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*ワールドヒーローズパーフェクト 【わーるどひーろーずぱーふぇくと】 |ジャンル|対戦格闘|~| |対応機種|アーケード(MVS)|~| |販売・開発元|ADK|~| |稼働開始日|1995年5月25日|~| |判定|なし|~| |ポイント|シリーズ最終作&br()操作性を一新、新システムも数多く導入&br()ボスキャラ使用可能で寿命を縮めた|~| |>|CENTER:&color(black){ワールドヒーローズ(WH)シリーズ}&br()[[WH>ワールドヒーローズ]] / [[WH2>ワールドヒーローズ2]] / [[WH2JET>ワールドヒーローズ2JET]] / [[熱闘2JET>熱闘ワールドヒーローズ2JET]] / ''&color(black){WHパーフェクト}''|~| **概要 ADKの対戦格闘ゲーム『[[ワールドヒーローズ]]』シリーズ4作目にして、実質的なシリーズ最終作。 **ストーリー [[暗黒超武会>ワールドヒーローズ2JET]]から一年…。~ 全世界に平和が戻り、自らの時の流れに帰っていった英雄たちのもとに、またしてもブラウン・シュガー博士からの手紙「第三回世界英雄大会」の招待状が届いた。~ 修行の成果を試す者、ライバルとの決着をつけようとする者、それぞれの決意を胸に英雄たちが集結する。~ それを聞きつけたゼウス達も前回の雪辱を晴らすべく乱入をたくらむ。~ すでに波乱含みの大会…。~ だが、真の恐怖はそれだけではなかった!~ **登場キャラクター 基本的に前作『[[ワールドヒーローズ2JET]]』(以下『WH2JET』)にまで登場したプレイアブルキャラクターは全員登場。ただし、本作ではキャラ名がフルネームに変更されたキャラも多い((これに伴い、ハンゾウやフウマは技名も「ダブル烈光斬→大武流烈光斬」等変更されたものが多い。死に技で有名だった「忍者レッグラリアート」も「疾風燕落とし」に技名が変更された。))。 -通常キャラクター(カッコ内は前作までの名前) --服部半蔵(ハンゾウ) --風魔小太郎(フウマ) --ジャンヌ・ダルク(ジャンヌ) --ジンギスカン(J・カーン) --金龍(ドラゴン) --マッスル・パワー --ラスプーチン --ブロッケン --出雲良子(リョウコ) --キャプテン・キッド --エリック・ザ・バイキング(エリック) --シュラ・ナイ・カノム・トム(シュラ) --ジョニー・マキシマム --マッドマン --ジャック・ザ・リッパー(ジャック) --呂布奉先(リョフ) -隠しキャラクター --孫悟空((モチーフは『西遊記』だが、ADKらしく『ドラゴンボール』の孫悟空の要素も入っていたりする。)) --NEO-DIO((『WH2』のラスボスだったDIOがネオギガスを吸収してパワーアップした姿。)) --ゼウス **システム -操作は前作『WH2JET』から大幅に変更された。 --前作までは技の強弱はボタンを押した長さで判定していたが、本作では「A-弱パンチ、B-中パンチ、AB-強パンチ、C-弱キック、D-中キック、CD-強キック」という、SNKの『[[サムライスピリッツ]]』同様の疑似6ボタン構成となった。 --投げ技も、「相手に近づいてレバー前or後ろ+ABorCD」で出すように変更された。 --挑発はBC同時押しに変更。レバーニュートラル・←・↓・→でそれぞれ異なった挑発になる。その中には気絶ポーズや、ブロッケンの首を伸ばす挑発のように攻撃判定を持ったものまである((ブロッケンの首伸ばし挑発は「地上でABC同時押し」なので厳密には違うが。))。 -全キャラに「エキストラアタック」と呼ばれる個別の特殊技が追加された。ABC同時押しで使用可能。 --ハンゾウの「全ての通常技にキャンセルをかける」、ラスプーチンの「相手を押しつぶして小さくする」、呂布の「酒を飲んで攻撃力を上げる」等、キャラの個性を象徴する効果が付与されたものとなっている。 //--中にはシュラやマッドマンのように、ただひたすら挑発するだけというものもあるが…。 //シュラのエキストラアタックはWH2の必殺技だったタイガーパンチだし、マッドマンのエキストラアタックは地上ではマッドダンスだが、メインは空中で一瞬滞空するマッドフライトのほう。 -一部の通常技は、「打撃防御攻撃」と呼ばれるガードポイントを持った攻撃となっている。各キャラにいくつか用意されている。 --飛び道具を潰したりは出来ず、どちらかというと攻撃相殺のイメージに近い。 --ちなみに通常技やエキストラアタックの中には、飛び道具を破壊できる技も存在する(ジャンヌのエキストラアタック等)。 -また一部の通常技は「ガードはじき攻撃」として、相手のガードを崩す効果が付与されている。 --はじかれた方は一度レバーをニュートラルに戻さないとガードし直せない。 状態は五分なので、はじかれても反応さえ出来れば次の攻撃をガードすることは可能。 -一部の通常技は、ジャンプでモーションをキャンセル可能。 --これを利用した連続技も存在する。 -空中ガードが採用された。 --攻撃判定が空中になる技は全て空中ガード可能。例を挙げると、ハンゾウの対空必殺技「光龍破」は飛び上がった後は空中ガード可能となるが、出掛かりの「地上に足がついている」間は空中ガード不可能となる。 --ドラゴンの「龍牙脚」((前作までは「ドラゴンキック」という名称の対空必殺技。))は完全に飛び上がるため空中ガードされる。ブロッケンの「ハリケーンアーム」は完全に地上に足がついているため空中ガードは出来ない。 -本作では「HEROゲージ」と呼ばれる、攻撃を当てることで増加するゲージが追加された。 --HEROゲージがMAXまで溜まった時に、対応している必殺技や究極奥義(後述)を出すと強化版になる。 --ゲージは1本しか無く、通常版と強化版を任意に使い分けることは不可能。 -当時の流行の波に乗って、他作品の「超必殺技」「スーパーコンボ」に該当する「究極奥義」も追加された。 --使用条件は体力が50%以下になることだけ。前述のようにHEROゲージがMAXだと強化版になる。 --なお、HEROゲージMAXでも体力が50%以上だと究極奥義は使えない。 //-体力が少なくなればなるほど、攻撃力と防御力が上昇する補正が実装された。 //--このため同じ技でも、減るときと減らないときとの差が極端になる事も。 //JETの時点で体力による補正は存在していた -残り体力が僅かの相手に、多段ヒットする技で止めを刺すとKO時ボイスが追加ヒットするごとに再生される''オーバーキル上等仕様''となっている。 --主にマッスル・パワーやマキシマムの究極奥義で止めを刺すと起こりやすい。 --決められる側は、''「負けたッス~!!」''というひときわ情けない断末魔を持つシュラが印象に残ると評されている。 #region(どんな感じかというと……) #nicovideo2(sm3930133) #endregion -飛び道具の跳ね返しは廃止された((NGCD版やSS版では「飛び道具逸らし」に変更。))。ただし、エリックやマキシマムはエキストラアタックで相手の飛び道具を跳ね返すことが可能。 -多段ヒットする必殺技をガードした際、レバーをガード方向から離すとガードを止めて技がヒットする。 --地味なことではあるが、それまでの格闘ゲームのほぼすべてが多段ヒット技は最初の一撃をガードすれば、たとえレバーから手を離しても技の当たり判定から外れるまでは自動でガードしつづけるものばかりであり、またそれを利用してのガードキャンセル必殺技がシステムに組み込まれている作品も多い。しかし本作では最後までしっかりとガードする必要がある。 -前作までのような開始時のモード選択は廃止された。 -『WH2JET』から字幕スーパーが引き継がれたが、本作では連続技を決めた際に「○段」とコンボ数が表示されるようになった。 --また、キャラごとの掛け合いのバリエーションも増えている。 -キャラクターごとのステージはボスキャラを除いて設定されておらず、地球創世紀・ジュラ紀・氷河期・石器時代・巨石文明・中世暗黒時代・元禄時代・産業革命・世界大戦・現代までの10ステージで戦う。 -CPU戦は上記の10ステージクリア後にゼウスと戦うが、このゼウス戦は勝っても負けても次のラウンドでNEO-DIOが乱入してゼウスを倒してしまい、そのままNEO-DIOとのラスボス戦に突入する。 --なお、ゼウスはパーフェクトで倒すと凄まじいボーナス得点が入るため、事実上のボーナスステージであるといえる。 -CPU戦で特殊な条件を満たすと、乱入キャラとして孫悟空が登場する。 -本作ではCPU戦で同キャラ対戦は起こらない((ただし、隠しキャラのNEO-DIOはラスボス戦が同キャラ対戦。孫悟空も条件を満たせば同キャラ対戦となる。))。 **評価点 -WHシリーズとしては安定したゲームバランス。 --これまで同様大味なのは変わらないが、バランス的には一番安定していると評されている。''ただ一点を除けば''(後述)。 -キャラの個性がより前面に押し出された。 --変態度に磨きのかかったラスプーチン((特に究極奥義「秘密の花園」はあまりにもアブノーマルな技で話題になった。))、「ポチッとな」と渋い声で自爆ボタンを押すブロッケン、地味であることが逆に個性になったシュラなど((多くのキャラから地味なことをネタにされてしまっている。ちなみに究極奥義「ルンピニーダンス」も一部開発者に「シュラのくせに派手だ」というあんまりな理由で危うく地味にされる所だったという。))。 -CPU戦の難易度がマイルドに調整された。 --これまでのWHシリーズはCPU戦の難易度が高いことに定評があったが、本作では比較的易しめの難易度に調整され、パターン化も容易。 --ボスキャラもこれまでと比べれば理不尽な難易度ではなく、少しやりこめば全キャラでクリアすることは十分可能。 **問題点 -ラスボス兼隠しキャラのNEO-DIOがとにかく極悪。 --CPU専用キャラならまだいいのだが、本作では隠しコマンドを入力することで''アーケードでも使用可能になる。'' --しかも『[[スーパーストリートファイターIIX>スーパーストリートファイターⅡ]]』の豪鬼とは違い、''ボス性能のまま使用可能''((本作稼働後まもなく登場した『ザ・キング・オブ・ファイターズ'95』でもラスボスがそのままの性能でアーケードで使用可能だったが、あちらは一応飛び道具の硬直が長くなったり無敵技の無敵時間が短くなったりとプレイヤーが使用することを前提とした調整を受けている。))。 --とにかく通常技・必殺技どれをとっても高性能で、特にエキストラアタックのショートジャンプから繰り出すジャンプ強キックは判定激強かつ多段ヒットという狂った性能で、しかもヒット後に連続技に移行できるどころかこの技を連発するだけで永久連続技になる。固められるだけで何もできないキャラも居るほど。 --さらに追撃可能なコマンド投げも完備。追撃は1発でも攻撃を当てると相手がダウンしてしまうが、究極奥義((ガード不能の乱舞技。発生が遅いため見切られやすいが、起き上がりに重ねられると回避は困難。))なら問題なく全段ヒットする。 -本作の稼働後すぐにNEO-DIOが使えることが発覚してしまい、ゲームバランスを崩壊させる要因となる。 --使用禁止にしたゲーセンも多かったが自重しないプレイヤーも多かったため、結果として本作の稼動期間=寿命を縮めることになってしまった。 -''実はキャラの性能としてはNEO-DIOよりも「かませ犬」扱いのゼウスの方が有り得ない性能だったりする。''ゼウスは家庭用のみで使用可能なのが救いであるが。 -もう一人の隠しキャラの孫悟空は、性能的には尖った所は無い。 -CPUが使うラスボスとしてのNEO-DIOは、『[[WH2>ワールドヒーローズ2]]』の時のような極悪なアルゴリズムは無く、性能を持て余している感じで撃破は容易い。 -また、通常キャラもハンゾウやキッド等、エキストラアタックを活用することで永久連続技が可能なキャラも多い。 --リョウコやジャックも、ダッシュ攻撃を使った永久が存在している。 -HEROゲージの仕様上の問題。 --前述のように、1本しか溜められない上対応した必殺技を出すと強制的にゲージを使用する強化版になってしまう。 --このため、メイン必殺技が対応技になっているジャンヌやシュラ、マッドマンなどは究極奥義のためにゲージを温存しようとするとそれらの必殺技を封印せざるを得なくなってしまう。 --また、強化されるのは主に演出と判定であり、ダメージ自体は強化版のほうが減らない技すらある。 **裏技・その他 -キャラ選択時に隠しコマンドを入力すると、キャラがラスプーチンのエキストラアタックを喰らった時のようなチビキャラになる。 --このチビキャラ状態では攻撃力が低下し、必殺技も使えない。しかし勝利ボーナスの点数が大幅に上がるため、スコアラー向けのモードだといえる。 --家庭用ではチビキャラでも攻撃力が落ちずに必殺技も使えるため、バランスを崩してしまうのだが…。 **総評 操作性の大幅変更や新要素の追加など、新しい『ワールドヒーローズ』を目指した作品であったと言える。~ しかし隠しコマンドでボスキャラがそのままの極悪性能でアーケードで使えることが早々に発覚してしまったためバランスとモラルの崩壊を招き、結果として稼動期間は短命に終わってしまった。~ それでも対戦格闘ツールとしての完成度は高く、『ワールドヒーローズ』シリーズの実質的な最終作としては相応しい出来に仕上がっている。~ **移植版 ネオジオROM版(ADK、1995年6月30日発売) -当然ながら移植度は完璧。ゼウスは使用不可能。 ネオジオCD版(ADK、1995年7月21日発売) -容量の都合で一部の技のモーションやボイスが削除されているが、移植度は良好。 -NEO-DIOと孫悟空が最初から使用可能で、ゼウスも対戦のみで隠しコマンドで使用可能。 -チビキャラモードでも攻撃力の低下が無く、必殺技も使用できる。 -EDのおまけでラスプーチンの孫娘「ラスプーチコ」が登場する4コマ漫画を見ることが出来る。 セガサターン版(SNK、1996年8月9日発売) -NGCD版にあった付加要素は全て継承されている。 -NGCD版より更にボイス等が削除されているが、増設RAM無しにも拘らず読み込みはネオジオCDZより更に速い。 -隠しカラーが2色もある上に、ゼウスが全てのモードで使用可能となっている。 -登場キャラクターのデータベースが見られる。 -コマンド判定が全体的にシビアで、溜め技が異様に出しにくい。 プレイステーション2版『ワールドヒーローズゴージャス』(SNKプレイモア、2007年10月18日発売) -初代『[[ワールドヒーローズ]]』から本作までのシリーズ4作を収録。 -ネオジオオンラインコレクションでも配信されている。 **余談 -ADK倒産後、『ワールドヒーローズ』シリーズの版権はSNKプレイモアに引き継がれ、同社の『[[ネオジオバトルコロシアム]]』でハンゾウ、フウマ、マッドマン、NEO-DIOが登場している。
*ワールドヒーローズパーフェクト 【わーるどひーろーずぱーふぇくと】 |ジャンル|対戦格闘|~| |対応機種|アーケード(MVS)|~| |販売・開発元|ADK|~| |稼働開始日|1995年5月25日|~| |判定|なし|~| |ポイント|シリーズ最終作&br()操作性を一新、新システムも数多く導入&br()ボスキャラ使用可能で寿命を縮めた|~| |>|CENTER:&color(black){ワールドヒーローズ(WH)シリーズ}&br()[[WH>ワールドヒーローズ]] / [[WH2>ワールドヒーローズ2]] / [[WH2JET>ワールドヒーローズ2JET]] / [[熱闘2JET>熱闘ワールドヒーローズ2JET]] / ''&color(black){WHパーフェクト}''|~| **概要 ADKの対戦格闘ゲーム『[[ワールドヒーローズ]]』シリーズ4作目にして、実質的なシリーズ最終作。 **ストーリー [[暗黒超武会>ワールドヒーローズ2JET]]から一年…。~ 全世界に平和が戻り、自らの時の流れに帰っていった英雄たちのもとに、またしてもブラウン・シュガー博士からの手紙「第三回世界英雄大会」の招待状が届いた。~ 修行の成果を試す者、ライバルとの決着をつけようとする者、それぞれの決意を胸に英雄たちが集結する。~ それを聞きつけたゼウス達も前回の雪辱を晴らすべく乱入をたくらむ。~ すでに波乱含みの大会…。~ だが、真の恐怖はそれだけではなかった!~ **登場キャラクター 基本的に前作『[[ワールドヒーローズ2JET]]』(以下『WH2JET』)にまで登場したプレイアブルキャラクターは全員登場。ただし、本作ではキャラ名がフルネームに変更されたキャラも多い((これに伴い、ハンゾウやフウマは技名も「ダブル烈光斬→大武流烈光斬」等変更されたものが多い。死に技で有名だった「忍者レッグラリアート」も「疾風燕落とし」に技名が変更された。))。 -通常キャラクター(カッコ内は前作までの名前) --服部半蔵(ハンゾウ) --風魔小太郎(フウマ) --ジャンヌ・ダルク(ジャンヌ) --ジンギスカン(J・カーン) --金龍(ドラゴン) --マッスル・パワー --ラスプーチン --ブロッケン --出雲良子(リョウコ) --キャプテン・キッド --エリック・ザ・バイキング(エリック) --シュラ・ナイ・カノム・トム(シュラ) --ジョニー・マキシマム --マッドマン --ジャック・ザ・リッパー(ジャック) --呂布奉先(リョフ) -隠しキャラクター --孫悟空((モチーフは『西遊記』だが、ADKらしく『ドラゴンボール』の孫悟空の要素も入っていたりする。)) --NEO-DIO((『WH2』のラスボスだったDIOがネオギガスを吸収してパワーアップした姿。)) --ゼウス **システム -操作は前作『WH2JET』から大幅に変更された。 --前作までは技の強弱はボタンを押した長さで判定していたが、本作では「A-弱パンチ、B-中パンチ、AB-強パンチ、C-弱キック、D-中キック、CD-強キック」という、SNKの『[[サムライスピリッツ]]』同様の疑似6ボタン構成となった。 --投げ技も、「相手に近づいてレバー前or後ろ+ABorCD」で出すように変更された。 --挑発はBC同時押しに変更。レバーニュートラル・←・↓・→でそれぞれ異なった挑発になる。その中には気絶ポーズや、ブロッケンの首を伸ばす挑発のように攻撃判定を持ったものまである((ブロッケンの首伸ばし挑発は「地上でABC同時押し」なので厳密には違うが。))。 -全キャラに「エキストラアタック」と呼ばれる個別の特殊技が追加された。ABC同時押しで使用可能。 --ハンゾウの「全ての通常技にキャンセルをかける」、ラスプーチンの「相手を押しつぶして小さくする」、呂布の「酒を飲んで攻撃力を上げる」等、キャラの個性を象徴する効果が付与されたものとなっている。 //--中にはシュラやマッドマンのように、ただひたすら挑発するだけというものもあるが…。 //シュラのエキストラアタックはWH2の必殺技だったタイガーパンチだし、マッドマンのエキストラアタックは地上ではマッドダンスだが、メインは空中で一瞬滞空するマッドフライトのほう。 -一部の通常技は、「打撃防御攻撃」と呼ばれるガードポイントを持った攻撃となっている。各キャラにいくつか用意されている。 --飛び道具を潰したりは出来ず、どちらかというと攻撃相殺のイメージに近い。 --ちなみに通常技やエキストラアタックの中には、飛び道具を破壊できる技も存在する(ジャンヌのエキストラアタック等)。 -また一部の通常技は「ガードはじき攻撃」として、相手のガードを崩す効果が付与されている。 --はじかれた方は一度レバーをニュートラルに戻さないとガードし直せない。 状態は五分なので、はじかれても反応さえ出来れば次の攻撃をガードすることは可能。 -一部の通常技は、ジャンプでモーションをキャンセル可能。 --これを利用した連続技も存在する。 -空中ガードが採用された。 --攻撃判定が空中になる技は全て空中ガード可能。例を挙げると、ハンゾウの対空必殺技「光龍破」は飛び上がった後は空中ガード可能となるが、出掛かりの「地上に足がついている」間は空中ガード不可能となる。 --ドラゴンの「龍牙脚」((前作までは「ドラゴンキック」という名称の対空必殺技。))は完全に飛び上がるため空中ガードされる。ブロッケンの「ハリケーンアーム」は完全に地上に足がついているため空中ガードは出来ない。 -本作では「HEROゲージ」と呼ばれる、攻撃を当てることで増加するゲージが追加された。 --HEROゲージがMAXまで溜まった時に、対応している必殺技や究極奥義(後述)を出すと強化版になる。 --ゲージは1本しか無く、通常版と強化版を任意に使い分けることは不可能。 -当時の流行の波に乗って、他作品の「超必殺技」「スーパーコンボ」に該当する「究極奥義」も追加された。 --使用条件は体力が50%以下になることだけ。前述のようにHEROゲージがMAXだと強化版になる。 --なお、HEROゲージMAXでも体力が50%以上だと究極奥義は使えない。 //-体力が少なくなればなるほど、攻撃力と防御力が上昇する補正が実装された。 //--このため同じ技でも、減るときと減らないときとの差が極端になる事も。 //JETの時点で体力による補正は存在していた -残り体力が僅かの相手に、多段ヒットする技で止めを刺すとKO時ボイスが追加ヒットするごとに再生される''オーバーキル上等仕様''となっている。 --主にマッスル・パワーやマキシマムの究極奥義で止めを刺すと起こりやすい。 --決められる側は、''「負けたッス~!!」''というひときわ情けない断末魔を持つシュラが印象に残ると評されている。 #region(どんな感じかというと……) #nicovideo2(sm3930133) #endregion -飛び道具の跳ね返しは廃止された((NGCD版やSS版では「飛び道具逸らし」に変更。))。ただし、エリックやマキシマムはエキストラアタックで相手の飛び道具を跳ね返すことが可能。 -多段ヒットする必殺技をガードした際、レバーをガード方向から離すとガードを止めて技がヒットする。 --地味なことではあるが、それまでの格闘ゲームのほぼすべてが多段ヒット技は最初の一撃をガードすれば、たとえレバーから手を離しても技の当たり判定から外れるまでは自動でガードしつづけるものばかりであり、またそれを利用してのガードキャンセル必殺技がシステムに組み込まれている作品も多い。しかし本作では最後までしっかりとガードする必要がある。 -前作までのような開始時のモード選択は廃止された。 -『WH2JET』から字幕スーパーが引き継がれたが、本作では連続技を決めた際に「○段」とコンボ数が表示されるようになった。 --また、キャラごとの掛け合いのバリエーションも増えている。 -キャラクターごとのステージはボスキャラを除いて設定されておらず、地球創世紀・ジュラ紀・氷河期・石器時代・巨石文明・中世暗黒時代・元禄時代・産業革命・世界大戦・現代までの10ステージで戦う。 -CPU戦は上記の10ステージクリア後にゼウスと戦うが、このゼウス戦は勝っても負けても次のラウンドでNEO-DIOが乱入してゼウスを倒してしまい、そのままNEO-DIOとのラスボス戦に突入する。 --なお、ゼウスはパーフェクトで倒すと凄まじいボーナス得点が入るため、事実上のボーナスステージであるといえる。 -CPU戦で特殊な条件を満たすと、乱入キャラとして孫悟空が登場する。 -本作ではCPU戦で同キャラ対戦は起こらない((ただし、隠しキャラのNEO-DIOはラスボス戦が同キャラ対戦。孫悟空も条件を満たせば同キャラ対戦となる。))。 **評価点 -WHシリーズとしては安定したゲームバランス。 --これまで同様大味なのは変わらないが、バランス的には一番安定していると評されている。''ただ一点を除けば''(後述)。 -キャラの個性がより前面に押し出された。 --変態度に磨きのかかったラスプーチン((特に究極奥義「秘密の花園」はあまりにもアブノーマルな技で話題になった。))、「ポチッとな」と渋い声で自爆ボタンを押すブロッケン、地味であることが逆に個性になったシュラなど((多くのキャラから地味なことをネタにされてしまっている。ちなみに究極奥義「ルンピニーダンス」も一部開発者に「シュラのくせに派手だ」というあんまりな理由で危うく地味にされる所だったという。))。 -CPU戦の難易度がマイルドに調整された。 --これまでのWHシリーズはCPU戦の難易度が高いことに定評があったが、本作では比較的易しめの難易度に調整され、パターン化も容易。 --ボスキャラもこれまでと比べれば理不尽な難易度ではなく、少しやりこめば全キャラでクリアすることは十分可能。 **問題点 -ラスボス兼隠しキャラのNEO-DIOがとにかく極悪。 --CPU専用キャラならまだいいのだが、本作では隠しコマンドを入力することで''アーケードでも使用可能になる。'' --しかも『[[スーパーストリートファイターIIX>スーパーストリートファイターII]]』の豪鬼とは違い、''ボス性能のまま使用可能''((本作稼働後まもなく登場した『ザ・キング・オブ・ファイターズ'95』でもラスボスがそのままの性能でアーケードで使用可能だったが、あちらは一応飛び道具の硬直が長くなったり無敵技の無敵時間が短くなったりとプレイヤーが使用することを前提とした調整を受けている。))。 --とにかく通常技・必殺技どれをとっても高性能で、特にエキストラアタックのショートジャンプから繰り出すジャンプ強キックは判定激強かつ多段ヒットという狂った性能で、しかもヒット後に連続技に移行できるどころかこの技を連発するだけで永久連続技になる。固められるだけで何もできないキャラも居るほど。 --さらに追撃可能なコマンド投げも完備。追撃は1発でも攻撃を当てると相手がダウンしてしまうが、究極奥義((ガード不能の乱舞技。発生が遅いため見切られやすいが、起き上がりに重ねられると回避は困難。))なら問題なく全段ヒットする。 -本作の稼働後すぐにNEO-DIOが使えることが発覚してしまい、ゲームバランスを崩壊させる要因となる。 --使用禁止にしたゲーセンも多かったが自重しないプレイヤーも多かったため、結果として本作の稼動期間=寿命を縮めることになってしまった。 -''実はキャラの性能としてはNEO-DIOよりも「かませ犬」扱いのゼウスの方が有り得ない性能だったりする。''ゼウスは家庭用のみで使用可能なのが救いであるが。 -もう一人の隠しキャラの孫悟空は、性能的には尖った所は無い。 -CPUが使うラスボスとしてのNEO-DIOは、『[[WH2>ワールドヒーローズ2]]』の時のような極悪なアルゴリズムは無く、性能を持て余している感じで撃破は容易い。 -また、通常キャラもハンゾウやキッド等、エキストラアタックを活用することで永久連続技が可能なキャラも多い。 --リョウコやジャックも、ダッシュ攻撃を使った永久が存在している。 -HEROゲージの仕様上の問題。 --前述のように、1本しか溜められない上対応した必殺技を出すと強制的にゲージを使用する強化版になってしまう。 --このため、メイン必殺技が対応技になっているジャンヌやシュラ、マッドマンなどは究極奥義のためにゲージを温存しようとするとそれらの必殺技を封印せざるを得なくなってしまう。 --また、強化されるのは主に演出と判定であり、ダメージ自体は強化版のほうが減らない技すらある。 **裏技・その他 -キャラ選択時に隠しコマンドを入力すると、キャラがラスプーチンのエキストラアタックを喰らった時のようなチビキャラになる。 --このチビキャラ状態では攻撃力が低下し、必殺技も使えない。しかし勝利ボーナスの点数が大幅に上がるため、スコアラー向けのモードだといえる。 --家庭用ではチビキャラでも攻撃力が落ちずに必殺技も使えるため、バランスを崩してしまうのだが…。 **総評 操作性の大幅変更や新要素の追加など、新しい『ワールドヒーローズ』を目指した作品であったと言える。~ しかし隠しコマンドでボスキャラがそのままの極悪性能でアーケードで使えることが早々に発覚してしまったためバランスとモラルの崩壊を招き、結果として稼動期間は短命に終わってしまった。~ それでも対戦格闘ツールとしての完成度は高く、『ワールドヒーローズ』シリーズの実質的な最終作としては相応しい出来に仕上がっている。~ **移植版 ネオジオROM版(ADK、1995年6月30日発売) -当然ながら移植度は完璧。ゼウスは使用不可能。 ネオジオCD版(ADK、1995年7月21日発売) -容量の都合で一部の技のモーションやボイスが削除されているが、移植度は良好。 -NEO-DIOと孫悟空が最初から使用可能で、ゼウスも対戦のみで隠しコマンドで使用可能。 -チビキャラモードでも攻撃力の低下が無く、必殺技も使用できる。 -EDのおまけでラスプーチンの孫娘「ラスプーチコ」が登場する4コマ漫画を見ることが出来る。 セガサターン版(SNK、1996年8月9日発売) -NGCD版にあった付加要素は全て継承されている。 -NGCD版より更にボイス等が削除されているが、増設RAM無しにも拘らず読み込みはネオジオCDZより更に速い。 -隠しカラーが2色もある上に、ゼウスが全てのモードで使用可能となっている。 -登場キャラクターのデータベースが見られる。 -コマンド判定が全体的にシビアで、溜め技が異様に出しにくい。 プレイステーション2版『ワールドヒーローズゴージャス』(SNKプレイモア、2007年10月18日発売) -初代『[[ワールドヒーローズ]]』から本作までのシリーズ4作を収録。 -ネオジオオンラインコレクションでも配信されている。 **余談 -ADK倒産後、『ワールドヒーローズ』シリーズの版権はSNKプレイモアに引き継がれ、同社の『[[ネオジオバトルコロシアム]]』でハンゾウ、フウマ、マッドマン、NEO-DIOが登場している。

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