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ドラゴンクエスト モンスターバトルロードシリーズ」を以下のとおり復元します。
*ドラゴンクエスト モンスターバトルロード
【どらごんくえすと もんすたーばとるろーど】
|ジャンル|トレーディングカードアーケードゲーム|~|
|対応機種|アーケード(Taito Type X2)|~|
|発売元|スクウェア・エニックス、タイトー|~|
|開発元|ロケットスタジオ|~|
|稼動開始日|無印:2007年6月21日&br()II:2008年12月3日&br()IIレジェンド:2010年1月15日(全作とも稼働終了)|~|
|料金|1プレイ:100円&br()冒険の書(稼動店で販売):500円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[ドラゴンクエストシリーズ関連作品リンク>ドラゴンクエストシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
ドラゴンクエストシリーズのモンスターを使ったバトルゲーム。カードをスキャンする事で、カードに描かれたモンスターが登場し、3体の自分のチームを作ってバトルする。~
プレイ時に必ずカードが1枚排出される。カードを集める事でオリジナルチームを組めるが、カードが足りなければ基本的な能力の扱いやすいモンスターを貸してくれる。

最初はモンスターのみだったが、『II』以降からは武具を装備できる主人公キャラも加わり、「冒険の書」という別売りの記録媒体も登場する。

**特徴・評価点
-技選択は2つのボタンのみで行う。こう書くと子供向けの単純な物にも思えるが、モンスターには属性など細かく設定されているため、意外と戦略性がある。

-技は選択できても、どの相手に当てるかまでは選択できない。そのランダム性への対処も、戦略のうちに入ってくる。

-エフェクトは本編以上にどハデだがその分迫力があり、実況もよく出来ていて、かなり盛り上がる。

-モンスターは本編からの改変点はあるものの、ちゃんと特徴を捉えている。
--打撃もしくは呪文や特技いずれかに特化したモンスターもおり、チームの組み方で得意とする相手も変わってくる場合がある。

-スペシャルカードを使えば、歴代ドラゴンクエストの主人公や仲間たちが技を繰り出し、基本1バトル1回だけ攻撃や補助などを行ってくれる。

-II以降、自分のキャラを作れるようになり、モンスター1体と同じように扱われるが、装備品でカスタマイズが可能。
--主人公は武器によって職業が変化し、それに応じて技の変化するモンスターもある。

-「冒険の書」(別売500円)を使って進行状況を記録できる。
--「冒険の書」を使って経験を積んでいくと、上級職になれたり、さらに特別な武器の扱い方が可能となる。

-攻撃のタイミングに合わせてボタンを押せば「ゆうき」が溜まっていき、いっぱいになると「とどめの一撃」を放てる。
--とどめの一撃を放つ際には、筐体中央の剣がせり上がり、その剣を突き刺すという動作を行う。それが物理的にも迫力がある。
--とどめの一撃によるダメージは、明らかに相手のチームのHPの上限を上回り、文字通り「とどめの一撃」となる。最初は子供向けの救済策的なものに見えるが、これを出すタイミングが大魔王と戦う上で重要となってくる。
--プレイヤーキャラを使用している場合は、「つばぜり合い」を行う事もできる場面があり、両ボタンの連打力が問われる。成功すれば相手の「ゆうき」を無くすあるいは減らす事ができるが、失敗すると自分のゆうきが失われる。またつばぜり合いをしたターンはプレイヤーキャラと魔王・大魔王が行動できなくなる(お付きのモンスター2体は行動可能)。

-条件を満たせばバトルマスター、賢者、モンスターマスター、大商人、勇者といった上級職になる事が可能。二つのカードをスキャンする「ダブルスキャン」などが使えるようになる。

-ベビーサタンのイオナズンは「MPが足りない!」となるなどの定番ネタがしっかりと仕込まれていたり、武器「はかいのつるぎ」と特定の装備をすると「''滅・はやぶさ斬り''」が使えるという公式がやるとは思えない隠し要素もある。

-とどめの一撃の技・演出が凝っている。
--たとえば勇者エイト(DQ8の主人公)の使う「ドラゴンソウル」は北米版DQ8からの逆輸入であり、勇者ソロ(DQ4の男勇者)のとどめの一撃は導かれし者たちと共に協力して放つ「ミナデイン」。~
またロトの血を引く者(剣神DQ((剣神のストーリーはDQ1のリメイクであり、「ロトの血を引く者」は本作では剣神の姿で登場している。))の主人公)・ローレシアの王子・伝説の勇者(DQ3の勇者)が同時攻撃を版つ「勇者集結」というクロスオーバー技まである。
--クリフトに至ってはお馴染みのおバカA.I.ネタが演出として盛り込まれており、『''ザラキを連発するが効かないことに腹を立ててメッセージウインドウを踏み潰し、「ザラキーマ」を唱える''』という抱腹絶倒な攻撃を繰り広げてくれる。((後にゲスト出演した『ドラゴンクエストヒーローズ』シリーズでも披露してくれる。))

-筐体のなかには2組に設置された対人戦が可能な物もある。
--対戦格闘ゲームと同様にゲームプレイ中に乱入。
--1戦のみ。持ちカードやLVの差が激しいと勝負にならない。
//筆者は対戦はした事ないため、対戦経験者の方が編集をお願いします。

**問題点
-敵の繰り出す技はランダム((魔王・大魔王は一応、6つある技のうちターンごとに二択で行動が選ばれることになっている。))なので、大魔王戦で明らかにやられるというような時に決定打を出されなかった場合、ラッキーと考えるか、手加減されていると考えるか、少々複雑な心境になってしまう。とりあえず相手の力が不安定なんだと解釈するのがいいだろうか。

-対戦ゲームとしてはバランスがやや大味なところがある。
--対戦では先に「とどめの一撃」を出した方がほぼ勝利確定の為、「どちらが先にゆうきを溜められるかの勝負に終始してしまう」という別ゲーになりがち。この為1人用モードと比較すると戦略性がやや薄い。
--大会では二台を繋いで行われるが、多くの場合どちらかの筐体を分配してギャラリー用に出力していたが、ゲームの性質上手の内を見せない方が圧倒的に有利な為、外部出力されている側は反対に圧倒的に不利である。そのため、大会では他のキッズトレーディングカードゲームには見られない「親御さんの助っ人、応援禁止」という所が多く見られた。

-敵としての性能と味方としての性能が異なるモンスターが多い。
--相手にした場合は強力な技を持ち耐性も優秀な敵として立ち塞がるのに、仲間として使用するとこれらの性能が微妙な性能に差し替えられる。これは特定の3匹のモンスターをスキャンすると登場する合体モンスターに多い。
---代表的なのはプラチナキング。敵として登場するプラチナキングはHPは非常に低いが異常な守備力と回避力を持っており対策しておかないと確実に詰むレベルのモンスターである。しかし、味方として使うと守備力が高いだけで回避力はそれほど高くなく、HPが極端に低すぎるので会心の一撃などで簡単に倒されてしまうという弱いモンスターになってしまう。
--勿論、そのままの性能にすると魔王や大魔王を簡単に倒せてしまう壊れ性能なのでゲームバランスが崩壊してしまうという面を考えれば仕方なかったのかもしれないが、敵としての強さを期待したプレイヤーにとってはあんまりである。

-ゲーム内容自体の問題ではないが、子供がボタンを強く叩くせいか、たまに反応のにぶいボタンがある。もし不安なら、他に人がいなければ「冒険の書」をプレイ前に差し込み、ステータス確認画面でボタンの具合を調べておくのもいいだろう。

-大魔王攻略に必要なスペシャルカードが人によって手に入りにくい場合がある。
--ほぼ10枚に1枚程度の確率でレアカードである黒いカードが出るのだが、その中にも「ロトコレクション」というモンスターカードもあるので、必ずしもスペシャルカードが出るわけではない。
---しかし、グッズやデッキセットに入っていたり、雑誌の付録になっていたり、キャンペーンで配布されていたりする事もあるので、それらを狙うというのも手。基本、攻撃SP1枚があればそこそこやっていける。

-レアカードが高額で取引されている場合もある。今はほとんどないが、カラーコード一覧を販売およびそれを「&bold(){オマケ}」として販売している出品者もいた。これはこのゲームに限った事ではないが。

-上級職になる為にかなりのクレジットを費やす必要がある。

-『[[DS版DQVI>ドラゴンクエストVI 幻の大地 (DS)]]』や『[[廉価版DQIX>ドラゴンクエストIX 星空の守り人]]』、『[[DQMジョーカー2>ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2]]』、『[[Wii版DQMBV>ドラゴンクエスト モンスターバトルロードビクトリー]]』などに限定カードを付けるなどの問題もある。
--しかしこうしたやり方は本作だけの問題ではなく、カードゲーム全般に言える。

-『DQIX』の参戦登場人物の中にはラスボスが登場している。''最速で『DQIX』発売から半年で公開している為にネタバレは避けられなかった''。
--ちなみに2010年7月9日に発売の『ドラゴンクエストIX 星空の守り人 公式ガイドブック 秘伝・最終編』ですら公開していない。

-『DQIX』、『DQMジョーカー2』とのゲームとの連動があるが、ヨドバシAkibaでは『DQIX』の時に参加していた人数が大人数だったので通行の邪魔などが原因で通信不可になった。

***レジェンドモード
-旧作を再現したと銘打たれたレジェンドモード。1から8までのストーリーを再現している。
--だがこれまで作られたキャラの色変えを使い回しているので、原作再現率があまりよろしくない。
-一部の戦闘の難易度が高い。特に2のハーゴン・バズズ・ベリアル戦、3のバラモスブロス・バラモスゾンビ・ドラゴン戦、5のカンダタ戦の難易度といった連中は一戦目で戦うため、取り分け苦戦する。
---こういった中ボス系はバトルロードモードだと前の戦闘のゆうきを持ちこせるので「とどめの一撃」を放ちやすいが、前述の通り一戦目で戦わせるので勇気を持ちこせずとどめを放ちづらい(あるいは殆ど無理)。運ゲーも入る。

-またレジェンドモードは「その作品に出てきたキャラのSPカード」しか使えない上に、各戦闘で指定のSPカードを使わなければ評価が高くならない。
--その上、「指定のSPカードが一定以上の効果を発揮しなければ得点が下がる」という運ゲーまでも。
--ただし大魔王を倒すだけの実力があればレジェンドモードにて竜王やデスピサロなどを狩る事で経験値稼ぎに役に立ち、転職までのコストを下げる事は出来る。
--また評価を上げればその作品のラスボスを召喚する事が出来るようになる。
--IVは『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード II レジェンド スターティングカードセット ~導かれし者たち編~』、Vは『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード II レジェンド スターティングカードセット ~天空の花嫁編~』、VIは『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード II レジェンド スターティングカードセット ~幻の大地編~』で主人公カードのみのフォローがあるが出費がかさむ。
--I~IIIに関しては 2010年6月発売の 『ドラゴンクエストモンスターバトルロードII レジェンドマスタースキャンファイルスペシャルカードセット』、VIIIは2010年7月発売の『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード II レジェンド マスタースキャンファイル スペシャルカードセット2』で全キャラクターのフォローがあり、解消されるが、その分出費がかさむ。

**総評
オリジナルと違いストーリーはないに等しいが、ゲーム自体は本格的。モンスターバトルに特化したドラクエと思えばいいだろう。~
どのモンスターも優劣に差はほとんどなく、例えばシリーズ恒例最弱であるスライムは会心の一撃が出やすく恐れられる存在にもなっている。現在ではナイトリッチが人気だが、どのモンスターにも一長一短はあるのは確かなので、評判は気にせず自分の好きなモンスターを使って楽しむのがオススメ。~

一方、カードを入手するコストもかさみ易く、限定入手でしか手に入れられないカードも多い。金に汚いと言われがちなのは、この手のジャンルの宿命だろうか。~
しかし、レアカードにこだわりすぎず、出費もそこそこにしていれば普通に遊べるレベルである。~

**その後
-2010年8月に惜しまれつつも稼働終了。現在では全ての筐体が撤去されているため、AC版をプレイすることはできない。カードが欲しい場合はカードショップに足を運ぶ必要がある。
--TCAGの宿命なのか、稼働終了の告知が発表された後はやはりというべきかレアカードも含めカードの価値が一気に暴落し、買取り拒否をするカード専門店も多数あった。逆にいえば稼働中、高額で手の届かなかったカードが安値で入手しやすくなった利点もあるが、現在は稼働終了からかなり時間が経過している為、オークションでも目的のカードが見つかり難いことも多い。((中でもレジェンド大魔王のダークドレアムやVジャンプロゴ入りのSPカード等一部のカードは現在でもオークションでそれなりに高値で取り引きされることがある。))
--どうしても欲しいカードがあれば、カード専門店やオークションを確認してみるといいだろう。特に無印時のカードは絶版になっているので、現在の入手方法はこれぐらいしかない。スペシャルカードも意図的に手に入れようと思えば1000円、2000円はかかるので、その程度の価格なら手を出すのも悪くはないだろう。

-今でも人気のある作品であり、ドラゴンクエストシリーズを題材としたアーケードゲームを再び稼働させて欲しいという声も多い。
--そして2016年6月23日、ドラゴンクエストシリーズの新作アーケードカードゲームである『ドラゴンクエスト モンスターバトルスキャナー』が稼働開始した。

-2012年7月に本作開発のスタッフにより、ドラクエとは全く関係ないTCAGである『[[超速変形ジャイロゼッター]]』が稼働開始になった。カードのデザインやフォント、バトルの演出等に本作の名残が見られる。

-AC版稼働終了と時期を同じくして、家庭用としてチューンされた『[[ドラゴンクエスト モンスターバトルロードビクトリー]]』が発売された。

**余談
-ちなみに開発を担当したのは上記にもあるとおりバグゲーマイスターとして名高いロケットスタジオ。そのため稼動前は出来を危惧していたユーザーも少なくなかった。&br()だが実際は致命的なバグは存在せず、ゲーム自体の出来もかなり良好だったためロケットスタジオに対する信頼が若干回復したことは無視できないであろう。
--MBR2稼働初期時は、モンスターダブルスキャンの不具合のせいで「魔物使いのみ大会では使用禁止」という特殊ルールが敷かれていた。修正までに四か月を要していたが…

-2010年のファミ通の桜井政博氏とDQMBのプロデューサーのインタビュー時に「IIIのラスボスのとどめの一撃は氷系にして欲しかった」というIIIのオールドファンの意見が結構多かったという。因みにそのとどめの一撃は炎系のメラガイアーで、これにした理由はメラガイアーと同じメラ系魔法のメラ&color(black,black){ゾーマ}からの洒落だという。
//↑さすがにその名前は時効じゃありませんか
//↑少し変えてみる

-当時、ほぼタイトー独占での取り扱いの為、店側の不正で、例えば「従業員がレアカードを抜いてネットオークションに出す」等が横行していたが、その不正をタイトーと親会社スクウェアエニックスがしっかり監視し、出品されたら会社が落札して犯人を特定し片っ端からアルバイトを懲戒解雇する等厳しい処置をとっていた。独占での取り扱いだからこそ出来るやり方だが、結構な人数が見つかったとされる。

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