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スリーピングドッグス 香港秘密警察」を以下のとおり復元します。
*スリーピングドッグス 香港秘密警察
【すりーぴんぐどっぐす ほんこんひみつけいさつ】
|ジャンル|>|アクションアドベンチャー|CENTER:&amazon(B008F6HOTQ)&amazon(B008F6HV80)&amazon(B009CQV5FM)|CENTER:&amazon(B00MA5TSFQ)&amazon(B00MA5TSEM)|
|対応機種|>|プレイステーション3&br;Xbox 360&br;Microsoft Windows&br;プレイステーション4&br;Xbox One|~|~|
|発売元|>|スクウェア・エニックス&br;バンダイナムコゲームス |~|~|
|開発元|>|Square-Enix London Studio&br;United Front Games|~|~|
|発売日|PS3/360/Win|2012年9月27日|~|~|
|~|PS4/One|2014年10月14日|~|~|
|定価|PS3/360|7,980円|~|~|
|~|Win|4,180円|~|~|
|レーティング|>|BGCOLOR(crimson):''&font(#ffffff){CERO:Z(18才以上のみ対象)}''|~|~|
|廉価版|PS3|2014年3月27日/3,990円|~|~|
|備考|>|Definitive Edition(PS4/One)は日本未発売|~|~|
|判定|>|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
|ポイント|>|『トゥルー・クライム』から派生した作品&br;香港を舞台としたオープンワールド&br;映画顔負けの豊富な格闘アクション&br;職責・友情・偽りの忠誠の葛藤を描く物語|~|~|
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#contents(fromhere)
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#center(){{
 &big(){''オープンワールドゲームと香港映画の融合''}
}}
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**概要
サンフランシスコ市警察の組織犯罪対策部に所属する中国系アメリカ人の''ウェイ・シェン(Wei Shen)''刑事を操作しゲームを進めていく、『[[GTA>Grand Theft Autoシリーズ]]』シリーズに範を取ったと思われるオープンワールド型アクション。~
広大な香港島を自由に歩き回ることができ、乗り物やサブ要素も多数ある。~
キャラクターを第三者視点で操作してゲームを進めていく点では、RPGやTPSの要素も取り入れている。~
主人公は本来刑事なので、裏社会の住人としての活動と警察官としての活動の両方が可能なため、多面的な立場でゲームを楽しめる。

元々は『GTA』フォロワーの1つである『トゥルー・クライム』シリーズの第3作『トゥルー・クライム:ホンコン』として開発されていた作品である。~
前2作同様、Activisionから2011年に発売予定だったが諸事情で開発中止となり、その後はスクウェア・エニックスが販売権を獲得。~
以降、Square-Enix London StudioとUnited Front Gamesの共同で開発が継続された末、発売に至ったと言う経緯がある。~
タイトルが変更されたのはスクエニが『トゥルー・クライム』の商標権までは取得しなかったため。~
『トゥルー・クライム』シリーズは『GTA』に倣ったクライムアクションだが、シリーズを通して''主人公が警官である''ことと、''格闘要素が充実している''と言う特徴があり、タイトルが変わった本作もそれに準じている。

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**ストーリー
-''ウェイ刑事''が「''サン・オン・イー(Sun On Yee)''」と呼ばれるトライアド(マフィア)への潜入捜査を命じられる。
--ウェイはサンフランシスコ市警であり、出向の形で各捜査に協力する。
-表向きはトライアドの一員として犯罪に手を染め、刑事としての職務と、サン・オン・イー構成員であり、幼なじみのジャッキーへの友情との葛藤に苦しみながら、ストーリーが進行する。
--最終的には、自らがトライアドの暴挙を抑えなければならないという、ウェイ刑事の葛藤が描かれている。

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**特徴
-『GTA』シリーズと同様に再現された''香港を自由に行動しながらミッションを遂行していく。''
--ゲーム中は''「トライアド」''と''警察''、双方からの依頼をこなし物語が進展していく。
--これらに挑戦すると、両者の経験値が取得でき、新たな技の習得やダメージ軽減など、様々なアップグレードが可能になる。

-舞台となる街は、実在する4つの都市を繋げて一体化させた香港島。

-プレイヤーが操作する主人公''ウェイ・シェン''は、歩いたり走ったりできるだけではなく、ジャンプや泳ぎ、障害物によじ登ることもできる。
--パルクール要素が各所にあり、低い壁を上ったり、フェンスを飛び越えるなどの快適で自由な移動が可能。

''隠れ家の機能''
-『GTA』シリーズでは自分で隠れ家を購入できたが、今作では主人公の隠れ家は、自ら購入できず、ストーリーを進めていくと増えていく。
--隠れ家のベッドを使用すると約6時間経過する。ライフが全回復し、服の血が除去される。またオートセーブされる。
--クローゼットを使うと、入手した服に着替えることができる。
---自分だけのコーディネートを登録可能で、ギャングファッションやオシャレも自由自在。また、洗面台を使うと服に付いた血が除去される。
--冷蔵庫にはドリンク「ドラゴンキック」が常備されており、飲むと攻撃力に特殊ボーナスが付き、ライフが全回復する。
--トイレで用を足すと、ウェイがスッキリしてライフが全回復する。時間経過したくない時にオススメ。
--ハウジングシステムも実装。各地に存在する、家具商人から購入できる。

''アクション''
-戦闘は、主に武術を駆使して敵を打ち倒すカンフーアクション。
--敵からナイフ、パイプレンチのような武器を奪って使用でき、銃器は特定のイベントなどで入手できるのに加え、気迫ゲージという戦闘システムがある。
---戦闘で使用するゲージで、敵にダメージを与えると上昇していき、ダメージを受けると減少する。
---ゲージが満タンになると一定時間ライフが回復し続け、さらに敵がおびえるようになる。
---満タンになったゲージは少しずつ減っていくが、攻撃をし続けることである程度は維持し続けることはできる。

-銃撃戦では、壁や車といった遮蔽を利用しつつ、敵を射撃する。
--遮蔽物から飛び出すと、スローモーションが発動。スロー中に射殺する事で効果が延長される。

-地形を利用した必殺技「''フリースタイルフィニッシュ''」
--敵を掴むと特定の地点が赤くなり、そこまで引っ張るとフリースタイルフィニッシュが使用可能。
---内容としては公衆電話を何度も叩きつける、水槽にねじ込む。海辺や高台では投げ落とすことも可能。
---いくつか仕様は異なるが、『[[龍が如く]]』のヒートアクションのような大技である。
-車両から別の車両に飛び移る、映画のようなド派手アクション''「スタントジャック」''
---特定のタイミングで大ジャンプを行い、強引にハンドルを奪う荒業。
---通常車両はボンネットへと飛び移るが、トラックなどの場合は、荷台やルーフを伝って運転席へと移動する。

''移動手段''
-車やボート、バイクを運転して、香港の街中を自由に走り回る。
--車両はミッションで入手したり、カーディーラーから購入できる((ただし、盗難車をパーキングに保存することは不可能。))。
---手に入れた車は各所のパーキングから使用できる。条件を満たせば、子分に運ばせることも可能。ただし、ボートは保有できず、港に停泊している物を使う。
--街ではタクシーを見かける場合があり、お金を支払って各所へと移動できる。
---いわゆるファストトラベルであり、別の街に移動したい時に有用。

''メインミッション''
-サン・オン・イーの一員として活動する''「メインミッション」''
--暴力や血が吹き荒れる非合法活動に手を染め、チンピラから成り上がっていく。
---時には潜入捜査官として、警察の情報網や道具を使い、状況を好転させる事も。
-警察官として、香港の犯罪に立ち向かう''「警察ミッション」''
--各都市で起こる様々な犯罪を、同僚であるテン警部補と協力しながら解決する。
--薬物売買といった基本的な犯罪や、謎の殺人事件等に切り込んでいく。
---厳密にはサブミッションに当るが、一部メインミッションでは、警察ミッションのクリアが必須となっている場合もある。
--一度クリアしたメインミッションは、何度でもリプレイができる。

''サブミッション''
-ヒロインと付き合い、恋愛関係となる''「デートミッション」''
--メインミッションで出会った女性達から電話番号を貰い、後日デートに誘える。
---複数の女性と関係を持つことも可能。ただし、浮気者にはそれなりの扱いが待ち受ける。
--内容としては簡単なミニゲームや、パルクールアクションなど様々。難易度は低め。
---攻略すると、収集要素がミニマップに表示される((接近するとアイコンが出現する。全体マップには表示されない。))ようになる。
---余談だが、デートミッションの最後には性的な隠喩が表示され、''明らかに致している''…。

-サン・オン・イーの仲間達、街の住人からの頼みごと「''依頼''」
--保険金詐欺に加担する、浮気の調査といったサブミッションらしい内容。
---別のミッションなどから、依頼へと派生する場合もある。

-他には、''「レースミッション」'''「借金回収」'''「車両回収」''など、豊富な内容が用意されている。
--概ねが明るい展開であり、本編がダーティな展開な事もあり、その対比とみられる。

''能力強化''
-レベルは3種類あり、レベルアップの方法やアップグレードの種類もそれぞれ異なる。
--それぞれのレベルをあげると、特殊な技術が身につけることができる。

-他にも、カンフーを会得する、ライフ値を上げるといった要素もある。
--レベルを上昇させるポイントは、ミッションでどのように振舞うかで、それぞれのポイントが得られる。
--どちらしか上げられないということは無く、両方上げることも可能。
--警官とトライアドは、ミッションリプレイでハイスコアを更新すると、その点数分加点される。

-''警官 レベル''
--いわゆる「善人」プレイをすると経験値が入る。このレベルを上げることで、警官アップグレードを獲得でき、特殊なスキルが身につく。
--主にカーチェイス関係の効果や、銃撃能力を強化できる。
--犯罪行為を行わずに、ストーリーや警官ミッションをクリアすると、経験値を獲得できる。
--ポイントが最大の状態からミッションはスタートし、犯罪行為((敵以外の人を攻撃する、他の車にダメージを与えるなど。))を行うたびに減点され、クリア時に獲得できる経験値が減っていくという形式になっている。
--人が乗車している車を奪ったり、車で柵や車に衝突するだけで減点される。

-''トライアド レベル''
--いわゆる「悪人」プレイをすると経験値が入る。このレベルを上げることで、トライアドアップグレードを獲得できる。
--ダメージ軽減、特殊アクションの追加といった戦闘能力の強化が行える。
--メインミッション(またはトライアド関連のDLCミッション)でしか、ポイントを獲得できない。
--ミッション開始時、トライアドポイントはゼロからスタート、カウンターや近接武器攻撃など、特殊またはより強力な攻撃を繰り出すことで増加していく。
--戦闘が無いメインミッションでも、レースの勝利等の条件を満たす事で加点されていく。

-''カリスマ レベル''
--このレベルを上げることで、カリスマアップグレードを獲得できる。
---飲食による特殊ボーナス延長効果や、値引き効果などが付与される。
--サイドミッション(依頼やレースなど)をクリアすると、カリスマポイントを獲得できる。
--特定の服装や乗り物を購入するためには、設定されたカリスマレベルまで上げる必要がある。

-''カンフー''
-ウェイがかつて通っていたカンフー道場に戻り、様々な技を体得する。
--ミッションで初めて訪れた際には無条件に鍛えられ、以降は盗まれた十二支像を取り戻し、修行をつけて貰う。
---十二支像は収集要素だが、メインミッションの過程で自然と集まる仕様となっている。
--徒手空拳の強化に始まり、骨を折る技や関節を外す大技も取得できる。
---師範であるクウォック師匠と語らいながら、ウェイの過去を聞くこともできる。

-''ライフ''
-収集アイテムである、体力やしろを5ヶ所発見して祈るたびに、最大体力値が増加する。
--序盤の体力はかなり厳しいので、街を巡りながらやしろを探すこととなる。

-また、街で販売されている食べ物などを購入すると、ライフが全回復、一定時間だけ特殊ボーナスも得られる。
--これらの特殊ボーナスは最大3つまで付与される。
--カリスマレベル上昇により、ボーナスの効果時間が延長される。
---露店での食事:非戦闘時、体力が最大値まで自動回復する((通常では最大体力の半分までしか回復しない。))。
---ドラゴンキックドリンク:格闘で与えるダメージが増加。
---漢方茶:受けるダメージが軽減。
---マッサージ:気迫メーターの上昇率が増加。

''服装''
-かなりの種類が用意されており、街中の洋服屋や、隠れ家のクローゼットで服装を変更できる。
--服装の組み合わせによって、戦闘能力の向上や、トライアド・警官・カリスマ経験値にボーナスが入る。
---腕時計やブレスレット、帽子なども装備できる。オシャレに決めて、街を練り歩こう。
--DLC衣装では孫悟空、1980年代のようなコスプレや、''全身が光沢を放つ銅像のような''ブロンズなど、様々な衣装が勢揃い。
---カンフー映画、ノワール映画へのオマージュ的衣装や、バカゲー的衣装も多く登場。
---スクウェア・エニックス繋がりで、『[[デウスエクス]]』のアダム・ジェンセンのコスチュームや、『[[HITMAN]]』からはエージェント47のスーツなども着用できる。

''手配''
-今作も手配度システム''「ヒートレベル」''が搭載されている。
--主人公が警官の眼の前で、車やオートバイの窃盗、交通事故を起こしたり銃の所持を行うと付与される。
---現金輸送車の強奪、一般市民の大量殺人、警察官の殺害を行うと即座に手配される。
--また、警官(ミニマップに青いアイコンで表示)が近くにいる状態で犯罪行為を行うと、ヒートレベルが上昇し、警官が逮捕または銃殺を試みるようになる。
--警察の包囲網から脱出するか、警察車両を走行不能にすれば、直ぐに解除される。
---逃げずに戦うとヒートレベルが上昇し、より強力な警官が出現するようになる。なお、ヒートレベルは最大で5まで存在する。

''その他''
-ピッキング、金庫破り、盗聴器のセット、監視カメラのハッキングなど特殊な操作を行うミッションが各種発生する。
--それぞれが、簡単なミニゲームのようになっている。
-スマートフォンを使って写真撮影もできる。様々な香港の街を撮ることができる。
--証拠写真の撮影にも使用する。判定はかなり甘いので、初心者にも安心。

''ダウンロードコンテンツ''
-追加ストーリー付きDLCが、三種類存在する。
--本編から独立したコンテンツが2つあり、セーブデータは共用できない。
--DLCをクリアすると、DLC衣装や追加アイテムが本編で使用可能となる。
-''『Nightmare in North Point』''
--地獄から蘇ったサン・オン・イー幹部、スマイリー・キャットと対峙する。
---彼は配下として屈強なキョンシー、悪鬼の如き妖魔を引き連れ、香港を襲う。
---本編終了後の時系列であり、死亡したキャラクター達が霊魂として復活する。
--ウェイは法術拳を習得でき、気迫ゲージが蓄積すると拳が光を纏う。
-''『Year of the Snake』''
--旧正月に浮かれる香港の街。そこへ、カルト組織の魔の手が迫る。
--爆破テロに始まる、カルトの犯罪計画。これを鎮圧すべく、香港警察が立ち上がる。
---終盤では戦闘が激化、催涙ガスが支給される他、激しい銃撃戦が行われる。
--ウェイは潜入捜査官ではなく警官として活動、スタンガンや手錠が使用できる。
---警察車両が初期から使用でき、銃火器を所持しても手配されない。
-''『Zodiac Tournament』''
--香港島付近の孤島で開催される、格闘大会「ゾディアックトーナメント」。
---ルール無用のフリーファイトを行い、香港最強を目指す。
---多額の賞金が絡む闇トーナメント故か、様々な陰謀が参加者達を襲う。
--他のDLCと違い、本編に追加され、好きなタイミングで開始できる。
--映画「燃えよドラゴン」のオマージュであり、劇中ムービーは古びたフィルムのような加工が施されている。
-他にも経験値パック、資金パック((DLC統合版のDefinitive Editionには含まれていない。))や追加の服装、車両セットなどが存在する。


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**評価点
''東洋を舞台にしている''
-今までの『GTA』シリーズには無いアジア香港に町並みを忠実に再現して、アジア人の登場人物で構成されるシナリオは他のオープンワールドゲームには無いオリジナリティがある。
--また汗と埃にまみれた下町や夜店の雑踏、洗練されたオフィス街や住宅街が混在する香港の描写は、うまく雰囲気をかもし出している。

''香港映画を再現したようなメインストーリー''
-古き良きカンフー映画の主人公になったような、爽快感をもたらしてくれる。
--メインストーリーもマフィアに、警察官がスパイとして送り込まれたという刺激的で、大人も充分に楽しめる内容になっている。

''香港アクション映画を思わせる、流血と爆発などの激しい戦闘やカースタント''
-今作は『GTA』シリーズと大きく異なるのが、中国拳法をアクション取り入れていることであるため、''アクションにおいては『GTA』シリーズよりも作りこまれている。''
--メインストーリーでも、拷問・暴力・残酷シーン満載のためか(これまた香港B級カルト映画を思わせる)、レーティングはCOLOR(red){''CERO:Z''}(18歳以上のみ対象)となっている。
--格闘戦では打撃、投げ、カウンターを織り交ぜ多彩な技を駆使して途切れの無い格闘アクションを楽しめる。
--近接武器も多く、厨房の包丁や傘はおろか、通行人が落としたハンドバッグや水槽の中の魚でも武器になる。
--さらに、マップ上に点在する電話ボックスやゴミ箱などのオブジェクトを駆使したフリースタイルフィニッシュで、電気配線の所に頭をねじ込み感電させたりと、映画のアクションシーンそのものを再現できる。
--アクション苦手な人にも、ボタンを押すだけの安心操作に作らており、流れるようなカウンター攻撃も決められる。
-- 銃撃戦では、遮蔽物を利用したカバーアクションができ、遮蔽物から飛び出しながら撃ったり、爆発物を爆発させて敵を吹き飛ばしたり、映画の様に車から飛び降りながら撃つことも可能である。
--運転中でも、迫力のカースタントや激しいカーチェイスができる。
--戦闘ともなると数々の過激なアクションが満載。敵の車への体当たりや銃撃はもちろん、走っている相手の車へ飛び移り、無理矢理車を奪い取るような荒技だって可能!
---ただし、バイクに対してスタントジャックをすることはできない。

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**賛否両論点
''武器''
-本作では香港の法律に照らしてか、''銃器の販売はされていない''、銃火器類はパワーアップアイテム扱いになっている。
--銃を持ち込んだとしても、大抵はミッション開始時に消滅するため、銃器を自由に使えない。
-しかし、銃火器があると素手のチンピラは簡単に倒せるため、バランスを取っていると思われる。

-近接武器に関しても、同様にパワーアップアイテム扱い。
--ミッション外で手に入る武器は、低性能の通行人の手荷物や、車両のトランク((本編では説明されないが、一度乗った車両から入手できる。))にあるタイヤレンチぐらいしか手に入らない。
--ミッション開始時に消えやすいのも同様。
---ただし、今回はカンフーアクションに主軸を置いており、なおかつ主人公は警察官ということもあって、基本は殺人をしてはいけない立場だから、という擁護意見もある。

''シナリオが一本道''
-せっかく警官、マフィアで分かれているのに、シナリオは一本道である。
--そのため「警察」よりに成長させるか、「トライアド」よりに成長させるかでマルチエンディングにしたら良いのではという意見がある。

-しかし、本作のストーリーは潜入捜査官であるが故の葛藤も多く見られ、終盤の演出は素晴らしい物がある。


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**問題点
''人物のビジュアルが微妙''
-登場人物の表情や造形が不自然と思うユーザーがいる。
--またデートできる女性の造形は悪く、デートミッションに関しても、あまり嬉しくない。

''デート''
-女性のデートできるイベントがあるのだが、かなり薄味。
--デートミッションは一回きりであり、以降は特に絡みが無いキャラが数名いる。

-ウェイに関しても、出会う女性に片っ端から手を出す不自然な点がある。
--このためか、一部の女性が''浮気に気づいて激怒''、縁を切られるイベントがある。
--デートミッションをクリアすると、収集要素が表示される利点があり、浮気をした方が有利なバランス。
--あるミッション中で「遊んでいる最中?」と言われ肯定するが、その性格は主人公としていかがなものか。

''ポイントについて''
-メインミッションで手に入る、トライアドポイントが明らかに少ない。
--普通にプレイしていると、ポイントが足らずにエンディングを迎える。
---こうなってしまうとメインミッションのリプレイを行い、ハイスコアを更新するしかない。
--これを防ぐには、メインミッション時、トライアドポイントが上昇する衣装を身につける必要がある。
---このため、服装が固定されてしまう。DLC衣装などを購入しても、メインミッションでは着用が憚られる。
---DLCで経験値パックを買っても解決できるが、課金要素で補うのは違和感がある。

''メインミッションしかリプレイできない''
-警察ミッションを始めとしたサブミッションは、一切リプレイできない。
--もう一度遊びたい場合は、セーブデータを作り直す必要がある。
--DLCのメインミッションも同様であり、クリア後はできることが激減する。
---Zodiac Tournamentのみ、リプレイ機能が用意されている。

''戦闘面について''
-初期状態の主人公はHPがかなり低く、戦闘が難しい。
--プレイヤーが慣れていない序盤では、頻繁に病院送りにされることも珍しくない。
---街で体力のやしろを探し、HPを増やすと多少楽になるが、初期はマップに表示されない。
--序盤は無理に戦うよりも、車で轢き殺す地味な戦い方が安定する始末。
---しかし、敵も車を回避するルーチンが組まれており、轢殺も時間がかかる。

-格闘戦では、入力猶予が長いカウンター攻撃が非常に万能。
--あまりにも強すぎる為、単調になるという意見がある。
--強化カウンターも会得できるが、ボスの大多数が耐性を持っており、使用すらできない。

-フリースタイルフィニッシュを使った場合、獲得トライアドポイントが大幅に減少する。
--敵を一撃で倒せてしまうのもあってか、使用すると低いポイント((20ポイント。カンフーで倒した場合は、より多くのポイントを獲得できる。))しか獲得できない。
---数多くのフリースタイルフィニッシュが用意されているが、使いたくても使えないジレンマに陥る。

''ボリュームが少ない''
-メインミッションだけサクサク進めたら数時間でクリアできたという人も。

''運転中のカメラワークが悪い''
-移動手段が重要なオープンワールドゲームにおいては致命的な問題である。特にバック時が評価は低い。

-カメラが後部下側に回る場合があり、場合によっては視界が狭まってしまう。

''主人公が英語オンリーで広東語を喋らない''
-主人公は中国訛りがはっきり分かる英語を喋るのだが、香港出身という設定なのに広東語を喋ってくれない。
--そのため、広東語しか喋れないキャラと会話する時におかしな感じになる。

''オンライン要素が薄い''
-シングルプレイのみで、オンライン要素はネットランキングだけ。
--これが前述したボリュームの少なさに拍車を掛けてしまっている。

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**総評
一見、よくある『GTA』フォロワーのクライムアクションだが、『GTA』とは違いアクション面に特化した点や、アジア圏が舞台のオープンワールドと、独創性が高い。~
内容としても香港映画顔負けの格闘戦や、緊張感溢れるカーチェイスなど過激なアクションも魅力的である。~
細かな点で不満があるものの、全体的にアクションに特化したオープンワールドとして完成されていると言えよう。~

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**余談
-オリジナル発売から僅か2年後の2014年10月、海外でリマスター版である『Sleeping Dogs: Definitive Edition』がPS4/One/Winで発売された。
--1080pへの対応・ゲームバランスの調整・全DLCの統合などが行われている。ただし、「海外で」とあるように残念ながら''日本未発売''となっている((PS4版はトロフィーのみ日本語化されている。))((Win版はSteamなどでダウンロード版が購入可能。ただし、日本語ローカライズはされていない…はずだったが、2022年になって有志の解析により日本語データが存在することが判明し、多少の手間がかかるものの日本語化できるようになったとの報告が上がっている模様。))。

-一応、『トゥルー・クライム』シリーズの新作ではあるが、そもそもこのシリーズは作品ごとに作風が変わるため、タイトルが変わっていることを差し引いても過去作とはかなり趣が異なっている。
--特にシリーズ第1作『トゥルー・クライム -STREETS OF LA-』は日本語吹き替えあり、一本道のストーリーに沿って進む形式、ミッションに失敗してもゲームが進む、''ドラゴンと戦う''など、1作目にして異色の作品であった。本作の後で原点としてプレイすると色んな意味で驚くだろう。
--一方、第2作である『トゥルー・クライム ニューヨークシティ』はリアル路線に転向し、比較的『GTA』に近い作風となっている。本作はその路線を引き継いでいると言える。%%ある意味、『[[Saints Row>Saints Rowシリーズ]]』シリーズの逆である。%%
---ただ、一般人を殺害した際のペナルティーが他作品と比べて重いためか、クライムアクションでは珍しくレーティングはCOLOR(orange){''CERO:D''}(17歳以上対象)となっている。
--ちなみに、第1作の主人公は本作同様に中国系アメリカ人、第2作の主人公は黒人なので、『トゥルー・クライム』シリーズには''主人公が有色人種''という共通点がある。

-2013年初頭に続編の開発に取り組んでいることが報じられ、主人公のウェイ・シェンがヘンリー・ファンというもう1人の主人公と共に行動し、ストーリー分岐などを盛り込んだ内容であったが、同年末に開発そのものはキャンセルとなった。

-2014年9月に本作と世界観を共有したオープンワールドのMMOアクションゲーム『Triad Wars』が発表されたが、2015年のクローズドベータテスト中に開発中止となった。
--開発のUnited Front Gamesによると、「クローズドベータにて多くのフィードバックや情報、データを得た一方で、本作が大多数向けの作品ではなかった」と中止についての見解を述べている。
--そして、United Front Games自体もSteamのアーリーアクセスで新作である『SMASH+GRAB』を2016年9月に公開した直後の2016年10月にスタジオが閉鎖された。

-2017年3月に本作の映画化が発表された([[参照>https://www.gamespark.jp/article/2017/03/03/71969.html]])。主人公のウェイ・シェン役を香港の俳優であるドニー・イェン氏が演じるとのことだが、発表以来公式からの情報が途絶えてしまっている。

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