ポップンミュージック15 ADVENTURE』をベースに、PSP向けへアレンジした作品。~ 携帯ゲーム機向けかつナンバリングこそ廃止されているが、事実上の家庭用(CS)シリーズ本編新作に相当する作品であり、~ 2007年にPS2版『[[ポップンミュージック14 FEVER!]]』が発売されて以来およそ3年ぶりの事実上の続編となる。~ 本作が出るまでの間、KONAMIは15以降のCS移植版を開発する代わりに、Windows用マウス型接続ゲーム『ポップンミュージック Be-Mouse』、海外向けを意識したがどことなくズレていたXbox360版『[[Beat'n Groovy]]』、リモコン操作で内容が大幅にかけ離れたWii版『[[ポップンミュージック>ポップンミュージック (Wii)]]』といった誰得な外伝作品を乱発してきた為、「15以降のCS版は絶望的」等と言われていた。~ しかし、そんな絶望視されていたCSの正式な続編が、PSPにプラットフォームを移し発売された。~ それが本作『ポップンミュージックポータブル』である。~ ゲーム内容は主にAC15をベースとしているものの、デザインはポータブル独自のものになり、中身も大きくアレンジされている。 ---- **主なモード ''フリープレイモード -好きなキャラで好きな曲をプレイできる、CSではお馴染みのモード。 --使いたいキャラは、モードセレクトで△ボタンを押すことでキャラクター選択画面に行き、選ぶことができる。 --初期状態では全ての曲をプレイできず、隠し曲は後述のアドベンチャーモードで集める必要がある。 ''チュートリアル''~ -遊び方を練習できるモード。PSP版の操作をミミニャミが一から優しく丁寧に教えてくれる。 --本作のミミニャミはAC15同様の声優が起用されていて、フルボイスのミミニャミが聴けるのはある意味では貴重。 ''アドベンチャーモード''~ -ミミかニャミを操作し、ポップンランドに隠された曲やアイテムを探しに行くモード。''本作のメインとなるストーリー付きのモード。'' -因みにこのモードは、『ポップンミュージック 15アドベンチャー』で行われた隠し曲解禁イベント『わくわくミミニャミ探検隊』が元になっているが、ポップンキャラとの会話やバトル等を加えて大幅にアレンジされている。 -マップ上には様々なトラップやアイテム、レコードやワープホールが配置されている。 -マップ上にはポップンキャラ達が立ちふさがっており、ポップンバトルを挑んでくる。バトルにはキャラ毎に得点ノルマやオジャマなども掛かっており、ノルマをこなして勝利すると先に進めるようになる。 --一度倒したキャラとは何度でも再戦可能。倒すとレベルアップに必要なポイントを稼ぐことが出来る。 -レコードのあるマスに止まって○ボタンを押すと、ポップンバトルに突入。 --プレイヤーが勝つと、隠し曲とその担当キャラが解禁され、何時でも選択できる様になる。 -マップ中央のMZDのブースでポイントを消費してポッパーズテストを受けて合格するとレベルが上がり、対応したレベルの障害物を乗り越えて先に進むことができる。 --レベルを上げないと進めない箇所があったり取れないレコードもあるため、ある程度のレベル上げ(とそれに伴うポイント稼ぎ)が必須。 ''バトルモード''~ -「ネット対戦モード」に相当するモード。CPUと対戦したり、アドホックモードを利用して、最大四人までで通信対戦が行える。 -加えて、アーケードにおける「バトルモード」に相当する1台のPSPを2人で使用する「2Pバトル」も収録。 --「2Pバトル」ではオジャマこそカットされているものの、スコアが多い程演奏画面が広くなり、逆にスコアが少ない程演奏画面が小さくなっていくという仕様で、IIDXやDDRで言う所の「SUDDEN+」が疑似的に再現されている。~ ちなみに「SUDDEN+」自体は後に通算22作目のラピストリアでアーケード版に実装されているが、ある意味ではACに先駆けて同機能を堪能出来たとも言える。 ''ETCモード''~ -今回登場したキャラクターの各アクションを鑑賞できる『キャラクターディクショナリー』や収録された曲を視聴できる『ミュージックプレイヤー』が収録されている。 --この2つのモードはどちらも前作『14 FEVER!』で実装されていた物を引き継いだ物だが、前者に関しては新たに登場キャラのプロフィールを見る事が出来る機能が追加されている。 ''オプション''~ -ボタンの設定などが変更できる。 ---- **評価点 ''収録曲''~ -人気曲「撫子ロック/凛として咲く花の如く」をはじめ、AC15の主要楽曲を収録。 -AC16以降の作品からも、少数ながら版権含む新曲を先行収録。~ 16からは「創世のアクエリオン」、17からは「ブルーバード」「ツインヒーロー/明日への誓い」「ハイパーファンタジア/Fantasia」「暗黒サイケデリック」、そして当時稼働中だった18からは「嘘」が先行収録され、ファンを喜ばせた。 -また、AC14以前の旧曲に関しても、「ユーロビート/♥Love² シュガ→♥」「禅ジャズ/明鏡止水」「[[ゴエモン/がんばれゴエモンメドレー>がんばれゴエモンシリーズ]]」「ニューミュージック/僕の飛行機」「メガネロック/ポップミュージック論」等、比較的人気が高い曲が再録されており、ベスト盤のような体裁である。 -CSでは毎度お馴染みとなっていた家庭用オリジナルの新曲も5曲収録。 --「グリーニング/Greening」はCS12に入っていたミニゲーム「イマ様の緑化運動」にて使用されていたBGMその物であり、それがプレイアブル化したもの。 --CS10で完結とされたシンパシーシリーズの新曲「シンパシー4/Cloudy Skies」の収録も意外なところである((「4」で完結というわけでもないようで、ラピストリアでは実質「シンパシー5」にあたる「Perverse Heart ~あまのじゃく~」が収録された。))。 --さらに家庭用オリジナルの版権曲として「カルマ」「風吹けば恋」の2曲も新規収録されている他、ギタドラシリーズの人気曲「ドリームゲイザー/Little prayer」も本作でポップンに移植される事になった。 ---うち「カルマ」は[[まさかの他社発売の人気ゲームの主題歌>テイルズ オブ ジ アビス]]のポップン収録という事もあってか、発売当時は話題性が非常に強かった模様(ただし本作ではギタドラ版と同様のカバー収録)。 -アーケード版では本来AC17 THE MOVIEから搭載された、選曲画面のジャンル名表示を曲名表示へと切り替える機能が先行搭載。 --他BEMANI機種に収録されている曲については曲名の方が親しみがあるというプレイヤーもいるため、任意に切り替えられるのは便利。 --なお、本作では曲名についても全て同じフォントに統一されている(アーケードではAC20まで曲名に個別のフォントを使っていたが、Sunny Park以降であちらも統一された)。 ''譜面種類の増加''~ -アーケード版では通常の譜面が5ボタンノーマル・9ボタンノーマル・9ボタンハイパー+9ボタンEXのみだったが、新たに5ボタンにハイパーが追加。さらに完全新規となる「7ボタン譜面(ノーマル・ハイパー)」が設定され、プレイの幅が広がった。 --後述するキー配置の問題により9ボタンの敷居が上がってしまったため、少ないボタンでもやり応えのある譜面をプレイできるのは良要素。 -上記に加え、3ボタンのバトルモード専用譜面もノーマル・ハイパー共に収録されている。 ''キャラ関連の要素の充実''~ -アドベンチャーモードにはストーリー的な要素が組み込まれており、MZDに頼まれたミミニャミが冒険するというストーリーデモや、マップ上で様々なポップンキャラと会話し対戦していく要素がキャラクターファンには嬉しい。 --それまでポップンキャラがゲーム中で会話するという要素はほとんど無かったため((9のギャンブラーZのボス戦、11のポップンツーリストの手紙等、少ないながら一応は存在していた。))、内容的には軽いもののストーリー的な要素が搭載されたのは当時新鮮だった。 -公式サイトや関連書籍などでしか確認できなかった各登場キャラの設定をゲーム内で確認できるようになったディクショナリーの搭載も良要素。元々キャラの設定は数行程度の簡潔なものではあったが、気になったキャラをゲーム内からすぐ調べられる。 -メインキャラのミミやニャミも、AC15版とはまた別の本作独自の描き下ろしで、アニメも可愛いと好評。元々の15バージョンも隠しで登場する。 --ポータブル版ミミニャミは後にアーケードへも逆輸入された。 ''スキンチェンジ機能の収録''~ -AC15で好評を得ていたが1作限りで終了してしまったスキンチェンジ機能が、本作ではしっかりと収録されている。 -デフォルトではポータブル仕様の新規スキンなのだが、アドベンチャーモードでスキンアイテムを入手することで変更可能。AC15に存在した各種スキンをPSP用にアレンジして全て収録している。 --PSPの画面サイズの関係上、レイアウトが多少異なってはいるが、AC15デフォルトのスキンも含め雰囲気をほぼ再現している。 ''楽曲解禁難易度の低下''~ -AC15における個別楽曲解禁イベント『わくわくミミニャミ探検隊』はサクサクと楽曲を解禁する事ができた反面、プレイヤーの実力が解禁速度に直結する仕様だった。~ 具体的には「手に入れた隠し曲の全譜面にクリアマークを付ける」というプロセスだが、その仕様上、終盤の解禁難易度が非常に高まってしまい、「超上級レベルの高難度譜面を軽々クリアできるほどの腕がなければ、ラスボス曲の解禁はおろか、最終エリアにすらたどりつけない」という重大な欠点が存在した。このため期間中に「HELL 15コース」を含む全解禁まで辿り着いた者はランカークラスのわずかな人数のプレイヤーのみであった。 --本作の『アドベンチャーモード』では、譜面の難易度は基本的に初心者レベルまでに抑えられているとはいえ、家庭用への移植に伴い時間を掛ければ誰でもラスボス及びエンディングまでたどり着けるゲームバランスに調整されており、はるかに遊びやすくなっている。 ---楽曲解禁の難度が大幅に落とされた事によって、家庭用でようやくシリーズにおける解禁イベントのポリシーであった「誰でも手軽に最後の楽曲まで進める」点を実現させる事が出来たと言えるだろう。 ---- **問題点 ''ロード時間が長い''~ -キャラ選択時は勿論、曲の演奏開始まで数秒かかる事もある。 --メディアインストールが出来ればまだ違ったのだろうが、本作では残念ながら対応していない。 ''PS・PS2版と異なる操作性''~ -本作はPSP専用ソフトなので、当然ながらPS・PS2の専用コントローラは使用できない。~ 仕方ないとはいえ、これまで専用コントローラを使用していたプレイヤーは例外なくボタン配置の覚え直しを強要されることになった。 --また、GB版『pop'n music』ではレーン下のボタンのマーカーにプレイに使うボタンのマークを入れてわかり易いように配慮していたが本作ではこの措置がない。 ---ただでさえ覚え直しを余儀なくされているのにこれでは不親切さが否めないだろう。 -アナログコントローラーの使用経験があるユーザーにとっても難がある --PSPにはL2・R2ボタンが無いため、9ボタンモードにおけるデフォルトのキー配置がPS・PS2版と大きく異なっている((PS・PS2版ではL2・R2が白で←と○が緑だったものが、PSP版では←と○が白、↓と×が緑になっている。これはDC版ポップンの配置に近い、))。キーコンフィグは使用ボタン数別にそれぞれ設定可能なのだが、必要なキーが少ない5ボタンや7ボタンならともかく、9ボタンでPS・PS2版のキー配置を再現するのはデフォルト・自己流ともに不可能。特にPS・PS2のキー操作に慣れた中~上級者に対しては、専コンプレイヤー以上の混乱を招いた((逆にPS・PS2版の方をキーコンフィグでPSP版と同様の配置にして馴れることは可能だが、そちらでは後述の同時押しの問題により物理的に押せない配置が一部出てきてしまう。))。 --9ボタンではデフォルトだと左側の青緑同時押しが十字キーの上下に割り当てられているせいで押せなくなっているため、一部の譜面はAC版から変更・調整が加えられている((同時押しの配置変更の他、一部の譜面は同時押しそのものが減少している))。 //--素直に据置機であるPS3で発売すれば良かったと思われるが、専用コントローラーの問題がある((もしPS3以降の据置機で発売する場合、新たな専用コントローラーを開発・販売する必要がある。これが『BEMANIシリーズ』の据置機版が発売されなくなった原因だと思われる。))のでそういうわけにはいかなかった。 -一応、チュートリアルでミミニャミから丁寧に操作を教わることができ、どのキーがどのボタンに対応しているかを画面表示する機能も引き続き実装されているので、キー配置を覚え直すだけの環境は整っている。 -操作方法の違いだけでなく、PSP版独自の画面レイアウトによりプレイ画面の上下が狭くなっているため、相対的にポップ君の流れる体感速度が早くなり、HI-SPEEDオプションの適正速度の設定もこれまでとは大きく異なってくる。 ''アドベンチャーモードの作業感''~ -全曲プレイする為にはアドベンチャーモードを進行させないといけないが、ポッパーズレベルが低いと先に進めない、隠し曲のレコード集めが苦行等といった意見もある。 --初回対戦時は''必ず5ボタン譜面''というのもダレる原因。さらにそのほとんどがノーマル譜面を使用するため、途中で物足りなくなってしまいやすい。 ---一応、既に倒したキャラとの再戦時には7ボタンや9ボタンへ難易度を上げることもでき、それに応じて獲得ポイントも上がるのだが、最初から選べても良かったのではという意見が多い。(『2』では改善されている)。 --しかも途中では、4曲続けてのプレイとなるエキスパートコースをプレイさせられる場合もあり、面倒さに拍車をかけている。 -ストーリー上仕方ないとはいえ、せっかく多数のキャラクターが存在するのに、解禁のために長時間プレイせざるを得ないアドベンチャーモードでのプレイヤーキャラがミミ・ニャミのうち最初に選んだどちらかで固定(しかも選び直し不可)というのも、キャラゲー的な面で見るとややマイナス気味。 --一応フリーモードやバトルモード等ではこれまで同様にプレイヤーキャラを自由に選べるのだが、隠し曲を集めるためにはアドベンチャーモードでのレコード回収が必須。 ''収録曲に関して''~ -本作では、全部で82曲収録されているが、そのうち50曲近くが隠しになっており、バランスが悪い。 --しかもその中には、ACではデフォルト曲だったはずの「ケンドーロック/ギターケンドー」「フューチャーフュージョン/∞space」「エンシャントユーロ/In The Ruins」「パーカッシヴ2/西麻布清掃曲」等が入っている。 --過去の家庭用では隠しコマンドで一時的に隠し曲を出現させられる救済措置もあったが、本作ではそれすらも無いため、上記ACデフォルト曲も含めアドベンチャーモードでのレコード集めを強制される。 --ディスク容量の関係もあるが、毎作100曲前後収録されていたPS2版のナンバリングシリーズと比べると収録曲数でやや劣っている。 - AC15に登場した隠し曲のうち、以下の曲が収録されていない(以下ジャンル名のみで記載)。 --「ラテンREMIX」「ネジロック」「ラブポップ」「ウォートラントルーパーズ」「キュアー」「なまらジャズ」「オービタリックテクノ」「ガムラントランス」等。主に他機種からの移植楽曲が多く省かれている。 ---このうち、ウォートラントルーパーズに関しては、「実力派シンガーを起用しているので難しかった」「担当キャラ・ハーネマンのBADアクション(頭にナイフが刺さる)がCEROに引っ掛かる」等の諸説あり。 --上記の他、AC15から通常解禁されたee'MALL2ndの楽曲も、たった3曲しか収録されていない。同様にee'MALL1stが解禁されたCS14では、ほぼ全てのee'MALL1st楽曲が収録されたのだが…。 -また、「AC15に登場した隠しエキスパートコースに入っていた旧曲((例えば「ニンジャ卍ヒロイン」「ロープレバトル」等。))も入れて欲しかった」という意見もあった。 //-もっとも本作はあくまで「ポータブル」と銘打っているため、AC15の要素が強いだけのオリジナル作品と見ることもできる。 ---- **総評 収録曲や隠し曲解禁作業、読み込み等の問題もあるが、先に出た外伝三作よりかはマトモな出来である。~ 特に15以降、CSへの移植は途絶えていた為、15の新曲を待ちわびていたファンからは喜ばれた。 ---- **余談 -パッケージ裏には「はじめての、ケータイできるポップン」と書かれているが、以前にもGBCの『ポップンミュージックGB』シリーズやビーマニポケットシリーズのポップン版が発売されているため、この文章は正確ではない。~ PSPで初、ということなら一応間違ってはいないが。 -本作と同月にニンテンドーDSで外伝作『[[うたっち]]』が発売されている。しかしそちらは本家と大きく異なる内容やシビアな判定等であまり評価は良くなく、本作『ポータブル』とは対象的に同時期のその他の微妙な外伝作の1つといった扱い止まりである。 -本作『ポータブル』の成功を受けてか、翌年に続編として『16 PARTY♪』をベースにした『[[ポップンミュージック ポータブル2]]』も制作された。

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