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MAX PAYNE」を以下のとおり復元します。
*MAX PAYNE
【まっくす ぺいん】
|ジャンル|TPS|CENTER:&amazon(B00008R8L1)|
|対応機種|Windows&br()Mac OS X&br()プレイステーション2&br()Xbox&br()Game Boy Advance&br()iOS&br()Android|~|
|発売元|Gathering of Developers&br()P&A (Win日本語版)&br()【PS2日本語版】エレクトロニック・アーツ&br()【PS2/Xb/Steam】Rockstar Games|~|
|開発元|Remedy Entertainment&br()3D realms&br()【PS2】Rockstar Canada&br()【Xb】Neo Software&br()【Mac】Westlake Interactive&br()【GBA】Möbius Entertainment(現:Rockstar Leeds)&br()【iOS/Android】War Drum Studios|~|
|発売日|2001年7月25日&br()2001年8月10日(Win日本語版)|~|
|定価|【Win】8,800円&br()【Steam】980円&br()【iOS/Android】360円|~|
|配信|Steam/モバイルにてダウンロード販売中|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|マックスペインシリーズ第1作&br;徹底したアクション映画的演出&br;難易度は高め|~|
|>|>|CENTER:''MAX PAYNEシリーズ''&br()''1'' / [[2>MAX PAYNE 2: The Fall of Max Payne]] / 3|
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#contents(fromhere)
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**概要
1987年から1994年にかけてスカンジナビアのデモシーンを圧巻した「Future Clew」の主要メンバーによって設立され、「FinalReality」や「3D mark」シリーズなどのCGを駆使したベンチマークソフトを手がけていたフィンランドのRemedy Entertainmentが、それまでのノウハウを生かして初めて手がけた本格的な3Dゲーム作品((ゲーム会社としてはDeath Rallyというタイトルの俯瞰視点2Dレースゲームを1996年にMS-DOSで発売しているが、こちらは本作と比較すると知名度が低い。))。~
開発は1997年頃からスタートしており、「3D mark 2001」などのRemedyが手がけた一部ベンチマークソフトには本作のポスターや本作に酷似した演出が多く見られる。~
また、90年代後半に『[[Duke Nukem 3D]]』や『[[Shadow Warrior]]』といった作品の開発を行った3D realmsが本作の監修とスポンサーとして参加している。~
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日本ではWin版では日本語化はされなかった((モバイル版発売により、データを抜き出すことで非公式だがWin版の日本語化も可能になった。))ものの、PS2版とそれをベースにしたモバイル版では日本語吹き替えでストーリーを楽しむ事が出来る。

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**ストーリー
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#center(){{
&font(110%){''全ては3年前に始まった。''}~
&font(110%)''俺を苦しめ続けるあの夜から。''}}
~
>麻薬と犯罪、汚職の蔓延る1998年のアメリカ・ニューヨーク。
>ニューヨーク市警北分署の刑事マックス・ペインは、ニュージャージーの自宅で妻ミシェールと赤ん坊と共に平和を享受していた。
>だがそんなある日、帰宅した彼は荒らされたリビングとそこに描かれた注射器、そして黒い「V」の文字を見て戦慄する。
>ヴァルキア、通称「V」と呼ばれるドラッグに犯されたジャンキーたちはマックスの自宅を襲撃し、妻ミシェールと赤ん坊を無残に殺害してしまったのだった。怒りにまかせジャンキーを撃ち殺したペインは、ミシェールの亡骸を抱えて慟哭する。
>三年後。ジャンキーへの憎しみからDEA(麻薬取締局)へと異動したマックスは、長い捜索の末にヴァルキアの取引情報を得る。
>2ヵ月の潜入捜査の末、久しぶりに同僚アレックスと合流すべくロスコー・ストリート駅へ向かったマックス。しかし階上への通路は遮断され、休憩所には無残な惨殺死体が転がっていた。
>その死体は紛れもなく、何者かがマックスの正体に勘付いたことを示していた。襲い掛かるマフィアを跳ね除けアレックスの許へと急ぐマックス。しかしアレックスは何者かによって射殺され、ニューヨーク市警はなぜか即座にペインをアレックス殺害犯と断定して追跡を始める。
>陰謀渦巻くニューヨークを舞台に、ペインの復讐劇が始まる。

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**ゲームシステム
-マウスで視界を制御し、WASDで移動、Eキーでドアの開閉やスイッチの起動などを行い、spaceキー+方向入力で入力した方向にローリングドッジを行う。ステージ上のロッカーや救急ボックスなどといった特定箇所には「ペインキラー(鎮痛剤)」が点在し、最大8個まで同時携行が可能。これを持っている場合Backspaceで使用することで痛みゲージを下げることができる。大量に投与してもオーバードーズなどの副作用は起こらない。
--マウス左クリックで所持武器で攻撃を行い、Rキーでリロード、数字キーで武器を選択する。本作の根幹を担う要素として、Shiftまたはマウス右クリックで「バレットタイムコンボ」を発動可能。発動の瞬間に入力していた方向へとローリングドッジを行い(未入力の場合立ちながら発動)、発動中はマウスによる標準以外の時間が全てスローモーション(0.2倍速)になる。これを利用することで、シュートドッジで敵の攻撃を華麗に避けつつ冷静に照準を合わせて敵を射殺することが可能になる。

-画面左下には痛みゲージと砂時計、ペインキラーの所持数が表示され、痛みゲージが最大まで赤に染まると死亡する。砂時計は最大目盛りが10となっており、バレットタイムを発動するごとに1減り、敵を倒すごとに1増える。
--溜まりすぎた痛みゲージは放置することで約80%ほどまでは自動回復するため、ペインキラーが尽きた場合でも即座に詰むわけではない。80%以上に達するとペインの歩行モーションが変化し、この間のみ自動回復が行われる。

-マップはオーソドックスなチャプタークリア式。マップは曲がり角や遮蔽物といったバレットタイムを生かしやすい構造が多く、開けた空間はあまり多くない。
--ステージの途中では任意でムービーを見ることが出来、それによってストーリーを深く知ることが出来る。またイベント以外のムービーを無視することもでき、周回時もストレスがない。

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**評価点
''バレットタイムコンボによるアクション映画的演出''
-1999年の映画『マトリックス』のスロー演出や『男たちの挽歌』に代表されるジョン・ウー作品の二丁拳銃アクション、そしてアクションTPS『[[トゥームレイダース]]』における縦横無尽のドッジロールなど複数の作品からインスピレーションを得た、スローモーションで華麗に飛び回る「バレットタイム」を駆使した銃撃戦は非常にアクション映画的。操作も覚えれば簡単に活用できるように調整されており、TPS視点なのも相まって非常に「映える」ゲームプレイを堪能できる。
--そのエリアの最後の敵を倒した際や、スナイパーライフルで射殺した際などにもスローモーション演出が挿入され、プレイヤーの銃撃で派手に吹っ飛んでいくさまがこれでもかと描かれる。ハンドガンでもキー押しっぱなしでかなりの速度で連射できるなど、弾をばら撒いて敵を倒すという一点にゲーム内容が特化している。

''高いクオリティで表現されたニューヨーク''
-ゲームデモで培った3DCG技術をフルに活用した、高解像度テクスチャと緻密なポリゴン、自然な光源処理で構成されたニューヨークは当時としては非常に緻密な出来。「ベンチマークソフトの品質でゲームが遊べる」として高い評価を得た。
--ステージも派手なビル街などはないものの、薄汚れた地下鉄駅やジャンキーの巣と化した貧相なホテルなど徹底して「汚いニューヨーク」を描いている。シリアスなストーリーと雰囲気が合致しており、完成度は高い。

''ハードボイルドなストーリー''
-映画『ダーティーハリー』や『リーサルウェポン』といった70~80年代の刑事アクション映画や、2000年頃の香港ノワール映画に強い影響を受けた作風を特徴としている。
--主人公マックスペインのキャラクター像もハリー・キャラハンやマーティン・リッグスといった「正義感から暴走する孤独な刑事」というお約束をしっかりと踏襲。随所に挟まれるアメコミ的なカットシーンや独白も相まって、その手の作品を好むゲーマーにはたまらない非常に熱い展開が進む。

''パズル要素により緩急の付いたマップ構成''
-道中には一筋縄では行かない倫理的構成のパズルが仕込まれており、ただ撃ちまくりながら進むだけの単純なゲームプレイの解消を試みている。付近のヒントから取るべき行動を推測して先に進んでいくパートは違和感もなく溶け込んでおり巧妙。
--また、ステージにはいくつか隠し部屋が存在し、それらを探す楽しみもある。隠し場所を見つけることで弾薬やペインキラーの補充が可能となっており、戦略的にも有利。

''弾痕や死体、薬莢が消えない''
-当時処理落ち回避策として多くのFPSに採用されていた、破壊オブジェクトや死体が消えたり溶けたりするスタイルは意図的に省かれている。その代わり(当時としては)重かったが、リアルな世界表現の一環として有効に機能している。

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**問題点
''開閉時に詰まるドア''
-ドア開閉時のモーションといったものがなく、Eキーを押した時点で自動で開くようになっている。そのため開けようとしたドアがプレイヤーに当たって止まることが多い。

''バレットタイムを前提とした難易度''
-バレットタイムコンボを最大限生かすように、敵の攻撃力や反射速度はかなり高めに設定されている。バレットタイムを活用して初めて対等に渡り合えるようなバランスであり、そもそものバレットタイムを習得することができなければクリアは厳しい。
--もっとも、クイックセーブ回数は無限でありバレットタイムの操作性も非常に良い。よほどの下手でない限り、「バレットタイムに慣れなさ過ぎて詰む」といったことは起こらないだろう。
--一方クリアまでの時間を競うスピードランでは、「スローモーションにしないほうが早い」という身も蓋もない理由からその殆どがバレットタイムを利用せずに攻略している。一応はバレットタイム未使用でもクリア可能なバランスではあるため、一種のやりこみ要素としても楽しめる。

''ペインの顔''
-渋い声だが微妙に口角が高い。実写取り込みのテクスチャはリアルさに繋がっているのだが、ムービーシーンで頻繁に見るため慣れるまでがギャップに戸惑うことも。
--技術力の向上もあり、『2』以降は渋い真顔になった。

-ちなみにペインの顔のモデルは本作のシナリオを手掛けた、Remedyのクリエイティディレクターである「Sam Lake(サム・レイク)」氏である。
--氏は海外で根強い人気があり、後の『[[ALAN WAKE]]』((ゲーム内のテレビのトークショーにカメオ出演しており、「もう一度 あの顔をやってくれ サム…それだ!」と顔真似を披露している。))や『[[Quantum Break]]』にも端役で登場している。

''動的難易度調整''
-本作ではプレイヤーのスキルに応じてDDA(ダイナミック・ディフィカリティ・アジャストメント)が働くようになっており、死亡せずに突き進んでいるとその時間に応じて敵の体力や反応速度、命中率が上昇する。
--アーケードゲームなどで有効に活用される同調整法だがクイックセーブ&ロードで進むことのできる本作とはシステム上かみ合っているとは言い難く、好きなだけやり直せるからとノーミスで進み続けるとイージーでも難易度が跳ね上がることに。

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**総評
スローモーションで狙い撃ちを行う「バレットタイム」によって華麗に敵を倒す、非常に映画的な演出が特徴のTPS。~
アメコミ調の語りや作中全般に漂う渋い雰囲気は一貫して刑事アクション映画を模倣しており、あたかも映画の主人公になったかのような気分で遊ぶことが出来る。~
グラフィックの品質やマップの構造、バレットタイムの使い方次第で変わる絶妙な難易度など単体のTPSゲームとしてのクオリティも高く、事前の注目度の高さも相まって大ヒットを遂げた。~
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現在ではRockstarによってSteam版・モバイル版が配信されるなどプレイのハードルは非常に低い。高画質化やオリジナルストーリーといった多種多様なMODも存在するなど、長い間愛されている作品である。~

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**移植
-2003年5月にPS2版が発売された。移植に際しPC版からマップ構造などの一部が変化しているものの、大まかな構造やイベントのカットシーンはオリジナル版に忠実な移植となっている。
--また、音声は日本語で完全に吹き替えられており、小杉十郎太氏による主人公ペインの%%顔に似合わぬ%%渋い独白や他NPCとの会話といった内容を高クオリティの音声で堪能できるようになった。

-2003年12月には携帯機であるGBAにも移植を果たした。
--しかし、スペックの差やボタン数の少なさから構成はかなり変更され、クォータービューの2Dシューティングゲームとして製作された。
---無茶移植ながら音声付きオープニングなど頑張ってはいるものの、色々と力不足感の拭えない出来となっている。

-2012年4月には『MAX PAYNE MOBILE』としてiOS/Androidで配信が開始。こちらはWin版のマップをそのまま利用しているものの、カットシーンや音声はPS2の日本語版のものが使用されている。
--非公式ではあるが、このモバイル版のデータを流用することでWin版も日本語化できるようになった。

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**余談

-本作のとある壁には、ゲームクリエイターの間でミームとなっているid Softwareのゲーム『Commander Keen』のDopefishが銃を持つポスターが登場している。

-Rockstarのタイトルの幾つかには本作のバレットタイムが受け継がれており、『[[RED DEAD REDEMPTION]]』におけるマーストン、『[[Grand Theft Auto V]]』のマイケルがバレットタイム(デッドアイ)を利用できる。

-2008年には実写映画化(邦題:マックス・ペイン)もされている。

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**その後の展開
-2022年4月に本作と続編『2』のリメイクが発表された。
--対応機種はPS5/XSX/Winで、2作で1本の作品としてリメイクされるとのこと。

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