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バイオハザード5」を以下のとおり復元します。
//バイオハザード5  オルタナティブ エディション(wiki内検索用なので消さないで下さい)
注意:このページでは、『BIOHAZARD 5』(賛否両論)について解説。また、参考としてその完全版『BIOHAZARD 5 Alternative Edition』(判定なし)についても併記する。
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*BIOHAZARD 5
【ばいおはざーど ふぁいぶ】
|ジャンル|サバイバルホラー|#amazon(B000AJHCS4)|#amazon(B001MJ07MY)|#amazon(B002HWR46W)|
|対応機種|プレイステーション3&br;Xbox360&br;Windows XP/Vista/7|~|~|~|
|発売・開発元|カプコン|~|~|~|
|発売日|【PS3/360】2009年3月5日&br;【Win】2009年9月17日|~|~|~|
|定価|【PS3/360】8,800円&br;【Win】7,340円(共に税込)|~|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~|~|~|
|ポイント|良くも悪くも協力プレイありき&br;もはやホラーゲームでない|~|~|~|
|>|>|>|>|CENTER:''[[BIOHAZARDシリーズリンク>BIOHAZARDシリーズ]]''|
//&br;プレイステーション4&br;XboxOne
//&br;【PS4/One】2016年6月28日
//&br;【PS4】2,593円(税抜)&br;【One】2,600円(税抜)
//ガイドラインに則りCO(解禁は発売3か月後)
//また、PS4/One版公式サイトで紹介されているように追加要素も幾つかあるので、別項目を立てての紹介を推奨します。(総合スレ3 >>320-324参照)
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#contents
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**概要
バイオハザードシリーズのナンバリングタイトル5作目。主人公は『[[BIOHAZARD CODE:Veronica]]』以来の登場となるクリス・レッドフィールド。~
プロデューサーは前作『[[biohazard 4]]』の小林裕幸氏から竹内潤氏が引き継ぎ、稲船敬二氏が監修を務めた。~
『[[BIOHAZARD]]』、『[[BIOHAZARD 2]]』に携わった安保康弘氏(ディレクター)や内海秀明氏(サウンドデザイナー)らも参加している。~
操作システムを従来シリーズからより洋ゲー向けに修正している為((発売前にプロデューサーの竹内潤氏が「Gears of War風の操作性で作る」と発言している。))「''洋ゲーを意識して作られた。''」とよく言われる。~

360版のみ、メタルケースの特別パッケージに一部BGMのオリジナル版が収録された「セレクショントラック」が付属する((セレクショントラックに収録されたBGMは、サウンドトラックではアレンジされたデジタルバージョンが収録されている。))、数量限定版『Deluxe Edition』が発売されている。~

Windows版ではコンシューマ版よりも敵の数が増える「マーセナリーズ Unlimited」が追加。~
マウスでの操作にも対応しており、ある程度のスペックがあれば、高解像度・高フレームレートでの快適なプレイが可能。~
一方で、オフラインでの協力プレイやVERSUSモードなど削除された要素もある。また、DLCも長らく未配信だった。~
今作は海外版でもランチャーで設定することにより日本語化・字幕表示が可能となっており、国内版に比べて安価であることや対応MODの豊富さ、残虐表現の規制解除などから人気が高い。

2016年6月28日にはシリーズ20周年プロジェクトの第ニ弾としてWin版を基にした現行機版の配信も開始した。~
全DLCの他、「マーセナリーズ」と「マーセナリーズ リユニオン」を統合しUnlimitedモードを実装した「マーセナリーズ ユナイテッド」を収録。
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**プロローグ
>アフリカの大地に伸びる道を行く一台の車。やがて車はキジュジュ自治区内の近くに停車し、一人の男が降り立った。
>クリス・レッドフィールドである。クリスが辺りを見回していると、女性が近づいてきた。
>「ようこそアフリカへ、シェバ・アローマよ」
>差し出された手を握り返し、クリスは今回の作戦でも相棒がいることを知る。多くの任務をこなす中、失った仲間も少なくない。
>この世界は命をかけてまで守る価値があるのだろうか?その自問に、今はまだ答えはない。
>だが、クリスにはこれだけは分かっていた。
>''俺にはやらなければならないことがある。''
//公式サイトより
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**特徴・評価点
-基本システムは『biohazard 4』がベースであり、これに数々の変更・改良が加えられている。

-コンセプトは「相棒」
--今回は前作までと違い、シリーズではお馴染みのキャラである「クリス」と新キャラである「シェバ」が、ゲーム開始から終始二人一組で行動する。
--そのため、今作では二人で仕掛けを解く、二人で協力して敵を倒す、窮地に陥った相方を助ける等、互いの協力が必要な状況・アクションが多い。

-アクション性の向上
--今回の敵は前作と同じく「プラーガ」が大半だが、前作のものの改良型という設定であり、攻撃性や身体能力が向上している。出現数も多く、ゲームスピードは前作と比べてかなり早い。
--そのため本作ではアクション性がかなり高くなっており、その代表的な例が体術の大量増加。頭・腕・足で発生する体術が異なり、また正面・背後でも変化、更には特定クリーチャー固有の体術も多数存在する。今回は倒れた敵への追い打ちも可能であり、前作のようにナイフでちまちま斬る必要はない。
--発生する体術はクリス・シェバで異なり、威力も範囲も全く違う。クリスは大振りだが高威力のパンチ技が大半で、シェバはやや低威力だが広範囲で出が早い蹴り技が大半。
--二人で協力して繰り出す体術もあり、発動は難しいが下手な銃器よりも遥かに攻撃力が高く、爽快感も格別である。
--先述したように今回は敵が強い上に多く、弾切れにもなりやすいので、この体術を前作以上に活用する必要がある。

-瀕死
--今回は常時二人一組の行動であるため、即死攻撃といった一部の攻撃を除き、敵の通常攻撃でゲームオーバーになる事はない。
--ライフゲージが0になると「DYING」状態になる。DYINGになったプレイヤーは移動以外の行動が不可能になり、また移動速度も大きく低下してしまう。
--体力ゲージとは別にDYINGゲージがあり、体力ゲージが無くなるとDYINGゲージに移行する。DYINGゲージは時間経過で減少していき、これが無くなるとゲームオーバーとなるため、相棒が回復あるいは蘇生する必要がある。二人ともDYINGになるとその場でゲームオーバー。
--そのため自分の体力とは別に相棒の体力にも気を配る必要がある。逆を言えば、いくら攻撃を受けてもDYINGゲージが無くならない限り死ぬ事はない。

-ステージ構成
--前作と同じチャプター方式であり、今回はチャプター1-1から6-3まである。チャプター自体は前作より多いが、総ステージ数は殆ど変わらない。
--今回はDMCシリーズのように、クリア済みであれば好きなステージを選択できる仕様である。繰り返し遊んで弾薬・お金・回復アイテム等を稼ぐ事ができる。
--武器アイテムの売買は、今回は武器商人ではなく、ステージ開始時やリスタート時に行う仕様。「ゥウウェルカムウ…!」が聞けなくなったのは残念だが、リスタートでいつでも売買画面に移行できるため利便性が向上している。

-武器
--武器の数は前作から大量に増加。ハンドガン・ショットガン・マシンガン・ライフル・マグナムいずれも3丁ずつ用意され、全て性能や特性が異なる。これによって武器を選び使う楽しみ、武器を改造する楽しみが大幅に向上している。
--特定武器をフル改造すると隠し武器が追加される。この隠し武器自体も前作より多く、中には弾数無限のものもある等非常に強力。
--スタンロッドや感知式爆弾といった銃器以外の武器も増えた。特に前者は使いにくいもののかなり強く、弾薬の節約にもなる。
--シリーズお馴染みの武器の復活
---前作のマインスロアーがリストラされた半面、前作でリストラされたグレネードランチャーが復活。今回は弾薬が6種類と非常に多く、状況によって使い分けられる。
---「BH2」以来久々に火炎放射器が復活。クソの役にも立たなかった従来と違い、イベント武器ではあれどかなり強力で存在感がある。
---シリーズお馴染みの隠し武器であるガトリングガンが復活。今回は背中に巨大な弾倉を背負うため''前が見えない''。しかし弾倉が盾となり背後からの攻撃を防ぐ、という意外な実用性も…。
--ゲームクリア後の要素として、対価を支払う事で武器の無限化が可能。隠し武器以外の無限化は「BH2:DC」以来となる(ただし一部武器は不可能)。

-オンラインによる協力プレイ
--本作は『BH:OB』シリーズ同様インターネット通信によるオンライン協力プレイに対応している。したがって『OB』同様にアイテム画面を出していてもゲームはポーズ状態にならない。
--特筆すべきは充実性であり、本編の最初から最後までは勿論、マーセナリーズ等、ゲーム内のプレイモード全てが協力プレイに対応している。
--二人一組というゲームデザインやアクション性の向上もあり、プレイヤーからの評価は非常に高い。勿論ボイスチャットにも対応しており、特にフレンドとワイワイ喋りながらのプレイは大変面白い。
--''スプリットプレイ(画面分割によるオフライン協力プレイ)も実装されている。ネットワークに繋げなくてもコントローラーが二つ在ればいつでも協力プレイが可能。''

-その他のシステムの変更
--所持アイテムは3x3の9つまでで、それが二人分。二人一組というゲームデザインとの兼ね合いかやや少なめだが、「チェックポイントを過ぎる→リスタート」で準備画面に戻れるため、そこまで困る事はない。弾薬も前作と比べて比較的入手しやすい。
--今回は敵の数が多い上にゲームスピードが早い、というゲームバランスであるため、前作ではできなかったアイテム画面でのリロードが再び可能になった。梯子の登り降り中や体術中でも可能であり、上手くやれば円滑なゲームプレイに繋がる。特にマーセナリーズでは必須テクニック。
--武器アイテムの切り替えを方向キーの上下左右に振り当てられるようになった。これにより一々メニューを開く必要がなくなった。

-その他の評価点
--グラフィック・モーション関連
---グラフィックは当時の国内作品としては最高峰レベル。海外製作品と比べてもそこまで見劣りせず、細部まで作り込まれている。
---モーションも細部まで練られており、例えば敵として登場するワニは捕食時の行動として、獲物に噛みついたまま水中でぐるぐる回る性質「デスロール」が見事に再現されている。更にはクリスとシェバで各銃器のリロードモーションが異なるという拘りぶりである。
---シリーズ恒例のコスチュームチェンジも健在。本作のデモシーンはリアルタイムレンダリングなので、きちんと反映される。

--BGM・SE関連
---「Sad but true」や「Wind Of Madness」を始めとしたオーケストラを用いた壮大な戦闘曲が好評。恐怖心を煽るものからプレイヤーを焦らせる緊張感あるBGMまで用意されており評価が高い。
---サウンドトラックでは一部の楽曲はアレンジされたデジタルバージョンとなっており、オリジナルのオーケストラ版は360のみの発売だった『Deluxe Edition』付属のセレクショントラックに収録。
---細かい事だが、銃器の銃声は全て実銃から収録されており、リアリティと迫力がある。
--より充実したやり込み要素
---前作ではミニゲームのおまけでしかなかったフィギュア集めは、特定の条件を満たす事で解禁され、対価を支払って購入する仕様になりコンプする楽しみが増した。

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**賛否両論点
-''ゲームデザインの変更による弊害''
-先に述べたように、本作では相棒との協力(プレイ)を前提としたゲームデザインであり、それが本作の最大の批判点にもなっている。
--逆を言えば、「一人(=シングルプレイ)で遊ぶとそんなにそんなでもない」という事でもある。
--協力して戦わないと異常に硬い敵や、助けて貰わないと脱出できない長演出の即死攻撃などは、シングルプレイではむしろマイナスになってしまっている。
--仕掛けも協力が必要なものが多いが、2つあるレバーやスイッチなどのギミックを2人で同時に作動させる、片方が足場を確保しもう片方が渡るなど単純なものばかりで捻りが無い。
--協力プレイだと大して気にならない要素であり、むしろ共闘感の向上にもなっているのだが…。
-一応ホラーゲームのはずなのに、「共闘」という恐怖感を削ぎかねない要素を全面に押し出していること自体への批判もある。特にシリーズ経験者には戸惑いも大きかった。
--とは言え本作は共闘云々以前にそもそも恐怖演出がかなり弱い作風ではあるが。

-''難易度について''
--難易度はアマチュア・ノーマル・ベテランの3つから選べ、ベテランで全チャプターをクリアするとプロフェッショナルが選べるようになる。
--今作のプロフェッショナルは、チャプターセレクト・アイテム引き継ぎ・協力プレイ等の新要素があるためか、前作に比べてかなり難易度が高くなっている。
--大きな違いは被ダメージで、例えアーマーを付けていてもほぼ全ての攻撃が一撃DYING(アーマーが無効になるわけではなく、アーマーの軽減ダメージを差し引いてもDYINGになる)になり、救出できる有効時間もすぐそばにいなければほぼ間に合わないほど極端に短い。
--ただし無限武器を含む強化済みの武器を持ち込む事ができ、それによるペナルティも一切ない。「やられる前にやれ」といった感じであり、武器さえあれば前作より遥かに楽である。

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**問題点
-''クリーチャー関連''
--終盤に出現する、近代装備を身に付けた武装兵の存在
---終盤はマシンガンやロケットランチャーを装備した武装兵が頻繁に現れ、互いにバリケードに隠れて顔を出しながら撃ち合う事になる。
---中には防弾仕様のヘルメットやアーマー、プロテクターを装着した敵もいる。これらの部位にはマグナムを除く銃器による攻撃がほぼ無効なため、露出している部分を集中砲火するか、そこから体術で追撃する以外に対処方法が無い。
---追加シナリオでは、何処とも分からない頭上や視界外から蜂の巣に。囲まれているので、射線を遡って位置を確認する余裕はあまり無い。
---TPSやFPSではお約束のシチュエーションではあろうが、このゲームの武装兵は行動パターンや攻略手順が洗練されているとは言い難い。
---終いには汎用敵ザコがロケットランチャー(範囲爆発・ほぼ即死)を使用するように。当然前述したアーマーを着ている者もいる。
--中盤ボス「ンデス」が鬼畜
---このエリアは固定銃座の照準のみを操作するガンシューティングになるのだが、通常武器禁止に巻き込まれる形で回復アイテムも使用不能になり、大ダメージからの復帰操作も禁止される。ここのせいでコンプリート難度が極端に高い。
---特に最大難易度のプロフェッショナルでは正に鬼のような難易度。ンデスの攻撃を1~2回食らえば死ぬ上、一部の回避QTEの受付時間はは目視してからの入力がほぼ不可能なレベルまで短くなっており、パターンや要領を完璧に把握していても難しいほどである。
--シリーズ最凶の初見殺し、巨大なカマドウマのような姿の昆虫型クリーチャー「リーパー」
---基本攻撃の掴み技を受けると即死、瀕死ではなく''即死''である。構え状態で掴み判定を貼り付けたまま移動し、横に投げ範囲が広いので通り抜けが出来ず((判定が広い事は何度か掴まれるまで分からないだろう。))、他のクリーチャーの掴みの様に相棒が割り込んでの救助が不可能な為、倒し方を理解するまではとても大きな脅威となる。
---弱点の部分が一定間隔で見え隠れし、それ以外の部分を撃つとガスで照準が歪ませられる。また、それぞれの弱点を撃つと大ダメージを与えられる状態になるが、弱点が隠れるまでの時間が短い。こんな強敵が終盤ステージでは同時に2体現れ、倒せずに時間が経つとガトリング兵((前作にも登場した小ボス級の遠距離ユニット。))まで2体出て来る場面があり、非常に難しい構成になっている。
---なお、爆発物で吹き飛ばすか、この弱点を狙撃する以外の手段では殆どダメージすら与えられず基本的にノックバックもしない。ほぼ全身が無敵のまま即死攻撃を出しながら近づいてくる、ある意味このゲーム最大の恐怖かもしれない。
---ただし、6本ある足のうち1本でも落とせば即死攻撃はしてこない上、閃光手榴弾を当てると即座に弱点をさらけ出す。対策さえ知っていればなんの苦労もしない敵である。
---また、ある条件を満たすと''リーパーが無敵になると言うバグも存在''する。知らずにやってしまった場合まさに地獄である。
---このようにただただ面倒で無駄に難易度の高いクリーチャーであるので、多くのプレイヤーに嫌われることとなった。

-''シナリオ関連''
#region(ネタバレあり)
-クリスやジル、ウェスカー、スペンサーの扱いに不満を感じる人も。
--クリスは本作ではキャラが薄くなっており、シナリオでの見せ場も従来に比べると少なく今ひとつ地味な存在になってしまった感がある。
---また長い年月が流れたとはいえ『1』や『CODE:Veronica』時代とは似ても似つかぬほど筋肉がムキムキのゴリラみたいな姿になっていたためファンからは「クリスではなく''ゴリス''」などネタ半分で言われたりもしている。
--その相棒であるジルはというと、発売前の広告は「ジルの墓に詣でるクリス」という図式が公開され、多くのユーザーはジルが死んだと思い「何てことをしてくれたんだ!」と嘆き怒る声が多数上がった。
---とはいえ、創作ではよくある「死んだと思わせて実は…」なパターンだろうと察しがついた人もいた。
---結局のところ、ジルは今作でも生存している。ただし、ウイルス抗体による影響で髪の色が金髪になり、風貌が変化した上、ウェスカーによって投与された薬物により超人的な動きをみせることから戸惑いの声も上がった。
--ウェスカーは過去のシリーズの時点で既に超人といえるほどのアクションを見せていたが、今作では銃弾をマトリックスばりの超高速で避けたり、ミサイルを片手に持って投げつけたりするシーンがあるためやりすぎだと批判されることも。
---この超回避はゲームの処理上、「暫く逃げ回ってこちらを見失わせるか、特定タイミングでカウンターを取るかしない限り、何をやっても完全無効」である。この点を鬱陶しいと感じるか、ゲームデザイン上これはこれでありと思うかは人それぞれある。
--シリーズ通じて謎に包まれたアンブレラの黒幕であるオズウェル・E・スペンサーが初めて姿をあらわにしたのは多くのユーザーの注目を集めた。しかし本編では回想のみの登場でありウェスカーの出生の真相を告げた後に即殺されてしまうので、どのように絡むか期待したファンは肩透かしを食らうことになった。ただこの点は追加コンテンツ“LOST IN NIGHTMARES”にて回想シーンに至るまでの内容がプレイできるようになり、大方解消される。
#endregion()

-''バイオハザードとして''
--今作の敵は「マジニ」という存在である。先述したように前作の「プラーガ」の改良型に寄生された人間達。
---しかし、実写映画版を意識したのか今作はそのマジニと銃撃戦をしたり、マジニが主人公の乗るジープをバイクに乗って追いかけたりするシーンもあるため古くからのシリーズファンは違和感を感じやすい。終盤ではマシンガン&防弾アーマーを支給された大量のテロリストと、遮蔽物に隠れながら延々撃ち合う等最近のシューター作品を意識したような構図も目立つ。つまらない訳ではないのだが、あまり''「『バイオハザード』らしい」とは言えない''。
---ステージの殆どが朝や昼など明るい空間なのでシリーズならではの「暗闇の怖さ」が殆ど無い。前作ですら序盤の最後辺りや後半の孤島の研究所で夜の村落や暗闇の研究室の恐怖を味わわせてくれたというのに。「''炎天下の白と黒のコントラストを狙った''」という話ではあるのだが、元々真っ暗な夜が舞台だった過去作と比べ、雰囲気が違いすぎてしまう。
---数少ない夜のマップが、前述の「ンデス」戦のステージであるのだが、残念ながら自由に歩き回ることはできない。
---一応chapter2-3に暗い洞窟のエリアがあるにはあるのだが、それはイベントアイテムである投光器を持って目の前を照らしながら進むエリアであり、殆ど何も見えない真っ暗闇である。我々が求めているのは恐怖を煽る暗闇であり、本当に何も見えないレベルの真っ暗闇までは求めていない。むしろ恐怖よりも煩わしさの方が目立つ。
--シリーズおなじみのセーブポイントであるタイプライターが登場しないのもバイオらしさを損なう理由の一端となっているだろう。
---一応、中盤で過去のシリーズに登場したクリーチャーの改良版が登場する。
---結局は『4』同様「『3』以前のバイオハザードとは違うベクトルを向いた作品」といっていい。
--本作では難易度を問わず一度クリアしていれば、チャプターセレクトでチャプターと難易度を自由に選んでプレイできる。またそれにより、お金や弾薬などを稼ぐことができる。弾薬を稼げるのは便利と言えば便利なのだが、バイオハザードは元々限られた弾薬を節約しながら進む作風なだけあって、そういった俗に言う“稼ぎ”が出来ることも「バイオらしさ」を損なっている要因のひとつとなっている。

-''QTE(クイックタイムイベント)''
--前作で不満の多かったQTE((デモシーンでワンボタンアクションを行うシステム。))だが、相変わらず本作でも実装。しかもさらに表示が小さくなり、見づらくなった。
--走るのにQTE、よけるのにQTE、攻撃するのにQTE。''これはLDゲームか?''
--オンライン時は双方が成功しなければ死亡する事もあるので初見のプレイヤーには辛い。失敗による空気の悪化もしやすい。
--雰囲気を楽しむこのシリーズだからこそ尚目立つ。

-''相棒のAI''
--前作のNPCであった非戦闘員のアシュリーと比べてはいけないのかもしれないが、今作の相棒は視界の邪魔になったり、自分から発見されに出て行く等と、AIがあまり賢くない場面が目立つ。ライフルを持たせれば幾らかマシにはなるのだが...。
--相棒に出せる指示は、簡単に言えばオフェンシブとディフェンシブの2種類のみ。
--オフェンシブは「ガンガン攻撃してくれるがその分弾を浪費する」。ライフル以外の武器を持たせている場合ある程度敵に接近する。
---本作の弾薬は勿論有限であるため、低威力の武器を持たせている場合頻繁に「弾が切れた!」と悲鳴を上げる。放置するとナイフで敵と交戦し始める可能性があるので、弾を分けてやらざるを得ない。
---一応アイテムの入ったオブジェやアイテムを優先的に壊したり拾ってくれるのだが。
--ディフェンシブは「クリスから離れないが攻撃頻度が低い」。
---基本的にはこちら。あまり攻撃してくれないが、その分自分が攻撃役になればいい。''危険だが''スタンロッドを持たせておけばこれを使うため弾薬の節約も可能。
--プレイヤーの傍から離れずに積極的に攻撃してくれる指示、及び「この場で待機」は存在しない。「絶対無ければ困る」と言う程ではないが、後者は前作ですらできたのに何故実装しなかったのか?
---ちなみに''後者は協力プレイ時は普通にある''…スプリットプレイは兎も角、何故シングルプレイにも対応させてくれなかった?
--このAIの頭の悪さも、本作のシングルプレイ、ひいては全体の評価を下げる要因である。
--尚、AIには「命中精度が異常に高い」「敵の弱点を優先且つ正確に狙う」という特徴がある。そのため反動が大きいマシンガンや連射できないライフルなどを持たせると良い。
---根本的な活躍はしないが、''指示と持たせる武器やアイテムを上手く組み合わせれば“居ないよりまし”な存在にはなる''。

-''その他''
--前作同様基本武器の照準はレーザーポインターのみになっているが、やや斜め後ろからの視点のせいで「狙い難い」と言う声も。
---因みに機銃などの固定武器はレーザーポインターでは無く小さな赤い丸の照準が出る。それを基本武器にも反映させてくれれば…((これを反省してかのちの『バイオハザード』作品では照準を変える事ができる様になった。))。
--アイテム画面で武器のリロードができるようになり、円滑なゲームプレイが可能になった反面、武器改造でリロード速度を上げる意義が薄れた。
---体術モーション中等の短い時間にアイテム画面リロードを行うのは慣れが必要だが、慣れてしまえばリロード改造の必要性がほぼ無くなる。
--前述の通り各武器の弾薬を無限化可能だが、無限化させると装填速度と装弾数が意味を成さなくなるため、同カテゴリの武器で上位互換・下位互換が発生してしまう。
---リロードの速い武器や装弾数の多い武器は長所を殺されてしまう一方、短所のほとんど無くなるAK74やハイドラが有利になりがち((これらの点は『6』では改善され、弾薬を無限化させてもリロードや装弾数を無視できなくなった。))。
---武器のうちグレネードランチャー、各種手榴弾、感知式爆弾は無限化させられない。
---その''グレネードランチャーは弾薬が6種類もありながら閃光弾と焼夷弾さえ用意すれば全ての敵に対処できてしまいほかの4種が空気化している''。しかも、閃光弾だけやけに安価。また、射程と所持数の都合で閃光手榴弾と焼夷手榴弾の立場も食っている。
//--アイテム画面でのリロードが再び可能になった。便利ではあるもののリロード速度の改造の意味がなくなるだけではなく強力な武器においてリロード時間が長いという弱点も消えてしまっておりバランスに悪影響を及ぼしている。
//前作でゲームバランスの一環としてでできないようにしていたのになぜ戻したのか。
//前作と本作ではゲームバランスが全く違うためこの記述は的外れ。よって書き方を変更。
--''グレネードランチャー以外の弾薬や投擲武器をお金で買えない。''地道に拾い集めるしかない。ストックもろくに無い最初のうちは弾薬不足に陥りやすい。
---初見では置かれている弾薬等を全て発見し拾うことは困難であり、特定の敵の倒し方が判らずに無駄弾も使ってしまいがち。
---ただし、所持数が少ないほどドロップ率が上がるようデザインされているほか、少し面倒だがデメリット無しでチャプターセレクトを利用しての簡単なチャプターに戻っての弾薬回収ができる仕様等「少し考えればこの点はさほど問題にはならない」という声も((ライフル弾やマグナム弾など、チャプターセレクトを利用しても集めにくい弾薬もあるにはあるが。))。
---武器を売却すれば装填されていた弾は手元に残るので“武器購入→売却”を繰り返せば弾を仕入れる事は一応できる。''割高な上に凄く面倒''だが。
--アイテムストック(倉庫)のスロット数が足りない。全54スロット(+クリスとシェバの手持ち)あるが、武器・爆薬類・弾薬・回復薬類・卵・アーマーを全種類2人分揃えようとすると最終的に足りなくなる。
---オンライン向けに最大まで改造していない銃を用意しておきたい場合はさらに足りなくなる。
--ナイフを出し入れする隙が大きい。その為特に''1人プレイだとオブジェを壊すのが面倒になってくる''。しかも、2つ並んでいるタルや木箱を失敗して一振りで壊せない時もある。
---“では銃で壊せばいい”と思うだろうが、''そうすると命中率が下がってしまう''。
--プレイ中とデモシーンではハンドガンの発砲音が何故か異なっている。実銃の発砲音を録音したものの筈なのに何故?

--マーセナリーズは前作よりステージが大幅に増加し、体術で敵を倒すとタイムボーナスが入る等の変更点があり、これにより戦略性が増した。
---しかしキャラは増えたが同じキャラのコスチューム違いになっただけであり、キャラ単位で数えれば実質4人になってしまっている。
---ウェスカーは装備が割方良い上に、頭部射撃後に出せる先崩掌打という体術が一撃で倒せるかつ対処が厄介な寄生体への変化防止と高性能。他にもダウン時に使える高威力な葬送脚や、体力を少し消費して高速移動もできたりと非常に優秀。スコアランキングでは彼一人が抜きん出てしまっている。
---クリスやシェバは装備が貧弱で、本編との兼ね合いのためか体術も軒並み低威力。即死体術は足を撃ってから背後に回れば出せる「ネックツイスト」「サイレントナイフ」のみ。特にシェバはクリス以上に体術が弱く、装備も全体的に使いづらい。リユニオンでは2人とも一部の体術の威力が強化されている始末。
---前作に比べ即死攻撃を行う敵が多いため、一部のステージはかなり理不尽な難度になっている。前作では一人一人に専用BGMが用意されていたが、本作では全員共通BGMになっているのも気になるところ。
---先述したように本作はこのマーセナリーズでも協力プレイが可能であり、それが楽しい反面協力プレイでないと大して面白くないとも言える。
---なお、後にキャラを増やしバランスを調整したマーセナリーズリユニオンが追加された。こちらの方は好評。

--対戦モードであるVERSUSモードは上記のマーセナリーズのシステムを対戦用に調節しており、最大4人プレイにも対応している。
---プレイモードはマーセナリーズのように敵を倒してスコアを競う「SLAYERS」とプレイヤー同士で戦う「SURVIVORS」がある。どちらも2VS2のチーム戦対応。
---「SLAYERS」は敵を倒し続けるとマジニが枯渇してしまい、高スコアの中ボスも数体しか湧かないためポイントが有限で逆転が難しい。~
プレイヤー同士での攻撃も通るのでプレイヤーキル(PK)が可能。初期からPKに対して強いショットガンを持っているキャラも多く、もし殺し合いになったらショットガンを持っていないキャラは一方的に殺されるしか無い。同時に仕返しも多発してゲームが崩壊しかねない。この為部屋ごとにローカルルールでPKを禁じている事も多い。

--スプリットプレイの開始が途中参加のみ。キャンペーン開始時のソロ・Coopを切り替える設定項目にスプリットプレイが無い。弾稼ぎ・金稼ぎなどチャプターセレクトを利用して同じチャプターを繰り返しプレイする場合、スプリットプレイだとチャプターを開始する度にボタンを押して2Pを参加させる必要があり面倒。
---毎回家族と2人でプレイするのではなく、たまに友達が来た時などだけ2人でプレイするプレイヤーしか想定されていない節がある。

--本作だけに限った事ではないが“''味方への攻撃''”“''チート''((“ショットガンで高速連射”“通常プレイヤーが使えない敵の武器を使う”など。))”“''暴言''”などマナーの悪いオンラインプレイヤーが居る。

--後のDL版以外はフルインストールに対応していないため、気になるほどではないがロード時間はやや長め。

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**総評
前作からの大きな変更がない分安定感のある続編として仕上がっており、単体のTPSとして見ればそれなりに遊べる。~
バランスも決して(最高難度を除けば)ソロプレイでクリアできないものにはなっておらず、問題点も無視しようと思えばできるレベルである。~

しかし「次世代機のバイオハザード」としては幾分パンチに欠け、『4』から更に進化した作品を望むユーザーの期待に沿う出来には至らなかったようだ。~
「下手に内容を変えるよりは…」という意見もあるが、大きな進化が無い分逆に細かな粗が目立ってしまった感じはぬぐえない。~
またTPSの操作性で作ると語るものの、操作性どころかジャンルの本質までにも影響されてしまっており、シリーズとしての印象を抜きにしても「ホラーゲーム」要素の少なさは流石に擁護のしようがない。~

ただし前述のように本作の評価はユーザーによって正反対であり、限られた目線から評価するのは安直すぎるだろう。そういう意味で賛否両論作品とするのが最も適当かと思われる。~
ちなみに売り上げ自体は好調で、シリーズ最高を記録している。勿論シリーズタイトルの売上は前作に影響される部分もある為必ずしもその作品自体の評価と言える訳ではないが。~

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**余談
-今作に登場するマジニの情報によって黒人差別を主張する声が出たためネットで議論が起きた。
--「この動きに対応してシェバというキャラクターが生まれたのでは?」 と噂されることもあるが、それ以前にシェバやそれ以外の味方は生まれていた。
--問題提起をした黒人のブログでも議論は起き、「白人のゾンビはいいのか?」といった反対意見も多く出た。
--この騒動を受け、後にカプコンのシニアPRマネジャーであるメロディ・ファイファー氏は「差別問題についてより一層の配慮を考慮していく」という旨のコメントを残している。
-Xbox360版のCMには芸能人の温水洋一、栗山千明両名が出演。一方、PS3版のCMは作中シーン中心の構成となっていた。
-2009年3月16日放送の『人生が変わる1分間の深イイ話』において、本シリーズをやり込んでいるシルバーゲーマーとして有名な加山雄三、鈴木史朗の両氏が即行で買ったゲームである事が判明している。
--なお鈴木史朗氏は以前バイオハザード公式ファンサイト「CLUB96」においてバイオハザードシリーズについて語ったことがあり、そこでは『1』と『4』が最も気に入っており、『2』と『3』も好きであると発言している。一方で(当時ナンバリング最新作であった)『5』については「とにかく戦闘が忙しかった」といったような感想を述べるのみで『4』までと違い好意的な意見を語らなかった。氏が「シリーズファン」と言える存在である事、また感想は即ちアクション性の強さに対する評価と解釈できる事もあり、ファンからは「鈴木氏は『5』を気に入らなかったのではないか?」と噂された(ただし氏はファミ通の『5AE』の特集記事に参加するなどもしてはいる)。
-2011年2月17日 発売された『MARVEL VS. CAPCOM 3』にクリス・レッドフィールドとアルバート・ウェスカーが本作の姿で参戦した。ちなみにウェスカーは『LOST PLANET 2』DLC版で登場している。ジル・バレンタインも『MARVEL VS. CAPCOM 2』とは全く違った性能で本作の姿でDLCとして登場した。
-ニンテンドー3DSで発売された『BIOHAZARD THE MERCENARIES 3D』では、クリスと回想シーンのジル、ウェスカー(別衣装でウロボロス感染版)が登場している。
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*BIOHAZARD 5 Alternative Edition
【ばいおはざーど ふぁいぶ おるたなてぃぶ えでぃしょん】
|ジャンル|サバイバルホラー|#amazon(B002R8KRAG)|
|対応機種|プレイステーション3|~|
|発売・開発元|カプコン|~|
|発売日|【PS3/360】2010年2月18日|~|
|定価|4,990円|~|
|廉価版など|PlayStation3 the Best:2010年11月11日/2,990円&br;DL版:2012年3月29日/1,900円&br;ツインパック:2012年3月15日/5,490円|~|
|判定|なし|~|

*Resident Evil 5 Gold Edition
【れじでんと いーぶる ふぁいぶ ごーるど えでぃしょん】
|対応機種|プレイステーション3&br;Xbox360&br;Windows 7|~|
|発売日|【PS3/360】2010年3月9日&br;【Win】2015年3月26日|~|
|定価|【PS3/360】39.9ドル&br【Win】2,990円|~|
|判定|なし|~|

**概要(完全版)
-2つの新エピソードと新モードを追加した完全版。新要素分のトロフィー・実績が20個追加されている。無印版に収録されていた特典映像はない。
-セーブデータは無印版のものを使用できる。また、無印版を購入したユーザー向けに追加要素が有料DLCとして配信されている。
--追加エピソードの1つである「LOST IN NIGHTMARES」は、本編でわずかしか語られなかった部分を補完する内容であり、従来のバイオの雰囲気が出ているとファンからの評価は高い。
---過去作のように扉を開ける際に演出が入ったり、特定の操作を行うと従来の固定カメラに切り替わるというファンサービスもある。
---弾の数が相当少なく、中ボス格の敵が多数出現するため、ストーリーをクリアしたノリでプレイすると痛い目を見る事になる。
---ちなみにオンラインは現在ほとんど人がいないため、オフラインで2人でハラハラしながらするのが一番いいだろう。
--新モードの1つである「THE MERCENARIES REUNION」では久々にバリーとレベッカが参戦しており、ファンを大きく喜ばせた。
---キャラクターが増えただけでなく細かなバランス調整が施され、かなり遊びやすくなっている。プレイヤーからの評価は高い。
-Windows版は追加コンテンツが未配信で、完全版も発売されていなかったが、2015年3月26日にSteamでGOLDエディションとして配信された。
-PlayStation Move対応
--2010年9月14日のアップデートにより対応(ベスト版は最初から対応済み)。同年10月21日には同封版である『PlayStationMove BIOHAZARD 5 Alternative Edition スペシャルパック』も発売した。
--もともとモーションコントローラによる操作はWii版『4』で好評を得ており、またMove自体の性能の高さも相まって直感的且つ快適な操作が可能となっており、プレイヤーからの評価は上々。
-2012年3月15日に発売されたツインパックはBest版の『Alternative Edition』と『BIOHAZARD REVIVAL SELECTION』のセット。
-2012年3月29日からダウンロード版の配信が開始された。「''1900円''」という破格の安さであり、この値段でこのボリュームなら十分に良作と言えるだろう。またフルインストールなのでパッケージ版と比べてロード時間が早く、特にSSDを使用すればパッケージ版の7秒前後から2秒前後にまで短くなる。
-こちらは無印に比べると比較的賛否は分かれない。追加要素が概ね好評なので、十分楽しく遊べる出来だろう。あくまで追加要素に対する評価ではあるが...。
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