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機動戦士Ζガンダム ホットスクランブル」を以下のとおり復元します。
*機動戦士Zガンダム ホットスクランブル
【きどうせんしぜーたがんだむ ほっとすくらんぶる】
|ジャンル|シューティング|&amazon(B000068GW2)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売元|バンダイ|~|
|開発元|ゲームスタジオ|~|
|発売日|1986年8月28日|~|
|価格|5,300円|~|
|備考|GBA「[[ファミコンミニシリーズ]]」に登場(非売品)|~|
|分類|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|子供騙し&br()マーケティングが生んだクソゲー&br()バンダイ製キャラクソゲーの元祖&br()子供にはウケたらしい?(開発者談)&br()名作になれる可能性はあった|~|
|>|>|CENTER:''[[ガンダムゲームリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/940.html]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-人気ロボットアニメ『機動戦士Zガンダム』を題材にした3D&2Dシューティングゲーム。ファミコンでガンダムシリーズがゲーム化されたのは、この作品が初である。(PCゲームやLSIゲームなどでは、すでに何度もゲーム化されている)
-メイン開発者は『ゼビウス』『ドルアーガの塔』などで御馴染みのゲームクリエイター遠藤雅伸氏。
-[[バンダイ>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/1262.html]]製のファミコンゲームとしては、『キン肉マン マッスルタッグマッチ』『超時空要塞マクロス』『オバケのQ太郎 ワンワンパニック』『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境』に続く5作目。いずれも「そこそこ遊べる」というレベルのキャラゲーであり、本作のような酷評は受けていない。
-発売日がかの東映動画『[[北斗の拳>北斗の拳 (FC)]]』のわずか18日後。それゆえ、この二作品を持って、「キャラゲー=クソゲー」のイメージが世間に定着したと言われている。
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**内容、及び問題点
-本作は性質の異なった3つのステージからなっており、それらを順番にクリアした時点で1面クリアとなる。
-全16面。エンディングはなく、全面クリアするとまた2周目にループする。ただし、2周目(17面以降)でゲームオーバーになると、テレビ版EDを模したスタッフロールが流れる。
-本作に登場するモビルスーツは全20種類。主要な機体はほぼ網羅しているが、全て敵(ティターンズ・アクシズ)側であり、味方(エゥーゴ)側のモビルスーツはZガンダムただ1機である。
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***地上ステージ
-今で言うFPSに近い画面の3Dシューティング。十字キーで自機を動かし、Bボタンで射撃。Aボタンはターボモード(ただの早送り)発動。攻撃を喰らい、自機のエネルギーが全てなくなるとゲームオーバー。
-ゲーム開始直後、突然、多数の謎の飛行物体が画面奥から現われ、1秒ほどで手前に消えて行く。どうやら、サブフライトシステム(輸送航空機)に乗ったモビルスーツらしいのだが、あまりにも表示時間が短過ぎて何が何やらさっぱり分からない。
-それら謎の物体を「連射可能な弾数無制限のビームライフル」で撃墜していくのだが、自機の動きが鈍い上に敵の挙動も不自然なので、狙って撃つことは難しい。気付けば当たっていたという感じで、爽快感は皆無。
-どんな敵も弾一発で撃墜できる。ボス的存在のサイコガンダムですら一撃。もっとも、敵の攻撃が異様に激しいので難易度自体は高い。
-「一定時間経過」「特定の敵を撃破」などのクリア条件を満たすと、高速で大気圏を離脱して宇宙ステージに進む。
--もちろん、Zガンダムに大気圏突入能力はあっても離脱能力はない。
***宇宙ステージ
-背景が宇宙空間になっただけで基本は地上と同じ。それでも、一応、敵がモビルスーツであると認識できるだけまし。
-ジ・Oやキュベレイなどの人気ボス級モビルスーツも登場するが、これらも弾1発で撃破できる。ただし、幾つかの面でラストに登場する敵戦艦だけは数発当てないと倒せない。
-このステージも、「一定時間経過」「特定の敵を撃破」などのクリア条件を満たすと、スペースコロニーや敵戦艦内に自動的に突入して、要塞ステージへ進む。
--この時、ちらりとウェイブライダーの姿が映る。そこで、ようやく自分がZガンダムに搭乗していることを知る。
***要塞ステージ
-突然、迷宮探索系の2Dシューティングに変わる。攻撃力アップ・防御力アップ・エネルギー回復などのアイテムを集めながら進み、最深部のコアを破壊すればクリア。
-Bボタンで射撃。Aボタンでジャンプ。ジャンプボタンを押し続けると、ウェイブライダーに変形して上下左右に移動できるようになるが、壁にぶつかると変形が解けるので、操作性はあまりよろしくない。
-どの面も似たような構造。最後のコアも障害物の有無を除いて丸っきり一緒。攻略法も同じ。そもそも、要塞ならともかく、戦艦の中にこのような迷路があるはずがない。
-敵は数種類登場するが、見た目が違うだけで中身はコピペ。1撃で倒せる。ただし、最終面限定でなぜか白いキュベレイが複数体登場する。いつの間に量産していたんだ。
--ちなみに、そのキュベレイ、ファンネルは倒せるが本体は無敵である。
-言わずもがなだが、アニメ本編にこのようなミッションは存在しない。
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***音楽
-BGMは3曲。いずれもアニメ主題歌のアレンジである。
-タイトル画面は前期OPの『Z・刻を越えて』。ゲーム本編は後期OPの『水の星へ愛をこめて』。ゲームオーバー画面はEDの『星空のBelieve』。
-一見、ファンサービスを意識したベストなチョイスに見えるが、『水の星へ愛をこめて』はゲーム中に間断なく延々と鳴り続けるため、確実に飽きる。
--まるで『[[ゴーストバスターズ]]』のようだが、その場合1曲しかないのでまだこっちのほうがマシ?(しかし結局はバンダイなのでなんとも・・・。)
-『星空のBelieve』はどちらかと言うと明るい曲なので、ゲームオーバーの雰囲気と全く合っていない。
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**評価点
-難易度は高いものの、これと言うバグもないので遊べなくはない。
-登場モビルスーツの種類が豊富。見えないけど。
-意外とモビルスーツのドット絵が綺麗。変形もする。見えればね。
-裏技でモニターコマンド(デバッグモード)を操作できる。
-このゲームが発売された時、続編のアニメ『機動戦士ガンダムZZ』はまだダカール編の途中だったため、動く「MA形態のサイコガンダムMk-II」は本作が初お披露目である。
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**経緯
-一般的にキャラゲーと言うと、版権元がメディアミックスを行うために、短い納期で下請けに適当に作らせたゲームという物を想像するが、このゲームに関しては実は開発者の遠藤氏側からの持ち込み企画である。
-アニメに感銘を受けて「ガンダムのゲームを作りたい」と思った氏が、バンダイに直談判したのが事の始まり。氏はこのゲームを作るためにナムコを退社までしている。(当時のナムコは版権物を作らない方針だった)
-こうして出来上がった試作版は、まだ2Dステージが存在せず、敵の動きにZ軸(奥行き)と行動パターン(奇襲・牽制など)を持たせた本格的な3Dシューティングゲームであった。広い宇宙空間の中、レーダーで敵を索敵し、遠距離から攻撃し合うという形式でガンダムの世界観を上手く表現していた。
-ところが、実際に子供達を集めてテストプレイさせてみたところ、「敵がいない!」「撃っても敵に当たらない!」「ガンダムが出てこない!」などといった不満が噴出し、急遽、仕様変更することになった。
-結局、3Dステージは大幅な簡略化。さらに、「グーニーズみたいなのが面白い!」という意見を取り入れ、新しく2Dステージが付け加えられた。こうして、当初の構想とは全く異なる形で製品版が完成し発売された。
--この2Dステージの開発に遠藤氏は係わっていない。なお、開発者は2Dステージも含めて全3名とのこと。
-後日、試作版は「ファイナル版」と名を変えて抽選プレゼントされた。非売品で数量が少なかったことから、現在は数万円のプレミアが付いている。
-これらの裏事情は長らく秘密にされていたが、2001年4月、2ch「レトロゲーム板」内に立てられた『[[「Zガンダム ホットスクランブル」被害者の会>http://ton.2ch.net/test/read.cgi/retro/986280815/]]』スレッドにおいて遠藤氏本人が釈明したことで明らかになった。そのスレ内で、氏は製品版を「商品Z」、ファイナル版を「作品Z」と称し、マーケティングと作家性の間で葛藤するクリエイターの苦悩を語っている。
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**総評
-ガンダムの世界観をファミコンで表現しようとした意欲作ではあるが、様々な外的要因により結果的にクソゲーになってしまった悲運の一作。
-特に、当時は3Dシューティング面が酷評され、「存在意義が不明」とまで言われた。
-それに対し、2Dシューティング面は一応、ロボットを操れるということでキャラゲーとしての体裁は保っていたが、「単調なゲーム内容」「原作無視」といった後発のクソキャラゲーのツボを全て押さえており、評価は決して高くない。
--ただし、遠藤氏のインタビューによると、嘘か真か、当時の子供の中には本作をして「このZが青春だった」「ファミコンの中で5本の指に入る面白さ」と評する者もいたらしい。
-最終的な売り上げは40万本。ヒットには報われなかったが、営業的には黒字である。
-たらればの話だが、もし「子供ウケ」を狙った幼稚な仕様変更がなく、ファイナル版がそのまま製品として発売されていたら……現在は一体どのような評価をされていただろうか。ガンダムの原作者の富野由悠季監督は、本の一説を引用して「子供に向かって、あなたにとってこれはとても大事なことなんだよということを、大人が一生懸命話せば、その時に全部理解できなくても、絶対にその話を思い出してくれる」と語っている((『月刊ガンダムエース』2009年9月号より。))が……。
-現在は携帯電話アプリにも移植されている。
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**その後
-GBAのファミコンソフト復刻版シリーズ「[[ファミコンミニシリーズ]]」に登場。ただし、GCソフト『機動戦士ガンダム 戦士達の軌跡』の抽選景品としてのみ入手できる非売品。
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**参考リンク
-『[[機動戦士ガンダム 戦士達の軌跡>http://www.bandaigames.channel.or.jp/list/gcgundam/int.htm]]』
-『[[真ファミコン小市民>http://fcs.main.jp/kyosyo/index.html]]』
-『[[機動戦士Ζガンダム ホットスクランブル-攻略>http://hccweb1.bai.ne.jp/~hde37001/zg/]]』
#region(プレイ動画)
&youtube(http://www.youtube.com/watch?v=1LxupaRwVTI)

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//以上です。
//一応、クソゲー判定に入れましたが、もしかすると賛否両論判定なのかもしれません。
//その場合は、移動をよろしくお願いします。
//ただ、遠藤氏自身が黒歴史扱いしていることを考えると、クソゲー判定が適当だとは思います。

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