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*ガチトラ! ~暴れん坊教師 in High School~
【がちとら! あばれんぼうきょうし いん はいすくーる】
|ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B004LVO4JW)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|
|発売元|スパイク|~|
|開発元|スタジオ斬|~|
|発売日|2011年4月21日|~|
|定価|UMD版:5,229円&br()ダウンロード版:4,200円|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|
|~|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
|ポイント|喧嘩番長シリーズ+萌え要素+バカ要素=本作&br()なかなかきつい難易度&br()ゲーム自体は良作|~|
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**概要
『喧嘩番長』の生みの親である松本朋幸が監督・脚本((シナリオライター名は「TOMOZOU」になっているが、これは『喧嘩番長』時代からの松本氏のペンネームである。本作も喧嘩番長シリーズ同様に「監督・松本朋幸、シナリオ・TOMOZOU」と同一人物が別名義でクレジットされている。))を務めたアクションアドベンチャーゲーム。~
主人公であり''ヤクザの若頭''である''梶虎男(CV:小西克幸)、通称「トラ」''が故あってクセもの揃いの学園に赴任し、生徒たちの悩みを体当たりで解決していく…という、『GTO』や『ごくせん』を想起させるような型破りな教師の活躍を描く。
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**特徴
-『喧嘩番長』シリーズや『[[龍が如く]]』シリーズ同様に、街並みをリアルに再現されたフィールドを自由に探索する事が可能。ストーリーを進める以外にも、バトルやミニゲーム、多数のサブイベントを楽しむことが出来る。
--松本氏の代表作『喧嘩番長』よりも寧ろ、ゲームとしては『龍が如く』に近い。%%『虎が如く』と呼ばれる事も%%

-戦闘は上記シリーズのような喧嘩アクションだが、本作は直接戦闘は少なめで、激論を戦闘で表現した''ソウルヌードバトル(SNB)''がメインの戦闘となる。これが本作がバカゲーたる最大の要因であり、魅力である。

-主人公の服装、髪型をカスタマイズする事ができる。一度購入した服や''髪型''はいつでも自宅で変更可能。

-メインストーリー以外にも生徒や一般市民などから受けるサブストーリーが多数用意されている。これもまた『龍が如く』に近い。

-同社の『[[ダンガンロンパ>ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生]]』や『喧嘩番長5』との連動要素があり、セーブデータがあるとゲーム中で特典を貰える。
--さらにサークルKやサンクス、ステーキのどんなどの実在店舗、富士Qハイランドの「絶叫戦隊ハイランダー」とのタイアップもある。

-テレビドラマを意識した構成になっており、各話のラストは主題歌の一番と短いスタッフロール、そして次回予告が流れる演出になっている。
--それに伴い、エンディングはドラマの最終回のような演出で、主題歌のフルバージョンと正式なスタッフロールが流れる。
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**評価点
***「燃え」要素
-熱く王道的なストーリー。
--端的に言うと凄くベタ。登場人物にしても、無駄にセクシーな保険医やハゲでイヤミな教頭、語尾が「ヤンス」な舎弟や夢を見失ってグレた元野球部員など見覚えのある設定が多数。だが、そこがいい。
--豪華声優多数出演の名は偽りなし。アイドル声優から大御所まで幅広く出演。それも物凄くベタな配役である。だが、そこがいい。
---特に主人公役の小西氏はシリアス面でもバカ面でも熱演を聞かせてくれる。ギャグマンガの如くコミカルに表情が変わる((作中最も表情が多い。))主人公の特性も相俟って、とにかくプレイヤーを飽きさせない。
--「''元極道で教養も免許も無い男が悩める生徒達を導いていく''」という、今まででありそうでなかったテーマを扱っている。悩む生徒はどれも一癖も二癖もある人物ばかりで、「両親に仲直りしてほしくて引きこもりをする少年」「ある理由で喋れない少女」などもいる。そしてそれらを梶虎男は熱い言葉と元ヤクザの地位を利用して助けていく。
---この梶虎男もなかなか熱くて魅力溢れる漢で、最初はいやいや指導を行ってはいるものの、徐々に生徒を助ける為に一肌脱いだり普通の教師ならやらないことをやってまで助けていくようになっていく。そして上述した通り、声優の熱演と表情の変化がその魅力を底上げする。

-最初はヤクザスタイルの技しか使えないが、サブイベントをクリアすることでプロレス技や空手なども使えるようになる。複数の敵をまとめて蹴散らす爽快感は『喧嘩番長』『龍が如く』に引けを取らない。
--SNBは一対一の戦闘なので少々赴きが異なるが、後述するようにこちらはこちらで他のゲームではまず有り得ない、『喧嘩番長』『龍が如く』すらも(色んな意味で)凌駕するぶっとんだ喧嘩が楽しめる。

***「萌え」要素
-''メイド喫茶が登場する''。メイドと遊んだり料理させたりなどしてメイドを育てていくという、いわゆる育成もののサブイベント。
--メイドを撮影することも可能で、撮った写真はメモリースティックに保存することができる。さらにミニゲーム中のメイドの声((CVは豊崎愛生。代表作に「けいおん!」の平沢唯など。))もどこか卑猥なものもあって、メイド萌えには非常にたまらない。さらに条件を満たせばセーラー服やスク水に着替えさせることも可能で、それらが好きな人にも非常にたまらない。
--ただし、ローアングルで撮影しようとしたりパンチラを狙ったりすると怒られてしまう。まあ、仮にも教師だしねトラちゃん。

-全体的に女性キャラの種類や仕草が豊富で、グラフィックもそこそこ可愛い。全体的に男臭い『喧嘩番長』や、女性関連はセクシー路線一本の『龍が如く』とは大きく異なる本作独自のウリである。

***「バカ」要素
-前述の「ソウルヌードバトル」が本作最大のバカゲー要素。激論を戦闘で表したもので、このシステムのおかげで非力な一般市民とも戦うことができる。さらに一部のボスクラスの敵は倒すと''全裸になって吹っ飛ぶ''((激論を交わす事で心を閉ざした相手の魂を裸にする(本音を引き出す)と言う意味がある。ちなみに最初に「全裸になって吹っ飛ぶ」相手は''CV釘宮理恵の女子生徒''である。))。
--あくまでも現実世界の戦いではないので、相手が女子生徒だろうと年寄りだろうと容赦無く殴る蹴る叩きつけるといった攻撃が可能。(さすがにCERO Dだが)相手の攻撃手段もユニークなものが多い((梶虎男も「虎語録」という攻守補助に分けられた技を使用することが可能。))。コーヒーカップに乗って突進してきたり、光線を放ったり、中には''某サイボーグ猫漫画の如く人を振り回してきたり、一歩間違えればトラウマになりそうな「アッー!」な攻撃を仕掛けてくる相手もいる''。
--人々の悩みも「異性にモテない」「太ってる」という身近なものから「リストラされた」「セクハラされた」といったリアルなもの、果ては''「透明人間になりたい」「(男子生徒が)先生、俺に気があるんでしょ?」''といった本気で殴りたくなるものまで様々。
---また、歩いていると急に「ちょっと聞いて!」と駆け寄ってきてバトルに突入することもしばしばある。一定時間話しかけられなくなるアイテムもあるのだが…。
-生徒達には授業を行うことで成績を伸ばすことができるのだが、その内容のほとんどがトリビア((例…「スペイン語でニンニクは『アホ』」「1円硬貨から500円硬貨、全てを足すと666円になる」など。))。生徒達からは「''受験には役に立たないけど面白い''」と評判。
-着用できるコスチュームの中にはウサギやトラの着ぐるみもある。着ぐるみをきた梶虎男のシリアスシーンは見てるだけで爆笑ものである。
-ちなみに本作の開発会社の「スタジオ斬」とは、一部で有名なPS屈指のバカゲー『[[ライジング ザン ザ・サムライガンマン]]』の開発スタッフが設立した会社である。本作のぶっ飛んだバカゲーっぷりはある意味必然と言える(?)。

***その他
-サブストーリーも豊富であり、メインキャラの掘り下げが行われたリ、本編に関わらないNPC達の意外な個性が覗けたりする。
--本編で戦う機会の無いメインキャラも、サブストーリーでその殆どと戦う事ができる。
--主人公のクラスの生徒のうち本編に関わるのは10人程度だが、他の生徒には皆サブストーリーがあり、クラス全員分のドラマがしっかり描かれる。
---あるカップルに至っては本編の1エピソード並の大掛かりなサブストーリーが用意されている。

-服、髪型、釣り上げる魚など、収集要素もあり、末永く遊べる。
--クラスの生徒全員にパラメーターが設定されており、授業を行う事で伸ばす事ができる。一定まで成長した生徒は卒業資格を手にするが、達しなかった生徒は留年し、エンディングの記念写真にも載らずに終わってしまう。場合によっては''先生だけのとても寂しい記念写真''になってしまう事も…。
--授業の条件には上記の収集要素が関わっており、全ての授業を行う=全ての生徒を卒業させるにはこのゲームを徹底的に遊びつくす必要がある。果たして全員が写る記念写真は撮れるか!?

-シナリオ毎に全く違ったミニゲームが登場する。
--前述のメイド喫茶を含め、ストラックアウトや釣りといった定番もの、''うまく相手の会話に合わせてラブホテルに誘導するものやツボ押しマッサージ((ちなみにこの時の相手はスク水を着ている。))''といったちょっとHなもの、果ては''爆弾解体''といったシリアスなものまで様々。
--クリア後も一部を除くミニゲームは再プレイ可能。ハイスコアを出す事が授業の条件にもなっている。
---本編中は再プレイできないミニゲームでもエンディング後は好きなだけプレイできる。

-遊心あふれるインターフェイス。難易度イージーの名称が「ゆとり」だったり、ロード待ち画面で表示される落書きを黒板消しで消すことができたりと細かい点まで作り手の遊び心が感じられる。

-クリア後は「虎男の軌跡」というメニューが使用可能になる。
--プレイしたい章を選択できる他、メインストーリー中に登場したミニゲームで遊んだり、本編のボスキャラを選んで再戦することも可能。
--また、未クリアのサブストーリーは発生時期、依頼人の名前と居場所が表示されるようになるので探しやすくなる。
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**難点
-ミニゲームも含め、全体的に難易度が高い(最低難易度ですら結構難しい)。序盤はある程度適当にやっても問題ないが、後半の敵の多くはこちらの攻撃をガードしてくる上に、攻撃も激しい。ちゃんとアイテムを用意しておかなければあっさり敗北してしまう。
--敗北すると難易度を下げてコンティニューもできるのだが、それを前提とした難易度としか思えない。
--一度エンディングを迎えた後は敵が全体的に強化される。序盤こそ一周目と大差ないが、後半の章は敵の強さが尋常ではなく、少し気を抜けば一般市民にすら負けるほど。
--ちなみにイベント戦闘は負け続けると「クリアした事にする」と言う冗談のような選択肢が出現する。こんな屈辱的な選択までしたくなる様子を想像すれば難易度の高さが判る筈。

-メイド喫茶を含め、全体的に物価が高め。ミニゲームをプレイするにも金が必要。そのため序盤は金欠で何も楽しめないことも。
--しかしある条件を満たすと出現するオークションをうまく利用すれば比較的簡単にお金が貯まるので、案外どうということもない。

-クリア後のプレイにやや不便なところがある。
--上述した通り、ただでさえ強い敵が更に強化されるので、後半の章はとても気軽にはプレイできない。
--一度行った授業は、周回プレイ時でも行うことが出来なくなる。なので、クリア後のシナリオ選択で遊んでいる時に生徒から「もっと授業をして欲しい」とメールが来ることも。
--『龍が如く』のプレミアムアドベンチャー((ストーリー進行に一切関係なく自由に遊べるモード。各種プレイスポットやサブストーリーなどを好きに楽しめる。))的なおまけは用意されていないので、どこか行きたい場所があったら、そこに行ける章を選択して行ける時期までストーリーを進める必要がある。
--「クリア状況や達成度をリセットしてパラメーターだけ引き継いだ二週目」は存在しない。上述した通り授業に加え、一度クリアしたサブストーリーも再プレイ不可能なので、また体験したくなったらニューゲームで最初からプレイするしかない。

-ややロードが多め。
--インタビューによると、このクオリティを維持するにはどうしてもこれぐらいのロード量が必要だったとの事。
--ただし、上記のような黒板消しの暇つぶしの他、窓から飛び降りて学校から出られたり、階段がワープポイントと化しているなど、なんとか補おうと努力している様子は伺える。
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**総評
「燃え」+「萌え」+「バカ要素」がうまく一つにまとめられた良作。~
喧嘩番長シリーズの燃え要素を受け継ぎつつ、萌え要素を加え、バカ要素を格段に強化したのが本作、といった所だろう。~
難易度の異様な高さという難点こそあれど、シリーズファンなら一度プレイしてみるのをお勧めする。
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**余談・その後の展開
-本作に登場したメイド喫茶が好評を得て、スピンオフ作品『メイド☆ぱらだいす ~目指せ!メイドナンバーワン!』がダウンロード専売で発売された。
--主人公は引き続き虎男だが、こちらはアクションではなくメイド育成ゲームである。本作のメイドであった浅見萌に更に2人を加えた計3人のメイドさんを育成する事になる。

-PSNや公式サイトで配布されている体験版には、本編には無いオリジナルのショートストーリーが収録されている。
--短いながらもこちらも中々にぶっ飛んだ展開である。これをプレイするだけで本作がどういうゲームなのか、とてもよく分かるだろう。興味のある方はまずこちらから触れてみる事をお勧めする。

-本作の敵役「加納兼貴」役は『喧嘩番長』『喧嘩番長2 フルスロットル』に出演していた諏訪部順一氏が務めているが、松本氏曰く、諏訪部氏は自分の作品に出演する度に役柄が正反対になっているとの事。
--確かに『喧嘩番長』では「スケ番編」のラスボス「阿佐見鉄也」で悪役を、『喧嘩番長2』では番長「田中ヤスオ」で正義役を、そして本作では作中最大の悪党を務めている。もしも今後の松本作品に出演するとなれば、やはり正義キャラになるのだろうか?

-小ネタ程度だが同じスパイク作品の『[[428 ~封鎖された渋谷で~]]』と世界観を共有しており、同作の主人公の一人「御法川実」の妹「御法川ミドリ」がメインキャラとして登場する。

-同じくスタジオ斬製作で、松本氏が監督・脚本を務めた『喧嘩番長6〜ソウル&ブラッド〜』は従来の喧嘩番長に加え、どことなく本作を彷彿させる演出や表現が盛り込まれている。また、ミニゲームの一部が流用されている。

復元してよろしいですか?