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---- *BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣 【ぶるーりふれくしょん まぼろしにまうしょうじょのけん】 |ジャンル|ヒロイックRPG|&amazon(B01N0AZVH6)&amazon(B01MTKS9QM)|~| |対応機種|プレイステーション4&br;プレイステーション・ヴィータ|~|~| |発売元|コーエーテクモゲームス|~|~| |開発元|ガスト|~|~| |発売日|【PS4/PSV】2017年3月30日&br;【Win】2017年9月26日|~|~| |定価|【PS4】&br;通常版(パッケージ/ダウンロード):7,800円&br;プレミアムボックス:10,800円&br;スペシャルコレクションボックス:16,800円&br;【PSV】&br;通常版(パッケージ/ダウンロード):6,800円&br;プレミアムボックス:9,800円&br;スペシャルコレクションボックス:15,800円&br;【Win】&br;Steam版:8,424円(各税別)|~|~| |判定|なし|~|~| |ポイント|シナリオ・キャラ描写・BGMは神&br;システム面は微妙&br;どちらを重視するかで評価が真っ二つに分かれる|~|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 コーエーテクモゲームス傘下にあるガストブランド部が打ち出す“美少女祭り”プロジェクトの一環として開発された新作のRPG。~ 発表から数ヶ月間渡りPV・インタビューを通しての宣伝により、絵師・岸田メルのファンを主として注目を集めた。 **あらすじ バレエのティーンスターであったが、怪我に夢を奪われて心折れていた白井日菜子。 ある姉妹と出逢い、戦う力を手に入れてから、己の願いを胸に“魔法少女”“リフレクター”として戦いに身を投じては、たくさんの気持ちに触れていく。それは、少女たちの絆の物語である。 **特徴 人の心の問題を解決するために心象世界“コモン”にダイブし、シンボルエンカウントでコマンドバトルを始めるというRPG要素を基盤に持つ。女の子の交流し、親密になっていくというギャルゲー的な一面もある。~ 交流を繰り返すうち、''スキルポイント''や''フラグメント''を手に入れることがある。 -スキルポイント --''アタック''、''ディフェンス''、''サポート''、''テクニック''の四分野のいずれかに振ることで、対応した攻撃力、防御力、MP、敏捷が強化される。スキルポイントの使用と同時にレベルは上昇して全能力が伸びる。 --四分野やレベルが一定値に到達すると、新たな技を習得することができる。 -フラグメント --心通わせた人の思いの欠片。パーティーキャラの技に装着することができ、技の強化ないし効果付加をもたらしてくれる。 -エーテルゲージ --戦闘における重要リソース。行動コマンドのエーテルチャージが主要の獲得手段。下記のオーバードライブを筆頭に、様々な行動手段に必要。 -オーバードライブ --一度に複数の技を重ねかけさせるコマンド。技一つ増えるにつれ30%のエーテルゲージが必要で、最大三つで90%消耗。最大にすると、''合体技''が行動の最後に発動し、目標に大ダメージを与えられる。 -サポーター --ボスである原種と戦うときに、最大12人の生徒がサポーターとして加勢してくれる。 -デートイベント --校園内の自由活動時、誰かと一緒に下校することで始められるサブイベント。 --本作に[[日数の概念>アトリエシリーズ]]はなく、メインストーリーを進まない限り何度もデートイベントを発生させられる。 **評価点 -グラフィック表現 --主人公含め、メインの15人の少女は、髪型・輪郭・体型の違いがモデルにはっきりしている。よこしまなカメラワークと相まって、誰のどこかしらの特徴はフェティズムを刺激してくれるのだろう。 --日光や燈光により背景やキャラに覆う光沢の質感もよく、絵になる。 -良質なシナリオ --少女たちの間に繰り広げられる理解と共感、反発と衝突を経て、関係性を深める流れは丁寧に描写される。 --イベントのみならず、用語集にも各人の掘り下げがなされ、一読の価値はある。 -秀逸な音楽 --通常戦闘曲「OVERDOSE」、ティファレト戦BGM「binGe」、ラスボス戦BGM「Sayonara」と言った戦闘曲を中心に高評価。 --少女たちの心情を表すピアノソロ曲から、ワブルを多用したノリノリな戦闘曲まで、50曲以上の膨大なラインナップの一曲一曲が場面と相乗効果を成し、印象に残る。 --(これでも)楽曲数は比較的絞られており、メインキャラの3人を楽器に見据えて作曲したとの事。 --&bold(){日菜子をイメージしたとされるピアノは全曲に使用されており、}本作特有の圧倒的な透明感を助長している。 --発売前の時点で浅野隼人氏がほぼ全曲の作曲を担当したということで、大きな注目を集めていた。 ---浅野氏はサントラのライナーノートで「悪い意味ではなく、多分僕にとって一番胸の張れる、かつ、それこそ卒業アルバムとも言えるような一番恥ずかしいCD」と語っている。本作の発売と同時に浅野氏はガストを退社した為、文字通りの卒業アルバムとなっている。 --本作で最も評価されている要素と言っても過言では無く、サントラがプレミアムボックス以上にしか付属していない限定版だった為、早くもプレミア化していた。2021年8月9日の「BLUE REFLECTION 帝 夏休み特別生放送」でようやく単品の発売が決定した。 **賛否両論点 -カメラアングルの制約 --この手の3Dゲームは、審査の壁もありカメラを思い通りに動かせないのも珍しい話でもないが、本作のそれは特に厳しい。学園パートでは一切任意操作できず、コモンパートや観賞モードでも縦方向を少ししかいじれない。 --そのかわりか、カメラワークにこだわりがある。キャラを撫で回すようなカメラの動きがそれ。だがやはり自由に動かせるモードがあればよいことに越したことはない。 **問題点 -戦闘の難易度があまりにも低い --メインストーリーを進めるためにレベルが一定値必要だが、そのレベル帯でもザコにはパーティーの一人に攻撃力バフをかけて全体攻撃を撃たせば一掃できる。 ---1ターン目で日菜子がオーバードライブして自分にミゼリコキャプコ(攻撃力バフ)→ラファールジェモー(全体攻撃)で戦闘終了…という光景が良く見られる。ミゼリコキャプコのステータスアップ倍率が高すぎるとも言え、ユズにかけてグレイブウェイブもしくはライムにかけて焔風のフラップでも同じ結果になり得る。 ---戦闘終了後HPMP全回復なので、継戦能力を考えるまでもない。 --ボスはこれといった強烈な行動パターンがなく((せいぜい4人目のボスが高威力の毒攻撃を駆使するぐらい))、サポーターで雑魚戦より味方の戦力が一回りアップするので、ラスボス含め初見でもたやすく対処できてしまう。 --最高難易度のハードでしかもフラグメント・ドーピングアイテム抜きでも、である。低難易度・強化要素活用となればさらにぬるくなる。 --スキルポイントの振り方により習得スキルの違いが出るが、一定レベルごとに自動習得する技でもなんとかなる場合が多い。 ---終盤、レベルリセットアイテムが利用可能になるので、難易度を求めるプレイヤーはそこに着目を。 --またプレイヤーに有利な仕様(バグ?)として、自身の出した発行スキルのオブジェクトの分エーテルチャージの効率が跳ね上がる。ユズが特に活用しやすく、他の二人に多大の量のエーテルゲージを献上できる。 --インタビューで岸田メル氏によると、ストーリーをストレスなく体感させるためにあえて難易度を低くしたとあったが、難易度制を採用しているのだから、ハードの敵をもっと強くする、倒す必要のない強敵を用意するなどRPGパートを充実にしてもらいたかった所である。 -サブシナリオの貧相な演出 --メインストーリーと戦闘ではフルボイスだが、サブシナリオには一切なし。サブシナリオのテキスト量はメインストーリー並なので、ストーリーを進まないでいるとボイスの無さから窮屈さを感じてしまうこともある。 --モーションのある校内イベントはまだしも、下校イベントではキャラが一切動かず、一枚絵を背に棒立ちして会話のテキストが流れるだけ。複数のキャラの好感度を稼ぎたくば下校イベントを繰り返すことになるので苦痛ですらある。 --それぞれのキャライベントに他のパーティメンバーがほぼ一切関わって来ない。日菜子と二人でのやりとり(終盤ではユズとライムも入る)が繰り返されるのみであり、こぢんまりとしている。まれに他のパーティメンバーが絡む事もあるが、その殆どは西田早苗と一之瀬亜子に限られている。特に終盤である重要な事実が明かされる場面でも、まともにかかわるメンバーはほとんどいないのが気になる点である。 --斉木有理のイベントに限り他のパーティメンバーと絡む展開も多く見ていて楽しく、この点は評価出来ると言える。 --このような仕様は同じガストブランドの「フィリスのアトリエ」と同じ徹を踏んでしまったと言える。 -シナリオの描写不備 --序盤は、新キャラと出会った途端精神暴走され、コモンにダイブしてその心の問題を解決してはまた別のキャラと…という展開が繰り返されて食傷気味。 -代わり映えのなさ --複数のキャラの間に、両手ガッツポース、頬杖、口隠しなど数種だけのモーションが使いまわされるのが目に付く。 --ボスキャラにあたる原種は、どれも二回もしくは三回も戦うことになるが、登場シーン、戦闘パターンはそれぞれ一緒。戦闘舞台は全体ともグラウンド一色。 ---撃破演出は毎回違うのだが。 --ザコキャラもそれぞれの色違いを除けば十数種のみでと少ない。 --学園内部とコモンでしか自由行動できない。下校イベントで町を周ることになるのだが、AVGパートが流されるだけで探険は出来ない。 -DLCの値段と内容の不釣合い --本作では、イベントで入手できる衣装がなく、DLCしか衣装チェンジができない。 --そして衣装が入っているシーズンパスはゲーム本体に迫る高さ、にしては内容が数種の衣装とサブイベントの追加だけ。 ---3人ずつに分けてのバラ売りがされているので、欲しいキャラだけに絞れば安く買えるのだが、パーティキャラ3人に限ってもそれぞれ別売されているように、目当てのキャラが複数いれば結局のところいくつかのパスを買う羽目になる。 --また、パーティキャラが戦闘時DLC衣装非反映(リフレクター衣装固定。サポーターのみ反映する可)なのが非難される。 -ビジュアル面 --リフレクターの打撃を用いた技は、距離が離れたままで繰り出され、絵的に映えない。反面、雑魚敵の打撃攻撃はしっかり近づいて繰り出す。 ---恐らくは原種対策でこのような演出になっていると思われる。原種は大型ボスであり、なおかつ戦闘開始時はかなり離れたところにいるので、攻撃するには遠距離技を使うしかなく、それに対応すべくリフレクター側の使う技が遠距離でも届くようになっている、と言った具合である。 --PS4版は処理落ちがかなり深刻(Proなら少しマシだが)。一方PSV版はPS4版のような特別な光沢表現がない。 --[[シェルノサージュ>シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~]]程ではないが、乳揺れが目立つ。ほんの少し歩く程度だけに留まらず、特に何もしていないのに揺れる場面もあり、違和感が強い。 -UIの不便 --メインストーリーを進めるための条件を満たしている時、1-Aの教室に入るたびに進むかしないかの選択をさせられる羽目になる。 --材料集めミッションで、目的アイテムを所持した状態で依頼者の所に戻る必要があるが、受注後一度でも入手したら不所持になってもミッションリストで「1/1」と表示したままでまだ手元にあるように誤認させられる。アイテム欄で確認しようとしても一度に画面に表示できるアイテム種は少なく、アイテム名の法則性も薄くて一目でわかりにくく、結果条件がクリアしているかどうかが把握しにくい。 -好感度の関連性が少ない --苦労してプレイし、全員の好感度がMAXになってもエンディングに変化がない。 **総評 少女たちのキャラクターとしての魅力を、素晴らしいグラフィックと丁寧なシナリオにより緻密に表現。高品質な音楽も没入感を促してくれる。~ ただ、ゲーム部分に問題点が多く、そこを割り切れるかどうかで本作を楽しめるかどうかは変わってくるだろう。 **余談 -全曲の作曲を担当した浅野隼人氏は本作発売直前に退社している。 --Twitterでの作品発売前の発言内容の陰鬱さと退社後の発言における明快さが浮き彫りとなっており、本作の製作現場の状況を示唆している。 --なお、氏は発売後本作の話題を積極に出していたので、思い入れがないわけではないと思われる。 -制作会社繋がりで、スマートフォンゲーム『拡張少女系トライナリー』と本作の宣伝も兼ねた小規模コラボイベントが行われている。 --だが、その内容は「専用のストーリーはなく、目玉となる白井日菜子も喜怒哀楽の4属性で『制服』『リフレクター』の2つのグラフィックを使いまわし、しかもガチャでしか出現しない」というかなり寂しいもの。「ブルリフ」の有効な宣伝になったかは疑問が残る。 -現在では、衣装の入手、全員の好感度MAXによるエンディング変化などで本作の不満点を解消したNintendo Switch版、Xbox One版の発売を望む声が多い。 -その後のメディア展開 --2021年4月からアニメ「BLUE REFLECTION 澪」がアニメイズム枠で2クール放送している。 --コンシューマーゲーム「BLUE REFLECTION 帝」が(PS4/Switch)10月21日、(Steam)11月9日発売予定。 --PC/携帯用のソーシャルゲーム「BLUE REFLECTION 燦」の製作も発表された。