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*ゼルドナーシルト
【ぜるどなーしると】
|ジャンル|【SS】シミュレーションRPG&br()【PS】リコエイションゲーム|&amazon(B000062V6V)|
|対応機種|セガサターン&br()プレイステーション|~|
|開発元|光栄|~|
|発売元|【SS】セガ・エンタープライゼス&br()【PS】光栄|~|
|発売日|【SS】1997年9月25日&br()【PS】1998年3月19日(通常版)&br()【PS】1999年8月3日(KOEI The Best)&br()【PS】2002年2月7日(コーエー定番シリーズ)|~|
|定価|7,140円(通常版)&br()2,800円(KOEI The Best)&br()1,500円(コーエー定番シリーズ)|~|

**概要
光栄(現・コーエーテクモゲームス)が開発したシミュレーションRPG。発売はサターン版がセガで、PS版が光栄となっている。このため、PS版はリコエイションゲームに分類されており、タイトルも『ゼルドナーシルト Special』となっている(大まかな点は同じ)。

主人公は敵対する6国から傭兵として様々な依頼を受け、大陸をある1国が統一できるように導いていくというのが、大まかな流れ。ゲーム開始時、主人公はティーグル傭兵団の中隊長として戦っているが、傭兵団長の死により傭兵団を引き継ぐ。主人公は、傭兵団長として、国や教団からの依頼を請け、名声を上げて行き、最終的には特定の国の騎士にまでなることも出来る。ただし、特定の国に仕えず、傭兵団のままエンディングを迎えることも可能。なお、複数の国の依頼を請け続けたり、一般人に対して非道な行いをする依頼を請けたりすると隠しパラメータのカルマが溜まっていき(相当高くなってしまうと、教会の神父や仲間達に警告される)、なお改めずにいくと物語途中でバッドエンドになってしまう。

**特徴
-主人公は傭兵隊長。
--確かに『太閤立志伝』や『ランペルール』のように部下の視点からプレイするものもあったが、これらと違い、君主としてプレイすることは全くない。傭兵隊長の立場から世界をどう動かすのかがポイント。

-1月を1ターンとして都市間の移動、仕事の依頼、戦闘などを行う。その月が始まると滞在する都市を決めるところから始まる。
--都市を決定すると、都市の施設を利用できる。ここで武器の購入や必殺技・魔法の習得などの準備をおこないつつ、ギルドでその月に挑戦する作戦を選択する。その上で、ギルドにいくと戦術画面に移行する。
--戦場場面はスクエア型のマップで構成されている。行動は1~3個小隊からなる中隊単位であり、中隊が接触して攻撃を始めると集団戦闘が始まる。

-集団戦闘は一種のリアルタイムバトル。前進・後退などの大まかな指示を出し、小隊同士が接触すると自動的に攻撃がおこなわれる。
--指示にはコマンドポイント(CP)と呼ばれるポイントを消費する。CPは戦闘終了まで上昇し続ける。コマンドポイントが足りなければ指示を出すことはできない。
--出せる指示は、小隊の前進と後退、防御(その場待機)、隊列の交代、魔法や弓攻撃の指示である。移動に関する指示に必要なCPは少ないが、強力な魔法ともなると多くのCPを消費する。
--部隊の撃破条件は中隊長を倒すこと。他の小隊が健在でも中隊長がやられると中隊は壊滅する。ただし、中隊長を倒すには中隊長直属の兵を全滅させなければならない。

-各キャラには騎兵・歩兵・槍兵・弓兵・神聖兵・暗黒兵に兵科が振り分けられている。騎兵・歩兵・槍兵には騎兵>歩兵>槍兵>騎兵という相性関係があり、弓兵・神聖兵・暗黒兵には先のような相性とは別の特徴があるため、「最強の兵科」は存在しない。なお、騎兵・歩兵・槍兵・弓兵はギルドで雇用して戦場に入る前に補充する必要があるのに対して、神聖兵・暗黒兵は戦場魔法で召喚するようになっている。
--弓兵は直接攻撃はできないが、CPを消費して弓攻撃の指示ができる。効果は地味だが、連発するとジワジワ利いてくる。また、兵は全滅しているのに小・中隊長のみ残っている場合には小隊長を狙い撃ちすることも可能。
--神聖兵はゴーレム。耐久力・攻撃力はずば抜けているが、好相性の敵がおらず、また魔法には極端に弱い。
--暗黒兵はアンデッド。魔法に強く、神聖兵以外の敵に好相性なのだが、基本的なステータスが高くないので、殴り合いには案外弱い。

-ある状況ではコマンド式の一騎打ちが起きる。
--実はコマンド式の一騎打ちは光栄の作品としては本作がはじめてであり、『三國志シリーズ』よりも早い。
---負けると即ゲームオーバーになる場合がほとんどなので、事前のセーブ推奨。攻撃力などは普通のRPGと同じく装備品で補強できる。

**評価点
-導入は丁寧。
--最初は傭兵隊の中隊長。この時期はチュートリアル的で、戦闘の基本や時間の流れを理解できるようにしている。主人公が傭兵隊長になってからも主要キャラが出揃うまでのミッションはほぼ固定だが、これも事実上「自由な行動が取れるようになってからのチュートリアル」となっている。そのため、どうしていいかわからないということにはなりにくい。
--光栄は以前にも『ロイヤルブラッド』のようにファンタジー世界を舞台にしたシミュレーション作品を手がけてきたが、それと比べてもかなり異色なことも丁寧な導入としたのだろう。

-ミッションの種類は豊富かつなかなか手強い。
--ある特定の部隊を撃滅する・敵軍の退却を阻止する・味方を護衛するなど、敵を撃滅すればいいという単純なものではないものも多い。
--大抵、敵のほうが部隊が多く、強力な魔法は使用回数が限られている。だからゴリ押しプレイは不可能。迎撃地点の設定・部隊配置と編制・戦闘指揮などをいろいろ考慮しないと消耗戦に陥った挙句に押し切られる。

-個性的なキャラクター。
--主人公属するティーグル傭兵団のキャラクターやライバル的な傭兵団はもちろん、固有イベントの無い他の傭兵団にもゲーム内で人物についての詳細な解説文さえ用意されている。
--戦闘・イベントに全く関係のない酒場の歌姫にすらちゃんとした解説文がついている。しかも彼女たちにプレゼントをすることによって、通常では手に入らない特殊アイテムを手にすることが出来ると、いたれりつくせり。

-視点が独特。
--あくまで主人公は傭兵隊長or一騎士団の長にすぎない。だから、各国の外交関係・国内事情に関与する機会は非常に少ない。そんな限定的な状況の中でどう立ち回るかがグッドエンディングへのカギとなる。

**問題点・賛否両論点
-ゲームバランスは荒削り。
--魔法が全般的に強く、特に攻撃魔法は非常に強力。そのため、使うタイミング、魔法の種類によっては中隊長以外の兵士が即全滅してしまうということがよくある。
---もちろん、これは敵味方同様である。また、MPもあるので何も考えずに魔法を連発すると肝心なときにMP切れなんてことも。また、強力な魔法は消費するCPも多いので、タイミングを考慮しないと「攻撃魔法→大打撃を与えるも全滅せず。CP不足で有効な指示が出せない→相手も攻撃魔法→こちらも大損害」なんて流れになる。
---「ここぞというときに強烈な一撃をお見舞いする」鉄則を守り、魔法発動のタイミングを見極めることが本作のキモの一つである。
--一騎打ちでは「回避」をガン上げする装備をつけて、敵が必殺技を使えるようになるまではコマンド「回避」を選び、攻撃ターンにはこちらが必殺技を使えるようになるまで「気合((必殺技を使うためのポイントを溜めるコマンド。))」を選べばまず負けない。
--一国に加担しつつ、戦闘に勝ち続ければ最弱国でもあっさり大陸統一に導ける。『信長の野望シリーズ』の定番、伊東・姉小路プレイのようなマゾい展開になることはない。

-騎士団長時代が単調。
--というのも、ミッションがほぼ固定されているため。例外はエンディングに関わる4回目の作戦と最終戦くらい。

-キャラクターの個性が生かしきれていない。
--解説文は敵味方ともに非常に詳細だが、それがあまりイベントや戦闘に反映されておらず、メインキャラ以外は完全にモブ状態。
--ただし、ストーリー上重要なキャラはそうでもないので、全員が全員空気というわけではない。とはいえ、同社の『[[Zill O'll]]』がやはり多人数の架空キャラが登場するにもかかわらずキャラクター造詣が深いことに比すると物足りない。

-グラフィックが非常に荒い。宿やギルド等で一応イベントが起きるのだが、ポリゴンの荒さとモーションのせいで操り人形のようになっている。戦闘中のドット絵の方がマシな位である。モーションの種類も少なく、キャラの動きは単調。

//特定の国に騎士として仕えた後に国ごとのイベントがあるが、一口にハッピーエンドと言えない結果になる国が殆どである。
//↑グッドエンドはそうでもないと思うので、COにしました。

**総評
戦闘バランス等は荒削りだが、攻撃魔法禁止や、補助魔法禁止等の縛りプレイで意外と長く遊べたりするゲームである。ゲームバランスとしょぼい3Dグラフィックなどから手放しで名作とは言い難いが、いろいろと練られているところも案外多い佳作である。中古価格もそれほど高くはないので、見つけたらプレイしてみるのも一興である。

*余談

プレイステーション2発売後、しばらく続編の予定があったようで、雑誌の予定表にも長らくその名前が載っていた。が、いつの間にか消えていた…。
せめてゲームアーカイブスで配信されないものだろうか?

復元してよろしいですか?