「スーパーロボット大戦A」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
スーパーロボット大戦A」を以下のとおり復元します。
本項目ではゲームボーイアドバンスソフト『スーパーロボット大戦A』と、そのリメイク作である『同・PORTABLE』の紹介をしています。
|>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズリンク>スーパーロボット大戦シリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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*スーパーロボット大戦A
【すーぱーろぼっとたいせんえー】
|ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B00005QF5S)|
|対応機種|ゲームボーイアドバンス|~|
|メディア|64MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|バンプレスト|~|
|開発元|エーアイ|~|
|発売日|2001年9月21日|~|
|価格|5,800円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|

**概要
GBA初のスーパーロボット大戦。タイトルの「A」は「ゲームボーイ『アドバンス』(Advance)」の他に、ストーリー上のキーワードである「Another」という意味が含まれている。

#region(参戦作品一覧)
|BGCOLOR(#eeeeee):COLOR(red){''初参戦''}|機甲戦記ドラグナー|
|~|機動戦艦ナデシコ|
|BGCOLOR(#eeeeee):COLOR(green){''携帯機初参戦''}|超電磁マシーン ボルテスV|
|BGCOLOR(#eeeeee):COLOR(blue){''参戦済み''}|真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日|
|~|マジンガーZ|
|~|グレートマジンガー|
|~|UFOロボ グレンダイザー|
|~|ゲッターロボ|
|~|ゲッターロボG|
|~|真・ゲッターロボ(原作漫画版)|
|~|機動戦士ガンダム(TV版)|
|~|MSV(機体のみ)|
|~|機動戦士ガンダム 第08MS小隊|
|~|機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY|
|~|機動戦士Ζガンダム|
|~|機動戦士ガンダムΖΖ|
|~|機動戦士ガンダム 逆襲のシャア|
|~|機動武闘伝Gガンダム|
|~|新機動戦記ガンダムW Endless Waltz|
|~|超電磁ロボ コン・バトラーV|
|~|闘将ダイモス|
|~|無敵鋼人ダイターン3|
|~|無敵超人ザンボット3|
#endregion

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**特徴
-新規参戦作品はどちらもリアル系に属する『機甲戦記ドラグナー』と『機動戦艦ナデシコ』。『ナデシコ』は恋愛描写の多い作風であり、参戦には賛否両論あった。
--その他の登場作品は70~80年代に放映されたものを中心に、『スパロボ』ではお馴染みの面子が揃っている。後の携帯機作品では新規参戦作品(特に90~00年代の作品)が中心となるようシフトしていったため、1作目ながら全体から見ると異色。
--著作権表示はジーベック・創通・サンライズ・ダイナミック企画・東映の4つで、同時期の作品に比べ少ない。
-主人公は男主人公「アクセル・アルマー」と女主人公「ラミア・ラヴレス」のどちらか一人を選択。
--主人公機は全部で5機(どちらの主人公でも選べる機体が3機、各主人公の専用機が1機ずつ)あり、そのうち1つを選択する。選んだ機体がスーパー系かリアル系かによって序盤のステージが変化する。スーパー系の場合、主人公がアクセルかラミアかでも変化する。本作では主人公機の後継機が存在しないため、最初に選んだ機体で最後まで戦い抜くことになる。その分いずれの機体もスペックが高め。
--ちなみに主人公機の最強武器にはLV制限が設けられており、LV20にならないと使えない。
-全体的な見た目は旧シリーズと同じ2Dだが、システムは「援護」「合体攻撃」「技能ポイント」など『COMPACT2』『64』『α』の要素を集めた形で、かなり近代的なスパロボとなっている。
-本作独自のシステムが、「信頼補正」と「援護」(サポート)の両システムを関連させた「信頼度」。
--隣接したキャラ同士の信頼度によって、命中率・回避率が高くなったり、援護可能回数が増えたりする。信頼度は援護を行うことで上昇する。このため、どのキャラもはじめから最低1回は援護を使うことが可能。
-特殊技能として「カウンター」が新登場。相手に攻撃された時に発動すれば、相手の攻撃前に反撃できる。本作ではカウンターできれば攻撃が必ずクリティカルヒットとなる。技能レベルによって発動確率が高くなる。
-周回プレイの引継ぎはまだ未実装だったが、本作では周回ごとに獲得資金増加や全機体の改造が15段階まで可能になり、全機体の強化パーツスロットが4つになるなどといった特典が得られる。 
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**評価点
***軽快さ
-プレイヤー有利の爽快なゲームバランス
--味方に強力な機体が多く、敵もそれほど強くないためサクサク進めることが可能。「携帯機ならではのお手軽さ」を優先した形か。
--精神コマンド「熱血」によるダメージ倍率が「1.5倍」に下方修正されているが、豊富な援護回数や多彩な合体攻撃による大ダメージなどは魅力的。数多い補正を駆使して陣形を組めば、リアル系機体は格段に強くなる。
---特に援護攻撃・防御については特殊技能を必要とせず、友好度等による回数差があるが、だれでも使用できた。
--「奇跡」「復活」など強力な精神コマンドもまだ健在。本作からの精神コマンドとして、MAP兵器以外の武器が移動後に使えるようになる「突撃」、次の戦闘で得る経験値が2倍になる「努力」を指定したユニットに掛けられる「応援」がある。

***戦闘アニメ
-容量の都合からボイスはないが、それ故にテンポは良い。ROMカートリッジという事もあってロードもスムーズ。
-戦闘アニメも工夫されており、『新』のように止め絵やカットインが随所に使われている((例えばスーパーガンダムのビームライフルの場合、「手に持っているロングライフルをしまい、ビームライフルを持って撃つ」という演出を止め絵で演出している。))。流石に当時の据え置き作品には及ばないが、少なくとも『F』よりは遥かに出来が良い。

***ストーリー
-「『スパロボ』のツボ」を抑えたストーリー
--基本的にどの参戦作品も原作再現が行われている一方で、会話シーンでは作品間を越えた各キャラクター同士の交流や友情が絶妙に描かれているなど、『スパロボ』ならではの展開を味わえる。裏を返せば、旧シリーズはそれがなかなか出来ていなかったのだ。
--各ステージのサブタイトルも、主題歌の歌詞などが効果的に使われている。主人公の性別によってサブタイトルが変わる演出も好評だった。
---基本的に主人公がアクセルの場合は日本語表記、ラミアの場合は英語表記((例えば『ガンダムΖΖ』がメインとなるとあるステージのサブタイトルはアクセルが「静寂の声」(同作の主題歌のタイトルの和訳)、ラミアが「サイレント・ヴォイス」(その主題歌のタイトルそのまま)。))。一部シナリオでは、アクセルのタイトルとラミアのタイトルが繋がって一つのタイトルになるケースがある((例としてはアクセルの場合が「我が心、明鏡止水」、ラミアの場合が「されどこの掌は烈火の如く」というステージ。つなげると『機動武闘伝Gガンダム』の明鏡止水発動時にかかるBGMのタイトルとなる。))。
--新規参戦の『ドラグナー』と『ナデシコ』は軽いノリを特徴とした作品。本作の会話中でもそれは発揮され、他のキャラクターがそのノリに巻き込まれる場面も多い。一方でシリアスで熱い場面はきちんと抑えており、硬軟織り交ぜた本作を象徴するような作品と言える。
--二人の主人公も、個性的なキャラ付けやそれまでの作品とは異にする背景から、バンプレストオリジナルキャラの中でも高い人気を得ている。
---正体不明の人物として現れる主人公だが、アクセルは記憶喪失であることを気にしないひょうきんな楽天家、ラミアはミステリアスながら語尾が上手く扱えないとどこか抜けた一面が目立つ。しかし……。

#region(ネタバレ注意)
その正体は本作の黒幕と言えるオリジナル組織「シャドウミラー」の忠実な構成員。ロンド・ベル隊の前に現れたのもシャドウミラーの野望を実現するためであり、本来は紛うことなき敵側の人物。すなわち、シャドウミラーからロンド・ベルに送り込まれたスパイである。~
一度は与えられた任務を果たしシャドウミラーに帰還しようとするが、それまでの仲間達との交流から葛藤を起こし、最終的にシャドウミラーを裏切りロンド・ベル隊に復帰、シャドウミラーの野望を阻止すべく共に立ち向かうことになる。~
正体が明かされるまでのギャグ要素の強い性格と、シリアスに立ち返ってから再びロンド・ベル隊に戻るまでの対比描写も本作が高い人気を誇る理由であろう。~
敵組織「シャドウミラー」についても、それまでの敵組織とは異なる思想や立ち位置を持っている。~
なお、選ばなかったほうの主人公はシャドウミラーの冷酷な構成員という本来の立場で、最後まで敵として登場する。
//「Another」はアナザーワールド(並行世界)という意味だけでなく、「主人公のもう一つの可能性」を描いたということを意味していると思われる。
#endregion

-スーパー系などの70年代の参戦作品からも、旧シリーズにも登場しなかった多くのキャラクター・機体が登場している。
--その代表格が従来の作品では今一つな感の否めなかった初代『ガンダム』。アムロの最初の乗機はガンダムで、BGMは「哀・戦士」。武装もビームジャベリンやスーパーナパーム((TV版の2話で一回だけ使われた武装。しかも戦闘ではなく、破壊された連邦軍MSの残骸を処分する際に使われただけ。))を持ち、Gファイターとの合体形態やフルアーマー装備など多彩なバリエーションを持つ機体となっており、後述するV-UPユニットとの相性の良さもあって「歴代『スパロボ』でも最強のガンダム」とされているほど高性能になっている。
---序盤ではセイラが仲間として使えたり、久々に敵として仮面を被ったシャアがララァを伴って登場。BGMはなんと「シャアが来る」((ちなみにある隠し機体に「彼」を乗せれば、味方でもこのBGMを聞くことができる。))。さらにランバ・ラルや黒い三連星も登場。少しアレンジされたあの名台詞や、ジェットストリームアタックも再現されている。終盤にはザクレロが仲間に加わる。

-GBAの音源に合わせた版権曲のアレンジは良質。オリジナル曲もタイトルBGM、両主人公の戦闘曲、シャドウミラーとの戦闘曲をはじめ名曲揃い。
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**問題点
***過渡期故の粗
-システムの粗
--戦闘アニメが飛ばせず、また敵フェイズ中のセーブも不可。どちらも次回作で改善された。
--一部パイロットの顔グラフィックが『Fシリーズ』から流用されている。これは『[[D>スーパーロボット大戦D]]』まで続いた。
--「援護に使用される武器」及び「援護に参加する機体」は、''特定の法則に倣って自動で決まる''((選択される武器は敵のHPで、参加する機体は信頼度によって決まる。))ためプレイヤーが任意に決められない。特にグレートマジンガーは残弾が1しかない最強武器の「グレートブースター」を使ってしまうため、うかつに援護させることができない。
---援護する側・される側の移動タイプに関係なく地形を合わせなければならない、攻撃対象の特殊能力を考慮しない、といった細かい使いにくさも存在する。後発作品や後述するリメイク版ではいつも通りの仕様に修正された。
--武器が個別改造制、能力値に「防御」が採用されていない、命中率が「命中値+運動性」で決まる・・・などの旧来の仕様のままのせいで、リアル系が強力。後半に行けば行くほど、その傾向が強くなる。
-シールド防御が新しいシステムに変更されたが、謎仕様で本作のみの採用となった。
--従来のシールド防御は「一定確率でダメージを半減する」という仕様だったが、本作のシールド防御は「シールドにもHPが設定されており、被弾時に強制的に発動、シールドHPがなくなるまでダメージを肩代わりする」という仕様となっている。
--ちなみに改造費はHPよりシールドの方が遥かに安い。要は''「格安で強化できるHP」''であり、例えばRX-78-2の場合、HPとシールドをフル改造すると''合計HP12000''と下手なスーパー系を軽く超えるHPを持ってしまう事になる。
---ただし、シールドの被ダメージ計算では装甲の初期値を参照するので、装甲を強化した場合、シールドの耐久上昇はHPを同じ段階上げた時よりもひ弱になってしまうことと、シールドのHPを回復するには「修理」ではなく「補給」をしないといけないのが難点と言えば難点。装甲を最優先で強化する人は少ないだろうが…。
---シールドを回復してもHPは回復しないことを利用して、ユニットのHPを極限まで減らしたうえでシールドを回復するなどして、''安全に「底力」を発動させる''というテクニックも。
--当然これは敵側にも同じ事が言える。柔らかいはずのガンダム系雑魚は、シールドを持つせいでスーパー系雑魚よりも遥かにタフで硬い。
-「技能ポイント」「信頼度」など、レベルとは別にプレイヤーの行動で成長させるシステムがあるが、このシステムは長期に渡って同じパイロットを運用しないと活用し辛い。
--不評だったためか、どちらもリメイクの『Aポータブル』では後発作品の一般的なシステムに変更された。
-「W-UPユニット」という、パーツスロットが多い機体につけるほど効果が大きくなる強化パーツ「V-UPユニット」の強化版が存在する((ただし序盤で出現するライバル機を撃墜しないと入手できない。しかも撤退条件が「HP70%以下」と厳しくなっている。))。
--特に(3人乗りの)ゲッターロボは本作ではパーツスロットがパッと見では1つだが、各形態で1つずつ装備でき、かつパーツの効果が各形態で共通であるため、実質3つ装備できるのと同じである。2周目以降は4×3ということになり…。
//--1週目でもRX-78-2とGアーマー(入手条件有り、どちらも初回からパーツスロット4)で同じようなことが出来てしまう。しかもこの機体は''お互いの改造した部分に共通する能力や武器があった場合重複して強化される''((例えばRX-78-2、Gアーマー共に運動性を2段階改造すると(2+2)4段階改造したのと同じ扱いになる。))。
//--寺田プロデューサーが後に「やりすぎた」というほど強力なもので、本作のみの登場となった。
// 改造の仕様は確認できませんでした。あとGファイターの1周目のパーツ数は2です。

//#region(他の版権作品の矛盾点)
//-UCガンダム系以外でも、一部矛盾点が見受けられる。
//--本作が初参戦となった『機甲戦記ドラグナー』であるが、原作ではグン・ジェム隊との戦いに入る直前にドラグナー3機がカスタム化されたのだが、本作では''グン・ジェム隊壊滅後にカスタム化されている。''
//--さらに言うと、ドラグナーの量産型である「ドラグーン」が実戦配備され、性能的にドラグーンに見劣りするようになり延命策としてカスタム化を行ったのだが、本作ではドラグーン登場から10話くらい後になってようやくカスタム化。しかもドラグーンはNPCの連邦兵しか乗れないため非常に弱い((原作でもグン・ジェム隊にあっけなくやられていたため原作再現ともいえるのだが。本作では中盤のシナリオでシャドウミラー兵が乗ったドラグーンが敵として登場するが、これはかなり強い。))。
//#endregion
//この程度なら問題点に挙げる程でもないのでは?

***設定上の不満
-ラスボスの弱さ。
--最終話のクリア条件は「規定ターン以内にラスボスを撃墜」というもの。ラスボスはHPこそ65000と一見高いが、『α』の精神コンボや『R』の形態変化などはない上に、本作は味方側の攻撃力が非常に高いため、精神コマンドの「脱力」・「魂」や合体攻撃を駆使すれば一撃で撃墜することも可能。そうでなくとも、「再動」を駆使すれば1ターンで、しかもプレイヤーフェイズのうちに攻略が可能である。
---この反省からか、後の『OG2』やPSP版『Aポータブル』では、HPの大幅増加の他、分身や2回行動、MAP兵器といった様々な強化が行われている。
---上記の点から「最弱のラスボス」などと呼ばれることがあるが、ラスボス側もこちらの主力機体を一撃で撃墜するだけの火力は備えており、回避率や命中率も圧倒的な高さを誇っている。瞬殺するには精神コマンドを駆使する必要もあり、スパロボ初心者にとっては強敵にもなり得る。その点で少なくとも攻撃が掠りもしない『[[R>スーパーロボット大戦R]]』や主人公側の余りのインフレにより戦術を立てるまでも無い『[[W>スーパーロボット大戦W]]』のラスボス等よりは遥かに強いと思われ、「弱いには弱いが、最弱とまではいかない」との結論に落ち着いている。

-バランスブレイカー級の強さを誇る味方機体が何体か存在する。
--筆頭として挙げられるのが『ガンダムW』のガンダムデスサイズヘル。主力武器のビーム・シザースはウイングガンダムゼロのツインバスターライフルを凌ぐ攻撃力、消費EN0、クリティカル率+50%という高性能。運動性も高いので単機で無双も可能。武器射程は短めだが、これも強化パーツで簡単に補うことができる。
//--ちなみにこのデスサイズヘル、特殊能力「ハイパージャマー」は本来分身扱いなのだが、何故かドラグナー3型等と同じミサイル無効になっている。
//『A』のデスサイズヘルには特殊能力「ハイパージャマー」は搭載されていません。ただの「ジャマー」です。

//-レベルシステム
//--本作の敵のレベルは『[[64>スーパーロボット大戦64]]』同様、''「自軍パイロット上位15名の平均値+0~4」''という仕様で設定されており、これによって若干の問題点が発生している。
//--例えば「全てのキャラを満遍なく使って進めたい」というプレイヤーの場合、敵の最高レベルの上がり方が緩やかになり、最悪の場合最終話になっても精神コマンドが揃い切らないという事もありうる。条件が条件なので搭乗者が多いボルテスやゲッターを優先的に使えばいいのだが、これは出撃ユニットの幅が狭いという事でもある。
//--また、入手条件に撃墜数が関係する隠しユニットが多い。特定パイロットに撃墜数を稼がせていると他のパイロットに経験値が入らない、全体のレベルが上がらないので低レベルのままゲームが進みがちになる。
//それをカバーするために全滅プレイも覚悟・・・という事態にもなりかねない。
//低レベルで進めたからって全滅プレイが必要になる場面なんてまずありません。
//---ついでに言えば、全滅プレイで稼げるのは資金と経験値だけで、撃墜数は全滅時にリセットされる。よって「撃墜数が関係する隠しユニットの全入手」と「高い敵レベル」の両立は極めて困難。
//ゲッター・コンV・ボルテス、こいつらに努力でボス敵を食わせていけば簡単に両立出来ます。
//--修理・補給などであまりにもレベルを上げ過ぎると、今度はシャドウミラー系のニュータイプレベル(後述)が上がって逆に難易度が上がってしまう。このへんのバランス取りも難しいところである。
//--これもあまり好評なシステムでなかったせいか、次回作の『R』以降は一般的なレベルシステムとなった。
//任天堂携帯機はOGシリーズを除き全部「味方上位○人の平均レベル」で敵レベルが決まります
//「不便さ」と言うには理由が不足していますのでCO

-ゲッター系の改造引き継ぎが不便。
--ゲッター系機体の改造引き継ぎが変則的になっている。ゲッター→ゲッター1(一人乗り)、ゲッターG→ゲッタードラゴン(一人乗り)という改造引き継ぎが行われ、従来の作品に見られた「ゲッター→ゲッターG→真ゲッター」という上位機種への改造引き継ぎは無い。
--一人乗りになったゲッターは変形・オープンゲットが不可能になり、ゲッタードラゴンに至っては最強武器が無くなるので、真ゲッター1との合体攻撃があるとはいえ戦力としては運用し辛くなってしまう。 他形態の武器改造も無駄になり、払い戻しもないため、一人乗り仕様を使うつもりがなければ改造費用の盛大な無駄になりかねない。

-『ナデシコ』が原作元のバリア系特殊能力「ディストーションフィールド」が強すぎる。
--「グラビティ兵器:5000以下無効・ビーム兵器:3000以下無効 その他の攻撃:50%軽減」と鬼性能を持つため、資金が乏しくビーム兵器をあまり強化していない序盤で出現するザコ敵「バッタ」は異常なまでの硬さを誇る。
---上記の性能の為、高威力ビーム兵器を使って破るというのが常套手段になっている。原作設定では対ビーム防御の方が高いのだが…。
---以降の作品で徐々に弱体化する事になるが、MS系への配慮かビーム兵器の原作設定無視は未だに直っていない。
--エステバリスのフィールドランサーは本来ディストーションフィールドに有効な武器なのだが、再現されておらず普通にダメージを半減される。

-オリジナル系パイロットが何故かニュータイプor強化人間(以下NT)。
--オリジナルであるシャドウミラー勢は、主人公はおろか一般兵に至るまで全員がNTないし強化人間技能持ち。
--女性主人公と一般兵には人造人間という設定があるため、強化人間技能を持っているのは(納得はともかく)理解はできる。しかし、男性主人公とシャドウミラーの幹部には作中でNTであるような描写は一切存在しない。
--NT技能のレベル設定もおかしい。NTレベルが9まで上昇する自軍パイロットはジュドーとララァの2人のみで、アムロやカミーユは8、クワトロに至っては7までしか上昇しない。それでいて男性主人公はレベル7、シャドウミラー幹部に至ってはレベル9まで上昇する。つまり「大した描写もないのに、シャドウミラー幹部はアムロやカミーユ以上のNT」という事になる。原作のNTの定義からすれば首を傾げざるを得ない設定((シャドウミラーは未来から来たという設定の為に彼らの未来では(少なくとも戦闘面においては)高レベルのNT能力を付与できる技術が出回っているともとれるが…))であり、そのためかリメイク版では削除された。
//((カミーユは公式で「最高のニュータイプ」とされており、ジュドーよりもレベルが低いというのは疑問。これは「AP」でも変わっていない。))
//カミーユが公式で「最高のニュータイプ」とされたのは劇場版Zからの後付け設定だったはず。『F完』『α』でもNTが9になるのはジュドーのほうが早かったり『第2次・第3次α』でもカミーユは8止まりだったりと、当時はパイロットとしてはともかくNTとしては(精神崩壊もせずに戦い抜いた)ジュドーのほうが上という風潮だった

**賛否両論点
-終盤のルート分岐の設定。
-「ルート分岐で片方のフラグが立つ」というのは『スパロボ』の常ではあるが、今作の場合、「終盤のルート分岐後から新規参入がある」「片方のルート分岐で敵勢力との決着がついてしまう」などのチグハグな点が見受けられる。
--ただし、これについては『[[某スパロボ>スーパーロボット大戦IMPACT]]』のようにシナリオが長すぎないようにするための配慮とも取れるが…。

#region(詳細ネタバレ)
-終盤の分岐には木連ルート・小バームルートがある。
-木連ルートに関しては、木連やメガノイドとの(今作品においての)決着が描かれる、(フラグ次第だが)東方不敗orダイゴウジ・ガイやサザビーを思う存分使うことができる、原作では殺害されてしまう白鳥九十九を仲間にすることができるなどのメリットが存在する一方で、中盤分岐においてパワーアップした長浜ロマンロボ3体(ダイモス・コンバトラーV・ボルテスV)は全部小バームルートに行ってしまう、補給ユニットが全部小バームルートに行ってしまう、物語の中核のとある人物の1人が語るだけで終わってしまう(某作品の黒幕を知っていれば想像は容易だが)、ジュドーの参入が終わりの終わりになり、フルアーマーZZガンダムが入手できなくなるなどのデメリットが存在する。
#endregion

-一部についてはPSP版で改善されたので、そちらで遊ぶのも考慮すると良い。

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**総評
少なめのボリュームながらスパロボの魅力がそつなくまとまった良作と言える作品で、その後続く携帯機シリーズの地盤を築いた。~
オリジナルキャラの人気も高く、後に『OGシリーズ』にも参戦している。
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**余談
-本作のスパロボオリジナルの要素には過去のスパロボシリーズを意識したものがいくつか見られる。
--主人公機5機はいずれも『[[64>スーパーロボット大戦64]]』の主人公機をモチーフにしている。
--敵キャラとして登場するオリジナルキャラ「レモン・ブロウニング」。ブロウニングという姓は『COMPACT2』の主人公の一人・「エクセレン」と同じ。本作のシナリオライターは『COMPACT2』のシナリオも書いていたため、何らかの裏設定があると思われていたが、実際は単純なライターの「お遊び」であり、エクセレンとの関係は『OG』に参戦するにあたって初めて追加された。
--シャドウミラーの主力機体として登場する旧シリーズからおなじみの機体「ゲシュペンストMk-II」。

-本作におけるUCガンダム系のストーリー展開は、原作の正史と比べて相当怪しい歴史を辿っていることが見えてくる。
#region(ネタバレ注意)
-本作のUCガンダム系のストーリーは『0083』のデラーズ・フリート(『ガンダム』『08MS小隊』の人物も加わっている)→『ΖΖ』のハマーン率いるネオ・ジオンと、ジオン系勢力との抗争が描かれているが、作中背景では『ガンダム』の1年戦争(宇宙世紀0079年)と『Ζ』のグリプス戦役(宇宙世紀0087年)は既に終結している。
--『0083』(宇宙世紀0083年)は『Ζ』の前史にあたる(ティターンズが設立される経緯を描いた)作品であり、見ての通り時系列が逆になっている。そのため、本作ではティターンズが設立された経緯は語られることが無い。このためティターンズの指揮官を務めたバスクが生存してる一方で、シロッコと思われる人物がグリプス戦役で死亡した事が語られたりと、当時のティターンズの面子の思惑や立ち位置がかなり気になるところである。
---ちなみに本作のデラーズ・フリートは序盤で「星の屑作戦」に失敗し崩壊する(多くの人物はその後ネオ・ジオンに合流)。そのためか、ガンダム試作3号機やノイエ・ジールは''デラーズ・フリート壊滅後''に登場している。
--また、『ΖΖ』のジュドーとルーは木星圏に行っていることになっている(『ΖΖ』原作最終回の内容)。
---おかげでグレミーが相当悲惨。ジュドーに思想を語る機会はなく、愛しのルーに会う機会もなく、反乱を起こす前にハマーン様に野望がバレて体のいい形で最前線送りにされ、プル&プルツーは説得で寝返り、しかも出番はその一話だけで、''挙句の果てに自慢のクローン部隊はハマーン様においしく利用される始末である''。ハマーン様も戦う機会は一度きりであり、その一度だけの戦闘で原作通り悟って死ぬ、と扱いがいい加減である。
---更に序盤からブライトもジュドーの存在を知っている台詞がある他、ジュドーが終盤まで登場しない都合上、プル&プルツーの説得はカミーユが担当するのだが、この時点でカミーユとジュドーが面識があることが発覚する。なお、原作でブライト、カミーユとジュドーが面識を持つのは『ΖΖ』での話である。更に言うと今作のカミーユは「グリプス戦役が終わって精神崩壊を起こす」→「ギニアスに拉致されキンバライド基地に監禁される」→「自軍に合流」という流れで動いている。お前ら、一体いつ知り合ったんだ?
-一番の矛盾点は本作の特徴でもある仮面を被ったシャアの登場。
--後にこのシャアはクワトロとして仲間に加わるのだが、クワトロを名乗るのは今回が初めての様子である。つまり本作におけるグリプス戦役はシャアの存在無しに進んでいたことになってしまう。
---カミーユは1人でグリプス戦役を戦ったのだろうか?それ以前にどういう経緯でガンダムmk-IIに乗ったのだろう。Ζガンダムの装甲材質であるガンダリウムγは誰から提供されたのだろうか。そのカミーユも前述の通り精神崩壊した状態でギニアスに拉致監禁されている状態で登場している。ギニアス曰く「連邦軍の情報を引き出す為に拉致するも精神崩壊していて役に立たたなかった(意訳)」とのことだが、拉致する段階で調べるなり気付くなりしなかったのだろうか。そしてご丁寧にガンダムMKⅡまで持ってきてしまっている。
--ちなみにアムロは『逆襲のシャア』での成熟した大人として登場し、セイラも『ΖΖ』での年齢を重ねた姿となっている。シャアは一年戦争後もしばらく仮面を被り続けていたようだ。ララァやランバ・ラル、黒い三連星は見た目以上に年を取っているのだろうか。
-さらなる余談だが、『08MS小隊』のシローは原作では''設定上宇宙では使用できない((『Gジェネ』では宇宙仕様へ改修されたバージョンが存在する程である(設定を考えると量産機へ乗り換えるのとたいして変わらないと言う、身も蓋もないツッコミ点があるが)。))''はずのEz-8に搭乗して参戦するが、本作では''構造がジムと似ている''という理由で宇宙でも運用可能((ただし宇宙適応はB。後述の『AP』ではAになっている。アムロのガンダムであるRX-78製作時に生まれた余剰パーツを組み上げて作られたのが陸戦型ガンダムであり、Ez-8はそれを現地改修した機体である。一応ガンダムのデチューンがジムであるし同じ連邦製なので完全に無関係ではないがやはり無理がある。一応Gジェネレーションシリーズには、同じ見た目のまま宇宙適応化した『ガンダムEz-8改』という機体が登場するのだが、そういった改修描写がないだけに首をかしげるファンもいる))。
--原作再現ついでにウラキが「なんでEz-8は!」とひどく不満を漏らす。((ちなみに、某Gジェネでは宇宙で使用できないため宇宙適応化させる工程が、ガンダムEz-8のイベントの方である))その理屈で宇宙で使用できるのなら''いくら急遽運用された実験機とはいえ時代が進みメンテナンス性((陸戦型ガンダムの時点では連邦側はまだモビルスーツが量産されておらず、本機のような急造を重要拠点に配備するのがせいぜいだった。当然整備などのノウハウも不足していたと思われる。))も向上し、調整前提のテスト機の方が簡単に調整や換装が行えるはず。~
Ez-8より高性能のはずが実際はまともに宇宙で使用できない(「宇宙では性能がジム以下」と言われる)様な実験機(オマケにシナリオ設定を見ると、どう見ても既に旧式)に乗せられ、しかも敵の追撃途中とは言え運用からある程度の時間がたったのに、宇宙に着いてから突然「換装が必要だ」と言いだすのだから、実にまっとうな言い分である''。
---尤もこのやりとりは『スパロボ』シリーズでいつも大同小異ながら行われている''お決まりのネタ''であり、原作同様今作でも子供じみていたウラキの言動→片意地張って突っ込んでボロ負け→立ち直って換装という展開になるが、本作ではEz-8とシナリオ設定((テストまでジオンの活動が水面下でしか行われていなかった原作とは違い、各勢力が活動している状況である。当然悠長にテストしている状況ではないわけで…。))のせいでウラキの台詞が納得できる内容となっている。勿論実験機に無断で乗り込んだウラキの非もあるが、こんな行き当たりばったりの状況なら不満を漏らしたくもなる。
---さらなる余談だが元々GP01は換装によって地上、宇宙で最適な状況で運用する機体であるにも関わらず、大半の『スパロボ』ではFbに換装後はそのまま地上でもFbのままだったり((当然Ez-8のように地形適応は考慮されない。その為に移動力こそ高いものの、大抵不利な戦いを強いられる。))と冷遇されがち。
#endregion

-本作のROM内にはある程度形になった没シナリオデータが収録されている。
#region(ネタバレ注意)
-その中身は恐らく最終盤に展開する予定だったであろう『逆襲のシャア』の再現シナリオ。本作のラストでは「アクシズ落とし」を背景に戦うが、本来は原作通りシャアが実行するはずのものだったという事である。
--これにより、先に述べた「ハマーンが健在なのに木星に行っているジュドー」について「当初の構想ではネオ・ジオンの総帥はハマーンではなくシャアだった」と考えれば辻褄が合う。
--会話中には『逆襲のシャア』におけるシャアの部下であるクェス、ギュネイ、レズンも登場する。敵機体として登場するヤクト・ドーガやα・アジール、青いギラ・ドーガは彼女らに合わせて用意していたものと考えられるだろう((実際、電撃の攻略本には2種類登場する「ヤクト・ドーガ」に、「ギュネイ(クェス)機」と注釈が加えられている。余談だが、これらの機体の一部装備の名称が異なっており、ただのやられ役の機体とは思えない拘りようである。))。
-この没シナリオでは「''UC0093仕様のシャアとセイラの対峙''」((本作のセイラはクワトロが加入する前に離脱する。))や「''ニュータイプとは何なのか''」といったあまりスパロボで取り扱ったことの無いテーマも描かれており、興味深い。
-また、この没シナリオ中では本作のラスボス「ツヴァイザーゲイン」は「スーパーアースゲイン改」という名前で登場している。そのため、主人公機と同様ラスボスも『64』の主人公機が元ネタであると思われる。
#endregion
//「余談で非公式の没ネタを扱うことは禁止」というルールは無いし、『MOTHER3』の没ネタと同程度には話題性のあるものだと思います。
//コメントを無視して一方的な削除を断行しているため、規制依頼を出しています。不満があるなら掲示板で議論の参加をお願いします。

**その後の展開
後にNTTドコモの第3世代携帯電話・FOMAのiモード公式サイト『スーパーロボット大戦i』にてiアプリ版が提供された。~
更にプレイステーション・ポータブル(PSP)でシステムやグラフィックなどを大幅リメイクし、戦闘デモ中の音声を追加した『スーパーロボット大戦A PORTABLE』が発売された。これについては後述。

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*スーパーロボット大戦A PORTABLE
【すーぱーろぼっとたいせんえー ぽーたぶる】
|ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B0013B0LIQ)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|
|発売元|バンダイナムコゲームス|~|
|開発元|トーセ&br()エーアイ|~|
|発売日|2008年6月19日|~|
|価格|6,615円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
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**概要(PORTABLE)
『スーパーロボット大戦A』のリメイク作品で、PSP版『スパロボ』第2弾。略称は『AP』。ハード性能により、様々な部分でパワーアップしている。

//議論中なので、ここにあるものは基本的に評価点としたままで、変更点と評価点を分離。やっぱり評価点じゃないんじゃないか?みたいなのはスレの方で話し合ってほしい
**変更点
「当時の据え置きスパロボ準拠のスパロボA」という形である為、シナリオ等は基本的に変わっていないものの、多くの点で追加・変更がされている。

-全体的なゲームバランスの調整
--GBA版で弱かった・または強かった敵が、全体的に相応の強さに修正されている。
--敵味方共に、全体的に攻撃力が引き上げられている。
--武装の性能調整

-据え置き『スパロボ』に合わせたシステムの調整や機能の追加
--「シールド防御・援護行動」は最近の『スパロボ』と同様のものに変更された。
--精神コマンドの変更
---「不屈」「感応」「友情」が追加され、「奇襲」「復活」「奇跡」が削除。「愛」の効果は「味方全体のHPを完全回復」から現行の効果((「加速」「必中」「ひらめき」「気合」「熱血」「幸運」「努力」の効果を一度に得られる。「信頼」の強化版といえる「友情」の追加はこのためと思われる))に変更された((この変更に伴い「愛」習得者は原則的に習得が遅くなっている))。
--エースボーナス・カスタムボーナスの追加
---後述の通り順当なものから、ネタ要素といえるものまでバリエーションが豊富。ただし、ボーナスには重複も多い。
--特殊技能の追加
---GBA版には存在しなかった特殊技能「インファイト((格闘武器の攻撃力を上げる他、レベルがあがると移動力も上げられる為、ユニットを問わず移動力の底上げができる。特に「加速」を持たないパイロットには嬉しい))」「ガンファイト((射撃武器の攻撃力を上げる他、レベルがあがると射程1及びMAP兵器以外の全ての武器の射程が伸びる))」「闘争心」「ヒット&アウェイ」「SP消費ダウン((事実上の「集中力」))」が追加((とあるボスキャラだけの専用スキルも存在))。
--GBA版ではマスクデータだったパイロットの地形適応が表示されるようになり、パイロットを相性の悪い機体に乗せ換えて苦戦したり、苦手な地形の敵に攻撃してダメージが伸び悩むといった問題が無くなった。
--パイロットとロボットの図鑑が追加。
--戦闘アニメのキャンセルが可能になった。
--各機体のBGMも自由に変更できるようになった。

-「連続ターゲット補正」の追加((今作から導入され、調整を経ながら後継作でも採用されている。))
--敵味方問わず、同ターン中に攻撃を回避するたびに命中率が15%づつ上がるようになっている(上限あり)。

-「乱数保存」の追加
--セーブ時には乱数も保存され、リセットして同じことをやり直しても同じ結果となる。
---同様のシステムは『[[NEO>スーパーロボット大戦NEO]]』でも採用されている。
--この仕様に合わせたのか、撃墜されても修理費が掛からなくなった。

-「スキルパーツシステム」の追加。パイロットの強化が可能になった。
--敵から得られる消費アイテムをパイロットに使う事で、ステータスの強化や特殊技能の追加が行えるシステム。

-戦闘デモの多くは当時のPS2作品から流用されている
--「ダイモス」や「ドラグナー」等は『MX』から、オリジナル勢は『OGs』から戦闘デモが流用されている。
---『αシリーズ』は小隊システムの都合上立ち絵の作りが特殊であるため、参考にはされているものの流用は行われていない。

-一部シナリオの修正・追加や、それに合わせたパイロット・機体の変更
--上述の通りシャドウミラー勢の特殊技能からは「ニュータイプ(強化人間)」が削除された。
---代わりに数値を見直す事で適度な強さに調整されている。
--シャドウミラー幹部であるレモン・ブロウニングの搭乗機が『[[OGs>スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS]]』で初登場した「ヴァイスセイヴァー」に変更された。

-一部BGMの変更

-ゲッターロボシリーズの改造引き継ぎ
--従来のスパロボ同様、「ゲッターロボ⇒ゲッターロボG⇒真ゲッターロボ」と改造が引き継がれるようになっており、改造した資金が無駄にならない。
---その代わり、一人乗りゲッターロボには改造は引き継がれなくなっている。

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**評価点(PORTABLE)
***ゲームバランスの調整
-GBA版で弱かった・または強かった敵が、全体的に相応の強さに修正されている。
--その筆頭が一撃で倒せてしまっていた最終ボス。最終ボスに相応しいHPに修正された他、2回行動やMAP兵器の追加により文句なしの強敵に仕上がっている。単機撃破は勿論、1ターン撃破ですら非常に難しい((ただし近作の最終ボスは大抵持っている「EN回復」が無い為、何度も攻撃しているとガス欠でサンドバッグになってしまうことも。))。新録された戦闘曲の「CHAOS」も評価が高い。
--「シールド防御・援護行動」が修正された事でやたらと硬かったMS勢が適度な強さになり、スムーズな攻略が可能となっている。

-敵味方共に、全体的に攻撃力が引き上げられている。
--勿論HPや計算式はその数値に合わせて調整されているため、ゲームバランスを悪化させるような事態にはなっていない。
---また、ディストーションフィールドの効果は変更されていないため、GBA版で猛威を振るったDフィールドをMSでも突破しやすくなっている。

-「連続ターゲット補正」の追加
--これによりリアル系の単騎無双が難しくなると同時に、攻撃が当たりにくい敵でも連続攻撃する事でこちらの攻撃命中率が上がるという利点も生んだ。
--スーパーロボット系は武器の燃費を全体的に悪化させる事で、リアル系とのバランスを取っている。((例えばダイターン3の「Sコンビネーションアタック」は、GBA版では消費EN70だが本作は消費EN130、フル改造しても強化パーツで底上げしないと1回しか使えない。))
--本作以後の作品でも現在に至るまで引き続き採用されているが、以後の作品と比べると本作は1回の上昇率が高めとなっている。

-「乱数保存」の追加
--当たる・避けるまでリセットを繰り返し続けるプレイは低難易度化の面などから問題視もされていた為、それに一石を投じる修正。
---ただし攻撃するユニットの順番を変える、クイックセーブをし直す、等といったリセット前と別の行動を取ると結果は変化する。

-武装の性能調整
--MS勢を筆頭とした多数の機体の武装にはP属性((移動後に攻撃可能。))が付与された。GBA版はビームライフルの射程が『F/F完結編』仕様の「1~5で移動後攻撃不可」だったのに対し、本作は『αシリーズ』仕様の「1~4でP属性」に変更されたため、MSの使い勝手が格段に上昇している。勿論、MS以外にもP属性を追加された機体は多い。
--スーパーロボット勢は最強武器に「バリア貫通属性」が追加され、ディストーションフィールドへの対処が楽になった。
--ガンダムEz-8にはGBA版には存在しなかった「全弾発射」が追加。原作再現なのか命中補正が低いが。
---Ζガンダムとザンボット3にはフル改造ボーナス(後述)で「ウェイブライダー突撃」「イオン砲」がそれぞれ追加される。どちらも新規の戦闘デモ。
--主人公機はどれか一つの武装と最強武器にバリア貫通属性が追加されている。中でもアシュセイヴァーの「ガンレイピア」とヴァイサーガの「水流爪牙」は使い勝手が良い。

-バランスブレイカー級のユニットも適度な強さに修正されており、単機での無双はほぼ不可能となった。
--また、強さが見直されるにあたって強化パーツの「V(W)-UPユニット」が廃止。同時にお馴染みのパーツになりつつある「勇者の印」「鋼の魂」が追加された。
---おかげで宇宙ルートでV-UPユニットの為にダイゴウジ・ガイを撃墜するという鬼畜プレイをする必要もなくなり、仲間にした方が得になるようになった。
---ちなみに勇者の印は2つ入手できるのだが、内1つの入手条件が''プルを仲間にせずに撃墜する''という鬼畜仕様((GBA版でもプル及びプルツーはV-UPユニットを落としていたため、涙を呑んで撃墜した人も多いだろう。))。
--GBA版で周回と共に解放された強化パーツ装備数・改造段階の制限は解除されなくなっている。
---ゲッターロボやRX-78-2が強力になり過ぎていたので仕方ないだろう。

-アクセルとラミアの能力面での相違点はGBA版では格闘と射撃の数値が若干違う程度だったが、本作では精神コマンドでも差別化が図られた。
--具体的には、アクセルが「必中」「不屈」を覚えるのに対し、ラミアは「集中」「ひらめき」を覚えるようになっている。
---これによりラミアが若干使いにくくなっているが、新しく「感応」が追加されているためバランスが取れている。

-特殊技能の追加
--足の遅いスーパー系や長射程だが移動後の攻撃手段に乏しいリアル系に一石を投じる技能の追加で、これらの活用によってGBA版とは全く違う活用方法が見出せるようになっている。特に「ヒット&アウェイ」は、主人公機にラーズアングリフを選んだ場合非常に有効((ただし、主人公はデフォルトでこの技能を持っていない))。

-地形適応の変更
--「一部の機体やパイロットの地形適応がB」という、GBA版の問題は基本的に放置されているが、当時一般的になりつつあった「地形適応S」のシステムを導入し、強化パーツで地形適応の底上げが可能になっている事で、フォローや強化が可能となっている。

-「スキルパーツシステム」の追加。
--PPシステム程の自由度はないが、PPシステムと違って「上げれば上げる程沢山消費する」という事はないので、モノさえあればいくらでも注ぎ込む事ができ、好きなキャラを強化させ活躍させやすくなった。

-個性的なエースボーナスやカスタムボーナス
--エースボーナスでは、万丈の「熱血・魂にクリティカル判定が掛かる」や、ドモン&東方不敗の「気力上限200」((通常は150。この200という数値は『第3次』と同じである。))、ジュドーの「移動後にMAP兵器が使用可能」、一矢の「切り払い発動100%」は凄まじく強い。
---更にネタ的な意味として、アキトの「マップクリア後火星丼((オリジナル版での「非常食」。なので敵もドロップする。宇宙的大ブームと思うとちょっと笑える。))入手」や勝平の「幸運を使うと不屈も掛かる((頭文字を合わせると「不幸」。))」等といったものもある。
--カスタムボーナスも機体ごとに特徴的なボーナスがつけられており、中でもジム・カスタムの「攻撃が命中した相手の気力を10下げる」やダイモス&RX-78-2の「全武器をバリア貫通属性にする」が特に強い。メカ鉄甲鬼は使いこなすとマジンガー顔負けの硬さ(さらにエースボーナス取得で連続ターゲット補正が無くなるので、敵陣に突貫することが可能)になったりする。
---ネタ的な意味ではアルトロンガンダムに''『自爆』してもHP1で生き残る''というボーナスがある。ただし後述するとおり、うまく使えば攻略に十二分に役立つものとなっている。

-「SRPG」としての面白さの追求
--本作の最大の特徴であり評価点(であると同時に問題点)。
--本作が発売された当時、『スパロボW』を筆頭に、リアル系のあまりの使い勝手の良さや全体的な難易度の低さが指摘されていた。本作はそれらの声を反映してか、当時のスパロボから薄れつつあった「シミュレーションRPGとしての戦略性」が高く追求されている。
--敵の命中・回避が全体的に高く、高い運動性を持つリアル系でも当たる時は当たるし、避けられる時は避けられる。
---意図的なのか手抜きなのか、武器の命中補正値がマイナス補正が多い旧シリーズのバランスであるGBA版のものをほとんど流用している上に、信頼補正の仕様が変更されて簡単に命中率上昇の恩恵を得られないようにされていることが、敵の回避率の高さに拍車をかけている。
---この為、HPや装甲が低いリアル系にもそれらを改造する必要性が生まれている他、死に要素になりがちだった援護防御も利用価値が上がっている。
---また、これによって命中回避を上げる「EWAC」や地形効果が特に重要になっており、敵との位置取りや陣形もより考える必要がある。
---高い回避率を持つリアル系の敵には「必中」が使えるスーパー系、逆に高い攻撃力を持つスーパー系の敵には回避率が高いリアル系と、相性も考えられている。
---被弾しやすくなった事によって「底力」の価値も上昇。アルトロンガンダムと五飛にボーナスを付け、開幕早々自爆…という面白い遊び方も可能。
--エースボーナス・カスタムボーナスの個性化も、戦略性を高めている要素の一つ。
---ユニット1機1機に、パイロット1人1人に個性と運用方法が定められており、それらを柔軟に活用してのゲーム攻略は実に面白い。特にサンドロック・ドラグナー3型・ガルバーFXII・クワトロ・戦艦系等は特に重要。
---エースボーナスの個性化によって、機体とパイロットの意外な組み合わせが高い効果を発揮する場合もある。このため乗り替えする面白さも高まった。
--戦艦の重要性が高まっているのも本作の長所の1つ。
---援護防御・「EWAC」による命中回避の底上げ・強化パーツの使用・MAP兵器による資金稼ぎと削り等、本作を攻略する上で欠かせない要素である。
---そのため本作の戦艦は、他作品と比較してもかなりHPが高い。ナデシコ(Yユニット)ですら15300、ラー・カイラムに至っては''33000''と『第3次α』のヱルトリウムに匹敵するHPを持っている。SRPGが苦手なプレイヤーでもない限り、落ちる事はまずありえないだろう。むしろ「どうやったら落ちるんだ」というレベル。
---余談だが、ブライトさんのエースボーナスが''「味方搭載時の回復量100%」''と恐ろしい事になっている。アストナージが過労死しそうで心配。
--敵のHPも上がっているため、援護攻撃の重要性も大きく上昇した。Ez-8やヘビーアームズ改(EW版)等の援護向きユニットがより一層輝いている。


***戦闘デモについて
-戦闘デモはおおよそ好評
--流用は多いが元々が高クオリティなので、PS2でありながらPS1のデモを流用していた『IMPACT』程の批判はなく、「携帯機でよくここまで」と言われている。
--『MX』に参戦していない作品の戦闘デモは一部((サザビーは『IMPACT』の戦闘デモを手直ししたものが使われている。))を除き、全て新規に作られている。例えば『MX』に登場しなかったマスターガンダムは完全新規、ガンダムEz-8やグフカスタムも一見『IMPACT』の流用のようで新規に作られている。
--また携帯機ならではの軽快さを損なわないよう、一定の質を維持しつつもくどくならないように作られている。流用された戦闘デモもそのままの使い回しではなく、テンポを早くしてエフェクトを強化する等の処置が施された。

-PS2クオリティになった事で、改めて評価された戦闘デモ
--Gガンダム勢の一部の武装は非常に評価が高い。合体攻撃版「超級覇王電影弾」「酔舞・再現江湖デッドリーウェイブ」「ゴッドフィールドダッシュ」等は、GBA版にはあれど『MX』や『IMPACT』にもなかった武装であり、PS2クオリティのこれら武装を見られるのは事実上本作のみである。特に「究極石破天驚拳」は常軌を逸した原作再現度であり、正に究極の名に相応しい品質。
--PS2クオリティの「1stガンダム」を見られるのも本作のみである。GBA版ではビームライフルの使い回しであったスーパーナパームの戦闘アニメだが、本作では「ナパームを敵に投げつけライフルで撃ち抜く」という凝った演出になっている。ビームサーベルの斬撃ポーズは劇中のものと同じであり、Gファイターのミサイル発射機構もきっちり再現しているなど芸が細かい。

-戦闘BGMも流用が多いが、こちらも流用元のクオリティが高く、「哀・戦士」を筆頭としたアレンジBGMも高いクオリティを誇っている。

-据え置き機作品では登場機会の少ない機体やキャラクターがPS2クオリティで初再現された。
--例として『初代ガンダム』のザクレロや『コン・バトラーV』のケロットがアニメーション付きで参戦し、更にケロットのパイロットである一木金太や知恵のCVも収録されている((一木知恵のCVは松岡由貴氏が代役。))現時点で唯一の作品である。

***その他評価点
-隠し要素の追加そのものは無いが、一部の隠し要素は2周目以降必ず入手できるようになった。
--撃墜数がフラグとなっている隠し要素については、撃墜数が周回で引き継がれるため必然的に入手できるようになる。
---Gファイターとフルアーマーガンダムは「アムロとセイラの撃墜数」がフラグとなっており、1周目ではどちらか1つしか入手できなかったが、2周目以降はセイラが序盤で永久離脱することもあって両方とも入手できる。

-GBA版ではウラキだけ主人公格なのに何故かラスボスとの戦闘前会話が用意されていなかったが、本作では新規に用意された。

-記憶喪失状態のアクセルや前述の金太や知恵といった本作のための新録もある。
--また、『ダイターン3』の万丈役の鈴置洋孝氏が生前に収録していたザンボット3との合体攻撃での掛け合いの音声が本作で初使用され、多くのユーザーを驚かせた。

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**賛否両論点(PORTABLE)
-マップの2D化
--キャラクターグラフィックも顔アイコンとなり、事実上任天堂携帯機作品と同じ仕様となった。据え置き機と同等の性能があるPSPなので3Dマップを望む声も多かった。
--ただしマップに関しては『[[MXP>スーパーロボット大戦MX#id_5555eaf9]]』の3Dマップが極めて見難かった事もあり、この方が見やすいという意見もある。後の『第2次Z』でも本作と同仕様となっている。

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**問題点(PORTABLE)
-初心者には若干取っつきにくい難易度
--「SRPGとしての戦略性」が重視された半面、全体的な難易度が大きく向上したため、ライトユーザーからの受けは悪い。
--『αシリーズ』や『スパロボW』等、戦略性よりも「好きな機体を使ってサクサク進めるのが好き」というプレイヤーには辛いだろう。

-高難度なりに良好なバランスだが、終盤の火星ルートのボス「ドン・ザウサー」だけは話が別。ある意味ラスボスをも凌ぐ本作最大の難敵。
--GBA版でもかなり強敵だったが本作では更に強化されており、HPは181500もある上にHP回復能力により毎ターン18000も回復されてしまう。また、無消費かつ射程1~8の武器を持つので弾切れにもできない。装甲も高く、おまけに底力LV9持ちなので、HPが減ると異常なまでに硬くなり、回避力も跳ね上がるため必中や感応なしでは攻撃が当たらず、武器をMAX近くまで改造したスーパー系やゴッドガンダム等でないと碌にダメージを与えられない((ルート分岐の関係でリアル系が多く、本作の強機体であるダイモスなどは別ルートに行ってしまっている為、スーパー系は使える機体がザンボット&ダイターン、真ゲッターと限られるのも辛いところ。))。
--おまけにドンの前にはコロス戦があり、コロスはドンより若干弱い程度((HP151000、底力LV8。ただEN切れを誘発すれば射程1の格闘しか使えなくなるので、その点ではドンよりは楽。))の強敵であるためここでSPを使い切るとドンに勝てる見込みがなくなってしまう。ユニットの武器改造段階次第では詰みの可能性もある((本作では全滅プレイによるデメリットが殆ど無い事や、このMAPの敵の中に多額の資金を持っている敵がいる事を活かし、全滅プレイで強化して戦う手もあるので、詰んだと思っても諦めなければ何とかなるかもしれない…素直に分岐前のデータをロードした方が早い気もするが。))。
--また底力の影響で固くなってきたら、ガンダムW勢の『自爆』の連発でHPを削る方法もある((ザンボット3も『自爆』を使えるが、前述のとおりザンボットは貴重なスーパー系なので自爆するのは最後の手段である。))。開発側がそれも計算に入れて難易度を設定したのかどうか不明だが、都合のいいことに本作では味方ユニットが撃墜されても''修理費用は一切かからない''ので心置きなく自爆できる((五飛に至っては、カスタムボーナスのおかげでHPを回復さえすれば何回も自爆できる。))。

-エースボーナスの弊害
--撃墜数が周回で引き継がれるようになっているが、これは当初敵として出てくるキャラクターのエースボーナスにも適用される。
---東方不敗の「気力上限200」や白鳥九十九の「底力の効果2倍」は、敵に回すと厄介。ただしその時にはこちらも引き継ぎで強くなっているので、そこまで大幅な難易度上昇にはなっていない。
// 「ファミ通の攻略本では「エースボーナスは味方にならないと発動しない」とありましたが、そのあたりどうなのでしょうか?」というのは間違いでした。
--ウラキに至っては「努力が愛に変更」というエースボーナスのせいで、「愛に目覚めて努力する事を忘れてしまった男」とネタにされた。中盤以降はかなり強いが、2周目序盤のレベル上げがしにくくなってしまっている。

-一部BGMの変更
--ひとつが『機動戦士Ζガンダム』の戦闘BGM。
---戦闘BGMが変更されたせいで、森口博子氏の名曲である「水の星へ愛を込めて」が聞けなくなっている。作曲を担当したニール・セダカ((アメリカのポピュラーソングの大御所シンガーソングライター。))の曲の版権料はかなり高いらしく、それが原因と思われる。同時期に発売・稼働した『[[機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム]]』及びその派生作品も、やはりΖガンダムは劇中BGMであった。
---ちなみにスパロボで戦闘BGMとして聞けるのは、本作を除けば『初代α』と『α外伝』のみで、しかも条件付きである。
--もうひとつが『機動武闘伝Gガンダム』の戦闘BGM。
---元々必殺技時以外の通常戦闘BGMは前期OPの「FLYING IN THE SKY」であったが本作では『MX』以降で採用されている「最強の証~キング・オブ・ハート」に変更された。
---変更後の曲も印象的なBGMではあるため、不人気な曲というわけではない、むしろ人気曲なのであるが…((『Gガンダム』では次回予告にも使われていた。))近年のシリーズで使用されていないためガッカリという声も多い。
//--その他『マジンガーZ』『グレートマジンガー』『UFOロボ グレンダイザー』『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』もBGMが変更されている。

-一部戦闘デモの雑さや劣化部分
--一部の戦闘デモや、Aで採用されていた故に復活した一部の武器の戦闘アニメが非常に手抜き。ビームサーベルや格闘は顕著で、「サーベルは二回斬り付け」「格闘は1発殴るだけ」で固定になり、代わり映えしない。
---Gガンダムはその点が非常にわかりやすい。流用されたゴッドガンダムは、「格闘」がMXのゴッドスラッシュの流用のため殴ってからゴッドスラッシュで斬りつけるモーションだが、本来のゴッドスラッシュは突っ込んでサーベルで十字に斬りつけるだけになり、威力面では優位に立つはずが、演出面で劣化している。
---この仕様のため、リメイクされたガンダムEz8やガンダムシュピーゲルは、サーベルやブレードなど一部の武装演出がIMPACTよりも明らかに劣化したりした((Ez8はバルカンを発射しながら接近して斬りつける、シュピーゲルブレードは何度も切り裂いた後、蹴りつけて切り抜けなど演出面で非常に凝っていた。))。
--先の通り全てが劣化しているわけではなく、むしろ凝っているものは多数存在する。しかし過去作よりも演出面で劣るものが増えてしまったのは残念なポイントである。

-ウイングガンダムゼロの攻撃力が悲惨
--武器改造の攻撃力上昇が最弱クラス((「ゲッターロボ」などの合体攻撃持ちスーパー系主役機の大半と同じ。リアル系でこのクラスは片手で数えるほどしか無い。))であり、フル改造した際の最大攻撃力がフル改造時のガンダム試作1号機fbに負け、戦闘機であるガルバーFXIIと同じという悲惨さ。しかもメイン武器のエネルギー消費が尋常で無く((実はオリジナルから据え置きなのだが、ライバル機「トールギスⅢ」のEN消費が改善されている(一応、ウィングガンダムゼロをフル改造することで燃費は逆転する)ため、露骨な冷遇である))、使うには愛が必要になる((ファミ通の攻略本でもヒイロの評で前述の問題が指摘され、ウィングガンダムゼロの評では「MAP兵器の扱いにかけては天下一品」と、明らかに否定的な評価である))。
---その一方で他4機のガンダムは、エースボーナスやカスタムボーナス、バランス変更等によってより優秀な機体に仕上がっている。
---バランスブレイカ―と言われたデスサイズヘルに至っては、弱体化どころかより一層強化された。GBA版ではただのジャマー扱いだったハイパージャマー(分身回避)が実装され、またエースボーナスとカスタムボーナスにより回避率が更に上昇、「集中」を使わずとも単機で雑魚を壊滅できてしまう。避け続ければいずれ当たってしまうという連続ターゲット補正も、新しく追加された「不屈」によりカバー可能と隙がない。相変わらず射程&地形対応空という問題はあるが、射程に関してはガンファイト習得によりフォローしやすくなっている((ただし、これは十分な手間と資金を掛けた上での強さである。本作は無双はしにくくなっているので、これは好意的に受け止められている。))。
--その埋め合わせなのか、ツインバスターライフルの演出が新規描き起こしになってはいるが機体性能がこれでは……。

***その他の問題点
-『第3次α』以降の作品では、ゲームの進行と同時に図鑑の解説文が加筆されていくのだが、本作にはそれがなく、最後まで同じ解説文。

-若干戦闘ボイスの種類が少なめ。
--有名なキャラ同士の対決でしか特殊台詞が出ない場合が多く((アムロVSシャア、コウVSシーマ等。))、他にも合体攻撃を行うとたまに台詞が噛み合わない事も。

-キャラクターの顔グラフィックが各キャラ1種類のみ。
--他のキャラが1種類しか無いときでも導入されてた『Gガンダム』系のキャラのスーパー・ハイパーモード時の顔すらないというのは首を傾げたくなる。

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**総評(PORTABLE)
あらゆる点を据え置きと同等のクオリティに引き上げ、更に新旧様々な要素を搭載。ハードの進化による快適さと、高い戦略性を楽しむ事ができる作品。~
その反面、難易度の急激な上昇により新規プレイヤーには少々辛い作品になっており、戦闘アニメの流用も気になるところではある。~
人によって賛否は別れるだろうが、1つの作品として全体的に見れば、十分に良作であると言えよう。~
また、『MXP』と比較すると、ノウハウの蓄積や改善が顕著に感じられる作品である。本作の仕様はその後の作品にも一部受け継がれている。
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**余談(PORTABLE)
-一部の容量節約要素について
--恐らくこれらの原因は、ROM容量の節約やロード時間の短縮のためではないかと思われる。PSP本体にもよるが本作のロードはわりと短めである。
---インストール機能をフル活用し、ロード面と演出面を両立させた『第2次Z』ではグラフィックが変化するようになった。

復元してよろしいですか?