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バンパイアキラー」を以下のとおり復元します。
*バンパイアキラー
【ばんぱいあきらー】
|ジャンル|アクション|&amazon(B000148IRC)|
|対応機種|メガドライブ|~|
|メディア|8MbitROMカートリッジ|~|
|発売・開発元|コナミ|~|
|発売日|1994年3月18日|~|
|定価|7,800円|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[悪魔城ドラキュラシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/511.html]]''|
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#contents(fromhere)
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**ストーリー
> 1897年、吸血鬼ドラキュラと人間との長い戦いに終止符が打たれ、ドラキュラは永遠の眠りについた・・・・・・ベルモンド家の血を引くキンシー・モリスによって・・・・・・。
>
> 平和を取り戻したヨーロッパであったが、ある事件をきっかけに第一次世界大戦が勃発し、殺戮と破壊が渦巻く暗黒の世界へと変貌してしまった。
>第一次世界大戦の発端となったある事件・・・・・・1914年6月サラエボで起こった、オーストリア皇太子暗殺事件、その影に1人の美女が関わっていたことを誰も知らない。
>
> エリザベート・バートリー。彼女は叔父にあたるドラキュラを復活させるため、邪悪な儀式により戦争を引き起こし、ヨーロッパ中の人間の魂を手に入れようとしていた。
>
> そして今、ドラキュラ城に近づく二つの人影があった・・・ジョニー・モリス。キンシー・モリスの子で、吸血鬼ハンターの名門ベルモンドの血を引くモリス家の宿命に従い、日夜吸血鬼と戦っていた。
>エリック・リカード。恋人を吸血鬼に変えたエリザベートに復讐するためやってきた。
>
>ベルモンドの血の宿命に従って・・・・・・再び戦いが始まろうとしている!

(説明書3ページより抜粋) 

**概要
-悪魔城シリーズ11作目。メガドライブで発売された唯一のドラキュラシリーズ。
-メガドライブ後期に販売されたため流通本数が少なく、[[公式ページ>http://www.konami.jp/gs/game/dracula/product/1994.html]]でも「入手困難なプレミア品」と明言されているほど。そのためシリーズファンでもプレイ経験のある人は少ない。
--同時期の『[[血の輪廻>悪魔城ドラキュラX 血の輪廻]]』や『[[X68k版>悪魔城ドラキュラ (X68000)]]』も長らく同様の状況にあったが、バーチャルコンソールでの配信や『悪魔城年代記』への移植によって補われているため、本作にも補完を求める声は多い。
-続編的な作品として多くの設定を引き継いだ『[[ギャラリーオブラビリンス>悪魔城ドラキュラ ギャラリー オブ ラビリンス]]』がある。

**長所
-同時期のシリーズ作品にも引けを取らない、高い完成度。
-難易度は従来のシリーズ作品に比べるとかなり抑えられている。
--元々が非常に高い難易度を誇ったシリーズだったため、ようやく一般的なユーザー向けの難易度に納まったとも言える。
--オプションで難易度が設定できるため、より手応えを求めるユーザー向けの調節もある程度は可能。
---それでも従来の作品に比肩するほどの難しさではない。
-横方向以外にも攻撃が可能、ジャンプ中に階段に直接止まれる、階段からでもジャンプができる、サブウェポンがワンボタンで使用できるなど、従来の操作性を残しながらも細かい点が改善されている。動作も全体的にスピーディーになっており、操作性は良好。
-サブウェポンの数がブーメラン・斧・聖水の三種類に減った代わりに、ジュエル((サブウェポンを使用するために必要なコスト。他作品におけるハート。))の消費が多い強化攻撃、画面全体を攻撃できる特殊攻撃を放つことができる。
--使いどころは難しいが、使いこなせば難易度を下げるほど強力。
-キャラクターが選択式になり、伝統の鞭バンパイアキラーを受け継ぐアメリカ人「ジョニー・モリス」と妖槍アルカードスピアを振るうスペイン人「エリック・リカード」を任意に選んでプレイすることができる。
--ジョニーは鞭を使用し遠縁とは言えベルモンド一族では無く、エリックは当時「悪魔城伝説」でしか登場しなかったアルカードの品を用いて戦うなどこれまでの悪魔城シリーズの中ではかなり異色なキャラ設定がなされている。
--ジョニーはジャンプ中のみ真下と斜め上に鞭を振ることができるほか、天井に鞭を引っかけて空中を移動するワイヤーアクションを有する。
--エリックは横、斜め上、真上に槍を振るうことができ射程も長いが、攻撃スピードが若干遅く、手元に判定が発生しないため懐に入られると弱い。槍を利用して大きく跳躍するハイジャンプが使える。
--操作性の差によりそれぞれ違った攻略法が求められるため、リプレイ性も高い。
-''第一次世界大戦の元凶''を倒すため、ヨーロッパ全土を巻き込んで各地を転戦するなど、後続作品を含めても最もスケールの大きいストーリー。
--『[[呪いの封印>ドラキュラII 呪いの封印]]』や『[[奪われた刻印>悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印]]』など悪魔城外を舞台とした作品は他にもあるが、これほど広域に渡った例はなく、近代的な時代設定と合わせてシリーズの世界観を大きく広げている。
-ゴシックホラーの雰囲気を保ったまま緻密に描き込まれた美しいグラフィック。
--背景にも工夫が凝らされており、場面の転換が視覚的にはっきり分かるようステージ毎に雰囲気が一辺し、ギミックにも大きく関わってくるなど、高い技術力が伺える。
---質感溢れる大理石の神殿が水の満ち引きとともに変化し、それらが透明感ある湖面に鏡のように映し出されるギリシャ、背景にそびえるピサの斜塔がプレイヤーの移動に合わせてリアルタイムで立体的に向きを変えるイタリア、一転して剥き出しの鉄骨や無機質な歯車に覆われた重厚感漂うドイツの兵器工場など。
---破壊された女神像、鮮血の吹き出す噴水、巨大な繭の絡みつくベルサイユ宮殿など、美しいばかりでなくホラーらしい禍々しい演出も散りばめられている。
--ボスキャラクターは部位ごとにスプライト分けがされており、それぞれを別々に動かす多関節アニメーションで非常に滑らかに動く。
-シリーズ特有の質の高いBGM。
--今後の戦いの激しさを予感させるハイテンポな「Reincarnated Soul」、静かな美しさのある「The Sinking Old Sanctuary」などは評価が高い。
--知名度の問題か、クオリティの高さに反して他の作品で使用されることは少なかったが、『[[Circle of the Moon>悪魔城ドラキュラ Circle of the Moon]]』や『[[ドラキュラ伝説 ReBirth]]』などで上記の曲が使用されている。
--最終決戦で流れるのが「Theme of Simon」であるなど、『X68k版』や『[[SFC版>悪魔城ドラキュラ (SFC)]]』をオーバーラップさせるようなシリーズファン向けの演出も隠されている。
--ちなみに、シリーズを代表する作曲者である山根ミチル氏のシリーズ初参加タイトルである。

**短所
-ジョニーに比べてエリックが有利な部分が多い。
--それぞれにメリット・デメリットが設定されておりバランスを調整しようという工夫は感じられるのだが、エリックの攻撃方向の広さと射程の長さが活かせる場面が多く、クリア重視なら多くのプレイヤーがエリックを選択してしまう。
--性質上、フライングスケルトンやハルピュイアなど厄介な飛行敵に対して相性がとても良い。またステージボスも飛行していたり弱点が高いところにある敵が多い。
--更に問題となるのが上記の特殊移動で、ジョニーは鞭を引っかける場所がないとワイヤーアクションを使用できないのに対し、エリックはあらゆる場所でハイジャンプを使用することができる。
---特殊移動中は無敵状態であり、移動のみならず回避や攻撃にも利用できるため、ボス戦を含めた好きなタイミングで使用できることはかなりのアドバンテージである。
---更に上へ上へと昇っていくタイプのステージが多いため、エリックのほうがショートカットできる箇所が圧倒的に多い。
--とはいえプレイヤーの腕や好みでカバーできる範囲ではあり、エリックだけが一方的に有利というわけではない。
-BGMの評価が高い一方、SEの評価はあまり良くない。
--全体的に妙に高い音が設定されており、カラスの羽ばたきが''ビッビッビッビッ''というビープ音のような音、鞭を振るう音が軽いなど。
--中でも2面の石像や柱を叩き落したときの「びょ~ん」や、アーマー系の中ボスに攻撃がヒットしたときの「もへ~っ」は脱力すること必至。
--同時期の『[[XX>悪魔城ドラキュラXX]]』がSEに関しては出来が良かったため、比較されやすいのも一因と言える。
-前述の多関節アニメーションは斬新ではあるが、アーマーロードやギア・スチーマーなど一部のボスは滑らかさが転じてコミカルにも見える動きになっており、硬派な雰囲気にはそぐわないという声もある。
-おなじみの回復アイテムである肉は、とにかく数が少なく手に入りづらい。そのため、とにかくダメージを喰らわないようにする慎重なプレイが重要となる。
--また、配置バランスもかなり悪い。「1UPが2つも出てくるかと思えば一度も出てこないステージ」や、「2ブロック目でいきなり登場し、以降もう出てこないステージ」や、「ジョニーのみ進める分岐ルートでしか入手できないステージ」など、どういう意図で配置したのか思わず悩んでしまいたくなるステージも。


**余談
-謎の老婆ドロテア・ツェンテス。
--最終戦はドラキュラ第一形態→ドロテア→ドラキュラ第二形態と繋がる三連戦なのだが、ドロテアがドラキュラに変身したようにも見える演出となっており、プレイヤーを驚かせた。
--説明書にイラスト付きで掲載されている、魔物達を操る能力を持つ、ドラキュラやエリザベート・バートリー同様に実在の人物をモデルにしている、エリザベートの配下でありながらエリザベートより後に登場する……など意味深な点も多いため、様々な憶測を生んだ。
--「『[[ドラキュラ伝説II]]』のように、力の損耗により肉体を維持できなくなったドラキュラがドロテアの体を憑代としている」「全ての黒幕はドロテアで、エリザベートの集めた魂を我が物として変身した」など。
---''いずれも公式の見解ではない。''
--続編であるギャラリーオブラビリンスにおいてもドロテアの存在が言及されることはなく、未だに謎に包まれた存在である。

**総評
-ゲーム性、グラフィック、音楽といずれも高いレベルで完成されたアクションゲーム。
-シリーズでも独特の雰囲気を持つことから、普段と違ったドラキュラに触れたいユーザーにも推奨できる。
--また、この作品は「ベルモンド一族の未登場」「アルカードがこれまでのドラキュラの戦いに関与していた可能性」と言った、後の作品にも取り入れられた設定が追加された意欲作でもある。
-ハードの都合により埋もれた名作でもあり、バーチャルコンソールでの配信や移植版の発売が待たれるところである。
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