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「[[修正依頼]]」が出ています。問題点を追記できる方はご協力をお願いします。 ---- *SIMPLE DSシリーズ Vol.48 THE 裁判員 ~1つの真実、6つの答え~ 【しんぷるでぃーえすしりーず ぼりゅーむ48 ざ さいばんいん ひとつのしんじつ むっつのこたえ】 |ジャンル|アドベンチャー/インタラクティブノベル|&amazon(B001XCW6PQ)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|512MbitDSカード|~| |発売元|D3パブリッシャー|~| |開発元|ウィッチクラフト|~| |発売日|2009年5月21日|~| |定価|2,800円(税込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[SIMPLE DSシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 裁判員制度の導入当日に発売された、裁判員をテーマにしたアドベンチャーゲーム。低価格ソフトSIMPLE DSシリーズのVol.48でもある。全5話構成で、ゲーム内での時間経過は1年。 監督・脚本は『Aランクサンダー 誕生編』や『[[MARICA ~真実の世界~]]』『[[ひみつ戦隊メタモルV]]』といったセガ系のハードで出たマイナーだが評価の高い作品で固定ファンがいる遠藤正二朗、キャラクターデザイナーは18禁ゲームブランド『Black Cyc』作品などの原画で有名な上田メタヲが担当。 **主な登場人物 -五條 誠司(ごじょうせいじ)&br()元商社マンの幽霊。2月の雪の降る日に通り魔に後ろから襲われ、誰が犯人なのかも知らないまま非業の死を遂げる。本来なら天国行きが内定しているのだが、自分の殺人事件の容疑者の裁判が担当弁護士の強引な弁護で無罪となるひどい内容であったため、「間違った裁判」に対する未練で成仏できずにいる。&br()ヤマヤマの勧めで、裁判員の一人に取り憑くことで裁判に参加する。当初は意識を失った相手に勝手に取り憑いたが、途中から相手の同意を得てから体を借りるようになる。 -ヤマヤマ4号&br()閻魔大王に仕えるあの世の官吏。地上で残っている幽霊を成仏させるのも仕事で、そのために誠司の未練を解消させるべく裁判に参加させようとする。左右非対称な奇妙な動物の姿をしており、普段は愛らしい左側からの姿で描かれているが、時には右側からの恐ろしい姿も見せる。&br()超自然的能力によってある人物がウソをついているかどうかや、裁判官・裁判員がどの程度説得されているのかを判別できるため、それによって裁判が間違った方向に進もうとしているのを誠司に示すことが出来る。 -上記以外の人物も個性的。被告人、証人、裁判員の暴言や悪態は決して許さない頼れるベテラン裁判官、常時熱暴走気味なまでの正義感溢れる検事(ゲーム中ではわかりづらいが、文で頻繁に片足が怪我で機能不全になっていることが明言されている。実は誠司が成仏できなくなった原因である、あの裁判の担当検事だったりもする)、感情を優先しがちだがやる時はやってくれる人権派弁護士と、濃い面子が多い。証人や被告人も負けず劣らずで、特に第3話の被告は女性だが威圧的、かつ威厳たっぷりなビジュアルでプレイヤーをも圧倒するが、話が進むにつれ徐々に優しく穏やかな本質も多少は覗かせてくれるようになるなど、感情的に有罪にしていいのか((題材が法定刑が死刑のみである「外患誘致罪」であるため。これは敵国と共謀して自国に対し武力を行使させた者に対する罪であり、国内では一度も適用例がない。))と迷いそうになるほど内面が丁寧に描写されている。ただし、作中でそれを知ることが出来るのは主人公である誠司のみである。 -毎回登場する裁判員も非常に個性的で、「犯罪者は全員死刑だ」と主張するネット弁慶もいれば、死刑廃止論者で死刑だけは避けようとする市民運動家もいる。裁判員同士でも裁判を通じた主義主張のぶつかり合いは起こるので、それを描くのも本作の魅力の一つである。 **ゲームの展開 -法廷パート --ヤマヤマからの情報によって被告人が有罪か無罪かは誠司にはあらかじめ判っている。だが、「なぜそのような主張をしているのか」という理由までは判らない。そのため、被告人や検察官、弁護人、証人の主張や証言を聞き有効な情報を収集し、事件の真相を明らかにしていく。&br()手に入れた情報は、被告人質問のときなどに使用することで修正され、説得力がパワーアップすることがある。 -評議パート --裁判に参加する裁判官3名と自分も含めた裁判員6名による評議が行われる。&br()法廷パートで入手した情報を自分以外の8名に使用することで説得率を上げ、100%にすることで「真実の結論」に導くことが目的。裁判官・裁判員はそれぞれ最初の説得率が違う上に、同じ情報でも有効かどうかが変わってくるため、相手の性格や主義を考慮したうえで説得する必要がある。 -評議・判決 --数日間をかけて法廷パートと評議パートを繰り返し、最後に裁判官・裁判員による評議を行う。判決は多数決で決まるので、シナリオをクリアするだけならば、説得しやすい相手4名のみを完全説得すればよい。ただし、各話終了時には評議の結果によってクリアランクがあるため、最高ランクを目指すには全員の完全説得が必要。 **評価点 -毎回別人が召集されるため、本来ならば同一人物が複数の事件に関わることが難しい裁判員制度を、「裁判が原因で成仏できずにいる幽霊が裁判員の一人に取りつく」という設定を導入することで、一人の主人公の視点を通した連続ドラマ形式で裁判員制度の長所と問題点を描いている。 --当初は「毎年1回は裁判員に選ばれる、妙にくじ運のいい男」が主人公になる予定だったが、すぐに''作中の時間経過が長くなり過ぎる(最短でも4年はかかる)''ことが判明し、「幽霊が裁判員の一人に憑依する」という現在のスタイルに変更された。 --扱われている事件は単純な事件が多く、アドベンチャーに慣れていないプレーヤーでも容易にクリアできるようになっている。 --裁判について知らない人のために、裁判用語をXボタンで調べることができる。かなりわかりやすく書かれている。 -廉価版ソフトではあるがシナリオボリュームがかなりある上に、全話を通じた伏線の張り方もうまい。 -同日にバンダイナムコゲームスから発売された『[[有罪×無罪]]』(こちらも良作)は現実的な裁判員制度を描いたゲームであったが、本作はフィクションならではの極端でダイナミックな裁判員制度ドラマが繰り広げられており、好対照といえる。 **総評 全体的に作りが丁寧であり、裁判という題材を存分に生かしたものなった良作。~ 格安で売られているゲームにしては高品質なので、一度プレイしてみるといいだろう。 **余談 本作は、D3Pが最初に打診した会社に制作を断られたという。噂では、SIMPLEシリーズで『[[THE 推理シリーズ]]』や『[[THE 鑑識官>SIMPLE DSシリーズ Vol.8 THE 鑑識官 ~緊急出動!事件現場をタッチせよ!~]]』といった良作ADVを送り出しているトムキャットシステムではないかとも言われている。~ トムキャットはこれらADVシリーズの外伝ともいうべき、弁護士の視点で裁判と陪審員制を扱った『[[THE 裁判>SIMPLE2000シリーズ Vol.43 THE 裁判 ~新米司法官 桃田司の10の裁判ファイル~]]』を制作したことがあるが微妙な出来であり、この為に二の足を踏んだという説もある。
「[[修正依頼]]」が出ています。問題点を追記できる方はご協力をお願いします。 ---- *SIMPLE DSシリーズ Vol.48 THE 裁判員 ~1つの真実、6つの答え~ 【しんぷるでぃーえすしりーず ぼりゅーむ48 ざ さいばんいん ひとつのしんじつ むっつのこたえ】 |ジャンル|アドベンチャー/インタラクティブノベル|&amazon(B001XCW6PQ)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|512MbitDSカード|~| |発売元|D3パブリッシャー|~| |開発元|ウィッチクラフト|~| |発売日|2009年5月21日|~| |定価|2,800円(税込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[SIMPLE DSシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 裁判員制度の導入当日に発売された、裁判員をテーマにしたアドベンチャーゲーム。低価格ソフトSIMPLE DSシリーズのVol.48でもある。全5話構成で、ゲーム内での時間経過は1年。 監督・脚本は『Aランクサンダー 誕生編』や『[[MARICA ~真実の世界~]]』『[[ひみつ戦隊メタモルV]]』といったセガ系のハードで出たマイナーだが評価の高い作品で固定ファンがいる遠藤正二朗、キャラクターデザイナーは18禁ゲームブランド『Black Cyc』作品などの原画で有名な上田メタヲが担当。 **主な登場人物 -五條 誠司(ごじょうせいじ)&br()元商社マンの幽霊。2月の雪の降る日に通り魔に後ろから襲われ、誰が犯人なのかも知らないまま非業の死を遂げる。本来なら天国行きが内定しているのだが、自分の殺人事件の容疑者の裁判が担当弁護士の強引な弁護で無罪となるひどい内容であったため、「間違った裁判」に対する未練で成仏できずにいる。&br()ヤマヤマの勧めで、裁判員の一人に取り憑くことで裁判に参加する。当初は意識を失った相手に勝手に取り憑いたが、途中から相手の同意を得てから体を借りるようになる。 -ヤマヤマ4号&br()閻魔大王に仕えるあの世の官吏。地上で残っている幽霊を成仏させるのも仕事で、そのために誠司の未練を解消させるべく裁判に参加させようとする。左右非対称な奇妙な動物の姿をしており、普段は愛らしい左側からの姿で描かれているが、時には右側からの恐ろしい姿も見せる。&br()超自然的能力によってある人物がウソをついているかどうかや、裁判官・裁判員がどの程度説得されているのかを判別できるため、それによって裁判が間違った方向に進もうとしているのを誠司に示すことが出来る。 -上記以外の人物も個性的。被告人、証人、裁判員の暴言や悪態は決して許さない頼れるベテラン裁判官、常時熱暴走気味なまでの正義感溢れる検事(ゲーム中ではわかりづらいが、文で頻繁に片足が怪我で機能不全になっていることが明言されている。実は誠司が成仏できなくなった原因である、あの裁判の担当検事だったりもする)、感情を優先しがちだがやる時はやってくれる人権派弁護士と、濃い面子が多い。証人や被告人も負けず劣らずで、特に第3話の被告は女性だが威圧的、かつ威厳たっぷりなビジュアルでプレイヤーをも圧倒するが、話が進むにつれ徐々に優しく穏やかな本質も多少は覗かせてくれるようになるなど、感情的に有罪にしていいのか((題材が法定刑が死刑のみである「外患誘致罪」であるため。これは敵国と共謀して自国に対し武力を行使させた者に対する罪であり、国内では一度も適用例がない。))と迷いそうになるほど内面が丁寧に描写されている。ただし、作中でそれを知ることが出来るのは主人公である誠司のみである。 -毎回登場する裁判員も非常に個性的で、「犯罪者は全員死刑だ」と主張するネット弁慶もいれば、死刑廃止論者で死刑だけは避けようとする市民運動家もいる。裁判員同士でも裁判を通じた主義主張のぶつかり合いは起こるので、それを描くのも本作の魅力の一つである。 **ゲームの展開 -法廷パート --ヤマヤマからの情報によって被告人が有罪か無罪かは誠司にはあらかじめ判っている。だが、「なぜそのような主張をしているのか」という理由までは判らない。そのため、被告人や検察官、弁護人、証人の主張や証言を聞き有効な情報を収集し、事件の真相を明らかにしていく。&br()手に入れた情報は、被告人質問のときなどに使用することで修正され、説得力がパワーアップすることがある。 -評議パート --裁判に参加する裁判官3名と自分も含めた裁判員6名による評議が行われる。&br()法廷パートで入手した情報を自分以外の8名に使用することで説得率を上げ、100%にすることで「真実の結論」に導くことが目的。裁判官・裁判員はそれぞれ最初の説得率が違う上に、同じ情報でも有効かどうかが変わってくるため、相手の性格や主義を考慮したうえで説得する必要がある。 -評議・判決 --数日間をかけて法廷パートと評議パートを繰り返し、最後に裁判官・裁判員による評議を行う。判決は多数決で決まるので、シナリオをクリアするだけならば、説得しやすい相手4名のみを完全説得すればよい。ただし、各話終了時には評議の結果によってクリアランクがあるため、最高ランクを目指すには全員の完全説得が必要。 **評価点 -毎回別人が召集されるため、本来ならば同一人物が複数の事件に関わることが難しい裁判員制度を、「裁判が原因で成仏できずにいる幽霊が裁判員の一人に取りつく」という設定を導入することで、一人の主人公の視点を通した連続ドラマ形式で裁判員制度の長所と問題点を描いている。 --当初は「毎年1回は裁判員に選ばれる、妙にくじ運のいい男」が主人公になる予定だったが、すぐに''作中の時間経過が長くなり過ぎる(最短でも4年はかかる)''ことが判明し、「幽霊が裁判員の一人に憑依する」という現在のスタイルに変更された。 --扱われている事件は単純な事件が多く、アドベンチャーに慣れていないプレーヤーでも容易にクリアできるようになっている。 --裁判について知らない人のために、裁判用語をXボタンで調べることができる。かなりわかりやすく書かれている。 -廉価版ソフトではあるがシナリオボリュームがかなりある上に、全話を通じた伏線の張り方もうまい。 -同日にバンダイナムコゲームスから発売された『[[有罪×無罪]]』(こちらも良作)は現実的な裁判員制度を描いたゲームであったが、本作はフィクションならではの極端でダイナミックな裁判員制度ドラマが繰り広げられており、好対照といえる。 **総評 全体的に作りが丁寧であり、裁判という題材を存分に生かしたものなった良作。~ 格安で売られているゲームにしては高品質なので、一度プレイしてみるといいだろう。 **余談 本作は、D3Pが最初に打診した会社に制作を断られたという。噂では、SIMPLEシリーズで『[[THE 推理シリーズ]]』や『[[THE 鑑識官>SIMPLE DSシリーズ Vol.8 THE 鑑識官 ~緊急出動!事件現場をタッチせよ!~]]』といった良作ADVを送り出しているトムキャットシステムではないかとも言われている。~ トムキャットはこれらADVシリーズの外伝ともいうべき、弁護士の視点で裁判と陪審員制を扱った『[[THE 裁判>SIMPLE2000シリーズ Vol.43 THE 裁判 ~新米司法官 桃田司の10の裁判ファイル~]]』を制作したことがあるが微妙な出来であり、この為に二の足を踏んだという説もある。

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