「デススマイルズII 魔界のメリークリスマス」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

デススマイルズII 魔界のメリークリスマス - (2022/01/01 (土) 20:40:17) の最新版との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

#contents() ---- *デススマイルズII 魔界のメリークリスマス 【ですすまいるずつー まかいのめりーくりすます】 |ジャンル|シューティング|&image(https://livedoor.blogimg.jp/sr_cobra/imgs/a/b/aba6df12-s.jpg)| |対応機種|アーケード|~| |発売・開発元|ケイブ|~| |稼動開始日|2009年5月13日|~| |プレイ人数|1~2人|~| |判定(初期ver.)|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~| |判定(最終ver.)|BGCOLOR(paleturquoise):''改善''|~| |ポイント|典型的な「''前作を越えられぬ作品''」|~| |>|>|CENTER:''[[ケイブ弾幕系STGシリーズ]]''| ---- **概要 ケイブが製作し、幅広いユーザーに対応する難易度選択やキャラクターで人気を博した『[[デススマイルズ]]』の続編。~ 前作の数ヵ月後、クリスマスに起きた事件が描かれる。 **システム・特徴 -基本は前作同様、左右へのショット打ち分け、アイテムカウンタを使ったパワーアップ、選択ステージを好きな順番で攻略していくようになっている。 --ただし、ゲーム開始直後はオープニングとなるステージ1を必ずプレイする必要がある。 -ロックオン攻撃は結界レーザーと名前を変え、アイテムカウンタの代わりに結界ゲージを消費するようになった。結界ゲージは時間経過、アイテム取得で回復する。 -アイテムカウンタが1000になった時、またはパワーアップ中に発射される敵側の特殊攻撃が登場。 --使い魔消滅弾はカウンタが1000の時に発射され、使い魔(オプション)を当てると消すことが出来る。 --パワーアップ反応弾はパワーアップ中に通常攻撃で破壊すると発射される撃ち返し。 --結界反応弾はパワーアップ中に結界レーザーで攻撃すると発射される撃ち返し。 --2種類の反応弾はアイテムに変換することが出来、これを活用してパワーアップ→大量のアイテム精製→リチャージ→パワーアップ→…が本作の稼ぎ方法となっている。 -グラフィックは完全3D化。画面奥から攻撃してくる敵なども追加された。 -前作のプレイヤーキャラからローザ、フォレットが削除(デモ専用)。新キャラのスーピィ、レイと入れ替わった。 --スーピィは幼女、レイはその''兄''である初の男性かつ女装キャラ。また、スーピィの使い魔は前作のラスボスが変化したティラノサタンゴースト。レイの使い魔はピピとペペの2人組みでサキュラに近いポジションと言える。 --キャラデザは前作同様、井上淳哉氏だが頭身や塗りの変更で違った印象を受ける。 -ゲーム内容の順次アップデートが行われたが……(後述)。 ---- **評価点 -音楽はおなじみ並木学氏が担当。クリスマスを意識した曲が多く、印象的な曲が多い。 --ラスボス戦は前作と同じく既存の有名曲のアレンジとなっており、今作ではアヴェ・マリアが起用されている。 -各キャラクターごとに2種類あるエンディングといった要素は引き継がれている。 -当たり判定の表示や敵出現サインなど遊びやすさを重視した点は変更されていないので、比較的プレイしやすい。 **賛否両論点 -グラフィックの3D化はやや不評。前作のようなダークな雰囲気はだいぶ薄れている。敵弾が見難いという意見も。 --ただ、前作のように横シューなのに縦スクロールのステージがあったり、背景を回り込んでいく3Dを活かした演出などは秀逸。 -キャラクターデザインも全体的に賛否両論。全員がフォレットのような丸顔になり、前作より幼い印象になっている。 **問題点 -稼動当初、点数バグや永久パターンといったバグの存在、それどころか''最終ステージ未実装''という前代未聞の状態でリリースされ、多くの批判を受けた。 --最終ステージが実装されたのはバージョン3.0になってから。それまでは途中で強制終了になっていた。 --最終ステージを入れても全5面、EXステージや真ボスもなく前作からボリュームダウンしている。 -地形を重視したステージが遺跡くらいしかなく、地形を利用した戦略性は薄くなった。 -前作で好評だったレベル選択制が廃止され、初心者には厳しい難易度となってしまった。 -稼ぎのシステムが分かり難いという意見も。この点は後作の『[[赤い刀]]』でより顕著となっていく。 -ストーリーも前作から大幅にスケールダウン。「クリスマスに起こった一騒動」というほぼ内輪で完結するような番外編エピソード的シナリオで、ナンバリングを冠するにはこぢんまりした内容となった。 --前作は『異世界にはぐれた少女が仲間とともに困難に立ち向かい、自分の新しい居場所を見つける』という一本芯の通ったストーリーであり、テーマは意外に硬派。そのため「萌え系」という前評判を覆し好評を得ていた。しかし本作はご都合主義・更に自重しなくなった萌え要素(どちらかというと、キャラを性的な方面で軽々しく扱っている)という点でマイナスイメージを与え、敬遠してしまったファンも多い。 ---- **総評 前作で好評だった点の廃止、前代未聞の最終ステージ未実装などからプレイヤーからは不評意見が多くなってしまった。~ プレイするなら下記の家庭用移植版の方が色々良くなっているのでオススメ出来る。~ 現在ではそこそこ遊べるようになったためか、今でも稼動しているゲーセンも見かけるので家庭用版の体験プレイとして遊んでみるのもいいかもしれない。 ---- **余談 -キャラデザ担当の井上淳哉氏が稼動時期を驚いていた点から、相当の前倒し稼動であったと推測されている。更に家庭用移植版で各問題点が直されているため、アーケード版は実質βテストだったのでは?という意見も絶えない。 -本作の制作体制の杜撰さはケイブ社内でも問題になったようで、担当プロデューサーはその後責任をとる形で降格させられたとの事。 ---- *デススマイルズIIX 魔界のメリークリスマス 【ですすまいるずつーえっくす まかいのめりーくりすます】 |ジャンル|シューティング|CENTER:&amazon(B003AQBANW)|CENTER:&amazon(B003AQBAN2)| |対応機種|Xbox 360|~|~| |発売・開発元|ケイブ|~|~| |発売日|2010年5月27日|~|~| |定価|7,140円|~|~| |プレイ人数|1人~2人|~|~| |レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~|~| |廉価版|プラチナコレクション&br()2011年11月10日/2,980円|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| ---- **概要(IIX) デススマイルズIIの家庭用移植版。~ ACの移植と完全版となる「IIXモード」、システムを変更した「アレンジモード」、おまけミニゲーム「使い魔レース」を収録している。 ---- **アーケードからの変更点 -グラフィックはHD解像度に対応。 -初代デススマイルズに準拠したレベル選択を実装。ただし、レベル999はない。 --また、初代と違って選択回数の制限がないため、全てレベル1進行なども出来る。 -新ステージとして選択ステージ「迷路」とEXステージ「廃楽園」を追加。 -特定の条件を満たすことでサタンクロウズを倒した後に真ボス「ピジョンブラッドジルバ」が登場。 --また、ボス戦前に登場ムービーが流れるようになった。オプションでオフにすることも可能。 -プレイヤーキャラにローザとフォレットの2人が復活。合計6人に。 --メガブラックレーベルで追加されたサキュラだけいないが、一部EDで登場する。 -イベントシーンがフルボイス化。 //「サキュラは真エンドのみ登場」は間違い、キャスパーのおねだりしないエンドにも登場します。 ***アレンジモードのシステム -基本はIIXモードに準拠しているが、ショットで敵弾を破壊することが可能になり、新たに「使い魔投げ」という要素が追加された。 --その名の通り使い魔を投げ、通過したところにいる敵をロックし、結界レーザーを発射するというもの。 --パワーアップ中は敵弾を消してアイテム化することが出来る。なお、パワーアップはアイテムカウンタが1000になると自動で発動するようになっている。 -画面上にテンションメーターが用意され、メーターに応じて敵の強さが変化するようになった。 --メーターは時間経過ですぐなくなるが、アイテム(青)をとり続けることで保つことが出来る。 -パワーアップ後、使い魔を投げずにいると画面が赤くなりヒートアップ状態になる。ヒートアップ中はテンションメーターがどんどん上昇していく。この状態で使い魔を投げるとフィーバータイムが発動する。 ***使い魔レース -STGではなく、使い魔を使ったアクションゲーム。好きな使い魔を選び、各ステージのゴールを目指す。 -操作は移動とジャンプの2つだけ。使い魔によってジャンプの高さが違う。 -使い魔は壁や天井で跳ね返り、独特の慣性がつく。 ---- **評価点(IIX) -AC版の不評点のほとんどが直され、敵配置の調整などもあって全体的に遊びやすくなっている。 -追加ステージ「廃楽園」は遊園地を舞台にしたステージなのだが、某夢の国を彷彿とさせるような敵が出てきたりと不気味ながらもギャグ調の演出が楽しい。 --ボスキャラは2体。プレイヤーそっちのけでケンカし、その余波が弾幕となって降り注ぐという独特の演出になっている。 -アレンジモードはさらに大量のアイテムが出現し、非常に爽快感がある。 **賛否両論点(IIX) -使い魔レース自体は可もなく不可もなく、あくまでおまけといったレベル。 --本編では聴けない前作のBGMを聴けるという利点はある。ゲームのアイディアそのものは悪くないのでSTG本編の箸休めには丁度いいかもしれない。 -真ボスのピジョンブラッドジルバであるが、「前作と似たような弾幕」「相変わらずボムバリアなし」「防御力がボスの中でも最低クラス」なため、ごり押しが通じ非常に弱い。 --真ボス出現前に大回復アイテムが出現するのも相まって負ける方が難しい。 ---しかし、実績の中には負けた場合の実績もあるので、一度は負けねばならない。 --ちなみに出現方法も簡単((全ステージのボスを結界レーザーで倒す、というあっさりとしたもの。))。 -自機性能のバランスは悪い。復活して追加されたフォレットとローザがどちらもかなりの高性能キャラ。フォレットは火力が凄まじく(特に使い魔のドラゴンが吐く炎)、ローザはショット幅の広さによる安定感を持ち火力も決して低くない。はっきりいってただクリアしたいだけなら、二人を使わない理由がないほど。 --フォレットとローザが強いのは前作時点からではあるが、「メガブラックレーベル」でアッパー調整を受けていたはずのウィンディアやキャスパーは特に強くなっていないため、より差がついてしまっている。まあ、年長者が強いという、ある意味では正しい力関係なのかも知れないが…。 --一方で、前作MBLで最強ともいわれるサキュラのリファインであるレイはそこまで強くない。 -ストーリー・設定の細かいアラ #region(ラスボスとエンディングのネタバレ含む) -今回の敵は主人公の祖父に逆恨みしただけの小悪党で、ラスボス戦も単に巨大化しただけ。見るからに大物の悪魔がラスボスだった前作と比べると明らかに役者不足。 -エンディングの二択も前作から引き続き登場…だが、「元の世界に帰る」「この世界に残る」という大切な選択だった前作とはうって変わり「おじいちゃんにおねだりする」か「しない」かなので、どちらにせよハッピーエンド。よく言えばめでたしめでたしなのだが、悪く言うとご都合主義。~ おねだりしない場合は後日談といった形になる。 --一応フォローすると、レイのみはある程度大きな選択になる。(ネタバレ防止の為詳細は伏せるが) --フォレットでおねだりすると…''まあ大体想像はできると思います''。 -真ボス「ピジョンブラッドジルバ」は上記の通りのありさま。ストーリーのコメディ路線への転換のあおりを受けて性格もまるっきり別物になっており、ほぼ別人である。 --しかもこのジルバ、ジルバラードで身につけた魔法の力で''元の世界(=現代の地球)を制圧した''らしい……。~ 誰もストーリー設定担当を止めなかったのか? --一部EDのみに登場するサキュラも、世界観変化の都合によりコメディチックなキャラになっている。前作MBLでのシリアスな展開は一切無い。 -このように、細かい部分で制作者のセンス不足を感じさせる要素が積み重なっており、プレイヤーをどうにも萎えさせてくれるストーリーとなっている。 --勿論、プレイヤー個人の感性に大きく依存する部分もあるため、一概に問題点と言えないが。 #endregion **問題点(IIX) -HD化されてはいるものの、3D自体の問題点(弾の見難さなど)は変わっていない。 -地形の少なさは相変わらず。追加ステージも地形なし。 -前述通り「IIXモード」がACの完全上位互換になっているため、「アーケードモード」がほとんど死にモードになってしまっている。 ---- **総評(IIX) AC版から大幅にボリュームアップ、遊びやすくなっている良移植。~ 最初からこの状態で出荷されていればAC版の不評も少なかったかもしれない。 ---- **余談 -廃楽園ステージのボス、マッドテディ&マッドバニーが360版『[[怒首領蜂最大往生]]』のOPムービーにぬいぐるみとして出演している。 -予約特典のミュージックパックコンテンツの作曲陣が非常に豪華((並木学氏、TECHNOuchi(竹ノ内裕治)氏、桜庭統氏、伊藤賢治氏、なるけみちこ氏、古川もとあき氏、渡部恭久氏、岩田匡治氏、金田充弘氏、岩垂徳行氏、青木佳乃氏、WASi303氏、そして故梅本竜氏。))。本編とはまた違った熱い曲調でゲームを盛り上げてくれる。 --BGM自体はサントラも発売されているので、こちらを購入することで視聴可能。 -2021年にswitchとPS4に移植される事が決まった。タイトルは『デススマイルズ I・II』。パブリッシャーはシティコネクションに移動し、2021年12月16日に発売。 --全てのバージョンで遊ぶことができ、さらに各ステージを状況を設定して自由にプレイ出来る「トレーニング」、オンラインで他のプレイヤーと得点を競う「リーダーボード」、さらにオンライン上のプレイヤーのリプレイを保存し、いつでも見れるようにする「ウォッチリプレイ」等、機能がとても充実している。 --…のだが、収録されている「Ⅰ」と比べると、得点やボムを拡大して表示する「エキストラウィンドウ」やBGMの変更等、「Ⅰ」で設定できた項目が存在しておらず、DLCキャラも「Ⅱ」では使えない、と明らかな格差が生まれている。 --ちなみに使い魔レースは未収録。
#contents ---- *デススマイルズII 魔界のメリークリスマス 【ですすまいるずつー まかいのめりーくりすます】 |ジャンル|シューティング|&image(https://livedoor.blogimg.jp/sr_cobra/imgs/a/b/aba6df12-s.jpg)| |対応機種|アーケード|~| |発売・開発元|ケイブ|~| |稼動開始日|2009年5月13日|~| |プレイ人数|1~2人|~| |判定(初期ver.)|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~| |判定(最終ver.)|BGCOLOR(paleturquoise):''改善''|~| |ポイント|典型的な「''前作を越えられぬ作品''」|~| |>|>|CENTER:''[[ケイブSTGシリーズ]]''| ---- **概要 ケイブが製作し、幅広いユーザーに対応する難易度選択やキャラクターで人気を博した『[[デススマイルズ]]』の続編。~ 前作の数ヵ月後、クリスマスに起きた事件が描かれる。 **システム・特徴 -基本は前作同様、左右へのショット打ち分け、アイテムカウンタを使ったパワーアップ、選択ステージを好きな順番で攻略していくようになっている。 --ただし、ゲーム開始直後はオープニングとなるステージ1を必ずプレイする必要がある。 // 結界レーザーで結界ゲージを消費するのはIIXモードなので、記述をアケ版の項から移しました。 // ロックオン攻撃は結界レーザーと名前を変え、アイテムカウンタの代わりに結界ゲージを消費するようになった。結界ゲージは時間経過、アイテム取得で回復する。 -ロックオン攻撃は結界レーザーと名前を変え、展開した結界の中に入った敵への自動攻撃となった((展開中はアイテムカウンタを高速で消費する。))。 --結界はキャラによって展開の仕方が異なるほか、アイテムカウンタの量で大きさが変わる。 -アイテムカウンタが1000になった時、またはパワーアップ中に発射される敵側の特殊攻撃が登場。 --使い魔消滅弾はカウンタが1000の時に発射され、使い魔(オプション)を当てると消すことができる。 --パワーアップ反応弾はパワーアップ中に通常攻撃で破壊すると発射される撃ち返し。 --結界反応弾はパワーアップ中に結界レーザーで攻撃すると発射される撃ち返し。 --2種類の反応弾はアイテムに変換することが出来、これを活用してパワーアップ → 大量のアイテム精製 → リチャージ → パワーアップ →…が本作の稼ぎ方法となっている。 -グラフィックは完全3D化。画面奥から攻撃してくる敵なども追加された。 -前作のプレイヤーキャラからローザ、フォレットが削除(デモ専用)。新キャラのスーピィ、レイと入れ替わった。 --スーピィは幼女、レイはその''兄''である初の男性かつ女装キャラ。また、スーピィの使い魔は前作のラスボスが変化したティラノサタンゴースト。レイの使い魔はピピとペペの2人組みでサキュラに近いポジションと言える。 --キャラデザは前作同様、井上淳哉氏だが頭身や塗りの変更で違った印象を受ける。 -ゲーム内容の順次アップデートが行われたが……(後述)。 ---- **評価点 -音楽はおなじみ並木学氏が担当。クリスマスを意識した曲が多く、印象的な曲が多い。 --ラスボス戦は前作と同じく既存の有名曲のアレンジとなっており、今作ではアヴェ・マリアが起用されている。 -各キャラクターごとに2種類あるエンディングといった要素は引き継がれている。 -当たり判定の表示や敵出現サインなど遊びやすさを重視した点は変更されていないので、比較的プレイしやすい。 **賛否両論点 -グラフィックの3D化はやや不評。前作のようなダークな雰囲気はだいぶ薄れている。敵弾が見難いという意見も。 --ただ、前作のように横シューなのに縦スクロールのステージがあったり、背景を回り込んでいく3Dを活かした演出などは秀逸。 -キャラクターデザインも全体的に賛否両論。全員がフォレットのような丸顔になり、前作より幼い印象になっている。 **問題点 -稼動当初、点数バグや永久パターンといったバグの存在、それどころか''最終ステージ未実装''という前代未聞の状態でリリースされ、多くの批判を受けた。 --最終ステージが実装されたのはバージョン3.0になってから。それまでは途中で強制終了になっていた。 --最終ステージを入れても全5面、EXステージや真ボスもなく前作からボリュームダウンしている。 -地形を重視したステージが遺跡くらいしかなく、地形を利用した戦略性は薄くなった。 -前作で好評だったレベル選択制が廃止され、初心者には厳しい難易度となってしまった。 -稼ぎのシステムが分かり難いという意見も。この点は後作の『[[赤い刀]]』でより顕著となっていく。 -ストーリーも前作から大幅にスケールダウン。「クリスマスに起こった一騒動」というほぼ内輪で完結するような番外編エピソード的シナリオで、ナンバリングを冠するにはこぢんまりした内容となった。 --前作は「異世界にはぐれた少女が仲間とともに困難に立ち向かい、自分の新しい居場所を見つける」という一本芯の通ったストーリーであり、テーマは意外に硬派。そのため「萌え系」という前評判を覆し好評を得ていた。 --しかし本作はご都合主義・さらに自重しなくなった萌え要素((どちらかというと、キャラを性的な方面で軽々しく扱っている。))という点でマイナスイメージを与え、敬遠してしまったファンも多い。 ---- **総評 前作で好評だった点の廃止、前代未聞の最終ステージ未実装などからプレイヤーからは不評意見が多くなってしまった。~ プレイするなら下記の家庭用移植版の方が色々良くなっているのでオススメできる。~ 現在ではそこそこ遊べるようになったためか、今でも稼動しているゲーセンも見かけるので家庭用版の体験プレイとして遊んでみるのもいいかもしれない。 ---- **余談 -キャラデザ担当の井上淳哉氏が稼動時期を驚いていた点から、相当の前倒し稼動であったと推測されている。 --さらに家庭用移植版で各問題点が直されているため、アーケード版は実質βテストだったのでは?という意見も絶えない。 -本作の制作体制の杜撰さはケイブ社内でも問題になったようで、担当プロデューサーはその後責任をとる形で降格させられたとの事。 ---- *デススマイルズIIX 魔界のメリークリスマス 【ですすまいるずつーえっくす まかいのめりーくりすます】 |ジャンル|シューティング|CENTER:&amazon(B003AQBANW)|CENTER:&amazon(B003AQBAN2)| |対応機種|Xbox 360|~|~| |発売・開発元|ケイブ|~|~| |発売日|2010年5月27日|~|~| |定価|7,140円|~|~| |プレイ人数|1人~2人|~|~| |レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~|~| |廉価版|プラチナコレクション&br()2011年11月10日/2,980円|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| ---- **概要(IIX) 『デススマイルズII』の家庭用移植版。~ ACの移植と完全版となる「IIXモード」と、システムを変更した「アレンジモード」に加え、おまけミニゲーム「使い魔レース」を収録している。 ---- **アーケードからの変更点 -グラフィックはHD解像度に対応。 -初代『デススマイルズ』に準拠したレベル選択を実装。ただし、レベル999はない。 --また、初代と違って選択回数の制限がないため、全てレベル1進行などもできる。 // 結界レーザーで結界ゲージを消費するのはIIXモードなので、記述をアケ版の項から移しました。 -結界レーザーはアイテムカウンタの代わりに結界ゲージを消費するようになった。結界ゲージは時間経過、アイテム取得で回復する。 -新ステージとして選択ステージ「迷路」とEXステージ「廃楽園」を追加。 -特定の条件を満たすことでサタンクロウズを倒した後に真ボス「ピジョンブラッドジルバ」が登場。 --また、ボス戦前に登場ムービーが流れるようになった。オプションでオフにすることも可能。 -プレイヤーキャラにローザとフォレットの2人が復活。合計6人に。 --メガブラックレーベルで追加されたサキュラだけいないが、一部EDで登場する。 -イベントシーンがフルボイス化。 //「サキュラは真エンドのみ登場」は間違い、キャスパーのおねだりしないエンドにも登場します。 ***アレンジモードのシステム -基本はIIXモードに準拠しているが、ショットで敵弾を破壊することが可能になり、新たに「使い魔投げ」という要素が追加された。 --その名の通り使い魔を投げ、通過したところにいる敵をロックし、結界レーザーを発射するというもの。 --パワーアップ中は敵弾を消してアイテム化することが出来る。なお、パワーアップはアイテムカウンタが1000になると自動で発動するようになっている。 -画面上にテンションメーターが用意され、メーターに応じて敵の強さが変化するようになった。 --メーターは時間経過ですぐなくなるが、アイテム(青)をとり続けることで保つことができる。 -パワーアップ後、使い魔を投げずにいると画面が赤くなりヒートアップ状態になる。 --ヒートアップ中はテンションメーターがどんどん上昇していく。この状態で使い魔を投げるとフィーバータイムが発動する。 ***使い魔レース -STGではなく、使い魔を使ったアクションゲーム。好きな使い魔を選び、各ステージのゴールを目指す。 -操作は移動とジャンプの2つだけ。使い魔によってジャンプの高さが違う。 -使い魔は壁や天井で跳ね返り、独特の慣性がつく。 ---- **評価点(IIX) -AC版の不評点のほとんどが直され、敵配置の調整などもあって全体的に遊びやすくなっている。 -追加ステージ「廃楽園」は遊園地を舞台にしたステージなのだが、某夢の国を彷彿とさせるような敵が出てきたりと不気味ながらもギャグ調の演出が楽しい。 --ボスキャラは2体。プレイヤーそっちのけでケンカし、その余波が弾幕となって降り注ぐという独特の演出になっている。 -アレンジモードはさらに大量のアイテムが出現し、非常に爽快感がある。 **賛否両論点(IIX) -使い魔レース自体は可もなく不可もなく、あくまでおまけといったレベル。 --本編では聴けない前作のBGMを聴けるという利点はある。ゲームのアイディアそのものは悪くないのでSTG本編の箸休めには丁度いいかもしれない。 -真ボスのピジョンブラッドジルバであるが、「前作と似たような弾幕」「相変わらずボムバリアなし」「防御力がボスの中でも最低クラス」なため、ごり押しが通じ非常に弱い。 --真ボス出現前に大回復アイテムが出現するのも相まって負ける方が難しい。 ---しかし、実績の中には負けた場合の実績もあるので、一度は負けねばならない。ちなみに、出現方法も簡単((全ステージのボスを結界レーザーで倒す、というあっさりとしたもの。))。 -自機性能のバランスは悪い。復活して追加されたフォレットとローザがどちらもかなりの高性能キャラ。フォレットは火力が凄まじく(特に使い魔のドラゴンが吐く炎)、ローザはショット幅の広さによる安定感を持ち火力も決して低くない。はっきりいってただクリアしたいだけなら、2人を使わない理由がないほど。 --フォレットとローザが強いのは前作時点からではあるが、「メガブラックレーベル」でアッパー調整を受けていたはずのウィンディアやキャスパーは特に強くなっていないため、より差がついてしまっている。まあ、年長者が強いという、ある意味では正しい力関係なのかも知れないが…。 --一方で、前作MBLで最強ともいわれるサキュラのリファインであるレイはそこまで強くない。 -ストーリー・設定の細かいアラ #region(ラスボスとエンディングのネタバレ含む) -今回の敵は主人公の祖父に逆恨みしただけの小悪党で、ラスボス戦も単に巨大化しただけ。見るからに大物の悪魔がラスボスだった前作と比べると明らかに役者不足。 -エンディングの二択も前作から引き続き登場…だが、「元の世界に帰る」「この世界に残る」という大切な選択だった前作とはうって変わり「おじいちゃんにおねだりする」か「しない」かなので、どちらにせよハッピーエンド。 --よく言えばめでたしめでたしなのだが、悪く言うとご都合主義。おねだりしない場合は後日談といった形になる。 --ネタバレ防止のため詳細は伏せるが、一応フォローするとレイのみはある程度大きな選択になる。 --フォレットでおねだりすると…''まあ大体想像はできると思います。'' -真ボス「ピジョンブラッドジルバ」は上記の通りのありさま。ストーリーのコメディ路線への転換のあおりを受けて性格もまるっきり別物になっており、ほぼ別人である。 --しかもこのジルバ、ジルバラードで身につけた魔法の力で''元の世界(=現代の地球)を制圧した''らしい……。~ 誰もストーリー設定担当を止めなかったのか? --一部EDのみに登場するサキュラも、世界観変化の都合によりコメディチックなキャラになっている。前作MBLでのシリアスな展開は一切無い。 ---前作の一件でウィンディア達と打ち解けた、と解釈すれば一応理解できなくもない。 -このように、細かい部分で制作者のセンス不足を感じさせる要素が積み重なっており、プレイヤーをどうにも萎えさせてくれるストーリーとなっている。 --もちろん、プレイヤー個人の感性に大きく依存する部分もあるため、一概に問題点と言えないが。 #endregion **問題点(IIX) -HD化されてはいるものの、3D自体の問題点(弾の見難さなど)は変わっていない。 -地形の少なさは相変わらず。追加ステージも地形なし。 -前述通り「IIXモード」がACの完全上位互換になっているため、「アーケードモード」がほとんど死にモードになってしまっている。 -フルボイス化されたイベントシーンだが、肝心の声優陣の演技はそこまで上手くは無い。 --ウィンディア役の飯田奈保美に関してはそこそこ聴ける演技であり、本作に出演した声優陣の中で2023年現在も唯一業界に残っている声優である。 --だが他の声優陣はほとんど棒読みであり、折角のフルボイスが台無しになってしまっている。 --経費削減の為なのかギャラを抑えられる低ランクの、当時の新人や若手の声優ばかりが集められたようなのだが…。 ---- **総評(IIX) AC版から大幅にボリュームアップ、遊びやすくなっている良移植。~ 最初からこの状態で出荷されていればAC版の不評も少なかったかもしれない。 ---- **余談 -廃楽園ステージのボス、マッドテディ&マッドバニーが360版『[[怒首領蜂最大往生]]』のOPムービーにぬいぐるみとして出演している。 -予約特典のミュージックパックコンテンツの作曲陣が非常に豪華((並木学氏、TECHNOuchi(竹ノ内裕治)氏、桜庭統氏、伊藤賢治氏、なるけみちこ氏、古川もとあき氏、渡部恭久氏、岩田匡治氏、金田充弘氏、岩垂徳行氏、青木佳乃氏、WASi303氏、そして故梅本竜氏。))。本編とはまた違った熱い曲調でゲームを盛り上げてくれる。 --BGM自体はサントラも発売されているので、こちらを購入することで視聴可能。 -2021年にSwitch/PS4への移植が決定((その後、ダウンロード販売のみの形でOne版が追加された。))。360以降初の移植となった。 --タイトルは『デススマイルズ I・II』で、パブリッシャーはシティコネクションに変わり、2021年12月16日に発売。2022年6月22日にはWin(Steam)版も発売された。 --全てのバージョンで遊ぶことができ、さらに各ステージを状況を設定して自由にプレイできる「トレーニング」や、オンラインで他のプレイヤーと得点を競う「リーダーボード」に加え、オンライン上のプレイヤーのリプレイを保存して見れるようにする「ウォッチリプレイ」など、機能がとても充実している。 --…のだが、同時収録されている『I』と比べると、得点やボムを拡大して表示する「エキストラウィンドウ」やBGMの変更など、『I』で設定できた項目が存在しておらず、DLCキャラも『II』では使えない、「ウォッチリプレイ」をインターネット接続時にしか見られないなどといった相違点が見られる。 ---ちなみに、使い魔レースは未収録となっている。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: