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スカイキッド」を以下のとおり復元します。
*スカイキッド
【すかいきっど】
|ジャンル|シューティング|~|
|対応機種|アーケード|~|
|発売・開発元|ナムコ|~|
|稼働開始日|1985年12月|~|
|プレイ人数|1~2人(同時プレイ)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|世にも珍しい左スクロールシューティング&br()連打で復帰|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
ナムコが開発した横スクロールシューティング。~
「レッドバロン(フランツ・フォン・ドーセマイナー)」と「ブルーマックス(マックス・ヤルゼルスキー)」の二人が操る複葉機を操作してメガズキン軍団と戦うという設定~
二人同時プレイが可能となっている。全21ステージの1周エンド。

**特徴
-各ステージで定められたターゲット(戦艦、空母、基地、工場)を破壊し、無事にゴール地点に着陸する事を目的とする。

-シューティングとしては極めて珍しく「''左方向へ向かってスクロール''」する形を取っている。

-使用するデバイスは8方向レバーとボタン二つ
--本作では複葉機である自機の挙動がリアルに再現されており、自機を上下移動させた際に自機そのものが傾くようになっている。~
これに合わせ、ショットボタンを押した際にレバーを入れた方向に応じて「まっすぐ、斜め上、斜め下」の三方向へ弾を撃ち分けられるようになっているが、射程は短くおおよそ画面の三分の一ほどで消えてしまう。
---この仕様上、「機体を上下移動させる際もショットの方向が前方に固定」となっている一般的な2Dシューティングとは少々感覚が異る。
--もう一つのボタンは『宙返り』ボタンとなっており、『[[1942]]』よろしく無敵時間を付加しつつ素早く宙返りする。~
回数制限はないため、背後から複数の敵に迫られたとしても複数回繰り返すだけで瞬時に敵の背後へ回り込んで逆襲する事も可能であるし、宙返り中にショットを撃つ事で普段は攻撃できない方向へ弾を撃つ事も可能。~
レバーを入れながら宙返りをする事で高速に位置を変える、ゴール地点の着陸時に宙返りして着地を決めるとボーナス点獲得等、宙返りに関するテクニックは多い。

-ステージの中間地点には爆弾が用意されており、接触する事で拾う事が出来る。
--攻撃目標となるターゲットの中心部に爆弾を命中させると轟沈させる事が出来、ステージクリア時にボーナスポイントが貰える。中心部から外れてしまった場合はわずかながら得点が得られるが破壊した事にはならない。
---最終ステージを除いてターゲットを破壊出来なくともステージはクリアは可能。クリア時のボーナスの有無にとどまっている。
--爆弾はターゲットを破壊するのに必要不可欠であるが、宙返りボタンで爆弾を落とす為、''爆弾装着中は宙返りが封じられてしまう''。また、爆弾を抱えた状態で敵の攻撃に当たると落としてしまう事になる。その為、爆弾を拾って落とすまでは非常に慎重なプレイが求められる。
---宙返りは回数制限無限の高速回避という高性能なアクションである為、これが使えないだけでもかなりの制限となる他、爆弾を垂直落下させてターゲットの中心部にあてるという推量が求められ、さらにはターゲットの付近は特に攻撃が激しい事が多いため((ターゲット自身も対空砲で攻撃してくる為、ある程度の高さから攻撃しなければ撃墜されてしまう))、ターゲットを破壊するのはかなり難しい。
--ステージのターゲットは緑色であるが、灰色のターゲットも登場する。これを破壊してもスコアは得られるがターゲットの破壊とは扱われない。特に後半のステージになるとダミーとして登場する為、爆撃の前の見極めが必要となる。
---道中でミスをすると、ミスしたエリア次第では緑色のターゲットが灰色のダミーターゲットに差し替えられてしまう。少なくとも、爆弾を被弾によって落としてしまったり、投下した爆弾がターゲットを逸れてしまったからといって自爆してやり直そうとしても、確実に灰色のダミーターゲットに差し替えられている。

-ステージの最後まで到達すると着地を促され、この際に着地しそびれるとそのまま燃料切れで墜落してしまい、強制的に1ミスとなる

-ステージをクリアすると空中物を破壊した数、地上物を破壊した数、ターゲットの破壊の有無に応じて勲章とボーナスを得る事が出来る。
--地上物および空中物は10個単位で勲章の数が増えてくるが下一桁は切り捨てとなる為、スコアを多く稼ぐには出来るだけ下一桁の余りを出さずに破壊数を稼ぐ事が重要となる。
--ターゲットとダミーターゲットはそれぞれ1個につき勲章が得られるが、ダミーターゲットはもらえる勲章が小さく、得られるボーナスも少ない。

-敵や弾に当たるときりもみ回転しながら落下していく、この際にレバーを上に入れながらショットボタンと宙返りボタンを連打する事で復帰する事が可能となる。
--ミスの条件となるのはあくまで障害物及び地面への接触であり、敵との接触ではない。きりもみ回転から復帰する事が出来れば''何度弾や敵にあたっても大丈夫''という独特なシステムとなっている。
---ただし、接触を繰り返す事で復活に必要な連打回数は増えていく為、5~6回あたりから復活が厳しくなっていく。~
また、当然ながら地面や障害物に近い位置で被弾するほど復活が困難になっていくので場合によっては一度の被弾でミスになってしまう事もしばしば
---被弾した回数はステージをクリアするとリセットされる為、うまく立ち回れば一機でも長くプレイする事も出来る。
--2P同時プレイの場合、互いの弾に接触判定があるが、きりもみ回転中の相棒を撃つ事で助ける事ができるという協力プレイの要素もある。

**評価点
-スコアアタックが熱い
--先述の通り、ただクリアするだけのプレイとターゲットを破壊してクリアするプレイでは難易度に雲泥の差があり~
ハイスコアを目指すには''宙返りを封印された状態での一発勝負''((一度しくじれば、もうチャンスは訪れない。正真正銘の一発勝負である))を強いられる為、プレイヤーの腕前がダイレクトにスコアに反映される。
---特にターゲットを破壊した数はスコアランキングに載る為、腕前の証明にもなる。
--隠しギミックも多く、勲章の他に「特定の看板の上で宙返りをする」「着地の際にひっくり返って着地するとボーナス」「スペシャルフラッグ等の隠しアイテム」「ボスと相打ちになって稼ぐ神風特攻」といったスコア稼ぎを熱くするような隠し要素が多い。
-全体的にポップな雰囲気であり、殺伐とした雰囲気を感じさせない
--自機が複葉機であり、主人公の名前などから第一次世界大戦のドッグファイトをモチーフにしたと思われるが、ビルの並ぶ街並みの市街戦等、モチーフにこだわり過ぎずに独自の世界観を築き上げている
--小沢純子によるノリのいいメインBGM、鳥人の主人公が操る複葉機、丸みを帯びたどこかかわいらしいキャラクター等でカジュアルな世界観を彩っている。
---墓を撃つと踊りだしたりゴール前のチアガールを撃つと''う〇こに変身''する、自由の女神の足下を通過すると''スカートが捲れる''といった遊び心も随所に込められている。

-自機の高度を上げる時には機体そのものが斜め上に持ち上がり、下げる時には機体も斜め下に傾くなど、2Ð時代のシューティングゲームではほとんど見過ごされていた実際の飛行機の挙動をさりげなく再現してゲーム性に結び付けている点も芸が細かい。

-2P同時プレイ
--『[[ツインビー]]』や『[[エグゼドエグゼス]]』といった2人同時プレイが可能なSTGが登場し始めた時期の作品であり、~
勲章の取り合いや妨害を駆使する対戦プレイ、落下中の状態から助け合う協力プレイのいずれも可能なつくりとなっている。

**問題点
-自機の速度が遅く、何度も被弾する事を前提にした攻撃が多い為、難易度は高い。
--一般的な2Ðシューティングと違い、大量の敵が前方のみならず背後からも編隊を組んで襲い掛かってくる上、敵の弾は途中で消える代わりに弾の速度が早く攻撃も激しい。バックアタックなども平気で行ってくる。

-スタート地点における自機は地面に着陸した状態で待機しており、開始直後にレバーを上に入れることで離陸するというリアルな仕様となっているが、すぐにレバーを入れないと即座に壁にぶつかってミスになる。
--きちんと画面上にその旨が表示されるため理不尽ではないが、この仕様をきちんと理解していないと開幕直後に戸惑ってミスをしやすい。

**総評
二人プレイや連打が間に合えば何度でも復活が可能といった意欲的な要素を盛り込み、ポップな雰囲気も相まって全体的にカジュアルで敷居が低いシューティングである。~
しかし、やり込めばやり込むほど隠し要素の多さやスコアアタックによる違った楽しさが見えてくる作品でもある。

**続編
-後にSYSTEM86基板にてマイナーチェンジ版である『スカイキッドDX』が稼働した
--ステージやキャラクターが追加。北極がモデルのステージが加わっており、チアガールの代わりに撃つとビールジョッキに変身するペンギンが登場する。ターゲットも列車砲と氷山基地が新たに加わった。
--音源がPSGからFM音源になり、BGMもアレンジされた。しかし、無印の方がよいという声がもっぱらであった。

**余談
-本作のメインBGMは元近鉄バファローズ(現在のオリックス・バファローズ)の吉田剛選手の応援歌に使用されており、~
その縁で同社の『ファミスタ'93』にて吉田選手が打席に立つ際に本作のBGMのアレンジが専用応援歌として流れるといった要素が存在する。

-同社の『[[エースコンバットシリーズ]]』にも度々コラボしたり、他社の作品である『[[スカイガンナー>SKYGUNNER]]』では連打による復活といった要素がオマージュされている。

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