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アドバンス ガーディアンヒーローズ - (2018/06/19 (火) 12:04:00) の最新版との変更点

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*アドバンスガーディアンヒーローズ 【あどばんすがーでぃあんひーろーず】 |ジャンル|対戦・格闘アクション|&Amazon(B000219AJO)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |発売元|セガ|~| |開発元|セガ、トレジャー|~| |発売日|2004年9月22日|~| |定価|4,800円|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''黒歴史''|~| |ポイント|前作の面影はほぼなくなった&br()大幅な世界観の変更&br()グラ・ボイスなどの使い回し多数&br()新システムは特徴的だが無意味なものも&br()対戦プレイは大きく変わったが、やはり大味|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 かつてセガサターンで発売された、知る人ぞ知るアクションRPGの名作『ガーディアンヒーローズ』の続編。~ 前作の特徴だった格闘ゲーム的なシステムや特殊動作を廃止し、簡単な操作で多数の敵を吹っ飛ばす爽快感重視のスタイルとなった。 爽快感溢れる格闘ベルトスクロールアクションとしての完成度は高いが「ガーディアンヒーローズの続編」として見るとファンの期待とは大きくかけ離れており、代わりに追加されたシステムや遊び方もそれらの代替になるものではなかった。 **前作からの変更点 ''ゲーム性'' -3ラインの横スクロール→完全なベルトスクロール --前作はフィールドが3つのラインに隔てられ手前・奥への移動はライン単位で行われていたが、本作では撤廃され自由に移動できる完全なベルトスクロールになっ た。 -ストーリーでのNPC撤廃 --前作の個性でもあった強力なNPC「不死英雄戦士」は居なくなり、完全にプレイヤーキャラ一人の力で強大な敵に立ち向かう。また、通信プレイでストーリーを遊ぶ事は出来ない。 -新要素「カウンター」「スーパーモード」が追加された。 --カウンターは敵の攻撃をタイミングよくガードする事で、物理攻撃であれば相手を無防備にし、魔法攻撃であれば威力が上乗せされホーミングが付与された光弾として相手に返す事が出来る。 --スーパーモードはMPが一定以上溜まると発動可能になり、発動するとハイパーアーマーと動作速度アップの効果がある。MPは敵の攻撃を食らっていても溜まり((食らい中レバガチャでさらに増加量が増える。))、食らい中にも発動出来るため、ピンチの際の緊急回避手段としても使用できる。 --どちらも強烈な性能で、不利な状況を打破する事が出来る。 -対戦モードは6人から4人までに変更。 ''ストーリーモード'' -マルチストーリー・マルチエンディング→一本道 --前作はステージ中に選んだ選択肢によって、多数のルートや固有のラスボスが存在したが、今回は分岐ルートがなく完全な一本道。 -続き物だが衝撃の展開からのストーリー --物語の舞台は前作主人公キャラ5人+ライバルが前作のあるルートのラスボスと戦ってから数百年後の世界なのだが前作のどのエンディングとも違う結末を辿っている。その結末は&bold(){2人が敗北して死亡、3人が前作大ボスに寝返り、一人が逃亡}という凄まじい展開。彼らに思い入れのあるプレイヤーにしてみれば衝撃的過ぎてモチベーションにも影響するレベル。&bold(){ちなみに一人は一人称からキャラが変わってしまっている。} --序盤は前作の中ボスで、前作で倒されたが復活し世界征服を企む魔導士カノンと戦うが、後半は(やはりというか)前作にも登場したある勢力と戦う事になる。 -主人公格キャラクター5人のみ使用可能→全キャラクターが使用可能 --前作は主役メンバー4人(隠しで+1人)のみだったが、今回は初期の3人(属性・魔法が異なるコンパチ)のほか、ラボラトリー(ゲーム中手に入るクリスタルと引き換えにキャラを開放できる)で開放したキャラクターのうち殆どを使う事が出来る。 ''対戦モード'' -ある意味、このゲームで最も力を入れている所。前作に引き続き、中ボスや特殊なザコを含めた殆どのキャラを使用することが出来る。 -キャラクターとカラー、レベル、パラメーターを振り分けられるところは前作と同一。条件を満たすと巨大化させたり小さくさせたりもできる。 -対戦の緻密な駆け引きを楽しめるように、カウンターの性能に調整が入っている(公式談)。具体的にはかなりシビアになり、ストーリーのように簡単に決める事は出来ない。この為、人に当てやすい技とCPUに当てやすい技は大きく異なり、一人でプレイするだけでも別ゲーともいうべきバランスになっている。 //-しかし、それでも手軽にフェアな対戦が出来るとは言い難く、対戦プレイそのものも手放しで褒められるほど楽しいものではない。詳しくは後述。 **評価点 ''ベルトアクションゲーム屈指の爽快感'' -わらわらと大量の敵が出現し、それを様々な技で一気に吹っ飛ばす爽快感は数あるベルトアクションゲームの中でも屈指の出来。 --主人公キャラは特に「敵を爽快に殴り飛ばす」事を重視して作られていて、相手の攻撃を受け止めながら吹き飛ばす6B、こちらを取り囲んだ敵を逆に蹴散らす2B、集団に切り込んでその後に大暴れ出来るJ6Bなど、敵をどのアクションも当てて気持ち良い。 --クリアの為の最適解を求めれば全く違うプレイになるが、それをわかっていても敢えて吹っ飛ばしたくなる中毒性をもっている。 ''ストーリーでも全てのキャラが使える'' -プレイヤーキャラクターの設定そのものが、その世界の一キャラクターではなく『異世界から降臨し、ある兵士に乗り移った英雄の魂』というものに変わったことで、少々無茶だが魂の影響で変質した姿として敵キャラやボスなども使用できるようになった。 ''カウンターとスーパーモードによる、対戦プレイの駆け引きの増加'' -前作でも攻撃避けや投げなど、格闘ゲーム的なシステムは多く存在したが、読みや腕前によって差を埋められるような要素ではなく、キャラ差やレベル設定が全ての「プレイヤー同士でゲーム中の好きなキャラで戦えるおまけモード」に過ぎなかった。 --しかし本作で新たに加わったカウンターとスーパーモードによって、戦略や駆け引きの幅が大きく広がり、本当の「プレイヤー同士の対戦」としての意味が生まれた。若干荒削りではあるもののこの意義は非常に大きく、環境さえ整える事が出来れば複雑な操作を用いなくても、''キャラ差や不確定要素によって引き起こされるシチュエーションで盛り上がる「お祭り」と真剣な駆け引きを楽しむ「対戦」要素を同時に味わえる''という、類のない多人数対戦アクションを楽しむ事が出来る。 **問題点 ''ストーリーモード'' -プレイスタイルが単調になりがち。 --新要素のカウンターは強力かつ爽快だが、ストーリーモードではあまりに強すぎるのですべての場面での最適解になってしまっている。MPがある限りボタン連打で確実にカウンターできるため、敵に囲まれたらそれだけに終始し、すべての敵が被カウンター状態になってから一気に殲滅するだけでクリア出来る。 --スーパーハードでは敵の攻撃頻度とステータスが激化する為多少やり辛くはなるが、それでもそれが最適解である。だがスーパーハードでのザコキャラプレイは技性能が貧弱で当てるのにも苦労するのに火力が低すぎる。よってMPが切れるまでカウンター>追撃を繰り返しても倒しきれず、MP回復前にガードも出来ずに倒されてしまうという事が頻発する。この為後半になると''『たまたま敵の攻撃が痛くないもので、MP回復量が間に合った時だけたまに勝てる』''というのを繰り返す運ゲーになってしまう((筆者は全キャラ達成済みであるため、こう言い切らせてもらう。))。腕前や戦い方が悪くて勝てないのならともかく、ただの理不尽になってしまっている。 --ステージギミックも殆どカウンターを使うものだけ。ホーミングジャンプというストーリー限定のアクションがあるが、足場から足場に移動するシチュエーションで限定的に使用できるだけである。 -マルチストーリー+エンディングが廃止されたのはやはり寂しい。 --発売当時から、「これが無ければガーヒーじゃない!」という声が多数挙がった。 -ラボラトリーが単なる作業プレイ --プレイ時間の水増しとなるだけで、単なる作業である。 -ストーリーは取ってつけたようなもので、シチュエーションと勢い重視。 --あくまでアクションを楽しむゲームであるというスタンスなのだろうが、やはり『続編』としての立場を考えると肩透かしを食らってしまう。 -ゲームオーバー時に選べる「不死身の体」の意義が弱い。 --体力がなくなると『潔くゲームオーバーになる』か『不死身の体を得てタイムリミットまで暴れる』の二択となるが、前者であればチェックポイントから再開できるのに対し、後者はタイムリミットがすぐ訪れ、ストーリーのセーブデータが消去されて完全にやり直しになる為、選ぶ意味は全くない。回数制限つきのその場コンティニューでも良かったのでは…。 --ちなみに二人同時プレイの際はこれらの演出は一切なく、どちらかがやられると即座にゲームオーバーになりタイトルに戻される。コンティニューはタイトルメニューから再度通信することにより可能。 ---なおゲーム開始演出時の兵士も一人のままであり、召喚後にいきなり二人に増殖する。にもかかわらずキャラ台詞も一人用と全く同じなため姫がその事に一切反応せず若干の違和感が生じる。 ''対戦モード'' -&bold(){システムが荒削り} --ガードの調整が変 ---Rボタンを押し続ける事でMPを消費してバリアを発生させ敵の攻撃をガード出来るのだが、&bold(){ガードを崩せるキャラが数キャラしかいない}。乱闘状態ならまだいいが、1対1となった時、自分がガードを崩せないキャラだと相手がガードを続けている間は&bold(){試合が止まる}。 ---さらに言えば、殆どのガード崩しは非常にダメージが低く、展開も仕切り直しになるので相手がガードしているからと言って使う必要は無い。相手がガードを解くのを待つ方が相手のMPも減らせて良い事ずくめである。 ---ガードを解いた時に硬直がある為、実はガードをした時点で攻撃を食らう事が確定するのだが、ガード中のMP消費は非常に緩やかで、レベル設定次第では30秒~1分近く相手を待たせる事が出来る。 ---対戦をスムーズに行いたければ、ガードした側が諦めてガードを解く必要がある。戦略的にもMPの浪費を防げて、スーパーモードに以降するMPを残しておく事が出来るのだが、試合の進行のために自分から行動をやめるというのは真剣勝負のモチベーションを大きく損なう。 --相殺のせいで攻撃を当てにくい ---キャラ同士の攻撃が重なると相殺が起こる。攻撃をほぼ無効化する事ができるのだがあまりにも発生させやすく逆にどうすれば崩せるのかわかりにくい。 ---相手にめり込ませるように攻撃すれば相殺判定を通り越してヒットさせ易いが、このせいで相手の縦軸を取り合って上下にシャカシャカ動くと言う状況に陥る。 ---1.攻撃を当てるための縦歩き→2.縦歩き読みの攻撃→3.攻撃読みのカウンターor相殺(キャンセルカウンター)という読み合いが起きるが、3は2も兼ねており、つまるところ対抗策がないので&bold(){読み合った先がお互いローリスク技で殴り合うだけ}という微妙な駆け引きになってしまう。 ---相殺はカウンター(ガード)でキャンセル出来、もし相手が連続で攻撃してきた時は相殺→即キャンセルカウンターで確実に弾くことが出来るので、お互い単発技を相殺させあう→上下シャカシャカ→という流れになる(相手が二段目を出してくる読みが外れてガードしてしまっても、距離が離れているためガード解除硬直に攻撃は間に合わない)。 ---まとめると攻撃を当てられる読み勝ちは『相手に縦軸から接近し、追い払う為のジャブを相殺もしくはスカし、キャンセルカウンター読みで何も出さずに接近する』事である。 ---ちなみに殆どの遠距離攻撃(魔法)は「ジャブで相殺」→「キャンセルカウンターで跳ね返す」となり、そこからはテニスのラリーのような状態になる。接近しての魔法カウンターは失敗したときにガード解除硬直を殴られてしまう恐れがあるため、魔法カウンターに成功したら距離をとるのが安定である。 ---長々と書いたが、上記はあくまで『駆け引きが成立する組み合わせ』の時のみ発生する読み合い。実際こういった状況は殆どあり得ず、読み合いも単調であるため''最後はお互い勝敗がどうでもよくなって、ヤケになりアドリブでカウンターを狙いながら殴り合う''事になりがちである。 -キャラバランスが悪い --ボスはボスとして、中ボスは中ボスとして強くなっているのは意図的なのだろうが、「同じ性能帯のキャラが少ない」ので、対戦ゲームとして過分無く楽しめる組み合わせがそもそも少ない。 --さらに言えば殆ど隠しパラメータともよべる「属性」によるダメージ補正がかなり対戦に影響を与えている。 --キャラクターはそれぞれ「炎」「氷」「雷」「無」(無は便宜上命名。ゲーム中は明言されない)の属性を持ち、前者三つは三すくみの関係になっている。「無」はすべてに対して耐性を持つ。 --三すくみではあるのだが、この中で炎と無が圧倒的に有利。炎は氷に弱いが、氷属性を持つキャラステータス・技攻撃力・魔法攻撃力の全てにおいて攻撃力が低く設定されており、弱点を突かれてもそうそう致命傷にならない。炎はその逆で、耐性があっても氷のキャラに十分なダメージを与える事が出来る上、性能が高い魔法と技が多いのでヒットさせ易い。雷はそもそも攻撃力・防御力が低い代わりにスピードが高いという特性なので、弱点を突いても致命傷にならず、逆に炎属性の攻撃を浴びれば体力が消し飛んでいく。弱点でなくても痛く不遇である。 --無は異常とも言える耐性を持ち、無のキャラクターは&bold(){とにかく硬い}。美少女キャラですら硬い。性能的に弱くても無の属性を持っているせいで戦えてしまう。 --それを引き換えにしても凶悪な性能のキャラが多い。 ---カノン:接近攻撃がガード崩し+炎属性特大ダメージ+MP消費0、空中を自由に動けてロック+高速弾を撃ち放題(スーパーモードでさらに激化)と、剣の時代どころかシステムを否定する理不尽な爺。極端な技ばかりなので使われても使っていても全く面白くない、残念な最強キャラ。 ---ニコレ:無属性持ちなので異常に硬い上に、魔法で体力を回復できるというオンリーワンの性能を持っているが、完全無制限で硬直が異常に短い飛び道具『すまいりーぼーる』が狂気の性能。格闘ゲームで例えると『ワンボタンで撃てる誘導多段ソニックブーム』。さらに空中で撃つと高度を完全に維持して連射できるので、砲台モードになるとまともなキャラでは手が付けられない。何故かボクっ娘になっている。 ---バルガ:もはやお約束だが無属性持ち。攻撃の殆どが相殺判定の塊な上に長いリーチと高攻撃力を誇る。ステータスも非常に高く、このゲームで希少な連続ヒットするコンボを多く持つ。肉弾戦では主人公勢の完全な上位互換。魔法は一種類しかないが、高性能なので十分。 ---上記3キャラには及ばないがゴブタンク、エン(炎属性主人公)なども強力。キャラ間の相性と格差がかなり有り、普通に対戦を楽しむ組み合わせを探す事に難儀する。 ''その他'' -最初に使用できるプレイヤーキャラは新規キャラ3人なのだが、それぞれが属性と初期能力が違うだけのコンパチキャラ。極めつけは、ボイスが『ラクガキショータイム』(以前にエニックスから発売されたトレジャー製作のPSソフト)の流用。企業としては問題ないのだろうか…。なかったとしても印象は良くない。 --前作からの続投キャラも、グラフィックは縮小し、流用されている。やや聞き取りにくいボイスまでSS版のものをそのまま流用。 **総評 キャラクターや世界設定、基本的なシステムはガーディアンヒーローズから受け継いでいるものの、その中身は全く別物。~ ハードに合わせて再構成・簡略化した上で''アクションゲームとしての爽快感''と''多人数用対戦アクション''という二面を突き詰めたゲームである。~ その為、RPG的世界観やマルチエンディングを持ちながら前述の要素を持ちあわせ、多くのファンを獲得した前作の続編としてみれば、到底受け入れられないものと見られても仕方なく、実際に荒削りな面も多くあるため、決して高い評価を得らなかった。 一方で単体の作品としてみればこの作品なりのコンセプトとオリジナリティがあり、ゲームとしてしっかりと表現されている。~ 続編としては失敗したが、1つのゲームとしては十分な完成度とオリジナリティを持ったベルトアクションゲームである。 //-一応、ガーヒーの続編という色眼鏡を外してプレイすれば、打撃やカウンターの爽快感はかなりのもの。ベルトスクロールアクションとして十分遊べる作品ではある。 //--やり込み要素として、性能が貧弱すぎるザコ兵士やザコモンスターまでプレイヤーキャラとして使用できるので、それらのキャラで歯ごたえのありすぎるストーリーモードに挑戦してみるのも一興である。 **その後 Xbox360にて前作がHD化されて発売されたが、残念だがその際のインタビューでも「アドバンスガーディアンヒーローズという続編はありますが…」と微妙な扱いを受けていた。 ---- //ガーディアンヒーローズ アドヴァンス アドバンス GBA 続編(検索用、消さないこと)
*アドバンス ガーディアンヒーローズ 【あどばんす がーでぃあんひーろーず】 |ジャンル|リアルタイム格闘型アクション|&Amazon(B000219AJO)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |発売元|セガ|~| |開発元|セガ&br()トレジャー|~| |発売日|2004年9月22日|~| |定価|4,800円|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~| |ポイント|前作の面影はほぼなくなった&br()大幅な世界観の変更&br()グラ・ボイスなどの使い回し多数&br()新システムは特徴的だが無意味なものも&br()対戦プレイは大きく変わったが、やはり大味|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 かつてセガサターンで発売された、知る人ぞ知るアクションRPGの名作『ガーディアンヒーローズ』の続編。~ 前作の特徴だった格闘ゲーム的なシステムや特殊動作を廃止し、簡単な操作で多数の敵を吹っ飛ばす爽快感重視のスタイルとなった。 爽快感溢れる格闘ベルトスクロールアクションとしての完成度は高いが「ガーディアンヒーローズの続編」として見るとファンの期待とは大きくかけ離れており、代わりに追加されたシステムや遊び方もそれらの代替になるものではなかった。 **前作からの変更点 ''ゲーム性'' -3ラインの横スクロール→完全なベルトスクロール --前作はフィールドが3つのラインに隔てられ手前・奥への移動はライン単位で行われていたが、本作では撤廃され自由に移動できる完全なベルトスクロールになっ た。 -ストーリーでのNPC撤廃 --前作の個性でもあった強力なNPC「不死英雄戦士」は居なくなり、完全にプレイヤーキャラ一人の力で強大な敵に立ち向かう。また、通信プレイでストーリーを遊ぶ事は出来ない。 -新要素「カウンター」「ハイパーモード」が追加された。 --カウンターは敵の攻撃をタイミングよくガードする事で、物理攻撃であれば相手を無防備にし、魔法攻撃であれば威力が上乗せされホーミングが付与された光弾として相手に返す事が出来る。 --ハイパーモードは怒りゲージが一定以上溜まると発動可能になり、発動するとスーパーアーマーと動作速度アップの効果がある。怒りゲージは敵の攻撃を食らうと溜まり((食らい中レバガチャでさらに増加量が増える。))、食らい中にも発動出来るため、ピンチの際の緊急回避手段としても使用できる。 --どちらも強烈な性能で、不利な状況を打破する事が出来る。 -対戦モードは6人から4人までに変更。 ''ストーリーモード'' -マルチストーリー・マルチエンディング→一本道 --前作はステージ中に選んだ選択肢によって、多数のルートや固有のラスボスが存在したが、今回は分岐ルートがなく完全な一本道。 --ゲームオーバー時に選べる「不死身の体」でラスボスに勝利すると特殊ゲームオーバー(バッドエンド)になるぐらいである。 -続き物だが衝撃の展開からのストーリー --物語の舞台は前作主人公キャラ5人+ライバルが前作のあるルートのラスボスと戦ってから数百年後の世界なのだが前作のどのエンディングとも違う結末を辿っている。その結末は&bold(){2人が敗北して死亡、3人が前作大ボスに寝返り、一人が逃亡}という凄まじい展開。彼らに思い入れのあるプレイヤーにしてみれば衝撃的過ぎてモチベーションにも影響するレベル。 --ちなみに&bold(){一人は一人称からキャラが変わってしまっている}ほか、前作大ボスも黒幕の補佐役の真の姿という設定だったのが&bold(){黒幕の仮の姿になってしまっている}などの設定変更があり((そのため前作黒幕の台詞を前作大ボス=黒幕の補佐役が喋っているという状態になってしまっている。))、前作をやっているとオープニングデモから混乱するような内容になっている。 --序盤は前作の中ボスで、前作で倒されたが復活し世界征服を企む魔導士カノンと戦うが、後半は(やはりというか)前作にも登場したある勢力と戦う事になる。 -主人公格キャラクター5人のみ使用可能→全キャラクターが使用可能 --前作は主役メンバー4人(隠しで+1人)のみだったが、今回は初期の3人(属性・魔法が異なるコンパチ)のほか、ラボラトリー(ゲーム中手に入るクリスタルと引き換えにキャラを開放できる)で開放したキャラクターのうち殆どを使う事が出来る。 ''対戦モード'' -ある意味、このゲームで最も力を入れている所。前作に引き続き、中ボスや特殊なザコを含めた殆どのキャラを使用することが出来る。 -キャラクターとカラー、レベル、パラメーターを振り分けられるところは前作と同一。条件を満たすと巨大化させたり小さくさせたりもできる。 -対戦の緻密な駆け引きを楽しめるように、カウンターの性能に調整が入っている(公式談)。具体的にはかなりシビアになり、ストーリーのように簡単に決める事は出来ない。この為、人に当てやすい技とCPUに当てやすい技は大きく異なり、一人でプレイするだけでも別ゲーともいうべきバランスになっている。 //-しかし、それでも手軽にフェアな対戦が出来るとは言い難く、対戦プレイそのものも手放しで褒められるほど楽しいものではない。詳しくは後述。 **評価点 ''ベルトアクションゲーム屈指の爽快感'' -わらわらと大量の敵が出現し、それを様々な技で一気に吹っ飛ばす爽快感は数あるベルトアクションゲームの中でも屈指の出来。 --主人公キャラは特に「敵を爽快に殴り飛ばす」事を重視して作られていて、相手の攻撃を受け止めながら吹き飛ばす6B、こちらを取り囲んだ敵を逆に蹴散らす2B、集団に切り込んでその後に大暴れ出来るJ6Bなど、敵をどのアクションも当てて気持ち良い。 --クリアの為の最適解を求めれば全く違うプレイになるが、それをわかっていても敢えて吹っ飛ばしたくなる中毒性をもっている。 ''ストーリーでも全てのキャラが使える'' -プレイヤーキャラクターの設定そのものが、その世界の一キャラクターではなく『異世界から降臨し、ある兵士に乗り移った英雄の魂』というものに変わったことで、少々無茶だが魂の影響で変質した姿として敵キャラやボスなども使用できるようになった。 ''カウンターとハイパーモードによる、対戦プレイの駆け引きの増加'' -前作でも攻撃避けや投げなど、格闘ゲーム的なシステムは多く存在したが、読みや腕前によって差を埋められるような要素ではなく、キャラ差やレベル設定が全ての「プレイヤー同士でゲーム中の好きなキャラで戦えるおまけモード」に過ぎなかった。 --しかし本作で新たに加わったカウンターとハイパーモードによって、戦略や駆け引きの幅が大きく広がり、本当の「プレイヤー同士の対戦」としての意味が生まれた。若干荒削りではあるもののこの意義は非常に大きく、環境さえ整える事が出来れば複雑な操作を用いなくても、''キャラ差や不確定要素によって引き起こされるシチュエーションで盛り上がる「お祭り」と真剣な駆け引きを楽しむ「対戦」要素を同時に味わえる''という、類のない多人数対戦アクションを楽しむ事が出来る。 **問題点 ''ストーリーモード'' -プレイスタイルが単調になりがち。 --新要素のカウンターは強力かつ爽快だが、ストーリーモードではあまりに強すぎるのですべての場面での最適解になってしまっている。MPがある限りボタン連打で確実にカウンターできるため、敵に囲まれたらそれだけに終始し、すべての敵が被カウンター状態になってから一気に殲滅するだけでクリア出来る。 --スーパーハードでは敵の攻撃頻度とステータスが激化する為多少やり辛くはなるが、それでもそれが最適解である。だがスーパーハードでのザコキャラプレイは技性能が貧弱で当てるのにも苦労するのに火力が低すぎる。よってMPが切れるまでカウンター→追撃を繰り返しても倒しきれず、MP回復前にガードも出来ずに倒されてしまうという事が頻発する。この為後半になると''『たまたま敵の攻撃が痛くないもので、MP回復量が間に合った時だけたまに勝てる』''というのを繰り返す運ゲーになってしまう((筆者は全キャラ達成済みであるため、こう言い切らせてもらう。))。腕前や戦い方が悪くて勝てないのならともかく、ただの理不尽になってしまっている。 --ステージギミックも殆どカウンターを使うものだけ。ホーミングジャンプというストーリー限定のアクションがあるが、足場から足場に移動するシチュエーションで限定的に使用できるだけである。 -マルチストーリー+エンディングが廃止されたのはやはり寂しい。 --発売当時から、「これが無ければガーヒーじゃない!」という声が多数挙がった。 -ラボラトリーが単なる作業プレイ --プレイ時間の水増しとなるだけで、単なる作業である。 -ストーリーは取ってつけたようなもので、シチュエーションと勢い重視。 --あくまでアクションを楽しむゲームであるというスタンスなのだろうが、やはり『続編』としての立場を考えると肩透かしを食らってしまう。 -ゲームオーバー時に選べる「不死身の体」の意義が弱い。 --体力がなくなると『潔くゲームオーバーになる』か『不死身の体を得てタイムリミットまで暴れる』の二択となるが、前者であればチェックポイントから再開できるのに対し、後者はタイムリミットがすぐ訪れ、ストーリーのセーブデータが消去されて完全にやり直しになる為、選ぶ意味は全くない。回数制限つきのその場コンティニューでも良かったのでは…。 --ちなみに二人同時プレイの際はこれらの演出は一切なく、どちらかがやられると即座にゲームオーバーになりタイトルに戻される。コンティニューはタイトルメニューから再度通信することにより可能。 ---なおゲーム開始演出時の兵士も一人のままであり、召喚後にいきなり二人に増殖する。にもかかわらずキャラ台詞も一人用と全く同じなため姫がその事に一切反応せず若干の違和感が生じる。 ''対戦モード'' -&bold(){システムが荒削り} --ガードの調整が変 ---Rボタンを押し続ける事でMPを消費してバリアを発生させ敵の攻撃をガード出来るのだが、&bold(){ガードを崩せるキャラが数キャラしかいない}。乱闘状態ならまだいいが、1対1となった時、自分がガードを崩せないキャラだと相手がガードを続けている間は&bold(){試合が止まる}。 ---さらに言えば、殆どのガード崩しは非常にダメージが低く、展開も仕切り直しになるので相手がガードしているからと言って使う必要は無い。相手がガードを解くのを待つ方が相手のMPも減らせて良い事ずくめである。 ---ガードを解いた時に硬直がある為、実はガードをした時点で攻撃を食らう事が確定するのだが、ガード中のMP消費は非常に緩やかで、レベル設定次第では30秒~1分近く相手を待たせる事が出来る。 ---対戦をスムーズに行いたければ、ガードした側が諦めてガードを解く必要がある。 --相殺のせいで攻撃を当てにくい ---キャラ同士の攻撃が重なると相殺が起こる。攻撃をほぼ無効化する事ができるのだがあまりにも発生させやすく逆にどうすれば崩せるのかわかりにくい。 ---相手にめり込ませるように攻撃すれば相殺判定を通り越してヒットさせ易いが、このせいで相手の縦軸を取り合って上下にシャカシャカ動くと言う状況に陥る。 ---1.攻撃を当てるための縦歩き→2.縦歩き読みの攻撃→3.攻撃読みのカウンターor相殺(キャンセルカウンター)という読み合いが起きるが、3は2も兼ねており、つまるところ対抗策がないので&bold(){読み合った先がお互いローリスク技で殴り合うだけ}という微妙な駆け引きになってしまう。 ---相殺はカウンター(ガード)でキャンセル出来、もし相手が連続で攻撃してきた時は相殺→即キャンセルカウンターで確実に弾くことが出来るので、お互い単発技を相殺させあう→上下シャカシャカ→という流れになる(相手が二段目を出してくる読みが外れてガードしてしまっても、距離が離れているためガード解除硬直に攻撃は間に合わない)。 ---まとめると攻撃を当てられる読み勝ちは『相手に縦軸から接近し、追い払う為のジャブを相殺もしくはスカし、キャンセルカウンター読みで何も出さずに接近する』事である。 ---ちなみに殆どの遠距離攻撃(魔法)は「ジャブで相殺」→「キャンセルカウンターで跳ね返す」となり、そこからはテニスのラリーのような状態になる。接近しての魔法カウンターは失敗したときにガード解除硬直を殴られてしまう恐れがあるため、魔法カウンターに成功したら距離をとるのが安定である。 ---長々と書いたが、上記はあくまで『駆け引きが成立する組み合わせ』の時のみ発生する読み合い。実際こういった状況は殆どあり得ず、読み合いも単調であるため''最後はお互い勝敗がどうでもよくなって、ヤケになりアドリブでカウンターを狙いながら殴り合う''事になりがちである。 -キャラバランスが悪い --ボスはボスとして、中ボスは中ボスとして強くなっているのは意図的なのだろうが、「同じ性能帯のキャラが少ない」ので、対戦ゲームとして過不足なく楽しめる組み合わせがそもそも少ない。 --さらに言えば殆ど隠しパラメータともよべる「属性」によるダメージ補正がかなり対戦に影響を与えている。 --キャラクターはそれぞれ「炎」「氷」「雷」「無」(無は便宜上命名。ゲーム中は明言されない)の属性を持ち、前者三つは三すくみの関係になっている。「無」はすべてに対して耐性を持つ。 --三すくみではあるのだが、この中で炎と無が圧倒的に有利。炎は氷に弱いが、氷属性を持つキャラステータス・技攻撃力・魔法攻撃力の全てにおいて攻撃力が低く設定されており、弱点を突かれてもそうそう致命傷にならない。炎はその逆で、耐性があっても氷のキャラに十分なダメージを与える事が出来る上、性能が高い魔法と技が多いのでヒットさせ易い。雷はそもそも攻撃力・防御力が低い代わりにスピードが高いという特性なので、弱点を突いても致命傷にならず、逆に炎属性の攻撃を浴びれば体力が消し飛んでいく。弱点でなくても痛く不遇である。 --無は異常とも言える耐性を持ち、無のキャラクターは&bold(){とにかく硬い}。美少女キャラですら硬い。性能的に弱くても無の属性を持っているせいで戦えてしまう。 --それを引き換えにしても凶悪な性能のキャラが多い。 ---カノン:接近攻撃がガード崩し+炎属性特大ダメージ+MP消費0、空中を自由に動けてロック+高速弾を撃ち放題(ハイパーモードでさらに激化)と、剣の時代どころかシステムを否定する理不尽な爺。極端な技ばかりなので使われても使っていても全く面白くない、残念な最強キャラ。 ---ニコレ:無属性持ちなので異常に硬い上に、魔法で体力を回復できるというオンリーワンの性能を持っているが、完全無制限で硬直が異常に短い飛び道具『すまいりーぼーる』が狂気の性能。格闘ゲームで例えると『ワンボタンで撃てる誘導多段ソニックブーム』。さらに空中で撃つと高度を完全に維持して連射できるので、砲台モードになるとまともなキャラでは手が付けられない。何故かボクっ娘になっている。 ---バルガ:もはやお約束だが無属性持ち。攻撃の殆どが相殺判定の塊な上に長いリーチと高攻撃力を誇る。ステータスも非常に高く、このゲームで希少な連続ヒットするコンボを多く持つ。肉弾戦では主人公勢の完全な上位互換。魔法は一種類しかないが、高性能なので十分。 ---上記3キャラには及ばないがゴブタンク、エン(炎属性主人公)なども強力。キャラ間の相性と格差がかなり有り、普通に対戦を楽しむ組み合わせを探す事に難儀する。 ''その他'' -最初に使用できるプレイヤーキャラは新規キャラ3人なのだが、それぞれが属性と初期能力が違うだけのコンパチキャラ。極めつけは、ボイスが『ラクガキショータイム』(以前にエニックスから発売されたトレジャー製作のPSソフト)の流用。企業としては問題ないのだろうか…。なかったとしても印象は良くない。 --前作からの続投キャラも、グラフィックは縮小し、流用されている。やや聞き取りにくいボイスまでSS版のものをそのまま流用。 **総評 キャラクターや世界設定、基本的なシステムはガーディアンヒーローズから受け継いでいるものの、その中身は全く別物。~ ハードに合わせて再構成・簡略化した上で''アクションゲームとしての爽快感''と''多人数用対戦アクション''という二面を突き詰めたゲームである。~ その為、RPG的世界観やマルチエンディングを持ちながら前述の要素を持ちあわせ、多くのファンを獲得した前作の続編としてみれば、到底受け入れられないものと見られても仕方なく、実際に荒削りな面も多くあるため、決して高い評価を得らなかった。 一方で単体の作品としてみればこの作品なりのコンセプトとオリジナリティがあり、ゲームとしてしっかりと表現されている。~ 続編としては失敗したが、1つのゲームとしては十分な完成度とオリジナリティを持ったベルトアクションゲームである。 //-一応、ガーヒーの続編という色眼鏡を外してプレイすれば、打撃やカウンターの爽快感はかなりのもの。ベルトスクロールアクションとして十分遊べる作品ではある。 //--やり込み要素として、性能が貧弱すぎるザコ兵士やザコモンスターまでプレイヤーキャラとして使用できるので、それらのキャラで歯ごたえのありすぎるストーリーモードに挑戦してみるのも一興である。 **その後 Xbox360にて前作がHD化されて発売されたが、残念だがその際のインタビューでも「アドバンス ガーディアンヒーローズという続編はありますが…」と微妙な扱いを受けていた。 //ガーディアンヒーローズ アドヴァンス アドバンス GBA 続編(検索用、消さないこと)

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