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スーパーストリートファイターIIX - (2023/11/13 (月) 19:27:28) の1つ前との変更点

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*スーパーストリートファイターIIX 【すーぱーすとりーとふぁいたーつーえっくす】 |ジャンル|対戦格闘アクション|&image(https://www.capcom-arcade-stadium.com/assets/images/ja/modal/img_title25_01.jpg?w=736&h=414&pr=2,height=160)| |対応機種|アーケード(CPシステム2)|~| |販売・開発元|カプコン|~| |稼働開始日|1994年4月|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ストリートファイターシリーズリンク>ストリートファイターシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -『[[スーパー>スーパーストリートファイターII]]』から半年で登場したバージョンアップ版。 -個性豊かな16人のキャラクターから1人を選択し、四天王以外の(自分の選択したキャラクターを含む)8人と四天王4人の計12人を倒す事が目的。 -海外では『SUPER STREET FIGHTER ⅡTURBO』のタイトルで稼働した。 **システム -基本的なシステムは『[[ストリートファイターII]]』の頁を参照。 -ゲームスピードが変えられるようになった。 --1速固定~4速((4速は店舗側の設定でのみ可能。))固定のほか、プレイの都度1速~3速をプレイヤーが選べる仕様もある。初期設定は2速固定。 ---大抵の場合1速~3速可変に設定され、プレイヤーによって3速が選ばれる。 --ちなみに3速はTURBOと同スピード。1速が3速とダッシュ・スーパーのちょうど中間で、2速は3速と1速のちょうど中間。 --乱入対戦の場合は乱入された方が都度選択する。 -全キャラにスーパーコンボが搭載された。ゲージを消費して発動する、いわゆる超必殺技である。 --攻撃すると画面下部にあるゲージが溜まり、溜まり切ると全消費して出せる。 ---通常技はヒット/ガードさせなければゲージが増えないが、必殺技は出すだけで増える。~ このため、距離が離れている時や相手がダウンしている時などに、空振りでも必殺技を使っておく価値が生まれた。 --投げ系を除くスーパーコンボには少なくとも攻撃判定が出るまでの無敵時間があり、技が出る前に潰されることはない。 --スーパーコンボボーナス、コンボフィニッシュボーナスも新たに設定されている。 --またスーパーコンボでトドメをさすと画面全体が太陽のように赤と白に発光する演出も追加。俗に「あけぼのフィニッシュ」と呼ばれる。 -隠しコマンド((コマンドはキャラクター毎に違うものの、全キャラ共通で左上→右下→左上→右下→左上→右下→左上→弱Pを入力すれば良い))で、前作スーパースト2版の性能のキャラクターも使える(通称で原色○○、S○○と呼ばれる。国際的にはOld-○○)。スーパーの時よりキャンセルできる基本技が増えている。 通常性能のキャラはXキャラ、X○○と呼ぶことで区別される。 --ただしスーパー版とはいってもあくまでスーパー『風』であり、完全なスーパーの再現にはなっていない。スーパー風ということから、Xでの追加システムであるスーパーコンボや投げ受け身は使用できない。 --大半のキャラクターはXキャラのほうが強いが、Xで露骨に弱体化されたサガットやホークの他、ケンは昇龍拳の無敵時間や足技の違い等の理由で、ガイルや本田はXでの毛色の変化が理由でこちらを好むプレイヤーもいる。 -投げを受け身できる。投げられても、直後に投げを入力((正確にはレバー横要素+中もしくは大攻撃ボタンで受付される))しているとダメージが約半分に抑えられ、ダウンもしなくなる。 --上記のスーパー性能のキャラクターを使っている場合は使用できない。 --処理の関係上、投げ1発分以下の体力残量の場合、受け身の成否に関わらず投げられた瞬間に負け。 --つかみ技は受け身が出来ない。 -リュウのジャンプ中パンチなどごく一部の技のみだが、空中で吹き飛んでいる相手にも当たるという特性が付与され、空中コンボが可能になった。 -やられモーションが1フレーム短くなり、連続技が入りにくくなった。 -得点を獲得する時のカウントアップがなくなり、「ピロン」という一音で合計点だけが表示されるようになり、テンポアップに貢献。 -ボーナスステージが廃止された。 -隠しボス・キャラとして豪鬼が追加された。 **音楽 -タイトルデモとキャラクター選択時のBGMが変更。 --キャラクター選択時の曲は旧ストIIのタイトル曲のアレンジである。 -ステージBGMは豪鬼のテーマ曲が加わった。 **グラフィック -弱パンチで決定した時のキャラクターの色(基本色)が新しくなった。 --従来の基本色はスーパー版のキャラクターカラーとして残っている。 --カラーバリエーションは8色+スーパー版の2色の計10色に増えた(スーパー版の2Pカラーは新規)。 //-バトル中のキャラクターの名前が表示されている横に、そのキャラクターの顔アイコンが表示されるようになった。 //-体力ゲージの赤い部分が網かけになって、背景が透けて見えるようになった。 //-キャラクター選択画面が一新された。 //-タイトルデモのリュウが波動拳を撃つアニメーションの間に春麗とキャミィのグラフィックや、豪鬼のグラフィックが挿入されるようになった。 //-ダルシムのエンディングのグラフィックが描き直され、彼の妻のサリーがゲーム上に初登場した。 //特筆性に欠けるのでCO **キャラクター -大半のキャラに新必殺技・新特殊技が追加された。 一部のキャラは通常技の配置が変わり、立ち回りやコンセプトが大幅に変化した。 -本作は飛び道具の硬直は最後に出した通常技の弱中強に依存。家庭用カプコレ版もこれに準拠。 #region(16人のプレイヤーキャラクターたちの変更点+隠しキャラクター) ''リュウ'' -スーパーコンボは5ヒットする強力な波動拳を撃つ「真空波動拳」。相手の飛び道具を一方的に打ち消すことができ、連続技にも組み込めてかなり使い勝手のいい部類に入る。 -昇龍拳の無敵時間が出がかりの一瞬だけに弱体化した((ストII初期では「昇龍拳を出せることがステータス」だったが、この作品が生まれた頃には「もうみんな使えるでしょ?」という考えから調整したとのこと。))。 -通常技に中段技((立ち技だが下段ガードしていると食らってしまう技の総称。元はストIIではなくバーチャファイターの用語。))の「鎖骨割り」・攻撃しながら前進できる「鳩尾砕き」が追加され、ジャンプ中パンチを空中の相手に当てると再度ジャンプ中パンチか真空波動拳で拾えるようになった。 -足払いやジャンプ大Kの判定が弱体化したものの、上記の追加技で攻めのバリエーションが増えたと言える。 波動拳を飛ばせて昇竜拳で落とす鳥かご戦法も依然として強力。 -バックジャンプ中にほぼリスクのない空中竜巻旋風脚で安全にスーパーコンボゲージを溜めることができる。 -対戦では上位であり、どのキャラクターにも満遍なく戦える。使用人口の最も多いキャラクターでもあり、昔からのプレイヤーにも好まれる。 ''ケン'' -スーパーコンボは「昇龍裂破」。弱→強昇龍と続く5段技。 対空性能はもちろんのこと、発生が早いのでコンボに組み込みやすい。 -リュウ同様の昇龍拳の無敵時間減少はケンにとって痛手。 波動拳の隙もターボ以前と同等に戻され、鳥かご戦法は取りづらくなった。 -通常技の配置が大きく変更されたキャラの1人。通常技に横にリーチの長い「一文字蹴り」やめくりやすいジャンプ中キック、投げ系新技として掴み技の「膝地獄」や空中投げの「地獄風車」、必殺技として「鎌払い蹴り」「鉈落とし蹴り」「大外回し蹴り」「稲妻かかと割り」が追加されるなど、リュウとは大きく異なる技を複数持つようになり差別化が明確になった。 --稲妻かかと割りを除く3つの新必殺技は後半部分をフェイロンの烈火拳のようにキャンセルして連続で出すことができるが、コンボとして成立する条件は限られる。ゲージが溜まるのも最初の一発のみ。 -膝地獄と昇竜拳の択攻めはループ性が高く、シンプルにして強力。 接近戦でのプレッシャーが増したと言える。 ''エドモンド本田'' -スーパーコンボは「鬼無双」。2連続のスーパー頭突きで4段技。 飛び道具を貫通する性能があるが、無敵時間が非常に短い上にフルヒットしづらい。 -新必殺技「大銀杏投げ」は必殺投げであり、気絶値の高さが強み。 -通常技の配置が大きく変更されたキャラの1人。 主な変更点としては、主要対空兵器だったごっつぁんチョップ(立ち強パンチ)が近距離でしか出せなくなる、むこうずねキックが立ち技からしゃがみ技に変更され、小のみキャンセルが掛かるようになる、など。 -百裂張り手はレバーでの移動が出来なくなった代わりに、中・大で出した瞬間にのみ大きく前進するようになった。大銀杏投げの追加もあり、従来の待ち気味のスタイルから攻めていくスタイルへと大きく転換することになった。 -飛び道具の無いキャラクターに滅法強く、有るキャラにとことん弱いのは相変わらず。飛び道具対策として垂直ジャンプ強パンチを出している間は空中で左右に動ける様になった。 ''春麗'' -スーパーコンボは「千裂脚」。前進するキック2回からの百裂脚。飛び道具を抜けられる上、バグのせいで歩きながらでも出せてしまう強力な技(原因については問題点の項にて)。 -対空必殺技として縦タメの「天昇脚」が追加された。千裂脚からの追撃にも使える。これに合わせスピニングバードキックは横タメに変更され、暴発してしまうことも。 -ただでさえ高性能だった中足払いにキャンセルが掛かるようになった。 -対戦では上位であり、ダルシムやバイソン等の強キャラにも五分以上に渡り合えるオールラウンダーである。 ''ブランカ'' -スーパーコンボは「グランドシェイブローリング」。回転しながら低く跳ねたあと、地面を転がって突進するローリング。大抵は最初の小ジャンプ中に敵がガードを固めてしまうため、対空や飛び道具潜り、ケズリといった用途で使うことになる。 -新必殺技として、移動技の「サプライズフォワード/バック」が加わった。前方/後方へ素早いステップで移動するだけの技だが、至近距離からのフォワードで裏回り、無敵時間のあるバックで起き攻めやハメ回避など、テクニカルな立ち回りを可能にする。通常技にはソニック、エアスラ等を潜れるスライディングパンチの「アマゾンリバーラン」が加わった。 -バーチカルローリングは強弱で軌道が変わるようになり、強版はさらに斜めに飛ぶようになった。 -通常技ではJ弱Kが下方向に強くなり、めくり起き攻めで多用される。 -中足払いにキャンセルが掛かるようになった。 ''ザンギエフ'' -スーパーコンボはスープレックス2回からスクリューを決める「ファイナルアトミックバスター」(通称FAB)。決まれば一気に大半の体力を奪い取れるが投げ間合いが通常投げより狭く、対戦ではまず決まらないロマン技。 //⋯と思いきや、当て投げか強力な本作では案外決まったりする。 //投げ間合いが狭すぎる(FABの間合い=相手の投げ間合い)なのでその当て投げ自体が決まらない。ターボ以前のようにガードさせた側が一方的に投げられる時間なんてものはないんだから -新必殺技はオーラをまとった平手打ち「バニシングフラット」。飛び道具を消しつつ前進できる。 -顕著な強化点としては立中・強Kの攻撃判定が広くなり、地上戦で俄然有利になった。特に中Kはリーチが長く、相手のしゃがみに当たるようになったため、地上戦の要に。 -クイックダブルラリアットは下タイガーショットを避けられるようになった。 -対戦では依然として苦手なキャラクターは多いものの、ケンやDJ等の飛び道具キャラにも有利に戦うことが出来る。また強キャラになったバイソンにも相変わらず有利。 ''ガイル'' -スーパーコンボは「ダブルサマーソルト」。名前の通り2回転するサマーで最大6段。 -他に新必殺技は無いものの、空中斜め弱キックでめくりを行うことが可能になったほか、ソバットがレバー操作で前後に移動する様になり、立ち強キックがソニックを溜めながら移動できる「ヘビースタブキック」に変更され、全体的に攻めに強くなったのが目を引く。 -ソバットの仕様変更に伴い、前作までレバー左右+中キックで出ていたニーバズーカが本作ではレバー左右+弱キックで出るようになった。このため、普段溜めを作りたいガイルにおいて咄嗟の時に立ち弱キックが出しづらい弊害が生まれた((立ち弱キックを連打しながら溜め始める事は可能。))。 -前述の通り遠距離立ち大Kが差し替えられた事で、優秀な対空技であったラウンドハウスキックが使えなくなってしまい、対空の選択が難しくなった。 -対戦では前作で上位に復帰した流れを引き継いでいるが、ダルシム戦が大きなネック。 ''ダルシム'' -スーパーコンボは「ヨガインフェルノ」。5回ヒットするヨガフレイム。無敵時間が長く、ガードされても有利フレームが取れる優秀な技。 -新必殺技は斜め上へ吹くフレイム「ヨガブラスト」。先読み対空のほか、動作が短いのでゲージ溜めにも使われる。 -レバー操作で手足が伸びるか選べるようになったり((レバー後ろ入れで近距離技、レバーニュートラルかそれ以外の方向で遠距離技になる。))、ドリルキックの角度を調節できるようになった。 -扱いは難しいものの、近距離戦の死角が無くなったため、キャラランクは上位の座に上り詰めた。明確な不利がつくのはバルログのみとされる。 --対戦に影響を及ぼすバグが多いキャラクターとしても知られる。有名なものとしては「リバーサルスーパーコンボが出来ない(後述)」「リバーサルヨガテレポートの出現位置が、コマンドに関係なく直前に出したテレポートの場所に化けてしまう」など。 ''T(サンダー)・ホーク'' -スーパーコンボはメキシカンタイフーンを2連続で放つ「ダブルタイフーン」。間合いはタイフーンと同じでFABよりは広い。 -中・大トマホークバスターで飛び道具を抜けられなくなる、ボディプレスがめくりに使えなくなる、通常技の判定も非常に弱くなり追加技も無いなど対戦では単独の最下位に沈んでしまった。 --対戦の高速化もあり、戦い方も相手を画面端に追い込んでタイフーンでハメ殺すロマンキャラというスタイルに変更を強いられる様になった。 --だがS仕様はトマホークバスターやボディプレスを始めとする通常技の性能が前作同様強いためかなり戦える。 ''キャミィ'' -スーパーコンボはスパイラルアローからキャノンスパイクを放つ「スピンドライブスマッシャー」。 -追加技は体を丸めて3種類の技に派生させる「フーリガンコンビネーション」。派生技である投げ技は受身を取られないため、攻めを継続出来る。コマンドが被っているアクセルスピンナックルが暴発しやすいのが難点。 -中・大アクセルスピンナックルは飛び道具を抜けられなくなってしまい、死に技同然に⋯ -ジャンプ小Kでめくれるようになり、ガード方向が分かりづらい事から一度ダウンさせるだけで試合が決まることも。 -ホークやザンギエフの様な鈍重な大男には無類な強さを発揮し、ガイル、DJ、サガットの様な迎撃キャラが天敵になっているのは前作と変わらず。 ''フェイロン'' -スーパーコンボは烈火拳が5連続で入る「烈火真拳」。5発目の攻撃判定が消えるまで無敵。 -追加技は前作のジャンプ強キックを必殺技に昇華させた前方に放物線を描く跳び蹴り「烈空脚」。反撃を受けづらく、出始めに無敵時間がある。中段判定でしゃがみガード不可な点も強力。 --地上ヒット後はコンボに繋がるほか、空中の相手に2ヒット以下だと再度烈空脚や烈火真拳で空中コンボが可能。 --ラウンド開始時にこの技の中・強版にバグが発生している事があり、その状態だとコマンドの斜め上とKボタンの入力が同時に行われた際に特殊技に化ける。 ---バグを避けるためにはKボタンを一瞬遅らせるなどの工夫が必要。なお中・強版を一度出すとそのラウンド中は化けなくなる。 -ジャンプ中Kがめくれるようになった他、下方向に判定が強化され、スライディング系の技を潰せるようになった。 -新たに空中投げが使えるようになったが、ジャンプの頂点付近でしか出せないため使いづらい。 -特殊技の直下落踵が中段判定になり、前方向を入力して出すと前進するようになった。 -連続技をゴスゴスと決めていくゴリ押しタイプなのは変わらないが、烈空脚のおかげで春麗やバイソンといった上位キャラにも戦いやすくなっている。 -S仕様は烈空脚が無いものの、下段技にキャンセルが掛かり、烈火拳の隙が少ない事から地上の横押しが強力であるメリットがあり、好んで使用するプレイヤーもいる。 ''ディージェイ'' -スーパーコンボはダブルローリングソバットを連続で放つ「ソバットカーニバル」。 -追加技は対空蹴りの「ジャックナイフマキシマム」。ヒット後もう1回ジャックナイフマキシマムorソバットカーニバルで追撃可能。またソバットカーニバルからの追撃にも使える。 -エアスラッシャーの硬直時間が短くなった。 -これで必殺技も飛び道具、突進、連続技、無敵対空と使い勝手の良いものが揃い、一時は使用人口が急増した。 ''M(マイク)・バイソン'' -スーパーコンボは「クレイジーバッファロー」。ダッシュストレート/アッパー4回((キックボタンで出すと1回目がダッシュアッパーになる他、2~4回目は直前のパンチが出ている時にキックボタンが押されているとダッシュアッパーに変化する。))からターンパンチの計5段技。攻撃力、相手が空中でも多段ヒットする掛かり易さ、飛び道具へのカウンターとしての性能の高さ、ザンギエフ以外にはガードされてもノーリスクで端に追い込める、とあらゆる面で屈指の高性能技。 --コマンド受付時間が長く、小のダッシュ攻撃空振りで急接近してから発動出来てしまうほど。 -本作で追加された突進技「ダッシュグランドストレート/アッパー」はどちらも下溜めを維持したまま出せる為、対空技のバッファローヘッドバットとの相性が良い。グランドストレートは下段判定でヒットするとダウン、ガードされても反撃を受けない、と突進技としては屈指の性能を誇る。グランドアッパーは遠目の対空の他、ストレートとは逆に相手のしゃがみに当たらないことから、ガードを固めた相手に急接近して択を掛ける使い方が出来、技の噛み合わせが非常に良い。 -他にも垂直ジャンプ強Pを出している間は左右に動ける様になるなど、細かい調整も有利に働いており、一躍ダルシム、バルログと並ぶ最強クラスに踊り出た。 -ダッシュストレートは相手のしゃがみに当たらなくなった他、ダウン性能は弱から強に変更された。 -大会ではリュウと並んで最も使用者が多い。しかしザンギエフに対しては突進技を返され易く、スーパーコンボもガードされるとスクリューで吸われるため相性が悪い。 ''バルログ'' -スーパーコンボはイズナドロップを連続で決める「ローリングイズナドロップ」。ザンギ、ホークのスーパーコンボと同じくゲージを消費するのが技を出した瞬間ではなく相手を掴んだ時になっている。 -新技は無敵時間のある対空技で3段まで空中コンボできる「スカーレットテラー」。これで起き上がりも安心。 -はずれた爪が画面上に残り、拾いに行ける様になった。 -対戦では前作に引き続きトップグループ。 ''サガット'' -スーパーコンボはタイガーニークラッシュからアッパーカットへの5段技「タイガージェノサイド」。普通に連続技をした方が強いので使われない。 -前作で強すぎたため、強アッパーカットが5段ヒット技になったが威力も5分割されたため総合的にかなり低下、上下タイガーショットの硬直時間延長、喰らい判定拡大と弱体化が目立つ。対戦では中位を保っているものの、ダルシム、バイソンとの相性が激悪になってしまった((特にダルシムとサガットの対戦ダイヤグラムは9:1であり、通常の組み合わせの中では最も格差が大きい。))。 -その分、S仕様(通称青パン)は前作と同じく最強クラス。上記通りスパコンはあまり役に立たないので失うものはない(強いて言うなら投げ受け身がないことが弱点か)。 ''ベガ'' -スーパーコンボはダブルニープレスを連続で放つ「ニープレスナイトメア」。緊急脱出用にも連続技用にも使える高性能技。 -通常技にキャンセルが出来る技が増え、一度ラッシュが掛かればそのまま連続技で押し切れる様になり、必殺技もデビルリバースの性能に手が加えられ空中制御が可能になった。 -またリュウ同様、ジャンプ中パンチを空中の相手に当てると再度ジャンプ中パンチかニープレスナイトメアで空中コンボが可能になった。 -攻めれば強いが守りに回ると弱いという調整であり、ようやく中堅グループに復帰した。 ''『スパII X』では一定の条件を満たす事で隠しボスが登場する。'' ''『拳を極めし者』(豪鬼)'' -条件を満たすと最終戦で現れ、ベガを見えない連撃で瞬殺しこちらに戦いを挑んでくる((この演出は後のシリーズでスーパーコンボ「瞬獄殺」として実装された。))、黒い胴着を纏った謎の格闘家。 --体格や構え、基本的な技の構成などはリュウ・ケンとほぼ同様だが、「殺意の波動」と呼ばれる謎のオーラを纏っている。胴着を着ているが巨大な数珠をかけ草履を履き変な髷を結っており、眼つきが悪い。 --ゲーム中の顔グラはすべて黒塗りで、名前も空欄。しかしデモ画面では暗い画面に大写しで登場、最後はリュウと重なるような演出でオープニングを締めるなど、あまり隠れていなかったりもする。 --後に「豪鬼」という名前と、「リュウとケンの師匠である剛拳の弟で、その剛拳の師である轟鉄を殺害した人物」という設定が公開された。 -当然キャラクター選択画面にも居ないが、特殊なコマンドを入力する裏技で使うことができる。 --なお、このコマンドで最後にカーソルに合わさるのがリュウであり、入力に失敗するとスタートボタンカラーの茶色のリュウになってしまうことが多いことから、当時は茶リュウ使いが「豪鬼失敗の象徴」として変な目で見られてしまうことも多かった((実際はキャラクター決定前までのコマンド入力を完了させていれば、その後にリュウ以外のキャラクターに合わせてから決定コマンドを入れても選択可能。最後の部分を「リュウにカーソルを合わせたままコマンドを入れて決定」と広まってしまったがためであろう。))。 -『X』での新要素であるスーパーコンボを持たないが、あらゆる能力がリュウ・ケンよりも優れており、気絶しない(というより、気絶ダウン後、立ち上がった瞬間に回復する。リカバリー1000点も必ず入る)。 --技性能は非常に高く、豪波動拳は出が早い上に近距離ヒットで吹き飛びダウン効果、竜巻斬空脚は上昇中無敵で無敵時間中に攻撃判定が発生するうえに空中追撃まで可能、豪昇龍拳は上昇中全フレーム完全無敵という凄まじい性能。更に入力から終了まで完全無敵のワープ技の阿修羅閃空と空中から飛び道具の斬空波動拳を撃てる、極めつけは飛び道具の硬直の性質を使った「灼熱ハメ」(画面端の相手に強灼熱波動をガードさせ続ける。位置と入力を間違えなければ、これだけで死ねるキャラクターがほとんど)。あまりにバランスを崩す為、ほとんどの大会では使用禁止にされる。 --隠しボス版のCPU豪鬼の性能は更に凶悪で、斬空波動拳は2発同時発射、更にその直後に空中通常技を出したりしてくる。 -『X』開発が完成間近になった際に、容量が余っていたため急遽作られたキャラクターで、彼の存在はスタッフにも秘密にされており、誰にも見つからない様に制作されており、彼が噂になってもカプコンの社員は誰も知らず、開発担当者もすっかり忘れていた。 -海外版では「ゴウキ」という名前が発音しにくいという理由によりGoukiではなくAkuma(アクマ)に変更されている。この名前になった理由は、当時欧米で「日本で子供がアクマと名付けられたニュース」が話題となっていたためとされる。 #endregion ----- **評価点 ''ストIIシリーズの決定版であり完成形'' -プレイヤー側で設定できるゲームスピードやスーパーコンボといった新要素が好評を得た。隠しキャラクターが判明した時にはそのインパクトで一気に盛り上がりを見せるなど、確固たる人気を獲得した。 -結果、非常に息の長いタイトルとして稼動。『[[ハイパーストII>ハイパーストリートファイターII]]』の登場まで10年間現役で稼動し続けていたゲームセンターも少なくなく、今尚研究されている。 --現在はXの全要素を引き継いだハイパーに主導権こそ譲っているが、Xの完全な再現に至っていない点、過去のキャラクターが流入することをバランス悪化ととって嫌うプレイヤー等には一部ではこちらの方が人気があり、ハイパーではなくXの大会を開催したり、Xとハイパーを併設する店舗もある。 -一部の技は空中コンボに対応するようになった。これまでの常識として「空中で技が当たったら単発で終わり」と空中戦が淡泊になりがちだったが、このことで空中戦にも駆け引きが生まれ、かつ空中ヒットとて追い打ちのチャンスの可能性と爽快感が生まれるようになった。 --空中コンボといっても、スーパーコンボのように複数当たる前提の技が相手が空中でも連続ヒットしたり、専用の技を空中で当てれば規定ヒット数まで空中で当たってコンボになる、という程度のものである。 --そのため本作では相手が空中に居るタイミングを狙って操作・技を出す程度でよく難易度も低めである。現在のコンボゲーと呼ばれる作品でよくある「浮かせ技からの連携」や複雑な空中コンボの操作を練習・習得することは不要となっている。 ''「威力の強い必殺技」から脱したスーパーコンボ'' -スーパーコンボは言ってしまえば超必殺技であるのだが、威力だけでなく演出面や駆け引きの要素を加えたことで後に続く要素を残した。 --演出面で言えば、コマンド完成時に「光る」演出や残像を伴うことはもちろん、スーパーコンボで相手をKOすると背景が激しい爆発音と閃光を伴うものに変化し、ここぞの技であることはもちろん、決めた時の爽快感を演出するには十分なものだった。コンボボーナスも非常に大きく、スコア狙いでなくとも大きいコンボボーナスも決めた爽快感を演出する一助となった。 ---特にKO時の演出は「あけぼのフィニッシュ」((「あけぼのKO」とも呼ばれる))と通称される程でシリーズ作品でも形を変えて引き継がれていった。 --駆け引きの面で言えば、「ゲージを貯めればいつでも使えたが1度使うと貯め直し」という特性のためどのようにゲージを貯めるか、貯めてからの行動、そしていつ使うかまたは使わせてゲージを無駄にさせるかといった立ち回りの深化に貢献した。 ''投げ受け身の追加'' -「当て投げ」というお手軽で強力な戦法が編み出されるなど投げの強さは初代ストIIの時点で問題視されていたが、本作にてついに対策が導入され好評を博した。 --「入力タイミングが投げられた後のため比較的簡単で、一番なりたくないダウン状態を回避できる」「軽減こそされるがダメージはちゃんと入り、サイド変更や壁側に追い詰めることができるため投げた側も無駄にはならない」と双方納得のいく調整がなされており、現在でも投げ対策のシステムの正答例として高く評価されている。 --のちに[[ウルII>ウルトラストリートファイターII]]でグラップというシステムに取って代わられたが、タイミングがシビア過ぎること((猶予2Fと言われている))や、密着でのダウンを回避することが重要視される本シリーズの環境ではこちらのシステムを推す声が大きい。 ''さらに深まったキャラの個性'' -新技の追加と調整によって、各キャラはさらに特徴的かつ個性的な戦い方を手に入れた。 --特に前作で色々といまいちだった「スーパー」からの新キャラ4名は、今作でキャラコンセプトがより明確になり存在感が増した。 ---横押し爆発力のフェイロン、トリッキーなキャミィ、攻守にバランスの良いディージェイ、ハメ特化のホーク。 --また、足技が追加されより打撃連続技重視となったケン、前後ステップとスライディングを手に入れまさに野生児的な戦法が可能になったブランカ、高い性能を引き出すのにより熟練が必要となったダルシムなどは、キャラのイメージをゲームによく反映できたと言えるだろう。 --スーパーコンボは後のシリーズでも各キャラの超必殺技して受け継がれていくが、中でもリュウの「真空波動拳」、ザンギエフの「ファイナルアトミックバスター」などはプレイヤーに特に鮮烈な印象を残し、キャラを象徴する技として認知されていくことになる。 ''絶妙になったキャラ間バランス'' -多くのキャラクターに無敵技が備わる様になったり、飛び道具回避手段が整った結果、キャラ間の標準偏差はTURBOと並んで最も小さい部類になった。 -今回調整されたキャラクターに不満を感じるなら、スーパーのキャラクターに変更するという手もある。 ''豪鬼の存在'' -本作初登場となった豪鬼はインパクトが強く、その後のストリートファイターシリーズにほぼ出場する人気キャラの一人となった。特に旧キャラがほぼ削除された『III』シリーズにも二作目から出ている。 -クロスオーバー物の『[[X-MEN CHILDREN OF THE ATOM]]』で他キャラを押しのけて参戦したのを皮切りにカプコン内の様々な作品で隠しキャラとして登場し、近年ではなんと他社制作の『鉄拳7』にも参戦した。 ''(実質的に)使用できるキャラクターが増えた'' -豪鬼+各キャラのSバージョンで前作に比べキャラが17名増えたと捉えることもでき、多様な対戦が可能になった。 --上記の各キャラクター説明の通り必殺技・特殊技がかなり追加された上、通常技の性能も調整が入ったので、多くのキャラはXとSで使用感がかなり異なる。 ---Sは当然Xよりやれることが少なく、単調な動きになりがちという共通の欠点はあるが、通常技の性能が高めでキャラによってはXではできないコンボができるなどの利点はある。 --同キャラ禁止のチーム制大会でも、X・Sのバージョン違いは別キャラと見做されることが多い。 **賛否両論点 ''対空技の追加'' -先述のとおり一部のキャラには対空技が追加された。これらのキャラは元々対空技を所持していない前提でバランスを取っていたため、露骨な強化となった。 --これについては新たな駆け引きが生まれたと肯定的にとらえるプレイヤーもいる一方で、安直な調整と批判が上がることも多い。実際、本作で対空技が追加されたキャラはほとんどが対戦ダイヤグラムの上位に位置することとなった。 ''スパコンの性能格差について'' -あくまで各キャラの必殺技を基にしているため仕方のない部分ではあるが、強いスパコンはとことん強く弱いスパコンはとことん弱い。 --強いスパコンの例としてはスパコンの代名詞でもあるリュウの真空波動拳。通常の波動拳と同じ発生ながら発生後まで完全無敵、相手の飛び道具に対して一方的に打ち勝て、地上で当てれば全体力の4割弱を減らし密着ガードさせてもなお有利といった性能。その存在からゲージをMAXにするだけでも相手の立ち回りを大きく制限できる。 --他にもバイソン、春麗、ダルシムなどが高性能スパコンとして挙げられる。特に春麗は後述するバグがその強さに拍車をかけている。 --一方でフルヒットしにくく反撃を貰いやすいサガットやブランカなどは有効に使える場面が乏しい。特にサガットはSキャラへと流れる要因の一つにもなっている。 --一部のスーパーコンボはフルヒットしたあとに確定で空中コンボによる追撃が入ってしまい、実質的にスパコン自体の威力が上がってしまっている。バグなのか意図的な仕様なのかは不明だが、コンボができるキャラとできないキャラでより格差が広がってしまった。 ''ボーナスステージの廃止'' -従来からボーナスステージは単なる得点稼ぎ以外にもコンボ技などの練習を疑似的にできる面もあり、削除を惜しむ声があった。~ 特にスーパー性能キャラはキャンセル条件が異なる点も挙げられる。 --この時期はスパIIXに限らず対戦格闘ゲーム界隈には対戦その物が重要視されるようになってきており、テンポアップによる回転率の増加やゲーム容量などの関係で廃止したシリーズも少なくなかった。 --豪鬼の出現条件の一つに得点がある為の調整ともとれる。 ''対戦に影響を及ぼすバグの存在'' -ケン、ダルシム、サガットはスーパーコンボをリバーサルで出せない((厳密にはリバーサルで出すと直前に出した必殺技に化ける。直前に出した必殺技がスーパーコンボなら問題なく出るが、そのような状況はまずない。))バグがあり、対戦に大きく影響を及ぼしている。 --該当するキャラは割を食う形となったが、ダルシムについてはキャラ自体の高性能さから「このバグがあってようやくフェア」とも言われており、後作で修正されたときは却って不満の声も見られた。 -一部必殺技は入力受付に時間制限がないため、コマンドを入れたままならいつでも技が発動可能な状態になるバグが存在する。春麗のスーパーコンボ「千裂脚」などがその代表例として挙げられる。 --これについては(その是非はともかくとして)現在では戦術の一つと見做されていることが多い。ハイパーではこのバグは修正されたが、隠しコマンドで修正されていない仕様でも使えることからもそれが窺える。 **問題点 ''ゲームスピードの設定及び選択の可否が、ゲームを始めるまで確認できない'' -ほとんどのプレイヤー間で3速での対戦にはなるが、エミュレーター台などで2速固定というのが稀に存在していたり((収録ゲームが多すぎる為調整をしない、あるいはエミュという性質上調整できない可能性がある。))、低速で練習したいというプレイヤーもいるが、コインを投入するまでは判別できない。~ 現在ではさすがに1速固定や4速という台はほぼ見かけないが。 ''豪鬼の性能'' -やはり対戦格闘ゲームとしては1人浮いた強さを持つボスキャラがゲーセンでほぼそのままの性能((申し訳程度に弱体化してはいるが、ぶっちゃけ焼け石に水。))で使えてしまうのは問題でもある。 --性能や調整がどうと言う以前に、1人だけ気絶しない((厳密には内部処理で一瞬だけ気絶するが、気絶モーションが出る前に回復してしまうので、実質気絶しないのも同然である。))ことや、空中ガードが出来ない本作では極めて対処が困難な空中飛び道具の斬空波動拳、過去バージョン基準の昇竜拳の無敵の長さ、出がかりが完全無敵でヒット後も空中で追い打ち可能な竜巻斬空脚、隙がほとんど無く連発されるだけで対処が困難な移動技の阿修羅旋空など、必殺技の性質そのものがスト2や本バージョンのゲームシステム、ゲーム性を否定しているキャラクターであり、豪鬼同士でなければまず対処できない。 //--唯一の弱点が「防御力が低い」という物なのだが、当たらなければどうという事は無い。 //豪鬼とか殺意系のキャラの防御力が低いというのはストゼロ以降の話で、2Xでは豪鬼の防御力は他キャラと同じです --対戦での使用禁止はもはや暗黙の了解である。大会でもまず禁止とは言え野試合で乱入されると対処のしようがない。もちろん使う側のマナーの問題であるがトラブルの元にもなるだろう。 --真面目に対戦考察するのもはばかられるほどの性能で未だに研究が進んでいない面もあるが、対戦ダイヤグラムは半分以上のキャラに8:2以上の有利を付けており、最も差が小さいものでさえ6.5:3.5と言われている。 //全て9:1となっている方のサイトは仮扱いのため ''理不尽な挙動の一部CPU'' -この時代の格ゲーらしく、CPU難易度は高め。一部キャラは後半に出てくると対処の仕方を知っていないと勝つのは難しい。 --『ターボ』から続く高難度化の傾向は今作でも収まらず。CPUはそこまでスーパーコンボを活用しないが、それでもかなり強い。 --近距離の差し合いでこちらの技を的確に潰しまくるキャミィ、エアスラッシャーをタメ無しで連射するディージェイが特に理不尽。 ''目玉システムであるスーパーコンボのキャンセルが難しすぎて、連続技には使いづらい'' -スーパーコンボも通常技キャンセルで出すことは可能なのだが、尋常じゃなく難しく実戦では単発で使われがちだった。 --こうなっているのはスーパーコンボは普通の必殺技よりコマンドが長いのにもかかわらずキャンセル受付時間が非常に短い((必殺技キャンセルの際にはヒット・ガード時(=ヒットストップ発生時)にキャンセル猶予時間が上乗せされるのだが、スーパーコンボにはそれが無いため、ヒットストップが発生してからコマンドを入力することが事実上不可能。))ためで、通常のキャンセルのように正直に「キャンセル可能技→コマンド入力」ではまず出ないのである。真空波動拳の場合パンチ技→キャンセル真空波動拳をやろうとすると他の技が暴発してしまい、まず出せない。 --そのためキャンセルするにはスーパーコンボのコマンドの途中に挟む形でキャンセル可能技を出してその後コマンドを完成させるという特殊な入力をしなければならないようになっている。そのため難しくかつ連続技としてのコースも限られるものとなってしまった。 -単独で使い勝手が良いスーパーコンボならまだ良いのだが、ケンやガイルなど連続技用に作られているものは中級者すら使いこなせるとは言い難い。上級者でもこれらのコンボの成功率の低いプレイヤーもザラ。 --スーパーコンボの敷居の高さが、ケン使いがスーパーコンボが存在せず使いやすいSキャラに流れがちな一因にもなってしまっている。 ''Sキャラのカラーの仕様'' -スーパーのキャラクターでなければ従来の基本色を使用できないことに不満を抱くプレイヤーも。 -Sキャラは2色用意されているが、キャラによってはパッと見かなり似通っており、S同キャラ対戦になると見分けづらい。 --Sケン、Sダルシムなどが顕著。Sキャラは使用人口が少ないので同キャラ対戦自体そうそう起きるものではないのだが…。 **総評 前作の欠点を解消しただけでなく、スーパーコンボの導入と豪鬼の登場といった新要素は、本作をロングランヒットへと押し上げる原動力として申し分ないインパクトを残すこととなった。~ 格ゲーブームを生み出したストIIシリーズの終着点としても、またいち対戦ゲームとしても、現在に至るまで根強い人気を誇っている。 **余談 -OPデモのキャミィのアップ顔が妙にインパクトがあり話題になった。 //-OPデモのキャミィのアップ顔がインパクトがあり、「悪魔の舌舐めずり」と呼ばれる事もある程。 //「悪魔の舌舐めずり」のソースが不明。調べてもここしか出てこないです。 -落ち物パズルゲーム『[[スーパーパズルファイターIIX]]』は本作のタイトルをパロディしたものとなっているが、実際の内容は『[[ストリートファイターZERO]]』と『[[ヴァンパイアハンター]]』を元ネタにしている。 ---- **家庭用への移植 |ジャンル|対戦格闘アクション|&amazon(B00013YODK)|&amazon(B00006LJTT,image)| |対応機種|3DO Interactive Multiplayer&br()ドリームキャスト|~|~| |販売・開発元|カプコン|~|~| |発売日|【3DO】1994年11月13日&br()【DC】2000年12月22日|~|~| |定価|【3DO】8,800円(税別)&br()【DC】4,800円(税別)|~|~| |レーティング|【DC】全年齢(セガ審査)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| -SFCなど、当時の人気ハードにはなかなか移植されなかった。 -当時は3DOに独占移植されることで大きな話題になり、本体の売り上げを牽引した数少ないタイトルとなった。 --ただロードが長い、処理落ちが激しい、コンボの得点計算がおかしいといった不評点も目立つ。 -海外では3DOに続いてMS-DOS(IBM-PC)移植版が発売されている。 -PS・SSでは1997年に『ストリートファイターZERO2』のアレンジ作である『ZERO2'』とのカップリングで『スーパー』『X』がまとめて収録された『ストリートファイターコレクション』が発売されている。 --それまでは、本作に近いシステムを搭載した実写版『[[ストリートファイター リアルバトル オン フィルム]]』が本作の代替として遊ばれることもあった。 --PS版は後にゲームアーカイブスで『ストリートファイターZERO2'』((元々は『ストリートファイターコレクション』のDISC1が廉価版の単独ソフトとして発売されたもの))として配信されたが、実際の内容は『スーパー』『X』も同時収録された『~コレクション』準拠となっている。 -ドリームキャストでも、アナログ回線専用通信対戦システム「マッチングサービス」に対応した商品で『X』が通販のみ販売された。マッチングサービスは2003年9月1日に終了しているが、単体で遊ぶことは現在も可能。アーケード版では削除されたボーナスステージが復活している(設定で無しにすることも可能)。 --隠し要素でCPU性能の強力な豪鬼や、それに加えてスーパーコンボ「瞬獄殺」が使える豪鬼(通称「天豪鬼」)も使用可能。 -GBA初期タイトルとして『[[スーパーストリートファイターIIX リバイバル]]』も発売された。 -PS2では2006年11月14日にカップリングソフト『[[CAPCOM CLASSICS COLLECTION Vol.2>カプコン クラシックス コレクション]]』の収録タイトルとして発売されたが、海外のみの発売につき国内版の本体ではプレイが出来ないのが残念。 -2021年にSwitch/PS4/One/Winで配信された『[[カプコンアーケードスタジアム]]に『スパIIX』が収録。こちらは『II』『TURBO』も収録されている。 **対戦ダイアグラム -[[T.Akiba 氏作成の初代スト2~スパ2Xのダイアグラム>https://games.t-akiba.net/sf2/diagram.html]] -[[ゲーメスト掲載の初代スト2~スパ2Xのダイアグラム>https://web.archive.org/web/20080704074143/http://xb-lim2.hp.infoseek.co.jp/sf2x/diaguramu.htm]] -[[2chハイパーストIIスレの有志による初代スト2~スパ2Xのダイアグラム>https://w.atwiki.jp/ssf2xxx/pages/22.html]] --[[Excelファイルはこちら>http://cdn26.atwikiimg.com/gcmatome/?cmd=upload&act=open&pageid=3258&file=sf2diagram201412-2a.xls]] -[[Super Diagram Turbo Version 3>http://curryallergy.blogspot.com/2009/08/super-diagram-turbo-version-3.html]] --[[SDT Notes>http://curryallergy.blogspot.com/2008/07/sdt-notes.html]] -[[Super Turbo - New Arcadia Diagram(闘劇プレイヤーによるスパIIXダイアグラム)>http://curryallergy.blogspot.com/2008/11/super-turbo-new-arcadia-diagram.html]] **SUPER STREET FIGHTER II TURBO HD REMIX 2008年にPS3/Xbox360向けに国外限定で配信されたタイトル。~ グラフィックがHD解像度で描き直されたと同時に各キャラクターの性能にも大幅な調整が入っている。~ //単に画風が違う・欧米と日本で好みが違うというだけでグラフィックの出来自体は決して悪くない、動きが粗く見えるかどうかも人に依るところが大きいのに個人的で否定的な記述が多過ぎるので修正 海外限定配信から9年後の2017年に発売されたニンテンドースイッチ向けタイトルの本家『ストリートファイターII』の新バージョン『[[ウルトラストリートファイターII]]』では、グラフィックをオリジナル版とリファイン版で選択可能だが、リファイン版はこのHD版のものを使用している(ゲーム内容はHD版のものは反映されていない)。~ **[[ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル]] 2018年に発売された、歴代ストリートファイターシリーズを収録したカップリングソフト。対応機種はPC(Steam)/PS4/XboxOne/NintendoSwitch。~ 収録されているタイトルのうち『[[II'TURBO>ストリートファイターII']]』『[[III3rd>ストリートファイターIII 3rd STRIKE]]』『[[alpha3>ストリートファイターZERO3]]((ストリートファイターZERO3の海外版))』そして本作がネット対戦対応となっている。~ ただし、日本語版ではなく海外版の『SUPER STREET FIGHTER II TURBO』としての収録なので、(国外も含めて)一般的に大きな大会などで使われている国内アーケード版スパ2Xとはやや違う仕様となっている。~ また、国内版は事前に公開された本作の仕様に対する意見を受けて発売が2018年秋へ延期となったが、海外版は5月末に予定通り発売されている。
*スーパーストリートファイターIIX 【すーぱーすとりーとふぁいたーつーえっくす】 |ジャンル|対戦格闘アクション|&image(https://www.capcom-arcade-stadium.com/assets/images/ja/modal/img_title25_01.jpg?w=736&h=414&pr=2,height=160)| |対応機種|アーケード(CPシステム2)|~| |販売・開発元|カプコン|~| |稼働開始日|1994年4月|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ストリートファイターシリーズリンク>ストリートファイターシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -『[[スーパー>スーパーストリートファイターII]]』から半年で登場したバージョンアップ版。 -個性豊かな16人のキャラクターから1人を選択し、四天王以外の(自分の選択したキャラクターを含む)8人と四天王4人の計12人を倒す事が目的。 -海外では『SUPER STREET FIGHTER ⅡTURBO』のタイトルで稼働した。 **システム -基本的なシステムは『[[ストリートファイターII]]』の頁を参照。 -ゲームスピードが変えられるようになった。 --1速固定~4速((4速は店舗側の設定でのみ可能。))固定のほか、プレイの都度1速~3速をプレイヤーが選べる仕様もある。初期設定は2速固定。 ---大抵の場合1速~3速可変に設定され、プレイヤーによって3速が選ばれる。 --ちなみに3速はTURBOと同スピード。1速が3速とダッシュ・スーパーのちょうど中間で、2速は3速と1速のちょうど中間。 --乱入対戦の場合は乱入された方が都度選択する。 -全キャラにスーパーコンボが搭載された。ゲージを消費して発動する、いわゆる超必殺技である。 --攻撃すると画面下部にあるゲージが溜まり、溜まり切ると全消費して出せる。 ---通常技はヒット/ガードさせなければゲージが増えないが、必殺技は出すだけで増える。~ このため、距離が離れている時や相手がダウンしている時などに、空振りでも必殺技を使っておく価値が生まれた。 --投げ系を除くスーパーコンボには少なくとも攻撃判定が出るまでの無敵時間があり、技が出る前に潰されることはない。 --スーパーコンボボーナス、コンボフィニッシュボーナスも新たに設定されている。 --またスーパーコンボでトドメをさすと画面全体が太陽のように赤と白に発光する演出も追加。俗に「あけぼのフィニッシュ」と呼ばれる。 -隠しコマンド((コマンドはキャラクター毎に違うものの、全キャラ共通で左上→右下→左上→右下→左上→右下→左上→弱Pを入力すれば良い))で、前作スーパースト2版の性能のキャラクターも使える(通称で原色○○、S○○と呼ばれる。国際的にはOld-○○)。スーパーの時よりキャンセルできる基本技が増えている。 通常性能のキャラはXキャラ、X○○と呼ぶことで区別される。 --ただしスーパー版とはいってもあくまでスーパー『風』であり、完全なスーパーの再現にはなっていない。スーパー風ということから、Xでの追加システムであるスーパーコンボや投げ受け身は使用できない。 --大半のキャラクターはXキャラのほうが強いが、Xで露骨に弱体化されたサガットやホークの他、ケンは昇龍拳の無敵時間や足技の違い等の理由で、ガイルや本田はXでの毛色の変化が理由でこちらを好むプレイヤーもいる。 -投げを受け身できる。投げられても、直後に投げを入力((正確にはレバー横要素+中もしくは大攻撃ボタンで受付される))しているとダメージが約半分に抑えられ、ダウンもしなくなる。 --上記のスーパー性能のキャラクターを使っている場合は使用できない。 --処理の関係上、投げ1発分以下の体力残量の場合、受け身の成否に関わらず投げられた瞬間に負け。 --つかみ技は受け身が出来ない。 -リュウのジャンプ中パンチなどごく一部の技のみだが、空中で吹き飛んでいる相手にも当たるという特性が付与され、空中コンボが可能になった。 -やられモーションが1フレーム短くなり、連続技が入りにくくなった。 -得点を獲得する時のカウントアップがなくなり、「ピロン」という一音で合計点だけが表示されるようになり、テンポアップに貢献。 -ボーナスステージが廃止された。 -隠しボス・キャラとして豪鬼が追加された。 **音楽 -タイトルデモとキャラクター選択時のBGMが変更。 --キャラクター選択時の曲は旧ストIIのタイトル曲のアレンジである。 -ステージBGMは豪鬼のテーマ曲が加わった。 **グラフィック -弱パンチで決定した時のキャラクターの色(基本色)が新しくなった。 --従来の基本色はスーパー版のキャラクターカラーとして残っている。 --カラーバリエーションは8色+スーパー版の2色の計10色に増えた(スーパー版の2Pカラーは新規)。 //-バトル中のキャラクターの名前が表示されている横に、そのキャラクターの顔アイコンが表示されるようになった。 //-体力ゲージの赤い部分が網かけになって、背景が透けて見えるようになった。 //-キャラクター選択画面が一新された。 //-タイトルデモのリュウが波動拳を撃つアニメーションの間に春麗とキャミィのグラフィックや、豪鬼のグラフィックが挿入されるようになった。 //-ダルシムのエンディングのグラフィックが描き直され、彼の妻のサリーがゲーム上に初登場した。 //特筆性に欠けるのでCO **キャラクター -大半のキャラに新必殺技・新特殊技が追加された。 一部のキャラは通常技の配置が変わり、立ち回りやコンセプトが大幅に変化した。 -本作は飛び道具の硬直は最後に出した通常技の弱中強に依存。家庭用カプコレ版もこれに準拠。 #region(16人のプレイヤーキャラクターたちの変更点+隠しキャラクター) ''リュウ'' -スーパーコンボは5ヒットする強力な波動拳を撃つ「真空波動拳」。相手の飛び道具を一方的に打ち消すことができ、連続技にも組み込めてかなり使い勝手のいい部類に入る。 -昇龍拳の無敵時間が出がかりの一瞬だけに弱体化した((ストII初期では「昇龍拳を出せることがステータス」だったが、この作品が生まれた頃には「もうみんな使えるでしょ?」という考えから調整したとのこと。))。 -通常技に中段技((立ち技だが下段ガードしていると食らってしまう技の総称。元はストIIではなくバーチャファイターの用語。))の「鎖骨割り」・攻撃しながら前進できる「鳩尾砕き」が追加され、ジャンプ中パンチを空中の相手に当てると再度ジャンプ中パンチか真空波動拳で拾えるようになった。 -足払いやジャンプ大Kの判定が弱体化したものの、上記の追加技で攻めのバリエーションが増えたと言える。 波動拳を飛ばせて昇竜拳で落とす鳥かご戦法も依然として強力。 -バックジャンプ中にほぼリスクのない空中竜巻旋風脚で安全にスーパーコンボゲージを溜めることができる。 -対戦では上位であり、どのキャラクターにも満遍なく戦える。使用人口の最も多いキャラクターでもあり、昔からのプレイヤーにも好まれる。 ''ケン'' -スーパーコンボは「昇龍裂破」。弱→強昇龍と続く5段技。 対空性能はもちろんのこと、発生が早いのでコンボに組み込みやすい。 -リュウ同様の昇龍拳の無敵時間減少はケンにとって痛手。 波動拳の隙もターボ以前と同等に戻され、鳥かご戦法は取りづらくなった。 -通常技の配置が大きく変更されたキャラの1人。通常技に横にリーチの長い「一文字蹴り」やめくりやすいジャンプ中キック、投げ系新技として掴み技の「膝地獄」や空中投げの「地獄風車」、必殺技として「鎌払い蹴り」「鉈落とし蹴り」「大外回し蹴り」「稲妻かかと割り」が追加されるなど、リュウとは大きく異なる技を複数持つようになり差別化が明確になった。 --稲妻かかと割りを除く3つの新必殺技は後半部分をフェイロンの烈火拳のようにキャンセルして連続で出すことができるが、コンボとして成立する条件は限られる。ゲージが溜まるのも最初の一発のみ。 -膝地獄と昇竜拳の択攻めはループ性が高く、シンプルにして強力。 接近戦でのプレッシャーが増したと言える。 ''エドモンド本田'' -スーパーコンボは「鬼無双」。2連続のスーパー頭突きで4段技。 飛び道具を貫通する性能があるが、無敵時間が非常に短い上にフルヒットしづらい。 -新必殺技「大銀杏投げ」は必殺投げであり、気絶値の高さが強み。 -通常技の配置が大きく変更されたキャラの1人。 主な変更点としては、主要対空兵器だったごっつぁんチョップ(立ち強パンチ)が近距離でしか出せなくなる、むこうずねキックが立ち技からしゃがみ技に変更され、小のみキャンセルが掛かるようになる、など。 -百裂張り手はレバーでの移動が出来なくなった代わりに、中・大で出した瞬間にのみ大きく前進するようになった。大銀杏投げの追加もあり、従来の待ち気味のスタイルから攻めていくスタイルへと大きく転換することになった。 -飛び道具の無いキャラクターに滅法強く、有るキャラにとことん弱いのは相変わらず。飛び道具対策として垂直ジャンプ強パンチを出している間は空中で左右に動ける様になった。 ''春麗'' -スーパーコンボは「千裂脚」。前進するキック2回からの百裂脚。飛び道具を抜けられる上、バグのせいで歩きながらでも出せてしまう強力な技(原因については問題点の項にて)。 -対空必殺技として縦タメの「天昇脚」が追加された。千裂脚からの追撃にも使える。これに合わせスピニングバードキックは横タメに変更され、暴発してしまうことも。 -ただでさえ高性能だった中足払いにキャンセルが掛かるようになった。 -対戦では上位であり、ダルシムやバイソン等の強キャラにも五分以上に渡り合えるオールラウンダーである。 ''ブランカ'' -スーパーコンボは「グランドシェイブローリング」。回転しながら低く跳ねたあと、地面を転がって突進するローリング。大抵は最初の小ジャンプ中に敵がガードを固めてしまうため、対空や飛び道具潜り、ケズリといった用途で使うことになる。 -新必殺技として、移動技の「サプライズフォワード/バック」が加わった。前方/後方へ素早いステップで移動するだけの技だが、至近距離からのフォワードで裏回り、無敵時間のあるバックで起き攻めやハメ回避など、テクニカルな立ち回りを可能にする。通常技にはソニック、エアスラ等を潜れるスライディングパンチの「アマゾンリバーラン」が加わった。 -バーチカルローリングは強弱で軌道が変わるようになり、強版はさらに斜めに飛ぶようになった。 -通常技ではJ弱Kが下方向に強くなり、めくり起き攻めで多用される。 -中足払いにキャンセルが掛かるようになった。 ''ザンギエフ'' -スーパーコンボはスープレックス2回からスクリューを決める「ファイナルアトミックバスター」(通称FAB)。決まれば一気に大半の体力を奪い取れるが投げ間合いが通常投げより狭く、対戦ではまず決まらないロマン技。 //⋯と思いきや、当て投げか強力な本作では案外決まったりする。 //投げ間合いが狭すぎる(FABの間合い=相手の投げ間合い)なのでその当て投げ自体が決まらない。ターボ以前のようにガードさせた側が一方的に投げられる時間なんてものはないんだから -新必殺技はオーラをまとった平手打ち「バニシングフラット」。飛び道具を消しつつ前進できる。 -顕著な強化点としては立中・強Kの攻撃判定が広くなり、地上戦で俄然有利になった。特に中Kはリーチが長く、相手のしゃがみに当たるようになったため、地上戦の要に。 -クイックダブルラリアットは下タイガーショットを避けられるようになった。 -対戦では依然として苦手なキャラクターは多いものの、ケンやDJ等の飛び道具キャラにも有利に戦うことが出来る。また強キャラになったバイソンにも相変わらず有利。 ''ガイル'' -スーパーコンボは「ダブルサマーソルト」。名前の通り2回転するサマーで最大6段。 -他に新必殺技は無いものの、空中斜め弱キックでめくりを行うことが可能になったほか、ソバットがレバー操作で前後に移動する様になり、立ち強キックがソニックを溜めながら移動できる「ヘビースタブキック」に変更され、全体的に攻めに強くなったのが目を引く。 -ソバットの仕様変更に伴い、前作までレバー左右+中キックで出ていたニーバズーカが本作ではレバー左右+弱キックで出るようになった。このため、普段溜めを作りたいガイルにおいて咄嗟の時に立ち弱キックが出しづらい弊害が生まれた((立ち弱キックを連打しながら溜め始める事は可能。))。 -前述の通り遠距離立ち大Kが差し替えられた事で、優秀な対空技であったラウンドハウスキックが使えなくなってしまい、対空の選択が難しくなった。 -対戦では前作で上位に復帰した流れを引き継いでいるが、ダルシム戦が大きなネック。 ''ダルシム'' -スーパーコンボは「ヨガインフェルノ」。5回ヒットするヨガフレイム。無敵時間が長く、ガードされても有利フレームが取れる優秀な技。 -新必殺技は斜め上へ吹くフレイム「ヨガブラスト」。先読み対空のほか、動作が短いのでゲージ溜めにも使われる。 -レバー操作で手足が伸びるか選べるようになったり((レバー後ろ入れで近距離技、レバーニュートラルかそれ以外の方向で遠距離技になる。))、ドリルキックの角度を調節できるようになった。 -扱いは難しいものの、近距離戦の死角が無くなったため、キャラランクは上位の座に上り詰めた。明確な不利がつくのはバルログのみとされる。 --対戦に影響を及ぼすバグが多いキャラクターとしても知られる。有名なものとしては「リバーサルスーパーコンボが出来ない(後述)」「リバーサルヨガテレポートの出現位置が、コマンドに関係なく直前に出したテレポートの場所に化けてしまう」など。 ''T(サンダー)・ホーク'' -スーパーコンボはメキシカンタイフーンを2連続で放つ「ダブルタイフーン」。間合いはタイフーンと同じでFABよりは広い。 -中・大トマホークバスターで飛び道具を抜けられなくなる、ボディプレスがめくりに使えなくなる、通常技の判定も非常に弱くなり追加技も無いなど対戦では単独の最下位に沈んでしまった。 --対戦の高速化もあり、戦い方も相手を画面端に追い込んでタイフーンでハメ殺すロマンキャラというスタイルに変更を強いられる様になった。 --だがS仕様はトマホークバスターやボディプレスを始めとする通常技の性能が前作同様強いためかなり戦える。 ''キャミィ'' -スーパーコンボはスパイラルアローからキャノンスパイクを放つ「スピンドライブスマッシャー」。 -追加技は体を丸めて3種類の技に派生させる「フーリガンコンビネーション」。派生技である投げ技は受身を取られないため、攻めを継続出来る。コマンドが被っているアクセルスピンナックルが暴発しやすいのが難点。 -中・大アクセルスピンナックルは飛び道具を抜けられなくなってしまい、死に技同然に⋯ -ジャンプ小Kでめくれるようになり、ガード方向が分かりづらい事から一度ダウンさせるだけで試合が決まることも。 -ホークやザンギエフの様な鈍重な大男には無類な強さを発揮し、ガイル、DJ、サガットの様な迎撃キャラが天敵になっているのは前作と変わらず。 ''フェイロン'' -スーパーコンボは烈火拳が5連続で入る「烈火真拳」。5発目の攻撃判定が消えるまで無敵。 -追加技は前作のジャンプ強キックを必殺技に昇華させた前方に放物線を描く跳び蹴り「烈空脚」。反撃を受けづらく、出始めに無敵時間がある。中段判定でしゃがみガード不可な点も強力。 --地上ヒット後はコンボに繋がるほか、空中の相手に2ヒット以下だと再度烈空脚や烈火真拳で空中コンボが可能。 --ラウンド開始時にこの技の中・強版にバグが発生している事があり、その状態だとコマンドの斜め上とKボタンの入力が同時に行われた際に特殊技に化ける。 ---バグを避けるためにはKボタンを一瞬遅らせるなどの工夫が必要。なお中・強版を一度出すとそのラウンド中は化けなくなる。 -ジャンプ中Kがめくれるようになった他、下方向に判定が強化され、スライディング系の技を潰せるようになった。 -新たに空中投げが使えるようになったが、ジャンプの頂点付近でしか出せないため使いづらい。 -特殊技の直下落踵が中段判定になり、前方向を入力して出すと前進するようになった。 -連続技をゴスゴスと決めていくゴリ押しタイプなのは変わらないが、烈空脚のおかげで春麗やバイソンといった上位キャラにも戦いやすくなっている。 -S仕様は烈空脚が無いものの、下段技にキャンセルが掛かり、烈火拳の隙が少ない事から地上の横押しが強力であるメリットがあり、好んで使用するプレイヤーもいる。 ''ディージェイ'' -スーパーコンボはダブルローリングソバットを連続で放つ「ソバットカーニバル」。 -追加技は対空蹴りの「ジャックナイフマキシマム」。ヒット後もう1回ジャックナイフマキシマムorソバットカーニバルで追撃可能。またソバットカーニバルからの追撃にも使える。 -エアスラッシャーの硬直時間が短くなった。 -これで必殺技も飛び道具、突進、連続技、無敵対空と使い勝手の良いものが揃い、一時は使用人口が急増した。 ''M(マイク)・バイソン'' -スーパーコンボは「クレイジーバッファロー」。ダッシュストレート/アッパー4回((キックボタンで出すと1回目がダッシュアッパーになる他、2~4回目は直前のパンチが出ている時にキックボタンが押されているとダッシュアッパーに変化する。))からターンパンチの計5段技。攻撃力、相手が空中でも多段ヒットする掛かり易さ、飛び道具へのカウンターとしての性能の高さ、ザンギエフ以外にはガードされてもノーリスクで端に追い込める、とあらゆる面で屈指の高性能技。 --コマンド受付時間が長く、小のダッシュ攻撃空振りで急接近してから発動出来てしまうほど。 -本作で追加された突進技「ダッシュグランドストレート/アッパー」はどちらも下溜めを維持したまま出せる為、対空技のバッファローヘッドバットとの相性が良い。グランドストレートは下段判定でヒットするとダウン、ガードされても反撃を受けない、と突進技としては屈指の性能を誇る。グランドアッパーは遠目の対空の他、ストレートとは逆に相手のしゃがみに当たらないことから、ガードを固めた相手に急接近して択を掛ける使い方が出来、技の噛み合わせが非常に良い。 -他にも垂直ジャンプ強Pを出している間は左右に動ける様になるなど、細かい調整も有利に働いており、一躍ダルシム、バルログと並ぶ最強クラスに踊り出た。 -ダッシュストレートは相手のしゃがみに当たらなくなった他、ダウン性能は弱から強に変更された。 -大会ではリュウと並んで最も使用者が多い。しかしザンギエフに対しては突進技を返され易く、スーパーコンボもガードされるとスクリューで吸われるため相性が悪い。 ''バルログ'' -スーパーコンボはイズナドロップを連続で決める「ローリングイズナドロップ」。ザンギ、ホークのスーパーコンボと同じくゲージを消費するのが技を出した瞬間ではなく相手を掴んだ時になっている。 -バックスラッシュのモーションで相手を蹴り上げる無敵対空技、「スカーレットテラー」が追加された。発生が早く、空中コンボ判定もある強力な技で、弱点であった防御面が大幅に強化。 -はずれた爪が画面上に残り、拾いに行ける様になった。 -元々強かった前作から弱点を強化された形となり、本作でも春麗、ダルシム、バイソンと並ぶ最強キャラとして位置付けられている。明確な苦手キャラが存在せず、上位陣の中でも頭一つ抜けているという評価も多い。 ''サガット'' -スーパーコンボはタイガーニークラッシュからアッパーカットへの5段技「タイガージェノサイド」。普通に連続技をした方が強いので使われない。 -前作で強すぎたため、強アッパーカットが5段ヒット技になったが威力も5分割されたため総合的にかなり低下、上下タイガーショットの硬直時間延長、喰らい判定拡大と弱体化が目立つ。対戦では中位を保っているものの、ダルシム、バイソンとの相性が激悪になってしまった((特にダルシムとサガットの対戦ダイヤグラムは9:1であり、通常の組み合わせの中では最も格差が大きい。))。 -その分、S仕様(通称青パン)は前作と同じく最強クラス。上記通りスパコンはあまり役に立たないので失うものはない(強いて言うなら投げ受け身がないことが弱点か)。 ''ベガ'' -スーパーコンボはダブルニープレスを連続で放つ「ニープレスナイトメア」。緊急脱出用にも連続技用にも使える高性能技。 -通常技にキャンセルが出来る技が増え、一度ラッシュが掛かればそのまま連続技で押し切れる様になり、必殺技もデビルリバースの性能に手が加えられ空中制御が可能になった。 -またリュウ同様、ジャンプ中パンチを空中の相手に当てると再度ジャンプ中パンチかニープレスナイトメアで空中コンボが可能になった。 -攻めれば強いが守りに回ると弱いという調整であり、ようやく中堅グループに復帰した。 ''『スパII X』では一定の条件を満たす事で隠しボスが登場する。'' ''『拳を極めし者』(豪鬼)'' -条件を満たすと最終戦で現れ、ベガを見えない連撃で瞬殺しこちらに戦いを挑んでくる((この演出は後のシリーズでスーパーコンボ「瞬獄殺」として実装された。))、黒い胴着を纏った謎の格闘家。 --体格や構え、基本的な技の構成などはリュウ・ケンとほぼ同様だが、「殺意の波動」と呼ばれる謎のオーラを纏っている。胴着を着ているが巨大な数珠をかけ草履を履き変な髷を結っており、眼つきが悪い。 --ゲーム中の顔グラはすべて黒塗りで、名前も空欄。しかしデモ画面では暗い画面に大写しで登場、最後はリュウと重なるような演出でオープニングを締めるなど、あまり隠れていなかったりもする。 --後に「豪鬼」という名前と、「リュウとケンの師匠である剛拳の弟で、その剛拳の師である轟鉄を殺害した人物」という設定が公開された。 -当然キャラクター選択画面にも居ないが、特殊なコマンドを入力する裏技で使うことができる。 --なお、このコマンドで最後にカーソルに合わさるのがリュウであり、入力に失敗するとスタートボタンカラーの茶色のリュウになってしまうことが多いことから、当時は茶リュウ使いが「豪鬼失敗の象徴」として変な目で見られてしまうことも多かった((実際はキャラクター決定前までのコマンド入力を完了させていれば、その後にリュウ以外のキャラクターに合わせてから決定コマンドを入れても選択可能。最後の部分を「リュウにカーソルを合わせたままコマンドを入れて決定」と広まってしまったがためであろう。))。 -『X』での新要素であるスーパーコンボを持たないが、あらゆる能力がリュウ・ケンよりも優れており、気絶しない(というより、気絶ダウン後、立ち上がった瞬間に回復する。リカバリー1000点も必ず入る)。 --技性能は非常に高く、豪波動拳は出が早い上に近距離ヒットで吹き飛びダウン効果、竜巻斬空脚は上昇中無敵で無敵時間中に攻撃判定が発生するうえに空中追撃まで可能、豪昇龍拳は上昇中全フレーム完全無敵という凄まじい性能。更に入力から終了まで完全無敵のワープ技の阿修羅閃空と空中から飛び道具の斬空波動拳を撃てる、極めつけは飛び道具の硬直の性質を使った「灼熱ハメ」(画面端の相手に強灼熱波動をガードさせ続ける。位置と入力を間違えなければ、これだけで死ねるキャラクターがほとんど)。あまりにバランスを崩す為、ほとんどの大会では使用禁止にされる。 --隠しボス版のCPU豪鬼の性能は更に凶悪で、斬空波動拳は2発同時発射、更にその直後に空中通常技を出したりしてくる。 -『X』開発が完成間近になった際に、容量が余っていたため急遽作られたキャラクターで、彼の存在はスタッフにも秘密にされており、誰にも見つからない様に制作されており、彼が噂になってもカプコンの社員は誰も知らず、開発担当者もすっかり忘れていた。 -海外版では「ゴウキ」という名前が発音しにくいという理由によりGoukiではなくAkuma(アクマ)に変更されている。この名前になった理由は、当時欧米で「日本で子供がアクマと名付けられたニュース」が話題となっていたためとされる。 #endregion ----- **評価点 ''ストIIシリーズの決定版であり完成形'' -プレイヤー側で設定できるゲームスピードやスーパーコンボといった新要素が好評を得た。隠しキャラクターが判明した時にはそのインパクトで一気に盛り上がりを見せるなど、確固たる人気を獲得した。 -結果、非常に息の長いタイトルとして稼動。『[[ハイパーストII>ハイパーストリートファイターII]]』の登場まで10年間現役で稼動し続けていたゲームセンターも少なくなく、今尚研究されている。 --現在はXの全要素を引き継いだハイパーに主導権こそ譲っているが、Xの完全な再現に至っていない点、過去のキャラクターが流入することをバランス悪化ととって嫌うプレイヤー等には一部ではこちらの方が人気があり、ハイパーではなくXの大会を開催したり、Xとハイパーを併設する店舗もある。 -一部の技は空中コンボに対応するようになった。これまでの常識として「空中で技が当たったら単発で終わり」と空中戦が淡泊になりがちだったが、このことで空中戦にも駆け引きが生まれ、かつ空中ヒットとて追い打ちのチャンスの可能性と爽快感が生まれるようになった。 --空中コンボといっても、スーパーコンボのように複数当たる前提の技が相手が空中でも連続ヒットしたり、専用の技を空中で当てれば規定ヒット数まで空中で当たってコンボになる、という程度のものである。 --そのため本作では相手が空中に居るタイミングを狙って操作・技を出す程度でよく難易度も低めである。現在のコンボゲーと呼ばれる作品でよくある「浮かせ技からの連携」や複雑な空中コンボの操作を練習・習得することは不要となっている。 ''「威力の強い必殺技」から脱したスーパーコンボ'' -スーパーコンボは言ってしまえば超必殺技であるのだが、威力だけでなく演出面や駆け引きの要素を加えたことで後に続く要素を残した。 --演出面で言えば、コマンド完成時に「光る」演出や残像を伴うことはもちろん、スーパーコンボで相手をKOすると背景が激しい爆発音と閃光を伴うものに変化し、ここぞの技であることはもちろん、決めた時の爽快感を演出するには十分なものだった。コンボボーナスも非常に大きく、スコア狙いでなくとも大きいコンボボーナスも決めた爽快感を演出する一助となった。 ---特にKO時の演出は「あけぼのフィニッシュ」((「あけぼのKO」とも呼ばれる))と通称される程でシリーズ作品でも形を変えて引き継がれていった。 --駆け引きの面で言えば、「ゲージを貯めればいつでも使えたが1度使うと貯め直し」という特性のためどのようにゲージを貯めるか、貯めてからの行動、そしていつ使うかまたは使わせてゲージを無駄にさせるかといった立ち回りの深化に貢献した。 ''投げ受け身の追加'' -「当て投げ」というお手軽で強力な戦法が編み出されるなど投げの強さは初代ストIIの時点で問題視されていたが、本作にてついに対策が導入され好評を博した。 --「入力タイミングが投げられた後のため比較的簡単で、一番なりたくないダウン状態を回避できる」「軽減こそされるがダメージはちゃんと入り、サイド変更や壁側に追い詰めることができるため投げた側も無駄にはならない」と双方納得のいく調整がなされており、現在でも投げ対策のシステムの正答例として高く評価されている。 --のちに[[ウルII>ウルトラストリートファイターII]]でグラップというシステムに取って代わられたが、タイミングがシビア過ぎること((猶予2Fと言われている))や、密着でのダウンを回避することが重要視される本シリーズの環境ではこちらのシステムを推す声が大きい。 ''さらに深まったキャラの個性'' -新技の追加と調整によって、各キャラはさらに特徴的かつ個性的な戦い方を手に入れた。 --特に前作で色々といまいちだった「スーパー」からの新キャラ4名は、今作でキャラコンセプトがより明確になり存在感が増した。 ---横押し爆発力のフェイロン、トリッキーなキャミィ、攻守にバランスの良いディージェイ、ハメ特化のホーク。 --また、足技が追加されより打撃連続技重視となったケン、前後ステップとスライディングを手に入れまさに野生児的な戦法が可能になったブランカ、高い性能を引き出すのにより熟練が必要となったダルシムなどは、キャラのイメージをゲームによく反映できたと言えるだろう。 --スーパーコンボは後のシリーズでも各キャラの超必殺技して受け継がれていくが、中でもリュウの「真空波動拳」、ザンギエフの「ファイナルアトミックバスター」などはプレイヤーに特に鮮烈な印象を残し、キャラを象徴する技として認知されていくことになる。 ''絶妙になったキャラ間バランス'' -多くのキャラクターに無敵技が備わる様になったり、飛び道具回避手段が整った結果、キャラ間の標準偏差はTURBOと並んで最も小さい部類になった。 -今回調整されたキャラクターに不満を感じるなら、スーパーのキャラクターに変更するという手もある。 ''豪鬼の存在'' -本作初登場となった豪鬼はインパクトが強く、その後のストリートファイターシリーズにほぼ出場する人気キャラの一人となった。特に旧キャラがほぼ削除された『III』シリーズにも二作目から出ている。 -クロスオーバー物の『[[X-MEN CHILDREN OF THE ATOM]]』で他キャラを押しのけて参戦したのを皮切りにカプコン内の様々な作品で隠しキャラとして登場し、近年ではなんと他社制作の『鉄拳7』にも参戦した。 ''(実質的に)使用できるキャラクターが増えた'' -豪鬼+各キャラのSバージョンで前作に比べキャラが17名増えたと捉えることもでき、多様な対戦が可能になった。 --上記の各キャラクター説明の通り必殺技・特殊技がかなり追加された上、通常技の性能も調整が入ったので、多くのキャラはXとSで使用感がかなり異なる。 ---Sは当然Xよりやれることが少なく、単調な動きになりがちという共通の欠点はあるが、通常技の性能が高めでキャラによってはXではできないコンボができるなどの利点はある。 --同キャラ禁止のチーム制大会でも、X・Sのバージョン違いは別キャラと見做されることが多い。 **賛否両論点 ''対空技の追加'' -先述のとおり一部のキャラには対空技が追加された。これらのキャラは元々対空技を所持していない前提でバランスを取っていたため、露骨な強化となった。 --これについては新たな駆け引きが生まれたと肯定的にとらえるプレイヤーもいる一方で、安直な調整と批判が上がることも多い。実際、本作で対空技が追加されたキャラはほとんどが対戦ダイヤグラムの上位に位置することとなった。 ''スパコンの性能格差について'' -あくまで各キャラの必殺技を基にしているため仕方のない部分ではあるが、強いスパコンはとことん強く弱いスパコンはとことん弱い。 --強いスパコンの例としてはスパコンの代名詞でもあるリュウの真空波動拳。通常の波動拳と同じ発生ながら発生後まで完全無敵、相手の飛び道具に対して一方的に打ち勝て、地上で当てれば全体力の4割弱を減らし密着ガードさせてもなお有利といった性能。その存在からゲージをMAXにするだけでも相手の立ち回りを大きく制限できる。 --他にもバイソン、春麗、ダルシムなどが高性能スパコンとして挙げられる。特に春麗は後述するバグがその強さに拍車をかけている。 --一方でフルヒットしにくく反撃を貰いやすいサガットやブランカなどは有効に使える場面が乏しい。特にサガットはSキャラへと流れる要因の一つにもなっている。 --一部のスーパーコンボはフルヒットしたあとに確定で空中コンボによる追撃が入ってしまい、実質的にスパコン自体の威力が上がってしまっている。バグなのか意図的な仕様なのかは不明だが、コンボができるキャラとできないキャラでより格差が広がってしまった。 ''ボーナスステージの廃止'' -従来からボーナスステージは単なる得点稼ぎ以外にもコンボ技などの練習を疑似的にできる面もあり、削除を惜しむ声があった。~ 特にスーパー性能キャラはキャンセル条件が異なる点も挙げられる。 --この時期はスパIIXに限らず対戦格闘ゲーム界隈には対戦その物が重要視されるようになってきており、テンポアップによる回転率の増加やゲーム容量などの関係で廃止したシリーズも少なくなかった。 --豪鬼の出現条件の一つに得点がある為の調整ともとれる。 ''対戦に影響を及ぼすバグの存在'' -ケン、ダルシム、サガットはスーパーコンボをリバーサルで出せない((厳密にはリバーサルで出すと直前に出した必殺技に化ける。直前に出した必殺技がスーパーコンボなら問題なく出るが、そのような状況はまずない。))バグがあり、対戦に大きく影響を及ぼしている。 --該当するキャラは割を食う形となったが、ダルシムについてはキャラ自体の高性能さから「このバグがあってようやくフェア」とも言われており、後作で修正されたときは却って不満の声も見られた。 -一部必殺技は入力受付に時間制限がないため、コマンドを入れたままならいつでも技が発動可能な状態になるバグが存在する。春麗のスーパーコンボ「千裂脚」などがその代表例として挙げられる。 --これについては(その是非はともかくとして)現在では戦術の一つと見做されていることが多い。ハイパーではこのバグは修正されたが、隠しコマンドで修正されていない仕様でも使えることからもそれが窺える。 **問題点 ''ゲームスピードの設定及び選択の可否が、ゲームを始めるまで確認できない'' -ほとんどのプレイヤー間で3速での対戦にはなるが、エミュレーター台などで2速固定というのが稀に存在していたり((収録ゲームが多すぎる為調整をしない、あるいはエミュという性質上調整できない可能性がある。))、低速で練習したいというプレイヤーもいるが、コインを投入するまでは判別できない。~ 現在ではさすがに1速固定や4速という台はほぼ見かけないが。 ''豪鬼の性能'' -やはり対戦格闘ゲームとしては1人浮いた強さを持つボスキャラがゲーセンでほぼそのままの性能((申し訳程度に弱体化してはいるが、ぶっちゃけ焼け石に水。))で使えてしまうのは問題でもある。 --性能や調整がどうと言う以前に、1人だけ気絶しない((厳密には内部処理で一瞬だけ気絶するが、気絶モーションが出る前に回復してしまうので、実質気絶しないのも同然である。))ことや、空中ガードが出来ない本作では極めて対処が困難な空中飛び道具の斬空波動拳、過去バージョン基準の昇竜拳の無敵の長さ、出がかりが完全無敵でヒット後も空中で追い打ち可能な竜巻斬空脚、隙がほとんど無く連発されるだけで対処が困難な移動技の阿修羅旋空など、必殺技の性質そのものがスト2や本バージョンのゲームシステム、ゲーム性を否定しているキャラクターであり、豪鬼同士でなければまず対処できない。 //--唯一の弱点が「防御力が低い」という物なのだが、当たらなければどうという事は無い。 //豪鬼とか殺意系のキャラの防御力が低いというのはストゼロ以降の話で、2Xでは豪鬼の防御力は他キャラと同じです --対戦での使用禁止はもはや暗黙の了解である。大会でもまず禁止とは言え野試合で乱入されると対処のしようがない。もちろん使う側のマナーの問題であるがトラブルの元にもなるだろう。 --真面目に対戦考察するのもはばかられるほどの性能で未だに研究が進んでいない面もあるが、対戦ダイヤグラムは半分以上のキャラに8:2以上の有利を付けており、最も差が小さいものでさえ6.5:3.5と言われている。 //全て9:1となっている方のサイトは仮扱いのため ''理不尽な挙動の一部CPU'' -この時代の格ゲーらしく、CPU難易度は高め。一部キャラは後半に出てくると対処の仕方を知っていないと勝つのは難しい。 --『ターボ』から続く高難度化の傾向は今作でも収まらず。CPUはそこまでスーパーコンボを活用しないが、それでもかなり強い。 --近距離の差し合いでこちらの技を的確に潰しまくるキャミィ、エアスラッシャーをタメ無しで連射するディージェイが特に理不尽。 ''目玉システムであるスーパーコンボのキャンセルが難しすぎて、連続技には使いづらい'' -スーパーコンボも通常技キャンセルで出すことは可能なのだが、尋常じゃなく難しく実戦では単発で使われがちだった。 --こうなっているのはスーパーコンボは普通の必殺技よりコマンドが長いのにもかかわらずキャンセル受付時間が非常に短い((必殺技キャンセルの際にはヒット・ガード時(=ヒットストップ発生時)にキャンセル猶予時間が上乗せされるのだが、スーパーコンボにはそれが無いため、ヒットストップが発生してからコマンドを入力することが事実上不可能。))ためで、通常のキャンセルのように正直に「キャンセル可能技→コマンド入力」ではまず出ないのである。真空波動拳の場合パンチ技→キャンセル真空波動拳をやろうとすると他の技が暴発してしまい、まず出せない。 --そのためキャンセルするにはスーパーコンボのコマンドの途中に挟む形でキャンセル可能技を出してその後コマンドを完成させるという特殊な入力をしなければならないようになっている。そのため難しくかつ連続技としてのコースも限られるものとなってしまった。 -単独で使い勝手が良いスーパーコンボならまだ良いのだが、ケンやガイルなど連続技用に作られているものは中級者すら使いこなせるとは言い難い。上級者でもこれらのコンボの成功率の低いプレイヤーもザラ。 --スーパーコンボの敷居の高さが、ケン使いがスーパーコンボが存在せず使いやすいSキャラに流れがちな一因にもなってしまっている。 ''Sキャラのカラーの仕様'' -スーパーのキャラクターでなければ従来の基本色を使用できないことに不満を抱くプレイヤーも。 -Sキャラは2色用意されているが、キャラによってはパッと見かなり似通っており、S同キャラ対戦になると見分けづらい。 --Sケン、Sダルシムなどが顕著。Sキャラは使用人口が少ないので同キャラ対戦自体そうそう起きるものではないのだが…。 **総評 前作の欠点を解消しただけでなく、スーパーコンボの導入と豪鬼の登場といった新要素は、本作をロングランヒットへと押し上げる原動力として申し分ないインパクトを残すこととなった。~ 格ゲーブームを生み出したストIIシリーズの終着点としても、またいち対戦ゲームとしても、現在に至るまで根強い人気を誇っている。 **余談 -OPデモのキャミィのアップ顔が妙にインパクトがあり話題になった。 //-OPデモのキャミィのアップ顔がインパクトがあり、「悪魔の舌舐めずり」と呼ばれる事もある程。 //「悪魔の舌舐めずり」のソースが不明。調べてもここしか出てこないです。 -落ち物パズルゲーム『[[スーパーパズルファイターIIX]]』は本作のタイトルをパロディしたものとなっているが、実際の内容は『[[ストリートファイターZERO]]』と『[[ヴァンパイアハンター]]』を元ネタにしている。 ---- **家庭用への移植 |ジャンル|対戦格闘アクション|&amazon(B00013YODK)|&amazon(B00006LJTT,image)| |対応機種|3DO Interactive Multiplayer&br()ドリームキャスト|~|~| |販売・開発元|カプコン|~|~| |発売日|【3DO】1994年11月13日&br()【DC】2000年12月22日|~|~| |定価|【3DO】8,800円(税別)&br()【DC】4,800円(税別)|~|~| |レーティング|【DC】全年齢(セガ審査)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| -SFCなど、当時の人気ハードにはなかなか移植されなかった。 -当時は3DOに独占移植されることで大きな話題になり、本体の売り上げを牽引した数少ないタイトルとなった。 --ただロードが長い、処理落ちが激しい、コンボの得点計算がおかしいといった不評点も目立つ。 -海外では3DOに続いてMS-DOS(IBM-PC)移植版が発売されている。 -PS・SSでは1997年に『ストリートファイターZERO2』のアレンジ作である『ZERO2'』とのカップリングで『スーパー』『X』がまとめて収録された『ストリートファイターコレクション』が発売されている。 --それまでは、本作に近いシステムを搭載した実写版『[[ストリートファイター リアルバトル オン フィルム]]』が本作の代替として遊ばれることもあった。 --PS版は後にゲームアーカイブスで『ストリートファイターZERO2'』((元々は『ストリートファイターコレクション』のDISC1が廉価版の単独ソフトとして発売されたもの))として配信されたが、実際の内容は『スーパー』『X』も同時収録された『~コレクション』準拠となっている。 -ドリームキャストでも、アナログ回線専用通信対戦システム「マッチングサービス」に対応した商品で『X』が通販のみ販売された。マッチングサービスは2003年9月1日に終了しているが、単体で遊ぶことは現在も可能。アーケード版では削除されたボーナスステージが復活している(設定で無しにすることも可能)。 --隠し要素でCPU性能の強力な豪鬼や、それに加えてスーパーコンボ「瞬獄殺」が使える豪鬼(通称「天豪鬼」)も使用可能。 -GBA初期タイトルとして『[[スーパーストリートファイターIIX リバイバル]]』も発売された。 -PS2では2006年11月14日にカップリングソフト『[[CAPCOM CLASSICS COLLECTION Vol.2>カプコン クラシックス コレクション]]』の収録タイトルとして発売されたが、海外のみの発売につき国内版の本体ではプレイが出来ないのが残念。 -2021年にSwitch/PS4/One/Winで配信された『[[カプコンアーケードスタジアム]]に『スパIIX』が収録。こちらは『II』『TURBO』も収録されている。 **対戦ダイアグラム -[[T.Akiba 氏作成の初代スト2~スパ2Xのダイアグラム>https://games.t-akiba.net/sf2/diagram.html]] -[[ゲーメスト掲載の初代スト2~スパ2Xのダイアグラム>https://web.archive.org/web/20080704074143/http://xb-lim2.hp.infoseek.co.jp/sf2x/diaguramu.htm]] -[[2chハイパーストIIスレの有志による初代スト2~スパ2Xのダイアグラム>https://w.atwiki.jp/ssf2xxx/pages/22.html]] --[[Excelファイルはこちら>http://cdn26.atwikiimg.com/gcmatome/?cmd=upload&act=open&pageid=3258&file=sf2diagram201412-2a.xls]] -[[Super Diagram Turbo Version 3>http://curryallergy.blogspot.com/2009/08/super-diagram-turbo-version-3.html]] --[[SDT Notes>http://curryallergy.blogspot.com/2008/07/sdt-notes.html]] -[[Super Turbo - New Arcadia Diagram(闘劇プレイヤーによるスパIIXダイアグラム)>http://curryallergy.blogspot.com/2008/11/super-turbo-new-arcadia-diagram.html]] **SUPER STREET FIGHTER II TURBO HD REMIX 2008年にPS3/Xbox360向けに国外限定で配信されたタイトル。~ グラフィックがHD解像度で描き直されたと同時に各キャラクターの性能にも大幅な調整が入っている。~ //単に画風が違う・欧米と日本で好みが違うというだけでグラフィックの出来自体は決して悪くない、動きが粗く見えるかどうかも人に依るところが大きいのに個人的で否定的な記述が多過ぎるので修正 海外限定配信から9年後の2017年に発売されたニンテンドースイッチ向けタイトルの本家『ストリートファイターII』の新バージョン『[[ウルトラストリートファイターII]]』では、グラフィックをオリジナル版とリファイン版で選択可能だが、リファイン版はこのHD版のものを使用している(ゲーム内容はHD版のものは反映されていない)。~ **[[ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル]] 2018年に発売された、歴代ストリートファイターシリーズを収録したカップリングソフト。対応機種はPC(Steam)/PS4/XboxOne/NintendoSwitch。~ 収録されているタイトルのうち『[[II'TURBO>ストリートファイターII']]』『[[III3rd>ストリートファイターIII 3rd STRIKE]]』『[[alpha3>ストリートファイターZERO3]]((ストリートファイターZERO3の海外版))』そして本作がネット対戦対応となっている。~ ただし、日本語版ではなく海外版の『SUPER STREET FIGHTER II TURBO』としての収録なので、(国外も含めて)一般的に大きな大会などで使われている国内アーケード版スパ2Xとはやや違う仕様となっている。~ また、国内版は事前に公開された本作の仕様に対する意見を受けて発売が2018年秋へ延期となったが、海外版は5月末に予定通り発売されている。

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