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*スティッチ!DS オハナとリズムで大冒険 【すてぃっちでぃーえす おはなとりずむでだいぼうけん】 |ジャンル|リズム・アドベンチャー|&amazon(B002QQ754A)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|DSカード|~| |発売元|ディズニー・インタラクティブ・スタジオ|~| |開発元|キャトルコール|~| |発売日|2009年12月3日|~| |定価|5,040円(税5%込)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |セーブデータ|1個|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |廉価版|ディズニー セレブレーション・シリーズ&br;2011年7月28日/2,940円(税5%込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|横スクロールアクションと音ゲーのコラボ&br;ボリューム不足・ファンアイテムとしては微妙|~| |>|>|CENTER:''[[ディズニーシリーズリンク>ディズニーシリーズ]]''| **あらすじ 宇宙征服を企む悪の科学者ハムスターヴィールが、スティッチのガールフレンドのエンジェルを攫ってしまった。スティッチは彼女を助けるため海へ空へと冒険する。 **概要 -この作品の背景 --ハワイを舞台にした『リロ&スティッチ』シリーズではなく、沖縄にある架空のイザヨイ島を舞台にした『スティッチ!』のシリーズを素材にしている。 --設定については長くなるので省略するが、『リロ&スティッチ』および『スティッチ!』は科学者ジャンバによって生み出された悪の試作品のエイリアン「スティッチ」が人間との交流を経て改心していくという流れ。 --本作には主人公のスティッチや、彼の生みの親であるジャンバ、彼の(事実上の)助手プリークリー、「イトコ」と呼ばれるジャンバが生み出した別のエイリアン、宇宙征服をたくらむ悪の科学者ハムスターヴィール、その部下ガントゥとルーベンが登場する。 -簡単なゲームシステム --本作は横スクロールアクションと音ゲーをコラボさせたような独特のシステムをとる。 --操作キャラ兼主人公のスティッチは音楽に合わせて右方向に自動で行進するので、プレイヤーはタッチペンおよびボタンを使って、流れてくる「マーク」とスティッチが重なった時に何かしらのコマンド入力をすることになる。 ---「あそびかた」、「オプション」の項目から、プレイヤーはタッチペンによる操作にするか、ボタンによる操作にするかを、オプションから切り替えができる。 ---セーブデータは1つだけであり自動セーブ方式。「オプション」からゲームのセーブデータを消すことはできる。 -細かいコマンド操作方法 --基本は♪型のマークがたくさん流れてくるので、右に進んでいくスティッチとマークが重なる瞬間にリズムに乗ってタイミングよくタッチ、もしくはボタン(A,B,X,Y)を押せばいい。 --↑↓のアイコンが流れてきたときには、矢印が示す方向にスライドタッチもしくは十字キーを押すことになる。 --「!」のふきだしはランダムコマンドとなる。タッチペンモードでは↑or↓の二択、ボタンモードではAorBの二択から正解を選んで入力することに。 ---スティッチがある程度アイコンに近づかないと何を入力すべきかわからない。(後述の)難易度が上がるにつれて、正解のコマンドが判明するまでの時間が遅くなる。 ---実はスティッチが行進するステージに出てくる障害物や敵の動きから、あらかじめどちらを入力すべきかのヒントをつかむこと自体は可能。 -ゲームオーバー --1曲中で通算で10回程度コマンドミスすると失敗(ステージごとに回数の差異あり。)になり、リトライかあきらめるかを聞いてくる。 --時折登場するハートマークの符号は通常の♪マークと同様に処理可能で、処理に成功するとミスを数回分回復できる。 -ゲームの流れ --ニューゲーム時はストーリーモードをプレイすることになり、一巡クリアするとストーリーモードの曲を好きな時に遊べるフリーモードが解放される。 --フリーモードでは得点と対応している☆を集めることとなり、集めた☆に応じて特典が解放される。 #region(各モードの詳細) -ストーリーモード --10ステージ制であり、紙芝居・テキストによる王道なストーリーが繰り広げられた後に、音ゲーパートをプレイすることになる。 --スティッチしか操作できない。 ---シナリオ部分のテキストの読み上げはないが一部にボイスがある。挿絵は非常に多い。 ---1曲はだいたい2~3分、歌はついていない。 --1つステージをクリアするとすぐに次のステージのイベントが開始される。そのためプレイヤーの好きな順番で曲をプレイできない。 --クリアするか否かだけが判断されており、得点計算はしてくれない。 //--オートセーブだが、「最初から」を選択すると今までのプレイ記録がなくなる。 -フリーモード --ストーリーモードの曲を好きにプレイできるようになる。スティッチだけでなくエンジェル、ルーベン、フィリックスを操作してプレイ可能。 --フリーモード解放と同時に、のりのりランクが解放される。さまざまな曲をさまざまな難易度でクリアすることでランクアップしていく。 -おまけ --☆を一定数集めると解放される特典。 --エンジェルを主人公にした特殊譜面、譜面の難易度(後述の入力に関連した難易度とは別物)を3段階調節できる隠しステージが追加される。 #endregion -得点 --ストーリーモードには登場しないシステム。 --連続でコマンドを成功するとコンボとなり得点がどんどん上昇していく。 --コマンド入力成功のなかでもタイミングが正確であれば「グレート」、おおむねあっている状態であれば「グッド」の評価が下される。 -☆マーク --フリーモード等で入手できる特典解放のためのアイテム。1曲クリアするごとにクリア時の成績に応じて1~5個もらえる。 --むずかしいでクリア、すべての譜面をグレートでクリア、フィーバーでクリアの条件を満たすごとに獲得数に2倍の補正がかかる。 --すべてのマークを「グレート」にしてクリアするとパーフェクトのボーナスとして☆が一度に50個もらえる。なお一度パーフェクトを取った曲でもう一度パーフェクトをとってもボーナスは入らない。 -難易度調整 --難易度で変更されるのはコマンドの受け付け判定とマークの表示方法であるため、ストーリーモードを含めたあらゆるモードに影響がある。 --高難易度ほど高成績を出しやすく、(パーフェクトを狙わないのであれば)一度のプレイで☆を稼ぎやすい。 ---「とってもやさしい」…タイミング判定が緩くなるほか方向キーおよびA、B、X、Yボタンのいずれを押しても成功とみなされる。 ---「むずかしい」…「!」マークの正解が表示されるタイミングや方法が非常にシビアになる。☆がボーナスで2倍手に入る。 **評価点 -ゲームの独自性 --音ゲーに求められる操作をするだけで、それに合わせて画面内のキャラが非常に豊富なアクションを繰り出してくれる。ゲームシステム自体はシンプルだが、デザイン面はなかなか秀逸といえるだろう。 --ゆったりとした曲からアップテンポのものまで幅広くそろえてある。音ゲーとしては珍しく、ハワイアンや沖縄をイメージした楽曲でも遊べる。 ---リズムの裏打ちや連符などもあり、譜面としてきちんと技巧を凝らしてある。 -アニメーション --DSの画質なので多少粗いが、ゲーム中で流れる景色はよく作りこまれている。特に流れる水のグラフィックには躍動感がある。 ---譜面が指示するアクションを成功させると、譜面マップに何かしらの反応が起こるので見ていて楽しい。 ---登場人物もBGMに合わせた行動をとる。ゲーム攻略のヒントにもなっていることがある。 --イベント時の紙芝居は本作オリジナルに書き下ろされており、バリエーションも非常に豊富。 -初心者に優しい設計 --音ゲーが苦手な人でも詰まないようにできる。連続でステージを失敗していると難易度を下げるかどうかをゲームの方から聞いてくる。 --タッチペンとボタンのモードを切り替えると、練習の場を設けてくれる。 //**賛否両論点 **問題点 -譜面デザイン --キャラや背景の演出面に特化しすぎた弊害として、単純に音ゲーの譜面としては分かりにくい。 --操作キャラが急に走り出したりダイナミックなアクションをするせいで、プレイヤーのリズム感覚が狂う。上述のように、テンポの裏打ちをさせるケースも多いので、こういった予測のつかない動きがパーフェクトの壁になりやすい。 --譜面のマークが背景に溶け込んで見にくくなるケースがあるほか、実際に画面の手前を横切るキャラやエフェクトのせいで譜面のマークが隠されたりすることも。 --「むずかしい」の難易度でプレイすると、「AorB(ボタンモード)」、「↑or↓(タッチペンモード)」の表示がわかりにくくなる。周囲の敵キャラや障害物の予備動作がヒントになるため、アクションゲームとしての立ち回りが求められる。 ---音ゲーでアクションゲームの駆け引きができるため斬新という見方もできるし音ゲーとしての良さを削ぐという見方もできるため、本作の評価が分かれるポイントかもしれない。 -作品としてのボリューム --曲目は10種類。ゲームを進めるとエンジェルを主役にしたおまけ曲やより難易度の高いチャレンジモードの曲が解放されるが、基本的にストーリーとフリーモードの使い回し。 --ゲームを進めるとキャラ選択や衣装の着せ替え、曲の難易度をいくつかの段階に分けてプレイできるようになるなど、少ないボリュームを補う工夫はうかがえるが、本質的には操作キャラのビジュアルが変わるだけであり、原作に準拠した動きをしてくれるわけではない(ボイスは一応変わる)。 -ストーリーのボリュームやキャラの人選関連 --本丸のリズムゲーの勢いを崩しておらず、テンポと勢いは非常にいいのだが、ストーリーがほんのオマケ程度にしか機能していない。 --『スティッチ!』の舞台となる「イザヨイ島」は、不時着したハムスターヴィールの宇宙船を追いかけて立ち寄る程度。 --イザヨイ島出身の登場人物もキジムナーしか出てこない(スティッチの相棒となるユウナも出てこない)ので、そもそも『スティッチ!』のシリーズでやる必要性が弱い。 --一概に問題点でもないが、なぜかフィリックスというスティッチのいとこの中でも地味な立ち位置のキャラがプレイヤブルキャラになっている。 -エンジェルのキャラ付け --エンジェルが、物語序盤で特に理由もなくスティッチの「イトコ」エイリアンを自らの歌で狂暴化させている。傍から見ればただの悪行に映りかねない。 ---補足すると『リロ&スティッチ』のシリーズで、ハムスターヴィールの手に堕ちスティッチの周りのキャラクター達を狂暴化させたことはあるが、『スティッチ!』シリーズではマイペースな性格ではあるもののほぼ改心している。 ---本作では、スティッチの「イトコ」エイリアンが暴れて街の騒ぎが起きるシーンで、「その原因はエンジェルだ」とプリークリーが即座に気付いている。このように彼女がやたらと悪名高いため、スティッチが物語冒頭でエンジェルをデートに誘うと意気込み、危険を冒してハムスターヴィールから奪還しようとする動機づけ(とジャンバとプリークリーが彼女の奪還を応援する理由)が怪しくなってしまう。 --「歌」が(スティッチとルーベンを除いた)ジャンバの試作品の「イトコ」にしか効かないことになっている((本来にはいろいろな生物に効果がある。))ほか、エンジェルの歌の効果をガントゥとルーベンが全く知らないなど原作との齟齬もある。 -☆の集め方について --☆の集め方がわかりにくい。50個集めるとひとつずつ解放される仕組みだがこれの説明が特にゲーム中でされない。 --曲全体でパーフェクトをとるとボーナスで50個一度にもらえる。またむずかしさが「とってもかんたん」ではなんとボタン(およびタッチパネル)の連打でパーフェクトが狙えてしまうため、ただ解放をしたいならこの方法が手っ取り早い。 --難易度「むずかしい」だとボーナスで☆の獲得数が2倍になるので、うまくこなせれば効率は良いのだが、判定が厳しく特に「!」マークでコンボが途切れやすいので、音ゲーが苦手だと却って効率が悪い。 -その他 --リザルト画面の表示は一定時間表示されるが、これをスキップできない。 --曲を中断する機能がない。リザルト画面でうっかりAボタンを連打していると先程の曲をもう一度選んでしまいがち。 ---オートセーブ方式(セーブのタイミングはリザルト画面終了後の暗転時の模様)なので、間違えて曲を選んだ時はリセットが効くがタイミングを適切にしないとプレイデータに影響があるかもしれない。自殺プレイも中断の代替手段として選択肢に入るか。 --「のりのりランク」がゲーム中特に意味を成していない。 --フィーバーになる条件がわかりにくい。 **総評 特殊なゲーム性や多くの演出に力を割いて余裕がなかったためか、やれることそのものは少ない。またキャラゲーとして原作の設定を再現しきれていないといった問題点もある。しかしゲームのつくり自体は斬新で、スティッチ特有の南国の雰囲気は存分に醸し出されているため、息抜きにはちょうど良いゲームかもしれない。
*スティッチ!DS オハナとリズムで大冒険 【すてぃっちでぃーえす おはなとりずむでだいぼうけん】 |ジャンル|リズム・アドベンチャー|&amazon(B002QQ754A)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|DSカード|~| |発売元|ディズニー・インタラクティブ・スタジオ|~| |開発元|キャトルコール|~| |発売日|2009年12月3日|~| |定価|5,040円(税5%込)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |セーブデータ|1個|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |廉価版|ディズニー セレブレーション・シリーズ&br;2011年7月28日/2,940円(税5%込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|横スクロールアクションと音ゲーのコラボ&br;ボリューム不足・ファンアイテムとしては微妙|~| |>|>|CENTER:''[[ディズニーシリーズ]]''| ---- #contents(fromehere) ---- **あらすじ 宇宙征服を企む悪の科学者ハムスターヴィールが、スティッチのガールフレンドのエンジェルを攫ってしまった。スティッチは彼女を助けるため海へ空へと冒険する。 **概要 -この作品の背景 --ハワイを舞台にした『リロ&スティッチ』シリーズではなく、沖縄にある架空のイザヨイ島を舞台にした『スティッチ!』のシリーズを素材にしている。 --設定については長くなるので省略するが、『リロ&スティッチ』および『スティッチ!』は科学者ジャンバによって生み出された悪の試作品のエイリアン「スティッチ」が人間との交流を経て改心していくという流れ。 --本作には主人公のスティッチや、彼の生みの親であるジャンバ、彼の(事実上の)助手プリークリー、「イトコ」と呼ばれるジャンバが生み出した別のエイリアン、宇宙征服をたくらむ悪の科学者ハムスターヴィール、その部下ガントゥとルーベンが登場する。 -簡単なゲームシステム --本作は横スクロールアクションと音ゲーをコラボさせたような独特のシステムをとる。 --操作キャラ兼主人公のスティッチは音楽に合わせて右方向に自動で行進するので、プレイヤーはタッチペンおよびボタンを使って、流れてくる「マーク」とスティッチが重なった時に何かしらのコマンド入力をすることになる。 ---タッチペンとボタンのどちらで操作するかは、「あそびかた」→「オプション」の項目から切り替え可能。 --セーブデータは1つで自動セーブ方式。「オプション」からゲームのセーブデータを消すことはできる。 -細かいコマンド操作方法 --基本は♪型のマークがたくさん流れてくるので、右に進んでいくスティッチとマークが重なる瞬間にリズムに乗ってタイミングよくタッチ、もしくはボタン(A,B,X,Y)を押せばいい。 --↑↓のアイコンが流れてきたときには、矢印が示す方向にスライドタッチもしくは十字キーを押すことになる。 --「!」のふきだしはランダムコマンドとなる。タッチペンモードでは↑or↓の二択、ボタンモードではAorBの二択から正解を選んで入力することに。 ---スティッチがある程度アイコンに近づかないと何を入力すべきかわからない。(後述の)難易度が上がるにつれて、正解のコマンドが判明するまでの時間が遅くなる。 ---実はスティッチが行進するステージに出てくる障害物や敵の動きから、あらかじめどちらを入力すべきかのヒントをつかむこと自体は可能。 -ゲームオーバー --1曲中で通算で10回程度(ステージにより差異あり)コマンドミスすると失敗になり、リトライかあきらめるかを聞いてくる。 --時折登場するハートマークの符号は通常の♪マークと同様に処理可能で、処理に成功するとミスを数回分回復できる。 -ゲームの流れ --最初はストーリーモードを遊べる。一巡クリアするとフリーモードが解放される。 ---フリーモードでは得点と対応している☆を集めることとなり、集めた☆に応じて特典が解放される。 #region(各モードの詳細) -ストーリーモード --10ステージ制であり、紙芝居・テキストによる王道なストーリーが繰り広げられた後に、音ゲーパートをプレイすることになる。 --スティッチしか操作できない。 ---シナリオ部分のテキストの読み上げはないが一部にボイスがある。挿絵は非常に多い。 ---1曲はだいたい2~3分、歌はついていない。 --1つステージをクリアするとすぐに次のステージのイベントが開始される。そのためプレイヤーの好きな順番で曲をプレイできない。 --クリアするか否かだけが判断されており、得点計算はしてくれない。 //--オートセーブだが、「最初から」を選択すると今までのプレイ記録がなくなる。 -フリーモード --ストーリーモードの曲を好きにプレイできるようになる。スティッチだけでなくエンジェル、ルーベン、フィリックスを操作してプレイ可能。 --フリーモード解放と同時に、のりのりランクが解放される。さまざまな曲をさまざまな難易度でクリアすることでランクアップしていく。 -おまけ --☆を一定数集めると解放される特典。 --エンジェルを主人公にした特殊譜面、譜面の難易度(後述の入力に関連した難易度とは別物)を3段階調節できる隠しステージが追加される。 #endregion -得点 --ストーリーモードには登場しないシステム。 --連続でコマンドを成功するとコンボとなり得点がどんどん上昇していく。 --コマンド入力成功のなかでもタイミングが正確であれば「グレート」、おおむねあっている状態であれば「グッド」の評価が下される。 -☆マーク --フリーモード等で入手できる特典解放のためのアイテム。1曲クリアするごとにクリア時の成績に応じて1~5個もらえる。 --むずかしいでクリア、すべての譜面をグレートでクリア、フィーバーでクリアの条件を満たすごとに獲得数に2倍の補正がかかる。 --すべてのマークを「グレート」にしてクリアするとパーフェクトのボーナスとして☆が一度に50個もらえる。なお一度パーフェクトを取った曲でもう一度パーフェクトをとってもボーナスは入らない。 -難易度調整 --難易度で変更されるのはコマンドの受け付け判定とマークの表示方法であるため、ストーリーモードを含めたあらゆるモードに影響がある。 --高難易度ほど高成績を出しやすく、(パーフェクトを狙わないのであれば)一度のプレイで☆を稼ぎやすい。 ---「とってもやさしい」…タイミング判定が緩くなるほか方向キーおよびA、B、X、Yボタンのいずれを押しても成功とみなされる。 ---「むずかしい」…「!」マークの正解が表示されるタイミングや方法が非常にシビアになる。☆がボーナスで2倍手に入る。 ---- **評価点 -ゲームの独自性 --音ゲーに求められる操作をするだけで、それに合わせて画面内のキャラが非常に豊富なアクションを繰り出してくれる。ゲームシステム自体はシンプルだが、デザイン面はなかなか秀逸といえるだろう。 --ゆったりとした曲からアップテンポのものまで幅広くそろえてある。音ゲーとしては珍しく、ハワイアンや沖縄をイメージした楽曲でも遊べる。 ---リズムの裏打ちや連符などもあり、譜面としてきちんと技巧を凝らしてある。 -アニメーション --DSの画質なので多少粗いが、ゲーム中で流れる景色はよく作りこまれている。特に流れる水のグラフィックには躍動感がある。 ---譜面が指示するアクションを成功させると、譜面マップに何かしらの反応が起こるので見ていて楽しい。 ---登場人物もBGMに合わせた行動をとる。ゲーム攻略のヒントにもなっていることがある。 --イベント時の紙芝居は本作オリジナルに書き下ろされており、バリエーションも非常に豊富。 -初心者に優しい設計 --音ゲーが苦手な人でも詰まないようにできる。連続でステージを失敗していると難易度を下げるかどうかをゲームの方から聞いてくる。 --タッチペンとボタンのモードを切り替えると、練習の場を設けてくれる。 **問題点 -譜面デザイン --キャラや背景の演出面に特化しすぎた弊害として、単純に音ゲーの譜面としては分かりにくい。 --操作キャラが急に走り出したりダイナミックなアクションをするせいで、プレイヤーのリズム感覚が狂う。上述のように、テンポの裏打ちをさせるケースも多いので、こういった予測のつかない動きがパーフェクトの壁になりやすい。 --譜面のマークが背景に溶け込んで見にくくなるケースがあるほか、実際に画面の手前を横切るキャラやエフェクトのせいで譜面のマークが隠されたりすることも。 --「むずかしい」の難易度でプレイすると、「AorB(ボタンモード)」、「↑or↓(タッチペンモード)」の表示がわかりにくくなる。周囲の敵キャラや障害物の予備動作がヒントになるため、アクションゲームとしての立ち回りが求められる。 ---音ゲーでアクションゲームの駆け引きができるため斬新という見方もできるし音ゲーとしての良さを削ぐという見方もできるため、本作の評価が分かれるポイントかもしれない。 -作品としてのボリューム --曲目は10種類。ゲームを進めるとエンジェルを主役にしたおまけ曲やより難易度の高いチャレンジモードの曲が解放されるが、基本的にストーリーとフリーモードの使い回し。 --ゲームを進めるとキャラ選択や衣装の着せ替え、曲の難易度をいくつかの段階に分けてプレイできるようになるなど、少ないボリュームを補う工夫はうかがえるが、本質的には操作キャラのビジュアルが変わるだけであり、原作に準拠した動きをしてくれるわけではない(ボイスは一応変わる)。 -ストーリーのボリュームやキャラの人選関連 --本丸のリズムゲーの勢いを崩しておらず、テンポと勢いは非常にいいのだが、ストーリーがほんのオマケ程度にしか機能していない。 --『スティッチ!』の舞台となる「イザヨイ島」は、不時着したハムスターヴィールの宇宙船を追いかけて立ち寄る程度。 --イザヨイ島出身の登場人物もキジムナーしか出てこない(スティッチの相棒となるユウナも出てこない)ので、そもそも『スティッチ!』のシリーズでやる必要性が弱い。 --一概に問題点でもないが、なぜかフィリックスというスティッチのいとこの中でも地味な立ち位置のキャラがプレイヤブルキャラになっている。もっとも、『スティッチ!』1期に登場したイトコがルーベン、エンジェル、スパーキー(このゲームでは敵として登場)、フィリックスしかいないため、ハワイのシリーズを知らない視聴者にも馴染みがあるプレイアブルキャラクターとしては割と妥当な選出ともいえる。 -エンジェルのキャラ付け --エンジェルが、物語序盤で特に理由もなくスティッチの「イトコ」エイリアンを自らの歌で狂暴化させている。傍から見ればただの悪行に映りかねない。 ---補足すると『リロ&スティッチ』のシリーズで、ハムスターヴィールの手に堕ちスティッチの周りのキャラクター達を狂暴化させたことはあるが、『スティッチ!』シリーズではマイペースな性格ではあるもののほぼ改心している。 ---本作では、スティッチの「イトコ」エイリアンが暴れて街の騒ぎが起きるシーンで、「その原因はエンジェルだ」とプリークリーが即座に気付いている。このように彼女がやたらと悪名高いため、スティッチが物語冒頭でエンジェルをデートに誘うと意気込み、危険を冒してハムスターヴィールから奪還しようとする動機づけ(とジャンバとプリークリーが彼女の奪還を応援する理由)が怪しくなってしまう。 --「歌」が(スティッチとルーベンを除いた)ジャンバの試作品の「イトコ」にしか効かないことになっている((本来にはいろいろな生物に効果がある。))ほか、エンジェルの歌の効果をガントゥとルーベンが全く知らないなど原作との齟齬もある。 -☆の集め方について --☆の集め方がわかりにくい。50個集めるとひとつずつ解放される仕組みだがこれの説明が特にゲーム中でされない。 --曲全体でパーフェクトをとるとボーナスで50個一度にもらえる。またむずかしさが「とってもかんたん」ではなんとボタン(およびタッチパネル)の連打でパーフェクトが狙えてしまうため、ただ解放をしたいならこの方法が手っ取り早い。 --難易度「むずかしい」だとボーナスで☆の獲得数が2倍になるので、うまくこなせれば効率は良いのだが、判定が厳しく特に「!」マークでコンボが途切れやすいので、音ゲーが苦手だと却って効率が悪い。 -その他 --リザルト画面の表示は一定時間表示されるが、これをスキップできない。 --曲を中断する機能がない。リザルト画面でうっかりAボタンを連打していると先程の曲をもう一度選んでしまいがち。 ---オートセーブ方式(セーブのタイミングはリザルト画面終了後の暗転時の模様)なので、間違えて曲を選んだ時はリセットが効くがタイミングを適切にしないとプレイデータに影響があるかもしれない。自殺プレイも中断の代替手段として選択肢に入るか。 --「のりのりランク」がゲーム中特に意味を成していない。 --フィーバーになる条件がわかりにくい。 ---- **総評 特殊なゲーム性や多くの演出に力を割いて余裕がなかったためか、やれることそのものは少ない。またキャラゲーとして原作の設定を再現しきれていないといった問題点もある。しかしゲームのつくり自体は斬新で、スティッチ特有の南国の雰囲気は存分に醸し出されているため、息抜きにはちょうど良いゲームかもしれない。

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