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キャサリン・フルボディ」を以下のとおり復元します。
*キャサリン・フルボディ
【きゃさりん ふるぼでぃ】
|ジャンル|アクションパズル・アドベンチャー|CENTER:&amazon(B07H8H61ZL)&amazon(B07H8GKXWR)|
|対応機種|プレイステーション4&br()プレイステーション・ヴィータ|~|
|発売元|アトラス(セガゲームス)|~|
|発売日|2019年2月14日|~|
|定価|8,618円|~|
|レーティング|CERO:C(15才以上対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|あの問題作がリメイク&br;&br;救済処置の追加でパズルゲームは易化&br;新EDとやり込み要素が増加&br;Cキャサリンの声を変更できるDLCが登場&br;新ヒロインは中身も設定も賛否両論|~|
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*キャサリン・フルボディ for Nintendo Switch
【きゃさりん ふるぼでぃ ふぉー にんてんどーすいっち】
|対応機種|Nintendo Switch|CENTER:&amazon(B0869Q3XWD)|
|発売日|2020年7月2日|~|
|発売元|アトラス(セガゲームス)|~|
|定価|6,980円(税別)|~|
|レーティング|CERO:C(15才以上対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|PS4/PSV版の全DLC収録&br;声変更DLCが3種類追加|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
2011年に発売されたアトラスのゲーム『キャサリン』のリメイク作。『ペルソナ』チームの橋野桂氏が手がけたアダルティな雰囲気が特徴で、ゲーム内容はADVとパズルが中心である。『キャサリン』については、以下では「無印版」と表記する。『for Nintendo Switch』についてはシナリオでの追加要素はないが、DLCが全て最初から収録されている。

登場人物は概ね30代であり、全体的にアダルティな雰囲気のするゲームである。~

**ストーリー
> 32歳の冴えないサラリーマン、ヴィンセント・ブルックスは、5年来の恋人、キャサリン(Katherine)との関係に頭を悩ませていた。~
結婚願望があることを仄めかすキャサリンに対し、今はまだ気楽な独身生活を楽しみたいヴィンセントは、彼女にこれといった答えを出すことができず途方に暮れる。~
その最中、行きつけのバー「ストレイ・シープ」で深酒をあおっていたヴィンセントは、ひょんなことから恋人と同じ名前を持つ謎の美女・キャサリン(Catherine)と出会い、彼女に誘われるまま肉体関係を持ってしまう。~
「酒の勢いとはいえ浮気をしてしまった」と焦るヴィンセントだったが、それ以来ヴィンセントは奇妙な悪夢にうなされるようになる。~
~
最近町で噂されている悪夢。~
「落ちる夢を見たとき、すぐに目を覚まさないとそのまま死ぬ」~
~
この夢を見るのは女性関係に問題を抱える若い男性だけであり、それを裏付けるかのように次々と寝たままの状態で発見される男たちの衰弱死体。~
悪夢の正体は、浮気癖のある男を恨んだ魔女の呪いだとも噂されるが…。

-『フルボディ』では上記に加え、ストレイ・シープで飲んだ帰り道にリン(Rin)という記憶を失った人物を助ける展開があり、四角関係が生まれている。

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**評価点
-ストーリー
--恋人と浮気相手の''2人のキャサリン''とヴィンセントの三角関係が巻き起こす修羅場は目が離せなくなること必見。''こういう男女の修羅場が好きという人には満足できる出来となっている。''
---そもそも修羅場中心のシナリオはゲームではかなり貴重。%%作中で「生理」という単語が聞けるゲームもかなり貴重。%%
--ヒロイン2人を演じる三石琴乃氏と沢城みゆき氏といった実力派声優陣達の演技も高評価で、この修羅場ストーリーを盛り上げてくれる。
---男性陣もモブキャラクターを演じる平田広明氏や子安武人氏等といったベテラン声優が少なからずおり、個性付けに一役買っている。
--またシナリオには細かな伏線が張られており、周回プレイしたら理解出来る様になっている物もある。
---一例としてバーの看板娘「エリカ」や「ジョニー」などといったキャラの秘密があるのだが、この秘密は何気ない会話に伏線が張られており周回プレイで見つける楽しさを引き立ててくれるだろう。
---加えて行動やメールの返事でメーターが作動しEDが分岐するマルチエンディング方式をとっており、何気ない行動でどのような展開を迎えるのかを見つける楽しみもあり。

-キャラクター
--バーテンダーに日々出没する客達はそれぞれ悩みや性格など細かく設定されており、個性的な客達の話を聞ける。
---シナリオに関わる事はないので放置しても構わないが彼らの悩みを聞くことで、終盤では彼らを悪夢から救う事が出来る。ヴィンセントを思い出し(覚えていた)、悪夢から救ってくれた事に心から感謝する描写もあり達成感を感じられるだろう。

-お酒の豆知識
--バーで酒を飲むことでそのお酒の豆知識を聞ける。
--古今東西のユニークなお酒のエピソードはゲームのアダルティな雰囲気によく合っていると好評。

-グラフィック
--グラフィックは全体に評判が良いが、中でも評判が良いのは顔である。
--他ゲームのポリゴンだと顔のアップには微妙な出来の物があるが、今作のポリゴンはアニメ絵の良さを上手く取り入れているのか、表情が自然で豊かである。

-BGMはクラシック音楽をアレンジしたもので、緊迫感のあるゲーム内容とマッチしておりこちらも評価は高い。

-ゲーム内ゲームである「ラプンツェル」(本編のパズルと同システムで運要素を抑えたもの)に没頭するプレイヤーが出るなど、難易度と運要素を除けばパズル部分もシステム自体は完成度が高い。

***無印版からの改善点
''救済措置の増加''
-無印版では難しすぎて挫折するユーザーが多かったパズルアクションだが、今回は新たな難易度「''Safety''」を追加。
--時間制限・ゲームオーバーが無く、罠が発動しない。「エンディング保証」として、アクションパートでプレイヤーを支援するサポートシステムを追加。SafetyとEasyのみで選択できる「オートプレイ」を使えば、自動的に最短ルートを通ってのクリアが可能になり、難しいパズルがより、簡単にクリアできるようになった。
--さらにSafety限定で未クリアでもパズルそのものをスキップできるようになった。これにより普通にアドベンチャーとして楽しむことも可能。
--そのおかげでED回収とトロフィー集めが大幅にやりやすくなった。
-やり込み要素となるバベルモードでは、ブロックを二段飛ばしで登れるドリンクが3回使用できるようになった。
--最終ステージは20分以上の通しプレイとなる長丁場で、終盤でゲームオーバーになるとリトライに時間がかかるため、ミスした際のリカバリーが効きやすくなったのは大きい。
-上に乗るまでブロックの種類が不明なランダムブロックの仕様が変更され、罠だった場合は1回踏んだだけでは動作せず、2回目に踏んだ際に罠が発動するようになった。
--無印版ではブロックの種類を確かめようとするだけでランダムな罠が発動するため、場面によっては踏んでしまった時点で死亡が確定する非常に危険なブロックだった。

''シナリオ''
-さらに修羅場極まるシナリオ
--以前のKとCのキャサリンの2人ストーリーに加えて、リンも加わって四角関係とパワーアップしてかなりカオスになった。
--以前から評価された''男女の修羅場がより凶悪な物''となり、特に2人のキャサリンがヴィンセントに襲いかかるシーンは色々と衝撃的。

-Kキャサリンの追加エピソード
--ヴィンセントとキャサリンのハイスクール時代の出会いから恋人になるまでのムービーが追加された。ハイスクール時代のチアガールのデザインは高評価。

-EDの追加
--リンのEDも追加されたが、新たにKとCの新生EDも追加された。
--特にCの新生は正に新生であり、本当のハッピーエンドとも言えるものと評価されている。

-新たな悩み客も追加
--石油王やシェフなど新たな悩みを持つ客も追加。こちらも同様に悪夢から救い出すことも出来る。

''その他''
-カメラワークの改良
--無印版では立体的に進むパズルでありながら、プレイヤーの背面がよく見えないという不備があったのだが、本作ではプレイヤーがブロックの裏側にいる場合はカメラも背面に回るようになった。
--これにより無印版の問題点であった「裏スパイダー」がやりづらいという問題点も解消。

-パズル攻略のテクニックが見直せるようになった。
--これで教わったテクニックを忘れてしまっても安心。

-ギャラリーモードの追加
--無印版ではムービーやEDをもう一度見るギャラリーが無かったが、本作で追加された。

-新たなパズルの追加
--アレンジモード専用のブロックもある。階段状のブロックもあればテトリスのようなブロックもある。
--前作でプレイした事のある者にはやり込み要素が増え、今までの解き方ではそう簡単には解けないよう別物に仕上がっており、無印版経験者にも対応。

-ネロメガネモードの搭載
--豪華版の初回特典ではあるが、シナリオでキャラの寝巻き姿が見られる。
--女性キャラのあられもない姿を見ることができる。ついでに男性キャラも。

-ジョーカーの参戦
--アトラスつながりか、1人用モードのバベルに『[[ペルソナ5]]』の主人公であるジョーカーが参戦。
--ジョーカーが華麗にバズルを登っていき、仲間が実況してくれる。
--クリアすると怪盗団が呼ばれた理由と''ジョーカーが女難に気をつけること''を注意される。
--またバーで『ペルソナ5』のBGMも追加されている。

-コロシアム
--無印ではローカル2人プレイのみ対応でほぼ空気扱いだったが、本作ではオンラインにも対応した。そのため、印象が薄かったコロシアムはやり込み要素の増加で離れた強者と対戦出来るようになった。種類は3種類。
---ランクを気にせずに対戦相手がランダムで決まるカジュアルモード
---自分のレートと同じ相手に挑むランクモード
---フレンド同士のフレンドモード
--またキャラクター選択が追加され、ようやくコロシアムでヴィンセントが操作可能に。前作の羊人間はもちろんだが、キャラクターセットを購入するとジョニー達はもちろん、3人のキャラサリン、マトンとサブキャラクター全員と幅広く選べるように。%%邪魔したり、登ったりとストーリーで見られなかった光景だって見れちゃうゾ。%%

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**賛否両論点
-パズルアクション
--アクションとパズル的思考能力が純粋に試されるゲームであり、出来た時の爽快感は格別である。また独特のゲームシステムは中毒性がある。
--半面、そのパズルの難易度がきわめて高い。
---ただでさえステージ構成を立体的に把握して登っていかなければならない上、トラップブロックの配置や敵ボスの攻撃といった運要素も絡む(終盤は特に運要素が強い)。
---無印版の初期段階ではもっと鬼畜な難易度で、3段飛ばしの実装やリトライ回数増加を行ったアップデートが配信されたほどだった。
---公式ブログでも「難易度が高すぎる」という意見が多かったことに触れており、「悪夢のスリルやクリアの達成感を味わえるようという意図の調整だったが、スタッフ全員がゲームに慣れすぎてしまっていたのかもしれない」とコメントしている。
---また歩いた歩数やクリア時間、ステージ中に設置されたコインを取得した数によって評価が変化し、トロフィーをコンプリートするためには最高難易度の全てのステージで最高評価でのクリアが必須となるため、コインを回収しつつもなるべく短い時間と距離で登れるルートを素早く判断する必要がある。

-リンの正体
--リンの正体はPVを見ればある程度予測できるが、シナリオを進めると…。

#region(ネタバレ注意)
--やはり''男性''、いわゆる''男の娘''である。
---PVの描写から男性と予想していた者は多く((リンの全裸を見たヴィンセントが愕然としているというもの。))、マニアックなプレイヤーには好評だったが、女性じゃなくてガッカリという意見もある。
//---また、LGBTの観点から海外では「前作に主人公がトランスジェンダーのキャラ(リンとは無関係)をそのネタでからかう場面があり、今作でもトランスフォビア((直訳すると「トランス(ジェンダー)に関する恐怖症」だが、通常はトランスジェンダーに対する嫌悪や否定的な感情の意味。単純に「オカマは嫌い」といったような認識だけではなく、「当事者をそういうネタでからかう」なども含む。))が改善されていない」という指摘があったためか、海外版では一部の台詞が変更されている。

#region(さらにネタバレ注意)
-リンルートを進めると、''リンの真の正体は人類の進化を見守っていた宇宙人であった''というどんでん返しが待っている。
--これには夜魔や悪魔といった世界観から、急に世界観を広げすぎであるという批判もある。
--無印にも一応宇宙に関係を持つ要素があったが、宇宙人に関する伏線は今回に急に出てきたものである。
#endregion
#endregion

-Cキャサリンの理想の声
--本作はDLCが追加。Cキャサリンの声優を変更できる。デフォルトでは沢城みゆき氏と能登麻美子氏が最初から入っており、他はそれぞれセットとして購入可能。
---プリティーボイスは堀江由衣氏・釘宮理恵氏・悠木碧氏
---ラブリーボイスは戸松遥氏・豊口めぐみ氏・小清水亜美氏
---セクシーボイスは阿澄佳奈氏・水樹奈々氏・佐藤利奈氏
---また、あまり声とキャラクターが噛み合っていない声優が多数見られる点も批判が多い。あくまでもDLCなので興味のあるプレイヤーだけ対象である。
---余談ではあるがこのDLCで販売されたキャサリンの声は、沢城氏を含め全員『ペルソナ』シリーズの出演者である。
---Switch版ではCキャサリンの理想の声に井上麻里奈氏・竹達彩奈氏・花澤香菜氏の3名の声優が追加されている。

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**問題点
-スキップ機能解放が厳しい
--最高ランクを取ると、そのステージをスキップできるようになる。しかし、序盤ならまだ取り易いが終盤のステージでは困難。
--その為、何度も何度も同じ面をプレイして飽きやすいという点がある。

-パズル攻略についてのテクニックが、ゲーム中一度しか見られない。
--羊たちや天の声が技を教えてくれるのだが、一度しか見えないため復習ができない。

-ギャラリー、マルチエンディングのムービーリストやBGMリストといったおまけ要素がない。
--全EDクリア後にもう一度通してEDを観ようと思うと、もう一度プレイしなければいけない。
--こういったムービーゲーには必須とも言えるおまけ要素が無いのは問題である。

-告解室の質問
--告解室では様々な恋愛や男女についての質問がされるのだが、その質問をネットワークに繋げることで男女別の回答が分かるようになる。
--しかし、選択肢によって上記のエンディングに関わるメ―ターもあるので、本来のプレイヤーの意見ではない選択肢を選んでいる可能性も高く、結果ほとんど意味のないものになってしまっている。

-基本は一本道
--エンディングは変化するが、ストーリーは一本道で途中までは変化しない。
--Kキャサリン一途になろうとしたり、Cキャサリンに乗り換えようとすることも途中まではできない。

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**総評
シンプルな操作でありながら立体的に構成されたステージの数々は奥が深く、パズルとしての魅力は十分で貴重な修羅場でアダルティなシナリオと雰囲気はオリジナルティに溢れている。

さらに本作では無印版で挫折者を大勢引き起こしたパズルパートの改良とゲームバランスの緩和がなされ、シナリオやゲームシステムを楽しみやすくなっている。コロシアムのオンライン対戦といったやり込み要素も追加された。言及だけだったハイスクール時代も描かれ、より一層キャラクターの魅力を知れる作品となっている。

新ヒロインは賛否両論で、無印版からのシナリオ面での改変は少ないが、今から手に入れるなら間違いなくリメイク後の本作を勧めたい。

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**余談
-実は、2019年にSteamにて『CATHERINE CLASSIC』のタイトルでPC版が配信されていた。
--日本語は音声のみだが、解像度は4K対応でフレームレートも無制限にできる。
--…のだが、配信開始直後に日本のストアページでだけ何故か''9999円''という異常な値段がつけられ((北米での価格は19.99ドル。))、その数時間後に国内からは購入できない状態(いわゆる「おま国」)になってしまった。

-コラボ
--双葉社の恋愛コメディ漫画『やれたかも委員会』とコラボしており、作者の吉田貴司氏本人が手掛けた特別版が公開された。
--ソーシャルゲーム『デスティニーチャイルド』に2人のキャサリンとリンが登場していた。
---もちろんボイスは新録されている。2人のキャサリンはキズナ開放をすれば姿は変わるが…?現在は入手不可である。
--他にもSEKAI NO OWARIによるイメージソング『Re:set』がPV第4弾に使用されている。
---実はゲーム内でも、タイトル画面で放置しているとこのPVが視聴できたりする。

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