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モンスターハンター2 - (2020/10/26 (月) 10:04:35) の1つ前との変更点

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//これはPS2で発売された『モンスターハンター2(ドス)』に関する記事です。 //後継シリーズである『MHP2』,『MHP2G』,『MHF』とは異なるゲームです。これらの内容を書き込むのは控えてください。 //後継シリーズなどからゲームの仕様を憶測して書き込まないでください、システムに関して大きな変更が加えられています。『MH2』の移植作は存在しません。実際にプレイした方が書き込んでください。 //前から思ってたんだけど判定が前は「ゲームバランスが不安定」だったと思うんだけどいつから「なし」に成ったの?なんか変更議論される所見てもそれらしい痕跡がなかったんだが。 *モンスターハンター2 【もんすたーはんたーどす】 |ジャンル|ハンティングアクション|&amazon(B000A85PJI)|&amazon(B000QG5PBC)| |対応機種|プレイステーション2|~|~| |発売・開発元|カプコン|~|~| |発売日|2006年2月16日|~|~| |定価|6,980円(税別)|~|~| |廉価版|2007年07月19日/2,990円(税別)|~|~| |判定|なし|~|~| |ポイント|新要素盛りだくさん&br()それと引き換えに全体のバランス悪化&br()従来の世界観破壊&br()拭いきれない見切り発車感|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[モンスターハンターシリーズリンク>モンスターハンターシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 カプコンの人気シリーズの一つ『[[モンスターハンター]]』の正式ナンバリングタイトル。「dos(ドス)」はスペイン語で「2」を意味する。~ 通算では4作品目に当たるが、それまでが1作目をベースとした拡張版及び移殖版であったのに対して、本作は完全新作となっている。~ 当時は現在ほどの人気は無かったものの、PSPでリリースされた『[[モンスターハンターポータブル]]』が売り上げを伸ばしていたこともあり、コアユーザーからは非常に期待されていたタイトルだった。 ---- **特徴 -舞台を一新。 --拠点となるのは新天地である「ジャンボ村」。この村の開拓がオフラインのメインストーリーになっている。 --新フィールドを多数追加。旧作での最初のフィールドである「森丘」(MHP以前は「森と丘」という名称)のみ続投。 ---ちなみに、森丘のエリア9で強制的にカメラが近くに来てしまう問題は本作で改善された。 -新武器の追加 --太刀、狩猟笛、ガンランス、弓の四種が追加された。 #region(新武器について詳細) 剣士(『G』で先行登場した双剣と合わせて、1作目から登場した武器の裏バージョンと言える性能となっている) -太刀…大剣と比べてガードできない代わりに大剣ほど鈍くはなく攻撃範囲も広い。攻撃するごとに「練気ゲージ」が溜まり、満タンになると攻撃力が若干上がる。 //切れ味が高まり、弾かれにくくなるのはP2からです -双剣…片手剣と比べてガードできない代わりに手数はさらに増加。「鬼人化」というパワーアップも可能。 -ガンランス…ランスよりさらに機動力は悪化したが、火薬を炸裂させる「砲撃」が可能。「竜撃砲」という大技も持つ。 -狩猟笛…ハンマーと同じく打撃属性の武器。ハンマーより攻撃力は落ちるが、演奏により自分や味方を強化することができる。 ガンナー -弓…スティックを押せば発射できるボウガンと異なり、スティックを引きっぱなしにして弓を引き絞り、離して発射するという操作を行う。矢の本数に制限は無く、リロードが不要で移動しながら溜められるので機動性が高いが、射程は短め。 //携帯機式のボタン操作ではない #endregion #region(既存武器の新要素) -大剣…「溜め攻撃」の追加。タイミングさえ掴めば一撃で大ダメージを与えられる。 -ハンマー…頭部への攻撃を繰り返すとモンスターが「めまい状態(スタン)」になり、一定時間拘束できる。同じ打撃武器である狩猟笛でもスタンが可能。 -片手剣…武器を出したままでもアイテムを使用可能になった。 -ボウガン…ヘビィボウガンの強化パーツが、パワーバレルとシールドの2つに変更された。これに伴い、スキル関連でライトボウガンとヘビィボウガンの使い分けができるようになった。 #endregion -防具強化とデザイン --武器同様、防具も強化出来るようになった。防御力を高めたり、装飾品スロットを増やすことができる。 --さらに一定レベルまで強化すると、より性能の高い上位防具へと派生させる事ができるようになった。 --前作では下位防具と上位防具のデザインが同じであったが、今作ではデザインが異なる。 --Sシリーズ(原種系)とUシリーズ(亜種系)の防具に、性能面での方向性が与えられた。Sは防御力に、Uはスキルに優れるとされる。 //性能だけならGの時点で差別化されている -装飾品 --防具とは別にスキルポイントを備える「装飾品」が導入された。 --武器や防具には装飾品用のスロットが設定され、範囲内で自由に組み込むことができる。 -モンスターの種族 --前作までは大型モンスター全体を指して「飛竜」と呼ばれていたが、それらが「飛竜種」「鳥竜種」「魚竜種」と細分化された。~ これらは従来は設定資料集でのみ用いられていた用語である。 --同じく設定上の用語であり、特殊なモンスターに限られていた「古龍種」が大幅にフィーチャーされ数を増やした(問題点は後述)。 --新たな種族として「牙獣種」「甲殻種」が追加された。 #region(close,新規モンスター) -草食種:ポポ -- -草食種:ガウシカ -飛竜種:ガブラス -甲殻種:ヤオザミ -甲殻種:ガミザミ -甲殻種:ダイミョウザザミ --飛竜の頭蓋骨を背負い赤い甲殻を持つ巨大ヤドカリ。攻防一体の大ハサミを武器として操り、口から泡を吹く。通称「盾蟹」。 -甲殻種:ショウグンギザミ --青い甲殻を持つ巨大ヤドカリ。ハサミは興奮すると大きく展開しハンターを追い詰める。通称「鎌蟹」。 -牙獣種:コンガ -牙獣種:ブランゴ -牙獣種:ドスファンゴ -ブルファンゴのボス。通称「大猪」。 -牙獣種:ババコンガ --カバの顔と太った体格を持つ猿のような生物。放屁攻撃を得意とする。雑食性で腹が減ると毒物でも口に入れてしまう。通称「桃毛獣」。 -牙獣種:ドドブランゴ --発達した筋肉を誇る白いヒヒのような生物。雄叫びと共に子分を呼び寄せ群れで襲ってくる。通称「雪獅子」。 -古龍種:クシャルダオラ --金属質の外殻に身を包み鋼の翼で空を舞う龍。全身に強風をまとい、雨を呼び、口から暴風を吐き出す。通称「風翔龍」もしくは「鋼龍」。 -古龍種:ナナ・テスカトリ/テオ・テスカトル --鱗の密生した表皮と壮麗なたてがみを持つライオンのようで龍のような生物。全身から熱気を放ち炎や爆風を操る通称「陽炎龍」もしくは「炎龍」。 --シングルモードにのみ登場するナナは雌で「炎妃龍」、両方に登場するテオは雄で「炎王龍」とも呼ばれる。 -古龍種:オオナズチ --目撃例が少ないカメレオンのような龍。周りの風景に溶け込んでおり、通常時では姿を確認することが出来ない。多様な毒物を体内で精製する。通称「霞龍」。 -獣人種:チャチャブー -甲殻種:大雷光虫 以下はオンラインにのみ登場した。 -甲殻種:シェンガオレン --巨大龍の頭蓋骨を背負う超巨大ヤドカリ。ラオシャンロンと同じく砦を破壊しようと迫ってくる。通称「砦蟹」。 -牙獣種:ラージャン --目撃例が極めて少ない正体不明の生物。現在は牙獣の一種とされるが、かつては漆黒の毛並みを持つ獣とも黄金の翼で空を飛ぶとも言われていた。怪力に加え口から謎の光線を放つ。通称「金獅子」。 -古龍種:ヤマツカミ --全身が苔生した、山が飛んでいるかのような姿の浮遊生物。頭足類のような風貌で四肢は触手となっており、巨大な口で全てを吸い込み噛み砕く。通称「浮岳龍」。 -古龍種:ミラボレアス(白色) --神々しささえ感じられる白銀の鱗とたてがみをもち、雷を自在に操る龍。怒ると目の周りが血液で染まったような赤に染まる。通称「祖龍」、防具の名称から「ミラルーツ」とも呼ばれる。 -獣人種:キングチャチャブー #endregion -モンスターのサイズのバリエーション --前作では最大サイズのみ記録されていたが今作から最小サイズも記録されるようになった。 --それに伴い普通より小柄なサイズのモンスターも出るようになり一定以下のサイズを倒したときにも金冠((最大サイズとは違い銀冠は存在しない。))がつくようになった。 --最小金冠=スモールサイズ、最大銀冠=ビッグサイズ、最大金冠=キングサイズという呼び方もできた。 -「季節」及び「昼夜の概念」の追加 --季節によって受けられるクエストが変化する。 --同じフィールドでも、季節や時間によって採取アイテムや構造が変化する。 -その他の新しいシステム --3種調合の実装 --時間経過でアイテムの変化するマカ漬けのツボ。 --対戦要素の大闘技会。 --特殊な肉や、肉以外のアイテムを焼くよろず焼きセット。 --氷属性の追加。武器やモンスターのバリエーションがより多彩になった。 --シンボルカラーの登場。条件を満たせば、一部防具の色を変更できる。 ---- **問題点 新要素を詰め込み過ぎて調整まで手が回らなかったのか、全体的にバランスが悪い。一方で『MHG』における問題点はほとんど手付かずのまま残っている。そのため、先に発売され、あらゆる新システムが成功した『MHP』と比較する形でよく批判されている。 #region(システム) -追加要素である季節、昼夜 --アイテムやモンスター、フィールドが制限されるだけであり、季節が変わるまで欲しいアイテムや戦いたいモンスターのお預けを喰らうこととなった。 //--温暖期は雑魚を含める全モンスターの体力が2倍になる、しかし報酬などは他の季節と全く変わらない。 //↑こんな仕様はない。モンスターごとに得意な季節・時間が存在し、その都度モンスターレベルが増減する。 //↑http://mh2kaiseki.web.fc2.com/monslist/monslevel.html --今作ではモンスターレベルでモンスターの防御力まで上がる。季節によっては倒すために通常の倍以上の攻撃が必要になる。 --モンスターごとに得意な季節・時間が設定されているが、ほぼノーヒント。 --寒冷期は素材が取りにくくなる、このゲームでは回復アイテムなどもフィールドで調達しなければならないので非常に煩わしい。 --基本的に夜のフィールドは、通路が封鎖されるなどプレイヤーにデメリットとして働くことが多い。 --似たクエストが季節ごとに存在し、各季節でクリアしないならないためコンプリートが非常に面倒。 --オフラインであれば金を払って季節を繰り上げる事もできるが、オンラインでは繰り上げ不可のため、人によっては時間の都合が合わせられない事も多かった。季節は8時間20分という非常に長いサイクルで変化する。例えば毎日二時間決まった時間にしかプレイできないプレイヤーは5日間以上同じ季節でしか遊べない、温暖期や寒冷期は特定のエリアが封鎖されるため5日間以上そのエリアのクエストが受けられなくなる。 -クエスト出発前の食事 --『MH2』以外のシリーズでは食材をリストから選ぶ形だが、本作では自分で材料となる素材を用意する必要がある。組み合わせはパターン増えたが、能力上昇の関係で一部の食材以外はほとんど使われる事がない。 --ただでさえ容量に余裕がないアイテムボックスが、食事用素材でさらに圧迫される。 --食材専用のアイテムもあれば、武具の素材との兼用もある。武具のために採取してきた素材をうっかり料理してしまう事故も多発。 --同じ素材の組み合わせでも季節によって効果に違いがあるため、季節の変わり目で素材の選び間違いが起こる。 ---プラス効果が皆無の組み合わせが非常に多い上に、作る前に食事効果を確認することもできない。 --クエストの報酬が使えない食材で潰れる。特に「リュウノテール」と言う食材は、食事効果が低く全く使われない食材にもかかわらず報酬に選ばれる確率が高く、序盤の大型モンスターからゲーム終盤に登場するあるモンスターまで一貫して報酬として現われ報酬枠を潰してゆく。 -マカ漬けの壷 --アイテムを壷に入れフィールドに埋めた後、一定時間後に再度掘り出すとアイテムが変化するマカ漬けの壷が追加された。だが、アイテムがより良い物に変化するまで最低でも5分以上かかるため、使い難い。 ---ただ、これを応用すると強力なアイテムである「強走薬グレート」を簡単に作れるので、スタミナを多用する武器には必須である。 -アイテム効果の弱体 --「角笛」というアイテムは未発見状態のモンスターに使うことで、例え移動中であっても強制的に使用したエリアでの戦闘を強いることが出来るアイテムであり、プレイヤーに有利なエリアを通り過ぎようとするモンスターをおびき寄せたり、瀕死で巣に帰ろうとするモンスターを引き止める際によく使われる重要なアイテムだったが、今作ではその機能が全く無くなった、どんなに角笛を吹いてもモンスターはプレイヤーを無視して移動する。 -ムービーの頻度の多さ --武器、防具の生産、強化、果ては装飾品の装備時までいちいちスキップ不可の同じムービーが挿入される。 -クエストリタイアの仕様変更 --キャンプにあるベッドまで戻らねば出来なくなった。わざわざ面倒な方に変更されている。そもそもフィールドによってはベッドが無いのでリタイア自体が不可能である。 -3種調合 --ただ2種調合×2の過程を短くしただけのレシピが殆どを占めている(一応2種調合と系統の異なるレシピや3種調合でしか作れない物もあるにはある)。調合操作の最初で2種か3種かを選ぶ仕様のせいで調合そのものの操作が煩わしくなる。3種調合は2種調合に比べ成功率が若干低いなどのマイナス面しか無かった。 -『MHP』で好評だったシステムの削除 --採取ツアーや農場システムなど『MHP』で好評だったシステムが導入されなかった。 -チャットの漢字変換の使い勝手の悪さ --常用するような漢字が一発で出てこない。例えば「本当(ほんとう)」の変換第一候補は「奔騰」である。 --ただし、ゲーム内アイテムなどは一発で変換出来る。また、「くろねこ」が「メラルー」に変換されたりと、スタッフの遊び心も反映されている。%%そんな暇があったら変換機能をきちんと作り込んで欲しいが…%% #endregion #region(武器) -武器間のバランスの悪さ --既存の武器の問題点 ---ハンマーは頭(大抵のモンスターの弱点)を殴り続けると相手を気絶させることができるという大きなアドバンテージが加わり、かつ今までの攻撃力もそのままであった。複数人いれば簡単にモンスターがハメられるようになってしまいバランスブレイカーと化した。 ---大剣は溜め攻撃が加わった。しかし既存のモーションに比べ極端に威力が高く、既存のモーションを使う意味が薄くなってしまった。無限に繋がる派生など大剣本来の持ち味がなくなってしまったと言われた。 ---片手剣は弾かれにくい特性が『MHP』から弱体化された上で逆輸入され、ジャンプ攻撃後にスーパーアーマーが付いた。更に抜刀中でもアイテムが使えるようになった。上位武器と遜色ないレベルの武器をオフラインで作れてしまうためオフラインでは無敵を誇る。しかし、オンラインでは大した武器がなく不遇だった。 ---ランスは『MHG』での(ステップ→キャンセル攻撃)が強かったためか、ステップ回避を攻撃でキャンセルできなくなり、ただでさえ重い動きがさらに遅くなってしまった。更に持ち味とされていたリーチや打撃属性やガード性能も下げられ、著しく弱くなってしまった。前作では最強武器だったので弱体化は妥当だとしても、あまりにも弱くしすぎである。 ---双剣は、スタミナゲージを消費して高威力の攻撃を行う鬼人化が可能で、『G』の頃から強武器とされていたが、今作ではスタミナゲージの減少を無効にする強走薬(強走薬グレート)が簡単に量産できるため、使いこなせれば極端に強い。((クエスト開始直後に強走薬(強走薬グレート)を全員で飲み、戦闘が始まったら鬼人化してひたすら乱舞を叩き込み、反撃する間を与えずに討伐する準ハメ行為が定着し、プレイの幅を狭める結果となった。なお、本作をベースとする『MHF』・『MHP2』・『MHP2G』でも「双剣は強力」と言われることが多い。)) ---ボウガンは後述の数々の問題点により、まともに戦うことすらできなくなってしまった。そのため、近接武器に比べてガンナーの扱いが極めて悪い。 --新規武器の問題点 ---太刀の表記上の攻撃力は大剣とほぼ同等だが、実際の与ダメージは大剣の半分・片手剣の倍程度。難易度が高いクエストでは使用者がお荷物扱いされるほど。しかも、気刃斬りが得物を振り回す攻撃であることから、他のプレイヤーを妨害する危険が高く、迷惑だという意味でも邪魔扱いされた。 ---ガンランスはランス以上に攻撃動作が遅く攻撃力も片手剣並み、切り札とされている竜撃砲も武器強化で強化されないため上位では全く役に立たない。斬れ味にもマイナス補正がかかっており弾かれやすい。また属性つきが極めて少なく、氷属性がわずかに存在するのみ。 ---狩猟笛は表記上の攻撃力こそ高いが、実際の与ダメージは片手剣並み。片手剣のように手数で勝負することも難しいため、単体では戦力外と言っても過言ではない。特にマルチプレイでは演奏効果持続時間が短くなる仕様の関係で、効果維持のためには敵を殴っている暇が無い。エリアの端で延々と笛を吹くことになる。しかし肝心の笛の効果自体がバリエーションも少なく非常に貧弱。サポートをしたいなら他の強武器を担いで鬼人笛などの全体に効果のあるアイテムを使った方がよほど貢献できるので、ソロでもパーティでも出番は無かった。 ---弓は今作のガンナー系統全般に対する諸々の問題点のために実用に耐えない。溜めながら移動して立ち止まると硬直するバグもある。 --以上のことから、強武器(ハンマー・双剣)とそれ以外の武器種の格差が著しく、特にオンラインでは数々の面倒な仕様も相俟って弱い武器は全く歓迎されないという事態になってしまった。 --何より、「''ウリであるはずの新武器種が揃いも揃って役立たず''」というのはゲームの魅力を大きく損なっている。 -本作から会心率という概念が導入された。会心率が設定された武器は攻撃ヒット時、確率で物理ダメージが増減する。 --しかし、本作のマイナス会心は物理ダメージのカット率が大きく、''文字通り与える物理ダメージが半減する。''極端すぎたためか次回作以降は3/4に軽減された。 -斬れ味白の補正が1.5倍と非常に高い一方で青は一気に1.25倍まで落ちるので、青ゲージしかない武器はよほど突出した何かがない限り産廃も同然の扱いをされた。そして白を持っていても、白が短い武器は必然的に白が長い武器に追いやられてしまいかねない。この斬れ味による格差は先に発売されたMHPでは調整され解決をしているのににもかかわらず、なぜか後発のこちらで問題が再発生してしまっている。 -下位武器と上位武器の差が縮まりすぎている例が幾つか散見される。例えば、上位最終強化である豪剣アグニは下位武器であるイフリートマロウとほぼ並んでしまう。また、会心率や斬れ味が一切関係ないような事例もある。 -武器作成サイクルの調整不足 --このシリーズでは、とあるのモンスターを素材とした武器が別のモンスター(大抵は武器の素になるモンスターより少し強い)に対して有効なことが多い。つまり「モンスターの素材で次のモンスターに有効な武器を作る→そのモンスターの素材で更に次のモンスターに有効な武器を作る」を繰り返し、徐々に装備を強化していくというゲームデザインとなっている。しかし、今作では出現する順番が前適当(モンスターの項を参照)になっているためサイクルが破綻している。 --特に顕著なのが龍属性武器で、古龍の弱点属性にも関わらず古龍の素材を要求されるものが多いく、「古龍を倒すために龍属性武器がほしいが、そのためには古龍を倒さなければならない」というパラドックスが生じてしまう。唯一、龍属性以外の弱点を持ち龍属性武器の作れるモンスターにラオシャンロンが存在するが、登場は古龍関係のクエストが全て終わってからである。 #endregion #region(防具) -防具強化の仕様 --基本的には強化しないと、防御力や装飾品スロットの都合で使い物にならない。生産時の防御力は表示上は前作までと同等以上だが、ダメージ計算式の変化によって防御力の影響が半減している。 --上位装備を入手するには下位装備を強化して派生する必要があるため、面倒。原種→亜種→希少種と三段派生する防具もある。 ---強化するにもモンスターの素材が必要であり、さらに頭・胴・腕・腰・脚の5箇所をそれぞれ個別に強化しなければならない。しかも、素材は1回1回の強化のたびに求められる。上位装備になると入手確率が数%の希少な素材を複数回要求される事もザラ。 ---強化してS系統やU系統の装備に派生した場合にスキルがまったく別物になってしまったり、装飾品スロットが増減することがある。店で売られてる状態からは強化後の状態が全く分からないため、あらかじめ攻略本等で知っておかねばならないと、スキル発動を前提とした装備を作ろうとした場合などに面倒極まりない。 ---防具の最高レベルは初期防御力の高い防具ほど限界レベルも高い仕様であったため、同じランクの防具でも極端に防御力に差が出てしまった。そのため防具選択の幅を狭めてしまった。 --また、強化システムの導入に伴ってMHP以前よりも数値上の防御力は高くなるようになったのだが、実際はダメージ計算式側の改変により防御力から算出される実際のダメージ軽減率はむしろ大幅に下がってしまっている。MHP以前と同等の軽減効果を得るためには概ね2倍程度の防御力が必要。 -装飾品の仕様 --一旦取り外すと壊れてしまうため、再利用ができない。同じ装飾品を作り直すハメになる。 --武器や防具を派生強化する際にも強制的に破壊される。 --そもそもスキルに自由度を持たせるシステムというよりは、装飾品を前提として防具自体のスキルポイントが抑えられた傾向にある。 ---例えば、1部位で有用スキルが発動するピアス系の防具が、スキルポイント制を採用したシリーズでは唯一存在しない。 -SシリーズとUシリーズの差別化 --今作ではSシリーズは防御力が高く、Uシリーズはスキル選択の幅が高いように差別化が図られた。しかしUシリーズは防御力が極端に低く((Sシリーズの2/3程度。))、上位などでは一撃で即死するレベルのものばかりで用いられることがほとんど無かった。また、Uシリーズは友情スキル((Sシリーズもしくは古龍装備を装備した状態でシンボルカラーを指定の組み合わせに揃えると、追加でスキルが発動するシステム))に未対応だったため、この傾向に拍車がかかった。 ---簡単に作成可能なとあるSシリーズの脚装備を使用することでUシリーズ(通常の防具も可)のほぼ全てを、発動スキルをそのままで友情スキルに対応させることができる。しかし、この仕様は結果的に「友情スキルを発動させないのは、そのプレイヤーの怠惰である」という認識を多くのプレイヤーに植え付ける結果となってしまった。 ---この件で特に問題になったのは「友情スキルと通常スキルで上位下位互換のスキル同士が重なった場合(例えば「幸運」と「激運」)、効果の高い方ではなく友情スキルが優先される」という仕様である。その為、上記の認識が「U装備一式を着込み友情スキルを発動させないのは、自分のスキルを優先させる非協力的なプレイヤーである」という方向へ発展してしまったのも問題であった。 --一方でSシリーズは確かに防御力は実用レベルなのだが、有用なスキルが付かない。スロットもほとんど無いため装飾品で補うこともできない。結局、実用的であったのはSとUに分けられておらず、防御力とスキルとスロットを兼ね揃えた古龍装備だけで、防具選択の幅を狭めることになってしまった。 //-難易度の上げ方の問題 //少なくとも防具の説明ではないので、各問題点に分散させました。 #endregion #region(マップ) -エリア移動にかかるロード時間 --前作と比べて倍以上かかる。 -マップ構成 --一方通行が多く、大型モンスターの移動の度に回り道をさせられる事も多いため、ストレスが溜まる。 --砂漠は広大な砂漠を横断しなければエリア移動できないようになったため、エリア移動に非常に時間が掛かる。さらに夜になるとハンターだけが通行できないエリアが生まれるため、キャンプに戻ろうとすると大きく迂回しなければならない。 --火山は半分以上が溶岩に満たされたエリアが存在し、モンスターが溶岩の中から一方的に攻撃してくることも多い。夜になると溶岩地帯がさらに増えてしまう。 --密林や沼地は樹木や霧など要素が削られ、有利なエリアにモンスターを引きずり出すといったゲーム性が乏しくなった。密林は夜になるとハンターが侵入不可能になるエリアにモンスターが籠城したり、沼地については夜になるとエリア移動の度に毒沼を踏まされるため、悪い印象だけが残ることに。 --ハンターだけがダメージを受ける溶岩・間欠泉・毒沼や、より強力になった暑さや寒さの効果など、ありがたくない地形効果ばかりが追加された。 --開放順に関しても、森林の次の探索エリアがいきなり火山や雪山である。アイテム資産も少ない序盤段階のプレイヤーに体力やスタミナの消費が激しい火山や雪山での強敵の狩猟が依頼される。 #endregion #region(モンスター) -古龍種に対する批判 --公式設定で「あらゆる生態から逸脱した圧倒的な存在」とされており、実際に雷を起こしたり炎を操ったりと、''ファンタジー色が強い''。~ 旧作までのモンスターは、圧倒的な力を持ちつつも人間と同様に自然界を生きる「野性動物」としての面が強調されていたことから、古龍種のこういった側面が、「シリーズの世界観にそぐわない」という意見は根強い。 --素でも十分手強い古龍種であるが、それぞれが持つ能力がこれまたあまりに強い。または煩わしい。 ---クシャルダオラは体力が低下するにつれて低空飛行の頻度が跳ね上がり、上位ではHP30%以下で怒り状態になると常に飛行モードになるAIであり、~ しかもHP30%以下では攻撃を1回当てただけで怒り状態に突入してしまう、~ そのためにリーチの短い武器ではアイテムが尽きた瞬間~ 怒りの切れた直後以外は攻撃できなくなり文字通り詰み状態になってしまう。 ---テオ・テスカトルとナナ・テスカトリは体に炎の鎧を纏って~ 避ける避けないにかかわらず近付くだけでハンターの体力が奪われる仕様であるほか、~ MH2では突進や飛び掛かりといった物理攻撃に一切の予備動作がなく、~ 後ろ足付近であろうが範囲内にプレイヤーがいれば振り向きも挟まずに問答無用で使用してくる。~ 更にこれらの攻撃の威力も高く設定されており、通常時でも7割近く怒り状態ではほぼ即死の威力を持っていた。 ---オオナズチは姿を風景と同化させる能力を持つのだが、後発の作品のように攻撃の瞬間は見えたり、怯むと輪郭が見えるようになるようなものとは異なりこれが本当に''全く見えない''。~ 透明状態では著しく固く特定のスキルがないと攻撃すら困難。 --角や尻尾といった特定部位を破壊すると上記の能力を封じることが出来るため、古龍種との戦闘において部位破壊は非常に重要となるのだが、~ 部位破壊するためには「対象部位に一定のダメージを与える」だけでなく、「''モンスター自体の体力も一定値以下である''」必要がある。~ そのため「早い段階で部位破壊をして展開を楽にする」という戦術は使えない。~ あえてモンスターのHPを表示していない本シリーズのシステムとも相性が悪い。 --弱点属性が龍属性に集中している。部位破壊条件に「''龍属性の武器のみ''」というものさえあるのだが、''龍属性の武器が存在しない武器種がある''。 --これらの攻略法としてプレイヤーが出した結論は「高火力でひたすら怯ませて何もさせず倒す」事であり、技術も攻略もない強い武器で延々とモンスターに向かって攻撃を連打するプレイングが強要された。 --因みに、古龍種の不評については開発サイドも把握していたのか、『[[MH3>モンスターハンター3]]』まで新たな古龍種は追加されなかった。~ 『MHP2』のアカムトルムが「安易に古龍種と判断するのは憚られるため飛竜種に分類した」とゲーム内で解説されていたことや、『MHF』のラヴィエンテが「種族不明」とされていることからも、意識的に出すのを避けていた節がある。~ なお、近年のシリーズでは、比較的「古龍種の存在」を受け入れる層が増えた為、再び古龍種が増えてきている。 -大型モンスターのエリア移動 --従来の戦闘時間に応じたエリア移動に加えて5分間隔でモンスターがエリア移動するようになった、そのため大型モンスターのエリア移動が多い。 --またプレイヤーが同じエリアに到着すると一定確率で逃走する仕様が追加された。それまで静止していたのにプレイヤーが駆け付けるや否や飛び立つということも多い。 ---このエリア移動頻度はオンラインにおいて特に問題があり、オンラインにおいてはモンスターの移動やクエストタイムがサーバー管理であり、ロードしている間にモンスターが他のエリアへ移動を始めていることがとても多い。 ---特に「空の王者」ことリオレウスはその傾向が顕著で、戦っている時間より追いかけっこをしている時間の方が長いという本末転倒な問題が度々発生する。 --複数のエリアをまたいで移動することが多く、同じ方向にも係わらず異なるエリアへと移動するため、前作や後のシリーズ作のように移動方向から移動先を予測することが出来ず、経験が活きない。 -大型モンスターが固い --モンスターレベルの仕様変更によりモンスターレベルで肉質まで強化されるため、モンスターの肉質が異常に硬い。 --この仕様が弾かれ無効の双剣ハンマー環境に拍車をかけた。 --この肉質問題に上記のエリア移動問題が加わることで、後発のシリーズではあまり見られない''時間制限オーバー''が頻発する。中でも装備の能力値が頭打ちになるシングル後半では、常に時間との戦いになる。 --新モンスターにはことごとく極端な弱点部位が存在せずどこを斬っても差が少ない。特に前作では弱点部位が弱点とそれ以外で3倍近い差があり極端だった弾耐性も平たくなってしまったため、弱点を狙うことで火力を補っていたガンナーはそれが出来なくなった。 -雑魚モンスターも固い --一例を上げると上位のイーオスは下位のイャンクックの倍以上のHPが設定されていた。 --既存の雑魚モンスターの攻撃のホーミング精度や攻撃範囲が著しく上げられた。 --ゲーム序盤から登場するヤオザミとコンガは、タフな上に攻撃力も高い。 ---弾丸に対する防御力が異常に高く、ボウガンで倒そうとすると大量の弾薬を失うことになり((Lv3散弾を10発使っても倒せない。))、煩わしいにもかかわらず無視するしかない。 ---特にヤオザミは死ぬまでハンターを追いかけ、間合いを取ったりボーっとしたりすることが一切ないため、大型モンスターとの戦闘中にハメ殺される原因にもなる。 --上位クエストに登場するチャチャブーと大雷光虫は、タフな上に的が小さく碌なものを落とさないため存在自体が嫌がらせに近い。 --ガブラスは常に飛行しており体力が非常に多く、非常に倒すのが困難。それに加えエリアのどこからでもハンターを発見するほどの索敵能力を持ち、攻撃範囲も広く、上位では頻繁に無限に沸く。同時に複数が出現するエリアも多い((大型モンスター(古龍)と同時に1つのエリアに10体登場するクエストも存在する。))。 -雑魚モンスターが多い --ほとんどのエリアに配置されており、その多くは無限に湧く。 ---過去作ではランゴスタなど体力や攻撃力の極端に低いモンスターは同時出現1体で無限に沸くことはあったが、今作はどんな雑魚でも複数体が無限に沸く。 ---「目撃情報が少ない」、「古龍出現時しか現れない」といった設定を持つ大雷光虫やガブラスも上位クエストでは普通にどこでも登場する。 --動き回ることが多い片手剣やハンマーなどの場合はまだ何とかなるが、動きが止まることが多いボウガンや機動力の低いランスの場合は、雑魚モンスターが煩わしくてまともに行動できないレベルであった。 --前作では敵対している設定で決して同時に出現しなかったガレオスと角竜が、設定を無視して共闘するようになった。 --弱肉強食という世界観のはずなのに、大型モンスターが活動を始めると雑魚モンスターも一斉にハンターに襲い掛かってくる。 ---さらに本作の場合は、肉食モンスターがやってくると草食モンスターやガレオスのような普段は温厚な敵までもが肉食モンスターの手下のように集中攻撃をしかけてくるため、非常にシュールな光景となっている。 -モンスターの登場順番の練り込み不足 --肉質が固く難敵であるバサルモスがイヤンクックなどと並ぶ最序盤に配置されている。この時点では武器の切れ味も緑ゲージもままならないため弾かれない部位がなく討伐が著しく困難。 --一方、ダイミョウザザミやババコンガなど強豪ではないとされるモンスターがリオレイアと同じランクに配置されている。等モンスターのランク分けが十分に練られていない。 #endregion #region(オンライン) -ハンターランク試験 --あるランクから上へ上がるには、その都度ハンターランク試験を受けねばならない。~ 他作品における「緊急クエスト」に相当するが、そちらは初登場モンスターの討伐クエストであるのに対し~ 本作では登場済みモンスターの討伐クエストであるため、面白みが無い。~ その上''討伐クエストにも関わらず剥ぎ取りが出来ない''のは設定上も不自然で、ゲームとしてもかなりの不満感がある。~ さらに、1度の試練で複数のクエストを順番にやらされるため非常に面倒。~ 他プレイヤーと共にクリアしても、合格扱いになるのは受注した人のみ。 -大闘技会 --捕獲したモンスターを飼育して、他のプレイヤーのモンスター及びハンターと戦わせるというもの。&br()しかし飼育は面倒で対戦するメリットは薄く、まず『MH』に対戦要素を期待しているプレイヤーは少数であったろうことから空振りであった。 --条件を満たすと、捕獲のたびに一定確率で育てるかどうかの選択肢が出る。正直邪魔。 --『MHF』にも実装されているが、追加モンスターに非対応など完全に放棄されている状態である。 -始まりの唄 --森丘のクエストを受注するには「始まりの唄」というアイテムが必要であるが~ その入手方法が攻略サイト必須な上に、''入手方法を教えてもらえるのが入手後''というおかしな仕様。 -秘境への地図 --秘境クエストを受注するには「秘境への七つ道具」なるアイテムが必要なのだが~ その一つの「秘境への地図」の入手方法がやたらと運が必要。 ---入手方法はあるクエストのサブクエストで、龍薬石4つの納品というもの。~ 龍薬石は精算アイテムなので事前準備はできず、剥ぎ取り確率は25%、回数は3回しかない。~ つまり''4人で計12回剥ぎ取っても期待値的には3個しか手に入らない計算''。~ 全員が剥ぎ取り回数を増加させる装備を装備する事で比較的安定して達成することはできるが、~ 達成しても必ずしも秘境の地図が手に入るとは限らない。 //さらに言うと剥ぎ取り装備は、このサブクエスト以外では激運スキルと並ぶ悪評高い装備であり~ //オンラインの人間関係をギクシャクさせる要因ともなった。 //↑剥ぎ取り装備は確かに嫌われていましたが、ラオ地図狙いの募集では特に嫌われてなかったですよ。 //むしろ成功確率を上げる意味では歓迎だったはずです。 -露骨なコンテンツ延命要素 --上記のアイテム入手条件を考慮しない参加難易度の秘境クエストもさることながら、収集要素やイベントのコンプリートを阻害する要素が『MHG』以前に比べて目立った。&br()オンラインゲームである以上プレイ時間を延長させることはオンライン運営側にとって必要なことではあるのだが、そのやり方が運の要素が非常に多く、いやらしかったことが批判を呼んだ。 --その代名詞と言えるのが「炎龍の塵粉」で、特定のモンスターの特定の部位を破壊したときに約2割の確率で1個だけ手に入るという入手確率の低さのわりにその用途が異常に多かった([[参考リンク>http://mh2kaiseki.web.fc2.com/items/items.html?023b]])ことから、MH2のオンラインモードは「塵粉オンライン」等と呼ばれていた。 &br()また、そのモンスターのクエストを少しでも早く回すために武器が指定されることがあったのだが、よりによってその武器を作るための素材に炎龍の塵粉が要求されたため、 アイテムを手に入れるためにそのアイテムが必要という状況になってしまっていた。 &br()&color(red){※2011年6月にマッチングBBのサービスが終了し、本作を含むPS2でリリースされたシリーズ作は全てオンラインモード使用不可となった。} #endregion ---- **評価点 -各種条件の緩和 --『MHP』からの逆輸入で亜種モンスター専用のクエストが用意された。 --『MHG』で非常に面倒だったオフラインでのラオシャンロン出現条件が緩和された。 --据え置き機では定期配信イベント専用であったキリンがシングルモードでも出現するようになった。 --捕獲用アイテムをプレイヤーサイドで作れるようになり、自由に捕獲が行えるようになった。~ 捕獲可能なモンスターが登場するクエストの多くが「狩猟クエスト」、つまり討伐でも捕獲でもクリア可能な形式となった。 ---シビレ罠の追加で、落とし穴とあわせて1人が2個(+調合分)の罠を持てるようになった。~ 落とし穴にかからない角竜や甲殻種のように、シビレ罠のみで捕獲できるモンスターも存在する。 -オフラインモードの拡張要素 --「小さな開拓村を大きくする」というテーマがあり、クエストのクリアや住人の頼みを聞き入れることによって村の施設が拡張し、店の売り物を充実させることが出来る。 --しかし新たなクエストを出現させたり施設を拡張するためには、モンスター素材をはじめ色々なアイテムを要求されることになるため、新たな武器防具の作成が阻害されるなど煩わしい要素も持っている。また初期状態では回復アイテムなどの本当に最低限の物も店売りされていない。しかし、拡張が進めば前作同様に使える。 --ただし、村人のお願いは上で述べた季節を無視したものも混じる。例えば雪山に入れない寒冷期に雪山の特産品を要求する等。 -サブターゲット --一部のクエストに設定されている。クエストのメインである大型モンスターの打倒を果たさずとも、特定のアイテムを取って来る、別の小型モンスターを規定数倒す、大型モンスターのある部位を破壊する、といった条件を満たせばサブターゲット達成となる。 --サブターゲット達成によって報酬が追加され、さらにメインターゲットを達成しなくても帰還することができるようになる。 --これに関連して、作業クエストとして評判が良くない「運搬クエスト」や「精算アイテムの採取クエスト」は、およそサブターゲットに回されている。&br()また、特定の部位だけを破壊してボーナスを狙う「マラソンプレイ」がやりやすくなった。 --亜種と古龍クエストの殆どにはサブターゲットが存在しない。&br()また上記した龍薬石のようによほど強運でないと達成できない理不尽なサブターゲットも存在する。 --このシステムは『MHP』シリーズには導入されていないが、『MH3』で一時的に復活したのちに『MH4』~『[[MHXX>モンスターハンターダブルクロス]]』にも採用されている。 -BGM --一部問題視される(余談参照)と物もあるが、今作もオーケストラ系の曲や民族音楽風の曲が多く、BGMの評価は高い。~ 戦闘面での評判は散々だった古龍種も専用戦闘BGMの評価は高く、後に行われた楽曲人気投票でも上位に入るほど。 ---特にクシャルダオラ戦の「嵐に舞う黒い影」やオオナズチ戦の「深い森の幻影」、テオ・テスカトル/ナナ・テスカトリ戦の「炎国の王妃」、シェンガオレン戦の「大敵への挑戦」、ラージャン戦の「黄金の鬣」などが人気曲。 ---砦でのシェンガオレン戦では、最終ステージでテーマ曲が流れるという、前作のラオシャンロン戦を彷彿させる演出がある。 --細かい部分では、プーギーを撫でるときに専用のBGMが流れるようになった。 -後のシリーズの基盤となる要素の確立 --冒頭で述べた新武器種や、既存武器の新要素、装飾品など、後のシリーズで定番となったシステムの多くが本作から登場している。 ---- **総評 -後継作品にも影響を及ぼす新要素を数多く取り入れ、シリーズの基礎を更に強く固めた作品である。~ しかしその殆どに、主としてバランス調整の観点からの問題が残されていた。~ 元来、何かにつけてひと手間かかるスローライフ的要素を持つゲームだったが、本作はその面倒くささに一層拍車がかかってしまったと言える。~ また、後の作品に影響を与えたといっても、キャンプに戻らないとリタイア出来ないシステム、見返りの少ない連戦を強いる試験クエストなど、今作限りとなった新要素も多い。~ 『2』の要素をそのまま引き継いで始まった『MHF』もよほど不評だったのか、アップデートのたびに『2』の不便な要素が削除あるいは形骸化されており、反面教師という意味では絶大な影響を与えている。 ---- **余談 -モンスターハンターシリーズには作品ごとにアンソロジーコミックや小説が存在し、本作でも発売された。しかし、やはりというか登場人物が上記の問題点に苦しめられる(作者の経験?)姿を描いた作品が多い。 --アンソロジーコミックでは、季節が変わってしまったせいでハチミツが採りたいのに採れないハンターを描いた宮須弥氏、''主人公がハンターランク試験の面倒臭さの余り依頼人であるギルドの重役にビンタをかまして仲間から絶賛される''様子を描いた菊野郎氏など。 --氷上慧一氏による小説版においては、クライマックスで''クシャルダオラ対策の閃光玉を調合分までフルで持ち込んでも足りず、調合素材を現地採集''までしている。 -当時はプロデューサーの失言が問題視される事も多かった。 -本作のプロデューサーである田中剛氏が発売後に行われたファミ通のインタビューにて、バランス調整の拙さを指摘された際に「まぁ、自然はきびしいってことで(笑)」に代表される開き直った発言や、『MHG』や『MHP』のファンを否定するような発言をしてしまい炎上した。 --本作が準ハメ前提のバランスとなったのは、慎重に敵のモーションを見極めるシリーズのゲーム性に対する当てつけだったのではないかと言われている。 --ただし、続編以降も本作と共通するスタッフの問題発言が少なからずあり、田中氏だけが悪かった訳ではないという声もある。 -BGMの盗作疑惑 --今作の「白い闇の住人」と言うBGM((雪山の汎用戦闘BGM。オープニングムービーでも使用されている。))の一部が、映画『スチームボーイ』で使用された劇伴「The Chase」に酷似したフレーズが使用されているとして、一部ユーザーの間で話題となった。 //これ以外にも追加されたBGMに既存の曲に似たBGMが見つかっている。 ---今作をベースにし、フィールドやモンスターが共通する『MHP2』ではそのまま使用されていたが、同じく『MH2』ベースの『MHF』では、疑惑のBGMのみならず一部の汎用戦闘BGMが差し替えられており((『MH2』で追加されたステージの汎用戦闘BGMが差し替えられている。ただし、該当曲と作曲者の異なる闘技場の汎用戦闘BGMだけは使用されている。))、この疑惑をより一層深める事となった。~ また、後の『MHP2G』及び『[[MHX>モンスターハンタークロス]]』でも『MHF』を踏襲している((なお、これらの新汎用戦闘BGMは便宜上MHP2Gが初出として扱われている。))。~ 差し替えられたのは一部の汎用戦闘BGMだけであり、『MHF』以降でも使用されている今作のBGMも存在する。 --カプコンからは盗作疑惑への回答も無く、『MHF』以降の汎用戦闘BGM差し替えの理由も公表されていない。~ また、『スチームボーイ』やその劇伴「The Chase」の著作権保持者からの見解も(少なくとも表向きには)無く、現在に至る。 //あくまで当事者からの公式見解は無いので。
//これはPS2で発売された『モンスターハンター2(ドス)』に関する記事です。 //後継シリーズである『MHP2』,『MHP2G』,『MHF』とは異なるゲームです。これらの内容を書き込むのは控えてください。 //後継シリーズなどからゲームの仕様を憶測して書き込まないでください、システムに関して大きな変更が加えられています。『MH2』の移植作は存在しません。実際にプレイした方が書き込んでください。 //前から思ってたんだけど判定が前は「ゲームバランスが不安定」だったと思うんだけどいつから「なし」に成ったの?なんか変更議論される所見てもそれらしい痕跡がなかったんだが。 *モンスターハンター2 【もんすたーはんたーどす】 |ジャンル|ハンティングアクション|&amazon(B000A85PJI)|&amazon(B000QG5PBC)| |対応機種|プレイステーション2|~|~| |発売・開発元|カプコン|~|~| |発売日|2006年2月16日|~|~| |定価|6,980円(税別)|~|~| |廉価版|2007年07月19日/2,990円(税別)|~|~| |判定|なし|~|~| |ポイント|新要素盛りだくさん&br()それと引き換えに全体のバランス悪化&br()従来の世界観破壊&br()拭いきれない見切り発車感|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[モンスターハンターシリーズリンク>モンスターハンターシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 カプコンの人気シリーズの一つ『[[モンスターハンター]]』の正式ナンバリングタイトル。「dos(ドス)」はスペイン語で「2」を意味する。~ 通算では4作品目に当たるが、それまでが1作目をベースとした拡張版及び移殖版であったのに対して、本作は完全新作となっている。~ 当時は現在ほどの人気は無かったものの、PSPでリリースされた『[[モンスターハンターポータブル]]』が売り上げを伸ばしていたこともあり、コアユーザーからは非常に期待されていたタイトルだった。 &br()&color(red){※なお、2011年6月にマッチングBBのサービスが終了し、本作を含むPS2でリリースされたシリーズ作は全てオンラインモード使用不可となった。} ---- **特徴 -舞台を一新。 --拠点となるのは新天地である「ジャンボ村」。この村の開拓がオフラインのメインストーリーになっている。 --新フィールドを多数追加。旧作での最初のフィールドである「森丘」(MHP以前は「森と丘」という名称)のみ続投。 ---ちなみに、森丘のエリア9で強制的にカメラが近くに来てしまう問題は本作で改善された。 -新武器の追加 --太刀、狩猟笛、ガンランス、弓の四種が追加された。 #region(新武器について詳細) 剣士(『G』で先行登場した双剣と合わせて、1作目から登場した武器の裏バージョンと言える性能となっている) -太刀…大剣と比べてガードできない代わりに大剣ほど鈍くはなく攻撃範囲も広い。攻撃するごとに「練気ゲージ」が溜まり、満タンになると攻撃力が若干上がる。 //切れ味が高まり、弾かれにくくなるのはP2からです -双剣…片手剣と比べてガードできない代わりに手数はさらに増加。「鬼人化」というパワーアップも可能。 -ガンランス…ランスよりさらに機動力は悪化したが、火薬を炸裂させる「砲撃」が可能。「竜撃砲」という大技も持つ。 -狩猟笛…ハンマーと同じく打撃属性の武器。ハンマーより攻撃力は落ちるが、演奏により自分や味方を強化することができる。 ガンナー -弓…スティックを押せば発射できるボウガンと異なり、スティックを引きっぱなしにして弓を引き絞り、離して発射するという操作を行う。矢の本数に制限は無く、リロードが不要で移動しながら溜められるので機動性が高いが、射程は短め。 //携帯機式のボタン操作ではない #endregion #region(既存武器の新要素) -大剣…「溜め攻撃」の追加。タイミングさえ掴めば一撃で大ダメージを与えられる。 -ハンマー…頭部への攻撃を繰り返すとモンスターが「めまい状態(スタン)」になり、一定時間拘束できる。同じ打撃武器である狩猟笛でもスタンが可能。 -片手剣…武器を出したままでもアイテムを使用可能になった。 -ボウガン…ヘビィボウガンの強化パーツが、パワーバレルとシールドの2つに変更された。これに伴い、スキル関連でライトボウガンとヘビィボウガンの使い分けができるようになった。 #endregion -防具強化とデザイン --武器同様、防具も強化出来るようになった。防御力を高めたり、装飾品スロットを増やすことができる。 --さらに一定レベルまで強化すると、より性能の高い上位防具へと派生させる事ができるようになった。 --前作では下位防具と上位防具のデザインが同じであったが、今作ではデザインが異なる。 --Sシリーズ(原種系)とUシリーズ(亜種系)の防具に、性能面での方向性が与えられた。Sは防御力に、Uはスキルに優れるとされる。 //性能だけならGの時点で差別化されている -装飾品 --防具とは別にスキルポイントを備える「装飾品」が導入された。 --武器や防具には装飾品用のスロットが設定され、範囲内で自由に組み込むことができる。 -モンスターの種族 --前作までは大型モンスター全体を指して「飛竜」と呼ばれていたが、それらが「飛竜種」「鳥竜種」「魚竜種」と細分化された。~ これらは従来は設定資料集でのみ用いられていた用語である。 --同じく設定上の用語であり、特殊なモンスターに限られていた「古龍種」が大幅にフィーチャーされ数を増やした(問題点は後述)。 --新たな種族として「牙獣種」「甲殻種」が追加された。 #region(close,新規モンスター) -草食種:ポポ -- -草食種:ガウシカ -飛竜種:ガブラス -甲殻種:ヤオザミ -甲殻種:ガミザミ -甲殻種:ダイミョウザザミ --飛竜の頭蓋骨を背負い赤い甲殻を持つ巨大ヤドカリ。攻防一体の大ハサミを武器として操り、口から泡を吹く。通称「盾蟹」。 -甲殻種:ショウグンギザミ --青い甲殻を持つ巨大ヤドカリ。ハサミは興奮すると大きく展開しハンターを追い詰める。通称「鎌蟹」。 -牙獣種:コンガ -牙獣種:ブランゴ -牙獣種:ドスファンゴ -ブルファンゴのボス。通称「大猪」。 -牙獣種:ババコンガ --カバの顔と太った体格を持つ猿のような生物。放屁攻撃を得意とする。雑食性で腹が減ると毒物でも口に入れてしまう。通称「桃毛獣」。 -牙獣種:ドドブランゴ --発達した筋肉を誇る白いヒヒのような生物。雄叫びと共に子分を呼び寄せ群れで襲ってくる。通称「雪獅子」。 -古龍種:クシャルダオラ --金属質の外殻に身を包み鋼の翼で空を舞う龍。全身に強風をまとい、雨を呼び、口から暴風を吐き出す。通称「風翔龍」もしくは「鋼龍」。 -古龍種:ナナ・テスカトリ/テオ・テスカトル --鱗の密生した表皮と壮麗なたてがみを持つライオンのようで龍のような生物。全身から熱気を放ち炎や爆風を操る通称「陽炎龍」もしくは「炎龍」。 --シングルモードにのみ登場するナナは雌で「炎妃龍」、両方に登場するテオは雄で「炎王龍」とも呼ばれる。 -古龍種:オオナズチ --目撃例が少ないカメレオンのような龍。周りの風景に溶け込んでおり、通常時では姿を確認することが出来ない。多様な毒物を体内で精製する。通称「霞龍」。 -獣人種:チャチャブー -甲殻種:大雷光虫 以下はオンラインにのみ登場した。 -甲殻種:シェンガオレン --巨大龍の頭蓋骨を背負う超巨大ヤドカリ。ラオシャンロンと同じく砦を破壊しようと迫ってくる。通称「砦蟹」。 -牙獣種:ラージャン --目撃例が極めて少ない正体不明の生物。現在は牙獣の一種とされるが、かつては漆黒の毛並みを持つ獣とも黄金の翼で空を飛ぶとも言われていた。怪力に加え口から謎の光線を放つ。通称「金獅子」。 -古龍種:ヤマツカミ --全身が苔生した、山が飛んでいるかのような姿の浮遊生物。頭足類のような風貌で四肢は触手となっており、巨大な口で全てを吸い込み噛み砕く。通称「浮岳龍」。 -古龍種:ミラボレアス(白色) --神々しささえ感じられる白銀の鱗とたてがみをもち、雷を自在に操る龍。怒ると目の周りが血液で染まったような赤に染まる。通称「祖龍」、防具の名称から「ミラルーツ」とも呼ばれる。 -獣人種:キングチャチャブー #endregion -モンスターのサイズのバリエーション --前作では最大サイズのみ記録されていたが今作から最小サイズも記録されるようになった。 --それに伴い普通より小柄なサイズのモンスターも出るようになり一定以下のサイズを倒したときにも金冠((最大サイズとは違い銀冠は存在しない。))がつくようになった。 --最小金冠=スモールサイズ、最大銀冠=ビッグサイズ、最大金冠=キングサイズという呼び方もできた。 -「季節」及び「昼夜の概念」の追加 --季節によって受けられるクエストが変化する。 --同じフィールドでも、季節や時間によって採取アイテムや構造が変化する。 -その他の新しいシステム --3種調合の実装 --時間経過でアイテムの変化するマカ漬けのツボ。 --対戦要素の大闘技会。 --特殊な肉や、肉以外のアイテムを焼くよろず焼きセット。 --氷属性の追加。武器やモンスターのバリエーションがより多彩になった。 --シンボルカラーの登場。条件を満たせば、一部防具の色を変更できる。 ---- **評価点 -各種条件の緩和 --『MHP』からの逆輸入で亜種モンスター専用のクエストが用意された。 --『MHG』で非常に面倒だったオフラインでのラオシャンロン出現条件が緩和された。 --据え置き機では定期配信イベント専用であったキリンがシングルモードでも出現するようになった。 --捕獲用アイテムをプレイヤーサイドで作れるようになり、自由に捕獲が行えるようになった。~ 捕獲可能なモンスターが登場するクエストの多くが「狩猟クエスト」、つまり討伐でも捕獲でもクリア可能な形式となった。 ---シビレ罠の追加で、落とし穴とあわせて1人が2個(+調合分)の罠を持てるようになった。~ 落とし穴にかからない角竜や甲殻種のように、シビレ罠のみで捕獲できるモンスターも存在する。 -オフラインモードの拡張要素 --「小さな開拓村を大きくする」というテーマがあり、クエストのクリアや住人の頼みを聞き入れることによって村の施設が拡張し、店の売り物を充実させることが出来る。 --しかし新たなクエストを出現させたり施設を拡張するためには、モンスター素材をはじめ色々なアイテムを要求されることになるため、新たな武器防具の作成が阻害されるなど煩わしい要素も持っている。また初期状態では回復アイテムなどの本当に最低限の物も店売りされていない。しかし、拡張が進めば前作同様に使える。 --ただし、村人のお願いは上で述べた季節を無視したものも混じる。例えば雪山に入れない寒冷期に雪山の特産品を要求する等。 -サブターゲット --一部のクエストに設定されている。クエストのメインである大型モンスターの打倒を果たさずとも、特定のアイテムを取って来る、別の小型モンスターを規定数倒す、大型モンスターのある部位を破壊する、といった条件を満たせばサブターゲット達成となる。 --サブターゲット達成によって報酬が追加され、さらにメインターゲットを達成しなくても帰還することができるようになる。 --これに関連して、作業クエストとして評判が良くない「運搬クエスト」や「精算アイテムの採取クエスト」は、およそサブターゲットに回されている。&br()また、特定の部位だけを破壊してボーナスを狙う「マラソンプレイ」がやりやすくなった。 --亜種と古龍クエストの殆どにはサブターゲットが存在しない。&br()また上記した龍薬石のようによほど強運でないと達成できない理不尽なサブターゲットも存在する。 --このシステムは『MHP』シリーズには導入されていないが、『MH3』で一時的に復活したのちに『MH4』~『[[MHXX>モンスターハンターダブルクロス]]』にも採用されている。 -BGM --一部問題視される(余談参照)と物もあるが、今作もオーケストラ系の曲や民族音楽風の曲が多く、BGMの評価は高い。~ 戦闘面での評判は散々だった古龍種も専用戦闘BGMの評価は高く、後に行われた楽曲人気投票でも上位に入るほど。 ---特にクシャルダオラ戦の「嵐に舞う黒い影」やオオナズチ戦の「深い森の幻影」、テオ・テスカトル/ナナ・テスカトリ戦の「炎国の王妃」、シェンガオレン戦の「大敵への挑戦」、ラージャン戦の「黄金の鬣」などが人気曲。 ---砦でのシェンガオレン戦では、最終ステージでテーマ曲が流れるという、前作のラオシャンロン戦を彷彿させる演出がある。 --細かい部分では、プーギーを撫でるときに専用のBGMが流れるようになった。 -後のシリーズの基盤となる要素の確立 --冒頭で述べた新武器種や、既存武器の新要素、装飾品など、後のシリーズで定番となったシステムの多くが本作から登場している。 ---- **問題点 新要素を詰め込み過ぎて調整まで手が回らなかったのか、全体的にバランスが悪い。一方で『MHG』における問題点はほとんど手付かずのまま残っている。そのため、先に発売され、あらゆる新システムが成功した『MHP』と比較する形でよく批判された。 #region(システム) -追加要素である季節、昼夜 --アイテムやモンスター、フィールドが制限されるだけであり、季節が変わるまで欲しいアイテムや戦いたいモンスターのお預けを喰らうこととなった。 //--温暖期は雑魚を含める全モンスターの体力が2倍になる、しかし報酬などは他の季節と全く変わらない。 //↑こんな仕様はない。モンスターごとに得意な季節・時間が存在し、その都度モンスターレベルが増減する。 //↑http://mh2kaiseki.web.fc2.com/monslist/monslevel.html --今作ではモンスターレベルでモンスターの防御力まで上がる。季節によっては倒すために通常の倍以上の攻撃が必要になる。 --モンスターごとに得意な季節・時間が設定されているが、ほぼノーヒント。 --寒冷期は素材が取りにくくなる、このゲームでは回復アイテムなどもフィールドで調達しなければならないので非常に煩わしい。 --基本的に夜のフィールドは、通路が封鎖されるなどプレイヤーにデメリットとして働くことが多い。 --似たクエストが季節ごとに存在し、各季節でクリアしないならないためコンプリートが非常に面倒。 --オフラインであれば金を払って季節を繰り上げる事もできるが、オンラインでは繰り上げ不可のため、人によっては時間の都合が合わせられない事も多かった。季節は8時間20分という非常に長いサイクルで変化する。例えば毎日二時間決まった時間にしかプレイできないプレイヤーは5日間以上同じ季節でしか遊べない、温暖期や寒冷期は特定のエリアが封鎖されるため5日間以上そのエリアのクエストが受けられなくなる。 -クエスト出発前の食事 --『MH2』以外のシリーズでは食材をリストから選ぶ形だが、本作では自分で材料となる素材を用意する必要がある。組み合わせはパターン増えたが、能力上昇の関係で一部の食材以外はほとんど使われる事がない。 --ただでさえ容量に余裕がないアイテムボックスが、食事用素材でさらに圧迫される。 --食材専用のアイテムもあれば、武具の素材との兼用もある。武具のために採取してきた素材をうっかり料理してしまう事故も多発。 --同じ素材の組み合わせでも季節によって効果に違いがあるため、季節の変わり目で素材の選び間違いが起こる。 ---プラス効果が皆無の組み合わせが非常に多い上に、作る前に食事効果を確認することもできない。 --クエストの報酬が使えない食材で潰れる。特に「リュウノテール」と言う食材は、食事効果が低く全く使われない食材にもかかわらず報酬に選ばれる確率が高く、序盤の大型モンスターからゲーム終盤に登場するあるモンスターまで一貫して報酬として現われ報酬枠を潰してゆく。 -マカ漬けの壷 --アイテムを壷に入れフィールドに埋めた後、一定時間後に再度掘り出すとアイテムが変化するマカ漬けの壷が追加された。だが、アイテムがより良い物に変化するまで最低でも5分以上かかるため、使い難い。 ---ただ、これを応用すると強力なアイテムである「強走薬グレート」を簡単に作れるので、スタミナを多用する武器には必須である。 -アイテム効果の弱体 --「角笛」というアイテムは未発見状態のモンスターに使うことで、例え移動中であっても強制的に使用したエリアでの戦闘を強いることが出来るアイテムであり、プレイヤーに有利なエリアを通り過ぎようとするモンスターをおびき寄せたり、瀕死で巣に帰ろうとするモンスターを引き止める際によく使われる重要なアイテムだったが、今作ではその機能が全く無くなった、どんなに角笛を吹いてもモンスターはプレイヤーを無視して移動する。 -ムービーの頻度の多さ --武器、防具の生産、強化、果ては装飾品の装備時までいちいちスキップ不可の同じムービーが挿入される。 -クエストリタイアの仕様変更 --キャンプにあるベッドまで戻らねば出来なくなった。わざわざ面倒な方に変更されている。そもそもフィールドによってはベッドが無いのでリタイア自体が不可能である。 -3種調合 --ただ2種調合×2の過程を短くしただけのレシピが殆どを占めている(一応2種調合と系統の異なるレシピや3種調合でしか作れない物もあるにはある)。調合操作の最初で2種か3種かを選ぶ仕様のせいで調合そのものの操作が煩わしくなる。3種調合は2種調合に比べ成功率が若干低いなどのマイナス面しか無かった。 -『MHP』で好評だったシステムの削除 --採取ツアーや農場システムなど『MHP』で好評だったシステムが導入されなかった。 -チャットの漢字変換の使い勝手の悪さ --常用するような漢字が一発で出てこない。例えば「本当(ほんとう)」の変換第一候補は「奔騰」である。 --ただし、ゲーム内アイテムなどは一発で変換出来る。また、「くろねこ」が「メラルー」に変換されたりと、スタッフの遊び心も反映されている。%%そんな暇があったら変換機能をきちんと作り込んで欲しいが…%% #endregion #region(武器) -武器間のバランスの悪さ --既存の武器の問題点 ---ハンマーは頭(大抵のモンスターの弱点)を殴り続けると相手を気絶させることができるという大きなアドバンテージが加わり、かつ今までの攻撃力もそのままであった。複数人いれば簡単にモンスターがハメられるようになってしまいバランスブレイカーと化した。 ---大剣は溜め攻撃が加わった。しかし既存のモーションに比べ極端に威力が高く、既存のモーションを使う意味が薄くなってしまった。無限に繋がる派生など大剣本来の持ち味がなくなってしまったと言われた。 ---片手剣は弾かれにくい特性が『MHP』から弱体化された上で逆輸入され、ジャンプ攻撃後にスーパーアーマーが付いた。更に抜刀中でもアイテムが使えるようになった。上位武器と遜色ないレベルの武器をオフラインで作れてしまうためオフラインでは無敵を誇る。しかし、オンラインでは大した武器がなく不遇だった。 ---ランスは『MHG』での(ステップ→キャンセル攻撃)が強かったためか、ステップ回避を攻撃でキャンセルできなくなり、ただでさえ重い動きがさらに遅くなってしまった。更に持ち味とされていたリーチや打撃属性やガード性能も下げられ、著しく弱くなってしまった。前作では最強武器だったので弱体化は妥当だとしても、あまりにも弱くしすぎである。 ---双剣は、スタミナゲージを消費して高威力の攻撃を行う鬼人化が可能で、『G』の頃から強武器とされていたが、今作ではスタミナゲージの減少を無効にする強走薬(強走薬グレート)が簡単に量産できるため、使いこなせれば極端に強い。((クエスト開始直後に強走薬(強走薬グレート)を全員で飲み、戦闘が始まったら鬼人化してひたすら乱舞を叩き込み、反撃する間を与えずに討伐する準ハメ行為が定着し、プレイの幅を狭める結果となった。なお、本作をベースとする『MHF』・『MHP2』・『MHP2G』でも「双剣は強力」と言われることが多い。)) ---ボウガンは後述の数々の問題点により、まともに戦うことすらできなくなってしまった。そのため、近接武器に比べてガンナーの扱いが極めて悪い。 --新規武器の問題点 ---太刀の表記上の攻撃力は大剣とほぼ同等だが、実際の与ダメージは大剣の半分・片手剣の倍程度。難易度が高いクエストでは使用者がお荷物扱いされるほど。しかも、気刃斬りが得物を振り回す攻撃であることから、他のプレイヤーを妨害する危険が高く、迷惑だという意味でも邪魔扱いされた。 ---ガンランスはランス以上に攻撃動作が遅く攻撃力も片手剣並み、切り札とされている竜撃砲も武器強化で強化されないため上位では全く役に立たない。斬れ味にもマイナス補正がかかっており弾かれやすい。また属性つきが極めて少なく、氷属性がわずかに存在するのみ。 ---狩猟笛は表記上の攻撃力こそ高いが、実際の与ダメージは片手剣並み。片手剣のように手数で勝負することも難しいため、単体では戦力外と言っても過言ではない。特にマルチプレイでは演奏効果持続時間が短くなる仕様の関係で、効果維持のためには敵を殴っている暇が無い。エリアの端で延々と笛を吹くことになる。しかし肝心の笛の効果自体がバリエーションも少なく非常に貧弱。サポートをしたいなら他の強武器を担いで鬼人笛などの全体に効果のあるアイテムを使った方がよほど貢献できるので、ソロでもパーティでも出番は無かった。 ---弓は今作のガンナー系統全般に対する諸々の問題点のために実用に耐えない。溜めながら移動して立ち止まると硬直するバグもある。 --以上のことから、強武器(ハンマー・双剣)とそれ以外の武器種の格差が著しく、特にオンラインでは数々の面倒な仕様も相俟って弱い武器は全く歓迎されないという事態になってしまった。 --何より、「''ウリであるはずの新武器種が揃いも揃って役立たず''」というのはゲームの魅力を大きく損なっている。 -本作から会心率という概念が導入された。会心率が設定された武器は攻撃ヒット時、確率で物理ダメージが増減する。 --しかし、本作のマイナス会心は物理ダメージのカット率が大きく、''文字通り与える物理ダメージが半減する。''極端すぎたためか次回作以降は3/4に軽減された。 -斬れ味白の補正が1.5倍と非常に高い一方で青は一気に1.25倍まで落ちるので、青ゲージしかない武器はよほど突出した何かがない限り産廃も同然の扱いをされた。そして白を持っていても、白が短い武器は必然的に白が長い武器に追いやられてしまいかねない。この斬れ味による格差は先に発売されたMHPでは調整され解決をしているのににもかかわらず、なぜか後発のこちらで問題が再発生してしまっている。 -下位武器と上位武器の差が縮まりすぎている例が幾つか散見される。例えば、上位最終強化である豪剣アグニは下位武器であるイフリートマロウとほぼ並んでしまう。また、会心率や斬れ味が一切関係ないような事例もある。 -武器作成サイクルの調整不足 --このシリーズでは、とあるのモンスターを素材とした武器が別のモンスター(大抵は武器の素になるモンスターより少し強い)に対して有効なことが多い。つまり「モンスターの素材で次のモンスターに有効な武器を作る→そのモンスターの素材で更に次のモンスターに有効な武器を作る」を繰り返し、徐々に装備を強化していくというゲームデザインとなっている。しかし、今作では出現する順番が前適当(モンスターの項を参照)になっているためサイクルが破綻している。 --特に顕著なのが龍属性武器で、古龍の弱点属性にも関わらず古龍の素材を要求されるものが多いく、「古龍を倒すために龍属性武器がほしいが、そのためには古龍を倒さなければならない」というパラドックスが生じてしまう。唯一、龍属性以外の弱点を持ち龍属性武器の作れるモンスターにラオシャンロンが存在するが、登場は古龍関係のクエストが全て終わってからである。 #endregion #region(防具) -防具強化の仕様 --基本的には強化しないと、防御力や装飾品スロットの都合で使い物にならない。生産時の防御力は表示上は前作までと同等以上だが、ダメージ計算式の変化によって防御力の影響が半減している。 --上位装備を入手するには下位装備を強化して派生する必要があるため、面倒。原種→亜種→希少種と三段派生する防具もある。 ---強化するにもモンスターの素材が必要であり、さらに頭・胴・腕・腰・脚の5箇所をそれぞれ個別に強化しなければならない。しかも、素材は1回1回の強化のたびに求められる。上位装備になると入手確率が数%の希少な素材を複数回要求される事もザラ。 ---強化してS系統やU系統の装備に派生した場合にスキルがまったく別物になってしまったり、装飾品スロットが増減することがある。店で売られてる状態からは強化後の状態が全く分からないため、あらかじめ攻略本等で知っておかねばならないと、スキル発動を前提とした装備を作ろうとした場合などに面倒極まりない。 ---防具の最高レベルは初期防御力の高い防具ほど限界レベルも高い仕様であったため、同じランクの防具でも極端に防御力に差が出てしまった。そのため防具選択の幅を狭めてしまった。 --また、強化システムの導入に伴ってMHP以前よりも数値上の防御力は高くなるようになったのだが、実際はダメージ計算式側の改変により防御力から算出される実際のダメージ軽減率はむしろ大幅に下がってしまっている。MHP以前と同等の軽減効果を得るためには概ね2倍程度の防御力が必要。 -装飾品の仕様 --一旦取り外すと壊れてしまうため、再利用ができない。同じ装飾品を作り直すハメになる。 --武器や防具を派生強化する際にも強制的に破壊される。 --そもそもスキルに自由度を持たせるシステムというよりは、装飾品を前提として防具自体のスキルポイントが抑えられた傾向にある。 ---例えば、1部位で有用スキルが発動するピアス系の防具が、スキルポイント制を採用したシリーズでは唯一存在しない。 -SシリーズとUシリーズの差別化 --今作ではSシリーズは防御力が高く、Uシリーズはスキル選択の幅が高いように差別化が図られた。しかしUシリーズは防御力が極端に低く((Sシリーズの2/3程度。))、上位などでは一撃で即死するレベルのものばかりで用いられることがほとんど無かった。また、Uシリーズは友情スキル((Sシリーズもしくは古龍装備を装備した状態でシンボルカラーを指定の組み合わせに揃えると、追加でスキルが発動するシステム))に未対応だったため、この傾向に拍車がかかった。 ---簡単に作成可能なとあるSシリーズの脚装備を使用することでUシリーズ(通常の防具も可)のほぼ全てを、発動スキルをそのままで友情スキルに対応させることができる。しかし、この仕様は結果的に「友情スキルを発動させないのは、そのプレイヤーの怠惰である」という認識を多くのプレイヤーに植え付ける結果となってしまった。 ---この件で特に問題になったのは「友情スキルと通常スキルで上位下位互換のスキル同士が重なった場合(例えば「幸運」と「激運」)、効果の高い方ではなく友情スキルが優先される」という仕様である。その為、上記の認識が「U装備一式を着込み友情スキルを発動させないのは、自分のスキルを優先させる非協力的なプレイヤーである」という方向へ発展してしまったのも問題であった。 --一方でSシリーズは確かに防御力は実用レベルなのだが、有用なスキルが付かない。スロットもほとんど無いため装飾品で補うこともできない。結局、実用的であったのはSとUに分けられておらず、防御力とスキルとスロットを兼ね揃えた古龍装備だけで、防具選択の幅を狭めることになってしまった。 //-難易度の上げ方の問題 //少なくとも防具の説明ではないので、各問題点に分散させました。 #endregion #region(マップ) -エリア移動にかかるロード時間 --前作と比べて倍以上かかる。 -マップ構成 --一方通行が多く、大型モンスターの移動の度に回り道をさせられる事も多いため、ストレスが溜まる。 --砂漠は広大な砂漠を横断しなければエリア移動できないようになったため、エリア移動に非常に時間が掛かる。さらに夜になるとハンターだけが通行できないエリアが生まれるため、キャンプに戻ろうとすると大きく迂回しなければならない。 --火山は半分以上が溶岩に満たされたエリアが存在し、モンスターが溶岩の中から一方的に攻撃してくることも多い。夜になると溶岩地帯がさらに増えてしまう。 --密林や沼地は樹木や霧など要素が削られ、有利なエリアにモンスターを引きずり出すといったゲーム性が乏しくなった。密林は夜になるとハンターが侵入不可能になるエリアにモンスターが籠城したり、沼地については夜になるとエリア移動の度に毒沼を踏まされるため、悪い印象だけが残ることに。 --ハンターだけがダメージを受ける溶岩・間欠泉・毒沼や、より強力になった暑さや寒さの効果など、ありがたくない地形効果ばかりが追加された。 --開放順に関しても、密林の次の探索エリアがいきなり火山や雪山である。アイテム資産も少ない序盤段階のプレイヤーに体力やスタミナの消費が激しい火山や雪山での強敵の狩猟が依頼される。 #endregion #region(モンスター) -古龍種に対する批判 --公式設定で「あらゆる生態から逸脱した圧倒的な存在」とされており、実際に雷を起こしたり炎を操ったりと、''ファンタジー色が強い''。~ 旧作までのモンスターは、圧倒的な力を持ちつつも人間と同様に自然界を生きる「野性動物」としての面が強調されていたことから、古龍種のこういった側面が、「シリーズの世界観にそぐわない」という意見は根強い。 --素でも十分手強い古龍種であるが、それぞれが持つ能力がこれまたあまりに強い。または煩わしい。 ---クシャルダオラは体力が低下するにつれて低空飛行の頻度が跳ね上がり、上位ではHP30%以下で怒り状態になると常に飛行モードになるAIであり、~ しかもHP30%以下では攻撃を1回当てただけで怒り状態に突入してしまう、~ そのためにリーチの短い武器ではアイテムが尽きた瞬間~ 怒りの切れた直後以外は攻撃できなくなり文字通り詰み状態になってしまう。 ---テオ・テスカトルとナナ・テスカトリは体に炎の鎧を纏って~ 避ける避けないにかかわらず近付くだけでハンターの体力が奪われる仕様であるほか、~ MH2では突進や飛び掛かりといった物理攻撃に一切の予備動作がなく、~ 後ろ足付近であろうが範囲内にプレイヤーがいれば振り向きも挟まずに問答無用で使用してくる。~ 更にこれらの攻撃の威力も高く設定されており、通常時でも7割近く怒り状態ではほぼ即死の威力を持っていた。 ---オオナズチは姿を風景と同化させる能力を持つのだが、後発の作品のように攻撃の瞬間は見えたり、怯むと輪郭が見えるようになるようなものとは異なりこれが本当に''全く見えない''。~ 透明状態では著しく固く特定のスキルがないと攻撃すら困難。 --角や尻尾といった特定部位を破壊すると上記の能力を封じることが出来るため、古龍種との戦闘において部位破壊は非常に重要となるのだが、~ 部位破壊するためには「対象部位に一定のダメージを与える」だけでなく、「''モンスター自体の体力も一定値以下である''」必要がある。~ そのため「早い段階で部位破壊をして展開を楽にする」という戦術は使えない。~ あえてモンスターのHPを表示していない本シリーズのシステムとも相性が悪い。 --弱点属性が龍属性に集中している。部位破壊条件に「''龍属性の武器のみ''」というものさえあるのだが、''龍属性の武器が存在しない武器種がある''。 --これらの攻略法としてプレイヤーが出した結論は「高火力でひたすら怯ませて何もさせず倒す」事であり、技術も攻略もない強い武器で延々とモンスターに向かって攻撃を連打するプレイングが強要された。 --因みに、古龍種の不評については開発サイドも把握していたのか、『[[MH3>モンスターハンター3]]』まで新たな古龍種は追加されなかった。~ 『MHP2』のアカムトルムが「安易に古龍種と判断するのは憚られるため飛竜種に分類した」とゲーム内で解説されていたことや、『MHF』のラヴィエンテが「種族不明」とされていることからも、意識的に出すのを避けていた節がある。~ なお、近年のシリーズでは、比較的「古龍種の存在」を受け入れる層が増えた為、再び古龍種が増えてきている。 -大型モンスターのエリア移動 --従来の戦闘時間に応じたエリア移動に加えて5分間隔でモンスターがエリア移動するようになった、そのため大型モンスターのエリア移動が多い。 --またプレイヤーが同じエリアに到着すると一定確率で逃走する仕様が追加された。それまで静止していたのにプレイヤーが駆け付けるや否や飛び立つということも多い。 ---このエリア移動頻度はオンラインにおいて特に問題があり、オンラインにおいてはモンスターの移動やクエストタイムがサーバー管理であり、ロードしている間にモンスターが他のエリアへ移動を始めていることがとても多い。 ---特に「空の王者」ことリオレウスはその傾向が顕著で、戦っている時間より追いかけっこをしている時間の方が長いという本末転倒な問題が度々発生する。 --複数のエリアをまたいで移動することが多く、同じ方向にも係わらず異なるエリアへと移動するため、前作や後のシリーズ作のように移動方向から移動先を予測することが出来ず、経験が活きない。 -大型モンスターが固い --モンスターレベルの仕様変更によりモンスターレベルで肉質まで強化されるため、モンスターの肉質が異常に硬い。 --この仕様が弾かれ無効の双剣ハンマー環境に拍車をかけた。 --この肉質問題に上記のエリア移動問題が加わることで、後発のシリーズではあまり見られない''時間制限オーバー''が頻発する。中でも装備の能力値が頭打ちになるシングル後半では、常に時間との戦いになる。 --新モンスターにはことごとく極端な弱点部位が存在せずどこを斬っても差が少ない。特に前作では弱点部位が弱点とそれ以外で3倍近い差があり極端だった弾耐性も平たくなってしまったため、弱点を狙うことで火力を補っていたガンナーはそれが出来なくなった。 -雑魚モンスターも固い --一例を上げると上位のイーオスは下位のイャンクックの倍以上のHPが設定されていた。 --既存の雑魚モンスターの攻撃のホーミング精度や攻撃範囲が著しく上げられた。 --ゲーム序盤から登場するヤオザミとコンガは、タフな上に攻撃力も高い。 ---弾丸に対する防御力が異常に高く、ボウガンで倒そうとすると大量の弾薬を失うことになり((Lv3散弾を10発使っても倒せない。))、煩わしいにもかかわらず無視するしかない。 ---特にヤオザミは死ぬまでハンターを追いかけ、間合いを取ったりボーっとしたりすることが一切ないため、大型モンスターとの戦闘中にハメ殺される原因にもなる。 --上位クエストに登場するチャチャブーと大雷光虫は、タフな上に的が小さく碌なものを落とさないため存在自体が嫌がらせに近い。 --ガブラスは常に飛行しており体力が非常に多く、非常に倒すのが困難。それに加えエリアのどこからでもハンターを発見するほどの索敵能力を持ち、攻撃範囲も広く、上位では頻繁に無限に沸く。同時に複数が出現するエリアも多い((大型モンスター(古龍)と同時に1つのエリアに10体登場するクエストも存在する。))。 -雑魚モンスターが多い --ほとんどのエリアに配置されており、その多くは無限に湧く。 ---過去作ではランゴスタなど体力や攻撃力の極端に低いモンスターは同時出現1体で無限に沸くことはあったが、今作はどんな雑魚でも複数体が無限に沸く。 ---「目撃情報が少ない」、「古龍出現時しか現れない」といった設定を持つ大雷光虫やガブラスも上位クエストでは普通にどこでも登場する。 --動き回ることが多い片手剣やハンマーなどの場合はまだ何とかなるが、動きが止まることが多いボウガンや機動力の低いランスの場合は、雑魚モンスターが煩わしくてまともに行動できないレベルであった。 --前作では敵対している設定で決して同時に出現しなかったガレオスと角竜が、設定を無視して共闘するようになった。 --弱肉強食という世界観のはずなのに、大型モンスターが活動を始めると雑魚モンスターも一斉にハンターに襲い掛かってくる。 ---さらに本作の場合は、肉食モンスターがやってくると草食モンスターやガレオスのような普段は温厚な敵までもが肉食モンスターの手下のように集中攻撃をしかけてくるため、非常に違和感の強い光景となっている。 -モンスターの登場順番の練り込み不足 --肉質が固く難敵であるバサルモスがイヤンクックなどと並ぶ最序盤に配置されている。この時点では武器の切れ味も緑ゲージもままならないため弾かれない部位がなく討伐が著しく困難。 --一方、ダイミョウザザミやババコンガなど強豪ではないとされるモンスターがリオレイアと同じランクに配置されている。等モンスターのランク分けが十分に練られていない。 #endregion #region(オンライン) -ハンターランク試験 --あるランクから上へ上がるには、その都度ハンターランク試験を受けねばならない。~ 他作品における「緊急クエスト」に相当するが、そちらは初登場モンスターの討伐クエストであるのに対し~ 本作では登場済みモンスターの討伐クエストであるため、面白みが無い。~ その上''討伐クエストにも関わらず剥ぎ取りが出来ない''のは設定上も不自然で、ゲームとしてもかなりの不満感がある。~ さらに、1度の試練で複数のクエストを順番にやらされるため非常に面倒。~ 他プレイヤーと共にクリアしても、合格扱いになるのは受注した人のみ。 -大闘技会 --捕獲したモンスターを飼育して、他のプレイヤーのモンスター及びハンターと戦わせるというもの。&br()しかし飼育は面倒で対戦するメリットは薄く、まず『MH』に対戦要素を期待しているプレイヤーは少数であったろうことから空振りであった。 --条件を満たすと、捕獲のたびに一定確率で育てるかどうかの選択肢が出る。正直邪魔。 --『MHF』にも実装されているが、追加モンスターに非対応など完全に放棄されている状態である。 -始まりの唄 --森丘のクエストを受注するには「始まりの唄」というアイテムが必要であるが~ その入手方法が攻略サイト必須な上に、''入手方法を教えてもらえるのが入手後''というおかしな仕様。 -秘境への地図 --秘境クエストを受注するには「秘境への七つ道具」なるアイテムが必要なのだが~ その一つの「秘境への地図」の入手方法がやたらと運が必要。 ---入手方法はあるクエストのサブクエストで、龍薬石4つの納品というもの。~ 龍薬石は精算アイテムなので事前準備はできず、剥ぎ取り確率は25%、回数は3回しかない。~ つまり''4人で計12回剥ぎ取っても期待値的には3個しか手に入らない計算''。~ 全員が剥ぎ取り回数を増加させる装備を装備する事で比較的安定して達成することはできるが、~ 達成しても必ずしも秘境の地図が手に入るとは限らない。 //さらに言うと剥ぎ取り装備は、このサブクエスト以外では激運スキルと並ぶ悪評高い装備であり~ //オンラインの人間関係をギクシャクさせる要因ともなった。 //↑剥ぎ取り装備は確かに嫌われていましたが、ラオ地図狙いの募集では特に嫌われてなかったですよ。 //むしろ成功確率を上げる意味では歓迎だったはずです。 -露骨なコンテンツ延命要素 --上記のアイテム入手条件を考慮しない参加難易度の秘境クエストもさることながら、収集要素やイベントのコンプリートを阻害する要素が『MHG』以前に比べて目立った。&br()オンラインゲームである以上プレイ時間を延長させることはオンライン運営側にとって必要なことではあるのだが、そのやり方が運の要素が非常に多く、いやらしかったことが批判を呼んだ。 --その代名詞と言えるのが「炎龍の塵粉」で、特定のモンスターの特定の部位を破壊したときに約2割の確率で1個だけ手に入るという入手確率の低さのわりにその用途が異常に多かった([[参考リンク>http://mh2kaiseki.web.fc2.com/items/items.html?023b]])ことから、MH2のオンラインモードは「塵粉オンライン」等と呼ばれていた。 &br()また、そのモンスターのクエストを少しでも早く回すために武器が指定されることがあったのだが、よりによってその武器を作るための素材に炎龍の塵粉が要求されたため、 アイテムを手に入れるためにそのアイテムが必要という状況になってしまっていた。 //&br()&color(red){※2011年6月にマッチングBBのサービスが終了し、本作を含むPS2でリリースされたシリーズ作は全てオンラインモード使用不可となった。} //問題点ではないので概要に移動。 #endregion ---- **総評 -後継作品にも影響を及ぼす新要素を数多く取り入れ、シリーズの基礎を更に強く固めた作品である。~ しかしその殆どに、主としてバランス調整の観点からの問題が残されていた。~ 元来、何かにつけてひと手間かかるスローライフ的要素を持つゲームだったが、本作はその面倒くささに一層拍車がかかってしまったと言える。~ また、後の作品に影響を与えたといっても、キャンプに戻らないとリタイア出来ないシステム、見返りの少ない連戦を強いる試験クエストなど、今作限りとなった新要素も多い。~ 『2』の要素をそのまま引き継いで始まった『MHF』もよほど不評だったのか、アップデートのたびに『2』の不便な要素が削除あるいは形骸化されており、反面教師という意味では絶大な影響を与えている。 ---- **余談 -モンスターハンターシリーズには作品ごとにアンソロジーコミックや小説が存在し、本作でも発売された。しかし、やはりというか登場人物が上記の問題点に苦しめられる(作者の経験?)姿を描いた作品が多い。 --アンソロジーコミックでは、季節が変わってしまったせいでハチミツが採りたいのに採れないハンターを描いた宮須弥氏、''主人公がハンターランク試験の面倒臭さの余り依頼人であるギルドの重役にビンタをかまして仲間から絶賛される''様子を描いた菊野郎氏など。 --氷上慧一氏による小説版においては、クライマックスで''クシャルダオラ対策の閃光玉を調合分までフルで持ち込んでも足りず、調合素材を現地採集''までしている。 -当時はプロデューサーである田中剛氏の失言が槍玉に挙げられることが多かった。 -田中氏が発売後に行われたファミ通のインタビューにて、バランス調整の拙さを指摘された際に「まぁ、自然はきびしいってことで(笑)」に代表される開き直った発言や、『MHG』や『MHP』のファンを否定するような発言をしてしまい炎上した。 --本作が準ハメ前提のバランスとなったのは、慎重に敵のモーションを見極めるシリーズのゲーム性に対する当てつけだったのではないかと言われている。 --ただし、続編以降も本作と共通するスタッフの問題発言が少なからずあり、田中氏だけが悪かった訳ではないという声もある。~ また、勘違いされがちだが田中氏は初代にも携わっており、本作だけに携わった人物ではない。 -BGMの盗作疑惑 --今作の「白い闇の住人」と言うBGM((雪山の汎用戦闘BGM。オープニングムービーでも使用されている。))の一部が、映画『スチームボーイ』で使用された劇伴「The Chase」に酷似したフレーズが使用されているとして、一部ユーザーの間で話題となった。 //これ以外にも追加されたBGMに既存の曲に似たBGMが見つかっている。 ---今作をベースにし、フィールドやモンスターが共通する『MHP2』ではそのまま使用されていたが、同じく『MH2』ベースの『MHF』では、疑惑のBGMのみならず一部の汎用戦闘BGMが差し替えられており((『MH2』で追加されたステージの汎用戦闘BGMが差し替えられている。ただし、該当曲と作曲者の異なる闘技場の汎用戦闘BGMだけは使用されている。))、この疑惑をより一層深める事となった。~ また、後の『MHP2G』及び『[[MHX>モンスターハンタークロス]]』でも『MHF』を踏襲している((なお、これらの新汎用戦闘BGMは便宜上MHP2Gが初出として扱われている。))。~ 差し替えられたのは一部の汎用戦闘BGMだけであり、『MHF』以降でも使用されている今作のBGMも存在する。 --カプコンからは盗作疑惑への回答も無く、『MHF』以降の汎用戦闘BGM差し替えの理由も公表されていない。~ また、『スチームボーイ』やその劇伴「The Chase」の著作権保持者からの見解も(少なくとも表向きには)無く、現在に至る。 //あくまで当事者からの公式見解は無いので。

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