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#contents() ---- *イース 【いーす】 |ジャンル|アクションRPG|&amazon(B000NMMP80)| |対応機種|PC-8801mkIISR以降、PC-9800VM/UV以降、&br;FM-7/77、FM77AV、MSX2、&br;X1、X68000k、&br;AppleII、IBM-PC|~| |発売・開発元|日本ファルコム|~| |発売日|【PC88】1987年6月21日|~| |定価|【PC88】7,800円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[イースシリーズリンク>イースシリーズ]]''| ---- ここでは、初出となるPC88版を基準に説明します。 ---- **概要 今でも系譜が途切れない、国産ARPGの金字塔的作品。~ 赤毛の冒険家、アドル・クリスティンの最初の冒険を描いたもの。~ キャッチコピーは「今、RPGは優しさの時代へ。」~ -この背景には、当時のRPG(およびAVGやSLG)は「クリアまでに時間がかかるゲームこそが(値段に対して)長く楽しめる良いゲーム」=「[[理不尽なぐらい難しい>デゼニランド]]方が良い」とされる風潮があり、これに風穴を開ける意味があった。 --もっとも当のファルコムも前年まで『[[ロマンシア]]』や『[[ザナドゥ シナリオ2>XANADU]]』といった最凶難度のゲームを連発していたため、「お前が言うな」との声も少なからずあった。しかしそうであったからこそ、自らその問題点を踏まえて打ち出した内容とも言えよう。 --後年の、ひたすらプレイ時間を引き伸ばそうとする[[MORPG>ファンタシースターオンライン]]や[[MMORPG>ファイナルファンタジーXI]]業界の隆盛を考えると皮肉ではある。まぁ買い切りゲームと月額制では商売の方法が異なるので、一概には比較できないが…。 ---なお2009年に『イースオンライン』(基本無料アイテム課金制)も存在したが1年半で終了している(台湾サーバーはその後も1年続いた)。 **システム -トップビューのARPG。 --魔法もなく攻撃は体当たりのみと、非常にシンプルなシステム。 --敵もボスを除けば、飛び道具などは使ってこない。 --敵に対して半キャラ分、左右どちらかにずらして攻撃すると、ノーダメージで相手を倒せる。「半キャラずらし」と呼ばれ、初期イースでの基本的な戦い方となった。 **評価点 -「優しい」、しかし「易しい」わけではない、誰でもクリアできる絶妙なゲームバランス。((この定義には様々な見解があるが、当時のRPG作品は非常に難解だったことが背景にあり、必ずしもRPG初心者や未経験者へ向けた言葉ではない。))どちらも物語中盤あたりでほとんどの場所で事実上無限に全回復できる装備品が手に入り、またボス戦以外でどこでもセーブ可能という、ある意味で大甘な設定にもかかわらず、バランスが維持されている点は驚嘆に値する。 --中盤以降のボスは攻撃パターンをおぼえなければクリアは難しい。いわゆる「死に覚え」で、現在の感覚からすればアクション的な難易度が高めではある。リメイク版の『イース・エターナル』では難易度を引き下げるパッチも用意された。~ それでも理不尽な死にかたをすることは少なく、冷静に考えれば倒しかたが見えてくる。これも「優しさ」の一種であろう。 --「体当たりで敵を攻撃」「半キャラずらし」等の単純で覚えやすい操作感覚。 --この時代、ファルコムの作品も含めRPGは「プレイヤーへの挑戦状」とでも言えるような相当な高難易度のものが主流であった。そこに「優しさ」の概念を持ち込んだのがイースであり、万人がクリアできる難易度におさえたことそのものが当時としては新鮮であった。 -良質なサウンド・ビジュアル。 --当時のPC界にゲーム音楽の地位を成立させた古代祐三氏によるハイクオリティなBGMの数々は今でも数々のアレンジが発表される程完成度が高い。 --フィールド曲「FIRST STEP TOWARDS WARS」など、ついついコントローラー(キーボード)を置いて、聴きいってしまう曲がたくさんある。 **問題点 -I単体ではボリューム不足に感じられる。慣れれば5~6時間でクリアできる。 --元々当初は後述の「II」とひとつながりにした形で制作されていたのが、容量の問題(価格面からフロッピー3枚以上にすることが許されない時代だった)から分割を余儀なくされたとのこと。~ ところが「I」の範疇となった廃坑までの範囲でディスク1枚に収まり、2枚目のあてがない状態となり急遽作られたのが「ダームの塔」だったという。~ このため、残りのボス2体も「ダームの塔」に押し込められた形となっている。 ---厳密にはダームの塔は[[設定としてはもともと存在していたが、この事情で大きく拡充された>http://www.highriskrevolution.com/gamelife/index.php?e=505]]らしい。 ---この結果「I」としてのエンディングは「とりあえず作っておけ」的なものとなっていたようで、音楽に対する評価が非常に高かったにも関わらずPCEへの移植時にはオミットされることになった。 --いくつか伏線となる要素は存在しており、「II」で回収されている。ただしその中の1つといえる「銀のハーモニカ」については「II」で登場したときと整合性が取れていない(後述)。 //--もっとも、当時はゲームのボリュームを難易度の高さで補っていた点((テープ媒体からフロッピーへ移行が終わった時期でもあり媒体容量との関連性もある。))があり、同時期の作品に比べ極端にボリュームがないわけではない。((フロッピーのデータ枚数を考慮するなら、まだ1枚でゲームが収まっていた他ゲームと異なり、2枚使用していることからボリュームは大きい方である。また、蛇足となるがセーブ用も含めるなら更に1枚必要。)) //『ザナドゥ』シリーズや『夢幻の心臓』シリーズなど、『イース』よりボリュームが多いゲームは以前にもあった。『I』がボリューム不足な点は否めない。さらにフロッピーへの移行は、この頃ほとんど終わっている。また同時期、フロッピー2枚構成のゲームもかなりあった。 // http://www.highriskrevolution.com/gamelife/index.php?e=11 によると、IIの範囲まで入れると3枚以上は確実、Iの範囲(ダームの塔抜き)だと1枚に収まってしまうレベルだったとのこと -レベルが中盤で上がりきってしまうため、以降は成長の要素はなく、アクションの技術が必要になる。 --そのため、アクションが苦手な人でもレベルさえ上げればクリアできる、というものではない。 -正面からしか住人に話しかけられない。 --話しかけようとすると突然方向転換したりするので、ゲーム的には不便。さらに動きも早い。 ---だが、現実であれば「見ず知らずの他人に背後から話しかけるのは失礼」なので、リアル感はある。 --『II』から、またリメイク作品では改善されている。 -すでに持っている装備と同じものも買えるが、所持品として増えたりはしないので、お金のムダづかいでしかない。 --リメイク版では、「もう持っています」「気持ちは嬉しいがまだ使えるよ」と言われるようになり、買えないよう改善された。 -最初の町である人物に依頼される「銀のハーモニカ探し」は''実は必須イベントではない''。~ 更にオリジナルの「I」では吹いていた曲が「太陽の神殿」の物であり、「II」最終盤で「Feena」を吹いていた点と整合していない。 --[[PCEへの移植時にはこの点が変更され>http://www.highriskrevolution.com/gamelife/index.php?e=22]]、銀のハーモニカを探すのが必須となり受け取ったレアが「Feena」を吹くという形になったことで、「II」最終盤で「Feena」を吹いた点の整合性が取られている。 -やけに短いラストバトルBGM「Final battle」 --オリジナルでは1フレーズしか存在しなかった。FM77AV版のみ後半フレーズが追加されている。 -MSX2版は画面のスクロールがかなり遅い。(特に地上フィールド)『II』ではそれなりに改善されている。 **総評 あらゆる要素がその後のゲーム業界に変革をもたらし、PC用あるいは家庭用を問わず、さまざまなハードに移植され、今日にいたるまで愛されつづけているタイトル。とくにストーリーについては、昨今のストーリー重視系RPGの先駆けになったことを特筆すべきであろう。~ 国産RPGとしては、もっとも多くのハードで発売されている作品であることは間違いない。 なお、本作を現在プレイするなら、「イース移植の最高傑作」と評されるPCエンジン版を、VC(Wii)もしくはPCEA(PS3/PSP)でダウンロードするか、ファルコム自社移植で追加要素も豊富なPSP版をおすすめしたい。~ ---- *イースII 【いーすつー】 |ジャンル|アクションRPG|&amazon(B000NMMP80)|&amazon(B002WQHLM0)| |対応機種|PC-8801mkIISR以降、PC-9800VM/UV以降、&br;FM77AV、MSX2、X1turbo|~|~| |発売日|【PC88】1988年4月22日|~|~| |定価|【PC88】7,800円|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| **概要(II) -『I』の倍近くのボリュームを誇る続編。『I』のエンディングがそのままオープニングに繋がり、実質的に『I』『II』で一つの物語を成している。 -キャッチコピーは「優しさから、感動へ。」 **特徴(II) -基本システムは『I』と同様だが、魔法を使えるようになった。ただし、種類はそれほど多くはない。さらにファイアーの魔法を除くと、ほとんどが一部での使用となる。 //--遠隔攻撃の導入。アクション部分の難易度は低下した。 **評価点(II) -壮大になったOPデモ。 --それまでのファルコム作品は、OPは表示の仕方を工夫しているとはいえ、一枚絵のみというものがほとんど。しかし本作では、アニメを積極的に取り入れ、動きのあるOPとなっている。さらにプロローグのシーンまである。 --『II』のオープニングでヒロイン「リリア」がふりむくシーンは話題となり、その後のメディアミックスと合わせて「ギャルゲーの元祖」ともいわれることがある。((それ以前にも「夢幻戦士ヴァリス」の優子や「ザース」のミリカ、「デストラップ2WILL」のアイシャ、「セイバー」のオフェーリアなど話題になったPCゲームヒロインは先例にことかかない(ただしミリカに関しては「助けを求める村人A」でしかなく、プロローグのみにしか登場しない、いわゆるオープニング詐欺(サムネホイホイ)の一種である)。)) -ボリュームが大幅増加。 --前作ではボリューム面にものたりない点があったが、本作はそれが倍以上となっている。 --ただし、元々ひとつながりで作る予定だったものを分割しているという事情があるため、それを考慮した場合「I」のボリュームが少ないと言ったほうが正しい。 -難易度の低下。 --前作ではレベル上限に達するのが早いうえ、ボスもなかなか手ごわく、アクションゲーム的なテクニックが必要だった。しかし、本作のボスは前作ほどの強さはない。 --後述するが、ファイアーの魔法が強いことも低難易度化に大きく影響している。 -筋の通ったストーリー。 --『I』から張り巡らされた伏線をひもといていく『II』のエンディングは今でも語り継がれる名シーンであり、キャッチコピーに恥じないものとなっている。 --ただし「もともとひとつのゲームだったものを、容量や製作期間の都合で分割した」という事情があるため、「I」の不振により「II」が世に出ることがなく伏線が一切明かされない可能性も存在していた。 --イベントシーンも豊富に。動きのあるデモを伴ったものになっており、演出面が強化されている。 -良質なサウンド・ビジュアル。 --古代祐三氏の作曲によるBGMのすばらしさは本作でも健在。村の曲「TOO FULL WITH LOVE」等も名曲。 **問題点(II) -ファイアー(魔法)の異常な強さ。 --直接攻撃と同等の威力を持つ火の玉を発射。雑魚敵なら例外なく有効な上、壁に当たるまで複数の敵を巻き込み、さらに押し返しつつ多段ヒットするので制圧力も抜群。しかも連射でき、消費MPも10発で1ポイントと非常に少ない。 --その上アイテムによって消費MPが半減したり、ホーミング効果も付与される。このため、成長してMPがじゅうぶん増えると、ザコ敵相手に打撃戦闘はまずしなくなる。ゲーム性が少々単調に。 --ただし、終盤のボスは打撃でないと倒せないので、上記のようなことにはならない。 -最高レベルでないとラスボスに勝つのは非常に困難なため、経験値稼ぎを怠ると終盤に作業としての経験値稼ぎを強いられることになる。((キーを何かで押さえた状態を維持すれば、席を立ってもMAXまで稼げるので、さほど苦ではない…といいたいが、MP切れには注意)) --とくに終盤近くはザコ敵との戦闘が楽勝になり、レベル上昇によって取得経験値が減少するシステム((Iからあったとされがちだが実際には元々のIには存在せず、PCエンジンへの移植にあたって両作をひとつながりにするためにバランス調整のためIにも用意したのが真相である))であることも軽視され、ストーリーにグイグイ引き込まれることもあり、経験値稼ぎを怠りやすい。 // http://www.highriskrevolution.com/gamelife/index.php?e=29 ---ちなみに、[[最初の町のある場所に発生する敵無限湧きポイントがゲーム終盤になると使えなくなる案がオリジナルの時点で存在していた>http://www.highriskrevolution.com/gamelife/index.php?e=47]]。~ もし使えなくなっていたら経験値稼ぎの問題はさらに深刻になっていただろう。 **総評(II) 前作と合わせて一作ともいわれている本作だが、ゲームとしては前作で不十分だった部分が補われ、より完成度を増した。見栄えのするOPデモ、大幅に増えたボリューム、演出強化されたイベントシーン、弱体化したボスなどなど。ただ、強すぎるファイアーの魔法はゲームとしての面白味を削ぐもので、この点だけは残念。~ 名作と謳われた『I』の正常進化といっていいゲームだ。 ---- ---- **余談 -移植がとにかく多い。 --とくにWinにはエターナル→完全版(セット)→同バラ売り→同Vista対応版→PSP版逆移植…と何種類に渡って発売された。 --エターナル版から((正確にはSFC版イースV エキスパートから。))優しさを振り払い、高難易度路線を模索している。((エターナル版は後にVEと称した難易度の引き下げを施した商品も発売されたほど。現在ではレベル設定が追加され、難易度が選択可能になっている。)) --完全版は、エターナルからたった1年でPC版が再び発売されたということや、「もうほとんど特典の値段! ソフトはただのおまけ……?」という迷キャッチコピーもあいまって、揶揄されまくった。 --X68000版はシナリオが変更されているだけでなく、顔が妙にリアルな怪移植となっている。 --発売リスト(国内のみ、()内は日本ファルコム以外の発売元) ---国産パソコン&br;PC-8801 mkIISR以降、PC-9801 VM/UV以降、X1<Iのみ>、X1Turbo<IIのみ>、FM-7/77<Iのみ>、FM77AV、MSX2(Iはソニーより発売)、X68000(電波新聞社)<Iのみ> ---Windows&br;エターナル、エターナルVE(デジキューブ)<Iのみ>、完全版((セット版の後に単体版を発売。))、I VE(メディアカイト)、I&IIクロニクルズ((PSP逆移植版。)) ---コンシューマー(単体)&br;ファミリーコンピュータ(ビクター音楽産業)、セガ・マークIII/マスターシステム(セガ・エンタープライゼス)<Iのみ>、セガサターン(日本ビクター)((『ファルコムクラシックス』『同II』にI・IIそれぞれ収録。))、ニンテンドーDS(インターチャネル・ホロン) ---コンシューマー(I・IIカップリング)&br;[[PCエンジン CD-ROM2>イースI・II]](ハドソン)、[[プレイステーション2>イースI・II エターナルストーリー]](デジキューブ)、プレイステーション・ポータブル ---配信&br;VC…PCE、PCEA…PCE、ProjectEGG…イース大全集((PC88版のI・II・IIIとスーパーファミコンのIV・Vオリジナル版を収録。元々はWin『イースVI』の初回特典。))・PC88・PC98・MSX2・FM77AV、その他各種携帯アプリ -2作への分割などの様々な事情については、PCE版に携わった岩崎啓眞氏が制作当時を振り返ってブログに記述している。~ 「II」完成後にファルコムを退社したオリジナルスタッフも直接的に関与している作品であることもあり、オリジナルスタッフから聞いた話を公開している点も含めて非常に貴重な情報源である。~ http://www.highriskrevolution.com/gamelife/index.php?c=4- --中には[[当時ハドソン内での存在意義が謎レベルだった人の人生を変えたレベルのエピソード>http://www.highriskrevolution.com/gamelife/index.php?e=41]]も存在する。 -「II」のサルモン神殿入口はコピープロテクトが絡むメッセージが存在しており、[[PCEへの移植時にメッセージの存在意義がわからず右往左往する場面もあった>http://www.highriskrevolution.com/gamelife/index.php?e=41]]。 -リリアのイメージガールを募集する「ミスリリアコンテスト」なるものまで開催された。 --ちなみに同時期の「ヴァリス」においても同様の企画「ミス優子コンテスト」なるものが開催されていた。