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RPGツクールXP - (2023/05/25 (木) 12:55:22) の1つ前との変更点

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*RPGツクールXP 【あーるぴーじーつくーる えっくすぴー】 |ジャンル|RPG制作ツール|&amazon(B0002CCN38)&amazon(B001P9CZCQ)| |対応機種|Windows 98~XP|~| |開発元|エンターブレイン|~| |発売元|【パッケージ版】エンターブレイン&br()【Steam】Degica|~| |発売日|2004年7月22日|~| |定価|【パッケージ版】9,800円&br()【Steam】2,480円|~| |廉価版|VALUE!:2009年2月26日/5,040円(税込)&br()VALUE!+:2012年9月27日/3,990円(税込)|~| |備考|バージョンアップでVista、7、8(32/64bitOS)にも対応|~| |判定|なし|~| |ポイント|手軽に作れなくなった上級者向けツクール&br()発売当時はアクティベーション必須&br()『RGSS』の評価は高い&br()アップデートと続編『VX』にて欠点はある程度解消|~| |>|>|CENTER:''[[ツクールシリーズリンク>ツクールシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『RPGツクールシリーズ』の一作。新たにスクリプト作成システム「RGSS」(Ruby Game Scripting System)を搭載している。 //次作である『VX』が発売された現在でも、制作ツールとして本作を選ぶツクラーは多い。しかし、製作環境が大きく変わったことで一気に挫折するツクラーも現れた。 **評価点 -「RGSS」の搭載により、より作成の幅が広がった。 --RGSSはオブジェクト指向言語である「Ruby」を元にしたスクリプト言語であり、専門的な知識は必要だが、RGSSを書き換えることでこれまで変更・追加することができなかった様々なシステム等を組み込むことが可能となっている。 --『[[2000>RPGツクール2000]]』では出来なかったタイトルやメニュー画面の変更、パラメータの追加、上限突破等イベントコマンドでも実現不可能な項目の作成が可能。 -インターフェース面が改善された。 --イベント作成画面においてイベントの種類で色分けされるようになったりとより見易く、使い易くなっている。 -グラフィック面では続編『[[VX>RPGツクールVX]]』に引けを取らない程、レベルが高い。 --キャラクターグラフィックは『VX』以降の2頭身グラフィックと違い、本作独自の3頭身グラフィック。それに合わせてマップチップの縮尺も大きくなっており、複雑な建物などを表現できるようになっている。 --素材量もかなりの量があり、これだけでも十分なゲームが作れる。 ---キャラクター一人ひとりに歩行グラフィックとバトラー(戦闘画面用)グラフィックがちゃんと用意されているため、シンボルエンカウントのゲームなども素材のみで容易に作れる。ちなみに、戦闘グラフィックが存在しないキャラは町民と動物ぐらい。 --素材の式数制限も大幅に緩和。 -マップのレイヤー数が上層、下層の2つから下層1つ、上層2つの計3つに増加。 -使用可能なボタン数が大幅に増加。 --『2003』までは方向キー+3ボタンしか使えなかったが、方向キー+8ボタンまで設定可能になった。これによりアクション要素の高いゲームの自由度が更に高まった。 --キーコンフィグもデフォルトで搭載。 -戦闘画面ではデフォルトで味方の立ち絵(バトラー)を表示出来るようになった。 --『2000』ではスタンダードなフロントビューだっただけに評価する声が大きい。 --画面フラッシュのみだった敵の攻撃時の戦闘アニメーションも味方バトラーに対して再生されるようになった。 -BGMのクオリティも評判が高い。 --その質の高さは「(良い意味で)サンプルのクオリティではない」という声も上がるほど。ちなみに、いずれのBGMもオーケストラ風の曲調で統一されている。 -エディターの多重起動が出来るようになり、プロジェクト間のイベントやデータベースのコピーペーストが行いやすくなった。 -ゲームデータの暗号化で、ソースの盗用も防げるようになった。 **賛否両論点 -画面解像度が640*480ピクセルに変更。 --より高繊細な表現が可能になった反面、グラフィック素材を自作するハードルが高くなってしまった。 --ユーザーによって多数の素材が作られた『2000』系列向けの素材をそのまま流用しづらいため、グラフィックが自作できないユーザーにとっては逆に表現の幅が狭まってしまうという自体に。 --『[[RPGツクール95]]』も同様の640*480ピクセルであったが、当時は『2000』からPC向けツクールに触れたユーザーが多く、素材サイトも2000系列向けが圧倒的多数であった。 -MIDIファイルがPC搭載のものではなく、本作独自の音源で演奏される。 --独自音源自体は質も高く、環境によってはチープな音になりがちだったMIDI音源が安定した音で再生されるようになったというメリットがある。 --反面、RTP以外のMIDIデータを扱う際に意図しない音で鳴ってしまうという問題点が。リバーブが強めにかかる点も好みが分かれる。 **問題点 -イベントコマンドなど『2000』で出来たことが『XP』では出来なくなり、初心者にはとっつきにくくなった。 --顔グラフィックの表示など重要な機能がデフォルトで存在しない。 --スクリプトを書けば出来ることも多いが、『2000』と同じことをするためにスクリプトを書く必要があるのは明らかな劣化であると言わざるを得ない。 --現在では『RGSS』素材が大幅に増えたため、ある程度緩和されている。 ---とっつきにくいといってもあくまでPC版の他ツクールと比べてであり、操作方法はほぼ同じで基本的なコマンドは残っている為に簡素なRPGならイベントコマンドだけで作成可能である。 -発売当時は必要スペックが高かった。また、処理落ちもよく発生する。 --フレームレートも『2000』が60FPSだったのに対して、通常モードで20、滑らかモードでも40とかなり低くなっており、目に見えて動作がぎこちない。折角使用可能なボタン数が増えたにもかかわらずこれでは快適なアクションゲームを作るのは難しい。 ---RGSSでフレームレートを変更できるが当時の環境では通常モードでも重かったため、変更したところで60FPSで動かせるマシンは限られていた。また、RGSSで変更してしまうと戦闘アニメなどがエディタ上での再生と実際のゲーム上での動作速度にズレが生じてしまう。 --エディター画面で放置しているとフリーズを起こしてしまうことも。 ***ユーザー認識問題 -本作から違法ソフト対策として定期的にネットに接続してアクティベーション(ユーザー認識)する必要がある。 --ネット環境を使わずに作品公開や宣伝等を行う事は非常に困難であり、半ばネット環境必須となるのはやむを得ない部分でもある。~ ただ、ネット環境がなかったりネットをあまり利用しない(作成したゲームを自分だけ、もしくは内輪で楽しむ)ユーザーも皆無というわけではないため、そういった層からの不評の声はもちろん存在する。 --PCのパーツ構成を変えると別PCとして扱われ、ユーザー認識ができなくなることもある。 ---ユーザー登録を行ってあれば再発行が可能。(現在はサポート終了に付き再発行は行えない。) ---現在では認証システムの変更により初回認証のみで済むようになり、ユーザーサポートに問い合わせる事でオフライン認証も行えるようになった事で認証回りの問題は改善されている。 -ユーザー登録を行うには同梱のはがきを送らなければならないというアナログスタイル。 --ただこれを行わないと上記のサービスは受けられない。 --次作『VX』以降ではインターネット上で出来るようになっている。 --現在は『XP』をはじめとしたサポート終了したソフトはユーザー登録が不要になった。 ---ユーザー登録が不要になっても認証には購入時に同封(添付)されたプロダクトコードが必須な点は変更されてない。 **総評 正当進化を遂げたPC版ツクール。RGSSの導入でこれまでには無いシステムを生み出すことが可能となり、PC版RPGツクールの汎用性を高め、以後の作品においてもRGSS(『[[VX Ace>RPGツクールVX Ace]]』まで)やJavaScript(『[[MV>RPGツクールMV]]』以降)を上級者向けの機能としてツクールに搭載する契機となった作品である。~ もっとも、スクリプトをはじめとしたXPでの操作に慣れずに2000に戻ったユーザーも生み出してしまったというのは残念なところである。 本作においてはスクリプトを導入した結果、スクリプトを使えば出来るという理由からか旧作で標準搭載された機能が削除された箇所が少なからずある。この点についてはこれまでのRPGツクールが持ち合わせていた「プログラムができなくても簡単にRPGが作れる」というコンセプトに反してしまっていると評さざるを得ない。~ そのためか、以後のツクールにおいては、上級者向けの機能を搭載しつつも初心者にも使いやすい機能の追加に重きが置かれるようになっていった。 **余談 -現状での販売価格は『2000』と同価格 --作りやすさとライトっぽさの『2000』とRGSSによる作成の幅広さとデフォルメが薄い本格派の『XP』言う様に住み分けが出来るようになった。 -Steamで配信されているものの日本語には非対応。 -2020年8月20日『[[RPGツクールMZ]]』が発売された際に、本作の技術的サポートが2021年1月24日をもって終了されることが発表された。 --同時に[[VX>RPGツクールVX]]、VX Aceもサポート終了が発表されたため、RGSSを導入したツクールは全てサポートが終了されることとなる。
*RPGツクールXP 【あーるぴーじーつくーる えっくすぴー】 |ジャンル|RPG制作ツール|&amazon(B0002CCN38)&amazon(B001P9CZCQ)| |対応機種|Windows 98~XP|~| |開発元|エンターブレイン|~| |発売元|【パッケージ版】エンターブレイン&br()【Steam】Degica|~| |発売日|2004年7月22日|~| |定価|【パッケージ版】9,800円&br()【Steam】2,480円|~| |廉価版|VALUE!:2009年2月26日/5,040円(税込)&br()VALUE!+:2012年9月27日/3,990円(税込)|~| |備考|バージョンアップでVista、7、8(32/64bitOS)にも対応|~| |判定|なし|~| |ポイント|手軽に作れなくなった上級者向けツクール&br()発売当時はアクティベーション必須&br()『RGSS』の評価は高い&br()アップデートと続編『VX』にて欠点はある程度解消|~| |>|>|CENTER:''[[ツクールシリーズリンク>ツクールシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『RPGツクールシリーズ』の一作。新たにスクリプト作成システム「RGSS」(Ruby Game Scripting System)を搭載している。 //次作である『VX』が発売された現在でも、制作ツールとして本作を選ぶツクラーは多い。しかし、製作環境が大きく変わったことで一気に挫折するツクラーも現れた。 **評価点 -「RGSS」の搭載により、より作成の幅が広がった。 --RGSSはオブジェクト指向言語である「Ruby」を元にしたスクリプト言語であり、専門的な知識は必要だが、RGSSを書き換えることでこれまで変更・追加することができなかった様々なシステム等を組み込むことが可能となっている。 --『[[2000>RPGツクール2000]]』では出来なかったタイトルやメニュー画面の変更、パラメータの追加、上限突破等イベントコマンドでも実現不可能な項目の作成が可能。 -インターフェース面が改善された。 --イベント作成画面においてイベントの種類で色分けされるようになったりとより見易く、使い易くなっている。 -グラフィック面では続編『[[VX>RPGツクールVX]]』に引けを取らない程、レベルが高い。 --キャラクターグラフィックは『VX』以降の2頭身グラフィックと違い、本作独自の3頭身グラフィック。それに合わせてマップチップの縮尺も大きくなっており、複雑な建物などを表現できるようになっている。 --素材量もかなりの量があり、これだけでも十分なゲームが作れる。 ---キャラクター一人ひとりに歩行グラフィックとバトラー(戦闘画面用)グラフィックがちゃんと用意されているため、シンボルエンカウントのゲームなども素材のみで容易に作れる。ちなみに、戦闘グラフィックが存在しないキャラは町民と動物ぐらい。 --素材の式数制限も大幅に緩和。 -マップのレイヤー数が上層、下層の2つから下層1つ、上層2つの計3つに増加。 -使用可能なボタン数が大幅に増加。 --『2003』までは方向キー+3ボタンしか使えなかったが、方向キー+8ボタンまで設定可能になった。これによりアクション要素の高いゲームの自由度が更に高まった。 --キーコンフィグもデフォルトで搭載。 -戦闘画面ではデフォルトで味方の立ち絵(バトラー)を表示出来るようになった。 --『2000』ではスタンダードなフロントビューだっただけに評価する声が大きい。 --画面フラッシュのみだった敵の攻撃時の戦闘アニメーションも味方バトラーに対して再生されるようになった。 -BGMのクオリティも評判が高い。 --その質の高さは「(良い意味で)サンプルのクオリティではない」という声も上がるほど。ちなみに、いずれのBGMもオーケストラ風の曲調で統一されている。 -エディターの多重起動が出来るようになり、プロジェクト間のイベントやデータベースのコピーペーストが行いやすくなった。 -ゲームデータの暗号化で、ソースの盗用も防げるようになった。 **賛否両論点 -画面解像度が640*480ピクセルに変更。 --より高繊細な表現が可能になった反面、グラフィック素材を自作するハードルが高くなってしまった。 --ユーザーによって多数の素材が作られた『2000』系列向けの素材をそのまま流用しづらいため、グラフィックが自作できないユーザーにとっては逆に表現の幅が狭まってしまうという自体に。 --『[[RPGツクール95]]』も同様の640*480ピクセルであったが、当時は『2000』からPC向けツクールに触れたユーザーが多く、素材サイトも2000系列向けが圧倒的多数であった。 -MIDIファイルがPC搭載のものではなく、本作独自の音源で演奏される。 --独自音源自体は質も高く、環境によってはチープな音になりがちだったMIDI音源が安定した音で再生されるようになったというメリットがある。 --反面、RTP以外のMIDIデータを扱う際に意図しない音で鳴ってしまうという問題点が。リバーブが強めにかかる点も好みが分かれる。 **問題点 -イベントコマンドなど『2000』で出来たことが『XP』では出来なくなり、初心者にはとっつきにくくなった。 --顔グラフィックの表示など重要な機能がデフォルトで存在しない。 --スクリプトを書けば出来ることも多いが、『2000』と同じことをするためにスクリプトを書く必要があるのは明らかな劣化であると言わざるを得ない。 --現在では『RGSS』素材が大幅に増えたため、ある程度緩和されている。 ---とっつきにくいといってもあくまでPC版の他ツクールと比べてであり、操作方法はほぼ同じで基本的なコマンドは残っている為に簡素なRPGならイベントコマンドだけで作成可能である。 -発売当時は必要スペックが高かった。また、処理落ちもよく発生する。 --フレームレートも『2000』が60FPSだったのに対して、通常モードで20、滑らかモードでも40とかなり低くなっており、目に見えて動作がぎこちない。折角使用可能なボタン数が増えたにもかかわらずこれでは快適なアクションゲームを作るのは難しい。 ---RGSSでフレームレートを変更できるが当時の環境では通常モードでも重かったため、変更したところで60FPSで動かせるマシンは限られていた。また、RGSSで変更してしまうと戦闘アニメなどがエディタ上での再生と実際のゲーム上での動作速度にズレが生じてしまう。 --エディター画面で放置しているとフリーズを起こしてしまうことも。 ***ユーザー認証問題 -本作から違法ソフト対策として定期的にネットに接続してアクティベーション(ユーザー認証)する必要がある。 --ネット環境を使わずに作品公開や宣伝等を行う事は非常に困難であり、半ばネット環境必須となるのはやむを得ない部分でもある。~ ただ、ネット環境がなかったりネットをあまり利用しない(作成したゲームを自分だけ、もしくは内輪で楽しむ)ユーザーも皆無というわけではないため、そういった層からの不評の声はもちろん存在する。 --PCのパーツ構成を変えると別PCとして扱われ、ユーザー認証ができなくなることもある。 ---ユーザー登録を行ってあれば再発行が可能。(現在はサポート終了に付き再発行は行えない。) ---現在では認証システムの変更により初回認証のみで済むようになり、ユーザーサポートに問い合わせる事でオフライン認証も行えるようになった事で認証回りの問題は改善されている。 -ユーザー登録を行うには同梱のはがきを送らなければならないというアナログスタイル。 --ただこれを行わないと上記のサービスは受けられない。 --次作『VX』以降ではインターネット上で出来るようになっている。 --現在は『XP』をはじめとしたサポート終了したソフトはユーザー登録が不要になった。 ---ユーザー登録が不要になっても認証には購入時に同封(添付)されたプロダクトコードが必須な点は変更されてない。 **総評 正当進化を遂げたPC版ツクール。RGSSの導入でこれまでには無いシステムを生み出すことが可能となり、PC版RPGツクールの汎用性を高め、以後の作品においてもRGSS(『[[VX Ace>RPGツクールVX Ace]]』まで)やJavaScript(『[[MV>RPGツクールMV]]』以降)を上級者向けの機能としてツクールに搭載する契機となった作品である。~ もっとも、スクリプトをはじめとしたXPでの操作に慣れずに2000に戻ったユーザーも生み出してしまったというのは残念なところである。 本作においてはスクリプトを導入した結果、スクリプトを使えば出来るという理由からか旧作で標準搭載された機能が削除された箇所が少なからずある。この点についてはこれまでのRPGツクールが持ち合わせていた「プログラムができなくても簡単にRPGが作れる」というコンセプトに反してしまっていると評さざるを得ない。~ そのためか、以後のツクールにおいては、上級者向けの機能を搭載しつつも初心者にも使いやすい機能の追加に重きが置かれるようになっていった。 **余談 -現状での販売価格は『2000』と同価格 --作りやすさとライトっぽさの『2000』とRGSSによる作成の幅広さとデフォルメが薄い本格派の『XP』言う様に住み分けが出来るようになった。 -Steamで配信されているものの日本語には非対応。 -2020年8月20日『[[RPGツクールMZ]]』が発売された際に、本作の技術的サポートが2021年1月24日をもって終了されることが発表された。 --同時に[[VX>RPGツクールVX]]、VX Aceもサポート終了が発表されたため、RGSSを導入したツクールは全てサポートが終了されることとなる。

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