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ピノビィーの大冒険」を以下のとおり復元します。
*ピノビィーの大冒険
【ぴのびぃーのだいぼうけん】
|ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B000069U3Z)|
|対応機種|ゲームボーイアドバンス|~|
|メディア|64MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|ハドソン|~|
|開発元|アートゥーン|~|
|発売日|2001年3月21日|~|
|定価|4,800円(税抜)|~|
|分類|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|説明不足で理解困難なストーリー&br()無意味に豊富な探索要素&br()不快BGM|~|

**概要
ハドソンがGBA向けに発売したローンチソフト。つまり同社のGBAにおける趨勢を占う非常に重要な一本である。~
…にも関わらず、新世代機のスペックをほとんど活かしていない微妙な作品になってしまった。~

**ストーリー

 むかし むかし あるところに
 ハチのはかせが すんでいました
 はかせは へいわのため
 ただしいこころを もったロボット
 ピノビィーをつくっていました
 
 「よし あとは
 こころをいれれば かんせいじゃ」
 まさに ピノビィーのからだへ
 こころを いれようとしたとき
 おおきなくろいかげが
 おじいさんを さらっていきました
 
 それから どれだけたったでしょう
 「めをさましなさい ピノビィー!」
 ピノビィーは ゆっくり
 めをあけました
 ひかりのなかから ようせいさんが
 あらわれました
 
 「わるいやつらから おじいさんを
 たすけなさい」
 こころがない ピノビィーは
 つぶやきます
 
 「めんどくさい・・・・」

**システム
-オーソドックスなライフ制2Dアクション。主人公はハチ型ロボットの「ピノビィー」。
--ピノビィーには特にコレと言った武装はなく、行えるのは基本的にジャンプだけである。

-ジャンプ中にもう一度Aを押すと空中ダッシュ。最初は一回しか出来ないが、ストーリー進行上で妖精にパワーアップさせてもらったり、アイテム(後述)の効果でダッシュ可能回数が増える。
--ダッシュ中は敵に当たるとダメージを与えられる。これと踏みつけがピノビィーのメインの攻撃手段になる。

-ステージ中にはフラワーとカプセルという2種類のアイテムがある。
--フラワーは100個まで所持でき、時間経過で減っていく。なくなるとゲームオーバー。要するに制限時間の扱いである。アイテムの効果で所持数が増えることもある。
--カプセルの中身はランダムに決められており、ライフ、バリア(一回ダメージ無効)、無敵、フラワー(10~30個まとめて手に入る)、そしてアイテムが入っている。
---アイテムは、「ゆうき」「あい」「どりょく」の3系統存在し、それぞれに「スゴイ」「ツヨイ」「キツイ」「キレイ」の単語と1~4の数字が設定されており16種類×3系統がある。~
それぞれを種類ごと入手すると、なんらかの効果が現れる(例えば1のアイテムを全て集めるとダッシュ回数が増える、「スゴイ」を全て集めるとライフが増えるなど)。

**問題点
-ストーリーが理解不可能とかいうレベルではない。
--そもそもラスボスが誰なのかすら''不明''である。なぜおじいさんをさらったのか、何がやりたかったのか、そもそもコイツは誰なのか、ゲーム中では一切明かされない。
--一応モチーフはピノキオらしいが、それらしい登場人物は妖精ぐらいである。コオロギも登場するが、いきなり登場してガミガミと何か言って去って行くだけで、ヒントをくれたりするわけではない。それどころか、比喩表現ではなく''本当に台詞が「ガミガミ」しかない''のである。
---ピノキオらしい要素として、おじいさんが捕まっているのが巨大サメの中、というのはあるが…。
--全体的な構成もかなり陳腐な感じが拭えず、最終的に「こころを無事に入れてもらってめでたしめでたし」という終わり方である。せっかくピノキオを題材に取っているのに原作より盛り上がらない締め方は…((原作なら、ピノキオが命を賭しておじいさんを救ってその結果女神に人間にしてもらう…という山場のシーンである。))。
--ところどころブラックな要素はあるが、これも描写不足でありあまり目立たない。

-無意味に厄介な探索要素。
--ゴールにたどり着く以外にも、前述のアイテム収集、サブイベントクリア、金色の虫を倒すといった探索要素が用意されている。それ自体はむしろ評価点だが…。
---…しかしアイテムは最大所持数が''20個''と非常に少なく、「ゆうき」「あい」「どりょく」の1系統コンプ+4個ぐらいしか持ち歩けない。このため、自由度は非常に低い。自分の求めるスキルといらないスキルを区別して状況によって付け替えるようにしておけばよかったのだろうが、前述の通りカプセルの中身はランダムなので、自分の狙いのアイテムを獲得するのは非常に困難。終盤は過剰に重複する。
---サブイベントはクリアしてもそれ自体になにかしらメリットがあるわけではない。しかしこれをクリアしておかないと''バッドエンド直行''というか、場合によっては''中盤でゲーム終了''してしまうのでこれも必須クラス。
---金色の虫(敵)は全て倒しておかないと次のステージで敵が''凶暴化''する。場合によっては相当難易度が上がるのでできればこれもクリアしておいた方がいい。
--またこれ以上にステージの構造がかなり複雑で、背景もどこまで行っても似たようなものばかりなので既に通った場所なのかどうかも判別が困難。特に金色の虫コンプを目指すと、恐ろしく時間がかかる。

-ボスが非常に弱い。というか''ラスボス含めて3体''しかいない。
--最初の2体はまだ手こずる強さだが、ラスボスの弱さはおそらくアクションゲーム史上''最弱''に分類しても構わないレベル。
---ステージの流れはラスボスらしく2段構えなのだが、前半はボスのロボットの攻撃(''パンチと体当たりのみ'')をかわしつつステージ中に配置された4つの光る玉を回収して中央の機械にはめ込むだけ。そうするとピノビィーが光ってラスボスにダメージを与えられる。''一撃でもダメージを与えたら次段階へ移行''。ちなみにこの光る玉の正体などはゲーム中一切明かされない。
---後半戦、ロボットの中から巨大なハチが出現。''先制攻撃で体当たりだ!''…以上、ゲーム終了。一応コイツの攻撃を一発でも食らうとこちらも一撃で死ぬのだが、相手の隙が大きすぎるのでまともにやっていれば相手が動く前に終わる。

-ボリュームは全27ステージとあまり多くない。しかもこの中に前述の非常に弱いボスステージが3つ含まれる。
--一応一つ一つのステージは長めだが、どちらかというと広すぎてダレる。サブイベント目当てで再挑戦しているときなど苦痛の域。

-普通にやっていればフラワーは完全な供給過多になる。時間切れでアウトになることはまずない。
--集めても制限時間以外のメリットが皆無なので、カプセルの中からフラワーが出ると非常にガッカリする。

-BGMは全5曲程度。ステージごとにイメージを合わせているなどの工夫もなく、同じ曲を違うステージで延々聞かされる。
--しかも電子音バリバリのかなりチープな曲調。いくらGBAローンチとはいえ、少しはGBとの違いを見せて欲しいものだが…。

-主人公がハチである必然性はほぼない。ハチらしい装備があるわけでもなく、ハチミツなどを集めるわけでもない。
--強いて言うなら「ピノ(=ピノキオ)」「ビィー(Bee=ハチ)」という名前には意味があると言えなくもないが…。

**評価点
-本当に十字キー+ワンボタンで完結するアクション。この軽快さは特筆に値する。
--どこまで行っても十字キーとAボタン以外のアクションは一切必要ない。非常に手軽に空を飛び回れるゲームであることはすばらしい。
--また、ステージの構成も実はかなり練られており、''ダッシュ回数が初期状態でもクリアは可能''。当然、難易度は跳ね上がるが縛りプレイを好むプレイヤーにはうれしい要素。

-グラフィックレベルは高め。疑似3Dでヌルヌル動くキャラクターのグラフィックはGBAローンチでも上位に食い込む。
--ことあるごとにピノビィーの顔が巨大化する謎演出は不気味として評判が悪いが。

-アイテムを取得する度にピノビィーが喋ってくれる。音質は非常に悪いが、携帯機でボイスがあるのは当時としては斬新な要素だった。

**総評
なぜこの完成度でローンチに持ってきたのか理解に苦しむ一本。~
他のGBAローンチと比べても明らかに完成度で劣っており、「これ選んだ奴は負け組」とまで言われる始末。~
現在ならあえてこれをプレイする理由はほとんどないだろう。

**その後
-何を思ったかPS移植版も発売されている。内容は''ほぼ同じ''とのこと。

-続編、『ピノビィー&フィービィー』も存在する。システムは大幅に変更されているらしい。

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