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*BELTLOGGER 9 【べるとろがーないん】 |ジャンル|3Dアクションシューティング|#amazon(B00005UOIE,image);| |対応機種|プレイステーション|~| |発売・開発元|元気|~| |発売日|1996年11月15日|~| |定価|6,300円(税別)|~| |廉価版|PS one Books:2002年2月7日/1,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要・ストーリー  元気から発売された『キリーク・ザ・ブラッド』シリーズの流れを汲んだ、ステージクリア型のメカFPSであり、ホラーテイストのSFを舞台とした3D探索アクション。~  地球から遠く離れた資源採掘コロニー「ベルトロガー9」が突然救難信号を発信し沈黙。救援に駆けつけた統合宇宙軍は直ちに部隊のエースらを派遣し調査を開始するも、彼らを迎えたのは採掘コロニーとは裏腹な数々の兵器からの容赦ない攻撃だった。これにより部隊はなんとかコロニー内部に辿り着くも、αチームは半数が撃墜、βチームに至ってはパトリック・サルー軍曹を残し全滅という様相を呈した。~  プレイヤーはこの主人公サルー軍曹と、その乗機であるブロンクスを操作し、事件の解決と真相を知るべく謎の人物「ランツクネヒト」を追う事になる。 **特徴・評価点 -基本はステージ内に配されたフロア専用のキー(key)モジュールを探索し、次のフロアへのゲートにセットする事で1ステージクリアとなる。機体のデュラビリティ(耐久値)が0になったり、一撃死の罠を受けたり、各ステージの時間制限を過ぎるとゲームオーバー。 --乗機であるブロンクスはいわゆる人型作業機械だが、高性能コンピュータ「ソーマ」の搭載を始め、様々な対応モードを持つ。これによりコロニー内部の設備が使用可能で、かつ軍隊らしく戦闘用の武装やエネルギーによる防御システムなども搭載している。プレイヤーはこのブロンクスを最大限活用し、フロアに残されたデータを収集し、迫り来る戦闘メカを排除しながら攻略する。 -武器 --ブロンクスは下記5種類の武器を初期装備している。この内、ドーゲンボム以外はカテゴリであり、ステージ内でいずれかのカテゴリーに属する新たな武器を入手する事ができる。各カテゴリ内でも「弾速」「連射性」「1回の発射における弾数」により差別化されており、必ずしも後で入手するものほど有用とは限らない。多くは事件によって発生した戦闘に用いられるはずだったもので、その幾つかは救援に来た宇宙軍へ託すメッセージと共に隠されている。 ---ライフル・・・直線的な弾道を描く汎用武器。弾は敵が頻繁に落とすので、弾切れで詰むことは滅多に無い。 ---レーザー・・・機体のエネルギーを使用して発射する武器。威力や自動照準範囲はライフルに劣るが、機体のエネルギーは時間で少しずつ回復するため、乱発さえしなければ弾数は無制限((各ステージに制限時間があるので厳密には制限となる。))。なぜか自動追尾機能のあるレーザー兵器もある。 ---ミサイル・・・照準を合わせた対象をロックオンし、発射後に自動追尾する。威力が高く、命中時と爆風の2回攻撃判定がある((近くにいれば自分もダメージを受ける。))が、弾数が少なめ。 ---ランチャ・・・ミサイルと同じく対象をロックオンする。機体上方向に射出し対象に落着、爆発でダメージを与える迫撃砲のような存在。地上から建屋の屋上にいる敵を倒すなど、他の武器では狙えない位置にいる敵向け。 ---ドーゲンボム・・・着弾後に巨大な爆風で大ダメージを与える。使い所を間違えるとプレイヤーも巻き込まれて一瞬でゲームオーバーになるほどの強力な武器である。ゲームを通して数個しか入手できない貴重な存在。 -防御 --○ボタンを押している間、機体エネルギーを急速に消費しながら完全無敵のバリアを張る。その間、攻撃はできないが移動は可能。本作では狭い通路での戦闘や追尾ミサイルなど、敵の攻撃を回避困難な状況が多いので必須の機能である。使用するエネルギーはレーザーと共用なので、残量に注意。 -各種アイテム --重要アイテム以外では、あちこちにある消費型のアイテムが数多い。いずれもPAUSEメニュー画面から、任意のタイミングで使用可能。 ---デュラビリティやエネルギーを回復させるモジュール・最大値を上げるモジュール ---WPA・・・武器を1段階ずつ強化する。 ---SAPU・・・機体のダメージ耐性(ライフル、レーザー、ミサイル、物理)を一つ選んで強化する。 ---シールドビット・・・一定時間無敵になる。 ---スターシェル・・・暗いフロアを明るくする照明弾。 ---バンガー・・・設置して数秒後に爆発する時限爆弾。隠しルートを塞ぐ、脆い壁などを壊せる。 --アイテムは全てステージ持ち越しで、かつ、ゴリ押しプレイではアイテムが枯渇して行き詰まるゲームバランスのため、ゲームクリアの道のりにおいて温存すべき箇所などの戦略も必要になってくる。 --WPAとSAPUで補強する箇所はプレイヤーが選択できるため、愛用する武器や苦手な攻撃への耐性を見極めて割り振る必要がある。 -オプションユニット --6枠のスロットに、レーダーやスヌーパースコープ(赤外線スコープ)などを適宜装備するシステム。ゲームを進める内に、エネルギーの回復効率を上げたり、移動速度を上げるオプションなどを入手できる。 --なお、赤外線トラップは複数個所あるが、赤外線発信地点を記憶しているなら未使用でもきちんと突破できるようになっている。 -その他システム --キーコンフィグなどは詳細に設定可能。デフォルトの操作感は概ねアーマード・コアシリーズ旧作などの3Dアクションシューティングと同じで、R1L1での平行移動やR2L2での視点上下となっている。 --ストーリーの会話ログがゲーム中で参照可能であり、会話中に出てくるパスワードなどを聞き漏らしたり忘れたりしても安心。パスワード自体も基本的に4文字と覚えやすく(セキュリティ的にはどうかと思うが)、また周回プレイ時にも変わらないためストレスがない。 -ステージ・フロア --ステージは当時としてはグラフィックの質が高く、前方の視界距離はやや短めながら高フレームレートで滑らかに描写。処理落ちはほぼない。 --数は全22ステージとボリュームもあり、かつ個性的な設備やギミックがあり飽きさせない。作業ベイや公園、生活、居住区などフロア毎に大きく異なる特徴もある。 --多くは通路や建造物内の探索、スイッチの制御、作業リフト間の乗り移り、障害物避けなど三次元的なアクションなどをメインで行う。 -シナリオ --ステージを攻略していく事で明らかになる事件の全貌や、ランツクネヒトと名乗る人物との因縁など、SFを題材にしたゲームとしては素直な構成で完成度が高い。 --沈黙したコロニーの中、人のいない不気味な空間での様々な演出も非常に良く出来ている他、主人公の所属する部隊の母艦シーカーとのやり取りで明らかになっていくセンチネル計画、コロニーごと破壊という最終手段すら却下する軍上層部がひた隠しにする真実、出撃前に予定にないコード((発進秒読み段階になって精神剤を注射される。))を実行された意味など、様々な伏線も良く出来ている。仲間の死や同型機との対決などランツクネヒトへの怒りも合わさって熱い展開もある。 --ストーリーを強調する要素として、作業員や住人たちが残した、ベルトロガー9が沈黙する前の状況を伝えるレコードカードが存在する。この中には当時作業員たちが封鎖したゲートを開放するためのパスワードや、次のフロアで進むためのヒント、果ては事件前後の住人の様子を示す痕跡やエグいものまで様々なものが収められている。 ---世界設定の表現に一役買っていると共に事件究明のヒントにもなっており、無駄なものはほぼ無い。 -BGM --曲としてはあくまで雰囲気に特化しており、基本的に重く、暗く、不気味さの演出に終始しているが、それだけに演出としての側面では完成度は高い。数箇所あるボス戦でのBGMもリズムこそ早くなるものの空気は損なわれていない。 --本作で唯一ゲームミュージックらしい曲はラスボス戦のみで、メインテーマを織り交ぜた唯一の「熱い」曲調は演出も相まって人気高い。 -周回プレイ --クリアデータを引き継いで最初のステージから再度遊ぶことができる。 ---オプションやデュラビリティ・エネルギー上限は引き継がれないが、WPAによる武器強化はそのまま引き継がれるため、簡単に様々な武器を最大まで強化できる。SAPUによる耐性強化も増加分の50%を引き継ぐため、例えば「最初のステージから○○耐性を100にして完全無効」といった事がやりやすくなる。 ---なお、アイテムも引き継がれるが、ドーゲンボムなどの一部の貴重なアイテムもそのままなので、前周で使い切ってしまうと入手が困難になる。 --余談だが、本作の特殊な裏技を使用するには、特定の時間内で全クリアしたデータが必要になる。これには周回プレイは使えない。 **問題点 -操作の複雑さ --現在でこそ多くのプレイヤーが問題なく操作するL2R2ボタンによる視点上下だが、1996年当時としては先進的で操作が難しい。翌年発売された初代『[[アーマード・コア]]』でも同様に慣れるまで修練を必要としたように、本作でも慣れるには時間を要する。 --ただ、本作では戦闘中に視点上下を頻繁に必要とする機会は少なく、基本的には足場の乗り継ぎなどで使うためそこまで苦になる程ではない。 -武器のバランス --難点という程ではないが、メインで使用するライフルの弾数が少々余り気味。一部の連射ライフルで無駄遣いしない限り普通にプレイしていても途中でカンストする。このためヒュドラ((終盤で手に入るロックオン式のレーザーで、同時4発発射、絶大な単発攻撃力、莫大な消費という武器。エネルギー回復アイテムを十分ストックしておけば、ラスボスも容易に撃破可能。))以外のレーザを使う機会があまりない。 ---レーザー武器はライフル耐性を持つ敵に対して極めて有効なのだが、敵の残り耐久値を表示するオプションの入手が中盤以降なため、「面倒だからミサイルでゴリ押しすればいい」といった事になりやすい。 --ランチャの存在が空気。上方向に発射という性質上、天井の低い通路の探索が多い本作では使う機会に恵まれないばかりか、着弾までかかる時間が長い上、移動しない敵にさえ外す事がある。 -少々取っ付き辛いストーリー --SFに縁があれば完成度の高いストーリーではあるのだが、根幹設定の一つであるピックマン症候群の「宇宙の穴から放出される思念波が人間の負の思念に作用し、外因性精神分裂症にかかり発狂したりする」といった説明はSFというよりもオカルトに感じられてしまう事も。 ---変に比喩表現を用いず「脳の一部に物質的に作用する宇宙線」と説明していた方が良かったのではないだろうかと悔やまれる。 --他にも、システム攻撃を受けたことで基地を制御するニューロAIが「アルツハイマーを発症した」という解説も、人によっては失笑モノかもしれない(比喩にしてもズレている。しかも、システムを設計した科学者自身のセリフである)。 -エンディングテーマ --主人公とヒロインの声優によるデュエット曲。ゲームの雰囲気に合っていないという声が大きい。 **総評 『アーマード・コア』シリーズ等、今なお名を馳せている3Dアクションシューティングに先駆けて登場した本作は、時代を考えればその完成度は破格。SFを舞台にした一つの陰惨な事件をミステリーに昇華したストーリーにも定評があり、知名度は低いが間違いなくPS前期における良作アクションの一つである。 ---- **余談 -本作は各ステージの最初にブリーフィングデモがあるのだが、PS2・初期型PS3でプレイすると、長めのデモは途中で途切れてしまう。よってステージの目的が分からず困る場合がある。 --レコードカードにも収録されておらず、どうしようもない。 // 本wikiではPS版の発売時点の評価を基準とするため、問題点とはしない。 **後の展開 2008年8月13日ゲームアーカイブス配信。~ ただしボタン数の関係で視点上下操作に難がある模様。
*BELTLOGGER 9 【べるとろがーないん】 |ジャンル|3Dアクションシューティング|#amazon(B00005UOIE,image);| |対応機種|プレイステーション|~| |発売・開発元|元気|~| |発売日|1996年11月15日|~| |定価|6,300円(税別)|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)&br() ※ゲームアーカイブスで付加|~| |廉価版|PS one Books:2002年2月7日/1,800円(税別)|~| |配信|ゲームアーカイブス:2008年8月13日/600円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要・ストーリー 元気が手掛けた『キリーク・ザ・ブラッド』シリーズの流れを汲んだ、ステージクリア型のメカFPSであり、ホラーテイストのSFを舞台とした3D探索アクション。~ 地球から遠く離れた資源採掘コロニー「ベルトロガー9」が突然救難信号を発信し沈黙。救援に駆けつけた統合宇宙軍は直ちに部隊のエースらを派遣し調査を開始するも、彼らを迎えたのは採掘コロニーとは裏腹な数々の兵器からの容赦ない攻撃だった。これにより部隊はなんとかコロニー内部に辿り着くも、αチームは半数が撃墜、βチームに至ってはパトリック・サルー軍曹を残し全滅という惨状を呈することになる。~ プレイヤーはこの主人公サルー軍曹が搭乗するブロンクスを操作し、事件の解決と真相を知るべく謎の人物「ランツクネヒト」を追う事になる。 **特徴・評価点 -基本はステージ内に配されたフロア専用のキー(key)モジュールを探索し、次のフロアへのゲートにセットする事で1ステージクリアとなる。機体のデュラビリティ(耐久値)が0になったり、一撃死の罠を受けたり、各ステージの時間制限を過ぎるとゲームオーバー。 --乗機であるブロンクスはいわゆる人型機動兵器で、統合宇宙軍に制式採用された機動歩兵のうち汎用性重視型という設定。高性能コンピュータ「ソーマ」の搭載している事に加え様々な対応モードを備える。これによりコロニー内部の設備が使用可能なほか、多彩な武装を運用でき、エネルギーシールドによる防御システムなども搭載している。プレイヤーはこのブロンクスを最大限活用し、フロアに残されたデータを収集し、迫り来る戦闘メカを排除しながら脱出を目指すことになる。他にも、プレイアブルではないが火力重視型として制式採用されたカッパーヘッドと呼ばれる機動歩兵も登場する。 --ブロンクスは2足歩行を活かしたジャンプ能力に加えブースターも搭載しており、三次元機動能力を有する。地上の起伏に沿って走るだけでなく、建物の屋上に登り別の建物に飛び移る、敵を飛び越えて裏に回るなど立体的な動きが可能。 -武器 --ブロンクスは下記5カテゴリの武器を運用可能で、ゲーム内で兵器保管庫を見つける事で武装を増やす事が出来る。各カテゴリ内でも「弾速」「連射性」「1回の発射における弾数」により差別化されており、必ずしも後で入手するものほど有用とは限らない。多くは事件によって発生した戦闘に用いられるはずだったもので、その幾つかは救援に来るであろう統合宇宙軍へ託すメッセージと共に隠されている。 --ライフル:直線的な弾道を描く実体弾属性の汎用武器。弾は敵が頻繁に落とすので、弾切れで詰むことは滅多に無い。 #region(一覧) |スティンガー|初期装備で弾速、連射性、集弾性、ダメージとも取り立てて特長は無いが欠点も無いバランスタイプで、照準範囲が広めで扱いやすい。| |ヘンソルトシューター|スティンガーよりも連射性を高めているが、単発ダメージがそれ以上に下がってしまっており牽制向き。| |トリプルバレル|発射機構と銃身を三連装とし3発同時発射することで単射ダメージを高めた特殊タイプ。当然弾を3発ずつ消費するほか、弾速や照準範囲なども低下しており癖が強い。| |カールツァイス1000|スティンガーを全体的に強化したようなバランスタイプで、広い照準や十分な時間火力など癖が無く扱いやすい名銃。| |ラピッドファイア|連射速度特化型で短時間に大量の弾を叩き込める。火力に優れる一方、照準範囲や弾の消費など取り回しに問題を抱える。| |カールツァイス3000|カールツァイス1000の強化型となるバランスタイプ。若干取り回しが悪くなっているがライフルカテゴリでは最優等生的存在。一方で入手が終盤となるため、プレイスタイル次第ではあえて強化済のカールツァイス1000を使い続ける選択もある。| #endregion --レーザー:機体のエネルギーを使用して発射する光学武器。レーザー属性。威力や自動照準範囲はライフルに劣るが、機体のエネルギーは時間で少しずつ回復するため、乱発さえしなければ弾数は無制限((各ステージに制限時間があるので厳密には制限となる。))。ロックオン式の自動追尾機能のある特殊な兵器もある。 #region(一覧) |クォーカ|レーザー版のスティンガーとも言うようなバランスタイプ。弾薬の心配が要らないのが利点だが、火力が低くやや頼りない。| |レプトン|連射速度重視型のレーザーガン。単発ダメージは低下しているが、照準範囲など取り回しが軽くなっており、当てるだけなら扱いやすい。| |ハドロン|単発ダメージ重視型。取り回しが重くなっているほか、単発のエネルギー消費も増加しているなど癖が強くなっている。| |ポーラレイ|単発タイプのロックオンレーザーで、ロックオンしないと発射できない上にエネルギー消費も大きいが、単発火力はかなり高く誘導性と弾速にも優れ、レーザー兵器なので弾薬枯渇の心配が要らない。| |スパイリーウェーブ|レーザーとメーザーを同時発射することで攻撃力増大を図った特殊光学兵器。リング状の光弾を放つ。ロックオン式を除くレーザー兵器の決定版で総合バランスに優れた武器だが、これが手に入る頃には他の武器が充実してくるためやや地味な存在。| |ヒュドラ|四連装になったポーラレイ。同時4目標までロックできるが単体に集中ロックも可能で、全弾命中時の火力は非常に高い。攻撃力は圧倒的だがその分消費も重い。| #endregion --ミサイル:照準を合わせた対象をロックオンし、発射後に自動追尾する。威力が高く、命中時と爆風の2回攻撃判定がある((近くにいれば自分もダメージを受ける。))が、弾数が少なめ。 #region(一覧) |ディテクター|単発式のミサイル。序盤では強敵に対する切り札になる。| |デュアルバスター|同時2発発射式のミサイル。1目標に2発のミサイルが集中するため単体火力に優れる。| |モブス|四連装ミサイルランチャーで、こちらは同時4目標までロック可能。1発のダメージは低下しているが柔軟に扱え、1体に集中的に命中させれば火力も非常に高い。| #endregion --ランチャ:敵をマーキングした後、機体上方向に射出しマーキング座標に着弾、爆発でダメージを与える迫撃砲。ロックオンではないので誘導しないのが欠点で、移動目標にはただ撃っても当たりにくい。地上から建屋の屋上を狙う、壁を越えて攻撃するなど、他の武器では狙えない位置にいる敵向け。 #region(一覧) |トレンチモーター|単発タイプで火力自体は優秀だが、特性上使いどころを選ぶ。| |ブレイカ|同時4発発射型。マーキング座標を囲むように着弾するため、小型目標には当たりにくいが大型目標には優れた攻撃力を発揮し、移動が速すぎなければ移動目標も狙える。| |MIRV-4|四連装タイプ。こちらは同時4目標までマーキング可能で柔軟な運用が可能だが、巨大兵器に対してはブレイカに劣る面もある。| #endregion --ドーゲン:唯一のボムカテゴリで、ブロンクスの運用できる兵器中最大の破壊力を持つ戦術核爆弾。放物線軌道で射出し着弾後に巨大な爆風で大ダメージを与える。無策で爆風に巻き込まれれば一瞬でゲームオーバーになるほどの強力な武器である。ゲームを通して数個しか入手できない貴重な存在。 -防御 --○ボタンを押している間、機体エネルギーを急速に消費しながら完全無敵のバリアを張る。その間、攻撃はできないが移動は可能。本作では狭い通路での戦闘や追尾ミサイルなど、敵の攻撃を回避困難な状況が多いので必須の機能である。使用するエネルギーはレーザーと共用なので、使用タイミングと残量に注意が必要となる。 -各種アイテム --ストーリー進行に必要なアイテム以外では、探索の過程で拾う消費型のアイテムが数多い。いずれもPAUSEメニュー画面から、任意のタイミングで使用可能。 ---デュラビリティやエネルギーを回復させるモジュール・最大値を上げるモジュール ---WPA:武器を1段階ずつ強化する。最大のLv30まで上げると攻撃力が2倍になる。 ---SAPU:機体のダメージ耐性(ライフル、レーザー、ミサイル、物理)を一つ選んで5%強化する。100%まで強化するとバリアを使わずとも被ダメージを無効にできる。 ---シールドビット:一定時間無敵になる。 ---スターシェル:暗いフロアを明るくする照明弾。 ---バンガー:設置して数秒後に爆発する時限爆弾。トラップとして攻撃用途に使えなくもないが、隠しルートを塞ぐ壁を壊す用途の方が主。  --アイテムは全てステージ持ち越しで、かつ、ゴリ押しプレイではアイテムが枯渇して行き詰まるゲームバランスのため、ゲームクリアの道のりにおいて温存すべき箇所などの戦略も必要になってくる。 --WPAとSAPUで補強する箇所はプレイヤーが選択できるため、愛用する武器や苦手な攻撃への耐性を見極めて割り振る必要がある。 -オプションユニット --6枠のスロットに、敵検知レーダーや赤外線スコープ((赤外線トラップに引っ掛かるとその先の扉が閉まってしまうギミックが複数個所あるが、赤外線の位置を記憶しているなら未使用でもきちんと突破できるようになっている。))などを適宜装備するシステム。ゲームを進める内に、敵の残り耐久値を表示したり、エネルギーの回復効率を上げたり、歩行・旋回速度を上げる等有用なオプションを入手できる。 -その他システム --キーコンフィグなどは詳細に設定可能。デフォルトの操作感は概ねアーマード・コアシリーズ旧作などの3Dアクションシューティングと同じで、R1L1での平行移動やR2L2での視点上下となっている。 --ストーリーの会話ログがゲーム中で参照可能であり、会話中に出てくるパスワードなどを聞き漏らしたり忘れたりしても安心。パスワード自体も基本的に4文字と覚えやすく(セキュリティ的にはどうかと思うが)、また周回プレイ時にも変わらないためストレスがない。 -ステージ・フロア --当時としてはグラフィックの質が高く、前方の視界距離はやや短めながら高フレームレートで滑らかに描写。処理落ちはほぼない。 --数は全22ステージとボリュームもあり、かつ個性的な設備やギミックがあり飽きさせない。集荷場や宇宙船ドック、作業ベイや公園、居住区など、同じベルトロガー9内部ながら様々なロケーションが用意されている。 --多くは通路や建造物内の探索、スイッチの制御、作業リフト間の乗り移り、障害物避けなど三次元的なアクションなどをメインで行う。 -シナリオ --ステージを攻略していく事で明らかになる事件の全貌や、ランツクネヒトと名乗る人物との因縁など、SFミステリーとして破綻が無く完成度が高い。 --沈黙したコロニーの中、人間の居なくなった人工的空間の不気味さや様々な演出も非常に良く出来ている他、主人公の所属する部隊の母艦シーカーとのやり取りで明らかになっていくセンチネル計画、コロニーごと破壊という最終手段を却下する軍上層部がひた隠しにする真実、出撃前に予定にないコード((発進秒読み段階になって抗精神薬を注射される。))が実行された理由など、様々な伏線も良く練られしっかり回収されている。仲間の死や同型機との対決などランツクネヒトへの怒りも合わさって熱い展開もある。 --ストーリーを強調する要素として、作業員や住人たちが残した、ベルトロガー9が沈黙する前の状況を伝えるレコードカードが存在する。この中には当時作業員たちが封鎖したゲートを開放するためのパスワードや、次のフロアで進むためのヒント、果ては事件前後の住人の様子を示す痕跡やエグいものまで様々なものが収められている。 ---世界設定の表現に一役買っていると共に事件究明のヒントにもなっており、無駄なものはほぼ無い。 -BGM --曲としてはあくまで雰囲気に特化しており、基本的に重く、暗く、不気味さの演出に終始しているが、それだけに演出としての側面では完成度は高い。数箇所あるボス戦でのBGMもリズムこそ速くなるものの空気は損なわれていない。 --本作で唯一ゲームミュージックらしい曲はラスボス戦のみで、メインテーマを織り交ぜた唯一の「熱い」曲調は演出も相まって人気高い。 -周回プレイ --クリアデータを引き継いで最初のステージから再度遊ぶことができる。 ---オプションやデュラビリティ・エネルギー上限は初期値に戻されるが、WPAによる武器強化はそのまま引き継がれるため、簡単に様々な武器を最大まで強化できる。 ---SAPUによる耐性強化もクリア時点の50%を引き継ぐ為、1周目より被ダメージが少ない。((最終的には周回あたりの最大増加量より次周開始時の50%カットの方が大きくなるため、ゲーム最終盤でも全耐性を100%にする事はできない。本作はバリアが万能なので、やりこみの観点から目につく程度であるが。)) ---なお、アイテムも引き継がれるが、ドーゲンボムなどの一部の貴重なアイテムもそのままなので、前周で使い切ってしまうと次の周回では乏しい状況でプレイすることになる。 --余談だが、本作の特殊な裏技を使用するには、特定の時間内で全クリアしたデータが必要になる。これには周回プレイは使えない。 **問題点 -操作の複雑さ --現在でこそ多くのプレイヤーが問題なく操作するL2R2ボタンによる視点上下だが、1996年当時としては先進的で操作が難しい。翌年発売された初代『[[アーマード・コア]]』でも同様に慣れるまで修練を必要としたように、本作でも慣れるには時間を要する。 --ただ、本作では戦闘中に視点上下を頻繁に必要とする機会は少なく、基本的には足場の乗り継ぎなどで使う程度なのでそこまで苦になる程ではない。 --照準範囲の広い武器を使えば飛行する敵も自動照準に捉えやすくなる。火力が低くても不慣れなプレイヤーにはありがたい。 -武器のバランス --難点という程ではないが、メインで使用するライフルの弾数が少々余り気味。一部の連射ライフルで無駄遣いしない限り普通にプレイしていても途中でカンストする。このためヒュドラ以外のレーザーを使う機会があまりない。 ---レーザー武器はライフル耐性を持つ敵に対して有効な場合が多いのだが、敵の耐性を知る方法は「残耐久値を表示するオプションを装備しそれぞれの武器を当てて減り具合を確認する」以外になく、加えてこのオプションの入手が中盤以降なため活用しづらい。わざわざこういった手順を踏むよりもミサイルの火力で押し切るプレイヤーも多い。 --ランチャの存在が空気。上方向に発射という性質上、天井の低い通路の探索が多い本作では地形と噛み合わないケースが多く、着弾までの時間も長いことから単に開けた場所で使うにも使いにくい。比較的当てやすいブレイカも静止している小型の敵にはそもそも命中しないなど、ニッチ過ぎて使い所が難しい。 -少々取っ付き辛いストーリー --SFに縁があれば完成度の高いストーリーではあるのだが、根幹設定の一つであるピックマン症候群の「宇宙の穴から放出される思念波が人間の負の思念に作用し、外因性精神分裂症にかかり発狂したりする」といった説明はSFというよりもオカルトに感じられてしまう事も。 ---変に比喩表現を用いず「脳の一部に物質的に作用する宇宙線」と説明していた方が良かったのではないだろうかと悔やまれる。 //↓ハードウェアとしてヒトの脳を模して造られており、ランツクネヒトが乗っ取るために元の人格は邪魔だったことから特に不自然ではないかと。現実の人間の様に発症まで数十年かかっていてはシナリオにならないので。本作が作られた90年代の一般社会における認知症への理解としても妥当なところ。 //---他にも、システム攻撃を受けたことで基地を制御するニューロAIが「アルツハイマーを発症した」という解説も、人によっては失笑モノかもしれない(比喩にしてもズレている。しかも、システムを設計した科学者自身のセリフである)。 -エンディングテーマ --主人公とヒロインの声優によるデュエット曲。ゲームの雰囲気に合っていないという声も大きい。 **総評 開発元の元気は本作に先駆けて『キリーク・ザ・ブラッド』シリーズを手掛けている。キリークシリーズの高難度を踏まえホラーテイストも成立させているが難しすぎない難度調整や、3D空間であってもあくまで地面を走るのみであった前2作から三次元機動を可能としたこと、更にそれを活かせるバラエティ豊かだが世界観は統一されているマップデザインなど、『アーマード・コア』シリーズ等、今なお名を馳せている3Dアクションシューティングに先駆けて登場した本作は、時期を考えれば破格の完成度を誇る。SFを舞台にした一つの凄惨な事件をミステリーに昇華したストーリーにも定評があり、知名度は低いが間違いなくPS前期における良作アクションの一つである。 ---- **余談 -本作をPS2・初期型PS3でプレイすると、各ステージ最初のブリーフィングデモのうち、長めのデモは途中で途切れてしまう。ステージの目的が分からず困る場合があるのだがレコードカードにも収録されておらず、どうしようもない。 // 本wikiではPS版の発売時点の評価を基準とするため、問題点とはしない。 **後の展開 -2008年8月13日にゲームアーカイブス配信。 --ボタン数の関係で視点上下操作に難がある模様。

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