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ドラゴンスレイヤーIV ドラスレファミリー」を以下のとおり復元します。
*ドラゴンスレイヤーIV ドラスレファミリー
【どらごんすれいやーふぉー どらすれふぁみりー】
|ジャンル|アクションRPG|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/174900199.jpg,height=180)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ&br;MSX、MSX2|~|
|開発元(共通)&br;発売元【MSX/MSX2】|日本ファルコム|~|
|発売元【FC】|ナムコ|~|
|発売日|【MSX2】1987年7月10日&br;【FC】1987年7月17日&br;【MSX】1987年10月|~|
|判定|なし|~|
|>|>|CENTER:''[[ドラゴンスレイヤー&英雄伝説シリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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//若い世代は知らないんだろうけどMSX版とMSX2版が別個に発売されてることも多かったんだよ。

**概要
ドラゴンスレイヤーシリーズの4作目。~
「ドラスレファミリー」という風変わりなサブタイトルがついている。ちなみに海外タイトルは『LEGACY OF THE WIZARD』。~
ドラゴンスレイヤーシリーズ初であり、かつ日本ファルコム初の家庭用ゲーム機オリジナル作品である。~
先行して発売されたMSX2版とやや遅れて発売されたMSX版はファルコムの自社ブランドとして発売されたが、FC版はナムコからの発売となっている。((「ファミスタ」などでおなじみのナムコファミリーシリーズの一作品扱い。))~
なお、MSX版とMSX2版はマップ構成等に若干の違いがあり、前者はFC版の移植である。

**システム
『ザナドゥ』『ロマンシア』に似たシステムのアクションRPGではあるが、スプライト機能のあるハードに限定したことによりアクション要素はより高まっている。~
拠点となる「ゼムン・ウォーゼンの家」からメンバーを一人選んでダンジョンに向かい、最深部に潜むキングドラゴン「ディルギオス」を撃破するのが最終目的となる。
家では探索メンバーの切り替えや、セーブ&ロード(パスワード制)を行うことが可能。~
ウォーゼン一家は各キャラで性能が異なっており、ダンジョン内には「特定のキャラでないと先に進めない地形」も多数存在する。~
そのため「敵を倒してお金やアイテムを集め、家とダンジョンを何度も往復しながら少しずつ探索可能範囲を広げていく」というのがゲーム全体の流れである。~
これがサブタイトルである「ドラスレファミリー」の所以。
***ウォーゼン一家一覧
-ゼムン~
一家の大黒柱。本業の木こりで鍛えた筋肉を誇る戦士で、攻撃方法は射程が短いものの威力の高い投げ斧。専用アイテム「グローブ」で岩を押して動かすことができる。その代わりジャンプ力が低いという欠点がある。
-メイア~
ゼムンの妻にして魔法使い。攻撃方法は射程・威力とも標準的なマジックボール。専用アイテム「ウィング」で空を飛ぶことができる。また岩を弾き飛ばす事のできる「ヒット・ロッド」、MAGICを消費してKEYと同じく扉や宝箱を開けられる「キー・ステッキ」など独自の専用アイテムも使いこなす。しかし、メイア必須のルートはこれらを多用しなければ進めないうえに、MAGICの消費無しで敵を倒せるパワードシューズが装備できないため、MAGICの管理が非常にシビアである。
-ロイアス~
ウォーゼン一家の長男。攻撃方法は射程・威力とも標準的な剣。ドラスレシリーズのキーアイテムである「クラウン」「ドラゴンスレイヤー」を唯一扱える。したがって「ラスボスを倒せるのはロイアスだけ」である。
…と言えば聞こえがいいが、クラウンが手に入るまでは役立たずである。しかもクラウンさえ揃えば簡単にドラゴンスレイヤーが手に入り、後はラスボスを倒すだけなので出番が少なく、当時の雑誌の読者コーナー等では今で言う「空気主人公」な扱いを受けていた。
-リルル~
ロイアスの妹。攻撃方法は威力が低いものの射程の長いファイアボール。素のジャンプ力が非常に高く、アイテム「ジャンプシューズ」を履いた時はさらに高く跳べる。また岩を壊す「マトック」も使える。
-ポチ~
ウォーゼン一家のペット。普段は犬だが実は良いモンスター。変身できる(というより元の姿に戻る)能力を持ち、使用できるアイテムが非常に少ない代わりに雑魚敵からのダメージを一切受けないため、偵察役として最適である。攻撃方法は射程が非常に短いブレス。
-ドウエル、ジーラ~
ドウエルはロイアスの祖父でロード担当、ジーラは祖母でセーブ担当。ちなみにMSX版では彼らは肖像画になっている。

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**評価点
-探索し甲斐のあるダンジョン
--前述の通り、ダンジョン制覇にはキャラ切り替えが必須。広さ、ギミックも凝っている。
---例えば岩を動かして足場を作る必要がある場所ではゼムン、岩が詰まっていて動かせない場所ではリルル、鍵のかかった扉だらけの場所ではメイア、触れると即死する上に一度接触しないと倒せない雑魚敵が道を塞いでいる場所ではポチ、というふうに。
--中央の間から四方へ延びる各方面がそれぞれ特定のキャラクターに向いたステージへ続く構成になっている。各ステージに眠る4つのクラウンの入手にはボスと戦わなければならないが、ボスの順序は固定であるため、難度の高いステージのクラウンから先に回収していく、といった戦略も重要になってくる。
---攻略できるキャラクターは固定ではなく、別のキャラクターで無理矢理攻略する事も可能である。消耗品以外のアイテムは各エリアの方々に1つのみ配置されているため、これを回収する基本ルートでは攻略順序が固定されるが、''各所に存在する店でも販売している''ので、これを利用する事でいくつかは先に手に入れておく事ができる。
---地上へ帰還する「クリスタル」を安く買える店を覚えておけば、アイテムを回収しつつ改めてルートを吟味するデータを作る事もでき、難度の高いエリアを先にクリアしておく場合に助けとなる。この手筈を洗練させていけば、クリスタルすら店に頼らず宝箱からの入手分だけで十分回収できるようになる。
--前述したアイテム回収は必須だが、担当エリアを別のキャラクターで攻略する事もできる。
---ポチステージは半透明化した敵や回避困難な敵が多数出没するため((キャラクターの最大HPの2割3割は序の口で、終盤のミミックはなんと10割。一応限界値であれば即死は免れるが…))エリクサーの保険は必須だが、それさえ呑めば誰でも攻略できる。ポチは火力は高いものの射程が非常に短いため、ポチ以外を起用する選択肢はある。普段出番の少ないロイアスを検討する余地もある。
---ゼムンステージは基本的にマジック消費のないグローブが必須となるエリアが存在するが、マジックボトルさえあればリルルのマトックでも通過できる。リルルの高いジャンプ力は要所で利便性が高く、終点クラウンも目前にある店と宿屋を工夫なしで利用でき、アイテム3枠をすべて対ボス用に割り当てられる等のメリットがある。
--FCの容量不足のせいもあり、色変えなどでしのいでいる部分が無いわけではない。しかし当時の水準を考えたら十分であろう。

-秀逸なBGM
--ファルコム黄金期のゲームを多く担当した石川三恵子、古代祐三らによるBGMは秀逸。曲数も全18曲とFCにしては多い。
--深部へ到達すると使用キャラクターによってBGMが更に変化する、ボス戦、ラスボス戦専用のBGMがあるなど、ゲームを大いに盛り上げてくれる。

**賛否両論点
-難易度
--説明書だけではゲーム内容が理解しにくい。ゲームとしては各キャラで進める範囲でアイテムを集め、そのアイテムで改めてキャラに対応したステージを攻略していくというスタイルなのだが、この「キャラと対応したステージ」という概念を理解できないと途端に進めなくなってしまう。状況を打開しようにも説明書の情報量が不足気味(本ゲームに限った事ではないが)のため、攻略本などで情報を集められない層や、ゲーム慣れしておらず前述のスタイルを見出せなかった層には「何をやっていいのかわからないゲーム」という評価をされがちであった。
--ダンジョン探索難易度も高い。
---ヒントと呼べるようなものはほとんどなく、ミニマップ表示、オートマッピング機能といったものも当然存在しない。そのためプレイヤーが完全に記憶しない限りはマッピング作業は必須となっている。それでも次のフロアへ進むのに隠しブロック(接触などで壊れるブロック)が配されている箇所などがあったり、それなりに難易度の高いアクションが要求されるなど攻略を阻む要素は多い。
---いきなり即死といったようなものはごく一部にしか存在せず、要所に店や宿屋があるため敵にやられてゲームオーバーになる事は少ないが、その分マップ把握までは非常に大量のプレイ時間を必要とする。
--ルート毎の難易度の落差
---ゼムンやリルルはプレイヤースキルによるが、メイアルートに関しては他と比べて格段に難しい。クラウンまでの道のりの長さに加え、敵の攻撃が苛烈で、所持アイテムが制限され、マジック消費管理も必要になる。悪い事にメイアルートは必須アイテムの関係で大抵後回しにされるため、初見ではほぼ確実に三体目か四体目のボスと対峙する。これらは''対策なしでは間違いなく即死する''ボスであり、多大な時間と労力をかけて到達したのにボスであっさりやられると心が折れかねない。
---攻略順序については評価点でも述べているが、それゆえにこの洗礼は誰もが受ける事になる。余程熟練しない限り、いかにしてメイアルートを序盤に回すかが攻略の鍵と言ってもいいほど。

**問題点
-パスワードが扱いにくい。
--ひらがなのみで構成されるパスワードは、とにかく文字数が長い。加えてフォントの関係で見間違いをおこしやすい文字もあり、パスワード記入ミスによる悲劇が発生したり、入力に時間がかかってゲーム本篇に入るのが遅くなるという欠点がある。
-シールドの入手方法が裏技の域に達している。
--シールドはボス弾を無効化する強力な効果を持つのだが、3体目のボスであるアークウィンガーは''高速・高威力・高誘導の弾を画面外から乱射するため、運が悪いとボス部屋突入からボスの姿を見るまでにあっさりLIFEが0になる''というバランス調整を疑うような強さを持っており、シールドがなければ恐るべき難易度か、はたまた非常に面倒な準備が必要となる。
--続く4体目のロックガイアも同様。こちらは弾速が非常に遅いためにテクニックでカバーできなくもないが、威力はアークウィンガーからさらに増しており、やはりシールド無しで挑むのは無謀に近い。
--このような難易度にもかかわらずシールドは迷宮内に何気なく建っている''隠し店''でなければ入手できず、ゲーム中に手に入る手掛かりは皆無である。ちなみにMSX版とFC版で入手方法に若干の違いがあるが、どちらにしても発見は難しい。
-射程UPは罠。
--装備アイテムのファイアロッドや、時折敵が落とすスクロールでショットの射程を伸ばすことができるが、同時に攻撃力が低下してしまい、敵によっては全くダメージを与えられなくなる。

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**総評
斬新な要素こそないが、適度なアクション性と探索要素を併せ持った本作は「地味ながらも手堅くまとまった佳作」と言えるのではないだろうか。 
//広大なダンジョンからくる探索要素。幻想的なBGMを持った作品ではあるのだが、いかんせんダンジョンが広大すぎた。攻略本や攻略サイトを駆使しないとクリアはマズ無理である。そんなゲームをFCの中心層を占めた子供達に投げたのである。~
//そんなわけで本作は「攻略本を入手できたプレイヤー」と「攻略本を入手できなかったプレイヤー」で評価が真っ二つに分かれる作品である。だが、今になって考えてみると「攻略本無しにクリアできないゲーム」と言うのは無茶苦茶な話である。
//当時小学生だったのですが、自分と周囲の友達も攻略本無しでも普通にクリアできましたよ。「攻略本無しにクリアできない」は少し言い過ぎではないでしょうか?

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**余談
次にファルコムが家庭用オリジナル作品として製作したのは本作から7年後に発売したドラゴンスレイヤーシリーズの最終作『[[風の伝説ザナドゥ]]』((1994年2月18日発売、PCE、日本電気ホームエレクトロニクス製。))である。~
さらに付け加えるとファルコムブランドとしての家庭用ゲーム機デビュー作は1994年6月10日発売のSFC版『ぽっぷるメイル』である。
『ぽっぷるメイル』と『[[イースV>イースV -失われた砂の都ケフィン-]]』を発売した後、2006年発売のPSP版『[[ぐるみん]]』までファルコムブランドによる家庭用ゲーム機向け作品は一切発表されなかった。~
自社販売ではないが『ファルコムクラシックス』シリーズ((1997年11月6日/1998年10月9日発売、SS、日本ビクター製。))も存在するが、こちらは企画のみで自社開発ではないという話もある。

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