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バトルギア3」を以下のとおり復元します。
#contents()
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*バトルギア3
【ばとるぎあすりー】

|ジャンル|レースゲーム|~|
|対応機種|アーケード(SYSTEM246+HDD)|~|
|発売元|タイトー|~|
|開発元|タイトー&br;ネクステック((2005年よりネクスエンタテインメントに改名。2016年解散。))|~|
|稼働開始日|無印:2002年11月&br;Tuned:2003年12月|~|
|備考|ネットワークサービスは2005年12月26日に終了|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|前作からイメージ完全一新&br;COLOR(#33cc00){''Tuned''}で大幅進化&br;上級者御用達モード「匠モード」&br;''プレイヤーから見ればシリーズでも良心的作品''&br;&color(red){''ただしその全要素が楽しめるかは筐体次第''}|~|
|>|>|CENTER:''[[バトルギアシリーズ]]''|

**概要
バトルギアシリーズの3作目。シリーズで初めてネットワークに対応。2003年12月には新要素を追加したCOLOR(#33cc00){''Tuned''}が稼働している。&br()
Tunedでは「匠モード」が追加され、ゴーストとのタイムトライアルにおいて壁接触の無いタイムのランキングも同時に追加された。&br()
よりリアルとゲームが融合した挙動はさながら実車を操るかのような感覚をより楽しませる物となり、確固たるシリーズファンを生み出すことに成功した。&br()
…ただしそれは、今にして思えばシリーズファンの先鋭化という負の側面を伴うものでもあったのだが。

***本作の仕様

''筐体''

完全新規の2人用筐体が新造された。新筐体にはシート調整機構、「2V」で追加されたサイドブレーキも標準装備された。&br()但し2以前から3へコンバージョンする事は不可能となった。TunedへはDVDとドングルの交換でコンバージョンされた。&br()タイトーのネットワークシステム「NESYS」(Net Entry SYStem)にアクセスしている店舗では、オンラインによるアップデートができた。

''ネットワークエントリーシステム''

ネットエントリーキーを使用すれば、NESYSを通じて全国のプレイヤーとタイムを競い合ったり、専用Webサイト「BG3ガレージ」が利用できた。

''ネットワークサービス''

''最初から有料サービスと明示されていた''。但し登録した最初の7日間は無料で使用出来る措置が取られていた。&br()
また、無料で使用出来るBG3ガレージは「ネットランキング」が閲覧出来る程度だった。

''マイガレージ''

月額300円の利用料金を支払い、「BG3ガレージ」に「マイガレージ」を開設すれば、車の外観変更、TAのタイムデータ分析やチーム作成等のサービスが利用できた。&br()
当初から最後まで他ゲームでは採用されていたチューニング機能は未実装で、あくまで外観のみの変更となり、車高も変更できない(エアロ装着によって地上高は変更できる)。&br()
変更内容はフロントエアロ、サイドエアロ、リヤエアロ、ホイール、ウイング、ボンネット、ドアミラー、ボディカラーのみ。

1つのマイガレージでネットエントリーキーを最大64個登録でき、専用のステッカーエディタ(及び経由)で作成した16色PNG画像を車に貼り付けたり、チームステッカーとしても使用できた。
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***モード説明

''ノーマルレース''

複数台のCPU相手にレースをするモード。コースによって最大走行数は違う。~
基本的には難易度が1~4まで選択でき、難易度選択画面でハザードボタンを長押しすると「Oh yeah!」と言うボイスと共に「5」が選択できる。

''ワンメイクレース''

同時出走CPUがすべて自車と同じになるレース。モード選択画面で視点切り替えを押すことにより選択できる。

''タイムアタック''

前作からのメインとなる単独走行でのタイムを競うモード。タイムアタックに力を入れているシリーズなだけあって、&bold(){アーケードゲームとしてはシステムが極めて優秀}。~
エントリーキーを使用することによってゴーストカーを出現させることができ、近似タイム、同車種最速、地域最速、全国最速などの走行と競うことができる。

|ゴーストの種類|解説|
|おまかせゴースト|全国ランキングの自分より1つ上の順位のゴーストが出現する。未完走の場合は最下位のゴーストが出現する。|
|自分のゴースト|自己ベストのゴーストが出現する。|
|僅差ゴースト|おまかせゴーストの効果に加えて全エリアorエリア(ナンバー別)or店舗から絞込みする事が可能。|
|最速ゴースト|全エリアorエリアor店舗の1位のゴーストが出現する。|
|ライバルゴースト|マイガレージで指定した相手のゴーストが選択可能。|
|ゴースト無し|ゴーストが出現しない状態でタイムアタックを開始する。|

''匠モード''

COLOR(#33cc00){''Tuned''}で追加されたタイムアタックの高難易度モード。タイムアタックモードとの差異は下記のとおり。
-スタート位置が左右中心になり平等条件になる(タイムアタックは並列スタートのため、最初のコーナーに対して優劣が生じる)。
-壁に接触するとペナルティが判定され、ゴール後に実タイムから接触具合や回数に応じて加算される。

レースゲームとしては恐らく初めて、壁接触を明確にペナルティとして組み込んだ要素と言えるか。&br()
従来のレースゲーではコーナー速度を制御するためにコーナーの壁(主に内側)に擦るようにして走行することが必須テクニックとなっていた。&br()
が、このモードでは一度且つ少しの接触でも1秒以上加算されることがほとんどなので、上記テクニックは通用しない。

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**収録車種
収録車種数は3で57車種、COLOR(#33cc00){''Tuned''}ではPS2からの移植を含めて更に15車種が追加され、計72車種収録されている。~
因みにCOLOR(red){Tunedの収録車数は当時最多}で、この記録は今作から8年後の2011年稼動の『[[湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE4>湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE]]』まで破られなかった。~
収録車中には一部車体色やドレスアップパーツが用意されていない車種、パワーステアリング(以下パワステ)の無い車種もある他、~
前身作『[[サイドバイサイド]]』以来約7年ぶりの復活車種((BCNR33とS13の2台。年式はそれぞれ後期型、前期型へ変更されている。))や、前作からグレード変更((FC3S・NB8C・S14は限定のチューンド車(∞、A-Spec、K's MF-T)から一般販売車(GT-X、RS、K's AERO)へと変更。AE86レビンはパワステ無しで一般販売された競技向けグレード「GT-V」が前作まで登場していたが、今作でパワステ機能が導入された為、トレノと同じパワステ有の「GT-APEX」に変更された。))・マイナーチェンジされた車種もある。

3のメーカーや車選択画面の一覧表では、車のクラス表記が小さく、''初心者が「性能によるクラス差」に気づきにくかった''((クラス表記は前者では車名の左、後者では車名の左上に併記されていたが、これらの文字は全て白色だった為、素早く判別する事も難しかった。因みに駆動方式は従来と同様に表記すら無かった。))が、&br()''Tunedで色別クラス表記、駆動方式表記が追加。''一覧表や車名と併記されるクラス表記も非常に大きく表示されるよう改善された。

''Sクラス'' (Tunedでは最初から使用可能)~
本作の最上級クラス。無印では2003年2月7日のアップデートで使用可能になった。筐体設定で選択不可とする事も可能。~
殆どが『頭文字D』や『湾岸ミッドナイト』のオマージュ(ほぼパロディに近い)だが、一部実在する特別チューンド車も収録されている。~
『頭文字D』が元ネタの車は仕様のみならず、ドライバーのシルエットまでもパロディしている念の入れようとなっている。

''Aクラス''~
高出力スポーツカークラス。新車時点で280馬力制限で販売されている車種。

''Bクラス''~
中出力スポーツカークラス。出力が200馬力超の車種。

''Cクラス''~
ライトウェイトスポーツカークラス。150馬力前後の車種。性能バランスが丁度良く、意外と初心者向けかもしれない。

''Dクラス''~
コンパクトカークラス。出力が約100馬力弱と低い為、グリップ走行が基本となる。故にドリフトはほぼ不可能で、それ目的ではお勧め出来ない。~
''因みに3稼働当初はヴィッツのみだった''。2003年2月7日のアップデートでAE85が追加されたが、それ以外は全てTunedでの追加車種である。~
フィット・コルトはATでCVT(無段変速)を使用可能。継ぎ目無く加速できるが、エンジンブレーキ((ブレーキを踏まずにアクセルを離したり、ギアを落として徐々に減速させる手法。現実ではブレーキの酷使防止・オーバーヒート時にも使われる。))や回転数合わせの効果が薄い欠点がある。~

#region(収録車種一覧 クラス表記の背景色はTunedに準拠)

以下の太文字・背景色の意味合い
|''3初出Sクラス以外のアップデート追加車種''|
|BGCOLOR(#ff9966):ドレスアップパーツ、ボディカラー変更不可|
|BGCOLOR(#ffcc99):ボディカラーのみ変更可能|
|BGCOLOR(#ffdead):ホイール、ボディカラーのみ変更可能|

|''メーカー''|''車種''|''初出''|''備考''|
|>|>|>|BGCOLOR(#cc0000):&color(white){''Sクラス 全22車種(無印では2003年2月7日のアップデートで使用可能)''}|
|ホンダ|BGCOLOR(#ffcc99):NSX タイプR(NA2)|''3''|実車有、''パワステ無し''|
|~|BGCOLOR(#ff9966):インテグラ タイプR TURBO TUNED(DC2)|~|スマイリー酒井仕様((元ネタである「頭文字D」の酒井の前期型インテグラの色は「チャンピオンシップホワイト」(白)だが、無印3稼動開始時は公式設定が未確定で、プラモデルやセガ製ゲーム(Arcade Stage Ver.1の初期版)では「サンライトイエロー」(黄、本来は最終型限定色)と解釈されていた。その為、バトルギアでも「2」PS2版では黄色がデフォルトで白色がオプション、今作では黄色に固定されている。))|
|~|BGCOLOR(#ffdead):シビック タイプR TUNED(EK9)|~|二宮大輝仕様|
|マツダ|BGCOLOR(#ffdead):RX-7 タイプRS TWIN TURBO TUNED(FD3S)|~|高橋啓介仕様|
|~|BGCOLOR(#ff9966):RX-7 タイプRS SINGLE TURBO TUNED(FD3S)|~|岩瀬恭子仕様|
|~|BGCOLOR(#ff9966):サバンナRX-7 GT-X TUNED(FC3S)|~|高橋涼介仕様|
|三菱|''ランサーエボリューション VIII RS(CT9A)''|COLOR(#33cc00):''Tuned''|実車有|
|~|BGCOLOR(#ff9966):ランサーエボリューション VII RS(CT9A)|''3''|実車有、ラリーカー仕様|
|~|BGCOLOR(#ff9966):ランサーエボリューション IV TUNED(CN9A)|~|岩城清次仕様|
|~|BGCOLOR(#ff9966):ランサーエボリューション III PCCS TUNED(CE9A)|~|須藤京一仕様|
|日産|BGCOLOR(#ffcc99):スカイラインGT-R TUNED(BNR34)|~|黒木隆之仕様風|
|~|BGCOLOR(#ff9966):スカイラインGT-R TUNED(BCNR33)|~|黒木隆之仕様|
|~|BGCOLOR(#ff9966):スカイラインGT-R TUNED(BNR32)|~|中里毅仕様|
|~|BGCOLOR(#ff9966):180SX TUNED(RPS13)|~|シルエイティそのもの&br()佐藤真子&沙雪仕様|
|スバル|''インプレッサ WRX STi spec C tuned by STi(GDB)''|COLOR(#33cc00):''Tuned''|中期型ベース、実車有|
|~|BGCOLOR(#ffcc99):インプレッサ S202 STi version(GDB)|''3''|前期型ベース、実車有|
|~|BGCOLOR(#ff9966):インプレッサ TUNED(GC8)|~|藤原文太仕様|
|トヨタ|BGCOLOR(#ff9966):スープラ TUNED(JZA80)|~|相沢圭一郎仕様|
|~|BGCOLOR(#ff9966):MR2 TUNED(SW20)|~|小柏カイ仕様|
|~|BGCOLOR(#ff9966):スプリンタートレノ MECHA TUNED(AE86)|~|藤原拓海仕様&''パワステ無し''|
|~|BGCOLOR(#ff9966):カローラレビン TURBO TUNED(AE86)|~|秋山渉仕様&''パワステ無し''|
|~|BGCOLOR(#ff9966):カローラレビン SUPER CHARGER TUNED(AE86)|~|~|
|>|>|>|BGCOLOR(#ffff33):''Aクラス 全20車種''|
|ホンダ|NSX タイプS(NA2)|''3''|後期型|
|マツダ|RX-7 タイプRS(FD3S)|~|5型|
|三菱|ランサーエボリューション VIII(CT9A)|COLOR(#33cc00):''Tuned''|何れもグレードは「GSR」|
|~|ランサーエボリューション VII(CT9A)|''3''|~|
|~|ランサーエボリューション IV(CN9A)|~|~|
|~|ランサーエボリューション III(CE9A)|~|~|
|日産|フェアレディZ Version ST(Z33)|COLOR(#33cc00):''Tuned''|前期型|
|~|スカイラインGT-R V-spec II(BNR34)|''3''|後期型|
|~|スカイラインGT-R V-spec(BCNR33)|~|~|
|~|スカイラインGT-R(BNR32)|~|~|
|スバル|''レガシィB4 2.0GT spec.B(BL5)''|COLOR(#33cc00):''Tuned''|前期型|
|~|''レガシィ S401 STi Version(BES)''|~|特別仕様車|
|~|インプレッサ WRX STi spec C Limited(GDB)|~|中期型|
|~|インプレッサ WRX STi タイプRA spec C(GDB)|''3''|前期型|
|~|インプレッサ WRX STi Prodrive Style(GDB)|~|~|
|~|レガシィB4 RSK(BE5)|~|後期型|
|~|インプレッサ WRX タイプR STi Version VI(GC8)|~|2ドア仕様|
|~|インプレッサ WRX タイプRA STi Version VI(GC8)|~|4ドア仕様|
|トヨタ|''アルテッツァ 280T(SXE10)''|COLOR(#33cc00):''Tuned''|特別仕様車|
|~|スープラ RZ(JZA80)|''3''|後期型|
|>|>|>|BGCOLOR(#33cc00):&color(white){''Bクラス 全16車種''}|
|ホンダ|S2000(AP1)|''3''|前期型|
|~|インテグラ タイプR(DC5)|~|~|
|~|インテグラ タイプR(DC2)|~|後期型|
|~|シビック タイプR(EP3)|~|前期型|
|マツダ|RX-8 タイプS(SE3P)|COLOR(#33cc00):''Tuned''|前期型|
|~|サバンナRX-7 GT-X(FC3S)|''3''|後期型|
|三菱|''FTO GP Version R(DE3A)''|COLOR(#33cc00):''Tuned''|後期型|
|日産|シルビア spec-R AERO(S15)|''3''||
|~|シルビア K's AERO(S14)|~|後期型|
|~|シルビア K's(S13)|~|前期型|
|~|180SX タイプX(RPS13)|~|中期型|
|~|BGCOLOR(#ff9966):''シルビア K's TUNED(S13)''|~|池谷浩一郎仕様|
|トヨタ|''セリカ TRD Sports M(ZZT231)''|COLOR(#33cc00):''Tuned''|特別仕様車|
|~|アルテッツァ RS200(SXE10)|''3''|後期型|
|~|MR2 GT(SW20)|~|3型|
|~|セリカ GT-FOUR(ST205)|~|後期型|
|>|>|>|BGCOLOR(#0099ff):&color(white){''Cクラス 全8車種''}|
|ホンダ|シビック タイプR(EK9)|''3''|後期型|
|マツダ|ロードスター RS(NB8C)|~|前期型|
|~|ユーノス・ロードスター(NA6CE)|~|~|
|トヨタ|MR-S S EDITION(ZZW30)|~|前期型&br()後期型の6速ギア搭載((実車の後期型は無印3の稼動3ヶ月前の8月に発売されたばかりだった。後期型では外装変更も行われていたが、ゲームではグラフィック作成が間に合わなかったのか、6速ギアのみ導入された。続編の『BG4』では後期型そのものが登場。))|
|~|スプリンタートレノ 3door GT-APEX(AE86)|~|前期型|
|~|カローラレビン 3door GT-APEX(AE86)|~|~|
|~|BGCOLOR(#ffcc99):''ヴィッツ 1.5 TURBO TUNED(NCP13)''|~|架空のチューニングカー|
|~|BGCOLOR(#ff9966):''カローラレビン TURBO TUNED(AE85)''|~|武内樹仕様|
|>|>|>|BGCOLOR(#0033cc):&color(white){''Dクラス 全6車種''}|
|ホンダ|フィット 1.5T S Package(GD3)|COLOR(#33cc00):''Tuned''|前期型 CVT搭載(MTでは7速化)|
|マツダ|デミオ スポルト(DY5W)|~|前期型|
|三菱|コルト Sport-X Version(Z27A)|~|前期型 ''AT(CVT)のみ''|
|日産|マーチ 14s(BK12)|~|前期型 ''AT(4速)のみ''|
|トヨタ|ヴィッツ 1.5 RS 3door(NCP13)|''3''|前期型|
|~|BGCOLOR(#ff9966):''カローラレビン SR(AE85)''|~|~|

#endregion

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**コース
コース数は3で7コース、COLOR(#33cc00){''Tuned''}では超初級以外の難易度で新コースが追加され、計13コースが収録されている。~
全コースで順走・逆走が選択できる。カッコ内はモデルになった場所である。また、弩級以上は一本道コースになる。

#region(コース一覧)

''超初級(首都高速道路)''~
-夜のオーバルコース。バックストレートにもチェックポイントがある所も特徴。
-しかしバンクが浅く、特に高クラスのマシンの場合、ブレーキングによる荷重移動が必要となり、シリーズの超初級の中では恐らく一番難しいだろう。&br()トンネル内のバンクは路肩が無い為、緊急回避が難しいのも難易度を上げているポイントとも言える。

''初級(湘南海岸)''~
-朝焼けの景色が美麗なイージーコース。基本的に緩やかなカーブが続くが、突然急になる個所も。&br()また、全体的に見通しが悪い為、このコースでイレギュラーな状況に対応出来るようにしよう。

''初級B(阪神高速1号環状線)'' COLOR(#33cc00){''Tuned''}限定~
-阪神高速1号環状線をそのままコンパクトに再現したコース。
-微妙なカーブ、バンク角の浅く急なコーナー、狭いS字、大きく減速を強いらされる短区間の急バンク等、下手な中級よりも難しい要素が盛り沢山。&br()それでいて平均速度は高く、初級者がまず選ぶコースでは無いだろう。

''中級(芦ノ湖・箱根ターンパイク)''~
-芦ノ湖の周辺名所を凝縮したコース。ホームストレート周辺のさりげない勾配や中盤のヘアピンが最大の難所。
-下りと気づかずにオーバースピード・ブレーキングが遅れ接触したり、上りと気づかずに加速しない(Dクラスに顕著)などの罠が潜んでいる。

''中級B(嵯峨野・奈良の田舎)'' PS2版・COLOR(#33cc00){''Tuned''}限定~
-久々の中級ダートコース。ターマックのホームストレートから、ダートへと交互に入れ替わる構成である。
-ダートは意外とタイヤをすくわれやすく、早めにハンドルを切り、ドリフトアングルを深く付けないとアウトに膨らみかねない。

''上級(草木ダム)''~
-群馬県にある草木ダムの周辺道路をコンパクトに再現したコース。夕日に照らされた秋のダムの景色は美麗の一言。
-各所で水の流れる音や、森林地帯では鳥の鳴き声が聞こえ、落ち葉を踏めばリアルに舞い上がる描写も。&br()しかしそんな風情豊かな景色とは一転して道幅が狭い区間が多く、追い抜きが困難と言える。

''上級B(日本アルプス)'' COLOR(#33cc00){''Tuned''}限定~
-雪解けの山道が舞台で、側道にまだ残っている雪を踏めば勿論グリップ力が大幅に落ち、コントロールが利かなくなってしまう。
-オンロードコース扱いなので、オーバーテイクやライン取りには細心の注意を払わなければいけない。

''超上級(ヤビツ峠)''~
-秋の終わりの山中を舞台とした周回コース。勾配も厳しく、道幅も全体的に狭い。更にほぼ1車線に近い個所もあるので其方も注意。&br()その上ジャンピングポイントもブラインドコーナーも嫌らしく点在しており、それに対応するのも尚の事必要。

''超上級B(鈴鹿サーキット・筑波サーキット)'' PS2版・COLOR(#33cc00){''Tuned''}限定~
-シリーズ中でも珍しい明確なサーキット系コース。サーキットなだけあって道幅は非常に広いが、その分トリッキーなコーナーも多い。
-また、エスケーブゾーンのダートを踏むとグリップが大幅に落ちるので、原則踏まない事。

''弩級(榛名山)''~
-シリーズ伝統且つ色々な意味でも有名な峠道がより高い再現度でリニューアル。「イン側の溝」もきちんと使える。
--余談だが「弩級」の読みを「ワンきゅう」と間違われがちだが正しくは「''ド''きゅう」である。

''弩級B(赤城山)'' COLOR(#33cc00){''Tuned''}限定~
-バトルギア2の上級が高精細になってリニューアル。但し時間は昼から夕方となり、時折夕日が視界を僅かに邪魔する場面も。
-ヘアピンやわかり難いコーナーが多いが、全体的に道幅は比較的広く、上手にライン取りをするのがこのコースを完走するポイント。

''超弩級(八方ヶ原)''~
-真夏の昼で快晴ではあるものの、道幅が中盤以外は殆ど1車線分しか無く、ブラインドコーナーが非常に多い。&br()起伏もとても激しくストレートと言える部分がほんの僅かしか無く、文字通り超弩級。
-リプレイや匠モードでこのコースを大型スポーツカー(NSXやスープラなど)が駆け抜けていく様はまさに圧巻の一言に尽きる。&br()逆にDクラスで走行するとかなり時間がかかるため、半ばドライブ気分になってしまうことも。

''超弩級B(長尾峠)'' COLOR(#33cc00){''Tuned''}限定~
-初代バトルギアの超弩級コースが高精細になってリニューアル。時間帯が早朝固定になっている。
-大量の不規則なブラインドコーナーが絶え間なく続き、それも非常に長く、霧が掛かっており、非常にダレ易くなっている。&br()途中の霧が掛かったストレートには要注意。順走の終盤は一転して道幅が広くなるが、それでも見通しが悪いコーナーが続き、気が抜けない。

#endregion

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**評価点
-''前作から時代相応に進化したリアルなグラフィック。''
--当時のCS機でも高い描写力を誇ったPS2の互換基板へスイッチしただけあり、前作移植版から車・コースのモデリングが格段に進化。&br()車のボディには当時の『[[グランツーリスモ>グランツーリスモ コンセプト 2001 TOKYO]]』と同等レベルの環境マッピングが施され、一部コースでは全6台のレース((厳密には『1』のアトラクトデモ限定でCPUカー6台によるデモ走行があるが、基板性能の限界からか処理落ちが発生していた。実際のプレイ中には処理が複雑になるからか、ノーマルモードは全4台に固定されていた。))も達成した。
--画面フィルターによる空気感表現も追加。朝や夜、冬のコースでは冷やかな白色調、上級では暖かなオレンジ色調、夏のコースでは蜃気楼が起こる。&br()更にTunedでは光散乱シミュレーションによるコース上空の太陽の日差し表現((コース上空の太陽が画面に入ると、画面が一瞬眩しくなる「フレア」・乱反射した光が光る「ゴースト」が発生する。表示する車が少なくなるタイムアタックモードに於いては、これらの空気感表現がより顕著に表現される。))や、前作から復活した弩級Bでは霧の描写が大幅に強化されている。

-''シリーズ中でも「リアルさ」と「ゲームっぽさ」を適度に両立させた挙動。''
--今作の挙動は従来同様のリアルさを残しながらも、コーナリング時の挙動変化でゲーム的な調整が入り、シリーズでも『1』に次いで運転しやすい。&br()『[[バトルギア4]]』でシミュレーター寄りとなった挙動に慣れない人や、他レースゲーム経験者にもお勧めできる。&br()サイドブレーキも標準装備され、急コーナーで駆使してクリアするか否かといった駆け引きを全プレイヤーが楽しめるようになった。

-非常に芸が細かい要素も更に進化。単純にクオリティが上がっただけでは無く、痒い所にも手が届いている所も評価点。
--エントリーキーの抜き忘れ時に鳴る音までも実車さながらの警告音が鳴る。これは『BG4』にも受け継がれている。
--前作のボタン操作でのライト点灯、リプレイ等は勿論引き継がれ、リプレイはコース毎に地域1位、全国1位、車種別1位等と豊富に進化している。

-ドレスアップをしても走行性能が変化しないため、改造パターンの偏りが少なかった。
--純正派、軽装飾派、フルエアロ派等と言った様々な需要に応える事が出来た。結果的にランキングが個性的になり、其方の面でも賑やかにする要素にもなった。&br()残念ながら『BG4』では性能にある程度干渉してしまった為、この仕様を残して欲しいと言う声で溢れ返ったのは言うまでもないだろう。

-BGMの出来も雰囲気にマッチしており、中々カッコ良い。過去作のBGMも使用可能。
--今作のBGMはZUNTATAでは無く、有限会社サウンドウェイブが担当している。

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**賛否両論点
-COLOR(red){更に露骨化した小ネタ要因の漫画パロディ。}
--隠し車種のTUNED車については、前作までは「峠でのレース」を盛り上げる要素としてある程度は好意的に受け取られていたが、&br()元ネタの公式ゲーム化である『[[頭文字D ARCADE STAGE]]』と『[[湾岸ミッドナイトR]]』稼働後に稼働した今作でのパロディっぷり((特に「頭文字D」が元ネタのTUNED車は、前作までの車の外見・性能だけならまだしも、今作では更にドライバーのシルエット・ナンバープレートの英数字4文字・公式サイトでの解説と、下手をすれば同作の著作権を侵害していると受け取られかねないレベルである。))には困惑したプレイヤーもいた。&br()その所為なのか、BG3稼働当時のチームBBSやインターネット掲示板では、定期的に上記ゲームに関する論争が巻き起こっていた。
---タイトーもこれらを問題視したのか、『BG4』では独立したTUNED車を廃止。プレイヤー自らがチューニングして初めて再現できる程度に鳴りを潜めた。

-&bold(){Tunedで追加された「匠モード」の存在。}
--ゲームらしさを求めるプレイヤーは通常モード、リアル志向のプレイヤーは匠モードに分かれた。その為、稼働直後はランキングに連なるプレイヤーや車種が大きく異なっていた。&br()モード分け&タイムペナルティを付ける位なら、壁に何回接触したか否かだけを併記する方がリアル志向の人にも受け入れられ、1プレイも無駄になりにくかったかもしれない。
---因みに、当モードはゲーム中や公式サイトでは「匠(タクミ)モード」とも表記されており、これも遠回しな『頭文字D』のパロディと言えなくもない((同作主人公の藤原拓海(ふじわら 『たくみ』)は豆腐配達が生業で、豆腐に『衝撃を与えずに速く走れる』という、神懸り的な運転技術を持っている設定がある。))。


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**問題点
-''一部挙動面に粗がある。''
--一部車種の挙動が再現しきれていない。例えばサイドブレーキに関しては、4輪駆動のクルマでもリヤだけのロックが可能。&br()その為、インプレッサやランサーといった4WD車のドリフトは実車とはかなりかけ離れてしまっている。
--パワステ無しの車種があるが、パワステの有無やハンドルの重さ調節機能が無い。単に該当車を運転したい人や、体力面・腕力が低い人には不親切。&br()ハンドルの重さ再現は寧ろ評価点寄りではあるが、データが残らない等のペナルティ前提で車選択画面で調節可能とするべきだっただろう。

-ドレスアップの獲得順は『湾岸マキシ』宜しく順番に獲得する方式で、目当てのパーツが後半にある場合は相当な時間とクレジットが必要だった。

-''バトルギアシリーズ特有のCPUの理不尽な速さや挙動補正は今作でも健在。''
--従来と同様、CPUカーはどのコースでも一切のミス無しに一定のペースで走る為、COLOR(red){初心者ではDクラス・最低難易度・初級コースでも優勝は難しい。}&br()挙動補正もアウト側の他車にイン側から接触すると、他車には有利な補正が働き、自車は旋回性が鈍ってリカバリーが困難になってしまう。&br()但し''低難易度では1位以外が遅くなる、挙動補正自体も控えめとシリーズ中でも1番マシ''である。問題は通常難易度以降のCPUカーの速さと言った所か。

-少々短めな制限時間。
--無印の時点で前作よりマシにはなっており、更にTunedでも僅かに改善されたが、この問題が完全解決するのは『BG4』となった。

-ネットエントリーキーが記録媒体にしては''定価500円と非常に高額''だった。
--鍵状のドングルである事が影響しているかもしれないが、その上で1台までしか登録出来ないのは如何なものか。&br()更に上記ガレージに登録できる車種上限も64と、Tunedでは全ての車種が登録不可なのも難点だった。&br()因みに''ネットワークサービスが終了した現在では販売を終了している。''

-COLOR(red){''未アップデートor中途半端にアップデートされている筐体があり、その場合は一部車両やコースが選べない。''}&br()''NESYSに未接続の筐体はオンラインアップデートの対象外''だった為。コマンドによる解禁も無い為、現存している筐体をプレイする際は要注意。&br()当然ながらオンラインサービスは既に終了しているので、''現在はそのような筐体に運悪く当たった場合はどうしようもなく、諦めるしかない''。

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**総評
2000年代相応に進歩したグラフィックの他、環境面での強化、リアルになった操作性、ドレスアップ等は純粋に評価可能。~
それだけに、強烈な賛否を招いた「匠モード」や一部仕様の問題により評価を落としてしまったのが惜しまれる。~
とはいえバトルギアシリーズ中ではまだ良心的な作風の為、シリーズファンは勿論、シリーズ初心者の入門作品としても安心してオススメできる。~

現在ではネットワークサービスが終了して久しい為、稼動筐体を見つけるのは困難を極める。単純に遊びたいのなら後述のPS2版が手っ取り早い。~
しかし''Tuned独自の要素で遊びたいならば、待ち受けるのは''COLOR(red){''修羅の道。全国のゲーセンを血眼で探し回るか、基板購入に手を出すレベルの覚悟が必要''}となる。

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**その他
-最後のイベントレースの入賞者全員に『BG4』のネットエントリーキーが貰えた。
-まだ当時は痛車が世の中には少なかったが、本作のステッカーシステムが「スポーツカー×萌え絵」の基礎を築いたのかもしれない。

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*バトルギア3(PS2)
【ばとるぎあすりー】

|ジャンル|レースゲーム|~|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|タイトー|~|
|開発元|タイトー&br;ネクステック|~|
|発売日|2003年12月25日|~|
|定価|通常版:7,140円&br;初回限定版:8,190円(各税5%込)|~|
|備考|ネットワークサービスはAC版と同日に終了|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|''良くも悪くも無印のベタ移植''で堅実&br;Tunedの一部追加要素有|~|

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**概要(PS2)
バトルギア3に追加要素を加えたPS2移植版。~
初回1万本限定版には青いネットエントリーキーとBG3オリジナルR34トミカが付属した。通常版でも通常のネットエントリーキーが同梱されていた。~
発売日が業務用Tuned稼働開始日に近かったが、COLOR(red){''Tunedの一部新要素は先行収録扱いで、その殆どは未収録''}((似たような事例でbeatmaniaIIDXシリーズの「5th style(2001年8月30日)」と「16 EMPRESS(2009年10月15日)」のPS2家庭用版が現行機稼働中に発売されたが、その発売されたタイミングがいずれも業務用の次作稼働開始直前(「6th style」が2001年9月28日、「17 SIRIUS」が2009年10月21日)だったし、隠し要素や追加要素も概ね収録されている。))。
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**収録内容
無印3の要素は原則収録されており、AC版のレースモードは全てクイックレースに分類されている。~
タイムアタック、マイガレージ、イベントレースはメインレースに分類され、更に家庭用限定で以下の要素が収録されている。

-''バトルギアモード''
--クラス毎に事前に選んだ車で各クラスのCPUと複数のコースで1vs1で勝負するモード。勝利数を重ねて使用可能車種やドレスアップパーツを獲得していく。
--PS2版でSクラスの車種を使用するにはこのモードで同型車種とバトルし、勝利しないと使用出来ないので注意。

また、Tunedの一部要素が先行収録されている。
-中級B・超上級B(ゲーム内では「テスト」表記)
-「三菱・ランサーエボリューション VII RS」のカラーリングが変更。
--実際のラリーカー風から「ランサーエボリューション VIトミ・マキネンエディション」((前作に登場していたが、今作以降は未登場。))の特別カラー風に変更。&br()AC版3でのデザインは、有名タバコ「マルボロ」風のデザイン(通称マルボロカラー)を使用しており、その自主規制((マルボロの製造者であるフィリップモリス社は厳格な権利管理をしている事でも知られ、同社がスポンサードしていたマクラーレン全盛期の80年代、セガやナムコが製作したF1ゲームにマルボロロゴが無断使用されている事を告訴し何れも勝訴。2社は多額の違反金を支払うことになり、以降日本のゲーム業界で他社商標の無断使用禁止が徹底される切欠となった。))と考えられる。
-Dクラスの4車種

その他一部車種に性能調整が入っている。

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**評価点(PS2)
-&bold(){無印版バトルギア3が一通り遊べる。}前述の通り変更点もあるが、AC版がPS2との互換基盤で製作された故にしっかりと移植されている。

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**問題点(PS2)
-''アーケード版よりも不親切なメニュー。''
--アーケード版で併記されていたメーカー選択画面の車一覧表のクラス表記が何故か削除され、''どの車がどのクラスなのかが即座に判別できなくなっている。''&br()車選択画面で該当車にカーソルを合わせ、数秒のロード後に車と共に表示される車名の右下部にようやくクラスが表記されており、アーケード版よりも手間が掛かる。&br()''おまけに英語表記に誤字が多い''。本来「GROOVY RUN」であるべき箇所を「G『O』ROOVY RUN」等と誤記している。%%これでは「ファイナルゴロー」((本来は「ファイナル『ブ』ロー」で、タイトーが1989年に開発したボクシングゲーム。この誤記は、誤字・脱字だらけのゲーム雑誌として知られた新声社発行の「ゲーメスト」が発祥。))の事も笑えない。%%

-''バトルギアモードが作業ゲー。''特に明確な目標と言えそうな要素も無く、ただひたすらプレイするだけのモードである。
--上述の通り、隠し要素の解禁にこのモードをプレイしないといけないが、COLOR(red){前作にあった隠し要素に関する救済処置は無い。}&br()「プレイで貯まるゲーム内通貨を消費する等の、レースゲーに良くある解禁スタイルならばまだマシだった」という声もあると書けば、どれ程不評なのかが分かるだろうか。
---ストーリーモード的要素が、元々高記録を黙々と目指すストイックなゲーム性を持つ本シリーズと相性が合わなかった、という点も大きいかもしれない。

-''レース中のポーズ機能が無い。''
--オンラインランキングの公平性の為なのかは不明だが、クイックレースや上記のバトルギアモードでも不可なのは謎である。

-リプレイ機能も前作より不便になった。
--ローカルでの保存枠が全コース・車種合わせて10個しか無い上、リプレイ鑑賞時にラップタイムを確認できない。

-''Tunedの追加要素の殆どが未収録。''
--あくまで無印の+α移植に過ぎない為か、一部車種は未登場で、上記のレース中の太陽の日差し演出も無い。&br()結局アペンドや廉価版等でもTunedの要素は一切追加されなかった。アーケードの客を奪いかねない事情は理解できるが、何らかのフォローは欲しかった所。

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**総評(PS2)
「いつものバトルギアである」と同時に「いつものバトルギアを越える何かは無い」と評すべき、ごく普通のベタ移植作品。~
ここからプレイヤーを面白くする要素や調整があれば、胸を張って良作と呼べる良作作品になれたかもしれない。~
しかしバトルギアモードのすさまじい作業ゲー感により、残念ながらそれも叶わなかった。

Tunedの要素を収録したアペンドや完全版が出てたら評価も少しは上がっていたかもしれないが、~
しかし「愛の無い移植作品」や「シリーズの魅力をわかっていない移植作品」が数多く見られる昨今、~
「いつものバトルギア」を家庭で気軽に遊べるというだけでも十分に幸せなのかもしれない。

家庭用バトルギアの最終作は現在に至るまでこれである為、シリーズファンなら買っても損をする事は無いだろう。
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