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ソウルキャリバーV」を以下のとおり復元します。
*ソウルキャリバーV
【そうるきゃりばーふぁいぶ】
|ジャンル|対戦格闘アクション|&amazon(B006GZOMBQ)|&amazon(B006GKQ5Z2)|
|対応機種|プレイステーション3&br()Xbox360|~|~|
|発売・開発元|バンダイナムコゲームス|~|~|
|発売日|2012年2月2日|~|~|
|定価|8,380円|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[ソウルキャリバーシリーズリンク>ソウルシリーズ]]''|

**概要
『ソウルキャリバー』シリーズナンバリング第5作。世界観をIVの17年後に移し、システム・キャラクターなどに大きく変更を加えている。~
ゲストキャラクターとして『Assassin's Creed』シリーズのエツィオ・アウディトーレが登場している(本作では『ブラザーフッド』準拠の見た目)。

**ゲームシステム
縦斬り・横斬りと8Way-RUNといったシリーズの骨子となる操作システムはそのままだが、本作では2D格ゲー的なパワーゲージである''クリティカルゲージ''が追加され、新たな駆け引きの要となっている。以下は新システムについて記述。
-ブレイブエッジ
--各キャラごとに決められた技を出した時にA+B+Kと追加入力することで、追加攻撃を出したり技を強化したりできる。クリティカルゲージを0.5本消費する。
-クリティカルエッジ
--全キャラ共通のコマンド(236236A+B+K。波動コマンド二回)で出せる超必殺技。各キャラによって投げ属性だったりガードインパクト属性があったり性能は異なるが、全体的に発生は早く威力も高い。クリティカルゲージを1本消費する。
-ガードインパクト
--レバーを後ろ側に倒してA+B+Kと押すと、相手の打撃を弾いて隙を作り出すことができる。過去のシリーズにあった同名のシステムと比べ、上中下段全ての攻撃を弾くことができるため強力だが、クリティカルゲージを0.5本消費するため多用は出来ない。また、ガードインパクトを受けてもゲージがあればガードインパクト返しも従来通り可能。
-ジャストガード
--タイミングよくガードボタンを押して''離す''ことにより、ガード硬直を軽減させることができる。全体的にビギナー向けにシステムが作られている本作だが、このジャストガードは上級者のやりこみに応えるためのシステム。
-ガードバースト
--ガードし続けていると強制的にガードが解けて隙を晒してしまう、いわゆるガードクラッシュ。ガードバーストを起こした後はカウンター始動の連続技が入るため、ガードバーストのリスクは大きく、ガード後の確反だけでなく相手の攻撃をスカすのがより重要となった。
--内部的には各技ごとにガードバースト値が設定され、限界まで達するとバーストが起こるが、画面上では体力周囲が黄→赤と色が変わって警告してくる。

**評価点
-対戦ゲームとしての出来映えは良好。
--調整のコンセプトとして「これをやってれば勝てる」というものがあるようで、ブレイブエッジなどをはじめとした強力な技で攻めを仕掛けていけば格上が相手でも勢いで勝てるように作られている。その一方、キャラ性能はよく調整されており、明らかに壊れている技やバランスを崩しているキャラクターは存在しない。
--IVに比べて全キャラとも技数が大きく減少しているなどシリーズ非経験者に配慮した部分も見られる。また、根性値補正が大きかったり、2本取られるとクリティカルゲージが与えられたりと逆転要素も強め。
--トレーニングモードもそれぞれのキャラの複数の主要技の説明(立ち会い方、その技の特徴、欠点などまで)やコンボの出し方が見ることができるなどなかなか親切なつくりになっている
-ネット対戦の出来(そのもの)についても評価は高い。ラグの酷かったIVと比べてオンライン対戦でも違和感なく操作することができる。
-キャラクタークリエイションの設定可能項目がさらに広がり、より凝ったキャラクターを作れるようになった。
--キャラクリについて調べてみれば、本作でどのようなキャラクターが作られたか、その完成度に驚愕することであろう。
-IVからの使い回しと思われる部分も多いが、グラフィックやBGMなどの映像面でも水準以上のクオリティを保っている。
--本作のBGMはバンナム内製ではなく、CIAという音楽制作集団が担当。海外のコンポーザーが多く参加しているため従来に比べて重厚なBGMが多いが、中には『聖剣伝説2』の菊田裕樹も参加している。

**賛否両論点
-世代交代によるキャラの入れ替えなどについては賛否両論。
--世代交代により元キャラと入れ替わる形で新登場したキャラは、元キャラとほとんど変わらないレイシャ(←シャンファ)についても、元キャラから大幅な変化のあったナツ(←タキ)やシバ(←キリク)についても、やはり元キャラの人気が付き纏い好評を得たとは言い難い。
---なお新主人公のパトロクロスについては、「''よーし、お前は死ね!''」という台詞に象徴される主人公らしからぬ傲慢かつヘタレな個性付け([[この動画>http://www.youtube.com/watch?v=uzRIyLTWOgw]]を参照のこと)がされており、''圧倒的主人公''としてプレイヤーからネタ扱いされている。
--また、アイヴィー、マキシ、ラファエル、ティラといった続投組14名は17年後という設定にも関わらずその大半が(人外となっている、邪剣の影響、トカゲなので解りづらい、などの理由で)見た目そのままで登場している。実際に17年の年月を感じさせる変化があったのはシリーズ通しての主人公格である御剣とジークフリートのみ。
--吉光やナイトメア、アスタロスは代替わりしたが外見も声も口調も性格も先代と大差ない((ナイトメアは狡猾になっているが))
---この中途半端さから、本当に世代交代させる意味があったのかという声も見られる。

-新キャラクターのツヴァイとヴィオラについて
--過去にもアイヴィーの蛇腹剣といったファンタジー要素はあったものの、基本的には剣戟格闘として武器を振り回して戦うゲームとして見られていた本シリーズだが、本作の新キャラであるこの二人については武器がそれぞれ「''狼型の幻体''」「''魔法''(のような力)''で動かしている水晶玉''」と明らかに武器格闘からかけ離れている戦闘スタイル((補足すると、主として使う武器は刃物である。ツヴァイは独特の形状の剣を、ヴィオラは鉤爪を使用。))だったことから、武器格闘としてのソウルキャリバーを好んでいたプレイヤーから批判が相次いだ。
---IVでもアルゴルという飛び道具を発射するキャラクターが登場しており、こちらもすこぶる不評だったにも関わらず、本作に登場している。
--さらにヴィオラに関しては性能面でも不評な面が強い。
---水晶玉を所持している時と手放している時とで二つのモードがあり、この二つのモードを使い分けるテクニカルキャラ…と思われていたが、実際は常に手放している状態が望ましく、また接近戦での一方的な攻め、そこから高リターンの技で相手を崩してからのコンボなどが非常に強いという超接近戦仕様のキャラとなっている。
---水晶玉を交えたコンボは空中制御が不可能であり基本連続技で十数ヒットは普通にするというソウルキャリバーらしからぬコンボゲーぶり。研究によりさらにコンボダメージは高くなり、ワンチャンスから大きなダメージを奪っていく。
---なお、もう一方のツヴァイについてはキャラランクで最弱候補とも言われている。全体的にリーチが短く差し合いに弱い上に、攻めても中段横斬り・投げ・下段といった技がとことん弱く、対応の容易い絡め手を使わなければ相手を崩せないという点が痛い。ほとんどの技に何かしら大きな穴があるという一見バランスの取れた性能が仇となった。

-IIIをはじめ充実していた一人用モードのボリュームが少ないのを問題とする声も多い。
--本作の開発期間は非常に短かったらしく、リソースを対戦部分に割いた結果であると開発者は話している。それは対戦格闘ゲームとして正しい選択であると言えるし、それによって本作は対戦部分において高い評価を得ているため、この点を一概に問題点と断ずることはできないだろう。
--本作の一人用モードとしては、ストーリーモードと純粋にCPUと戦うだけのモードがいくつかあるのみ(アーケードモード、『Broken Destiny』と同様のクイックマッチ、レジェンダリーソウルズという高難易度モード)。

**問題点
-日本の定価が過去最高の値段設定になっている。それだけならまだいいのだが、北米の定価が19.99$と半額以下どころではない格差。発売当時は円高最高潮だった。そのおかげか、北米での評価はそこまで悪くない。
-技モーションやレスポンスがオンラインを前提に遅延を吸収する様に調整されている。これ自体はオン対戦では評価出来る点だが、結果的にもっさりと言われる。オン対戦しない人にはこの様な調整は邪魔でしかない。
-ストーリーモードの圧倒的ボリューム不足。
--IIIやIVの各キャラごとにストーリーがあるといったものではなく、20回ほど決められたキャラで対戦したらストーリーモードの全てが終わってしまう。さらに主人公のパトロクロスとヒロインのピュラ(ソフィーティアの子供である姉弟)+αのみを重視して描写されており、多くの新キャラや過去キャラはちょい役である。御剣やセルバンテスなど登場''さえ''しないキャラも何人かいる。
--演出的にも(手抜きと疑われるような)デッサン風のイラストによる紙芝居が多くの場面を占めており、十分な力が入っているとは言いがたい。
--ストーリー自体は駆け足気味ながら起承転結はしっかり作られているが、謎や伏線が張られたまま未回収のままとされた部分も多い。特に新キャラのツヴァイとヴィオラ。
//この状況で個別エンディングがないのは問題点にならないかな?今まではちゃんとあって作品によってはマルチエンドまであったんだし


#co{
パトロクロスは前作までに登場したソフィーティアの子供であり、ソウルエッジにより家族を引き裂かれた過去を持つ。邪剣を人一倍憎みつつ、生き別れの姉であるピュラを探しているという設定。なのだが、
-邪剣に侵された人間は悪という因縁をつけ、正義の名の下に無実の人間を一方的に虐殺。プレイヤーに最悪の第一印象を与えた。
--その虐殺はよりによってソウルエッジの分身であるナイトメアに騙されて行ったもの。
--ピュラのほうも無実の人間を殺害するようソウルエッジの眷族であるティラに仕向けられている。「戦わなきゃ殺される」と赦しを請いながら罪を犯していく姿に不快感を催したプレイヤーも多い。
---不本意にせよ、過ちを犯すのはジークフリートやキリクといった過去の主人公に共通する点であり、本作もそれに則っていると言える。なお、この姉弟には1作目のオマージュと言えるような掛け合いが用意されている。
-ストーリーが進むと姉であるピュラと再会するが、ピュラが邪剣の影響により異変を起こすと、助けを求めるピュラを置き去りにして逃亡。これが原因で更なる惨劇を引き起こすことに。
-そんな圧倒的ヘタレぶりから立ち直るため心を入れ替え、別人のように出来た人間になるのだが、その際「自分の本来得意とする剣術」として突然前作の雪華と酷似した動きの抜刀術使いになる。
--資料集や小説版にてその経緯が説明されている。ちなみに前作から本作にかけてゲーム中では描かれなかったソフィーティアの結末についても小説版で補完されている。こうなった理由は単にストーリーモードにかける時間が無かったためと思われる。
-改心してからも「一片の悔いもなかった」→「これで良かったのか?」という迷走ぶりは多くのプレイヤーをずっこけさせた。
--これはソウルキャリバーが善であるわけではないという演出のため。本作のストーリー上のラスボスはソウルキャリバーそのものである。
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//特筆して問題点として挙げる内容なのか悩んだので一旦CO。

-IVまでに登場した一部キャラの代替キャラがいない。
--特に問題とされたのはタリムとザサラメールの性能を受け継いだキャラがいないこと。
--タリムや同じく代替キャラのいないソンミナ、ロックなどは衣装だけDL販売されているが武器がないので再現できない。
-そのくせ無駄に3人もいる木人キャラ。
--それぞれ「全キャラの中から毎ラウンドごとに性能が選ばれる」「男キャラの中から(ry」「女キャラの中から(ry」とだからどうしたと言わんばかりの差別化がされており、こんなのを出すくらいなら削除されたキャラを出せという声が相次いだ。
--特筆すべきは男木人キャラのキリク。女木人キャラのエリュシオンと違ってストーリーには一切登場せず、専用技も持っていないためあえて使うメリットも薄い。『ソウルキャリバー』の主人公格キャラだったにも関わらず、本作では何のために登場したかさっぱりわからない誰得キャラとなってしまっている。

-大技でKOされた時の衣装破壊演出のON/OFF設定ができない。
--衣装破壊されたキャラは見映えが悪くなる。特にクリエイトキャラで衣装破壊が起こるとほぼ台無しになってしまう(それを見越してネタを仕込むこともできるが)。一応衣装破壊により下着一丁にされてしまう前作からは改善されているが、これは単にボトムスだけが壊れないというだけ。
---衣装破壊が締まらない、見栄えが悪いという自覚はあるようでメインキャラたちは衣装破壊されてもほとんど見栄えが変わらない。
-すぐに天井に達してしまうランクマッチ。
--A~Eの5段階、さらに各ランクが1~5に細分化され全25段階存在するランクだが、上がり幅に比べて下がり幅が非常に狭いため、段位戦による緊張感が少なく、また高ランクに達してそれっきりでランクマッチをやめてしまうプレイヤーが続出。
-オンライン絡みのトロフィー/実績があるにも関わらずゲストキャラのエツィオは冷遇されている。

**総評
対戦部分に特化しただけあって、良好なゲームバランスに優れた環境面と対戦ツールとしては優れた作品と言える。対人戦(またはキャラクリ)に魅力を感じるプレイヤーであれば、腕や相手次第でかなり楽しむことができるだろう。~
一方で『ソウルキャリバー』というタイトルとしては一人用のボリュームやキャラクターの魅力といったシリーズの長所を削ぎ落としてしまったことに批判は集中し、本作を評価しないプレイヤーも数多い。~
このシリーズはソウルエッジの時代からキャリバー3に至るまで、家庭用は名作と評価され大きな売り上げを出しつつもアーケードの対戦は常に閑古鳥が泣いていた歴史を持つ。~
対戦を重視しない一人用を楽しむ客層、他の格闘ゲームの複雑さから逃れてきた層に支えられてきた側面があり、そこを見誤った感が拭えない。

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