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*パワードリフト 【ぱわーどりふと】 |ジャンル|レース|&image(http://archives.sega.jp/3d/archives2/powerdrift/img/img_key.jpg)| |対応機種|アーケード|~| |発売・開発元|セガ・エンタープライゼス|~| |稼働開始日|1988年8月5日|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[アウトラン]]』『[[アフターバーナー]]』等で知られる鈴木裕による、専用の大型筐体を使ったレースゲーム。~ 派手なモンスターマシンに乗り込み、アップダウンが激しい特徴の立体的な周回コースを走る。~ 89年度ゲーメストでプレイヤー人気は6位、年間ヒットゲームは3位を受賞。 &br()製作はAM2研。使用基板は『ギャラクシーフォース』で使用され、「スプライトの怪物」と称されたYボード基板。 **システム・特徴 -A・B・C・D・Eに分かれたコースを選び、12人のドライバーの中から選択する。 --ドライバーはルーレット方式で選択。ドライバーで自車性能や難易度が変わるといったことはないので、そこは安心。 --裏技としてドライバー選択のカーソルが右端から左端へ移る瞬間にコースを選択すると、ドライバーがいないマシンが走り出す演出の後、ステージ毎にドライバーがランダムに変化する。 -各コースを3位以内でゴールすれば次に進み、4位以下だとゲームオーバー。通常は5ステージを3位以内で完走するとコースクリアとなる。 -全コースを1位で通過するとエキストラステージに進む。その際、自車はA・C・Eではアフターバーナーの「F-14XX」に、B・Dではハングオンの「バイク」に変化する。 -デモ画面中やゲーム中にスタートボタンを押すと自車を前方から見た視点に切り替わる。 **評価点 -クオリティの高い音楽。 --『[[スペースハリアー]]』等でお馴染みの「HIRO師匠」こと川口博史が手掛けた。 --ドラムとベースをサンプリングした電子楽器調の曲が揃っており、その中でBコースのテーマである「LIKE THE WIND」は人気が高い。 -ハイスピードでダイナミックな演出。 --「スプライト以外のグラフィックは表示できない」制約がある代わりに、非常に数が多く、大きいスプライトを表示できるYボードの特徴を生かして作られたコースはどれもダイナミック。擬似3Dでありながら、非常に高いレベルの立体感を実現している。 --これらの派手なコースを240km/hオーバーのモンスターマシンで疾走するため、ゲーム中はゲーム内の視点や筐体が目まぐるしく動く。 --ゲーム自体も常時60fpsで動作するため、抜群のスピード感を味わうことが出来る。 --全体的に1コースの長さが短い上に、完走後はすぐに次のステージへ進むため、展開はかなりスピーディー。 -キャラクターデザイン --洋ゲーだと見間違われやすい程のキャラクターデザインが特徴的。それでいて本作の世界観・雰囲気とマッチしている。 --画面の上のキャラクターにアニメーションがある。何度見ても飽きない。 **問題点 -難易度は高め。 --コースの仕様上ゲーム内の視点が派手に動くことや、ゲーム展開が忙しないことから、慣れるまではやや厳しい。 --ステージの中にはコースバリアがないものがあり、それらのステージでうっかり落ちてしまうと、致命傷になることも。 --画面右端にコースマップが表示されているが、展開の早さの為プレイ中に見ている余裕は殆ど無い。 --実質は全面優勝してエキストラステージまで行って全面クリアといえるが、全コーストップは中々難しい。 -前述の通り12人のキャラクターには性能差は全くない。そのため女性キャラのルーシーとナンシーに人気は集中したが、キャラ選択方法が難しく、タイミングをミスってモヒカン野郎でプレイせざるを得ない時も多々あり、やる気がそがれたプレイヤーは多かった。 -通信対戦に対応した「ツイン筐体バージョン」の稼動期間が短かった事。 --発売がオリジナル版のリリースからかなり後であり、市場に出回った数も少なかった模様。 ---元々本作は通信対戦を想定して作られた作品ではなかったため、それに合わせるようにゲーム内容が作り直されている。 ---その際に特徴であるスピード感やダイナミックなコースがカットされてしまい、評判はよろしくなかったようである。 --だが、オリジナルバージョンに比べて改善された部分や、独自の仕様もある為、通信対戦バージョンの方がいいと言うファンも多い。 ---ハンドルとアクセルでちゃんとキャラクター選択が可能になり、更にMTとAT操作が選択出来るようになった。 ---ステージクリアノルマの順位が大幅に緩和されている。1ステージでは6位以内でゴールすればクリアで、ステージが進むごとにノルマが上がって行き、最終ステージはオリジナル版より厳しい2位以内のゴールのノルマとなる。 ---通信プレイ方法は完全な乱入方式だが、既にプレイヤーがいる状態で乱入した場合、先行プレイヤーがステージをクリアするまでの間、乱入者はフリー走行という形でオマケプレイが出来る仕様になっている。そして先行プレイヤーがステージクリアして初めて対戦プレイとして競う事になるので、結果としてプレイがストップしたりテンポが悪くなるといったようなデメリットが無く気軽に乱入プレイが出来た。ちなみに対戦プレイでもオールクリアまでのステージ数や順位ノルマは各プレイヤー個別に設定されているので、先行プレイヤーが最終ステージ手前の状態で乱入して対戦プレイを始めても、乱入者は1最終ステージ&2位以上クリアのノルマにはならず、ちゃんと1ステージ&6位以上クリアのノルマとして始まるので安心である。 **総評 大型可動筐体と派手な演出により、セガファンのみならずハイスピードゲーマー等から幅広く認知された作品となった。 他のゲームに与えた影響は大きく、今でも存在は熱く語り継がれている。 ---- **家庭用移植 -Amiga、Amstrad CPC、Atari ST、コモドール64、ZX Spectrum、MSX、IBM PC DOS版 --事実上の初移植でありながらもっさり気味な内容。 -PCE版 --アスミックより発売、開発はコピアシステム。コースは9つしか無く、ドライバーしか選ぶ事が出来ない状態になった上にスプライトの怪物と言われたY BOARD基板を使用していた為、限界があった。 --「超絶 大技林 '98年春版」では「スピード感はあるものの、ゲーム自体は大味な感じ。移植度はいいとはいえない」と紹介されている。 -セガサターン版 --セガエイジスシリーズの一つとして発売。グラフィックの再現度は高いもののフレームレートが30fpsに落とされている。 --独自要素としてA~Eコース、全25ステージを走破する「グランプリモード」が追加。こちらは5位以内で次のステージへ進む設定になり、難易度が若干下がった。 --BGMはサターンの内蔵音源でアーケード版のBGMを再現したものと川口博史氏によるアレンジバージョンの2つから選択可能。 -ドリームキャスト『鈴木裕ゲームワークス Vol.1』版 --書籍付属のゲームディスク内に『ハングオン』『スペースハリアー』『アウトラン』『アフターバーナーII』と共に収録。 --ドリームキャストのマシンパワーを生かした初の完全移植。 -3DS『セガ3D復刻アーカイブス2』版 --前作のアンケートで収録希望新作の1位に輝いて、新規収録タイトルの一本となった。 --移植としては14年ぶりで、携帯機と任天堂ハードとしては初移植となった。 --ボーナスステージの「F-14XX」のグラフィックが独自のものに差し替えられている以外はアーケード版の忠実移植となっている。 --当初は「ツイン筐体バージョン」も収録される予定だったが、スピードやコース等の問題により断念となった。 --前発の[[ギャラクシーフォースII]]と同じY-BORD作品だが、エミュレーションの高速&軽量化が進み、BGMのエミュレーション再生を可能にした。 -3DS ダウンロードソフト版 --上記の『セガ3D復刻アーカイブス2』版とは別に単品版として後日配信された。 --『セガ3D復刻アーカイブス2』版の内容に加えて、新しい操作タイプやドライバーやBGMが3D復刻プロジェクトに縁のあるものに変更されたスペシャルモードが追加されている。 ---変更されたドライバーの中にはビンズビーン((『スペースハリアー』で敵キャラとして登場する正二十面体。出展元では宇宙船という設定。))やドラリンフラー((『ファンタジーゾーン』のラウンド1で登場する敵の前線基地。))といった「どうやって運転するんだ?」とツッコミを入れたくなるようなものもあり、中々カオスなことになっている。 **余談 中裕司氏がセガに在籍していた頃、セガ本社に来たマイケル・ジャクソンがショールームにあったパワードリフトの4人対戦筐体で遊ぼうとした際、マイケルと子供二人で席がひとつ空いていたため、一緒に遊ばせてもらった思い出があると語っている。 -その件に関して柴田亜美が漫画で「俺はパワードリフトでマイケル・ジャクソンに勝った男だ!」「そりゃ接待しなかっただけだ!」とネタにしている。
*パワードリフト 【ぱわーどりふと】 |ジャンル|レース|&image(http://archives.sega.jp/3d/archives2/powerdrift/img/img_key.jpg)| |対応機種|アーケード|~| |発売・開発元|セガ・エンタープライゼス|~| |稼働開始日|1988年8月5日|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[アウトラン]]』『[[アフターバーナー]]』等で知られる鈴木裕による、専用の大型筐体を使ったレースゲーム。~ 派手なモンスターマシンに乗り込み、アップダウンが激しい特徴の立体的な周回コースを走る。~ 89年度ゲーメストでプレイヤー人気は6位、年間ヒットゲームは3位を受賞。 &br()製作はAM2研。使用基板は『ギャラクシーフォース』で使用され、「スプライトの怪物」と称されたYボード基板。 **システム・特徴 -A・B・C・D・Eに分かれたコースを選び、12人のドライバーの中から選択する。 --ドライバーはルーレット方式で選択。ドライバーで自車性能や難易度が変わるといったことはないので、そこは安心。 --裏技としてドライバー選択のカーソルが右端から左端へ移る瞬間にコースを選択すると、ドライバーがいないマシンが走り出す演出の後、ステージ毎にドライバーがランダムに変化する。 -各コースを3位以内でゴールすれば次に進み、4位以下だとゲームオーバー。通常は5ステージを3位以内で完走するとコースクリアとなる。 -全コースを1位で通過するとエキストラステージに進む。その際、自車はA・C・Eではアフターバーナーの「F-14XX」に、B・Dではハングオンの「バイク」に変化する。 -デモ画面中やゲーム中にスタートボタンを押すと自車を前方から見た視点に切り替わる。 **評価点 -クオリティの高い音楽。 --『[[スペースハリアー]]』等でお馴染みの「HIRO師匠」こと川口博史が手掛けた。 --ドラムとベースをサンプリングした電子楽器調の曲が揃っており、その中でBコースのテーマである「LIKE THE WIND」は人気が高い。 -ハイスピードでダイナミックな演出。 --「スプライト以外のグラフィックは表示できない」制約がある代わりに、非常に数が多く、大きいスプライトを表示できるYボードの特徴を生かして作られたコースはどれもダイナミック。擬似3Dでありながら、非常に高いレベルの立体感を実現している。 --これらの派手なコースを240km/hオーバーのモンスターマシンで疾走するため、ゲーム中はゲーム内の視点や筐体が目まぐるしく動く。 --ゲーム自体も常時60fpsで動作するため、抜群のスピード感を味わうことが出来る。 --全体的に1コースの長さが短い上に、完走後はすぐに次のステージへ進むため、展開はかなりスピーディー。 -キャラクターデザイン --洋ゲーだと見間違われやすい程のキャラクターデザインが特徴的。それでいて本作の世界観・雰囲気とマッチしている。 --画面の上のキャラクターにアニメーションがある。何度見ても飽きない。 --レースなのに、それも落下の危険性もあるコースを走るのに全員普段着で運転していて大丈夫なのかとツッコミたくなるがそこはご愛敬。 **問題点 -難易度は高め。 --コースの仕様上ゲーム内の視点が派手に動くことや、ゲーム展開が忙しないことから、慣れるまではやや厳しい。 --ステージの中にはコースバリアがないものがあり、それらのステージでうっかり落ちてしまうと、致命傷になることも。 --画面右端にコースマップが表示されているが、展開の早さの為プレイ中に見ている余裕は殆ど無い。 --実質は全面優勝してエキストラステージまで行って全面クリアといえるが、全コーストップは中々難しい。 -前述の通り12人のキャラクターには性能差は全くない。そのため女性キャラのルーシーとナンシーに人気は集中したが、キャラ選択方法が難しく、タイミングをミスってモヒカン野郎((イメージイラストの某赤きサイクロンなプロレスラー似の人とは別人。というか彼はゲーム中には登場しないのだが。))でプレイせざるを得ない時も多々あり、やる気がそがれたプレイヤーは多かった。 -通信対戦に対応した「ツイン筐体バージョン」の稼動期間が短かった事。 --発売がオリジナル版のリリースからかなり後であり、市場に出回った数も少なかった模様。 ---元々本作は通信対戦を想定して作られた作品ではなかったため、それに合わせるようにゲーム内容が作り直されている。 ---その際に特徴であるスピード感やダイナミックなコースがカットされてしまい、評判はよろしくなかったようである。 --だが、オリジナルバージョンに比べて改善された部分や、独自の仕様もある為、通信対戦バージョンの方がいいと言うファンも多い。 ---ハンドルとアクセルでちゃんとキャラクター選択が可能になり、更にMTとAT操作が選択出来るようになった。 ---ステージクリアノルマの順位が大幅に緩和されている。1ステージでは6位以内でゴールすればクリアで、ステージが進むごとにノルマが上がって行き、最終ステージはオリジナル版より厳しい2位以内のゴールのノルマとなる。 ---通信プレイ方法は完全な乱入方式だが、既にプレイヤーがいる状態で乱入した場合、先行プレイヤーがステージをクリアするまでの間、乱入者はフリー走行という形でオマケプレイが出来る仕様になっている。そして先行プレイヤーがステージクリアして初めて対戦プレイとして競う事になるので、結果としてプレイがストップしたりテンポが悪くなるといったようなデメリットが無く気軽に乱入プレイが出来た。ちなみに対戦プレイでもオールクリアまでのステージ数や順位ノルマは各プレイヤー個別に設定されているので、先行プレイヤーが最終ステージ手前の状態で乱入して対戦プレイを始めても、乱入者は1最終ステージ&2位以上クリアのノルマにはならず、ちゃんと1ステージ&6位以上クリアのノルマとして始まるので安心である。 **総評 大型可動筐体と派手な演出により、セガファンのみならずハイスピードゲーマー等から幅広く認知された作品となった。 他のゲームに与えた影響は大きく、今でも存在は熱く語り継がれている。 ---- **家庭用移植 -Amiga、Amstrad CPC、Atari ST、コモドール64、ZX Spectrum、MSX、IBM PC DOS版 --事実上の初移植でありながらもっさり気味な内容。 -PCE版 --アスミックより発売、開発はコピアシステム。コースは9つしか無く、ドライバーしか選ぶ事が出来ない状態になった上にスプライトの怪物と言われたY BOARD基板を使用していた為、限界があった。 --「超絶 大技林 '98年春版」では「スピード感はあるものの、ゲーム自体は大味な感じ。移植度はいいとはいえない」と紹介されている。 -セガサターン版 --セガエイジスシリーズの一つとして発売。グラフィックの再現度は高いもののフレームレートが30fpsに落とされている。 --独自要素としてA~Eコース、全25ステージを走破する「グランプリモード」が追加。こちらは5位以内で次のステージへ進む設定になり、難易度が若干下がった。 --BGMはサターンの内蔵音源でアーケード版のBGMを再現したものと川口博史氏によるアレンジバージョンの2つから選択可能。 -ドリームキャスト『鈴木裕ゲームワークス Vol.1』版 --書籍付属のゲームディスク内に『ハングオン』『スペースハリアー』『アウトラン』『アフターバーナーII』と共に収録。 --ドリームキャストのマシンパワーを生かした初の完全移植。 -3DS『セガ3D復刻アーカイブス2』版 --前作のアンケートで収録希望新作の1位に輝いて、新規収録タイトルの一本となった。 --移植としては14年ぶりで、携帯機と任天堂ハードとしては初移植となった。 --ボーナスステージの「F-14XX」のグラフィックが独自のものに差し替えられている以外はアーケード版の忠実移植となっている。 --当初は「ツイン筐体バージョン」も収録される予定だったが、スピードやコース等の問題により断念となった。 --前発の[[ギャラクシーフォースII]]と同じY-BORD作品だが、エミュレーションの高速&軽量化が進み、BGMのエミュレーション再生を可能にした。 -3DS ダウンロードソフト版 --上記の『セガ3D復刻アーカイブス2』版とは別に単品版として後日配信された。 --『セガ3D復刻アーカイブス2』版の内容に加えて、新しい操作タイプやドライバーやBGMが3D復刻プロジェクトに縁のあるものに変更されたスペシャルモードが追加されている。 ---変更されたドライバーの中にはビンズビーン((『スペースハリアー』で敵キャラとして登場する正二十面体。出展元では宇宙船という設定。))やドラリンフラー((『ファンタジーゾーン』のラウンド1で登場する敵の前線基地。))といった「どうやって運転するんだ?」とツッコミを入れたくなるようなものもあり、中々カオスなことになっている。 **余談 中裕司氏がセガに在籍していた頃、セガ本社に来たマイケル・ジャクソンがショールームにあったパワードリフトの4人対戦筐体で遊ぼうとした際、マイケルと子供二人で席がひとつ空いていたため、一緒に遊ばせてもらった思い出があると語っている。 -その件に関して柴田亜美が漫画で「俺はパワードリフトでマイケル・ジャクソンに勝った男だ!」「そりゃ接待しなかっただけだ!」とネタにしている。

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