「タクティクスオウガ 運命の輪」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
タクティクスオウガ 運命の輪」を以下のとおり復元します。
「[[修正依頼]]」に修正依頼が出ています。加筆できる方は修正をお願いします。
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*タクティクスオウガ 運命の輪
【たくてぃくすおうが うんめいのわ】

|ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B0046ZSXC2)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|
|メディア|UMD 1枚|~|
|発売・開発元|スクウェア・エニックス|~|
|発売日|2010年11月11日|~|
|定価|UMD:5,980円&br;DL:4,980円|~|
|レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作?劣化リメイク?''|~|
|>|>|CENTER:''[[オウガバトルサーガシリーズ]]''|
//勝手に分類を変更するのはルール違反です。変更を依頼するのであれば判定変更議論スレにて明確な理由を持ってお願いします。
//勝手に良作に分類されてたのを復元しただけだが? と思ったが、勝手に賛否両論に変えられてたんだな……。もっと遡って確認すべきだった、スマン。
//もともと良作wikiにあった記事で、立てられて以降ずっと良作だったんだが?変わったのは2014/8/12だけど、まさかそこで賛否両論だったから戻したとか言わんだろうね?
//2014/12/28 修正依頼が出ているので加筆します。これ、良作じゃないです。記事でAIについてほとんど触れていないのが致命的。北米版の修正済みであればまだしも、国内では問題箇所が放置されたままになっているため、SFC版(名作)、PS版(ほぼ完全移植)、SS版(良作)、国内版(劣化移植)、北米版(かろうじて良作)もプレイしたオウガマニアの一人として遺憾ながら加筆します。プレイし続けると慣れてしまうのでしょうが、原作移植と比べて常識的に考えれば酷いAIです。FFTの要素を統合して原作を越えようとして調整に失敗し、原作より評価を下げています。
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#contents(fromhere)
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//ひとまず赤文字凍結
//&color(red){※重要:[[新・意見箱>http://www1.atchs.jp/test/read.cgi/ggmatome/36/l10]]にて、この記事のカタログwikiへの移転が提案されています。}~
//&color(red){※編集依頼:記事構成が余りにも雑すぎる。文章の全面的な整理を求める。}~
//&color(red){※一つの項目について説明が長過ぎる。}
//ちょっと整理してみました。改変、変更大歓迎。ただしくどくなりすぎないように。

**概要
オリジナル版スタッフが再集結してリメイクした、SRPGの名作『[[タクティクスオウガ]]』。~
「再構築(リ・イマジネーション)」の名のとおり、ゲームシステムやグラフィックなどに~
大幅な変更が加えられている。~

※ただし、国内版ではAI処理に問題が有り、補助魔法その他問題点は放置されている。
海外版は上記修正済みのほぼ想定通りと思える仕様になっている。

-システム △ 戦闘面で大幅な変更があり、”原作に忠実な移植作”ではない。クラスLvアップボーナスやAI、必殺技、回復魔法の効果など数多くの問題点、賛否両論の調整も見受けられる。
-グラフィック ◎ 顔グラフィックの雰囲気が異なるが、原作の雰囲気を残しながら美麗に描き直されている。
-ストーリー ○ 原作者が加筆修正した内容なので、追加キャラクター、追加エピソードも原作の雰囲気を保っている。
//大幅な改良とは言い難いので、大幅な変更という表現に差し替えました。システム周りは改悪という表現でも良いかもしれません。少なくともお勧めできるゲームの候補にはならないですね。

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**ゲームシステムの変更点
''戦闘システムの変更''
-戦闘参加人数が10人から12人に増加。敵の数はさらに増えている。
-ユニットのWT値や各能力値、命中率やダメージ算出方法の見直しが図られた。
-原作では近接攻撃は必ずカウンターが発生していたが、本作ではスキルを装着しなければ発生しない。
-消耗アイテム周りの仕様変更。原作ではあらかじめ装備したアイテムしか使えなかったのに対し、本作では所持している全てのアイテムの中から使うことができる。
--「アイテムスリング」というアイテムを遠距離に投げられるようになる装備品も登場し、アイテムが高い利便性を持つようになった。また、一部の魔法にはMPではなく触媒アイテムを消費して使用するものもある。
-TP(タクティカルポイント)というステータスが新たに採用された。TPは戦闘時の行動(攻撃や被ダメージなど)で増加し、溜まったTPを消費し、武器の種類ごとにある必殺技や、クラスごとにあるアクションスキルを使用できる。連発はできないものの、威力の高さや効果の大きさからいずれも戦況に大きな影響を与えるものばかり。
-属性システムが大きく拡張。『ベイグラントストーリー』に近い雰囲気のシステムになっている。
--エレメントに「雷」と「氷」が追加され、全8属性になった。また、クラスによる属性RESは撤廃されており「弱点を突く」ことはできなくなった。
---雷と氷は取ってつけたような。という表現がしっくりくるほど眉をひそめるような存在感。地形変化を起こすこともなく、4属性のままで良かったのでは…。
---ウィザードが魔法を使うためのスキルは属性ごとに存在しているため、他の能力アップなどのスキルを着けるために使う属性は一つに絞ったほうが望ましい。また、「属性補正」というスキルを付けることで属性を持った攻撃の威力を高めることができる、といった意味合いのシステムとなっている。
---なお、この変更でフォリナー4姉妹が6姉妹になったわけではない((本作では4姉妹固有の二つ名も無くなっている))。しかし、クラス「シャーマン」にチェンジできるのはちゃんと6人である。
-魔法の習得は消耗品である呪文書の使用になり、アイテムで使用して初めて修得する。
--魔法にはⅠ~Ⅳの段階があり、それぞれ別のアイテムになっている他、範囲の増大なども能力値依存ではなく呪文書毎になった。また、マップ単位での攻撃魔法範囲は無くなった。
--習得前は消耗品扱いなのでイクソシズムやヒーリングの呪文書さえあれば、習得は出来ないが誰でも魔法効果をMP消費なしで使用可能。
---敵味方含め、回復魔法の効果が原作の半分以下でほぼ固定値になった。プリースト系が回復魔法のスペシャリストという立ち位置は難しくなった。
---スキルでセットして、習得した魔法を選ばないと使用できない。最大3枠だった魔法欄が大きく増えたが、魔法書を買って誰でも消耗品として使い捨てできるため魔法の意義が薄い。
---補助魔法は一度習得するとAIが有効ではない場面でも延々と使い続けるため、味方ユニットの習得には注意が必要。(忘れさせることは出来ない)
---これは味方にかぎらず、敵ユニットが延々と無意味な補助魔法を使用し続けるというAIの杜撰な処理もある。詳細は後述。
--武器の持つ「斬・突・打」という打撃属性、それに対する防具の相性というシステムが追加された。
--「種族特攻」が細かくなり、一部の武器に特定の種族に対する攻撃力が設定されていたり、「人体学」などのスキルを着けることで特定の種族に対する攻撃力・防御力を高められるようになった。
-原作では戦闘でHPが0になったキャラは(戦闘中に蘇生させないと)即消滅(ロスト)してしまっていたが、本作ではHPが0になってからさらに段階を経る仕様になったため、キャラロストの危険が大幅に減少した。
--味方のHPが0になると「負傷」という状態になりマップ上に残る。負傷したユニットは3ターン以内にアイテムや魔法を使って蘇生すれば、その場で戦闘に復帰可能。3ターン経過した場合はその戦闘への復帰ができなくなり、ハートの数が減る。このハートの数(初期個数は3個)が0になった時に初めてキャラがロストされる。
---蘇生用アイテムは高価だが序盤から店売りされており、ハートを回復させるアイテム(ただし入手は困難)もある。また、ロストしたキャラのスキルは他のキャラに継承させることも可能である。
---ただし、ウォーレンレポートには数がカウントされているので、負傷者ゼロを目指すなら注意。また、負傷にはユニットの忠誠度低下などのリスクもある。そして、どういう理屈なのかは知らないが、その負傷者が属している民族のカオスフレームが上がる。

''クラスとスキル・装備''
-クラスの種類・内容は原作をベースにしつつほぼ別物になっている。
--汎用クラスは男女ともに同じになった他、クレリック・プリースト・エクソシストのような似たようなクラス(原作ではいずれも回復魔法を使える回復職)は一つに統一された。汎用クラスは14種類+条件を満たすと手に入るものが3種類存在する。
--固有クラスは一部のキャラしか就けないという扱いで、固有クラスを持つキャラもクラスチェンジできるようになった。クラスを変えるには「職業の証」というアイテムが必要となり、頻繁な転職が抑制されている。
--ホークマン、フェアリー、リザードマンといった亜人種も、制限付きだが人間同様のクラスチェンジができるようになった。また、その種族専用のクラスも用意されている。
-「スキル」システムが追加。ユニットを自分好みにカスタマイズできるようになった。
--スキルがクラス毎に制限されるため、原作のように好きな装備品を選べない。カスタマイズできるように見えて、FFTより制限が強く存在する。習得しても他で使用できない死にスキルが多い。
--特にフェアリー、グレムリン、カボチャヘッドのクラス扱い、固有スキル扱いが酷く、ファミリアと各クラスで共有可能なスキルが乏しい。
--戦闘で手に入ったSPを消費しスキルを覚え、スロットに装備することで効果を発揮する。覚えられるスキルはクラスごとに異なり、クラスレベルが上がるごとに覚えられるスキルも増えていく。
--スキルはクラスによって効果を発揮しないものもある。また、アクションスキルは基本的にそのクラス専用のものになっており、他のクラスで使用することはできない。
---原作では似たような近接職だったナイトとバーサーカーは、前者はダメージを大幅にカットする「ファランクス」、後者は攻撃力を大きくアップする「ブラッディアサルト」というアクションスキルをそれぞれ使えるという形で差別化されている。
--「武器学」「属性補正」「種族学」といった効果を高めるスキルは、戦闘で該当した行動を取ることで経験値が溜まりレベルが上がっていく。このため、個性を付けて使い続けることで強くなる作りになっている。
//-クラス間のバランスが良くなり、新クラスも追加。絶対必要というクラスも無くなった。
//--「スキル」システムが追加され、ユニットを自分好みにカスタマイズできるようになった。覚えられるスキルはクラスごとに異なっている。
-レベルの管理が「キャラごと」から「クラスごと」に変更(同じクラスに就いているキャラ同士で共有する)。経験値は戦闘終了時に自動で活躍度に応じて配分されるため、投石などのチマチマした経験値稼ぎをする必要はなくなった。
--オリジナル版で賛否両論を起こしていたトレーニングは削除。自由にレベルを上げたければ、エンカウントバトルを発生させる必要がある。
-装備については原作の「誰でも何でも装備できる」という仕様から、クラスによって装備品に制限がある((誰でも弓を装備できた原作と異なり、弓はアーチャーなどの一部クラスのみ装備できる。))という通常のRPGに近い仕様になったが、その代わりアイテムの総数や種類は原作から大幅に増えている。
--また、「強い武器ほど重い」という原作の仕様はオミットされ、新たに装備にレベル制限(クラスのレベルが装備の持つレベル制限を越していなければ装備できない)が加わっている。
--キャラの持つエレメントは撤廃。クラスの得意武器も撤廃。
--ショップでは素材を使って合成を行うことで、装備品の強化を行うことができる。

''前代未聞のUNDO機能「C.H.A.R.I.O.T.」''
-本作のタイトルにもある「運命の輪」と呼ばれるシステムの一つ。その内容は「50手以内の行動なら何時でも行動をやり直すことができる」という衝撃の内容。敵に攻撃をガードされても、攻撃する位置を変えることで当てることができたり、ユニットが戦闘不能になったらその前に戻して戦闘不能を防いだりすることが可能。これでヌルゲーになってしまうのかというとそうではなく、このシステムを前提にしているためか敵も結構強くなっているため、ヌルくはならない。
--使う使わないはプレイヤーの自由。また、ウォーレンレポートには一回も使用しないで勝利した回数が記録されていくため、どこまで使わずに行けるかを競うのもよい。

''さらに充実したやりこみ要素''
-オリジナル版では「死者の宮殿」という、連続してマップを攻略していくものがあったが、本作ではこの手のバリエーションがさらに増加。当然ショップなどで手に入らないアイテムも入手可能。
-称号の追加。ストーリーで選ぶ選択肢や強敵を倒すなどの行動で獲得できるため、やりこんだ人への勲章となっている。
-一回クリアすると、もう一つの運命の輪「W.O.R.L.D.」が解禁される。これは「自軍のユニットの強さを保ったまま、ルート分岐が発生する場所に移動してゲームを始めることができる」という、いわゆる「つよくてニューゲーム」の延長である。1周目で助けられなかったユニットを加入させたり、ルート分岐を楽しむことが可能となるが、敵の強さはこちらの最大レベルに依存するので序盤のボスを一方的にボコることは不可能。
--これを使うことによって「ロードのデニムとカチュア生存を両立(本来は二者択一)」や特定ルート限定の仲間も含めて全員集める、といったことが可能。
--ちなみに、シナリオそのものは変わらない。例えば1周目でカチュアを仲間にして、2周目で見殺しにしてデニムをロードにした場合、カチュアは仲間にいるがシナリオ上は死亡した扱いとなるため、グッドエンディングを見ることはできない。

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**グラフィック・シナリオ・BGMの強化
''グラフィック''
-グラフィックは基本的にオリジナル版と同じドット絵。もともと非常に緻密に描かれていたため、今見ても見劣りしないし、追加されたグラフィックも浮いておらずなじんでいる。
-会話やステータス画面で表示されるキャラクターは、オリジナル版の濃い画風のドット絵からイラストに変わっている。イラストは過去に『[[メタルギアアシッド]]』を制作し、『光の4戦士』でも吉田明彦と共に仕事をした政尾翼が担当。
--ザエボスなど原作のイメージからかけ離れてしまったキャラもいるが、吉田氏が監修を行っているため不思議と違和感は無い。吉田明彦氏はキャラクター原案の他にも、タロット絵やパッケージ絵などを担当している。
--マップのグラフィックは戦闘中にクォータービューから見下ろし視点に変えたり、拡大・縮小したりするといった機能も搭載。オリジナルより見やすくなった。
--限定版にはタロットカードと表紙絵の描かれたスタンドが同梱されており、眺めるだけで満足できるオウガコレクター垂涎の逸品。

''シナリオ''
-オリジナル同様松野氏が担当。校正こそ行われてはいるが、基本的な流れはオリジナル版と同じ。新たなルート分岐は存在しない。倫理的にヤバいであろう「さっすが~、オズ様は話がわかるッ!」やバルマムッサの大虐殺などはきちんと残されている。
-キャラクターの掘り下げなどのテキストは大幅増。特に追加された部分で際立つのが、戦闘中にデニムや因縁のあるキャラが敵リーダーと掛け合いする場面が増えたこと。
--敵リーダーに存在した二つ名や、特徴的なテキスト(「ッ」や「ン」など)が削減されている点は賛否両論。
-ラヴィニス、クレシダ、アゼルスタンといった新キャラが登場。また、実質新キャラと言えるほどの描写変更を受けたキャラもいる。暗黒騎士団の紅一点のオズマなどがそれ。
-ウォーレンレポートの解説にも手が加えられ、一部のユニット(ヴォルテールやサラ、海賊ダッザなど)も掲載されるようになった。
--ヴォルテールやアロセールの解説文はSFC版のプレイヤーならニヤリとできるネタが仕込まれている。
-インターミッションではFFXIIの回顧録のように英語ボイスを交えた戦況説明がなされる。
-クリア後は無料のDLCによってifのシナリオを体験できる。
--原作では非業の末路を辿ったキャラを自軍に加えることのできる展開には多くのユーザーの賞賛を呼んだ。

''BGM''
-オリジナルを担当した崎元・岩田氏はもちろん続投、さらに複数のアレンジャー達によって豪華にアレンジされている。
--特にオリジナル版ではトレーニングのテーマで知られる「Harvest Dance」は原型を留めてないほどの大胆なアレンジが施された。また、一部『伝説のオウガバトル』で使用されたBGMも混ざっている。
-オリジナル版にあったサウンドテスト(MUSIC/ON)は、本作ではウォーレンレポート内の「ディーバの譜面」として存在。聴ける楽曲数は進行に応じて増える。ライナーノーツも健在だが、流石に反省したのか今回は真面目。
--限定版にはOSTも同梱されており、こちらも秀逸。今から手に入れるのであれば別売りの4枚構成サウンドトラックを推奨。SFC版音源(Disc4)も付いてきます。

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**評価点
''SFC版をプレイした人でも新鮮な気持ちでプレイできる''
-戦闘のバランスが再調整されたため、戦術の幅が広がった。
-追加要素のおかげで、コレクション要素も増えた。
-シナリオにも手が加えられている。
''テンポの良さ''
-敵AIの思考・移動時間が大幅に短縮されたため非常にサクサク進む。オリジナル版と比べるとその差は一目瞭然。
-ゲーム中のあらゆる場面でロード時間は短く、プレイテンポが良好。UMDのままでもそれなりにロード時間は短いが、メディアインストールを行うとほとんど気づかない程度にまでロードが短くなる。

**賛否両論点、問題点

''調整ミスと思わしき点''
-レベルアップボーナスの存在。
--戦闘後にクラスがレベルアップするごとに、そのクラスで「戦闘に参加していたキャラ」のベースパラメータが上昇するというもの。必然的に序盤から使っているキャラのほうが多くレベルアップボーナスを獲得するため、序盤から登場するキャラと終盤に登場するキャラとではベースパラメータに大きな差が出る。
--レベルが最大(50)になるとそれ以降そのクラスを使っていてもレベルアップボーナスは得られないため、''レベルアップボーナスの回数は有限''。
---このため、レベルアップボーナスを得るために''あえて使用せずレベルを低いままにしたクラスを保持しておく''というのが有効な攻略法になっている。
---クラスが多彩なだけに、それを縛るような調整は残念。レベルが最大になっていても経験値が入ればレベルアップボーナスを得られるなどの配慮が欲しかった所。
-スキルレベルが全体的に上がりにくい。
--武器学スキルはともかく、各種レジストや説得など経験値の入るタイミングがごく限定的なものでも一度に入る経験値はごくわずか。
-中盤以降の敵が無駄に補助魔法を多用するため、テンポが悪化する。
-一部の武器が隠し補正((装備者のステータスが高いほど強化されるというもの。))により同レベル帯の武器よりも非常にダメージが高くなるため、バランスが崩れている。
--最も顕著なのが「雷神の弓」。雷属性補正のスキルと相まって異常な攻撃力を発揮する。
-アイテム合成は成功率が低め。欲しいアイテムの合成素材を合成する必要があったり、一度に複数合成することはできなかったり、失敗しても素材は無くなってしまうため、リセットも含めて手間がかかりやすい。
これらの問題点は海外版にて修正されている([[参考>http://d.hatena.ne.jp/rhb/20111009/]])が、日本版でこのような修正は現在のところ行われていない([[FFTA>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/466.html]]と同様)。

''システム上の欠陥''
-序盤でも終盤でも、新たに仲間に入ったクラスはレベルは1で加入する。当然レベル1のままでは戦力にならないので主力級のレベルに追いつくまで育てなければならない。
--この「職業レベル制」の他、「武器レベル制」「合成と"+1"」「強化版の魔法がII~IVとつく」など『ファイナルファンタジーXI』から引用された要素がいくつか見られるが、これらによってゲームが面白くなっているとは言いがたい。
-人間以外のユニット(亜人、モンスター)をショップで雇用できなくなり、説得でしか仲間にできない。このため、オリジナルと異なり自由に名前をつけることが出来なくなった。
-弓ゲーぶりは前作から変わらず…というより前作以上。
-アイテムのドロップがランダムで、レアアイテムを落とすキャラが必ずアイテムを落とすとは限らない。そのため、お目当てのものを落とすまでC.H.A.R.I.O.T.を使って条件を変えながら敵を倒す「チャリオット回し」をせねばならない。

''隠し要素周りの不便な仕様''
-低レベル時限定でしかドロップしないレアアイテムが存在する。
--取得マップに戻れるようになる頃にはこちらのレベルがオーバーして、そのアイテムを二度と取得できなくなることもあるため、コレクター泣かせの仕様となっている。
-新キャラ、隠しキャラの加入条件が複雑。
--特定の場面で特定の会話を発生させたり、隠しパラメータであるカオスフレームが一定値を超えてなければならなかったりする。

-ウォーレンレポートには固有の見た目を持たないモブキャラに加え、倒した敵リーダーの詳しいプロフィールも加わっていく。
--…と見せかけて、序盤の数人と他ごく少数のリーダーしかウォーレンレポートには加わらないという肩透かしだった。

-ダウンロードコンテンツで原作では「惜しくも仲間にならなかった」人気キャラが仲間になるが、もう一人仲間にしたいという要望が高かったあるキャラを仲間にすることはできない。

#co{''ゲームバランス変化による一部クラスの不遇化''
-クレリック:HP回復や戦闘不能からの蘇生、アンデッドの除霊などを行うクラスだが、回復魔法の効果が弱体化、除霊・蘇生魔法も効率が悪く、道具でも代替可能なためメリットが少ない。(※クレリックの強みとしては「聖母の祝祷」という範囲HP回復がある。)
-ソードマスター:装備可能武器が両手刀のみになり、二刀流ができないように。また、魔法が専用のカテゴリ「武士舞」のみに。武士舞はTPと特定アイテムを消費して発動するため、資金を圧迫しやすい。中には使う意義が見出せないような武士舞もある。

''新たな成長システムによる問題点''
-序盤でも終盤でも、新たに仲間に入ったクラスはレベルは1で加入する。当然レベル1のままでは戦力にならないので主力級のレベルに追いつくまで育てなければならない。
-「レベルアップボーナス」の存在
--戦闘後にクラスがレベルアップするごとに、そのクラスで「戦闘に参加していたキャラ」のベースパラメータが上昇するというもの。必然的に序盤から使っているキャラのほうが多くレベルアップボーナスを獲得するため、序盤から登場するキャラと終盤に登場するキャラとではベースパラメータに大きな差が出る。そのため、結局使わないキャラが出てしまうおそれが大いにある。
--また、効率よくユニオン内のキャラのベースパラメータを上げていくためには「全員を同じクラスにする」というシミュレーションRPGとして何とも楽しみにくいものになってしまう。
--なお、海外版ではレベルアップボーナスによるベースパラメータの上昇が抑えられている。

''一部アイテムの中に、レベルを上げすぎると取得不可能になるものがある。''
-低レベル時限定でしか落とさない。取得マップに戻れるようになる頃にはこちらのレベルがオーバーして、そのアイテムを二度と取得できなくなることもあるため、コレクター泣かせの仕様となっている。

''AIのお粗末さ''
-序盤は気にならないものの、使ってくる魔法が増える後半は、無駄な補助魔法の掛け合い(直接攻撃補助の魔法を後衛ユニットにかけるなど)によりテンポが悪化。さらに屈強な暗黒騎士が傷ついた兵にキュアリーフ(たったのHP25回復)を使うなど、マヌケな行動が展開される。
-敵AIのみならず味方AI…つまり全てのユニットのAIにおいて、補助魔法を習得済みだと無意味なかけ直しを続けるというゲーム難易度に直結する不具合がある。このため、北米版では補助魔法の習得自体を敵ユニットにさせない=使わせないという変更がある。この国内版のAI問題は発売後から現在まで放置されている。
-装備の制限まで必要になってくるほど、このAI問題は根が深い。『序盤は気にならない』のは、序盤のユニットが補助魔法を覚えていないから。ただそれだけ。
-AIが高速なのは進化したわけではなく『補助魔法または補助魔法発動装備を所持していて使えるなら無意味でも使う』『HPが減ったら回復量にかかわらず消耗品を使う』という杜撰なAI処理に基づくもの。AIに複雑な条件を課さないことで高速な処理を実現している。このため国内版は戦略ゲームとして致命的で原作より圧倒的に難易度が低い。
-国内版での味方AI対処方法は下記の通り、1、全ての味方ユニットを手動操作する(AIにしない) 2、AIに任せる味方ユニットに補助魔法の習得と補助魔法発動効果のついた装備をさせない。
-一度覚えると忘れることは出来ないので、ポケモンよりもユニットの補助魔法習得には気を使うと言えば分かりやすいだろうか。※基本は覚えさせない。

''原作を超える「弓ゲー」っぷり''
-片手弓と両手弓があるが、両手弓が非常に強力。終盤はバランスブレイカーと化す。
-必殺技が高命中、ほぼ防御と耐性無視、射線無視であるためにほぼ即死。遠距離武器の弓とクロスボウの必殺技が異常に強い。弓、クロスボウの武器技能を習得している汎用ユニット全てがこの必殺技を使うため、バランスは前作より確実に崩壊している。
-必殺技の立ち位置が代わり、原作での死者の迷宮での一人に1つ習得(最大10人まで個別習得)では無くなったのも、本作におけるバランス上の問題を示している。

''アイテムの回収の面倒さ''
-今作はアイテムのドロップが完全にランダムで、レアアイテムを落とすキャラが必ずアイテムを落とすとは限らない。そのため、お目当てのものを落とすまで「チャリオット」を使って何度もやり直さなくてはならない。
-同じ倒し方では同じものしか出ないため、倒すときの立ち位置を変えるなどの工夫が必要で非常にタルい。

''アイテム合成が面倒''
-失敗することもある上、失敗すると合成前アイテムはなくなってしまう。つまり、成功するまでリセット必至。
-一度に複数個作成することが出来ないため、素材を揃えるのが非常に面倒。
-合成した武具も、”○○(武具名)+1”とショボいネーミングのものが多い。

''その他''
-転職が気軽に出来なくなった。「転職証」は消耗品で、一回クラスチェンジするごとに一つ消費する。基本的なものは店で売っているが、店売りしていないものは入手に手間がかかる。
-人間以外のユニット(亜人、モンスター)をショップで雇用できなくなった。今作では、説得でしか仲間にできない。そのため、説得スキルをわざわざ敵に合わせて習得&セットしないといけない、自由に名前をつけることが難しくなっている(モンスター系ユニットに限っては自由に名前をつけることは不可能)などの問題点が新たに発生。
-特殊な隠し補正を持った武器が強すぎる。本作にはそういった武器がいくつか存在するが、その補正があまりにも高すぎること、また味方も普通にその補正の恩恵を得てしまっている点が問題となっている。
-新キャラ、隠しキャラの加入条件が複雑。特定の場面で特定の会話を発生させたり、隠しパラメータであるカオスフレームが一定値を超えてなければならなかったりする。
-カードなどでステータスに個性がつけられるというが、上昇量が雀の涙ほど。
-「W.O.R.L.D.」のシナリオフラグ管理が非常に面倒。
-装備できる武具、スキル、魔法に、レベルごと、クラスごとに制限がきつく、自由度が低い。
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**総評
見た目こそ原作と同じだが、ゲーム部分はオリジナル版から全く別物と言えるほど激変している。~
変更・追加点の多くはオリジナル版からの拡張によるもので、新要素の導入でバランスや戦術の多様性、~
ボリュームは格段に向上し、プレイテンポも極めて良好に。~
粗の多かったオリジナル版の問題点を潰したつもりが、多くの新たな問題点を発生させてしまっており、原作であるSFC版は好きでも本作は好まないユーザーが多いのは残念な点だが、~
シミュレーションRPGの面白さを再認識させてくれる高い完成度の作品として仕上がっている。~
//総評に疑念が残ります。完成度の高い作品とは呼べないのでは?見た目も原作とは違います。

**総評2
(原作、PS移植、SS移植、国内限定版、海外版、FFT、TO外伝(GBA)もプレイした場合の感想)~
音楽が豪華に、見た目が現代風に美麗アレンジされた。美しいドット絵はそのままに、顔グラフィックを一新。~
追加シナリオは同じ人なので安心。追加キャラクターや追加エピソードは充実している。~

ボリュームは格段に向上した反面、&bold(){敵味方AIによる無意味な補助の連発}、~
&bold(){敵AIの回復アイテムの乱用}と&bold(){アイテム合成の待ち時間}でプレイテンポが劣悪に。~
高速なAIは複雑な条件判断をスルーした事によって実現されたとしか思えない精度。~
死者の宮殿やストーリー埋めなど、やり込むほどシステムの粗さというか雑さに眉をひそめてしまう。FFTより更に粗くなっている。~

粗の多かったオリジナル版の問題点を潰したつもりが、多くの新たな問題点を噴出させ、~
原作であるSFC版は好きでも本作は好まないユーザーが多い~
=10年以上待った原作ファンのオウガ離れを引き起こした問題作。~
シミュレーションRPGの面白さを再認識したいなら、&bold(){幾分修正された海外版}のプレイか&bold(){原作の再プレイ}を推奨する。~
音楽や顔グラ、ラヴィニスの有無やタコの変更程度なら原作の死者の宮殿を一周する間に忘れられるだろう。~

**余談
-リメイクにあたって原作より特別に贔屓されているようなキャラが何人かいる。

#region(ややネタバレ注意)
-一人目は弓使いのアロセール。
--他が「戦士」とか「騎士」とか「魔術師」なのにも関わらず、彼女だけ二つ名が「''雷神アロセール''」という伝説的存在のような名前。
---恐らく原作で「雷神の弓」を持って大暴れできた事に由来。本作でも前述の通り「雷神の弓」は非常に強力な武器となっている。
--原作ではCルートでしか仲間にならなかったが、本作では全てのルートで仲間になる。
-二人目は原作ではモブ(汎用)の敵リーダーだったガルガスタン人の騎士、ディダーロ。特にイベントもなく「無念のディダーロ」というヘンテコな二つ名が一部でネタになっていた彼だったが…
--なんと本作では各ルートごとに彼の登場する専用のイベントが追加。どのルートでも騎士の鑑と言えるような見事な生き様を見せ、多くのプレイヤーを魅了した。ちなみに3ルートで「無念」という台詞の使い方が異なる凝り様。
#endregion

-とある隠しキャラの仲間にする方法が変わっているため、仲間にできたという報告がしばらく流れなかった。
--ゲームの解析の結果、仲間になることそのものや専用クラスがあること、イベントが起きる場所などはすでに判明していたのだが、そのイベントが起きる条件そのものが全然わからず、「どこにいるんだ」「どうすればいいんだ」と連日混乱が起きていた。
--結局12月3日発売の攻略本によってようやくその条件が判明した。その条件が簡単なようで結構複雑にも見えるものだったため、「これは完敗だ」とプレイヤー達は松野氏を賞賛したという。

復元してよろしいですか?