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お嬢様と憐れなこ執事 - (2021/09/28 (火) 20:39:39) の1つ前との変更点

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*お嬢様と憐れなこ執事 【おじょうさまとあわれなこしつじ】 |ジャンル|お嬢様のお世話をしているつもりが逆にいろいろされちゃうADV|&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/81joVlTbOWL._SL1414_.jpg,height=160)| |対応機種|Windows Vista~10|~| |メディア|DVD-ROM|~| |発売・開発元|Carol Works|~| |発売日|2017年5月26日|~| |定価|9,504円(税8%込)|~| |レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~| |配信|FANZA:2017年8月4日/8,424円(税8%込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|女学園潜入型だが…&br;キャラは濃いがシナリオは薄いし雑&br;''父親を始めとしたキャラが非常に不快''&br;まさかのクラウドファンディング|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ドM嗜好の作品を発売してきたCarol Worksの4作目。近作でスマッシュヒットを記録した『[[オトメ*ドメイン]]』(ぱれっとクオリア)((最も、年代を問わなければこの手のジャンルの作品は結構多いのだが、発売年が近い、かつ話題になった作品ということで本作を挙げた。))に影響を受けたいわゆる『女装学園』ものではあるが、Carol Worksの手にかかり『''女装学園の皮をかぶったいつものCarolゲー''』と化した。 公式の略称は「おとれな」。 ---- **ストーリー 自由奔放な父親のせいでホームレス同然の生活をすることになった主人公・轟六道。 そんな彼に手を差し伸べてくれたのが、 父親の弟である叔父だった。衣・食・住・学業の面倒まで 見てくれると言われて喜ぶ主人公だったが、叔父からはひとつだけ提案が…… 「実は、娘たちが反抗期なのか最近中々話もしてくれなくてね…… リク君には私と娘たちの橋渡し役をお願いしたいんだ」 叔父の口から出たのは、年頃の娘を持つ父親にはよくある悩み。それくらいならと安請け合いしてしまう主人公。 こうして彼の受難の日々は始まった―― (公式サイトからの引用) ---- **登場人物 #region(close,クリックで開閉。) -轟六道(とどろきりくどう) --本作の主人公。どこからどう見ても女の子にしか見えない少年。最悪な父親(後述)のせいでホームレスをしていた、初手から憐れな存在。 --ヒロインからすれば、''嗜虐心を駆り立てる玩具''(でイトコで使用人)。 --女子力パラメータは高いが、徹頭徹尾ヘタレているため、作中では殆ど竿役。 --ただし、まともかと思いきや空気の読めない場当たりな事を口走ってヒロインの怒りを買ってアワアワしだすことも茶飯事。 --エッチシーン以外ではボイスがついている。中の人の都合…ではない((通常パートでも卑猥な淫語を喋っているため。恐らくは予算の問題と思われる。))。 --キャラ人気投票では1位を獲得。Carol的には予想通りといった結果。なお、クラウドファンディング(以下CF)でフルボイスとなった。 攻略ヒロイン -轟火凛(とどろきかりん) --女学園の生徒会長で、轟家の長女。名前の通り凛としており、しっかりもので少しだけ威圧的な態度が特徴。~ …なのだが、六道と二人きりになると発情した猫のように甘えてくる。同族意識なのか、猫が大好き。 --共通ルートでは唯一本番シーンが存在する。しかも最初が騎乗位。肉食にも程がある…。 --独占欲が非常に強く、自分以外の女は友達だろうが敵扱いする危険な思想。 --人気投票では攻略ヒロインで''唯一圏外''だったため、順位は不明。 -轟水萌(とどろきみなも) --口数少なめで、一見クールに見える轟家の次女。言葉遣いも丁寧で、轟家の良心。~ …と勘違いされるが、六道と二人きりになると彼の体臭を最優先に欲する''臭いフェチ''と化す。 --そのこだわりは、六道の衣服を必死に懇願するほど。声優の熱演が良い意味で凄く、酷い。 --初体験が別の穴だったりするなど、色んな意味で感性がずれてる娘。 -轟土筆(とどろきつくし) --轟家の三女。人懐っこく、子犬のような愛らしさがウリ……~ と感じるのは序盤だけ。その本性はいかなる相手だろうが愚痴や不満や非難を厭わない''性悪な毒舌少女''。 --彼女のルートが最もドMが嬉しがるルートと評判、らしい。 --言動はきついが、(六道への)面倒見が良かったり、割と機転のきいた名案を思いついたりと、実際は結構いい子。 --慣用句を勘違いして使っていたり、誤読していたりするなど、頭はあまり良くない様子。 -音無光子(おとなしみつこ) --轟家の使用人。立場上、六道の先輩ポジションにあたる出来る女性。 --六道の父、天道と昔なじみのせいか、年齢はそれなりに…触れたら殺されてしまうので詮索は禁物。 --普段は温和なのだが、天道とのやりとりの際はドスの利いた声でひたすら折檻する。声優さんの喉が心配。 --男の縁がないのか、色気づいたりすると途端に土筆も真っ青の毒舌をこっそりと吐く。 --なお、「みつこ」は本名ではないが、(ネタバレになるので)作中では主にこう呼ばれるので便宜上この表記とする。 その他キャラ -轟天道(とどろきてんどう) --主人公、六道の実父。元社長だったが、''会社の金を横領''して懲戒免職させられたダメ人間、というか''犯罪者''。 --傲岸不遜、倫理観の欠如した非常識の塊のような存在。詳細は後述。 -轟雷道(とどろきらいどう) --天道の弟で、ヒロインの実父。甥と兄をわざわざ引き取った出来すぎた人間。 --娘や兄からの押しには非常に弱く、六道をそのまま成長させたような印象を受ける。 -桐生寺茉莉(きりゅうじまつり) --火凛をサポートする生徒会副会長。有能で彼女がいないと生徒会が回らないほど。~ …なのだが、その正体は''実弟の貞操を狙う危険すぎる変態少女''。学内であってもその妄想は歯止めが利かない。 --火凛ルートでは理不尽なまでに六道を追い詰めるため、プレイヤーの反感を買った。詳細は後述。 -小山内虎子(おさないとらこ) --火凛を慕うケンカ仲間のリーダーらしいが、六道のせいでその設定は早々にして無かったことになる。 --うんこが大好きな少女。名前の通り色々なところが幼い。 -越前和華(えちぜんわか) --水萌のバイト先の先輩。 -御上野咲良(おがみのさくら) --土筆の同級生で学級委員長。 --虎子がびっくりするくらいのピュアガール。 #endregion ---- **特徴(賛否両論を兼ねる) -ひと味違う女装学園もの --冒頭で述べた通りだが、これまでの女装ものとは一線を画す設定がいくつかある。 --まず、『''ヒロインには既に男としてバレている''』というところが最大のポイント。というのも、元々六道は男として轟家に厄介になっているためである。そのため、彼の性別を知らないのが女学園に登場する非攻略キャラと和華のみ。 --もう1つは、『''主人公が完全な竿役''』というところである。女装学園ものは基本的に男であるが故、女性よりも(少なくとも身体的には)一段高いスペックを持っており、女性らしさを持つ強い男、というキャラ造詣が定番となっている。 --しかし、本作の主人公・六道は確かにスペックは悪くないのだが、男らしさは微塵もなく、終始ヒロイン達に振り回されるだけの存在である。 --多少ヒロインに意見・反論するシーンもあるがたいてい返り討ちに遭い、見る影もなくなって消沈し結局されるがままになることがほとんど。 ---だが、これは女装学園ものというよりはCarol Worksの作風に依るところが多い。それを承知の上で購入すれば概ね期待に堪えていると言えるが、そうでなければ終始優柔不断な主人公にイライラさせられるという層もいれば、ヒロインに感情移入して''六道へ嗜虐心を駆り立てられる''層もいたり、好き嫌いが分かれがち。 ---- **評価点 -個性的すぎるキャラ --ほぼすべてのキャラの頭のネジが飛んでいるので、癖の強いキャラの魅力に浸りたいのならおすすめである。 -豊富な性的シーン --1ヒロインにつき、二桁に迫るほどのボリューム。ドMな嗜好であればこれ以上のおかずはないだろう。 -迫真な演技 --二面性のあるヒロインの熱演は必聴もの。声優の底力が十分堪能できる。~ 特に六道のゲーム終了ボイスは、一度聴いたら忘れられないほど。 -一部の個別ルート(土筆・光子) --上記のルートは''相対的''に見ればそこそこ見ごたえのあるシナリオとなっている。他のヒロインの介入が少ないため、ひたすらヒロインとイチャコラ可能。~ 逆に言うと、それ以外のルートでは''出しゃばりキャラがいるので楽しめない''という意味でもあるが。 ---- **問題点 -質の悪い日常シーン --大体は『光子と天道の(一方的な)ど付き合い』『ヒロインの幼稚なちょっかいに喘ぐ主人公』『弟に発情する茉莉とう○こを連呼する虎子』~ この3種類がストーリーの大半を占めており、ワンパターン。とにかく話の展開の引き出しが少なすぎる。 ---Carol的にはよくある手法なのだが、主人公とヒロインのやりとりがほぼこれだけしかないのは流石に食傷しかねない。[[特に下ネタ連呼はこのテのジャンルとの相性の悪さ>時と永遠~トキトワ~]]はお察し。 --最終盤に限れば少しシナリオの転換が見られるが、それもそれで不快な展開が待ち受けている(後述)。 -ご都合なもてもて具合 --このテの作品の微妙ゲーによくある問題点なのだが、土筆と光子を除いて、ヒロイン勢は最初から六道にベタ惚れだが、その理由については一切語られない。前述した通り終始ヒロインに翻弄されるばかりの典型的なヘタレキャラで、作中で異性の好意を得るに足る見せ場などがある訳でもない。 --共通で本番シーンまでやった火凛ですら一切ないので、六道への入れ込みようがさっぱり理解出来ず、露骨な補正やご都合主義ばかり感じてしまう。 -不自然なイラスト --一部のキャラ(しかも立ち絵)の首の角度がかなり急になっており、見れば見るほど不安になる。 -雰囲気に合わない選曲 --%%貴重な%%真剣なシーンで張り詰めたBGMが流れていても、ちょっとでも茶化すようなセリフが入るとすぐにドタバタ系のBGMが割り込み、%%貴重な%%シリアスさが阻害される。 --…というより、ドタバタ系のBGMの使用率が異常に高い。おふざけBGMなので特別聴き応えがあるわけでもない。性交シーン以外ではほぼ流れると思ったほうがいい。 --しかも、ある性交シーンではずっとこのドタバタBGMが流れたりする。…確かに雰囲気はドタバタの行きずりだが、興奮させたいのか笑わせたいのか理解に苦しむ。 #region(不快なキャラクター(長め&ネタバレなので要展開)) -実父・天道 --キャラ紹介でも少し触れたが、とにかく犯罪レベルの行為や言動が多すぎる。以下にその例を列挙する。 --横領罪 ---会社の資金を、私的な目的で無断で使用。天道が会社をクビになった直接の原因。弟の厚意で裁判沙汰になるのだけは避けた。 --刑法218条違反疑惑 ---まだ未成年である息子に''ホームレス生活を強いて''いる。ただし、18禁ゲームのキャラの年齢は基本的に18歳以上であることが定義されているので、犯罪になるかは微妙。倫理的には大問題だが。 --わいせつ罪・わいせつ物陳列罪 ---ヒロインを始めとし、実の息子(ただし女装時に限る)にすら欲情する見境の無さ。あくまでギャグ描写ではあるが、六道は本気で嫌悪感を催していた…が、それはプレイヤーも同様であろう。 ---自身の成人向けの雑誌を、年頃の女子が集まる場所に放棄している。幸い光子に見つかって処分され、制裁を受けたので事なきを得てはいる。 --器物破損罪・窃盗罪 ---実弟のコレクションである芸術品であるツボを割ったり(故意ではないが)、売り飛ばしたりしている。それでも追い出さない弟は仏か何かか?~ なお、なぜかこの件に関しては光子は許容している節がある。その理由が一切語られないのが問題なのだが、雷道は浪費家なのだろうか? --強要罪 ---光子の名前を無理矢理考えて決めたのもこの男。テキストから読み取るに、「光子の実父(天道の部下)を脅して名前を勝手に決めさせた」ということがわかる。~ しかも読み方は「みつこ」ではなく、光を英語にした典型的なキラキラネームで、この名前のせいで光子は相当苦労したらしい(別にこれといった描写がないのが救いだが)。~ 後々になって「''呼ぶのが面倒になって自分からみっちゃん(=みつこ)と呼ぶ''」ようになった(周囲の人間も)。つまり、&bold(){自身の突飛な思いつきだけで一人の人間の人生を滅茶苦茶にしている}わけである。 --…と、良く言えば『トラブルメイカー』ともいえるがコイツのそれは度が過ぎており、父親らしい威厳や優しさなど皆無なので、許容できる美点の類が一切ない。~ これだけのことをしておいて、光子の暴行程度(といっても結構な報いだが)で許されるのは納得がいかず不快極まりない。~ これは好みの問題もあるかもしれないが、声優の力量もあいまってか相当のだみ声で普段から喚き散らすので耳にも悪い。 --あるルートではかなりまともで重要なポジションで活躍するのだが、余りにも普段の言動と一致しておらず、ただの''キャラ崩壊''としか捉えられず、汚名返上には到底至っていない。 --そういう下種キャラな役回りにするのであれば、まともな部分も普段から少しでもちらつかせないと展開が唐突かつご都合と言われても仕方ない。 ---ちなみに、その活躍シーンが終わったらすぐさまこの親父はいつもの暴走を始まる。……''分裂症''かなにかか? -茉莉(火凛ルート) --キャラ紹介にもあるように、ところ構わず弟への欲情と卑猥な単語を喚き散らすのだが、出て来る度に品の無い発言を繰り返すのでウンザリする。これだけならタダのブラコンキャラなのだが、彼女の問題点は火凛ルートにある。 --ことの発端は火凛が原因なのだが、それをきっかけに六道への『男なのでは?』という疑問を持ってひたすら暴走する。 --『''媚薬で発情させてイチモツを確認する''』((薬事法違反、そして体調不良を引き起こさせたので傷害罪にあたる。))で始まり、手段を選ばずに六道の正体を掴もうとあの手この手で策を講じる。 ---その執着さの理由が、表面上は『学園内の風紀のため』だったが、その実は『''反抗期を迎えた弟に冷たくされたから''』という余りにも身勝手なオチ。''自分がその尤もたる原因である事に気づくことは無い''。 --こういった展開は女装ものでは珍しくないのだが、問題提起するキャラが『''出番のそこそこ多い非攻略の学友キャラ''』なのが問題((ヒロインであればそれがきっかけで男として付き合えたりでき、名無しのモブであれば制裁を加えてお咎めすることで事態を終息させたりできるため。))。学友や友人キャラだと、なまじ絡みが多いので、中途半端に遺恨が残ってしまい、気持ち悪さが残る。 --しかもご丁寧なことに、「''学園側に報告するための書類を作成し、六道の処分を求める寸前まで行動済み''」という徹底ぶり。自分の非常識さを差し置いて、かなりまともな部類(学園内で性交したりするが)な六道には矢鱈と厳しい。 ---一応なんとかやり過ごして、誤解していた(ということにした)茉莉はしっかり謝罪して六道も許しはしたのだが、プレイヤーからすれば「あまりにも処置が甘すぎる」と思われても仕方ないだろう。 -火凛(ほぼ全ルート) --水萌ルートで特に酷いのだが、とにかく嫉妬深い。それだけならまだしも、余りの嫉妬深さで友人キャラを威圧したり、六道に盗聴器を仕掛けたりとやりたい放題。 --自分のルートに入ってからも、他のキャラと会話しただけで強烈な殺気を放つ。どのルートでも鬱陶しさが溜まり、猫のような可愛らしさよりそちらの方が勝っている印象。寧ろ可愛さ余って憎さ百倍である。…ランキングで下位だったのもなんとなく理解できるかもしれない。 …と、単なる不快な性格や描写にとどまらず、多くのキャラクターが''平然と犯罪・もしくはそれに準ずる行為を行っている''というある意味ステキな状況となっている。~ それでいてそれらに対する制裁などがろくに行われず流され、或いはギャグ扱いで終わるというのも、プレイヤーからの不快を煽る一因となっている。 #endregion ---- **総評 気の強いお嬢様に責められたいドMなプレイヤーには溜まらない一品。~ シナリオ運びの薄っぺらさは少々気にかかるかもしれないが、抜きゲーなのだからと割り切り性的なシーンだけに集中できるのであれば、(人を選ぶが)十分良作の部類に入る。~ 不快なキャラについては、『所詮抜きゲーだから』で許せるか『抜きゲーだからこそ尚更受け付けられない』で意見は真っ二つに分かれるだろう。 Carolだから許されている部分もあるが、あまり馴染みのないプレイヤーについては少々癖が強い作品なので、十分に他のレビューサイトの評価などを確認してからの購入をおすすめする。 ---- **余談 //男の娘関連の記載は明確な定義がされていないため白紙化しました。荒れる原因にもなるので今後追記やリカバリーは行わないでください。 -CFによる六道フルボイス化 --人気投票1位となった六道のフルボイスが決定したが、CFによるアップデートが告知された。目標は達成したが、概要に記載があるように&bold(){「投資したユーザにのみ」}パッチ(その他金額によって付随)を配布なので、参加していないユーザにはあまり関係なし。ただし、リメイクなどの際には音声パッチを適用した状態で発売するとのこと。 -アペンドパッチ「下着化」 --登場キャラが全員下着を身につける。のだが…なぜか[[顔に>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%B6%E6%A5%B5!!%E5%A4%89%E6%85%8B%E4%BB%AE%E9%9D%A2]]。誰得……? --FANZAのダウンロード版は適用済みで配信されている。
*お嬢様と憐れなこ執事 【おじょうさまとあわれなこしつじ】 |ジャンル|お嬢様のお世話をしているつもりが逆にいろいろされちゃうADV|&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/81joVlTbOWL._SL1414_.jpg,height=160)| |対応機種|Windows Vista~10|~| |メディア|DVD-ROM|~| |発売・開発元|Carol Works|~| |発売日|2017年5月26日|~| |定価|9,504円(税8%込)|~| |レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~| |配信|FANZA:2017年8月4日/8,424円(税8%込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|女学園潜入型だが…&br;キャラは濃いがシナリオは薄いし雑&br;''父親を始めとしたキャラが非常に不快''&br;まさかのクラウドファンディング|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ドM嗜好の作品を発売してきたCarol Worksの4作目。近作でスマッシュヒットを記録した『[[オトメ*ドメイン]]』(ぱれっとクオリア)((尤も、年代を問わなければこの手のジャンルの作品は結構多いのだが、発売年が近い、かつ話題になった作品ということで本作を挙げた。))に影響を受けたいわゆる『女装学園』ものではあるが、Carol Worksの手にかかり『''女装学園の皮をかぶったいつものCarolゲー''』と化した。 公式の略称は「おとれな」。 ---- **ストーリー 自由奔放な父親のせいでホームレス同然の生活をすることになった主人公・轟六道。 そんな彼に手を差し伸べてくれたのが、 父親の弟である叔父だった。衣・食・住・学業の面倒まで 見てくれると言われて喜ぶ主人公だったが、叔父からはひとつだけ提案が…… 「実は、娘たちが反抗期なのか最近中々話もしてくれなくてね…… リク君には私と娘たちの橋渡し役をお願いしたいんだ」 叔父の口から出たのは、年頃の娘を持つ父親にはよくある悩み。それくらいならと安請け合いしてしまう主人公。 こうして彼の受難の日々は始まった―― (公式サイトからの引用) ---- **登場人物 #region(close,クリックで開閉。) -轟六道(とどろきりくどう) --本作の主人公。どこからどう見ても女の子にしか見えない少年。最悪な父親(後述)のせいでホームレスをしていた、初手から憐れな存在。 --ヒロインからすれば、''嗜虐心を駆り立てる玩具''(でイトコで使用人)。 --女子力パラメータは高いが、徹頭徹尾ヘタレているため、作中では殆ど竿役。 --ただし、まともかと思いきや空気の読めない場当たりな事を口走ってヒロインの怒りを買ってアワアワしだすことも茶飯事。 --エッチシーン以外ではボイスがついている。中の人の都合…ではない((通常パートでも卑猥な淫語を喋っているため。恐らくは予算の問題と思われる。))。 --キャラ人気投票では1位を獲得。Carol的には予想通りといった結果。なお、クラウドファンディング(以下CF)でフルボイスとなった。 攻略ヒロイン -轟火凛(とどろきかりん) --女学園の生徒会長で、轟家の長女。名前の通り凛としており、しっかりもので少しだけ威圧的な態度が特徴。~ …なのだが、六道と二人きりになると発情した猫のように甘えてくる。同族意識なのか、猫が大好き。 --共通ルートでは唯一本番シーンが存在する。しかも最初が騎乗位。肉食にも程がある…。 --独占欲が非常に強く、自分以外の女は友達だろうが敵扱いする危険な思想。 --人気投票では攻略ヒロインで''唯一圏外''だったため、順位は不明。 -轟水萌(とどろきみなも) --口数少なめで、一見クールに見える轟家の次女。言葉遣いも丁寧で、轟家の良心。~ …と勘違いされるが、六道と二人きりになると彼の体臭を最優先に欲する''臭いフェチ''と化す。 --そのこだわりは、六道の衣服を必死に懇願するほど。声優の熱演が良い意味で凄く、酷い。 --初体験が別の穴だったりするなど、色んな意味で感性がずれてる娘。 -轟土筆(とどろきつくし) --轟家の三女。人懐っこく、子犬のような愛らしさがウリ……~ と感じるのは序盤だけ。その本性はいかなる相手だろうが愚痴や不満や非難を厭わない''性悪な毒舌少女''。 --彼女のルートが最もドMが嬉しがるルートと評判、らしい。 --言動はきついが、(六道への)面倒見が良かったり、割と機転のきいた名案を思いついたりと、実際は結構いい子。 --慣用句を勘違いして使っていたり、誤読していたりするなど、頭はあまり良くない様子。 -音無光子(おとなしみつこ) --轟家の使用人。立場上、六道の先輩ポジションにあたる出来る女性。 --六道の父、天道と昔なじみのせいか、年齢はそれなりに…触れたら殺されてしまうので詮索は禁物。 --普段は温和なのだが、天道とのやりとりの際はドスの利いた声でひたすら折檻する。声優さんの喉が心配。 --男の縁がないのか、色気づいたりすると途端に土筆も真っ青の毒舌をこっそりと吐く。 --なお、「みつこ」は本名ではないが、(ネタバレになるので)作中では主にこう呼ばれるので便宜上この表記とする。 その他キャラ -轟天道(とどろきてんどう) --主人公、六道の実父。元社長だったが、''会社の金を横領''して懲戒免職させられたダメ人間、というか''犯罪者''。 --傲岸不遜、倫理観の欠如した非常識の塊のような存在。詳細は後述。 -轟雷道(とどろきらいどう) --天道の弟で、ヒロインの実父。甥と兄をわざわざ引き取った出来すぎた人間。 --娘や兄からの押しには非常に弱く、六道をそのまま成長させたような印象を受ける。 -桐生寺茉莉(きりゅうじまつり) --火凛をサポートする生徒会副会長。有能で彼女がいないと生徒会が回らないほど。~ …なのだが、その正体は''実弟の貞操を狙う危険すぎる変態少女''。学内であってもその妄想は歯止めが利かない。 --火凛ルートでは理不尽なまでに六道を追い詰めるため、プレイヤーの反感を買った。詳細は後述。 -小山内虎子(おさないとらこ) --火凛を慕うケンカ仲間のリーダーらしいが、六道のせいでその設定は早々にして無かったことになる。 --うんこが大好きな少女。名前の通り色々なところが幼い。 -越前和華(えちぜんわか) --水萌のバイト先の先輩。 -御上野咲良(おがみのさくら) --土筆の同級生で学級委員長。 --虎子がびっくりするくらいのピュアガール。 #endregion ---- **特徴(賛否両論を兼ねる) -ひと味違う女装学園もの --冒頭で述べた通りだが、これまでの女装ものとは一線を画す設定がいくつかある。 --まず、『''ヒロインには既に男としてバレている''』というところが最大のポイント。というのも、元々六道は男として轟家に厄介になっているためである。そのため、彼の性別を知らないのが女学園に登場する非攻略キャラと和華のみ。 --もう1つは、『''主人公が完全な竿役''』というところである。女装学園ものは基本的に男であるが故、女性よりも(少なくとも身体的には)一段高いスペックを持っており、女性らしさを持つ強い男、というキャラ造詣が定番となっている。 --しかし、本作の主人公・六道は確かにスペックは悪くないのだが、男らしさは微塵もなく、終始ヒロイン達に振り回されるだけの存在である。 --多少ヒロインに意見・反論するシーンもあるがたいてい返り討ちに遭い、見る影もなくなって消沈し結局されるがままになることがほとんど。 ---だが、これは女装学園ものというよりはCarol Worksの作風に依るところが多い。それを承知の上で購入すれば概ね期待に堪えていると言えるが、そうでなければ終始優柔不断な主人公にイライラさせられるという層もいれば、ヒロインに感情移入して''六道へ嗜虐心を駆り立てられる''層もいたり、好き嫌いが分かれがち。 ---- **評価点 -個性的すぎるキャラ --ほぼすべてのキャラの頭のネジが飛んでいるので、癖の強いキャラの魅力に浸りたいのならおすすめである。 -豊富な性的シーン --1ヒロインにつき、二桁に迫るほどのボリューム。ドMな嗜好であればこれ以上のおかずはないだろう。 -迫真な演技 --二面性のあるヒロインの熱演は必聴もの。声優の底力が十分堪能できる。~ 特に六道のゲーム終了ボイスは、一度聴いたら忘れられないほど。 -一部の個別ルート(土筆・光子) --上記のルートは''相対的''に見ればそこそこ見ごたえのあるシナリオとなっている。他のヒロインの介入が少ないため、ひたすらヒロインとイチャコラ可能。~ 逆に言うと、それ以外のルートでは''出しゃばりキャラがいるので楽しめない''という意味でもあるが。 ---- **問題点 -質の悪い日常シーン --大体は『光子と天道の(一方的な)ど付き合い』『ヒロインの幼稚なちょっかいに喘ぐ主人公』『弟に発情する茉莉とう○こを連呼する虎子』~ この3種類がストーリーの大半を占めており、ワンパターン。とにかく話の展開の引き出しが少なすぎる。 ---Carol的にはよくある手法なのだが、主人公とヒロインのやりとりがほぼこれだけしかないのは流石に食傷しかねない。[[特に下ネタ連呼はこのテのジャンルとの相性の悪さ>時と永遠~トキトワ~]]はお察し。 --最終盤に限れば少しシナリオの転換が見られるが、それもそれで不快な展開が待ち受けている(後述)。 -ご都合なもてもて具合 --このテの作品の微妙ゲーによくある問題点なのだが、土筆と光子を除いて、ヒロイン勢は最初から六道にベタ惚れだが、その理由については一切語られない。前述した通り終始ヒロインに翻弄されるばかりの典型的なヘタレキャラで、作中で異性の好意を得るに足る見せ場などがある訳でもない。 --共通で本番シーンまでやった火凛ですら一切ないので、六道への入れ込みようがさっぱり理解出来ず、露骨な補正やご都合主義ばかり感じてしまう。 -不自然なイラスト --一部のキャラ(しかも立ち絵)の首の角度がかなり急になっており、見れば見るほど不安になる。 -雰囲気に合わない選曲 --%%貴重な%%真剣なシーンで張り詰めたBGMが流れていても、ちょっとでも茶化すようなセリフが入るとすぐにドタバタ系のBGMが割り込み、%%貴重な%%シリアスさが阻害される。 --…というより、ドタバタ系のBGMの使用率が異常に高い。おふざけBGMなので特別聴き応えがあるわけでもない。性交シーン以外ではほぼ流れると思ったほうがいい。 --しかも、ある性交シーンではずっとこのドタバタBGMが流れたりする。…確かに雰囲気はドタバタの行きずりだが、興奮させたいのか笑わせたいのか理解に苦しむ。 #region(不快なキャラクター(長め&ネタバレなので要展開)) -実父・天道 --キャラ紹介でも少し触れたが、とにかく犯罪レベルの行為や言動が多すぎる。以下にその例を列挙する。 --横領罪 ---会社の資金を、私的な目的で無断で使用。天道が会社をクビになった直接の原因。弟の厚意で裁判沙汰になるのだけは避けた。 --刑法218条違反疑惑 ---まだ未成年である息子に''ホームレス生活を強いて''いる。ただし、18禁ゲームのキャラの年齢は基本的に18歳以上であることが定義されているので、犯罪になるかは微妙。倫理的には大問題だが。 --わいせつ罪・わいせつ物陳列罪 ---ヒロインを始めとし、実の息子(ただし女装時に限る)にすら欲情する見境の無さ。あくまでギャグ描写ではあるが、六道は本気で嫌悪感を催していた…が、それはプレイヤーも同様であろう。 ---自身の成人向けの雑誌を、年頃の女子が集まる場所に放棄している。幸い光子に見つかって処分され、制裁を受けたので事なきを得てはいる。 --器物破損罪・窃盗罪 ---実弟のコレクションである芸術品であるツボを割ったり(故意ではないが)、売り飛ばしたりしている。それでも追い出さない弟は仏か何かか?~ なお、なぜかこの件に関しては光子は許容している節がある。その理由が一切語られないのが問題なのだが、雷道は浪費家なのだろうか? --強要罪 ---光子の名前を無理矢理考えて決めたのもこの男。テキストから読み取るに、「光子の実父(天道の部下)を脅して名前を勝手に決めさせた」ということがわかる。~ しかも読み方は「みつこ」ではなく、光を英語にした典型的なキラキラネームで、この名前のせいで光子は相当苦労したらしい(別にこれといった描写がないのが救いだが)。~ 後々になって「''呼ぶのが面倒になって自分からみっちゃん(=みつこ)と呼ぶ''」ようになった(周囲の人間も)。つまり、&bold(){自身の突飛な思いつきだけで一人の人間の人生を滅茶苦茶にしている}わけである。 --…と、良く言えば『トラブルメイカー』ともいえるがコイツのそれは度が過ぎており、父親らしい威厳や優しさなど皆無なので、許容できる美点の類が一切ない。~ これだけのことをしておいて、光子の暴行程度(といっても結構な報いだが)で許されるのは納得がいかず不快極まりない。~ これは好みの問題もあるかもしれないが、声優の力量もあいまってか相当のだみ声で普段から喚き散らすので耳にも悪い。 --あるルートではかなりまともで重要なポジションで活躍するのだが、余りにも普段の言動と一致しておらず、ただの''キャラ崩壊''としか捉えられず、汚名返上には到底至っていない。 --そういう下種キャラな役回りにするのであれば、まともな部分も普段から少しでもちらつかせないと展開が唐突かつご都合と言われても仕方ない。 ---ちなみに、その活躍シーンが終わったらすぐさまこの親父はいつもの暴走を始まる。……''分裂症''かなにかか? -茉莉(火凛ルート) --キャラ紹介にもあるように、ところ構わず弟への欲情と卑猥な単語を喚き散らすのだが、出て来る度に品の無い発言を繰り返すのでウンザリする。これだけならタダのブラコンキャラなのだが、彼女の問題点は火凛ルートにある。 --ことの発端は火凛が原因なのだが、それをきっかけに六道への『男なのでは?』という疑問を持ってひたすら暴走する。 --『''媚薬で発情させてイチモツを確認する''』((薬事法違反、そして体調不良を引き起こさせたので傷害罪にあたる。))で始まり、手段を選ばずに六道の正体を掴もうとあの手この手で策を講じる。 ---その執着さの理由が、表面上は『学園内の風紀のため』だったが、その実は『''反抗期を迎えた弟に冷たくされたから''』という余りにも身勝手なオチ。''自分がその尤もたる原因である事に気づくことは無い''。 --こういった展開は女装ものでは珍しくないのだが、問題提起するキャラが『''出番のそこそこ多い非攻略の学友キャラ''』なのが問題((ヒロインであればそれがきっかけで男として付き合えたりでき、名無しのモブであれば制裁を加えてお咎めすることで事態を終息させたりできるため。))。学友や友人キャラだと、なまじ絡みが多いので、中途半端に遺恨が残ってしまい、気持ち悪さが残る。 --しかもご丁寧なことに、「''学園側に報告するための書類を作成し、六道の処分を求める寸前まで行動済み''」という徹底ぶり。自分の非常識さを差し置いて、かなりまともな部類(学園内で性交したりするが)な六道には矢鱈と厳しい。 ---一応なんとかやり過ごして、誤解していた(ということにした)茉莉はしっかり謝罪して六道も許しはしたのだが、プレイヤーからすれば「あまりにも処置が甘すぎる」と思われても仕方ないだろう。 -火凛(ほぼ全ルート) --水萌ルートで特に酷いのだが、とにかく嫉妬深い。それだけならまだしも、余りの嫉妬深さで友人キャラを威圧したり、六道に盗聴器を仕掛けたりとやりたい放題。 --自分のルートに入ってからも、他のキャラと会話しただけで強烈な殺気を放つ。どのルートでも鬱陶しさが溜まり、猫のような可愛らしさよりそちらの方が勝っている印象。寧ろ可愛さ余って憎さ百倍である。…ランキングで下位だったのもなんとなく理解できるかもしれない。 …と、単なる不快な性格や描写にとどまらず、多くのキャラクターが''平然と犯罪・もしくはそれに準ずる行為を行っている''というある意味ステキな状況となっている。~ それでいてそれらに対する制裁などがろくに行われず流され、或いはギャグ扱いで終わるというのも、プレイヤーからの不快を煽る一因となっている。 #endregion ---- **総評 気の強いお嬢様に責められたいドMなプレイヤーには溜まらない一品。~ シナリオ運びの薄っぺらさは少々気にかかるかもしれないが、抜きゲーなのだからと割り切り性的なシーンだけに集中できるのであれば、(人を選ぶが)十分良作の部類に入る。~ 不快なキャラについては、『所詮抜きゲーだから』で許せるか『抜きゲーだからこそ尚更受け付けられない』で意見は真っ二つに分かれるだろう。 Carolだから許されている部分もあるが、あまり馴染みのないプレイヤーについては少々癖が強い作品なので、十分に他のレビューサイトの評価などを確認してからの購入をおすすめする。 ---- **余談 //男の娘関連の記載は明確な定義がされていないため白紙化しました。荒れる原因にもなるので今後追記やリカバリーは行わないでください。 -CFによる六道フルボイス化 --人気投票1位となった六道のフルボイスが決定したが、CFによるアップデートが告知された。目標は達成したが、概要に記載があるように&bold(){「投資したユーザにのみ」}パッチ(その他金額によって付随)を配布なので、参加していないユーザにはあまり関係なし。ただし、リメイクなどの際には音声パッチを適用した状態で発売するとのこと。 -アペンドパッチ「下着化」 --登場キャラが全員下着を身につける。のだが…なぜか[[顔に>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%B6%E6%A5%B5!!%E5%A4%89%E6%85%8B%E4%BB%AE%E9%9D%A2]]。誰得……? --FANZAのダウンロード版は適用済みで配信されている。

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